Coconuts | Jean-Daniel Lorieux
フランスの写真家、ジャン=ダニエル・ロリューの作品集。『ヴォーグ』『ロフィシェル』などのファッション誌や、ディオール、ランバン、セリーヌといったブランドのコマーシャルを手がけてきたロリューが、80年代のグラマラスな夢の空気をそのまま刻んだ一冊。夏の光のなかで撮られたファッションフォトやヌードのポートレートが並ぶ。
Rene Burri: Die Deutschen Photographien
スイス出身でマグナム・フォトに所属した写真家、ルネ・ブリによる写真集。1957年から1964年にかけてドイツ各地で撮影された作品から、都市の人びとや子どもたち、街路、建築、風景など88点をモノクロで収録している。戦後復興期の空気や日常の佇まいを、過度な演出を排した視線で捉えた写真が並ぶ。テキストにはドイツの作家、ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガーの文章を収録。
空気遠近法 写真と詩によるヴェネツィア | 奈良原一高
写真家・奈良原一高によるヴェネツィアを題材とした写真集。モノクロームで切り取られた水都の光景に、詩人・田村隆一の言葉が重なり、デザイナー・勝井三雄による構成でまとめられている。都市の歴史と記憶を映し出す写真と、詩的な響きをもつ言葉の交錯が、ヴェネツィアという都市の多層的なイメージを立ち上げている。芸術分野を横断した協働によって生まれた、重厚な一冊となっている。
実験工房展 戦後芸術を切り拓く
2013年から2014年にかけて神奈川県立近代美術館などで開催された、芸術家グループ・実験工房の全貌を紹介する展示の図録。美術・音楽・照明・文学のジャンルを横断する形で組織された実験工房は、詩人・美術評論家の瀧口修造が命名し、1957年頃まで活動を続けたことで知られている。武満徹、駒井哲郎、山口勝弘、大辻清司、北代省三らメンバーの作品図版を多数収録するほか、コンサート、舞台、映画などにわたる活動の軌跡を新資料・未公開映像とともに振り返る。
Arnold Newman: The Early Work
アメリカの写真家、アーノルド・ニューマンによる初期作品集。1938年から1942年にかけて、フィラデルフィア、ボルチモア、ウェストパームビーチなどで撮影された人々と街の風景を収録する。大恐慌後のアメリカ社会を背景に、抽象性とドキュメンタリー性をあわせもつモノクロ写真が並ぶ。後に「環境肖像」と呼ばれる独自のスタイルを確立する以前の、ニューマンの原点を示す貴重な記録であり、芸術家としての形成期におけるまなざしと構図感覚の萌芽を伝えている。
スキン+ボーンズ 1980年代以降の建築とファッション展
国立新美術館で2007年に開催された展覧会の図録。ロサンゼルス現代美術館(MOCA)企画の展覧会を日本向けに拡充したもので、国内外の建築家とファッションデザイナー約40名の作品、計230点を収録している。1980年代以降、コンピュータ技術の革新を背景に両分野の創造的な接近が加速した。仕立ての技術を思わせる複雑な建築フォルムや、構築的・彫刻的な衣服が生まれるなか、「折る」「プリーツをつける」「包む」「織る」など両分野が共有する技法を軸に、構成・素材・テクニックの観点から両者の関係を検証する。
148 Oblique Drawings | Serban Ionescu
ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、セルバン・イオネスクが、2020〜2023年に続けてきた日々のドローイングをまとめた作品集。〈同じ定規・同じ紙のサイズ・水彩の流れ〉という条件を設け、日々の習作から生まれた148点の絵を収録。建築的なフォルムと自由な色彩が組み合わさったイメージには、セルバン特有の遊び心が息づく。さらに、友人やアーティスト仲間が作品にタイトルをつけ、その言葉が詩のようにつながって本のもうひとつの物語を紡いでいる。
