Test Department | Charline Tyberghein
ベルギーのアーティスト、シャルライン・ティベルゲインによる作品集。アントワープ王立アカデミー卒業後に取り組んできた、木製パネル上の習作を集めた内容となっている。だまし絵の技法やオプアートの要素を駆使し、絵画の可能性を探る実験的な構成が特徴。ひとつひとつが実験の断片のように配置され、連続する試行の軌跡を描く。英語表記。
Mirror | Camilla Holmgren
デンマーク出身の写真家、カミラ・ホルムグレンによる作品集。女性の身体と空間の関わりをテーマに、セルフポートレートを中心とした写真を収録している。しなやかなフォルムや透ける血管の描写から、都市の夜景や集合住宅、畳の部屋に敷かれた布団、さらには対照的に現れる男性の姿まで、親密で内省的な視線が貫かれている。詩的で感情に訴えるイメージを通じて、静謐な世界の広がりを映し出している。
Portraits | Hellen van Meene
オランダの写真家ヘレン・ファン・ミーネによる作品集。少女や少年をはじめ、さまざまな人物を被写体としたポートレートを収録。日常の一場面のようでありながら、どこか不穏さや奇妙さを漂わせる構図が特徴で、同時に静謐で美しい世界観を築き上げている。光の扱いや被写体の表情がもたらす緊張感は、ポートレート写真の既成概念を揺さぶり、人物像を新たな視点から描き出している。
Paraphernalia | Wim Wauman
ベルギーを拠点に活動する写真家、ヴィム・ワウマンの作品集。周囲のアーティストたちから募ったさまざまなオブジェを用い、それらを組み合わせて構成した静物写真を収録している。色彩や質感、形状が異なるモチーフの組み合わせは、作者の審美眼と遊び心が垣間見える独自の視覚世界を生み出す。巻末には、オブジェの寄贈者の名前やコメントが添えられており、それぞれのモノにまつわる背景や思いが綴られている。
Taking Joy Seriously | Camille Walala
ロンドンを拠点に活動するデザイナー兼アーティスト、カミーユ・ワララの作品集。過去10年間にわたり世界各地で展開してきた大規模なインスタレーションを中心に紹介する。大胆な色彩や遊び心あふれる形、幾何学模様を巧みに用いたプロジェクトを豊富な図版とともに収録し、その独創的な表現世界を伝えている。
三鷹天命反転住宅 ヘレン・ケラーのために:荒川修作+マドリン・ギンズの死に抗する建築
芸術家・建築家の荒川修作と詩人であり共同制作者でもあったマドリン・ギンズが設計した実験的な集合住宅「三鷹天命反転住宅 イン メモリー オブ ヘレン・ケラー」の建築資料集。「死なないための住宅」という思想のもと、色彩あふれる外観、凸凹の床や球体・円筒形の部屋といった非日常的な空間構成を通じて、人間の感覚と可能性を拡張しようとする試みが展開される。設計・建設のプロセス、色彩や形態の意味、入居者や訪問者の体験を手がかりに建築思想の実践を読み解く。
白井晟一 精神と空間 | 白井晟一
2010年に開催された展覧会「建築家 白井晟一 精神と空間」の図録。戦後日本において独自の立場を貫き、モダニズムの潮流に距離を置いた建築家・白井晟一の全貌に迫る内容となっている。住宅から公共建築まで幅広い作品を、写真やドローイング、模型、図面で紹介するほか、書や装丁、エッセイなども収録。建築のみならず思想や美意識を総合的に伝える構成となっている。
NAMI | 梶井照陰
第1回FOIL AWARDでグランプリを受賞した梶井照陰の初写真集。真言宗の僧侶として佐渡島で暮らしながら、デジタルカメラで波を撮り続けてきた活動をまとめている。風速や波の高さを綿密に調べ、狙いを定めて撮影に挑む緻密な姿勢と、嵐の中でも果敢にレンズを向け続ける精神が作品を支えている。そこに捉えられたのは、スピリチュアルな気配とダイナミズムを併せもつ、自然との対峙の記録。
