International Signal Code Alphabet | Corita Kent
アメリカの芸術家であり教育者、カトリック修道女でもあったコリータ・ケントによるシルクスクリーン作品集。1968年に制作された「International Signal Code Alphabet」は、聖書の言葉やタイポグラフィ、イメージ、宗教的アイコン、国際信号旗を組み合わせた全26点から構成されている。鮮烈な色彩と大胆なレタリングは、社会や信仰への問いを視覚的に投げかけるもの。教育と芸術、精神性が交差するケント独自の表現を通して、メッセージとしてのグラフィックの力をあらためて感じさせる内容となっている。
万祝 黒潮が育てた漁民芸術の華 | 仁科又亮
房総を中心に受け継がれてきた漁民の晴着「万祝(まいわい)」を紹介する写真資料集。藍の地に極彩色の図柄を染め上げた意匠や、制作背景にある風俗・歴史を豊富な写真とともに収録する。漁の成功や大漁を祝う晴れ着として発展した万祝の造形美を通して、日本の海と人の営みが育んだ独自の美意識を伝える内容となっている。限定1480部発行。
裏千家今日庵 重要文化財
重要文化財に指定された裏千家今日庵の茶室群を網羅的に紹介する一冊。茶室内部や廊下、坪庭、檜の間などを詳細な図版とともに収録し、建築空間の構成や意匠を丁寧に伝えている。光と影が織りなす静けさや、四季の移ろいに重ねられた日本文化の美意識が写し出され、茶の湯の精神を支える空間の特質を理解する手がかりとなる。豊富なカラー・モノクロ図版と解説を通じて、その美学を照らし出している。
更紗の時代 Ages of Sarasa
2014年に福岡市美術館で開催された展覧会の図録。木綿布「更紗」が、インドで生まれてから世界各地へ広まり、約500年にわたって受け継がれてきた歴史をたどる。インド更紗を起点に、ヨーロッパのプリント更紗、日本の和更紗など、地域ごとに発展した多様な表現を豊富なカラー図版とともに紹介。更紗が交易を通じて人々を結び、新たな美意識を生み出してきた過程をわかりやすく解説している。
柚木沙弥郎 life·LIFE(アルファベット柄)
2021年に開催された染色家・柚木沙弥郎の展覧会にあわせて刊行された作品集。1969年から2020年に制作された作品を、写真家・平野太呂が撮り下ろし、全図と断ち落とし原寸大の布を12の片観音に大胆にレイアウトする。加えて代表的な染色作品や絵本原画、紙粘土と布で作られたユーモラスな人形を大判で掲載。インタビュー「心を形で残す」も収録。
Modern Alchemy | Viviane Sassen & Emanuele Coccia
オランダの写真家ヴィヴィアン・サッセンと、イタリアの哲学者エマヌエーレ・コッチャによる共同制作によって生まれた作品集。サッセンは自然の形態や光の変化をとらえた約80点の写真を収録し、コッチャはあらゆる生命の知覚と連関をめぐる哲学的エッセイを寄せている。写真と言葉のあいだに交わされる静かな対話を通して、アートと自然の関係を新たな感性で探る構成となっている。
Departure | 柳本浩市
デザインディレクター、柳本浩市が収集した世界各国の航空関連アイテムを豊富なカラー図版で紹介するビジュアル・コレクションブック。搭乗券やラゲッジタグ、機内食パッケージ、ステッカーなど、旅にまつわるさまざまなデザインを収録。単なる収集にとどまらず、日常に潜むデザインや文化を再編集し、旅の空気や時間の流れまでも視覚的に表現。文章は最小限に抑え、アイテムそのものの魅力を際立たせる構成で、柳本の独自の視点とコレクション力が光る。
The Fiction of Science | Frank Hulsbomer
写真家フランク・ヒュルスベーマーによる作品集。モホイ=ナジを思わせる抽象写真の系譜に連なる表現で、静止したオブジェクトを幾何学的かつミニマルに捉えている。思考のスケッチのようなイメージから精密に構成された写真まで、その多くはCGのような質感を帯びながら、写真ならではの奥行きと詩的な余韻を湛えている。科学的な正確さと想像力が交差する視覚世界を体感できる1冊。
