The Push Pin Graphic
1950年代から1980年代にかけて、視覚文化に多大な影響を与えたアメリカのデザインスタジオ、プッシュピン・スタジオの活動をまとめた作品集。シーモア・クワストとミルトン・グレイサーを中心に、同スタジオの代表的な出版物『The Push Pin Graphic』全86号から選りすぐったカバーや誌面を収録している。ポップカルチャーとデザイン思考が交差する場として、戦後アメリカのグラフィックデザインに新しい地平を開いたプッシュピンの創造的精神を、図版とともに振り返ることができる1冊。
Milton Glaser: Art is Work
アメリカのグラフィックデザイナー、ミルトン・グレイザーによる作品集。世界的ベストセラー『Milton Glaser Graphic Design』から20年を経て刊行された本書は、新聞や雑誌、ポスター、CDカバー、玩具、テキスタイル、インテリアデザインなど、多岐にわたる仕事を500点以上の図版とともに紹介している。創造の実践を通して生まれたグレイザーの造形思想と創造のプロセスを鮮やかに浮かび上がらせている。
アートワーク・オブ・ヒプノシス
ピンク・フロイドやレッド・ツェッペリンのアルバムジャケットを手がけ、ロック史におけるビジュアル表現を刷新したイギリスのデザイングループ、ヒプノシスの作品集。グループの中心メンバーであるストーム・トーガソンによる解説を交えながら、1960〜80年代に制作された数々のレコードジャケット、ポスター、グラフィックワークを網羅している。写真とコラージュを融合させた独創的なイメージは、音楽のコンセプトを視覚的に翻訳する試みとして、今なお多くのデザイナーに影響を与えている。
トリス広告25年史 | 坂根進
サントリーが販売するウィスキー〈トリス〉の広告表現をまとめた資料集。昭和25年から49年までの新聞広告約230点をはじめ、民間テレビ放送の幕開けを飾ったコマーシャル第1号〈トリスバー篇〉など、戦後日本の広告史を象徴する作品を多数収録している。山崎隆夫、開高健、山口瞳、柳原良平らが手がけたコピーやエッセイも掲載。高度経済成長期の日本における企業広告と大衆文化の関係を、デザインと物語の両面から明快に伝えている。
Beware Wet Paint | Alan Fletcher
イギリスのグラフィックデザイナー、アラン・フレッチャーの作品集。デザイン事務所ペンタグラムの創設者の一人として、イギリスにおける戦後グラフィックデザインの水準を世界的に押し上げたフレッチャーの思考と造形の軌跡をたどる。企業広告や書籍装幀などのクライアントワークから、日常の観察をもとにした個人的な作品まで250点を収録し、その背景にある発想のプロセスを解説している。
欧文組版入門 | ジェイムズ・クレイグ
アメリカのタイポグラファー、ジェイムズ・クレイグによる欧文組版の基礎技法書。関連用語からデザイン、割り付け、組版システムに至るまで、4章構成で体系的に解説している。写植時代の知識と技術を土台に、文字の構造、行間や字間の調整、紙面設計の基本原理を豊富な図版とともに示し、実践的な学習書としても高い評価を得ている。美しい組版を支える理論と感覚の両面をわかりやすく整理し、欧文タイポグラフィを学ぶ上での普遍的な指針を提示している。
欧文書体入門
『欧文書体入門』は、アルファベットAからZまでの26文字にちなみ、代表的な書体26点を紹介するタイポグラフィ資料集。各章では、書体の成立背景や時代的文脈、制作者のプロフィールを豊富な図版とともに解説している。ローマン体からサンセリフ体、スクリプト体に至るまで、西洋タイポグラフィの歴史と造形の多様性を体系的に学ぶことができる構成。組版工学研究会をはじめとする専門家による監修のもと、書体の美しさと実用性を両立させた欧文デザインの基礎を明快に伝えている。
