ファーブルが描いたきのこ。自然を愛した偉大なる科学者のまなざし
ファーブルといえば、『昆虫記』。ではありますが、氏がこの世界に残したモノそのものよりも、自然へ寄せられた確かな愛情と、それを純粋に世の中の人々に知ってもらいたいという誠実さに、ファーブルという人間の人となりを感じます。 […]
伊東忠太建築の不思議動物を探して
フランク・ロイド・ライトや夏目漱石と同時代に生き、妖怪好きで、当時「造家」としてくくられていた建物を「建築」という言葉に改めた建築家、伊東忠太。 築地本願寺や、湯島聖堂、京都の祇園閣など、有名な寺院や神社の設計を多く手が […]
「漢聲」が海を超えて伝える、大陸の文化とデザイン。
先々週の「文字の祝祭」、先週の「仙萼長春図」に続き、本日もアジアのデザインを探訪。 各国に根強いファンの多い台湾発の雑誌「漢聲(ハンシェン)」の登場です。「漢聲」は毎号テーマを変え、中国の文化を深く、かつグラフィカルに紹 […]
村山知義の美術の仕事 | 未来社
村山知義の美術の仕事/画家、小説家、ダンサーなど幅広く活動した村山知義の作品集。油絵をはじめ、肖像画などのスケッチ、舞台美術、絵本など、氏の手掛けた美術作品を多数収録。また自身のエッセイ「『朝から夜中まで』の時」「現代芸術の課題」や、巻末には「村山知義 美術。演劇年表」なども収録。
グラフィック写楽67人展
1995年に開催された「グラフィック写楽67人展」の図録。浅葉克己、粟津潔、奥村靫正、亀倉雄策、田中一光、永井一正、仲條正義など、日本を代表するグラフィックデザイナー67人が、"SHARAKU"をテーマに製作したポスター作品を収録。浮世絵の常識を打ち破り、時代の最先端を走った写楽の偉業と魅力に、新たな視点で迫る。
「田舎臭い日本の欧文印刷」を変えた井上嘉瑞と活版印刷
歴史の中で知る昔の日本人は使命感というものに突き動かされている。 自分のおかれている現状を冷静に見つめ、来たるべき未来のために己を捧げる。 井上嘉瑞という人もまたしかり。 日本の欧文印刷における技術と知識を西洋並みに押し […]
日本とイギリスを結ぶ 陶芸界の架け橋
「リーチの作品は、優しく温和なものが多い。力んだものや、いばったものや、強さ、荒さを表にしたものはない。」 民藝運動家の柳宗悦がバーナード・リーチの作品に寄せた言葉です。本書ではそのほかに陶芸家の浜田庄司、白樺派を代表す […]
SAML.WALTZ(サムエルワルツ)の椅子をお借りしました
手としごと展が始まりました。 今回販売しているノッティングの椅子敷き。 我が家でも椅子に座ってご飯をする時や、キッチンのハイスツールに座る時、はたまた、床において寝転がって本を読むときも、ぐるぐると自分の腰の据える場所に […]
雲の誕生 有元利夫作品集
画家・有元利夫の銅版画集。限定制作であったオリジナル銅版画集「NOTEBOOK」シリーズ3作および「限定版 雲の誕生」の4冊より厳選された46点を収録。ミシン目入りで、ページごとに切り取って額装も可能。
神のかたち図鑑 | 松村一男、平藤喜久子
地域や時代、文化によって大きく異なる神の姿形をまとめた図鑑。天体、時間、自然、動物、道具などにカテゴライズし、カラー図版とともに紹介。
西と東のまじわり。中国清朝のイタリア人宮廷画家が描いた花鳥風月
1715年に清朝時代の中国へわたったイタリアの宣教師、兼画家。 という経歴が、すでにドラマを感じさせます。 その名は郎世寧(ろうせいねい)。イタリア名はジュゼッペ・カスティリオーネ。カトリック系修道会であるイエズス会の宣 […]
居住空間に生き方を見る。 インテリア誌「apartament」
住空間にその人らしさがこんなにも表れるのはどうしてだろう。自分がこのインテリアに惹かれるのは、なぜだろう。どうしたらこんな空気感を写真に収められるだろう。 そんな風に、「apartamento」に掲載されたライフスタイル […]
オペークインキが切り開く、グラフィックデザインの新大陸
「グラフィックデザインの世界に新大陸がひらけた感じ」とは、早川良雄のことば。それほどまでに、濃い色の紙でもはっきりと、かつ美しく発色するオペークインキの登場は、グラフィックデザイナーたちに新たな冒険の場を与えてくれる、無 […]
Nippon Design Center 1960-1979 | 日本デザインセンター
Nippon Design Center 1960-1979/日本デザインセンター設立20周年を記念し、非売品で発行された作品集。亀倉雄策の東京オリンピックポスターや、田中一光の国際版画ビエンナーレポスターをはじめ、アサヒビール、伊勢丹、ニコン、東芝など様々な広告デザインや、ブックデザイン、トレードマークなど、その輝かしいデザイン仕事の数々を収録。装丁は永井一正。
選書のお話。本棚から辿る、世界手しごとの旅