パウル・クレー おわらないアトリエ
2011年に東京国立近代美術館と京都国立近代美術館で開催された「パウル・クレー おわらないアトリエ」展の図録。画家であり、バウハウスでも教鞭をとった美術評論家、パウル・クレーのペインティング作品を、豊富な解説とともに収録。1919年の自画像シリーズ、油彩転写、切断分離、再構成、両面など氏の絵画に対する試みごとにセクションを分けている。
Interno | Valerio Polici
イタリアの写真家ヴァレリオ・ポリチによる作品集。「Interno(内部)」というタイトルのとおり、さまざまな室内空間をさまよう視線が、言葉を介さずに静かな物語を紡いでいく。連続するイメージには、親密さと違和感、温もりと距離といった相反する感覚が入り混じり、見る者の記憶や感情と結びついていく。特定の物語を設定するのではなく、写真そのものが自由な連想を呼び起こす構成となっており、視る行為によって意味が立ち上がる“開かれた写真の語り”を探る一冊。
ロバート・フランク ムーヴィング・アウト
1994年から1996年にかけて開催された巡回展にあわせて刊行された公式カタログ。アメリカを代表する写真家ロバート・フランクの初期から1990年代前半までの作品を、年代順に多数収録する。ストリートに生きる人々や風景を、演出を排した視点で捉え、時代の空気をありのままに写し出した写真群が並ぶ。巻末には展覧会歴、年譜、出品リストなども収録された資料性の高い一冊。
David Bailey's Trouble and Strife
写真家、デイヴィッド・ベイリーの作品集。当時の妻マリー・ヘルヴィンを被写体とした写真を収録。タイトル「トラブル・アンド・ストライフ」はロンドンの俗語で「妻」を意味し、パートナーへの親密な視線から生まれた作品であることを伝える。ブライアン・クラークによるイントロダクションには「ベイリーの人生における二つの恋愛とは、写真への恋と美しい女性への恋だ」という言葉が収められ、ベイリーの写真家としての姿勢と被写体との関係が読み取れる。
Vera Szekely
ハンガリー出身でフランスを拠点に活動した造形作家、ベラ・セーケイの作品集。粘土、金属、木、ガラスといった多様な素材を用いた彫刻や立体作品をはじめ、タペストリーや空間を活かしたインスタレーションまで、幅広い創作活動を包括的に紹介する。繊細かつ力強い造形表現を通じて、素材と身体、空間との関係性を探求したセーケイの芸術世界に迫る内容となっている。英語、フランス語表記。
The heroine Paint: After Frankenthaler
画家、ヘレン・フランケンサーラーのモノグラフ。1950年代のニューヨークでのデビューを出発点に、フランケンサーラーの絵画の展開を時系列でたどりながら、その社会的・芸術的文脈を広げていく。6本の研究論文、現代アーティストによる6本の短文テキスト、歴史的文章の復刻を収録。パフォーマンス、出版物、文化的資料など70年以上にわたる資料を視覚的な年表と組み合わせ、フランケンサーラーの仕事から広がっていった芸術的潮流をたどる。
artificial heart 川崎和男展
2006年に金沢21世紀美術館で開催された、デザインディレクター・川崎和男の展示図録。タワシからメガネ、車椅子、コンピュータ、ロボット、人工臓器まで、幅広い領域を横断する川崎のデザインワークを体験型展示空間で紹介した展覧会の記録。川崎自身による活動解説と、坂村健・菅野沖彦の寄稿文を収録し、「いのち・きもち・かたち」をキーワードに、最先端の技術と「手でデザインする」価値観が交差する川崎のデザイン哲学を伝える。
エクスパンデッド・シネマ再考
2017年に東京都写真美術館で開催された展示のカタログ。従来の映画館等とは異なる方法・形式で上映される「エクスパンデッド・シネマ(拡張映画)」。日本におけるエクスパンデッド・シネマの代表作、フィルムインスタレーション、ポスター・チラシ・冊子などの関連資料ほか、図版とともに解説を収録。
