White Hole | MouHoo
北京を拠点に活動する写真家・アーティスト、MouHoo(モウフー)による作品集。折りたたみ式ページを用いた独自の構成により、展開の仕方でイメージの流れや呼吸を体感できるデザインが特徴。写真を通して物と環境、視覚と直感の境界を探り、対象の内包する意味や存在感を引き出すMouHooの表現は、単なる記録写真にとどまらず、観る者の感覚と意識を揺さぶる体験型のアートブックとなっている。
はじまりのひ | 川内倫子
写真家、川内倫子が写真と言葉によって紡ぐ写真絵本。やわらかな光に包まれた日常の断片や、こどものまなざしを思わせる写真と短い言葉が重なり合い、「生まれること」と「終わること」、そしてその先に続く新たな始まりを静かに見つめる。出会いや別れ、喪失や変化といった人生の出来事は、すべて次の「はじまりのひ」へとつながっているという感覚が、説明を排した詩的な構成によって浮かび上がる。大人にも子どもにも開かれた、静かで深い余韻を残す一冊。
Jean-Michel Basquiat through Nicholas Taylor, 2014
アメリカの写真家でDJのニコラス・テーラーが、友人であるジャン=ミシェル・バスキアを撮影した写真集。バスキアやマイケル・ホルマンと組んだフリーフォームのバンド、GRAYのライブパフォーマンスの様子や、バスキアを親密な距離から撮影した貴重なポートレイトのモノクロ写真を収録。ニコラス・テイラーの日記から抜粋した10篇のエッセイも収録。 英語表記。
アイデア No.317 服部一成100ページ
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.317(2004年)。グラフィックデザイナー・服部一成が手がけた「キューピーハーフ」の広告や『流行通信』のエディトリアルをはじめ、規模や媒体を問わず展開されてきた仕事を、100ページにわたって集中的に構成。デザインの「間」やリズムを損なわないよう、多くの図版がオリジナル版下に近い原寸で収録。あわせて、デザインに対する思考を語ったロングインタビューをライブ感覚で完全収録し、実践と思考の往復から生まれる仕事の広がりを伝えている。
Herman Miller: The Purpose of Design
アメリカの家具メーカー、ハーマンミラー社の歴史とデザイン哲学を紹介する資料集。チャールズ&レイ・イームズ、ジョージ・ネルソン、ビル・スタンフ、ドン・チャドウィック、スタジオ7.5といったデザイナーによる代表的なプロダクトを収録。カラー・モノクロの図版と解説を通じて、家具デザインの革新やワークスタイルへの影響を示し、20世紀以降のモダンデザインにおける同社の役割を明らかにしている。
Ron Arad: No Discipline
2009年にニューヨーク近代美術館で開催された展覧会に際して刊行された図録。デザイナー・アーティストのロン・アラッドの活動を包括的に紹介し、家具やプロダクトデザイン、彫刻、建築的インスタレーションに至るまで、分野の境界を越えて展開されてきた創作の全貌を豊富な図版とテキストで収録。工業素材や新技術を大胆に用いた実験的な作品群は、機能性と造形性、美術とデザインの関係を問い直すものとして位置づけられる。キュレーターや批評家による論考、インタビューを通して、「No Discipline(無分野)」というタイトルが示す自由で挑発的な制作姿勢を多角的に読み解いていく。
Exposure: The Iconic Photographs | Mary Ellen Mark
アメリカのドキュメンタリー写真家、メアリー・エレン・マークによる作品集。社会の周縁や人々の生をテーマにした数多くのポートレートで知られるマークの、40年にわたる活動から選ばれた写真を収録している。代表作『フォークランド・ロード』『インディアン・サーカス』『双子』に加え、未発表作品も含まれる構成。さらに本人へのインタビューを掲載し、撮影の舞台裏や制作にまつわるエピソードを伝えている。
Bailey’s East End | David Bailey