新撰 日本のタイポグラフィ
デザイン誌『アイデア』第310号特集「日本のタイポグラフィ1995–2005」を増補改訂した一冊。1995年から2005年の10年間に制作されたエディトリアルデザインを中心に、書籍や雑誌などの印刷物における日本のタイポグラフィの展開を総覧している。グラフィックデザインの実践と印刷技術の変化が交錯する時期に焦点をあて、現在の書物のデザインに大きな影響を与えてきた66名のデザイナーの仕事を豊富な図版で紹介。デジタル環境の成熟期における文字表現の可能性を検証し、タイポグラフィの思想と造形の関係を丁寧に読み解いている。
タラブックス、失敗と本づくりの未来
2023年にLIVE ART GALLERYで開催された企画展と連動して制作されたもの。手仕事による美しい本づくりで知られる同社が、「失敗(Mistake)」をテーマに制作の本質を探る。印刷や製本の過程で生じた偶然のズレや試行錯誤を、創造の源泉として受け入れてきたタラブックスの姿勢を、インタビューや寄稿、制作記録を通して紹介。クラフトマンシップと編集思想が交差する場としての“本”のあり方を問い直し、ものづくりに潜む不確かさと創造の関係を温かい眼差しで照らし出している。
デザイナー 亀倉雄策展
戦後日本を代表するグラフィックデザイナー、亀倉雄策の創作活動を総覧する展覧会図録。新潟県立近代美術館で開催された本展では、ポスター、シンボルマーク、装丁などの代表作に加え、亀倉自身のコレクションやデザイン資料を紹介している。東京オリンピック、万国博覧会、NTTなどに象徴される鮮烈なビジュアル言語は、戦後日本の広告デザインの方向性を決定づけた。さらに、生前親交のあったデザイナーたちによる追悼作品も収録。
英国の私家版 | 精興社
自らデザインし彫り上げた活字や挿絵の木版を使って自分が書いた文章を自分で組版し手引き印刷機で印刷する。こうして作られた書物を英国では「私家版」(プライベート・プレス)と呼ぶ。本書は「私家版」の伝統が今日まで脈々と生き続けている英国において、ウィリアム・モリス、コブデン・サンダスン、セント・ジョン・ホーンビーなど、私家版工房(プライベート・プレス)の創設者達が持っていた社会と芸術に対する理想像を克明に分析し、その歴史的・社会的背景を明らかにした異色の書。240頁におよぶ「書誌」は私家版研究の恰好の手引き。
アート・テクニック・ナウ 17 永井一正のポスター
日本を代表するグラフィックデザイナー、永井一正によるポスターデザインの技法書。自身の代表作を中心に、発想から構成、造形のプロセスまでを豊富なカラー図版とともに解説している。視覚的インパクトと思想性を兼ね備えたポスター表現の核心に迫りながら、次世代のデザイナーに向けた実践的なアドバイスも収録。永井のデザイン哲学と造形の原点を照らし出している。装丁は粟津潔によるもの。
イエラ・マリ 字のない絵本の世界
イタリアの絵本作家、イエラ・マリの創作世界を紹介する展覧会の図録。『りんごとちょう』『にわとりとたまご』など代表的な絵本を中心に、原画や試作本、制作資料をカラー図版で多数掲載している。コンピューターが普及する以前、緻密な手作業によって構築された造形表現のプロセスを丁寧に辿りながら、シンプルな形と色だけで物語を紡ぐイエラ・マリ独自のビジュアル言語を明らかにする内容。観察と想像の間に広がる豊かな知覚の世界を通して、絵本がもつ造形教育の可能性と詩的感性を静かに伝えている。
ブルーノ・ムナーリのファンタジア 創造力ってなんだろう?