まずたしからしさの世界をすてろ 写真と言語の思想
写真家・中平卓馬と批評家・多木浩二の共著。写真同人誌『プロヴォーク』に関わった2人が、写真とテキストを交差させながら編んだ思想的な記録。森山大道や高梨豊らによる粒子の荒いモノクローム写真を収録し、都市の断片や人物の気配、視界の揺らぎが断続的に並ぶ。写真と文章の関係を固定せず、「確からしさ」という日常的な現実認識への疑いを軸に、写真が記録や証明として成立する枠組みをずらしていく試みが続く。
made up | 田淵裕一
デザイナー、田淵裕一の作品集。コンセプチュアルな印刷物として構成され、定規や型紙のような厚紙のカードを重ねたり動かしたりすることで、図像やドローイングをその場でつくり出すことができる。ページは固定された完成形ではなく、使う人の操作によって変化する。印刷物という形式への問い直しと、田淵の思考が一冊のなかに組み込まれている。ポスター付属。
The Tiffany Archives | Henry Leutwyler
写真家、ヘンリー・ルートワイラーの作品集。ティファニー社のアーカイブに保管された数百点のジュエリー、宝石、オブジェ、エフェメラを2年かけて撮り下ろしたもの。アールデコのダイヤモンドブレスレットや128.54カラットのティファニーダイヤモンド、自由の女神の開幕招待状、最古のティファニーブルーボックスなど、その多くが未公開・未撮影の品々。時系列や優劣の区分を設けず現代的な視点で並置することで、ティファニーの歴史と卓越した職人技を新たな角度から辿ることができる。
La Fabrica | Ricardo Bofill
建築家、リカルド・ボフィルの作品集。バルセロナ郊外に偶然見つけた廃セメント工場を、1973年から自邸兼事務所として再生した「ラ・ファブリカ」を記録する。コンクリートの構造体を露出させ、植物を積極的に取り込み、モニュメンタルな規模と人間的な感覚のバランスを追求したその空間は、工業建築の再利用の先駆例として知られる。2018年刊行版の増補新版で、最新記録32ページを収録。
New York Living Rooms | Dominique Nabokov
フォトグラファー、ドミニク・ナバコフの作品集。1998年に出版された後、アパルタメント社が20年以上を経て復刻した三部作の第一弾。1995年に雑誌『ニューヨーカー』の依頼で撮影したフォトエッセイを起点に、スーザン・ソンタグ、ノーマン・メイラー、ルイーズ・ブルジョワ、フランチェスコ・クレメンテ、アレン・ギンズバーグ、ジョーン・ディディオンら、ニューヨーク文化を代表する人物たちのリビングルームを収録。何も加えず、何も変えずに撮影された空間は、ナバコフが言う「インテリアの肖像」。オリジナルのポラロイド写真と、英国詩人ジェームズ・フェントンによる序文を収める。
Paris Living Rooms | Dominique Nabokov
アメリカとフランスを拠点に活動するフォトグラファー、ドミニク・ナバコフがパリの私的空間を撮り続けたシリーズの復刻版。〈Living Rooms〉三部作の第2弾として2002年に刊行された本書では、イヴ・サン=ローラン、ナン・ゴールディン、ジェラール・ドパルデュー、カリーヌ・ロワトフェルド、イヴォン・ランベールなど、パリに暮らす著名人たちのリビングルームをポラロイドで記録している。アンドレ・プットマンによるオリジナルの序文も収録され、2000年代初頭のパリの空気を感じ取れる一冊。
Berlin Living Rooms | Dominique Nabokov