イギリスを代表する写真家、デヴィッド・ベイリーによるロンドン東部を主題とした写真集。1960年代、1980年代、2000年代後半という三つの時期に撮影された写真を軸に、シルヴァータウンやカニング・タウンを中心としたイースト・エンドの変遷を捉えている。再開発が進む以前の港湾地区や労働者階級の暮らし、家族史と重なる土地の記憶が、率直で距離の近い視線によって写し取られている。
会田誠 天才でごめんなさい
2013年に森美術館で開催された、現代美術家・会田誠の展覧会図録。1980年代後半以降に制作されたペインティング、彫刻、インスタレーションを中心に、開催当時の新作を含む約100点をカラー図版で収録し、自身による解説も掲載している。少女や漫画といったモチーフから、政治や歴史への鋭い批評までを横断する表現の振幅が示され、日本社会の矛盾や欲望を映し出す会田誠の多義的な創作の全体像を辿っている。
Antonio Lopez: Chronicle of an Era to 1980s
1994年に小田急美術館で開催されたアントニオ・ロペス展の図録。1960年代から1980年代にかけてVogueやElleなどの雑誌や広告のファッションイラストレーターとして活躍したアントニオ・ロペスによる、多彩な表現技法で描かれたイラストレーション作品を多数収録。デザイナーの高田賢三によるテキストも収録。
Bleu, Blanc, Goude | Jean Paul Goude
フランスのグラフィックデザイナー、イラストレーター、写真家として活動し、広告ディレクターとしても知られるジャン・ポール・グードの作品集。グードの創作の核となるショーや広告の構想図・デッサンを収録し、鮮烈なビジュアルイメージの生成過程を示している。ジャーナリストのマリー・コルマンと映画評論家ジェラール・ルフォールによるテキスト「Goude Vibration」も併録し、彼の多面的な活動を照らし出している。
BOX-ER 木村勝のパッケージング
日本のパッケージデザインの先駆者として知られる木村勝の仕事を集成した作品集。菓子や飲料を中心としたパッケージに加え、自身が設立したゾナルト・アンド・カンパニーでの活動、マークやロゴタイプの仕事を幅広く収録している。戸田正寿、ペーター佐藤、松永真ら同時代のデザイナーによる寄稿も掲載され、木村勝のデザイン思想と影響の広がりを伝えている。装丁は仲條正義が手がけ、独自の造形世界を提示している。
荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ
2024年に国立新美術館で開催された、米国在住のアーティスト・荒川ナッシュ医による大規模個展「ペインティングス・アー・ポップスターズ」を記録・再構成した公式図録。絵画とパフォーマンスを往復しながら、コラボレーションを制作の基盤としてきた荒川の実践を、多数の記録写真や資料によって辿っている。会場で展開されたパフォーマンスや共同制作の記録に加え、作家自身や国内外の批評家、キュレーターによる論考も収録。
HOW TO GET LUCKY
東京を拠点に活動するアーティストの宮崎友絵(Stomachache)と、研究者・キュレーターの黒木晃が、Studio The Futureと協働して制作したアートブック。日常のなかで「幸運」を引き寄せる発想や習慣をテーマに、言葉やイラスト、写真、グラフィックを通して提示している。制作はStudio The Futureの空間内で24時間かけて行われ、素材や情報源に制約を設けた条件のもとで完結。完成形として答えを示すのではなく、偶然や気づきを日常と結びつけるための思考のきっかけを与えている。
The New York Taxi Backseat Book | David Bradford
ニューヨークのタクシードライバーであり写真家、デヴィッド・ブラッドフォードによる作品集。仕事中、タクシーの後部座席に座った乗客たちを撮影したシリーズをまとめている。観光客、通勤者、移民、偶然の出会いなど、一台のタクシーを通過していく無数の人々の表情から、ニューヨークという都市の多様性と人間味を描き出している。
EYE OF FIRE MONOTONE | 前田麦