2013年に開催された「ブルーノ・ムナーリのファンタジア 創造力ってなんだろう?」展の公式カタログ。美術家、デザイナー、絵本作家として多彩な活動を展開し、デザイン教育にも大きな足跡を残したブルーノ・ムナーリの創作を紹介している。彫刻、グラフィックアート、プロダクト、絵本、遊具などを網羅的に収録し、創造力の本質を探るムナーリの思想を多角的に伝える構成。坂根厳夫「五感を通じての発見的教育」や瀧口修造「JOY-MAKER BRUNO MUNARI」などのテキストを通じて、ムナーリの表現が持つ教育的・芸術的価値を明らかにしている。
Objectif Pub: La Bande Dessinee et la Publicite, Hier et Aujourd'hui | Alain Lachartre
フランス語圏のイラストレーターや漫画家たちが手がけた広告作品をまとめた資料集。ベンジャミン・ラビエ、メビウス、フロックなど、フランスを代表する作家の多彩な作品を収録している。20世紀初頭から現代に至るまで、バンド・デシネ(フランス語圏コミック)が広告表現とどのように結びつき、視覚文化の中で発展してきたかを豊富な図版と解説で紹介。芸術性と商業性のあいだを軽やかに往還しながら、フランスにおけるデザインと大衆文化の関係を軽やかに架橋している。
Record Covers in Wadaland | 和田誠
イラストレーター・グラフィックデザイナー、和田誠によるレコードジャケット作品集。クラシック、ジャズ、シャンソン、流行歌など幅広いジャンルのアルバムデザインをカラーで収録している。音楽と絵の双方に深い造詣をもつ和田ならではの柔らかなユーモアとリズム感が、シンプルな構成の中に息づく。デザインを通して音の質感や演奏者の個性を可視化する感性は、音楽と視覚表現の幸福な関係を感じさせる。巻末には本人によるエッセイ「ジャケットデザインのときめき」も掲載。
Poster Collection 25: Josef Muller-Brockmann
スイスのタイポグラファー、ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンの作品集。Lars Müller Publishersの〈Poster Collection〉シリーズ第25巻として刊行されたもの。1950年代から1970年代にかけて制作された代表的なポスターを収録し、チューリッヒのコンサートホール〈トーンハレ〉のための広告ポスターをはじめ、グリッド構成とタイポグラフィの厳密な調和を示す作品を多数掲載。論理性と感性の均衡により生み出された造形の美学を通して、ミューラー=ブロックマンのデザイン思考を視覚的に展開している。
Photo Technic 別冊 操上和美 人と作品
別冊『Photo Technic』写真家・操上和美の特集号。コム・デ・ギャルソンや伊勢丹、流行通信などのために撮影された広告写真をはじめ、著名人のポートレイトや実験的作品を多数収録している。1960〜80年代の日本の広告写真を牽引した操上の独自のスタイルと感性を、多様な図版とともに紹介。さらに、本人へのインタビューや浅井慎平、湯村輝彦らによる寄稿も掲載され、同時代のクリエイティブシーンにおける操上の影響を多面的に示している。
iichiko design 2019
麦焼酎「いいちこ」の広告作品集2019年版。ポスター、雑誌広告、季刊誌『iichiko』、地下鉄窓上ポスターなど多岐にわたる媒体を収録し、河北秀也による一貫したアートディレクションのもとで展開されたビジュアルコミュニケーションを紹介している。静謐で詩的な写真と簡潔なコピーが響き合い、企業広告の枠を超えて日本のグラフィックデザイン史における重要な位置を占めてきたシリーズの継続的な魅力を再確認させる構成。
アイデア No.380 横尾忠則新作集 2010-
デザイン誌『アイデア』第380号(2018年1月号)。巻頭特集「横尾忠則新作集 2010−」では、2010年の『横尾忠則全ポスター展』以降に制作されたクライアントワークおよび自身の展覧会ポスター約70点を収録。ポスターという明快な枠組みの中で展開される、平面構成の原点に立ち返ったダイナミックな造形が印象的。電子空間に氾濫するイメージとは異なる、直接的で力強い視覚表現を通して、現代における「新しいデザイナー」としての横尾の姿を提示する。そのほか「片山利弘について」「オトル・アイヒャーのイズニー」「水たまりの中を泳ぐ ポスタルコの本作りとイメージメイキング」などを収録。
アイデア No.379 ブックデザイナー鈴木一誌の仕事