視覚の裏側展 IRONY BY VISION
1991年にワタリウム美術館で開催された展覧会に際して刊行された図録。「視覚表現とその裏側に潜むアイロニー」をテーマに、ルネ・マグリットやマルセル・ブロータース、パナマレンコ、ヤン・ファーブルらの作品群を解説のテキストとともに紹介。ほとんどの作品図版が貼り込みで収録されており、凝った装丁も特徴的な一冊。
American Mood | Robert Farber
ニューヨークを拠点に活動する写真家ロバート・ファーバーの作品集。輪郭を淡くぼかし、やわらかなタッチで被写体をとらえる独自のスタイルで知られ、人々を魅了してきた。カラーとモノクロで構成された写真には、都市の空気感や人物の表情が繊細に刻まれている。ファーバーが探求してきたアメリカ的な情緒と感覚を視覚化し、写真表現の幅広さを示している。
タマラ・ド・レンピッカ
20世紀アール・デコを代表する画家、タマラ・ド・レンピッカの生涯と作品を紹介する作品集。硬質で洗練された肖像画によって1920〜30年代のパリ社交界を魅了した彼女の画業を、時代背景とともにわかりやすく解説。大胆な構図と官能性を併せ持つ独自の表現、その美術史的意義を豊富な図版とともに読み解いていく。
Reinheit | Anne Morgenstern
ドイツの写真家アンネ・モルゲンステルンによる作品集。ポートレート、静物、風景を交えながら、感情や土地との距離感を示唆的に描いている。本書は途中で天地が反転する造本が特徴で、読者は本をひっくり返しながら読み進める構成となっている。モルゲンステルンが東西ドイツ統一後に移り住んだバイエルンという「第二の故郷」を背景に、純粋さや真正性への欲求と、日常の凡庸さが交差する瞬間を静かにすくい取った一冊。
異色の芸術家兄弟 橋本平八と北園克衛展
2011年に世田谷美術館と三重県立美術館を巡回した展覧会の公式図録。彫刻家・画家として活動した兄・橋本平八と、前衛詩人として国際的にも知られる弟・北園克衛という、対照的な表現を持つ兄弟の創作世界を紹介している。橋本の彫刻・絵画、北園の詩、写真、ブックデザインを多数のカラー図版で収録するとともに、近年発見・整理された資料をもとに、両者の創作の背景や兄弟間の交流にも光を当てている。伝統と前衛という異なる方向性を持ちながら、互いに影響し合い形成された二人の芸術世界をあらためて捉え直す。
知られざる ル・コルビュジエ展
1991年に開催された、「知られざる ル・コルビュジエ展」の図録。建築家として名声を得る前に、画家として活動していたル・コルビュジェのペインティング作品を多数収録。建築作品以上に情熱的で官能的で柔軟な氏の造形を見ることができる。
Absolute Elsewhere | Jun Kawabata
写真家、作曲家、映像制作など多彩な活動で知られる川端潤による作品集。旅と日常の断片を切り取ったスナップを中心に構成され、ヨーロッパの片田舎や地下鉄、通りの人々、バーやジャンクヤード、年明けの花火など、ありふれた光景を独自の視点で捉え、映画を観ているような詩情と記憶の感覚を呼び起こす。写真図版は1枚ずつページに貼り込まれ、フォトアルバムのような1冊に仕上がっている。
Mid-Century Modern: Furniture of The 1950s
1950年代に隆盛を迎えたミッドセンチュリーデザインの家具を紹介する作品集。イームズ夫妻、アルヴァ・アアルト、アルネ・ヤコブセンらが手がけた、流麗な曲線美が特徴のテーブルやチェア、ランプ、時計などをカラー・モノクロ写真で掲載する。当時のデザイン哲学と造形美を通じて、時代を象徴するインテリアの魅力を伝えている。英語表記。
アイデア No.140 第55回アートディレクターズ・クラブ