1万5千回の夜の間に | 奈良原一高
戦後日本を代表する写真家、奈良原一高による作品集。パリ、東京、ヒューストン、ニューメキシコ、ヴェネツィアで撮影されたモノクローム作品を通して、光と闇が交錯する夜の時間を見つめている。壁に映る影、アポロ17号が宇宙へ飛び立つ瞬間、闇の海に咲く花火、夜空を切り裂く稲光。夜の奥に潜む出来事や感情を、鋭く、そして詩的に掬い取っている。
然 CRUDE | 工藤規雄
アートディレクター、工藤規雄による写真集。海外滞在時に35mmリバーサルフィルムで撮影されたスナップを収録している。デジタル処理を加えずに現像された写真は、鮮やかさと同時に素朴な質感を残し、旅先での一瞬一瞬をアルバムのように呼び起こす。現代の写真表現において希少となったアナログの色彩が、時間の流れや記憶の手触りを伝えている。
SUZU | 高木こずえ
写真家・高木こずえによる、第35回木村伊兵衛写真賞受賞後初の作品集。生まれてから6年間を過ごした長野県下諏訪町に100日間滞在して撮影した写真に、半年かけてデジタル加工を施した作品76点を収録。かつての家、保育園、子どもの残像や海や自然などの諏訪の風景や御柱祭など、自らの原風景をもう一度自分の目で確かめ、記憶の欠落を埋めるように写し取る。
Amber, Guinevere, and Kate Photographed by Craig McDean: 1993-2005
写真家、クレイグ・マクディーンの作品集。1990年代初頭から2000年代にかけて、ケイト・モス、ギネヴィア・ヴァン・シーナス、アンバー・ヴァレッタという三人のミューズを軸に、ファッションの価値観が転換していく過程を追っている。フィルムで撮影されたカラーおよびモノクロの写真群は、グランジ以後の感覚や反・スーパーモデル的な佇まいを鮮明に捉え、当時の空気を静かに封じ込める。未発表カットやアウトテイクも交え、コンセプチュアルで洗練された視線が、時代と個性の交差点を浮かび上がらせている。
Passage | Irving Penn
アメリカの写真家・アーヴィング・ペンによる作品集。ファッション写真からアートフォトまで幅広い分野で活動したペンの仕事を概観できる内容となっている。1930年代から1990年代にかけての代表的な作品を収録し、『Vogue』誌でのファッションフォト、著名人のポートレート、静物写真など多様なジャンルを網羅している。図版に加え解説も掲載され、20世紀写真史におけるペンの表現の広がりとその意義を明らかにしている。
純粋なる形象 ディーター・ラムスの時代 機能主義デザイン再考
家電製品メーカー・ブラウン社のプロダクトデザインで知られるドイツのデザイナー、ディーター・ラムスの個展図録。バウハウスやウルム造形大学に連なる機能主義の精神を継承し、「より少なく、しかしより良く」という思想をかたちにしてきたラムスの仕事は、製品の企画から設計、製造、広告に至るまで一貫した姿勢に支えられている。ブラウン社の豊富な製品写真・図版に加え、コンセプトとなったデザインスケッチも掲載。機能主義のインダストリアルデザインを象徴する傑作の数々を紹介。
Dieter Rams: Ten Principles for Good Design ペーパーバック版
ドイツを代表するインダストリアルデザイナー、ディーター・ラムスの作品集。ブラウン社で手がけた計算機、ラジオ、オーディオ/ヴィジュアル機器をはじめ、ヴィツゥ社の家具に至るまで、機能性と美しさを兼ね備えた代表作を収録している。クレジット付きのカラー図版によって作品のディテールが明快に示され、ラムスが提唱した「よいデザインの10の原則」が実際のプロダクトにどのように反映されているかを理解できる構成。モダンデザイン史における彼の役割を明らかにしている。
Settlements | David Spero