デザイン誌『アイデア』第379号(2017年10月号)。巻頭特集「ブックデザイナー 鈴木一誌の仕事」では、1970年代の杉浦康平との協働から、ニューアカデミズム期の装丁、写真集や映画書籍のデザイン、『知恵蔵』裁判に至るまで、約40年にわたる活動を多角的に紹介している。デザイン誌『d/SIGN』の編集や著作『ページネーション・マニュアル』など、書物を思想の器として捉える鈴木の姿勢を検証。時代の言説とデザインの関係を探る批評的アプローチを通じて、日本のブックデザイン史における鈴木の仕事の位置づけを明らかにしている。
アイデア No.378 グラフィックの食卓
アイデアNo.378/2017年7月号。グラフィックの食卓特集。近代グラフィックデザインの文脈にある、食についての、あるいは食を足がかりにした批評的グラフィック作品をアラカルト的に紹介する。「F・T・マリネッティと『未来派料理の手引き』」「勝井三雄と『奥様手帖』」「ハーマンミラーのピクニック・ポスター」などを収録。巻末の対談は「鈴木一誌×水野祐 ポストインターネット時代の法とデザイン 知恵蔵裁判からクリエイティブコモンズまで」。
アイデア No.370 思想とデザイン
デザイン誌『アイデア』第370号(2015年7月号)。巻頭特集「思想とデザイン」では、時代とともに変化してきた思想とデザインの関係を、若手研究者や評論家の視点から多角的に検証している。横尾忠則、粟津潔、杉浦康平らの著作や造本を通じて、思想がどのようにかたちを得てきたかを探る「1906─拡張するメディアと思想」や、戸田ツトムへのインタビュー「思想するデザイナー」などを収録。言葉・図像・空間が交錯するなかで、デザインが思想の媒介として果たす役割を再考し、思考のかたちとしてのデザインの可能性を浮かび上がらせている。
アイデア No.369 日本のグラフィックデザイン史 1990-2014
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.369(2015年4月号)は、「日本のグラフィックデザイン史 1990-2014」を特集。バブル崩壊後の社会変化の中で台頭した新世代のデザイナーたちの動向を中心に、1990年代から2010年代前半までの日本デザイン史を再検証している。コンピュータ導入による制作環境の変化、渋谷系カルチャーの影響、モダンデザインの継承と逸脱など、多面的な視点から時代を読み解く構成。蜂賀亨、ばるぼら、紫牟田伸子、古賀稔章らによる論考と、1990〜2014年のビジュアル年表を通して、デザインの変遷と思想の地層を立体的に照らし出している。
アイデア No.367 日本オルタナ文学誌
デザイン誌『アイデア』第367号(2014年11月号)。巻頭特集「日本オルタナ文学誌」では、河出書房、書肆ユリイカ、思潮社、桃源社、薔薇十字社、美術出版社など、独自の思想と編集観を持つ戦後の文学出版社を取り上げている。書物を「精神と肉体を併せ持つ存在」と捉え、出版社や編集者の意識の表出としての「社内装丁・編集装丁」に注目。ブックデザインを超えた出版文化の精神的基盤を掘り下げ、敗戦後の日本における絶望と再生の美学を辿る。『日本オルタナ出版史 1923–1945』に続く戦後篇として、戦後出版の志と表現の継承を可視化し、文学と造本が交錯する精神史を静かに照らし出している。
アイデア No.363 大類信のデザイン/阿木譲のエディトリアル・デザイン
アイデアNo.363、2014年3月号。大類信のデザイン その傾向と対策/阿木譲のエディトリアル・デザイン特集。前半は「ロッキング・オン」や「Purple」のエディトリアルを手がけたのち、陶芸作家としても活動する大類信の仕事や、渋谷陽一や宇川直宏ら関係者へのインタビューを掲載。後半は「Rock Magazine」のエディトリアルに代表される阿木譲の仕事を紹介しながら、インディペンデント・メディアの過去・現在・未来を考察する。
アイデア No.362 グラフィックデザインの詩学 現代フランスのデザイナーたち
デザイン誌『アイデア』第362号(2014年1月号)。巻頭特集「グラフィックデザインの詩学―現代フランスのデザイナーたち」では、戦後から現代にかけて展開したフランス・グラフィックの系譜を、文化的背景とともに検証している。エルモ、エカトル、フレデリック・テシュナー、シャルル・マゼ&コリン・ソニエ、ドヴァランスなど新世代のデザイナーたちに加え、ブックデザインの先駆者ピエール・フォシュの仕事も紹介。アートやファッション、文学といった多様な領域を横断しながら、独自の言語で造形を探る姿勢を浮かび上がらせる。サブ特集「タイポジャンチ2013」では、ソウル国際タイポグラフィ・ビエンナーレをレポート。東アジアのデザイン的連帯とその可能性を、地域と思想の両面から照らし出している。
アイデア No.361「あまちゃん」のデザイン