イラストレーター・アーティストの前田麦がライフワークとして制作しているキャラクターシリーズ 「Eye of Fire」 をまとめた作品集。燃える目を持つ独特のキャラクターたちが、白と黒のコントラストの中で際立ち、前田麦ならではの幻想的かつポップな世界観を新たな形で体感できる一冊。
國府理 未来のいえ
2013年に西宮市大谷記念美術館で開催された現代美術作家・國府理の展覧会図録。長年取り組んできた立体作品を軸に、初期作から近作までを網羅的に紹介。機械装置や動力を組み込んだ三輪車、植物を用いた装置など、芸術と科学技術の接点を探る表現は、人間と機械、自然との関係を問いかける。出品作品の図版に加え、作家やキュレーターによるテキストを通して、制作の背景や思考の流れを丁寧に辿っている。
UMEKAYO 梅佳代展図録
2013年に東京オペラシティアートギャラリーで開催された写真家・梅佳代の展覧会図録。日常のなかに潜むユーモラスで切実な瞬間を、独自の距離感と反射的な視線で捉えてきた梅佳代の代表作から近作までを、豊富なカラー図版で収録している。「シャッターチャンス」を軸に、「男子」「じいちゃんさま」「女子中学生」、写真集『のと』に連なるシリーズまで、初期作を含む約600点を再構成。展示作品の解説や作家の視点を記載し、展覧会の構成や作品の魅力を余すところなく伝えている。
ディアギレフのバレエ・リュス展 1909-1929 舞台美術の革命とパリの前衛芸術家たち
1998年に開催された「ディアギレフのバレエ・リュス展 1909-1929 舞台美術の革命とパリの前衛芸術家たち」の図録。ロシア出身の芸術プロデューサー、セルゲイ・ディアギレフが主宰したバレエ団「バレエ・リュス」。モダニズム・ムーヴメントの真っ只中にあったパリで、新鋭の芸術家たちをまきこみながらアヴァンギャルドの巨大な実験場となったバレエ・リュスから生まれたデザインや、衣装、舞台芸術などを、他数の図版と詳細なテキストで紹介。
アイデア No.143 静かな抵抗、ポーランドのイラストレーター、ジャン・サフカ
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.143(1981年)。社会主義体制下のポーランドにおいて、直接的な政治表現に頼らず、寓意やユーモア、造形の緊張感によって思考を提示してきたジャン・サフカの仕事を紹介。構成・テキストを福田繁雄とフランソワ・バレが担い、その表現が生まれた時代背景と思想性を簡潔に位置づけている。あわせて、エレン・シャピロ、デュディス・ストックマン、リチャード・ロジャースへのインタビュー、ニューヨークの風刺画や地下鉄駅デザイン、日本のポスター展レポートなども収録。
アイデア No.142 西ドイツ社会民主党(SPD)の選挙キャンペーン
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.142(1981年)。西ドイツ社会民主党が展開した選挙ビジュアルを通して、政治的メッセージがどのように視覚化され、公共空間で機能したのかを検証。ポスターやグラフィックの構造を読み解きながら、当時のデザイン思想と社会背景を簡潔に結びつけている。併せて、ニューヨークのイラストレーター5名の紹介、キャノン・アムステルダムのデザインポリシー、アメリカン・イラストレーション200年展のレポートを収録。
アイデア No.141 ビル・インホフの東洋的幻想の世界
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.141(1981年)。ビル・インホフのイラストレーションに通底する、東洋的モチーフへの関心や象徴的なイメージの構成を、五十嵐威暢が読み解く。幻想性と秩序が同居する表現は、当時のアメリカン・イラストレーションにおける異文化受容の一断面を示している。併せて、ピエール・ドヨナ、関詔彦の紹介、ソサエティ・オブ・イラストレーターズ75周年展のレポートを収録。
TOKYO SUBURBIA | ホンマタカシ