イギリスの写真家、デイヴィッド・スペロによる作品集。2004年から2015年にかけて撮影された、セルフビルドによる住居とそこに暮らす人々の生活を記録している。資本主義社会の中で自然との共生や持続可能な生き方を模索する小さなコミュニティに焦点を当て、土地と人との関係を静かに見つめる。ユルト円形型移動テント)を設置して生活するエジプト人アーティスト、ギル・バロンによるドローイングがカバー下に描かれ、共同体の理念と芸術的実践が交差する構成となっている。人と自然の共存をめぐる現代の価値観を照らし出している。
M to M of M/M(Paris)Vol.1
パリを拠点に活動するデザインユニット、M/M(Paris)の活動を総覧する作品集の第1巻。独自のタイポグラフィを核に、ドローイングや写真、印刷物をはじめとする約20年にわたる仕事を収録。ファッション、音楽、アートの領域と密接に関わりながら、雑誌やブランド、アーティストとのコラボレーションを通して形成されてきた視覚言語が、大判図版とテキストで展開されている。アルファベットを構造のモチーフとした編集も象徴的で、実験性と批評性を併せ持つ表現の全体像を読み解く。
Finnegans Wake | Anselm Kiefer
画家、アンゼルム・キーファーの大規模個展にあわせて刊行された図録。ロンドンで開催された三部作の最終章として、ジェイムズ・ジョイスの同名小説に触発された絵画と没入的な彫刻インスタレーションを収録している。その内容を豊富な図版とともに収録し、重層的な素材や構造、作品のスケール感を伝えている。あわせて収められたテキストでは、文学と言語、時間や物質への関心がどのように制作に結びついているのかが平易に語られ、キーファーの現在の表現を理解する手がかりとなっている。
Sleeping by The Mississippi | Alec Soth
写真家、アレック・ソスの初期代表作を収めた作品集の復刻版。ミシシッピ川沿いを旅しながら撮影された人物、風景、室内の情景を、大判カラーでまとめている。ロードトリップという形式を軸にしつつ、写真は特定の物語や主題に回収されることなく、土地に漂う気配や人々の佇まいを静かにすくい取る。孤独や切望、幻想といった感情が画面の随所ににじみ出し、ドキュメンタリーと詩的感性が交差する独自の視線が際立つ。現代写真集の流れを決定づけた一冊。
アイヌの美しき手仕事 柳宗悦と芹沢銈介のコレクションから
2019年から2020年にかけて北海道立近代美術館と宮城県美術館で開催された展覧会の図録。民藝運動の提唱者で思想家の柳宗悦と、染色家の芹沢銈介によって蒐集された衣服、太刃、首飾りなどアイヌコレクションの数々を、鮮明なカラー写真や解説とともに収録。
WERK Magazine No.20 Ginza
シンガポール発のヴィジュアルマガジン『Werk Magazine』第20号。2012年にギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催された、シンガポールを代表するアートディレクターで『WERK』の創設者、テセウス・チャンの展覧会に伴い刊行されたもの。印刷物の限界と可能性を探求した実験的アートブックであり、限定部数で制作され、各冊ごとに異なる表紙の折加工が特徴的。印刷の偶発的痕跡や紙の質感を活かし、雑誌という形態を超えた物質的表現を追求している。印刷物の美学と制作プロセスを五感で体感できる一冊。
Munari’s Books
イタリアの美術家、デザイナー、絵本作家として知られるブルーノ・ムナーリが手がけた書籍を網羅的に紹介する作品集。1929年から1966年までに刊行された著作を年代順に収録し、〈nella notte buia〉〈Bruno Munari’s ABC〉〈Bruno Munari’s ZOO〉など代表的な作品を掲載。さらにデザイナーとして関わった雑誌の仕事も併せて紹介し、ムナーリの創作における「本」というメディアの実験性と独自の発想を明らかにしている。
