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The Grotta Home by Richard Meier: A Marriage of Architecture and Craft
2025年10月16日
アメリカの建築家、リチャード・マイヤーが設計した〈グロッタ邸〉を記録した写真集。サンドラ&ルイス・グロッタ夫妻のコレクションである現代スタジオジュエリーや工芸作品を収めるために建てられた住宅で、マイヤー建築の代表作のひとつとされる。ガラスとコンクリートが織りなす明快な構造と光の設計、そして作品群が調和する空間を豊富な写真で紹介。建築とクラフトが響き合う理想的な住まいのかたちを提示している。
Arata Isozaki
2025年10月16日
建築家・磯崎新の活動を総覧する作品集。ロサンゼルス現代美術館での展覧会にあわせて刊行され、1960年から1990年にかけての代表的プロジェクト45件を収録している。群馬県立近代美術館、つくばセンタービル、ロサンゼルス現代美術館などの図面や写真に加え、設計理念や思想を読み解くテキストを併載。ポストモダン以降の建築に大きな影響を与えた磯崎の創造的実践と、美学の軌跡を明らかにしている。
Shortcuts: Erik Magnussen Design
2025年10月16日
デンマーク・コペンハーゲン出身のデザイナー、エリック・マグヌッセンによる作品集。代表作であるバキュームジャグをはじめ、グラスやポット、食器類から時計、テーブル、椅子、照明器具に至るまで、多岐にわたるプロダクトを収録している。機能性と造形美を両立させたマグヌッセンのデザイン哲学を、スケッチや写真、解説を通して包括的に紹介。シンプルでありながら人間的な温かみを宿す北欧デザインの精神を伝えている。
京の数寄屋 | 上野富三
2025年10月16日
数寄屋建築の名匠として知られる上野工務店の仕事をまとめた作品集。代表である上野富三の監修のもと、「木造りの住まい」「混構造の住まい」「茶室」「数奇の舗」の4章構成で、住宅から店舗まで多彩な数寄屋建築を紹介している。構造や意匠を読み解くスケッチ、写真、図面を豊富に収録し、伝統の美と現代の感性を融合させた上野工務店の建築哲学を示している。
The Elegant Japanese House: Traditional Sukiya Architecture | Teiji Itoh、Yukio Futagawa
2025年10月16日
建築史家・伊藤ていじと写真家・二川幸夫による写真集『数寄屋』(淡交社、1967年)の英訳版。安土桃山時代に茶室として成立した数寄屋建築を題材に、その美学と構造を多角的に紹介している。素材の質感や光の扱い、余白の美といった日本建築特有の感性を、写真とテキストの双方から読み解く構成。無駄を削ぎ落とした中に美を見出す“わび・さび”の思想を背景に、伝統と近代のあいだで受け継がれる数寄屋の理念を明らかにしている。
Furniture by Architects: International Masterpieces of Twentieth-Century Design and Where to Buy Them
2025年10月16日
20世紀を代表する建築家たちによってデザインされた家具を紹介する作品集。アルヴァ・アールト、マックス・ビル、アントニ・ガウディをはじめ、チャールズ&レイ・イームズ、アイリーン・グレイ、ヘリット・リートフェルト、チャールズ・グワスミーなど、100名を超える建築家の手による名作家具を収録している。建築の理念と造形美が凝縮された椅子やテーブル、収納などをカラーとモノクロ写真で多数掲載。建築とインテリアの関係を探る貴重な資料となっている。
絣 Kasuri | 長崎巌
2025年10月16日