日本の写真家、ホンマタカシによる作品集。駐車場や住宅地、団地の中庭など、どこにでもある東京郊外の風景と、そこで育つ子どもたちの姿を64点収録。特別な出来事や象徴的な場所ではなく、日常の中に広がる郊外の都市環境を淡々と見つめ、一枚のフレームに定着させている。均質で匿名的にも見える風景の中に、同時代の東京の空気と静かな時間の流れを捉えている。
伊勢神宮 | 石元泰博
写真家・石元泰博が、1993年の式年遷宮にあわせて伊勢神宮を撮影したモノクロ写真集。内宮・外宮をはじめ、社殿や参道、神域の森などを静かな視線で写し取っている。木組や屋根のかたち、柱や礎石の配置、光と影の移ろいを丁寧に捉え、日本建築の簡潔な構造美と、自然と一体となった空間のあり方を浮かび上がらせる。厳かで澄んだ気配を通して、伊勢神宮に流れる精神性を写真で伝えている。
If One Thing Matters, Everything Matters | Wolfgang Tillmans
2003年にテート・ブリテンでの大規模個展にあわせて刊行された、ヴォルフガング・ティルマンスの包括的な作品集。ゲイ・プライドやクラブカルチャーを撮った初期シリーズから、風景、都市、静物、抽象へと広がる多彩な表現まで、ティルマンスの視線を一望できる構成となっている。2,000点を超える図版に加え、巻末ではキュレーターのメアリー・ホーロックとのインタビューを収録。自身の作品に通底するテーマや美術史的背景、日常と自然現象への関心について語っており、その思考と制作プロセスに深く触れられる一冊。デザインもティルマンス自身が手がけている。
Les annees de fer: Londres 1979-1981
1979年、マーガレット・サッチャー政権誕生から半年後にロンドンを訪れた写真家、ヤン・モルヴァンによる作品集。ブリクストン暴動や、モッズやスキンヘッズといった若者文化の台頭など、1979年から1981年にかけてのロンドンの街と人々を記録している。伝統と社会的変動が交錯する時代の空気を、庶民の視点からとらえた一冊。
Joseph Beuys: Arena Where Would I Have Got If I Had Been Intelligent!
ドイツの芸術家、ヨーゼフ・ボイスの活動を総覧する代表的な作品集。1940年代後半から1972年までのボイスの姿を追った写真を中心に、100枚のパネルで構成されたインスタレーション「Arena」を初めて記録したもの。パフォーマンスや行為、日常の場面までを含む膨大なイメージ群は、作品と思想、そして人物像が重なり合うボイス独自の表現を浮かび上がらせる。カラー図版とモノクロ写真に加え、論考やインタビューを通して、ボイスの芸術的実践を多面的に読み解く。
Shoplifters Issue 9 DRAWINGS
現代アーティスト、写真家、デザイナー、イラストレーターなどを紹介するアートマガジン『Shoplifters』の第9号。テーマはドローイング。アルファベット順に構成され、アーティストとそのドローイング作品を全536ページの大ボリュームで体系的に収録している。ミルトン・グレイザー、ステファン・マルクス、ジェフ・マクフェトリッジ、加賀美健をはじめ、国や世代を横断する多数の作家が参加。スタイルや技法の違いを超えて、「描く行為」そのものの広がりを俯瞰できる一冊。シアン・マゼンタ・イエローの代わりに蛍光インクを使用し、原画の持つ強度や彩度を際立たせて再現。紙上でありながら、ドローイングの生々しさやエネルギーが伝わる仕上がりとなっている。
Giorgio Morandi: Time Suspended
イタリアの画家、ジョルジョ・モランディが1920年代から1960年代にかけて制作した絵画やドローイングを中心に構成された作品集。近年、自宅のアトリエから発見された未発表の資料や写真を交え、静謐な画面の背後にある思考と制作の過程に光を当てている。二度の世界大戦を経験した20世紀という激動の時代にあって、秩序と調和を追求し続けたモランディの姿勢は、簡潔なモチーフの反復のなかに確かな緊張感を宿す。時間が停止したかのような画面を通して、時代と個人の内面が交差する表現の核心を読み解いている。
Poul Kjaerholm