Apparition | Ryoko Sekiguchi、Rainier Lericolais
フランス在住の詩人、作家の関口涼子とレニエ・ルリコレによる作品集。本書は2004年、フランスのライ・レ・ローズにあるフランソワ・ユアンの活版印刷機で印刷され、50部限定で刊行されたもの。シルクスクリーン印刷された関口涼子による日本語手書きのテキストとルリコレによるオリジナルの作品が掲載されている。
DISTANCES | Romain Laprade
グラフィックデザイナーとして『Vogue Paris』や『Holiday』での経験を積み、現在はパリを拠点に活動する写真家ロマン・ラプラードによる作品集。モダニズム建築や日常の断片を象徴的に切り取り、光の扱いや構図により独自の詩的な世界を提示している。ミニマルな構成と温かみのあるトーンで描かれるイメージは、身近な風景を静謐な表現へと昇華させ、写真が持つ時間性と感覚の広がりを浮かび上がらせている。
V Best: Five Years of V Magazine
ファッション誌『V Magazine』創刊5周年を記念し、初期5年間のエッセンスを凝縮した2冊組のベスト版。大型フォーマットならではの迫力あるビジュアルを軸に、ファッションを中心にアート、音楽、映画、建築までを横断する編集姿勢が貫かれている。著名フォトグラファーやデザイナーによる誌面構成、セレブリティから無名の才能までが交錯する内容は、ハイカルチャーとアンダーグラウンドの距離を軽やかに行き来する同誌の精神を体現。創刊期の熱量と実験性を振り返る記録として、その存在感をあらためて示している。
Flora ドイツ語ハードカバー版 | Nick Knight
写真家、ニック・ナイトの作品集。ロンドン自然史博物館の植物標本庫に所蔵される膨大なコレクションの中から、46種の植物標本を選び抜き撮影したもの。押し花として保存されてきた植物のかたちは、羽毛のように繊細なものから、建築図面を思わせる構造的なものまで多様で、自然が生み出す造形の豊かさが鮮やかに表現されている。各標本には名称や年代、特徴に関する解説も添えられ、科学的資料としての側面と視覚表現としての魅力が共存している。
Andy Warhol: Prints Catalogue Raisonne 1962-1987
アンディ・ウォーホルによる版画作品を網羅したカタログ・レゾネ。1962年から1987年までに制作されたシルクスクリーンを中心とする全版画作品を対象に、1,700点以上をフルカラー図版と詳細なデータとともに収録している。版画をファインアートの中核へと押し上げたウォーホルの実践を、初期の紙作品から晩年のポートフォリオまで通覧できる構成。肖像シリーズや自費出版物に関する新章、詳細な年譜や展覧会歴、文献情報も加えられ、研究資料としての信頼性と充実度を兼ね備えた内容となっている。
Roger Pfund
スイスのグラフィックアーティスト、ロジャー・プフントの作品集。スイスの伝統的なグラフィック教育を背景に持ちながら、様式や「客観性」にとらわれない自由な表現を追求してきた仕事を紹介している。絵画、ポスター、広告、立体作品、通貨デザインなど、多岐にわたる制作を豊富な図版と解説で収録。理知的な思考と造形的な実験性が交差する表現を通して、プフント独自の創造の歩みが丁寧にたどられている。
Milk Anniversary Book 2003-2013
パリで創刊されたキッズファッション誌『MilK』が創刊10周年を記念して刊行した写真集。2003年から2013年までの誌面から、印象的なファッションビジュアルを厳選して収録している。感性豊かで自由なこどもたちの姿を通して、MilKが大切にしてきた世界観や美意識が一貫して感じられる構成。ファッションとしての洗練と、こどもらしい自然な表情が軽やかに共存し、10年間にわたる誌面づくりのエッセンスが凝縮されている。