ノストスブックスは「手としごと」展を開催するにあたり、「世界の手しごと」をテーマに厳選した書籍をあつめました。作る・選ぶ・暮らすの3つのパートに分け、選書担当・石井がその一部をご紹介します。 世界手しごとの旅 その1 「 […]
アジアの文字を言祝ぐ。杉浦康平と写研の集大成
文字ってすごい。 文字とは、思いや情報を伝達するための記号であるわけで、わたしたちは日々意識することなく使用しています。ですが、その成り立ちやひと文字ひと文字に与えられた意味を探ると、それもう果てしのない旅に出ることがで […]
TRA | タイガー立石
TRA/ニューメディア時代に新しいマンガを模索する漫画家・画家のタイガー立石によるコミック大全。「トトとカルチョ」「ストンコ・チンコ」「デジタル・コミック」「虎の巻」などナンセンスでユーモラスな作品を多数収録。
まどゑ Vol.3 YACHIYO KATSUYAMAさん
「手としごと」展スタートまで、あと2日。 今回、DMとまどゑの絵をyachiyo katsuyamaさんにお願いしました。 (以下、やちよさん) やちよさんの、手を通して描かれた道具たちの、たしかな存在感とゆらいだ線のせ […]
岡崎和郎の発見と発想
見立ての力がある人はモテる。 モテるというのは異性にモテるというだけではなく、仕事が出来るとかアイデアマンであるとか、そういったことを含んでいる。 何かを見て、「あ、それは○○みたいなことですね」と全然別の切り口を提示で […]
植物学者の眼と写真家の腕。カール・ブロスフェルトのコラージュ集
植物学者だからこそ持ちえる視点と、写真家だからこそ成し得る表現。今回紹介する『Karl Blossfeldt: Die Arbeitscollagen 』は、その2つがもっとも美しいかたちで融合した作品といえるのではない […]
Braun社が生んだデザインとその変遷
つい最近もディーター・ラムスの本を紹介したばかりじゃないかって?いいんです、だって好きなんですから。 1955年から1995年におけるBraun社のプロダクトデザインを紹介した本書。ラムスの代表作をじっくり楽しめることは […]
ジョン・ワーウィッカーがデザインする 驚きあふれる浮世
「Floating World」の日本語訳は浮世。定めがないこの世、つらくはかないこの世の中などという意味があります。 本書は、1990年代を象徴するロンドンのデザイン集団、”tomato”の創立メンバーの一人でもあるジ […]
ワークショップ 竹清堂・田中茂樹さんに教わる、六つ目編みの鍋敷きと竹のお話
10月5日(土)と10月6日(日)に、竹清堂の田中茂樹さんを講師に迎え、竹の鍋敷きをつくるワークショップを開催いたします。 ワークショップを開催するにあたって、竹清堂の田中さんに会いに行って来ました。 竹清堂は、杉並区下 […]
作り手インタビュー ノッティングの椅子敷きの魅力と、外村先生に教わったこと
広島県でノッティングの椅子敷きを作られている駒木根圭子さん。駒木根さんのノッティングをはじめて見た時、図案の美しさや色合わせのセンスに感動しました。 実際に座ってみても、毛足が長く座り心地がいい。さらに、10年、20年使 […]
戦後のパリを彩るレイモン・サヴィニャックの魔法
誰かが放つポジティブな”気”に、ひとは吸い寄せられるもの。デザイン業界でいえばレイモン・サヴィニャックはまさに、天性のユーモアとエスプリで、フランス国内のみならず世界中に魔法をかけた人物といえます。 1939年に第二次世 […]
風刺漫画から山の絵画まで。辻まこと作品のすべて
「辻まこと」という人物が放つ、この捉えようのない魅力とは一体何なのでしょう。 ユーモア満載の詩やイラストによる社会の風刺から、山や動植物との触れ合いを穏やかに描いた風景画まで、振れ幅のある多彩な作品の数々。そして思わず「 […]
日本モダンデザインの旗手 杉浦非水展
1994年にたばこと塩の博物館で開催された「日本モダンデザインの旗手 杉浦非水展」の展示図録。三越や地下鉄などのポスターの他、図案、装丁、ペインティング作品などをカラーで収録。アール・ヌーヴォーに和のデザインを融合させた作風は、当時の日本のモダンに対する憧れを写し取っている。
写真の概念を覆した前衛写真家 マーク・ボスウィック
『not in fashion』というタイトルが表すものは。 こちらはPurple Fashionやi-D Magazineなどの広告写真を多数撮影したマーク・ボスウィックの作品集。 ファッション写真なのに服が写っていな […]
アルネ・ヤコブセンがデザインした伝説のホテル
「神は細部に宿る」とは、巨匠ミース・ファンデル・ローエの言葉ですが、近代建築のなかにはまさにその精神を体現し、語り継がれている伝説の名作があります。 本書「Room 606: The Sas House and the […]
ウレシイ編輯,タノシイ設計。書物のかたちと理に寄り添う羽良多平吉の書容設計
