ブックレビューBOOK REVIEW

アルネ・ヤコブセンがデザインした伝説のホテル
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アルネ・ヤコブセンがデザインした伝説のホテル

Room 606: The Sas House and the Work of Arne Jacobson

Michael Sheridan

「神は細部に宿る」とは、巨匠ミース・ファンデル・ローエの言葉ですが、近代建築のなかにはまさにその精神を体現し、語り継がれている伝説の名作があります。

本書「Room 606: The Sas House and the Work of Arne Jacobson」の主役、ラディソンSASホテルもその一つ。1960年竣工、アルネ・ヤコブセンが設計し、内装、家具、グラス、ドアノブ、灰皿にいたるまですべてのデザインを手がけたデンマーク初の高層ホテルです。

窓、照明、テキスタイル、家具といったテーマごとに章が分けられおり、カラーとモノクロ写真で当時の面影を見ることができます。家具の章には、もちろんスワンチェアやエッグチェアの姿も。ちなみにタイトルの606号室は、当時の内装を残した現存するスイートルームの部屋番号。ヤコブセンのトータルデザインは妥協がなく、ミニマムで吸い込まれるような美しさをもっています。

そうそう、現代建築がお好きな方におすすめしたいのが、Netflixで配信されている「世界の摩訶不思議な家」。様々な国のユニークな邸宅を毎回紹介してくれるのですが、周囲の環境と調和した素晴らしいデザインや、素材、インテリア、暮らす人々のインタビューなど、見応えたっぷり。専門知識がなくても楽しめる番組です。ぜひぜひ。

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ブックディレクター。古本の仕入れ、選書、デザイン、コーディング、コラージュ、裏側でいろいろやるひと。体力がない。最近はキュー◯ーコーワゴールドによって生かされている。ヒップホップ、電子音楽、SF映画、杉浦康平のデザイン、モダニズム建築、歌川国芳の絵など、古さと新しさが混ざりあったものが好き。