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.140(1977年1月号)。巻頭では、国際的な広告・デザイン賞である「第55回アートディレクターズ・クラブ第15回コピークラブ主催1976年度ザ・ワン・ショー展」を特集。受賞作品や審査員インタビュー、展示解説などを豊富な図版とともに収録。そのほか、「チェコ,ブルノーに於ける第7回グラフィック・デザイン展」や福田繁雄による「シャマイエフのポスター」などを収録。
アイデア No.139 西海岸のユニークな日系デザイナー、ブライアン・ハギワラ
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.139(1976年発行)は、西海岸で活動する日系デザイナー、ブライアン・ハギワラを特集。五十嵐威暢による論考をはじめ、アメリカやアジア各地で活躍するデザイナーやイラストレーターの仕事を幅広く掲載。マシュー・フィンチ・アソシエーツ、アラン・チャン・ヨーキン、リック・ランバートらの作品紹介に加え、ポール・ランドを純粋にアメリカが生んだ芸術家として位置づける亀倉雄策のテキストも収録。
アイデア No.138 ハーブ・ルバーリンとアッパ&ロー・ケース誌
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.138(1976年9月号)。タイポグラフィ界の重要人物であるハーブ・ルバリンと、彼が深く関わったタブロイド紙『U&lc(Upper & Lower Case)』を特集。ルバリン本人へのインタビューを中心に、実験的で自由なタイポグラフィ表現や編集思想を紹介している。そのほか、日本パッケージデザイン協会展のレポートや、九州のグラフィックデザイン特集、海外デザイナーの仕事紹介なども収録。
Tokyo Fiber’07 Senseware
2007年に東京とパリで開催された「TOKYO FIBER」展の記録集。参加クリエイターには祖父江慎、深澤直人、佐藤卓、隈研吾らが名を連ねる。繊維を単なる素材としてではなく、感性や思考を刺激する「メディア」として捉え直し、ファッションにとどまらない新しいデザインの可能性を提示。展示風景や作品図版を豊富に収録し、日本のテクノロジーと創造性が交差する現場を伝えている。
倉俣史朗 SHIRO KURAMATA 1967-1987
日本を代表するインテリアデザイナー、倉俣史朗の活動を総覧する作品集。1967年から1987年までの約20年間に制作された家具、空間デザイン、インスタレーションを中心に、写真、図面、スケッチなどの豊富な資料を通して紹介している。磯崎新とエットレ・ソットサスによるテキストも収録。日本のデザイン史のみならず、20世紀後半の国際的デザイン潮流の中で倉俣史朗の仕事を捉え直すための重要な一冊。
Intermission 1 | Hedi Slimane
ファッションデザイナーであり写真家であるエディ・スリマンの作品集。ホテルのカーテンを主な被写体とし、場所や部屋が変わりながらも同じモチーフが繰り返され、光や布の質感、色のわずかな違いが静かに浮かび上がる。また、本書は造本そのものが体験の一部となっている。ページにはビニール加工が施され、めくるたびに貼り付いた紙を剥がす必要があり、読む速度が自然と遅くなる。その手触りが「一時的な滞在」や「間(インターミッション)」というテーマを身体的に感じさせる構成となっている。
The Art of Letters | Kris Sowersby
世界的な書体デザイナー、クリス・ソワーズビーの仕事を、文字そのものに焦点を当てて紹介する大判作品集。約800ページにわたり、アルファベット一文字一文字を「読むための機能」ではなく、独立した造形として捉えている。Calibre、Domaine、Founders Grotesk、Signifierなど、Klim Type Foundryの書体から選ばれた750点以上の文字を、1ページに1字ずつ収録。微細な形の違いや構造の工夫から、書体設計における理論と感覚の積み重ねが浮かび上がる。
