振り返りを記録する記事、第14回目。書くのが遅くなりつつあります。
過去の記事はこちら:
【ノストス奮闘記】2017年1月を振り返って
データの活用と意義
さて、2017年も2か月が終了。 昨年のリニューアル以降、2年目ということで昨年同月と比較できるようになりました。「昨年同月と比べてどうだったのか?」と「前月と比べてどうだったのか?」この2点を比較できる体制がようやく整いつつあります。昨年同月、あるいは前月に何があったのか?と改めて聞かれると人の記憶は実はかなり曖昧なものです。 ちなみに僕は昨日のご飯すら思い出せません。
アクセス数、CV率、平均単価、滞在時間、etc…というように、集めようとすればあらゆるデータを集めることができます。しかし、データはあくまで過去のものでありチェックする目的は未来を作るため。それだけに時間を取られては元も子もない。
当店では「朝来たらすぐチェック」「全員で各自行う」というルールを設けて昨年から継続しています。昨日のデータをつけるだけですから10分程度で終わります。
そして各自がつけたデータをもとに週に一度ミーティング。誰かから報告を受けるのではなく自主的に数字を管理することで「すべてのスタッフが数字を言える」という前提が整います。
実際に発言も変化してきていて、「このポストはこの時間帯であれば反応が高い。この画像と文言パターンは効果が見られるので次の週も継続してみます。」「このやり方は効果が高いことはわかったが、作業効率が悪いことがネックになる。継続するならばやり方をこう変えてみたい。」というように自分で考えた意見が言えるというところまで変化しました。
こうして毎日データをチェックしていると異常値がわかります。急激にアクセスが伸びた(落ちた)、平均単価が上がった(下がった)といったことの原因がどこにあるのか?外部要因なのか内部要因なのか?どんな対策が取れるのか?地味ですが非常に重要なポイント。
ものすごい偉そうに書いてますが、実はオンラインストア開店当初からデータは取り続けていたものの、一昨年までは全く活用できていませんでした。「データを取る」ということだけで満足してしまう「あるある」ですね。取るのが目的になってしまう。
事業会社であれば日々改善なんて当然のことだと思いますが、フリーランス時代から続いてきた受託体質は意外に根深いもの。この当たり前を体感するためにもECサイト運営というのは非常に意義があります。
供給の仕組み作り
先月研修の意味も含めて、長野県上田市にあるバリューブックスさんの倉庫を見学させて頂きました。【ノストス研修記】真田丸ゆかりの地、長野県上田市へいざ見参!
ブログでは遊んでばかりですが実はちゃんと倉庫も見学してきたのでした。全国から集まってくる膨大な数の買取本の山に唖然としましたが、やはり「仕入れの仕組み」がきちんと機能しているからこそ規模が大きくなり、それがあるからこそ次のステップを踏めるのだということを再確認できました。
ノストスブックスは私物の本を売ることからスタートし現在も古書協会には加入していませんので、独自に仕入れルートを開拓する必要があります。デザイン事務所や会社からの買取、個人のお客さまからの買取や海外オークションなど、世に存在するあらゆる方法で古書を集めていますが、これは誰でも出来る普通の仕入れ。これ以外にいかに独自の仕入れネットワークを持つことができるかが重要です。
当店はデザイン・アート本を柱にした商品構成ですので、海外から仕入れても問題ない本が世界中に存在します。実は過去にも何度か海外仕入れを試したことがあるのですが、「安定的かつ継続的に」という課題を解決できず一旦ストップしていました。
海外仕入れルートを構築するには、直接買い付けに行くパターンと海外に人材を配置するという2つが考えられます。買い付けというと家具や食器、アンティーク雑貨などのイメージですが、実は古本屋さんも多く、絵本専門古書店さんなどは海外買い付けを行うと聞きます。単純に個人的に海外に行きたいという願望も大いにありますが、海外買い付けは今年中に一度試したい。
もう一つの海外に人材を配置する方法は、現在進行中。うまく機能するかは未知数ですが海外在住の方に仕入れを委託することとバイヤーとしてやり取りを委託することを試みています。経過はまたこのブログで書いていくつもりです。
歴史は活用すべきリソース
先日偶然訪れたインターメディアテクでヒントをもらいました。歴史的な学術標本は、たしかに過去の遺産です。しかし、同時にそれは、われわれが現在から未来に向けて活用すべきリソースでもあります。このことを実証してみせるべく、われわれは歴史的な遺産を可能な限り収集し、それらを現代のニーズに叶うよう、装いを改めて再利用することにしました。資源獲得やエネルギー供給に限界が見え始めた現代社会にあって、蓄積財のリ・デザイン活用は人類にとって喫緊の課題のひとつであるといっても過言でありません。(インターメディアテク挨拶文より引用)
「歴史的な学術標本は」という部分を「古書」に置き換えてもしっくり成立するこの文章。歴史好きな僕にとって非常に腹落ちするものであり、古書店を運営する者として、古い書籍がただ懐かしいだけでは終わらない新たな価値を生み出す、活用すべきリソースであることを店としてどう表現する?というお題をもらったような気がしています。
この挨拶文を書いたのは西野嘉章。いいこと言うなぁ。
※写真は未来の打ち合わせ風景。楽しそう。