眺める詩、コンクリート・ポエトリー
文字が持つ物質性に注目し、視覚的に展開された実験的な詩「コンクリート・ポエトリー」。噛み砕いて言うなら、読むのではなく、眺める詩、とでもいいましょうか。 今日はそんなコンクリート・ポエトリー詩人である北園克衛と向井周太郎 […]
最大の愛を込めて。芸術家がつくるおもちゃ
アーティストたちが自分の家族、あるいは子どもたちのために制作した「贈りもの」にこそ、最大の愛とクリエイティブが詰まっているのかもしれない。 『作家からの贈りもの』には、名だたるアーティストたちが手がけた「贈り物」の記録が […]
ストリートファッションにみるカラーブロッキング
今日は一歩も出かけない日!と決めても、自分が好きな服を着たらハリが出る。ファッションが私たちに与えてくれるパワーは偉大。 今入荷しいるファッション関連書籍のなかで、とくに注目していただきたいのがこちらの写真集『Hassa […]
アアルトからムーミンまで。北欧の建築とデザイン
まずは新入荷のアルヴァ・アアルト作品集『Aalto』。 パイミオチェア、スツール60、ヴィープリ図書館、セイナキヨ・タウン・ホール、ベース・コレクションなど、代表作品を楽しみた方も、この一冊ならばっちりです。 そしてデン […]
昭和を代表するデザイナーたちの、夢あふれる広告デザイン
戦前から戦後の激動の中で、広告デザインは常に変化を遂げてきました。販売促進という目的のある広告デザインの中で、自由な表現を恐れなかったデザイナーたちの偉大な仕事をご紹介します。  まずは日本を代表するデザイナー・亀倉 […]
アートやデザインの学び場、ジャケットアート
音楽を配信サービスで聴けるようになった今、便利ではあるけど「ジャケ買い」することが無くなったなぁ、なんて思うと少し寂しい。アートやデザインの学び場として、CDやレコードのジャケットを見直してみると、きっと多くの発見がある […]
モランディにハンマースホイ。室内風景に魅せられた男たち
愛した光景に人生を捧げた画家がいます。 一人目はジョルジョ・モランディ。風景画も有名ではありますが、なにより瓶、水差し、オブジェといったモチーフを繰り返し描いた画家として知られています。 自身の理想とする作品へのこだわり […]
メンフィス創設者、ナタリー・デュ・パスキエの未発表ドローイング集
実はこれまで2回ほど入荷したことがありながら、すぐに店頭で売れてしまい、なかなかブックレビューが書けていなかった本書。3回目の正直でやっとみなさんにお披露目できます。 こちらはデザイン集団・メンフィスの創設者のひとり、ナ […]
花を"モデル"にした、アーヴィング・ペンの傑作
ケシ、チューリップ、薔薇、ユリ、シャクヤク、ラン、シュウカイドウ…アーヴィング・ペンが撮影した花々は、まるで美しい女性のように華やかで、ときにセクシーにすら見えてくる。 それはアーヴィング・ペンがファッション写真を多く手 […]
ゴッホも模写した、歌川広重の名所シリーズ。
ゴッホが模写したエピソードでも知られる、歌川広重の「名所江戸百景」シリーズ。安政3年(1856年)2月から、わずか2年8ヶ月の間に次から次へと刊行され、シリーズ総数は120枚にもおよびました。 このシリーズは当時の江戸の […]
類似と相違。ベッヒャー夫妻の写す工業建造物
久々にご紹介できるベッヒャー夫妻。淡々とした呼吸のなかに見え隠れする情熱に、毎回心を打たれます。 立ち並ぶのは給水塔、冷却塔、石灰窯、濾過機、そして溶鉱炉といった工業建造物。ベッヒャー夫妻の写真集には、「給水塔」や「溶鉱 […]
バウハウスとはなんであったのか?