服飾研究者・長崎巌による、絣(かすり)をテーマとした資料集。日本をはじめアジア、ヨーロッパ、アフリカなど世界各地に伝わる絣の歴史と技法を豊富な資料とともに紹介している。およそ350点におよぶ布地の写真や文様の記録を収録し、地域ごとに異なる意匠や染織文化の広がりを体系的に整理。糸を染め分けて文様を織り出す技法に込められた造形性と精神性を、多角的な視点から明らかにしている。
YUUGU | ジャクエツ、深澤直人
2025年10月16日
プロダクトデザイナー・深澤直人と遊具メーカー・ジャクエツによる遊具の作品集。深澤が手がけた7点の遊具を、写真家・藤井保が自然光の中で撮影し、柔らかな空気感とともに造形の魅力を伝えている。ページには作家・佐々木寿信による詩が添えられ、遊具と風景、人と自然の関わりが静かに響き合う構成。機能や形を超えて、遊びの原点やものづくりの優しさを見つめ直す穏やかな世界を提示している。アートディレクションは佐藤卓によるもの。
日本宗教民俗図典 日本人のこころの原像をひらく 全3巻揃
2025年10月16日
民俗研究家・萩原秀三郎と民俗写真家・須藤功による、日本の宗教的風習と民俗文化を体系的にまとめた絵引事典。信仰、祭事、葬送、供養、四季の行事など、日本人の精神文化に根ざした風俗を豊富な写真と図版で紹介している。現地取材に基づく詳細な記録と解説を通して、地域に息づく信仰や祈りのかたちを明らかにする構成。「祈りと救い」「葬送と供養」「四季の行事」の全3巻揃い。
o+h 大西麻貴 百田有希 建築作品集
2025年10月16日
建築設計ユニット・大西麻貴+百田有希(o+h)による初の作品集。2012年に台湾で開催された展覧会にあわせて制作され、「二重螺旋の家」「地層のフォリー」「夢の中の洞窟」など代表的なプロジェクトを収録している。建築を「風景の一部」として捉え、時間や記憶、身体感覚と関わり合う空間を追求する彼らの理念を凝縮。出版は台湾の田園城市文化事業によるもので、造本にも高いデザイン性と繊細な感性が息づいている。
なにを作ろうかな&どうやって作るの | ジェイン・ホーンビー
2025年10月16日
料理研究家ジェイン・ホーンビーによるレシピブック。朝食のパンケーキやローストチキン、手軽に作れるタイ料理、伝統的なレモンタルトまで、100点のレシピを収録している。材料の準備から調理の手順までを豊富な写真でわかりやすく解説し、料理初心者や子どもと一緒に楽しめる構成。家庭料理の基本と創造の楽しさをやさしく伝え、日常の食卓に彩りと自信をもたらす一冊となっている。
坂茂 木の建築
2025年10月16日
建築家・坂茂による木造建築のプロジェクトをまとめた作品集。世界各地で手がけた45の巨大木造建築を、設計図、模型写真、現地撮影などの資料とともに紹介している。素材としての木を再評価し、構造の革新と環境への配慮を両立させた坂の建築思想を体系的に示す内容。巻頭には坂茂自身と環境活動家ポール・ホーケンによるエッセイを収録し、持続可能な建築の未来を展望している。
Hitoshi Abe
2025年10月16日
建築家・阿部仁史の活動を総覧する作品集。宮城スタジアム、I-House、菅野美術館、しらさぎ橋など、国内外で手がけた26のプロジェクトを収録している。建築写真や構想図、模型写真など豊富なカラー図版とともに、各計画の背景や理念を解説。構造と空間の関係を探りながら、地域性や環境への応答を重視する阿部の建築思想を多角的に示している。
Dominique Perrault
2025年10月16日
フランスの建築家、ドミニク・ペローによる作品集。代表作であるフランス国立図書館をはじめ、オリンピック自転車競技場やオリンピックプールなど、主要プロジェクトを豊富な図版とともに収録している。建築を都市や自然との関係の中でとらえ、素材や光を用いて環境と呼応する空間を生み出すペローの理念を体系的に紹介。構造と詩性を併せもつデザインの魅力を伝える、資料的価値の高い一冊となっている。