デザイン誌『アイデア』第361号(2013年10月号)。巻頭特集「あまちゃんのデザイン」では、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(2013年放送)に登場する架空の企業ロゴ、看板、ポスター、商品パッケージなどのグラフィック要素を詳細に紹介。劇中世界を実在するかのように構築したデザイナーたちの思考と制作プロセスを辿り、ドラマの物語性を支えるデザインの役割を明らかにしている。あわせて「きゃりーぱみゅぱみゅ グラフィックス」「アイドル・アイデンティティの時代」などの企画を収録し、テレビ・音楽・ファッションといった大衆文化の中でグラフィックが果たす表現機能を考察。
アイデア No.360 ファウンド・プリント 大竹伸朗の書庫より
デザイン誌『アイデア』第360号(2013年9月号)。巻頭特集「ファウンド・プリント:大竹伸朗の書庫より」では、画家・アーティスト大竹伸朗のアトリエに蓄積された膨大な印刷物を紹介している。書籍、雑誌、ポスター、漫画、実用書など、時代も地域も異なる印刷物が混在する空間は、作品と素材の境界が曖昧に交錯する創造の現場でもある。直接的なコラージュの素材として、あるいは潜在的な着想源として、大竹の造形行為に作用する印刷物のエネルギーを可視化。秋山伸による論考「アートブックの一般解へ」ほかを収録し、物質としての本が孕む記憶と想像力の力学を多角的に探っている。印刷文化とアートの接点に宿る造形思想を静かに浮かび上がらせている。
アイデア No.359 デザイン特殊講義
デザイン誌『アイデア』第359号(2013年6月号)。巻頭特集「デザイン特殊講義」では、教育の現場に焦点をあて、デザインを「学ぶこと」と「教えること」の両面から考察している。社会人デザイナーを対象とした小規模スクールやワークショップ、デザイナー同士の自主的な勉強会の広がりを背景に、国内外の教育機関や実践者への取材、誌上レクチャーを通して現代の学びの形を多角的に検証。「グリッドシステムによる紙面形成」(白井敬尚)、「かたちのみかたの見解」(立花文穂)なども収録。
アイデア No.347 寄藤文平の庭
デザイン誌『アイデア』第347号(2011年6月号)。巻頭特集「寄藤文平の庭」では、アートディレクター、グラフィックデザイナー、イラストレーターとして幅広く活動する寄藤文平の創作を多角的に紹介している。JTの「大人たばこ養成講座」や東京メトロのマナーポスターなどの広告作品をはじめ、装丁、挿画、著述までを含む多領域の仕事を通して、その発想と方法を検証。寄藤が自らの仕事を「庭をつくるようなもの」と語るように、企画からデザイン、執筆に至るまでの総合的な創造のあり方を示している。池谷裕二、安野光雅との対談も収録。
アイデア No.318 エドワード・フェラ
デザイン誌『アイデア』第318号(2006年9月号)。巻頭特集「エドワード・フェラ」では、デトロイトを拠点に活動したアメリカのデザイナー、エドワード・フェラの仕事を紹介。商業デザイナーとしての長年の経験を背景に、独自の描き文字によるタイポグラフィックな表現で注目を集めたフェラの、約30年にわたり制作された自主制作フライヤー群を180ページにわたって掲載している。形式から逸脱しながらも精緻な構造を持つそのデザインは、レタリングとアート、言語と図像の境界を軽やかに横断する。マシュー・カーターのインタビューや『Dot Dot Dot』誌との対話を通して、タイポグラフィの思想と自由な実践の関係を的確に示している。
アイデア No.315 宇野亜喜良/テリー・ダウリング/立花文穂
デザイン誌『アイデア』第315号(2006年3月号)。巻頭では「宇野亜喜良画帖 雛罌粟草紙」を特集し、戦後日本のグラフィックデザインとイラストレーションの黄金期を牽引してきた宇野亜喜良の近作を中心に、その現在形を探っている。暗く耽美な初期作品から、静謐さの中に生動する新たな表現まで、約50ページにわたり多面的に紹介。そのほか「世界の立花文穂、立花文穂の世界」「書影の幻像 野中ユリの装釘」などを収録し、造本や文字表現、イメージの詩学をめぐる多様な視点を展開。
アイデア No.313 ワープ・レコードのグラフィックス
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.313(2005年11月号)は、ワープ・レコードのグラフィックスを特集。イギリスのインディペンデントレーベル、ワープ・レコードの周辺で展開されたデザインワークを紹介し、デザイナーズ・リパブリックらが手がけたジャケットやフライヤーなどを多数掲載している。さらにデザインスタジオ・2x4による「アイデアのための12のアイデア」、クリエイティブユニット・生意気の作品も収録し、国際的なデザイン動向を伝えている。
アイデア No.306 原研哉のデザイン