2019年に創立100周年を迎えたバウハウス。今年7月に開催予定の巡回展「きたれ、バウハウス」を心待ちにしているという方も多いかと思います。 ロンドンのバービカン・アート・ギャラリーで「Bauhaus Art as Li […]
建築図面に広がるユートピア
みなさんが持っている「建築図面」のイメージを、一旦すべて取り払って見ていただきたい。これらは単なる設計図面にあらず。想像力を結集して生み出された壮大な芸術であり、人類がいつか実現しうる未来予想図であり、果てない夢を乗せた […]
布切れ一枚、糸一本粗末にしない。「BORO」の美学。
何十枚も重ねられた布の表情、修繕のためにチクチクと手縫いされた糸。今はデザインのためにほどこされる刺子も、保温と補強のために生み出された知恵の結晶。 貧しさと寒さに耐え、生きていくために生まれた手仕事は「BORO」と呼ば […]
モノには物語がある。プロダクトデザインから見える「インドらしさ」
普段身の回りにあるモノのなかで、それらが作られた由来や歴史を知っているというものが、どれだけあるでしょう。実はそうした当たり前の風景として見過ごされているもののなかにこそ、その国らしさや、人の暮らしが色濃く表われてたりす […]
90年代グラフィックデザインの巨匠。デヴィット・カーソンの伝説
「懐かしい!」「この表紙持ってた!」そんな声が聞こえてきそう。こちらは、1992年に創刊されたカルチャー誌「Ray Gun」のアンソロジー。この雑誌に憧れて、誌面の真似をしたデザイナーの方も多いのではないでしょうか。 「 […]
そのデザインは無限大。歴史深きチベタン・タイガーラグの魅力
いまだかつて自分の部屋に動物柄のラグを敷いたことはないけれど、いいかもしれない、タイガーラグ....。 本書で紹介されているのは、108種類のチベタン・タイガーラグ。世界四大絨毯の一つに数えられるチベット絨毯ですが、なか […]
ジャンルの垣根を飛び越えた、横尾忠則のデザイン
横尾忠則の顔の広さはすごい。それはこの作品集の目次をみればわかるのですが、寄稿文をよせた面々の豪華なこと。 亀倉雄策、田中一光、永井一正、ミルトン・グレーザー、「スタジオ・イルフイル」をともに立ち上げた宇野亜喜良、東京イ […]
クールでキュートでセクシー!クロエ・セヴィニーのアルバム
ダウンタウンのクリエイティブ・シーンにおいてミューズのような存在で、デビューから30年以上たった今も人々を魅了し続けるクロエ・セヴィニー。 女優としても輝かしい賞を受賞する一方、先日ご紹介したエレン・フライスが編集長を務 […]
接ぎ木が生んだ“いい顔”。小田康平が手がけるユニークな美しさを放つ植物たち
ノストスで入荷する本のなかでも図鑑や博物誌が大好きで、入荷のたびにわくわくと心を躍らせています。いま店頭で展開してる「自然を見つめるまなざしコーナー」でひときわ誇らしげに鎮座しているのが本書、『Grafted: Plan […]
美しき生活の痕跡。アルヴァロ・シザが生み出す詩的建築空間
建築界のノーベル賞に例えられるプリツカー賞を受賞し、ミース・ファン・デル・ローエやル・コルビュジエに影響を受けたモダニズム建築の継承者ともいわれるアルヴァロ・シザ。『Alvaro Siza: Expor On Displ […]
トリノの広告に革新を起こしたデザイナー、アルマンド・テスタとその作品。
メキシカンハットが印象的なカバレッロと彼に恋するカルメンチータ、青い大きなカバのヒッポ。もしかしたらご覧になったことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。 これらはイタリアのグラフィックデザイナー、アルマンド・テスタが […]
知られざるコルビュジエのブックデザイン
モダニズム建築の巨匠、ル・コルビュジエ。建築家、都市設計家、芸術家として多彩な才能を発揮したことで広く知られていますが、実は本の出版とブックデザインにも心血をそそいでいたことはあまり知られていません。本書「Le Corb […]
粋でモダンで、今もなお新しい「雪岱調」
余白のある構図、繊細な線…「雪岱調」と呼ばれる画風で、江戸情緒を含んだ作品を残した挿絵画家、小村雪岱。その作品は、粋という言葉がぴったりな上に、今見てもモダン。 絵の才能が認められていながらも、小説の挿絵や資生堂のデザイ […]
建築にファニチャー、プロダクトまで。アルヴァ・アアルトの仕事を網羅する。
ノストスで働き始めてもうすぐ1年になるのですが、東京に引っ越してきて最初に行った展覧会が「アルヴァ・アアルト もうひとつの自然」でした。見応え十分の素晴らしい内容だったので「図録買っとけばよかったな〜」と後悔している、わ […]
想像力を結集せよ。荒俣宏が築く本のなかの博物館
なかなか展示へ行けぬとお悩みのみなさん、そんなときは本のなかの博物館へ出かけてみるというのはいかがでしょうか? 今日ご案内するのは、世界初の総合図像史研究施設をめざして創設された、『想像力博物館』。歴史文化を再発掘し、そ […]
竹尾広告集。グリーティングカードとレターヘッドで楽しむ紙の魅力
株式会社竹尾の活動は本当におもしろい。多種多様な紙の紹介から、展覧会の開催、歴史の解説や対談まで、まさに紙をめぐる知の冒険。 本を読むといえば今だに紙だったり、お手紙や包装紙、DMといったあれこれがどうしても捨てられない […]
ウォルフガング・ヴァインガルトの好奇心と探究心が生んだ、タイポグラフィの数々