Shaker Style: Form, Function, and Furniture
2025年10月16日
19〜20世紀のアメリカで独自の共同体を築いたシェーカー教徒による家具や建築、日用品を紹介する資料集。宗教的信念に基づく質素で実用的な造形を家具、木工、織物、建築など多様な領域から考察している。清廉なデザインと機能美を融合させた「シェーカースタイル」は、のちのモダンデザインにも大きな影響を与えた。その思想と造形の背景を探り、生活と信仰から生まれた普遍的な美の原点を照らし出している。
Khorjins: Tribal and Rural Weaves from Iran | Parviz Tanavoli
2025年10月16日
イランの部族や農村に伝わる織物文化を紹介するビジュアル資料集。イラン高原の遊牧民のあいだで使われてきた多機能な袋状の織物〈コルジン〉(サドルバッグ)に焦点を当て、色彩豊かで精緻な文様をもつ作品を多数収録している。素材や織り方、装飾の違いを通して、地域ごとの風土や生活様式を読み解く構成。さらにイランにおける織物の歴史や用語、地理的背景も解説し、伝統工芸としての織物の多様性と美を明らかにしている。
Made in Japan: 100 New Products | Naomi Pollock
2025年10月16日
日本で生み出された家具、調理器具、ガジェット、衣料品、事務機器など、100点の優れたデザインを紹介するビジュアルブック。日常生活に根ざした大量生産品を中心に取り上げつつ、高い美的水準と最先端技術を融合させた試作品や限定品も収録している。素材や機能への独自のアプローチを通して、現代日本のプロダクトデザインがもつ精度と創造性を多角的に提示。産業と美意識のあいだに宿る“日本的デザイン”の現在を見せている。
Design in California and Mexico, 1915-1985: Found in Translation
2025年10月16日
カリフォルニアとメキシコという二つの地域が、20世紀に互いの建築やデザインにどのような影響を与え合ったのかを検証する作品集。植民地時代の意匠、プレ・ヒスパニック・リバイバル、民芸と工芸の伝統、モダニズムの発展という4章構成で展開され、建築、プロダクト、グラフィックなど多岐にわたる領域を網羅している。文化交流の中で形成された独自のデザイン言語を探り、アメリカ西海岸とラテン文化の接点を浮かび上がらせている。
イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき
2025年10月16日
2022年から2024年にかけて開催された巡回展の図録。2021年にフィンランド・デザイン・ミュージアムで開催された展覧会を再構成し、日本との関わりに焦点を当てた章を新たに加えている。創業から140年を迎えたイッタラの歩みを軸に、デザイナーの創意、自然からの着想、陶磁器とガラスの融合など、多様な観点からその魅力を紹介。北欧デザインの理念とクラフトマンシップの精神を伝える一冊となっている。
建築家の椅子 111脚
2025年10月16日
77人の建築家が手がけた111脚の椅子を紹介する作品集。アントニオ・ガウディ、オットー・ワグナー、エル・リシツキー、フィン・ユール、アルネ・ヤコブセンなど、近代から現代に至る名建築家たちが生み出した椅子を一堂に収録している。素材や構造、造形上の特徴を詳細に解説し、建築思想とデザインの関係を読み解く内容。巻末には年表を付し、椅子のデザイン史を通して建築家たちの創造の軌跡を辿ることができる。
ルーシー・リーの陶磁器たち
2025年10月16日
