Nerhol 2007-2024
紙を積層し彫り込む独自の手法で知られるアーティストデュオ、Nerhol(飯田竜太+田中義久)の創作を総覧する作品集。人物の連続写真を重ねて彫る初期ポートレートから、帰化植物、珪化木、和紙などを素材とした近年のシリーズまで、多彩な表現の展開を収録している。彫刻家とグラフィックデザイナーという異なる背景をもつ二人が、日々の対話を通して形にしてきた思考のプロセスをたどり、立体・写真・時間を横断する制作の核心に迫る内容。伊藤俊治らによるエッセイやインタビューも収録。
Blue Above | Laura McCluskey
メルボルンを拠点に活動する作家ローラ・マクラスキーによる作品集。ロサンゼルス郊外の陽光に包まれた風景を舞台に、コンテンポラリーダンサーたちの自由で力強い身体表現を収録している。ダンサーが即興的に動くことで、不安や心のざわめきといった内面的な感情が立ち上がり、感情の「瞬間」が身体を通して可視化される構成。即興性がもたらす美しさをとらえながら、見えない心情を身体表現へと昇華させる過程を映し出している。限定500部発行。
アイデア No.407 紙媒体がつなぐ未来 雑誌・同人誌・リトルプレスをつくるひとたち
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.407(2024年10月号)は、「紙媒体がつなぐ未来」を特集。『Subsequence』『mahora』『inch magazine』など、雑誌・リトルプレス・同人誌を通じて新たな出版のかたちを模索する人々に焦点を当てる。大量生産の出版モデルが揺らぐなか、独立系編集者やデザイナーがどのように紙媒体の魅力と意義を再構築しているのかを探る。
アイデア No.404 AIとの共創 ヴィジュアル表現に見る生成と創造
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.404(2024年1月号)。印刷術からDTP、インターネットの普及まで、テクノロジーとともに進化してきたグラフィックデザインの歴史を踏まえ、AIがもたらす創造の新たな局面を探る。生成と創造のあわいに生まれるヴィジュアル表現の可能性を検証し、人間の感性と機械の知性が交差する領域を思索的に描き出す。AI時代におけるデザインの造形理念を理論と実践の両面から検証している。
アイデア No.401 都市空間のみちしるべ
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.401(2023年4月号)は、「都市空間のみちしるべ」を特集。標識や案内板など、都市環境における視覚情報をテーマに、建築・デザイン・書体・都市計画の各分野からウェイファインディングデザインを考察する。デヴィッド・ギブソン、岸井隆幸、Swiss Typefaces、豊田啓介らが寄稿し、古代から現代、そしてデジタル空間へと続く道標のデザインを多角的に検証。都市と人、情報をつなぐデザインの構築的アプローチを解き明かしている。
Idea Archive 原研哉のデザイン
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.306(2004年9月号)の原研哉特集を復刻したアーカイブ版。原の造形思想の核にある「白」を手がかりに、松屋銀座、無印良品、オリンピック関連など多彩な仕事を再検証している。自身のロングインタビューに加え、原田宗典、ナガオカケンメイらの寄稿を収め、デザインの背景に広がる思想と実践を伝えている。
アルフレド・ジャー あなたと私、そして世界のすべての人たち
2026年に東京オペラシティアートギャラリーで開催された展覧会の図録。チリ出身でニューヨークを拠点に活動する現代美術家、アルフレド・ジャーの初期から最新作までを収録し、写真、映像、インスタレーションなど多様なメディアを通じて、戦争や社会的不均衡、メディアと情報の在り方といったテーマを問いかける。展覧会解説や作品紹介を通して、鑑賞者がジャーの思想や表現を深く理解できる内容となっている。
かぜとつちと x elements | 紀成道
写真家・紀成道による作品集。島根県奥出雲を舞台に、千年以上続くタタラ製鉄の文化を軸として、人と自然、風土と暮らしの関係を見つめた写真を収録する。空や大地の色の移ろい、季節の営みや祈り、土地に生きる人々の姿を通して、この地域に積み重なってきた時間の層を写し出す。伝統と現代が交差する風景を捉えながら、土地とともに続いてきた営みの姿を伝える写真集。
工芸からインダストリアルデザインへ | 金子至