フォトグラファー、ドミニク・ナバコフの作品集。『New York Living Rooms』『Paris Living Rooms』に続く三部作の完結編で、ベルリンを拠点とするアーティストや作家たちのリビングルームを、人のいない状態で撮り下ろしたもの。1995年に雑誌『ニューヨーカー』の依頼で始まったプロジェクトは、当初ライターの部屋を撮影する予定だったが、著名な人物たちの生活空間そのものへと焦点が広がり、2017年にこの三冊目をもって完結した。居住者の不在によって際立つ家具や書物、生活の痕跡が、その人物の個性と思想を伝えてくる。
Portrait of a House: Conversations with BV Doshi | Dayanita Singh, BV Doshi
建築家バルクリシュナ・ドーシと写真家ダヤニータ・シンの作品集。ドーシの自邸「カマラ・ハウス」で撮影されたモノクロの家族写真と、それに応じるドーシの言葉を収録する。妻カマラの名を冠したこの家を、シンは「光の神殿」と呼ぶ。写真に向き合うかたちでドシ自身が建築の動機を語り、設計の思考が言葉を通じてたどることができる。光と動き、人の暮らしを導く住まいのあり方をめぐって、建築家と写真家が長年交わしてきた対話の記録。
Bruce Weber
1980年代のファッション写真界を牽引した写真家、ブルース・ウェーバーの作品集。カルバン・クライン、カール・ラガーフェルド、ラルフ・ローレンなど当代を代表するデザイナーのブランドイメージを定義し、広告写真をアートの領域へと引き上げたことでも知られているる。本書はインテリア、風景から大胆な男性ヌード、ノスタルジックなアメリカの青春風景まで、ウェーバーの仕事の広がりを一望できるポートフォリオ。
Images of Women | Peter Lindbergh
写真家、ピーター・リンドバーグの作品集。世界的な成功を収めた前作『Ten Women』に続き刊行された大判の作品集。クラシックなファッション写真に加え、マドンナ、ティナ・ターナー、デミ・ムーア、カトリーヌ・ドヌーヴ、シャーロット・ランプリングら俳優やポップスターの肖像、そして時代を象徴するスーパーモデルたちの写真を収録。女性への眼差しを軸に、20年間の写真活動の全容をまとめている。
ジャン・プルーヴェ 椅子から建築まで
2022年に東京都現代美術館で開催された展覧会の図録。フランスの建築家・デザイナー、ジャン・プルーヴェが手がけた椅子や家具、建築作品を通して、その仕事の広がりを紹介している。写真や図面、スケッチなどの資料とともに、代表作の造形や構造を丁寧にたどる構成。ものづくりの現場から建築へとつながるプルーヴェの考え方を知ることができ、20世紀のモダンデザインを理解する手がかりとなる一冊。
郷玩画文集 | 酒井秀夫、酒井徳男
画を酒井秀夫、文を酒井徳男が手がけた画文集。日本各地の個性豊かな郷土玩具を、美しい挿絵と文で紹介。題字は武井武雄、装画は酒井秀夫、造本は内藤政勝によるもの。青園荘会員にのみ頒布された当時非売品で、限定140冊発行。
紙のフォルム | 尾川宏
彫刻家・尾川宏による紙の造形作品集。多様な素材と手法で制作された立体作品をモノクロ写真で収録し、紙という素材がもつ柔軟さと構築性を浮かび上がらせている。「作る」の章では、制作プロセスを図とテキストで丁寧に解説し、造形が生まれる思考と手の動きを可視化。序文は原弘、造本は田中一光が手がけている。
ハンス・コパー展 20世紀陶芸の革新
陶芸家、ハンス・コパー(1920-1981)の回顧展図録。2009年に開催された日本初の回顧展に際して制作されたもの。ドイツ・ケムニッツ生まれのコパーは、19歳でイギリスに亡命後、陶芸家ルーシー・リーの工房で轆轤の才能を見出され、彫刻的な作品を次々と生み出した。建築空間を意識した作品や古代キクラデス彫刻に着想を得たシリーズなど、初期から最晩年までの代表作を収録。コパーと生涯にわたって友情で結ばれたルーシー・リーの作品もあわせて掲載する。
ハートランド 365日カレンダー