文字の宇宙 | 杉浦康平
写真植字機研究所設立60年を記念して刊行されたビジュアルブック。1975年から1985年にかけて制作された写研の「文字の生態圏」カレンダーをもとに、杉浦康平が企画・構成。文字のかたちや装飾、文字をめぐる習俗などを切り口に、文字文化の広がりと奥行きを紹介している。解説には松岡正剛や白川静が参加し、さらに草森紳一、中沢新一、谷川俊太郎らによる文字をめぐる対話も収録。
文字の祝祭 | 杉浦康平
写真植字機研究所設立70年を記念して刊行されたビジュアルブック。1986年から1995年にかけて制作された「文字の生態圏」カレンダーのうち、アジアの文字をテーマにした8年分を再構成し、アジアの伝統文化において、文字がどのような意味や役割を担ってきたのかを読み解いている。企画・構成はグラフィックデザイナーの杉浦康平。漢字の成り立ちや変遷、人々が文字に託してきた祈りや思想について、松岡正剛、武田雅哉がそれぞれの視点から解説している。
New Utilitarian: Systematic Approaches to Aesthetics and Design
流行に左右されない普遍的な美意識や技法が、現代のテクノロジーによってどのように更新されているのかを探るデザイン資料集。過去の表現や思想を参照しながら、データ時代にふさわしい実用性と美しさを併せ持つビジュアルを生み出す、世界各地のクリエイターの取り組みを紹介。ノスタルジーと革新が交差する表現を通して、「未来のクラシック」となりうるデザインの可能性を模索している。
The Graphic Language of Neville Brody 3
グラフィックデザイナー、ネヴィル・ブロディのアートワーク集。資生堂やコカ・コーラ、ナイキなどの世界各国のクライアントとともに、大胆かつ洗練されたデザインを数多く発表してきたブロディの各プロジェクトを詳しく紹介。主要ブランドから雑誌の特集まで、6つの章にわたってブロディの最近の活動を特徴づける作品を掲載。彼の約30年間に及ぶ活気あるデザインプロジェクトを集めた貴重な資料となっている。 英語表記。
Exquisite Errors: DMCO-I | Barry van der Rijt
デジタル映像に起こる「コーデック・エラー」に焦点を当てた作品集。圧縮や再生の過程で生じるノイズやズレ、画面の崩れといった一瞬の異常を、あえて切り取って収集し、「Codec Order」という独自の視点で分類。極端にピクセル化された画面や、色が破綻したイメージが並び、デジタル技術の裏側に潜む不完全さを可視化している。制御されたシステムの中に現れる偶然性や美しさを、冷静な観察眼で捉えた一冊。
photocopy | 伊丹豪
写真家・伊丹豪による実験的な作品集。写真の並びが物語や意図を生まないよう、全1000部それぞれで写真の順序を変えて制作されており、同じ表紙を持ちながら一冊ごとに異なる構成となっている。本書では、写真を「読む」対象ではなく、ただ一枚ずつ見ることに集中する体験を重視。見開きではなく単写真で構成され、ページは左上からめくる仕様となっている。写真に意味や文脈を与えるのではなく、目の前にある視覚要素そのものと向き合うための写真集。
SONAR No.1
リソグラフ印刷をアート表現の技法として体系化した実用性と実験性を兼ね備えた資料集。全ページをリソグラフ印刷で構成し、全11色のドラムによるリソグラフのカラーチャート、重なりによる発色、版ズレやムラといった特性を視覚的に確認できる。株式会社竹尾協力のもと、用紙との相性検証や多彩な紙サンプルも収録。様々な業界のアーティストや学生の実験的作品、制作データ、技法解説を収録し、創作の指針となる内容にまとめられている。限定500部刊行。
Latent Figures | Jannis Maroscheck