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.306。1998年から2004年までの原研哉によるデザインワークとプロジェクトを総覧する特集号。「白」をキーワードに、松屋銀座、無印良品、オリンピック関連などで手がけたデザインを再検証し、その思想や表現の背景を探る。14000字に及ぶロングインタビューでは、自身の仕事観やデザイン哲学を余すところなく語っており、作品とともに創作の核心に迫る内容となっている。
アイデア No.219 ソール・バス
デザイン誌『アイデア』第219号(1990年3月号)。巻頭特集「ソール・バス」では、映画タイトルデザインや企業ロゴなどで知られるアメリカのデザイナー、ソール・バスの代表的な仕事を通して、その造形原理とコミュニケーションの美学を検証している。そのほか「ゲールト・ブンダーリッヒ教授と6人の学生たち」「ポルトガルのポスター作家:ジョアン・マシャド」「ニュージーランドのベスト・グラフィック・デザイン」「ウッズ+ウッズの仕事」「デビッド・アンソン・ルッソーの絵文字」などを収録。表紙デザインはソール・バス。
アイデア No.218 熱いアジアと89人のタイポディレクター
デザイン誌『アイデア』第218号(1990年1月号)。巻頭特集「熱いアジアと89人のタイポディレクター」では、アジア各国のデザイナーやタイポグラファーを紹介し、国境を越えたデザインの新たな潮流を探っている。そのほか「世界デザイン博 日本のポスター史展」「チューリッヒ工芸博物館デザイン館のポスター・コレクション」「イラスト革命―ダグ・ジョンソン」「ユーロバリア1989・現代日本ポスター展」「ヴィンセント・ダディエゴ」など、多彩な記事を収録。
アイデア No.217 イメージの採光たち。世界デザイン博 世界の秀作ポスター展
デザイン誌『アイデア』第217号(1989年11月号)。巻頭特集「イメージの採光たち。世界デザイン博 世界の秀作ポスター展」では、世界各国から集められたポスター作品を紹介し、1980年代の国際的なグラフィック表現の動向を俯瞰している。そのほか「挑戦した13点のポスター」「Design, Just Now 東京デザイナーズスペース会員展」「日米のタイポグラフィ年鑑展」「アンデルセン賞に輝くデュサン・カーレイのイラストレーション」「YAOデザイングループとパッケージデザイン」などを収録。
アイデア No.216 世界デザイン博覧会EXPO ’89開幕
デザイン誌『アイデア』第216号(1989年9月号)。巻頭特集「世界デザイン博覧会 EXPO ’89 開幕」では、名古屋を中心に開催された世界デザイン博の全体像を紹介し、世界各国の最新デザイン動向と展示構成を豊富な図版で伝えている。そのほか「フランス革命記念国際ポスター展」「ラニー・ソメス教授とその7人の学生たち」「デュフィー・デザイン・グループ」「パッケージデザイナーによる’89自遊BOX展」「第31回イラストレーターズ年次展」などを収録。
アイデア No.215 ルベン・カンポス・グリロ
デザイン誌『アイデア』第215号(1989年7月号)。巻頭特集「ルベン・カンポス・グリロ」では、ラテンアメリカを代表するデザイナーの活動を紹介し、社会性と造形性を兼ね備えたそのデザインアプローチを探っている。そのほか「クビェタ・パツォフスカーの世界」「清水正己の広告ポスター」「人と自然のコミュニケーション・デザイン:愛媛県立とべ動物園アイデンティティ計画」「第22回SDA賞 拡張を続けるサインの世界」「’89卒業制作誌上展・グラフィックデザイン」などを収録。表紙デザインは葛西薫。
アイデア No.214 ポラロイド作品集
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.214(1989年5月号)。 巻頭特集「ポラロイド作品集」では、600プラスフィルムを用いて制作された、18名の国際的デザイナーによるポスター・コレクションを紹介する。ジャン=ミシェル・フォロン、ピエール・ベルナール、五十嵐威暢らが参加し、多様なビジュアル表現による作品群とプロジェクト内容、展示の様子を掲載。さらに「仲條正義」永井一正、「矢萩喜従郎の仕事−デザイン、それは造形におけるメタ言語」などの記事も収録。
アイデア No.213 第13回グラフィック・デザイン・ビエンナーレ・ブルノ
デザイン誌『アイデア』第213号(1989年3月号)。巻頭特集は「第13回グラフィック・デザイン・ビエンナーレ・ブルノ」。東欧ブルノで開催された国際デザイン展の詳細なレポートを通して、世界各国のグラフィック表現の潮流を多角的に紹介している。そのほか「ヤン・レニツァ教授と7人の学生たち」「ウルフ・オリオンズ社」「現代インドのカリグラフィ」「横尾忠則の新作『龍の器』」「コンピュータ・スーパースターズ」「アルデシア・モハセスとその道化コレクション」などを収録。