ピノッキオの冒険 | ジャンルイジ・トッカフォンド
イタリアの画家・映像作家ジャンルイジ・トッカフォンドが、『ピノッキオの冒険』を独自の解釈で再構築した作品集。原作の物語を自由に変奏し、奔放な筆致とダイナミックな構図によって、ピノッキオの世界を鮮烈に再生している。流動する線と色が生む独特のリズムが、アニメーション作家としての感性をも映し出す。邦訳テキストとともに構成され、装丁は葛西薫が手がけている。
Pluie et vent | Abbas Kiarostami
映画監督・写真家、アッバス・キアロスタミによる写真集。2007年の嵐の日、テヘランを離れた車内から、都市や郊外の風景を即興的に撮影したシリーズが収められている。フロントガラスを流れる雨越しに、濡れた樹木の輪郭や揺らぐヘッドライト、道端の壁の色彩が断片的に現れ、視界の不確かさそのものが画面の主題となる。色彩は抑制され、灰色や黒が支配的なトーンの中で、光と気配が静かに交錯する構成。映画的な時間感覚と写真の即時性が重なり合い、見ることの感覚をあらためて問いかけている。
Couleurs du Jour | Kveta Pacovska
チェコ出身のアーティスト、クヴィエタ・パツォウスカーによる、色と言葉、かたちがのびやかに結びついたしかけ絵本。月曜日は緑、火曜日は青、水曜日はオレンジと、曜日ごとに異なる色が割り当てられ、子どもの頃の記憶や想像から生まれた色の世界が軽やかに展開。折りたたみ式のアコーディオン構造に、大胆な色面や線、図形がリズムよく配置され、物語というよりも感覚や想像力に直接語りかける。
earl grey | 今城純
写真家、今城純による作品集。ロンドン近郊の土地を歩き出会った、その静かな風景を撮影したシリーズを収録。のどかな高原に放牧された羊、光が差し込む教会のステンドグラス、可愛らしいクッキーやパンなど、日常のささやかな情景がやさしく写し出される。やわらかな光と繊細な色彩で表現されたイメージの数々は英国的な暮らしの気配が細部に漂い、詩的でやさしい余韻で包まれる一冊。
beautiful days | 市橋織江
写真家、市橋織江の作品集。広告やTVCMで培われた繊細な感覚を背景に、パリ、ロンドン、ハンブルク、シアトル、ロサンゼルス、京都など各地で撮影されたカラー写真105点を収録している。日常の中に差し込む光や空気の揺らぎを丁寧にすくい取り、都市や風景、人の気配がやわらかく重なり合う構成。軽やかで透明感のある視線が、時間の断片を静かに留めている。
特別展 京に生きる文化 茶の湯
2022年に京都国立博物館で開催された展示の図録。中国から伝来した喫茶文化が、京都を中心に日本独自の「茶の湯」へと発展していく歴史を、京都ゆかりの名品を軸に辿る。茶道具をはじめ、書、屏風、絵巻など豊富な作品を通して、茶の湯が育んだ美意識と精神性を紹介。「茶の湯」という独自の文化の歴史と魅力をわかりやすく紐解いていく。
空気遠近法 写真と詩によるヴェネツィア | 奈良原一高
写真家・奈良原一高によるヴェネツィアを題材とした写真集。モノクロームで切り取られた水都の光景に、詩人・田村隆一の言葉が重なり、デザイナー・勝井三雄による構成でまとめられている。都市の歴史と記憶を映し出す写真と、詩的な響きをもつ言葉の交錯が、ヴェネツィアという都市の多層的なイメージを立ち上げている。芸術分野を横断した協働によって生まれた、重厚な一冊となっている。
James Welling: Things Beyond Resemblance
アメリカの芸術家、ジェイムズ・ウェリングの作品集。2015年にペンシルベニア州のブランデーワイン・リバー美術館で開催された展覧会にあわせて刊行されたもの。ウェリングが大きな影響を受けてきた画家、アンドリュー・ワイエスの足跡をたどり、ワイエスが生涯描き続けたペンシルベニアやメインの土地を実際に訪れて撮影した写真を収録している。色彩や場所への感覚を通してワイエスの美学に応答しつつ、写真というメディアならではの操作を加えることで、絵画と写真、過去と現在の関係を静かに浮かび上がらせている。