AIを用いた造形表現を探る、ヤニス・マロシェックの作品集。古代の記号や紋章、クリップアート、ロゴなど、人類が生み出してきた視覚要素をもとに、意味を持たない「形そのもの」として再構成されたイメージを収録している。どこか見覚えがありながら、はっきりとは意味をなさないイメージ群が並び、見る者の想像力を静かに刺激する。グラフィックデザインと抽象表現のあいだを行き来する、視覚辞典のような作品集。
Matisse: The Graphic Work
アンリ・マティスの版画やドローイングなど、グラフィック作品に焦点を当てた作品集。絵画に比べて注目される機会の少なかった仕事を、創作初期から晩年までの全期間と、用いられたあらゆる技法を視野に入れながら、代表的な約100点によって体系的に紹介している。リトグラフやエッチング、書籍の挿絵など多様な表現を通して、簡潔な線、余白の緊張感、感情と造形の関係が鮮明に浮かび上がり、マティスの表現の核心に迫る内容となっている。
Fashion Magazine: Austin, Texas | Lise Sarfati
マグナム・フォトのメンバーでもある写真家、リゼ・サルファティによる作品集。テキサス州オースティンを舞台に、街で出会った若者たちを被写体とし、ファッションとポートレートのあいだを行き来する独自の表現を展開している。流行を身にまといながらも不安定さや官能性を漂わせる思春期の若者たち。その一瞬の佇まいを静かに切り取ることで、被写体の内面に潜む感情を浮かび上がらせている。ファッション写真の洗練と、肖像写真の緊張感が交差するサルファティの視線を凝縮した一冊。
Andreas Uebele: Material ドイツ語版
ドイツのグラフィックデザイナー、アンドレアス・ウーベレの作品集。建築を学んだ経歴を背景に、ライヒスタークのグラフィックやヴィトラ・キャンパスのサイン計画など、構造的で明快なデザインを数多く手がけてきた。本書では、ウーベレによる85のプロジェクトを、制作の出発点となった「素材」という視点から紹介。書体やサイン、印刷物に加え、マシュー・カーター、エイドリアン・フルティガー、マッシモ・ヴィニェッリ、ヘルマン・ツァップら協働者の仕事も交えながら、軽やかさと明瞭さを併せ持つウーベレのデザイン思考を伝えている。
Alexander Girard Designs for Herman Miller 2nd Edithon
1950〜60年代を代表するデザイナーのひとり、アレキサンダー・ジラードの作品集。1952年にハーマンミラー社のテキスタイル部門責任者となったジラードは、イームズやネルソンの家具に鮮やかで革新的なテキスタイルを与え、当時のモダンデザインに色彩と遊び心をもたらした。本書では、テキスタイルや壁紙、オフィスのための環境エンリッチメント・パネル、家具シリーズなどを中心に、400点以上の図版でその仕事を収録。フォークアート・コレクター、建築家、インテリアデザイナーとしての側面も含め、20世紀デザイン史におけるジラードの独自性と影響力を包括的に紹介している。
Taking a Line for a Walk: Assignments in Design Education
デザイン教育における「課題(アサインメント)」に注目した一冊。指示やルール、問い、ゲームなど、課題がどのように学びを導くのかを紹介している。本書には、歴史的なものから現代の実践まで224の課題を収録。教育者や学生にとって、発想や授業づくりのヒントとなる内容がまとめられている。2014年に開催されたInternational Biennial of Graphic Design Brnoでの同名展覧会をもとに制作された。
バウハウス 1919-1933