デザイナー・教育者である金子至の視点から、工芸とインダストリアルデザインの接点と歴史的変遷をたどる一冊。著者自身の実践や海外視察、工芸ニュース編集やデザイングループ活動の経験を通して、日用品や産業製品のデザインがいかに工芸的発想から発展してきたかを詳細に解説する。戦前から戦後にかけての日本のデザイン教育や産業デザインの形成過程を理解するうえで貴重な資料。
D&D SCAN 八木保の仕事と周辺
グラフィックデザイナー、アートディレクターの八木保によるデザインワークを総覧した作品集。〈観る・聴く・嗅ぐ・触れる・味わう〉という五感を軸に八つの章で構成され、広告、空間、プロダクトなど多岐にわたる仕事を紹介している。プロジェクトの背景や人との関わりを通して、八木のデザイン哲学と創造のプロセスを照らし出している。
ArT RANDOM 100 Scott Kelley
京都書院が刊行し、都築響一が編集を手がけたアートブックシリーズ「ArT RANDOM」の第100巻。アメリカの画家、スコット・ケリーによる「Drawings for the Sons and Daughters of the Neon Chrysanthemum」シリーズを中心に収録。画家のゲイリー・ステファンがテキストを寄せている。
Cecily Brown | Dore Ashton
イギリス出身の画家、セシリー・ブラウンの作品集。具象と抽象を往還する濃密な筆致によって、身体性や感覚の揺らぎを描き出す絵画で知られ、ルシアン・フロイドやウィレム・デ・クーニング、フランシス・ベーコンらを想起させる力強い表現を背景に、古典絵画の主題からポルノ雑誌やハリウッド映画のイメージまで幅広い視覚文化を取り込みながら独自の絵画世界を展開してきた。1990年代後半以降の活動を通して、現代における絵画の可能性を改めて問い直したブラウンの仕事をたどる。
A Mycological Foray | John Cage
アメリカ出身の音楽家、作曲家、詩人、思想家、キノコ研究家であるジョン・ケージの2冊組作品集。第1巻では「不確定性の物語」などケージのテキストを交えながら、作曲家としての活動と菌類学との関係をたどるエッセイを収録。キノコをテーマにした作品や写真、資料も掲載されている。第2巻には、1972年にイラストレーターのロイス・ロング、菌類学者アレクサンダー・H・スミスとともに制作したポートフォリオ『Mushroom Book』を復刻収録。
2G No.37 Valerio Olgiati
スペイン発の建築雑誌『2G Magazine』第37号。スイスの建築家ヴァレリオ・オルジアティを特集している。ヘルツォーク&ド・ムーロンやペーター・ツムトア、ペーター・メルクリらに続く世代として注目されるオルジアティの建築を紹介。グラウビュンデン州パスペルスの学校や、村の建物を大胆に改修した「ダス・ゲルベ・ハウス」などのプロジェクトを通して、明快な構想と精度の高い実現によって形づくられる建築の思考を伝える。
世界のグラフィックデザイン 1 ヴィジュアルコミュニケーション | 杉浦康平、松岡正剛 編集
著名なデザイナーが各巻の編集を担当するシリーズ『世界のグラフィックデザイン』の第1巻。テーマはヴィジュアルコミュニケーション。痕跡の現象学、観念の図像学、人工自然の宇宙形状誌、記号の生態圏、構文化された記号世界などの視点から、多様な図像を体系的に整理している。豊富な図版を通して、視覚表現の広がりと構造を俯瞰する内容。シリーズの中でも評価の高い一冊。編集は杉浦康平、松岡正剛。装丁は細谷巖。
John Pawson: Works ペーパーバック版
イギリスの建築家ジョン・ポーソンの作品集。ミニマリズム建築を代表する存在として知られるポーソンの仕事を、写真とテキストによって紹介。カルバン・クラインのニューヨーク旗艦店をはじめとする商業空間や住宅など、10のプロジェクトを取り上げ、設計の過程やクライアントとの関係、空間の考え方を読み解く。簡潔な形態と素材の美しさによって構成された建築を通して、ポーソンのデザイン思想と制作の方法をたどることができる。
ハンス・コパー | トニー・バークス
ドイツ出身の陶芸家、ハンス・コパーの作品を紹介する作品集。限られた色や素材を用いながら、簡潔で力強いフォルムを生み出したコパーの陶芸を、豊富な図版とともに紹介する。ルーシー・リーが「真に芸術家」と評したその仕事は、器の枠を越えて彫刻的な存在感を持つものとして高く評価されてきた。コパーの生涯や制作背景、技法についての解説も収録。内山武夫による寄稿も掲載。
ルーシー・リー | トニー・バークス