Cerith Wyn Evans: The Illuminating Gas
ウェールズ出身のアーティスト、ケリス・ウィン・エヴァンスによる作品集。2019年から2020年にかけてミラノのアートセンター、ピレリ・ハンガービコッカで開催された展覧会にあわせて刊行されたもの。初期の彫刻から、光や音を用いた複雑で壮大なインスタレーションに至るまで、多様な表現を紹介している。コンセプチュアルアートの先駆者としての活動の軌跡がまとめられ、エヴァンスの創作の広がりを浮かび上がらせている。
日本の憂愁 | 恩地孝四郎
版画家、装幀家、写真家、詩人として多彩な活動を展開した、恩地孝四郎による画文集。表紙・裏表紙および口絵の一部には木版の手刷りが用いられ、もう一葉の口絵はオフセット印刷とするなど、印刷技法の違いが作品体験に豊かな奥行きを与えている。版画作品と詩文が交差し、視覚と言葉が響き合う構成は、近代日本における前衛的感性と内省的な情緒を同時に伝える。
YUNI YOSHIDA WORKS 2007-2009 | 吉田ユニ
アートディレクター、吉田ユニの作品集。2007年から2019年までの活動を軸に、広告、キャンペーンビジュアル、CD・DVDジャケット、舞台や展覧会のための表現など、多岐にわたる仕事をまとめている。人物を起点とした強いコンセプトと、写真と造形、発想の境界を軽やかに横断する緻密に構築されたビジュアルを収録。
Poster Man: 50 Years of Iconic Design | Seymour Chwast
アメリカのグラフィックデザイナー、シーモア・クワストのポスター作品集。1950年代にミルトン・グレイザーらとともにプッシュピン・スタジオを設立して以来、ユーモアと風刺の組み合わせにより高い評価を得ているクワストのポスター。140点以上に及ぶ厳選されたポスターコレクションは、彼の50年にわたるキャリアだけでなく、ポスターというジャンルそのものへの洞察を与えてくれる。英語表記。
Revival | 中島英樹
アートディレクター/グラフィックデザイナーの中島英樹による作品集。代表作のひとつである雑誌『Cut』のアートワーク57点を大型図版で収録し、その革新的なデザインアプローチを検証する。写真とタイポグラフィの緊張感ある構成、繊細なレイアウトバランスなど、90年代以降の日本のエディトリアルデザインに新たな表現を切り拓いた中島の感性と実験精神が刻まれている。
Josef Muller-Brockmann: Pioneer of Swiss Graphic Design コンパクト版
スイスを代表するタイポグラファー/グラフィックデザイナー、ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンの作品をまとめた書籍。コンパクトサイズ版。1950年代から1980年代にかけて制作されたポスターを中心に、豊富なカラー図版で紹介している。緊張感ある構図と明快なタイポグラフィによって視覚コミュニケーションの原理を体現したブロックマンの仕事は、タイポグラフィ研究やグラフィックデザインの実践においても重要な手がかりを与えている。
本日の絵 皆川明挿画集 2冊組
ミナ ペルホネン創業デザイナー・皆川明による初の画集。2冊組構成で、1冊目には川上弘美の連載小説「森へ行きましょう」(日本経済新聞)の挿画332点と、その単行本表紙の描き下ろしを収録。もう1冊には朝日新聞連載コラム「日曜に想う」の挿画297点を収め、さらにインタビューも掲載している。函には本書のために描き下ろした図版を使用し、アートディレクションは葛西薫が担当。日々の思索や物語に寄り添う皆川の線が凝縮された内容となっている。