言わずとも知れたタイポグラフィーの巨匠、スイスのウォルフガング・ヴァインガルト。数々のタイポグラフィ作品を生み、指導者としても活躍したことで、数えきれないほどのデザイナーに多大な影響を与えました。 本書はそんなウォルフガ […]
やっと世界が出会えた。ヒルマ・アフ・クリントの描く抽象絵画
抽象絵画の先駆けといえば、ワシリー・カンディンスキーや、カジミール・マレーヴィチ、そしてピエト・モンドリアン...ですが、実は彼らよりも早く、実験的な手法で抽象的な絵画を描きはじめていたヒルマ・アフ・クリントというひとり […]
横須賀功光が切りとった、謎めいた山口小夜子の魅力
ー着る、という意味では、地球上に存在するあらゆるものを着こなす自信があるー 自身を「ウェアリスト(着る人)」と名乗り、日本人であることを強みに活躍したモデル・山口小夜子。 そんな彼女の世界観を支え続けたのが、1973年に […]
タイポロジー×ニューカラー。写真家、ガッツ・ディアガートゥンが収集した風景
ベッヒャー派もニューカラー派も、わたしはノストスで働くようになってから知ったのですが、そんな素晴らしい2つの流れを汲んだ作品に新たに出会いました。好きじゃないわけがありません。 著者であるガッツ・ディアガートゥンは、デュ […]
アートディレクターの仕事を追体験。細谷巖の広告を読む。
nostos booksがオープンして以来ずっと人気のロングセラー「イメージの翼2」を再入荷しました。本書はアートディレクター・細谷巖が手がけた広告作品集。1960年代後期から1980年代までの代表的な仕事を紹介していま […]
「本物」と「ニセモノ」の境界線
今日ご紹介する書籍のテーマは「真贋」、つまり本物とニセモノ。...なんともドキリとさせるテーマではありませんか。 ひとくちにニセモノといってもさまざまで、たとえばそれが「贋物」「フェイク」「まがいもの」などと聞くとマイナ […]
ファッションの価値観を覆しつづける、コム デ ギャルソンのすべて
「コム デ ギャルソン」。誰もがその名を耳にしたことがあるだけでなく、自然と服のデザインやブランドイメージを思い浮かべることができる。 そんな世界のギャルソンのすべてを知ることができる一冊『川久保玲とコムデギャルソン そ […]
世界で最も美しい貨幣をデザインしたOotje Oxenaar
毎日何気なく使っているお金。じっくり眺めてみたことがありますか?実はとても凝ったデザインの上に、それぞれの国の特性や、偽造防止技術の緻密な模様や、印刷技術が詰め込まれた興味深いものなのです。ああ、もっといろんな国のお金を […]
流行り廃りを超えて。ブージタ・デ・ヴォスが見つけた本当のファッション
素晴らしい一冊に出会ったとき、「これはあのひとにぜひ一度見てもらいたい!」と誰かを思いかべることがありますが、こんなにも沢山ひとの顔が浮かぶ本というのもなかなか珍しいです。 テキスタイルを愛する人、本を通して広い世界を旅 […]
植物学者、アナ・アトキンスが魅せる幽玄な青写真の世界
「青写真を描く」とは、計画を練るの意。語源となったサイアノタイプ(日光写真)がかつて機械図面や建築図面をコピーするのに重宝されたことから、将来計画などを指す言葉としても使われるようになりました。 イギリスの植物学者であり […]
ハンス・アルプの生み出した魅力的な人形たち
どうしてこうも惹かれてしまうのでしょう。抽象的でありながらも、どこか可笑しみを感じる生命体のような雰囲気をもったハンス・アルプの作品。コラージュやアッサンブラージュの手法をつかった絵画や、石膏やブロンズなどを使用した彫刻 […]
あるものは恋人、あるものはよき友として。猪熊弦一郎のたからもの。
作家やアーティストの蒐集品というものは、どうしてこんなにも心をくすぐるのでしょう。 蒐められたもののなかに作家が手掛けた作品との繋がりを発見したり、作家自身のルーツを見出したりとおもしろがり方は様々ですが、本書『画家のお […]
いつまでも創刊を待つとしましょう、ダヴレクシー
このまま永遠に 予告を出し続ける雑誌でいてほしい。 ー 細野晴臣 羽良多平吉のデザイン(書容設計)が好きな方にはお馴染み、いまだ創刊されていない幻の雑誌「WX-raY」創刊準備号を入荷しました。 本誌「 WX-raY」は […]
リクリット・ティーラワニットとアント・マレスニーミが巡る食の旅
今回のおすすめ本の主人公はふたり。ひとりは美術館でタイカレーをサービスするパフォーマンスで一躍注目を浴びた、タイにルーツをもつ現代アーティスト、リクリット・ティーラワニット。 もうひとりはフィンランドの料理家、アント・マ […]
精微のデザイン。名匠フィン・ユールの水彩画
入荷するたびにすぐ旅立ってしまい、なかなかブックレビューを書くことができなかった本書。ようやくご紹介できました。 フィン・ユールといえば、アルネ・ヤコブセン、ハンス・J・ウェグナーとならび、デンマークの名作家具デザインで […]
ルールを覆すタイポグラファー、ハーブ・ルバリンの仕事
アメリカを代表するタイポグラファーとして名高いハーブ・ルバリン。ですがルバリンは自らのことを"優れたタイポグラファーとは思わない"と語っています。その理由を作品を通して明らかにしているのが「Herb Lubalin: T […]
食を愛するひとへ。ロンドン発フードカルチャー誌「The Gourmand」
ロンドンからはるばるノストスへやってきた食文化雑誌「The Gourmand」。読んで面白くディスプレイとしても様になるこの雑誌は、現在開催している特集「満腹眺本」のために入荷した書籍なかでも、ひときわ注目を集めています […]