先々週の「文字の祝祭」、先週の「仙萼長春図」に続き、本日もアジアのデザインを探訪。
各国に根強いファンの多い台湾発の雑誌「漢聲(ハンシェン)」の登場です。「漢聲」は毎号テーマを変え、中国の文化を深く、かつグラフィカルに紹介する雑誌。伝統工芸、伝統衣装、干支、広告、映画など暮らしの中に息づく文化を、細やかな調査と確かな編集力で伝えています。
そしてなんといっても、ブックデザインが素晴らしい。組版、グラフィックデザイン、紙、印刷など、どこにフォーカスしてもハイクオリティ。漢字文化圏特有の親しみやすさとエキゾチックさが同居しています。
さて、本号「侗族服飾芸術探秘」は、貴州省や湖南省で暮らす少数民族・トン族の伝統衣装を中心に、その文化を特集。
染織り、刺繍、銀細工、男女や季節ごとに異なる美しい衣装、文様の由来、制作過程、伝承なども合わせて紹介しています。
近代化の反面で失われつつある伝統を記録し、人びとに伝えたい。言葉を理解できなくとも、そんな力強いメッセージが紙面から伝わってきます。
残念ながら「漢聲」は現在休刊となっている様子ですが、台湾にはバックナンバーやグッズを販売する店舗があるそう。行ってみたいなあ。アジアのデザインに強く惹かれる今日このごろです。