【ノストス奮闘記】2017年11月:店の価値と効能
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【ノストス奮闘記】2017年11月:店の価値と効能

代表の中野です。

11月が終わり、今年もあと1ヶ月。
今月も振り返りを記録します。 第23回目。

過去の記事はこちら:
【ノストス奮闘記】2017年1月を振り返って
【ノストス奮闘記】2017年2月を振り返って
【ノストス奮闘記】2017年3月を振り返って
【ノストス奮闘記】2017年4月を振り返って
【ノストス奮闘記】2017年5月を振り返って
【ノストス奮闘記】2017年6月を振り返って
【ノストス奮闘記】2017年7月を振り返って
【ノストス奮闘記】2017年8月を振り返って
【ノストス奮闘記】2017年9月:行動をデザインする
【ノストス奮闘記】2017年10月:繰り返し伝える


今回は、「店の価値と効能」について書いてみたいと思います。

ノストスでは、古書を中心に、雑貨も取り扱っています。そして、雑貨の割合を少しづつ増やしはじめています。

「古本屋ならストイックに本を売れ」というご意見もありますが、ノストスはそこにこだわりはあまりなく、モノの効能みたいなものに注目しています。むしろそれにこだわりたい。

例えば、世の中のあらゆるものを「モノの働き」で考えると、それは必ず人の気持ちを変化させます。嬉しい、楽しい、気持ちよい、役に立った、懐かしいなど、モノはあらゆる感情を呼び起こす装置であり、音楽も香りも感触も、すべて感情と結びつく。

ですから、ノストスで取り扱う古書と雑貨は同じ働きを生むものであり、それを手に取る人がどんな気持ちになるか?なってほしいか?が「セレクト基準」になる。同じ働きを生むモノならば本でも雑貨でも問わないという方針です。

感情を呼びおこす装置が本であり、雑貨であり、店の什器であり、商品の置き方であり、スタッフの対応であり、店全体である。これらはすべてデザインであり、デザイン会社が店も運営する理由につながっているわけです。

店を運営することで、「新しい関係を発見し、提案する」という意味がようやく腑に落ち、デザインの仕事自体がすべてここに集約するということもわかりました。

自分はデザインがしたかったんだ、やっぱりデザインが好きなんだ、と。

はーすっきり。



ところでこの「腑に落ちる」という状態は、自分の体感を伴わないと起こらない現象だと思います。どこかで聞いたり本を読んだりするだけでは、腑に落ちるまではなかなか辿り着かない。

回り道でもなんでも良いから自分でやってみる。その上で生まれる「気づき」こそが店の価値です。そして、遅効性はありますが店を続けていくだけ、その効能は広がり続けます。

ただし、これはあくまで自分にとっての店の価値と効能の話。

大切なのは、お客様にとってこの店の価値ってなんだろう?ということ。求められていなければ売れないわけで、売れなければ潰れます。

感情をセレクト基準にするならば、常日頃から自分自身が、「一体何に心を動かされているのだろうか?」「その理由はなんだろう?」ということに目を向け、その記憶をストックし続ける必要があります。

そして、今度はお客様に「自分があの時感じた気持ちを提供するにはどうしたらよいか?」と考え、それをシェアする気持ちがあってはじめて売れる、に繋がるだろうと。

自分の感じた感情をストックし、店で試してみて、結果を見つめ、改善していく。
単純な話しですが、実際にやってみると自分の無意識を意識することの難しさがわかります。

ですが、感情を呼びおこす装置としての店であれば、それはきっとお客様にとっての店の価値と効能に繋がるのではないだろうか?

そんなことを考えていた11月でした。



※空白を見せられると、ヒトはそこに勝手にイメージを盛り付ける。わんこそば理論。

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ノストスブックス店主。歴史と古いモノ大好き。パンク大好き。羽良多平吉と上村一夫と赤瀬川原平と小村雪岱に憧れている。バンドやりたい。