20世紀を代表する陶芸家、ルーシー・リーの生涯と作品を紹介する伝記的作品集。ウィーンからロンドンへと拠点を移しながら独自のスタイルを確立し、モダンで繊細なフォルムと釉薬使いで知られる彼女の仕事を、美しい図版とともに丹念にたどる。写真に加え、作家トニー・バークスによる解説や関係者の証言、三宅一生による寄稿も収録されており、その芸術性と人間像を多面的に掘り下げる構成となっている。
The Little Black Jacket: Chanel’s Classic Revisited | Karl Lagerfeld
シャネルのアートディレクターにして写真家でもあるカール・ラガーフェルドの写真集。ミラ・ジョヴォヴィッチ、サラ・ジェシカ・パーカー、オノ・ヨーコなどのアーティストたちが、シャネルのリトル・ブラック・ジャケットをそれぞれに着こなしたファッションポートレートをモノクロで多数掲載。日本からは椎名林檎、蒼井優、菊地凛子らが参加。
Cai Guo-Qiang: I Want to Believe
中国出身の現代美術家・蔡國強(ツァイ・グオチャン)の活動を紹介する作品集。1980年代から現在までの制作を、年代とテーマに沿って収録する。火薬を用いたドローイングや大規模な爆発イベント、空間全体を使ったインスタレーション、地域と協働するプロジェクトなど、多様な作品を掲載。230点以上の図版に加え、制作過程のスケッチや記録資料も収められている。火薬という素材を独自の表現へと展開してきた創作の歩みをたどることができる一冊。
Jean-Michel Othoniel: My Way
フランスの現代美術家、ジャン=ミシェル・オトニエルの作品を紹介するモノグラフ。パリのポンピドゥー・センターを皮切りに、ソウル、東京、マカオ、ニューヨークを巡回した回顧展「My Way」にあわせて刊行されたもの。ガラスのビーズ状モジュールを用いた彫刻やインスタレーションをはじめ、オトニエルの代表作を豊富な図版で収録。初期作品から近年のプロジェクトまでを通して、その歩みと造形世界を見渡すことができる。
アンリミテッド コム デ ギャルソン
日本のファッションブランド、コム・デ・ギャルソンの活動を紹介するドキュメンタリー書籍。NHKで放送されたハイビジョン番組をもとに編纂され、川久保玲をはじめ関係者約70人の証言を収録する。番組のスチールカットや資料写真など約250点の図版を掲載し、ブランドの創作現場や思想をたどる。未放映部分も含めて構成され、コム・デ・ギャルソンの革新的な服づくりの背景に迫る。
The Polaroids | Sibylle Bergemann
ドイツの写真家、シビレ・ベルクマンによるポラロイド作品集。東ドイツのファッション誌『Sibylle』での活動で知られるベルクマンは、ポートレートやドキュメンタリー、旅の写真など多様な領域で独自の視点を展開したことで知られている。本書では、その制作のなかでも私的な位置を占めるポラロイド写真に焦点を当て、ふと現れる瞬間の気配や、記憶にとどめがたい時間の断片を捉えたイメージを収録。
蒔絵 岡山美術館蔵
日本の伝統工芸技法である蒔絵(まきえ)を体系的に紹介する美術図録。岡山美術館所蔵の蒔絵作品を中心に、文台や櫛、装飾箱などに施された金・銀粉を用いた精緻な装飾の数々を、原色・単色図版で詳細に収録している。各作品には技法や歴史的背景の解説が添えられ、蒔絵の美しさと高度な工芸技術を知ることができる。伝統工芸の美と技巧を資料として後世に伝える貴重な資料。
Story Teller ハードカバー 英語版 | Tim Walker
イギリスの写真家、ティム・ウォーカーの作品集。幻想的で物語性のあるイメージによってファッション写真の新しい表現を切り開いてきたウォーカーの仕事を収録。アルベール・エルバスやアレクサンダー・マックイーン、ヘレナ・ボナム=カーター、ステラ・テナントなど、ファッションや文化の分野で活躍する人物を被写体とした写真を掲載している。
GA No.49 チャールズ・レニー・マッキントッシュ:グラスゴー・スクール・オブ・アート
20世紀を代表する世界中の建築作品を紹介する『GA グローバル・アーキテクチュア』第49号。スコットランドの建築家、チャールズ・レニー・マッキントッシュが手がけたグラスゴー・スクール・オブ・アートを紹介。モノクロによる大判図版と併せて解説を収録。写真は二川幸夫、装丁は細谷巖が、テキストはアンディ・マクミランが担当している。
GA No.48 ルイス・バラガン:バラガン自邸/ロス・クルベス/サン・クリストバル
20世紀を代表する世界中の建築作品を紹介する『GA グローバル・アーキテクチュア』第48号。メキシコ人建築家、ルイス・バラガンが手がけたバラガン自邸/ロス・クルベス/サン・クリストバルを紹介。カラー・モノクロによる大判の図版と併せて解説を収録。写真は二川幸夫、装丁は細谷巖が、テキストはエミリオ・アンバスが担当している。
