羽良多平吉という人を初めて認識したのはどこかの古本屋でみた雑誌HEAVEN。
衝撃だった。
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羽良多平吉がデザインした実物がもっと見たくて書籍を調べ、扱ってそうな古本屋を探し歩いた。
あのとき古本屋の面白さに夢中になったおかげで、今こうして古本屋をやっているのかもしれない。
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羽良多平吉は僕にとってアイドルみたいな存在で、このアイデア346号が出たときも、貪るように隅から隅まで読んだ。対談で語られる書体を片っ端からリストアップし、スキャンした表紙データの上で再現しては「あぁなるほど羽良多平吉っぽい」とご満悦だった。
今考えれば同じ素材を使ってトレースしてるんだからそりゃそうなんだけど、ちょっとだけ近づいたような、秘密を知ったような気がしたんだな。
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わたくしごときがうまく言語化できないけど、各エレメントは不安定な揺らぎを持っているのにページ全体のレイアウトはムチャクチャ強度がある。
ずっと別次元にいる人。
大好きです。