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オペークインキが切り開く、グラフィックデザインの新大陸
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オペークインキが切り開く、グラフィックデザインの新大陸

オペークインキのすすめ

「グラフィックデザインの世界に新大陸がひらけた感じ」とは、早川良雄のことば。それほどまでに、濃い色の紙でもはっきりと、かつ美しく発色するオペークインキの登場は、グラフィックデザイナーたちに新たな冒険の場を与えてくれる、無限大の可能性を秘めたものだったのです。

本書『オペークインキのすすめ』は、竹尾洋紙店より出版されたオフセット印刷用の特色インキ・オペークインキの見本帳。なんといっても見どころは、オペークインキの色彩表現・効果を探るための試作を行っているのが、日本を代表するグラフィックデザイナーたちという点です。

全12名、抜粋するのが惜しいので全員ご紹介しちゃいましょう。
亀倉雄策、細谷巖、永井一正、山城隆一、福田繁雄、杉浦康平、早川良雄、宇野亜喜良、横尾忠則、大橋正、田中一光、原弘。(順不同) これは...もはや作品集と呼べるほどの豪華さ。

巻末には、様々な色の紙にオペークインキや比較用の透明インキを乗せたグラデーションチャート、そして、合計8種のスクリーンで製版したスクリーンチャートも。

デザイナーたちが実際に作品制作を通してインキの適正や可能性を探っていく様子、そして新しい表現方法の発見に至るまでの驚きや感動なども一緒に楽しんでいただきたい一冊。

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ノストスブックス店長。前職では某テーマパークのお姉さんや、不動産会社の営業をしていました。小説とクラシックなものが好き。一緒に、好きだと思えるものを沢山見つけましょう。