アイデア No.326 河野鷹思 本の仕事、雑誌の仕事
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.326(2008年1月号)は、河野鷹思のブックデザインと雑誌デザインを特集。昭和期の日本における代表的な装丁や誌面を豊富な図版と証言とともに紹介し、その造形感覚と影響力を検証している。さらに特別企画として、服部一成の「視覚伝達」や「フィーア・フュンフの仕事」を収録し、デザインの広がりを多角的に伝えている。
Super Normal: Sensations of the Ordinary | Naoto Fukasawa、Jasper Morrison
プロダクトデザイナーのジャスパー・モリソンと深澤直人によるビジュアル資料集。日常の中にある「スーパーノーマル」なデザインを手がかりに、世界各地の身近な日用品204点を紹介する。スイスのRexピーラーやビニール袋といった無名のプロダクトから、ディーター・ラムス、マックス・ビル、アルネ・ヤコブセン、イサム・ノグチらによる名作デザインまでを収録。特別な装飾や主張を持たず、使う人の生活の中で自然に機能するデザインの魅力を探る。
Stern Portfolio: Martin Schoeller
ドイツ出身の写真家、マーティン・シューラーの作品集。著名人の顔を真正面から捉えるクローズアップのポートレートで知られ、装飾や演出を排したシンプルな構図によって被写体の存在感を引き出している。俳優やミュージシャン、文化人などさまざまな人物の肖像を収録。作為を抑えた強い視線のポートレートとともに、物語性を感じさせる演出写真も紹介している。
日本モダンデザインの旗手 杉浦非水展
近代日本のグラフィックデザインの先駆者、杉浦非水の仕事を紹介する展覧会図録。1994年にたばこと塩の博物館で開催された展示にあわせて刊行されたもの。三越の広告や地下鉄開通のポスターをはじめ、図案、装幀、絵画など多彩な仕事をカラー図版で収録。アール・ヌーヴォーの装飾性と日本的意匠を融合させた非水の表現を通して、近代日本におけるモダンデザインの成立とその時代背景をたどる。
Verner Panton | Basler Zeitung
デンマークを代表するインテリアデザイナー、ヴェルナー・パントンの作品集。代表作「パントンチェア」をはじめ、照明、テキスタイル、インテリアデザイン、遊具など多彩なプロジェクトを収録する。1955年から1985年頃までの約30年間の仕事を、豊富なカラー図版とともに紹介。ロイヤルコペンハーゲンやノール社のために手がけたデザインも掲載されている。全ページに円形の穴を開けたユニークな造本も目を引く一冊。
チェコ・アヴァンギャルド ブックデザインにみる文芸運動小史 | 西野嘉章
20世紀初頭、前衛芸術の中心地として躍動したプラハを起点に、チェコ・アヴァンギャルドの流れをブックデザインの視点から読み解く評論集。詩、文学、演劇、美術が交差する文化的背景を踏まえつつ、造本やタイポグラフィに見られる革新性を論じている。約200点に及ぶカラー図版を収録し、構成や印刷技術、造形意識の変遷を視覚的に提示。チェコの芸術運動がいかに本のデザインを通して展開したかを照らし出している。
内藤廣の建築 1992-2004 素形から素景へ 1
建築家・内藤廣の1992年から2004年までの主要プロジェクトを収録した作品集。「素形から素景へ」という思想のもと、建築の基本的な形態と周囲の環境や風景との関係を探った作品を紹介。写真や図面、スケッチ、解説を通して設計の考え方や制作の過程をたどることができる。代表作である「海の博物館」や「十日町情報館」など15作品を収録し、内藤廣の初期から中期にかけての建築思考を伝えている。
内藤廣の建築 2005-2013 素形から素景へ 2
建築家・内藤廣の作品を収録したシリーズ第2巻。2005年から2013年までの建築活動をまとめ、駅舎や公共施設など社会と深く関わるプロジェクトを中心に紹介。写真や図面、スケッチに加え、建築家自身の言葉による解説も掲載され、設計の背景や思考の過程をたどる。「日向市駅」や「旭川駅」などの代表作を通して、内藤が掲げる「素形から素景へ」という考え方が、建築から都市や風景へと広がっていく様子を読み取ることができる。
松下のかたち
パナソニック(旧・松下電器産業)のプロダクトデザインを紹介する資料集。AV機器、携帯電話、ノートパソコン、家電など、同社を代表する製品を図版と解説とともに収録。パナソニック編とナショナル編の二部構成で、多彩な製品を通して企業のデザイン思想とその変遷をたどる。用と美の調和、人と道具の関係を重視してきた松下のデザインの歩みを振り返りながら、21世紀に向けたものづくりの展望にも触れている。