デンマークを代表するデザイナー、ポール・ケアホルム(1929–1980)の作品を体系的に収めた作品集。2013年に刊行された新版で、彼の代表作である「PK」シリーズの椅子やテーブルをはじめ、家具から建築に至るまで幅広い仕事を網羅している。鋼や木材、麻など素材の特性を最大限に生かした端正な造形は、北欧デザインの中でも独自の位置を占めており、シンプルでありながら詩的な美しさをたたえる。巻末には図面や資料も収録され、彼の思想や制作背景に触れることができる。家具デザインの歴史を語るうえで欠かせない存在を、豊富な図版とともに紹介した一冊。英語表記。
Cardboard Landscapes | Luigi Ghirri
イタリアの写真家、ルイジ・ギッリによる作品集。1970年代にヨーロッパを旅しながら制作されたシリーズで、印刷物のイメージそのものを被写体とし、写真や広告を組み合わせて構成している。日常的でありふれた風景や図像を「感傷的な地理」として捉え直す視点は、地域性や個人的記憶、大衆文化を重ね合わせた詩的な物語へと展開。ギッリの写真表現の幅と、メディアそのものへの省察を示す内容となっている。
Duffy: In His Own Words | Chris Duffy
1960〜70年代のイギリスを代表するファッション写真家、ブライアン・ダフィの言葉と作品を通して、その軌跡をたどる一冊。『Vogue』や『ELLE』をはじめとする主要誌で活躍し、ジーン・シュリンプトン、マイケル・ケイン、ニーナ・シモン、ジョン・レノン、ポール・マッカートニーなど、時代を象徴する人物を数多く撮影。なかでもデヴィッド・ボウイ『Aladdin Sane』のアルバムカバーは、写真史に残る代表作として知られる。伝説的写真家ダフィの創作と人生を、本人の言葉で振り返る貴重な記録。
LONDON: Chasing the Dream | ハービー・山口
写真家、ハービー・山口が長年にわたり撮りためたロンドンの写真をまとめた作品集。1970〜80年代のパンクやニュー・ウェーブの音楽シーン、街角の風景、日常を生きる人々の素顔を、温かみのあるスナップ写真で捉えている。ジョー・ストラマーやボーイ・ジョージ、U2の若きメンバー、ヴィヴィアン・ウエストウッドなども登場し、ロンドンという都市の文化と息づかいをリアルに伝える。写真とテキストを通じて、夢を追い求めた若き日の体験や都市の魅力を映し出してくれる一冊。
LONDON: After the Dream | ハービー山口
写真家、ハービー・山口の作品集。1970年代から80年代にかけて主にイギリス、ロンドンで撮影された作品群を収録。老若男女様々な人々のポートレートのほか、ボーイ・ジョージ、デビット・シルビアン、ジョニー・ライドン、バナナラマらミュージシャンたちの飾らない姿をとらえた写真の数々を収録。
New York Beat: Jean-Michel Basquiat in Downtown 81
当時まだ無名だった若きジャン=ミシェル・バスキアが主演した映画『Downtown 81』の制作現場と、当時のアート/音楽/ストリート文化を記録した貴重なビジュアルブック。1980年台初頭のニューヨーク・ダウンタウンを舞台に、エド・ベルトグリオやマリポールによる写真が、バスキアの素顔や街の空気感を生き生きと切り取る。グレン・オブライエンのテキストとともに、80年代初頭のアンダーグラウンド・シーンの熱気と創造性を伝える、記録性と美術的価値を兼ね備えた一冊。
Ailleurs 1969-1992 | 稲越功一
写真家・稲越功一の1969年から1992年までの作品を収めた大判写真集。フランスの出版社Contrejourより刊行された本書は、風景や人物、街角の一瞬など、多様なモチーフを通して「別の場所」を巡るかのような記憶と感覚の断片をモノクロ図版で写し出す。旅や日常の視点を独自の美学で捉え、写真の静謐な世界を体感できる。作家・村上春樹と評論家・ガブリエル・ボーレによるテキストも収録され、単なる作品集を超えて稲越の作家性を深く理解できる内容。
Neverland Lost: Une Portrait de Michael Jackson | Henry Leutwyler