キリンビールのブランド「Heartland(ハートランド)」によるクリエイティブキャンペーンにおいて、Heartlandビール販売店向けに制作された365日分のポスターコレクション。小規模の個人店でも自由に掲示できるよう、日付のないカレンダー形式で束ねられており、店舗ごとに自由な使い方が可能となっている。各ポスターにはHeartlandブランドの理念である「時間を忘れてビールを楽しむ」というメッセージが込められ、プロモーションとアート表現を融合させたユニークな取り組みとして、広告・デザインの視点からも高く評価された。
Once, Still and Forever | Jessica Backhaus
写真家、ジェシカ・バックハウスの作品集。表面上は平凡に見える場面を切り取りながら、そこに予期しない意味の広がりと親しみある雰囲気を宿す作品群を収録。鋭い構図の直感を持つ写真家として現代写真を代表する一人に数えられ、作品は国際的に展示され重要なコレクションにも収蔵されている。
Tokyo Parrots | 水谷吉法
写真家・水谷吉法の作品集。1960〜70年代にインド・スリランカからペット用として輸入され、東京で野生化したライムグリーンのインコを約1年にわたって追い続けた記録。夕暮れ時、世田谷や目黒の住宅街でねぐらに戻るインコの群れをストロボで捉えた写真は、鮮烈な緑と東京の街並みの対比が奇妙な緊張感をはらむ。本来ここにいるはずのない生き物が数千羽規模で群れをなす光景を、都市に生まれた違和感とともに捉えている。
幻夢 Day Dream | 湯沢薫
写真家・アーティスト、湯沢薫の作品集。約20年にわたるライフワークから、湯沢の原点ともいえる写真を厳選して収録。具体的な場所や出来事を記録するドキュメントではなく、懐かしい心の原風景のような情感が漂う作品が並ぶ。光の使い方や色彩、構図の積み重ねを通じて、湯沢のまなざしがとらえた世界の断片が現れ、幻想的な時間と記憶が画面に刻まれていく。
Herb Ritts: Pictures
1980年代のアメリカにおけるポップカルチャーの象徴とも言える写真家、ハーブ・リッツの代表的作品を収録した一冊。マドンナ、シルヴェスター・スタローン、トム・クルーズ、ジャック・ニコルソンら著名人のポートレートは、記号的でありながら艶やかで官能的。ハリウッド的なグラマーと挑発的な構図が時代の空気を映し出す。アイコンたちの姿を通して、リッツが確立した写真表現のエッセンスが凝縮されている。英語表記。
Jardin Secret | David Hamilton
写真家、デイヴィッド・ハミルトンの作品集。海辺や室内空間を舞台に、女性像や静物が柔らかな光の中でとらえられ、輪郭の揺らぎと淡い色調が画面全体に広がる。ハミルトンの代表的なイメージを写真とテキストを組み合わせながら収録し、独自のまなざしがとらえた世界の断片をたどることができる。
Zapt展 ヘルマン・ツァップ&グドルン・ツァップ カリグラフィーの世界
2011年にギャラリー・ル・ベインで開催された展示の図録。ドイツの書体デザイナー、ヘルマン・ツァップとその妻グドルン・ツァップのカリグラフィー直筆作品のほか、金属活字やデジタルフォントの制作途中のメモ類もあわせて収録し、70年以上にわたる創作活動の幅広い側面を伝える。多数の作品がカラーで掲載され、日本人カリグラファーとフォントデザイナーによる詳細な日本語解説が各作品に添えられている。
活版のしおり | 大日本印刷株式会社
大日本印刷株式会社による活版印刷の見本資料。鉛活字による本文組みをはじめ、罫線や余白の扱いなど、印刷現場で用いられた技術がページごとに展開。和文書体を中心に、明朝体やゴシック体の異なる表情が比較できる形で配置され、書体の選択と紙面上の密度やリズムの関係が読み取れる。文字を組むことへの細かな判断と技術の積み重ねを伝え、1960年代初頭の活版印刷文化の現場感覚をとらえた資料。
活字組見本 | 図書印刷株式会社