APLIX: Dominique Perrault, Architect, Andre Morin, Photographer
フランス・ナントに建つドミニク・ペロー設計のアプリックス社工場を紹介する写真集。全長300メートル超の建物は、精緻に織り込まれたスチールのファサードが特徴で、ロワール渓谷の風景に静かに溶け込むように設計されている。内部の先端的な繊維生産と呼応するハイテクな外観が、産業施設とは思えない独自の美しさをまとわせる。アンドレ・モランの写真が、この特異な建築の構造と存在感を鮮明にとらえている。
フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築
2023年から2024年にかけて豊田市美術館ほか各地で開催された展覧会の図録。近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの建築思想と活動を、多様な資料によって紹介する。「落水荘」や「グッゲンハイム美術館」などの代表作に加え、日本で設計した「帝国ホテル旧本館」や「自由学園明日館」にも触れながら、その仕事の広がりをたどる。建築作品だけでなく、デザインや都市計画、教育活動にも目を向け、図面や写真、論考を通してライトの思想と国際的な影響を読み解く。
アイデア No.405 世界を覗くグラフィック ―断面図・間取り図・分解図― 見えないものを描く視点
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.405(2024年4月号)。断面図や分解図、間取り図など“ものの内側”を描く表現に注目し、日本、イギリス、ベルギーの8名の作家による図版と解説を収録する。建築やイラストレーション、ゲームグラフィックなど異分野を横断しながら、見えない構造を描く視覚的想像力の系譜を探る。観察と創造のあいだに生まれる視覚表現の表現原理を構築的に解き明かしている。
アイデア No.402 小さな本づくりがひらく 独立系出版社の営みと日本の出版流通の未来
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.402(2023年7月号)。『ころから』『rn press』『夕書房』『いぬのせなか座』『エトセトラブックス』『港の人』『書肆侃侃房』の7社を取材し、それぞれの出版理念と活動を紹介する。大量生産型の出版構造が揺らぐなかで、独立系出版社が切り拓く新しい本づくりのあり方を探り、出版流通の再構築と文化の継承を考察。
軽井沢時代 1947-1970 | 森澤勇
写真家・森澤勇が、戦後から高度経済成長期に至る軽井沢の姿を記録した写真集。1947年から1970年までの約四半世紀にわたり、避暑地として発展する町の活気、四季の自然、別荘地に滞在する人々の日常をモノクロ写真で丹念に写し取っている。写真館を営んでいた森澤が撮影したネガは、長く忘れられていたのち、孫によって発見・プリントされ新たな命を得たもの。観光地としての賑わいと、静謐な時間が流れる土地の空気が交差し、移りゆく町の表情と記憶が豊かに伝わってくる記録集。
移住 migration | 露口啓二
写真家・露口啓二が2017年から続けるシリーズをまとめた作品集。強制移住や歴史的移住の痕跡を手がかりに、北海道のアイヌの地、足尾銅山跡と谷中村、福島の帰還困難区域、東京の皇居周辺など、日本各地の風景を静かに捉えている。写真に寄り添う年表や史料は文脈を示しつつも、写真との間に生まれるわずかなズレが思考の余白を生み出す。歴史の層を丁寧に読み解き、移住がもたらした不可視の影響を見つめ直している。
ArT RANDOM 71 Robert Longo
京都書院が刊行し、都築響一が編集を手がけたアートブックシリーズ「ArT RANDOM」の第71巻。アメリカのアーティストで映画監督のロバート・ロンゴによるドローイングやスチル写真などをダイナミックな構図で多数収録。SF作家、ウィリアム・ギブソンによるテキストも掲載。
基本日本語活字集成 OpenType版
日本語書体の見本を網羅的に収録した資料集。雑誌『アイデア』別冊として刊行された活字見本帳をもとに再編集したもの。基本書体、伝統書体、ファンシー書体(装飾書体)、ニュースタイル、学参書体の5つのカテゴリーに分類し、多彩な組見本とともに紹介する。日本語OpenTypeフォント18社・1650書体を掲載し、メーカー別の書体一覧や技術・用語解説も収録。約640ページにおよぶ、日本語書体を体系的に見渡すことができる総合見本帳。