ウィーン出身の陶芸家、ルーシー・リーによる作品集。端正なフォルムと繊細な釉薬の色彩で知られるリーの代表作を収録し、あわせて自筆による釉薬レシピを掲載している。原材料の比率や調合方法など、制作の背景を具体的に解説し、作品の美しさの背後にある緻密な研究と探究心を伝える構成。感覚と理性が交錯するリーの創作の核心を、技法と造形の両面から明らかにしている。
ルーシー・リー展 静寂の美へ
2025年10月16日
陶芸家ルーシー・リーの生誕100周年を記念して開催された展覧会「ルーシー・リー展 静寂の美へ」の公式図録。繊細なフォルムと釉薬の色彩感覚により、モダン・クラフトの新たな地平を切り拓いたリーの代表作を多数カラーで収録している。ウィーンからロンドンへと拠点を移し、戦禍と再生の時代を生きた彼女の創作の軌跡を辿る構成。静謐さの中に宿る強い意志と美意識を通して、リーの芸術の核心を明らかにしている。
Offecct + Lucy Kurrein
2025年10月16日
スウェーデンのインテリアブランド〈Offecct〉と、ロンドンを拠点に活動するデザイナー、ルーシー・カレインのコラボレーションを紹介する作品集。カレインのスタジオを訪れ、家具デザインが生まれるプロセスや発想の源を探る内容となっている。完成したプロダクトに加え、模型、スケッチ、スタジオ風景、日常の中で見つけたフリーマーケットの品や街のディテールを通して、イメージとアイデアの連なりを丁寧に追う。素材と感性が交わるデザインの思考過程を映し出している。
CAFE SAMIROU | 柚木沙弥郎
2025年10月16日
染色作家・柚木沙弥郎による絵本。柚木自身が蒐集した小物や異国の玩具、オブジェなどを題材に構成され、布や色彩の感覚をそのまま絵として展開している。造形の遊び心と温かみのある筆致によって生み出される世界には、懐かしさと安らぎが漂う。民藝や日常の美へのまなざしを背景に、素材と造形の関係を独自の視点で表現。
道教の美術 Taoism Art
2025年10月16日
2009年に大阪市立美術館で開催された展覧会の図録。中国で生まれた宗教・道教の美術をテーマに、中国および日本に伝わる絵画、書、彫刻、工芸作品を幅広く収録している。神仙思想、風水、星宿、易学など古代中国の思想を背景に、不老長寿を理想とする道の世界観を多角的に紹介。さらに仏教や民間信仰との融合を経て、東アジアの文化や芸術の根幹を形づくった道教美術の広がりをわかりやすく示している。
もうひとつの江戸絵画 大津絵 小絲源太郎コレクション
2025年10月16日
2018年に笠間日動美術館で開催された展覧会の図録。洋画家・小絲源太郎が長年にわたり蒐集した滋賀県大津市の民俗絵画〈大津絵〉を紹介している。初期から中期にかけての全盛期の作品を中心に、古筆大津絵や北大路魯山人旧蔵の作品など、多彩な図版と解説を収録。民衆の信仰や風刺を反映した素朴で力強い筆致を通して、江戸絵画のもう一つの系譜を辿る内容となっている。
自選富本憲吉作品集
2025年10月16日
陶芸家・富本憲吉による自選作品集。作陶50年を記念して刊行され、近年京都で制作された茶碗や磁器など68点をカラーおよびモノクロ図版で収録している。端正な造形と洗練された文様の調和により、日本陶芸に新たな美意識をもたらした富本の到達点を示す内容。伝統的技法を基盤としながら、現代的な感覚と個性を融合させた作品の数々を通して、創作の深化と静謐な美の世界を映し出している。装丁は原弘によるもの。
富本憲吉模様集成
2025年10月16日
陶芸家・富本憲吉による模様と図案を集成した作品集。大正から昭和にかけて活動し、バーナード・リーチとの交流でも知られる富本が手がけた、動植物をモチーフとしたデッサンや器の装飾図案をカラーとモノクロで収録している。精緻な構図と柔らかな筆致によって生み出される意匠の数々は、近代陶芸の装飾美を象徴するもの。伝統と創造を往還しながら、日本の文様表現に新たな感性をもたらした富本の芸術を浮かび上がらせている。
あるカタチの内側にある、もうひとつのカタチ 柴田文江のプロダクトデザイン
