本書は、短編小説で始まり松本隆が作詞した20曲分の歌詞の中の物語を巡って、最後にまた短編小説で終わる。
断片的なものをつなぎ合わせて1つの物語になるように構成された気がする。強引に読めばきっとそうに違いない。
基本的に80’Sぽいアーバンな世界観が全編に漂う。誤解を招くかもしれないが歌詞の世界の登場人物たちは大変にキザである。そこが良い。
座ったまま肩をすくめて
「気が変わったら戻って来いよ」と言った。
いまだかつて、肩をすくめたこともなく女性にそんなセリフをかけたことが無いことを、とても悔やんでいる。