図書印刷株式会社による組版資料。明朝体、ゴシック体、教科書体ごとの文字組の違いをはじめ、文字サイズの展開、行間や段組みの設計例を収録。実際の印刷を前提に、紙面上での可読性や文字の見え方の差異が比較できるよう整理されており、活版・写植からオフセット印刷への移行期に蓄積された組版の判断基準が各例に反映されている。印刷現場における設計と運用の関係を読み解くことができる資料。
Parcours Museologique Revisite | Robert Polidori
カリフォルニアを拠点に活動する写真家、ロバート・ポリドリによる作品集。フランス絶対王政の象徴として知られる世界最大級の宮殿・ヴェルサイユ宮殿を25年にわたり撮影し、その保存・修復プロジェクトの過程を記録している。華やかさの裏にある劣化や補修の痕跡、修復をめぐる政治的・美学的な問題にも目を向けながら、建築空間と時間の交錯を繊細に捉えた構成。ヴェルサイユ宮の変遷を映像的に描き出すドキュメンタリー的作品集となっている。
Metropolis | Robert Polidori
写真家、ロバート・ポリドリの作品集。ベイルートの爆撃跡、老朽化したニューヨークの集合住宅、荒れたままのヴェルサイユ宮殿の室内、ブラジリアのモダニズム建築、さらにはチェルノブイリやプリピャチの廃墟まで、世界各地の都市空間を記録している。建築を単なる構造物としてではなく、時間や歴史、出来事を刻み込んだ「都市の肖像」として一貫して捉えている。
Mirrors and Windows: American Photography since 1960
1978年にニューヨーク近代美術館ほかで開催された展覧会の図録。1960年代以降の動向をテーマに、ポール・カポニグロ、ジュディ・デイター、ジョエル・マイヤーヴィッツ、ヘレン・レヴィット、ロバート・メイプルソープらの作品を含む127点を収録。都市の街角や日常風景、人物の表情や光の変化をとらえた写真が並び、色彩の活用や写真教育の広がりも反映される。写真評論家、ジョン・ザルコウスキーは芸術を作家自身を映す「鏡」と外界を知る「窓」に見立てた枠組みで当時のアメリカ写真の方向性を論じ、マイナー・ホワイトの『アパーチャー』やロバート・フランクの『The Americans』の影響にも言及しながら写真表現の歴史と思想を検証している。
ル・コルビュジエ 建築・家具・人間・旅の全記録
20世紀モダニズムを代表する建築家ル・コルビュジエの創作と人生を総覧する資料集。初期の木造建築から宗教建築まで、多様なプロジェクトを豊富な図版とともに紹介するほか、フランス、スイス、ドイツなど世界各地に残る建築51棟を巡る「旅」の記録も収録。年表、手稿、インタビューを通じて、人間としてのコルビュジエの思考と日常に触れられる構成となっている。建築作品、家具デザイン、旅の軌跡を立体的に見渡し、彼の理念とデザイン哲学を深く理解できる一冊。巻頭には磯崎新によるインタビューを収載。
Herbert Matter: Monograph
スイス出身の写真家・グラフィックデザイナー、ハーバート・マターの仕事を包括的に紹介するモノグラフ。フォトモンタージュを駆使した観光ポスターや広告デザインをはじめ、実験的な写真、ペインティングまで幅広く収録している。ヨーロッパで培った前衛的な造形感覚と、ニューヨークで展開した商業デザインやエディトリアルの仕事を通して、写真とグラフィックを横断する独自の表現をまとめている。
Born Modern: The Life and Design of Alvin Lustig
グラフィックデザイナー、アルヴィン・ラスティグの作品集。ミッドセンチュリー期のアメリカで活躍し、ブックカバーや雑誌レイアウト、インテリアデザイン、プロダクトなど多分野にわたる仕事を収めた初のモノグラフ。1940年代ロサンゼルスの建築プロジェクトから、現在もコレクターズアイテムとして知られる雑誌カバーまで、幅広いキャリアを横断して収録。短くも多産なキャリアを通じてアメリカのビジュアル文化の形成に深く関わったデザイナーの仕事を、はじめてまとめたもの。