スイスの写真家、ヘンリー・ルートワイラーによる写真集。マイケル・ジャクソンが築いた夢の施設「ネバーランド」に残された品々を撮影している。ステージ衣装や靴、ハット、グローブなど象徴的な遺品コレクションを多数収録。写真はポップスターとしての華やかな表舞台を想起させると同時に、私生活の痕跡を伝えている。遺品を通じて浮かび上がるのは、ジャクソンの栄光と影を併せ持つ人生像であり、20世紀ポップカルチャーに刻まれた存在の一端を示している。
Martin Parr | Sandra S. Phillips
アートとドキュメンタリー写真のあいだを行き来する独自の表現で知られているイギリスの写真家、マーティン・パーの活動を紹介するモノグラフ。初期のモノクロ作品から、『The Last Resort』『Think of England』といった代表作までを収録し、その仕事の広がりを見渡すことができる。世界各地の大衆文化に目を向けた鋭くユーモラスな観察眼と鮮烈な色彩表現によって、現代社会の姿を浮き彫りにしたパーの活動を知るための入門的な一冊。
ヴィンセント・ギャロ レトロスペクティヴ 1977-2002
2002年に原美術館で開催された展覧会に際して刊行された作品集。映画監督や俳優だけでなく、画家・写真家としても活動する多才なアーティスト、ヴィンセント・ギャロの1977年から2002年までのペインティング、ドローイング、写真作品をカード14枚で収録。江國香織によるテキストも添えられ、単なるカタログを超えて、アート・オブジェとしての魅力を持つ構成となっている。ギャロの多面的な創作世界を視覚的に体験できる貴重な一冊。
In Almost Every Picture #7 | Erik Kessels、Joep Eijkens
キュレーターのエリック・ケッセルスとヨープ・エイケンスによる写真集。オランダの女性、リア・ファン・ダイクが、1936年から80年以上にわたり縁日の射的に挑戦し、そのたびに撮影された記念写真をまとめている。射的に成功した瞬間を写した写真を、リアは一枚残らず保管してきた。本書はその膨大な写真群を通して、個人の習慣が時間の蓄積によって物語へと変わっていく様子をあらわしている。
アール・ヴィヴァン 14号 ボイス 1984.5.29―6.5
アール・ヴィヴァン14号ボイス特集。1984年ヨーゼフ・ボイスの来日から滞在一週間を追ったドキュメント。記者会見から講演、パフォーマンス、対談、そして帰国までを記録。ADは戸田ツトム、表紙デザインは田中一光と木下勝弘が手がけたもの。ボイスとナムジュン・パイクによるコンサート・パフォーマンスを完全収録したカセットテープも付属。
sleep | ホンマタカシ
1996年にタカ・イシイギャラリーで開催された展覧会に際して刊行された作品集。写真家・ホンマタカシによる日常の何気ない瞬間を切り取った作品群を収録。公園や街角、店舗や夏の空など、多様な風景を通して、タイトル「sleep」が示すような、静かでぼんやりとした休息や静寂の感覚を表現。全13ページの小冊子ながら、ホンマ独自の観察眼と日常への視線が凝縮され、都市や日常の視覚的面白さを提示する初期作品の重要な一冊となっている。
Jean-Michel Basquiat
1997年に開催された、アメリカの画家・ジャン=ミシェル・バスキアの展覧会の図録。1992年にホイットニー美術館で開催されたバスキア回顧展のキュレーター、リチャード・D・マーシャルの監修によって集められた代表的な作品群をカラーで多数掲載。美術家、日比野克彦によるテキストも合わせて収録。
Mexican Blackletter
ブラックレター書体が12世紀末頃にヨーロッパで誕生し、新大陸メキシコへと渡ったのち、土着の文化や生活と結びつきながら独自の表情を獲得していく過程を記録した資料集。靴屋や診療所、商店の看板をはじめ、タトゥーや車両装飾にいたるまで、街角に息づく手描き文字を豊富なカラー図版で紹介する。書体の歴史的背景と視覚的魅力を丁寧に読み解き、単なるタイポグラフィの枠を超えて、現代メキシコの文化や人々の感性に迫る一冊。