羽良多平吉という人を初めて認識したのはどこかの古本屋でみた雑誌HEAVEN。 衝撃だった。 羽良多平吉がデザインした実物がもっと見たくて書籍を調べ、扱ってそうな古本屋を探し歩いた。 あのとき古本屋の面白さに夢中になったお […]
江戸の華・火消しが魅せた粋のすがた
火事と喧嘩は江戸の華と申したもので...、と落語調で解説をしてもらいたくなる本日のおすすめ。   本書「江戸三火消図鑑」は染色下絵師・浮島彦太郎が描いた肉筆本の復刻版。火消とは、江戸幕府が編成した消防組織のこと。身分 […]
優美な精密描写に隠されたデザイナーの眼
大橋正といえばイラストレーター。 と思ったら大間違いなのだ。 アートディレクター、デザイナー、イラストレーターと1人三役当たり前。本来はグラフィックデザイナーなのである。 「私の制作するイラストレーションは、私のデザイン […]
親友が語る、アルヴァ・アアルトの人生と偉業の数々
フィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アアルトの作品を知る人は多いでしょう。けれど氏が、無口ながら社交的な父の影響を受けて育ち、生涯を通じて手紙を描くのが苦手で、そしてどれほど作品を愛した人物だったのかということを深く […]
ロードサイドに佇む秘境。あなたの知らないニッポンを旅しよう
旅行の愉しみはおいしい食事と温泉だけにあらず。美しくなくても品がなくてもインスタ映えしなくても、ミステリアスな旅情にみちた場所。わたしたちが知らないだけで、そんな場所はまだまだ日本中に点在しています。いいですね、わくわく […]
ディーター・ラムスのデザインに学ぶ、ものを選ぶ視点
ディーター・ラムスのデザインした製品を使えたら、そのほかに多くの物はいらない、とすら思ってしまいます。あのかっこいいオーディオが、ライターが、コーヒーメーカーがあれば、きっと簡単に他のものに買い換える気持ちが生まれないだ […]
バンダイナムコゲームス、カプコン、セガ!ゲーム・グラフィックにみるデザイン史
かつて仲間とともに盛り上がった、青春の思い出が詰まったゲームの世界。頁をめくった読者から、「うわー、懐かしい」「おれ、このロゴの時代からこのゲームやってたなぁ」という声が今にも聞こえてきそう。 今回のオススメ本、アイデア […]
極寒を乗り切るイヌイットの女性の知恵
「イヌイットの壁掛け」の中に登場するのは、動物や人、家や山など。描かれているのは日々の何気ない暮らしなのに、まるで童話の一場面のようで、耳を澄ませば楽しいストーリーが聞こえてきそうです。 カナダの先住民イヌイットの暮ら […]
高梨豊が切り取った 昭和52年の下町
そこに人はほとんど写っていないのに、さっきまで立ち話していたであろう女性や、もうすぐ帰ってくるであろう子どもたちの姿を想像することができます。 高梨豊の『町』が発行されたのは昭和52年。家庭用食器乾燥機が発売され、白黒テ […]
日経新聞社がおくる、時空を超えた知のぜいたく
「時空を超えた知のぜいたく」。想像するだけで心満たされるテーマです。 この『日経回廊』は、日経新聞社が購読者向けに発行していた非売品の雑誌。残念なことに現在は休刊となっていますが、僅か1年半の間に発行されたこの10冊、 […]
稀代のヒットメーカー松本隆の詩の力
本書は、短編小説で始まり松本隆が作詞した20曲分の歌詞の中の物語を巡って、最後にまた短編小説で終わる。断片的なものをつなぎ合わせて1つの物語になるように構成された気がする。強引に読めばきっとそうに違いない。 基本的に80 […]
モダニストの初期詩篇・未発表詩稿集。恩地孝四郎の詩と版画
用意された 肉褥のなかに やさしい産卵管をさし入れ ることを彼は知ってゐる 彼は方程式を解決する ドブ貝はやはらかい地球である 即ち 水は個体となり 鱮は生れる 「蟲・魚・介」より抜粋 この、タナゴという川魚の産卵を官能 […]
ポップアート界の巨匠はミックスセンスの鬼。ロイ・リキテンスタインのカタログ・レゾネ
ロイ・リキテンスタインといえば、1960年代にブレイクしたアメリカンコミック調の作品が思い浮かびます。が、美術大学の修士号をもち、抽象表現にチャレンジし続けた画家でもあることをご存知でしょうか。 1970年代以降のリキテ […]
知性と野性のビジュアル表現。激動の時代を走った8人の作家
1960〜1970年代にかけてのグラフィックデザイン界は、まさに群雄割拠。高度経済成長期を経て、情報化社会への一歩を踏み出した同時代において、印刷メディアは大きな発展を遂げました。 そんな時代を一望できる1冊が、本書「 […]
淡々と、残酷に、美しく。川内倫子のうつす世界
人びとの営み、光あふれる美しい景色、そして道端に佇む死。すべてが並列。川内倫子の写真はきわめて平等な視点で世界を見つめています。  本書「Illuminance(イルミナンス)」は川内倫子の12冊目の写真集。ローラ […]