芸術と技術、そして芸術と産業の統一を掲げ、世界的に影響を与えたバウハウスの全貌を紹介する「バウハウス 1919-1933」展の図録。モダンデザインの規範となった同校の基礎教育や授業内容、各工房での制作活動を豊富な図版とともに解説する。さらに日本への影響や当時の評論なども収録し、その歴史的意義と国際的広がりを多角的に伝えている。
痕跡 戦後美術における身体と思考
2005年に京都国立近代美術館と東京国立近代美術館で開催された展覧会の図録。戦後美術における表現の変化を「痕跡」という視点から捉え、身体行為と思考がいかに作品として定着したかを検証する。絵画、彫刻、パフォーマンス、インスタレーションなど多様な作品を通じ、制作行為そのものがもたらす物質性や時間性に焦点を当てる。具体美術協会をはじめとする日本美術と欧米の戦後表現を横断的に紹介し、論考と豊富な図版によって美術史的意義を明らかにしている。
Le Pigment De La Lumiere | Olaf Nicolai、 Heidi Specker
再建されたデッサウのマイスター邸のために制作された、オラフ・ニコライの壁面作品「Le pigment de la lumière」を記録した作品集。大理石の粉末を粒度の異なる状態で塗布することで、幾何学的なパターンと微細な起伏を生み出し、光の変化に応答する表面をつくり出している。ほとんど意識されないほど控えめな造形は、ニコライが継続して探ってきた「カモフラージュ」という概念とも重なるもの。写真家ハイディ・シュペッカーは、その壁面を撮影することで、輪郭や表面と空間の関係を際立たせ、光によって立ち現れる知覚の揺らぎを丁寧に捉えている。
マティス展 The Path to Color 2023
2023年に東京都美術館で開催された「マティス展 The Path to Color」の図録。20世紀フランスを代表する画家アンリ・マティスの歩みを、絵画、彫刻、ドローイング、版画など多彩な作品とともに辿っている。油彩35点、デッサン30点、彫刻17点を含む100点以上の図版をカラーとモノクロで収録し、晩年に手がけたヴァンスのロザリオ礼拝堂に関する資料も紹介。豊富な解説を通して、マティスの芸術的探究の広がりとその到達点を明らかにしている。
宇宙中的長城 万里の長城を1万メートル延長するプロジェクト | 蔡國強
中国出身の現代美術家、蔡國強による作品資料集。「万里の長城に1万メートル加えるプロジェクト」として、万里の長城の終点・嘉峪関から1993年2月27日夕刻、1万メートルの炎と硝煙の長城を出現させたプロジェクトの記録をまとめたもの。プロジェクトの写真、制作過程など図版とともに解説を収録。
Olafur Eliason: Open House
デンマーク出身の現代アーティスト、オラファー・エリアソンのスタジオが手がける〈Take Your Time〉シリーズ第7巻。スタジオ内部で行われる制作のプロセスや実験的リサーチ、作品が形になるまでの過程を豊富な写真資料とともに紹介している。スタッフや研究者との協働を通じて生まれる創造の現場を記録し、エリアソンの思考と実践の全貌を明らかにしている。
八木良太 サイエンス フィクション
2014年に神奈川県民ホールで開催された展示の図録。若手作家に焦点を当てた現代美術シリーズ第5弾として、現代美術作家・八木良太の表現世界を紹介する。日常にありふれた事物を独自の視点でとらえ直し、モノの機能や性質を解体・再構成する。立体、映像、インスタレーションなど多彩な作品図版とともに、その発想や空間構成を丁寧に解説。
Borderlands | Helene Schmitz
スウェーデンの写真家、ヘレーネ・シュミッツによる作品集。砂に覆われた室内や荒廃した建築、家具が取り残された空間、あるいは熱帯の植物が生い茂る風景などを撮影している。人為的に築かれた環境と自然が入り混じる場面は、破壊と再生の両義性を示している。写真は単なる記録にとどまらず、私たちが自然をどのように捉えてきたかという視点を呼び起こす。儚さと美しさを併せ持つ情景を通じて、自然観の多層性を浮かび上がらせている。