2025年10月16日
プロダクトデザイナー・柴田文江による作品集。子供用携帯電話〈キッズケータイ〉、〈体にフィットするソファ〉、カプセルホテル、マルチペンなど、日常に寄り添うプロダクトを多数収録している。造形の美しさだけでなく、使う人の感情や行為に寄り添う「もうひとつのカタチ」を探る柴田の思考と実践を、写真とテキストを通して紹介。デザインに込められた思想と、人とモノとの関係を見つめ直す視点を提示している。
志村ふくみ 母衣への回帰
2025年10月16日
2016年に京都国立近代美術館で開催された巡回展の図録。染織家であり随筆家、人間国宝として知られる志村ふくみの60年にわたる創作を総覧している。母の残した糸で織り上げた〈母衣曼荼羅〉をはじめ、自然の色や光を紡ぎ出すように制作された着物の数々を、作家自身の言葉とともに紹介。染織を通して生命や精神の循環を見つめ続けた志村の思想と美意識を、作品とテキストの両面から浮かび上がらせている。
骨董夜話 | 白洲正子、土門拳 他
2025年10月16日
白洲正子、青柳瑞穂、坂東三津五郎、細川護貞、土門拳、平山郁夫、谷川徹三の7名による骨董談義を収めた一冊。骨董を愛するそれぞれの眼と哲学をもとに、手に入れたいきさつや逸話、自慢の品にまつわる思いを綴ったエッセイを収録している。あわせて各人のコレクションをカラー図版で紹介し、審美眼の深さと時代を超えて受け継がれる美意識を浮かび上がらせる。骨董に宿る魅力と人生観を伝えている。
堀尾幹雄コレクション 濱田庄司 手仕事の軌跡
2025年10月16日
2000年に大阪市立東洋陶磁美術館で開催された展覧会の図録。20世紀日本を代表する陶芸家・濱田庄司の作品を、堀尾幹雄コレクションを中心に紹介している。皿や急須、茶碗など約200点をカラーで収録し、日常の器に宿る温もりと造形の確かさを伝える構成。民藝運動の理念を体現しながら、伝統と創造のあいだで手仕事の可能性を探り続けた濱田の歩みを明らかにしている。
マリメッコ展 デザイン、ファブリック、ライフスタイル
2025年10月16日
巡回展「マリメッコ展 デザイン、ファブリック、ライフスタイル」の公式図録。フィンランドを代表するデザインブランド〈マリメッコ〉の60年にわたる歩みを、ファブリック、ヴィンテージドレス、スケッチなどの豊富な資料とともに紹介している。自然や伝統的モチーフに着想を得ながら、大胆でカラフル、抽象的なパターンを生み出したデザイナーたちの創造の軌跡を辿る構成。デザインと暮らしの関係を再発見させる一冊となっている。
INAX Booklet 現代・見立て百景
2025年10月16日
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。砂を海に、石を島に見立てる枯山水の庭に象徴されるように、自然や宇宙を縮景として表現する日本独自の美意識〈見立て〉をテーマとしている。庭園、盆景、いけばな、建築、絵画など多様な分野を横断しながら、その思想的背景と造形の展開を紹介。限られた空間の中に無限の世界を映し出す「見立て」の感性を通して、日本美術における象徴と想像の力を浮かび上がらせている。
INAX Booklet 鹿鳴館の夢 建築家コンドルと絵師暁英
2025年10月16日
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。鹿鳴館を設計し、日本の近代建築の礎を築いた建築家ジョサイア・コンドルに焦点を当てている。コンドルは河鍋暁斎の門人として「暁英」を名乗り、日本画を学んだ異色の経歴を持つ。本書では、建築家としての理知と絵師としての感性という二つの側面からその人物像を再考。日本文化への深い理解と敬愛を背景に、明治期の建築と美術の交錯を探る内容となっている。監修は鈴木博之と藤森照信。
INAX Booklet 遊牧民の建築術 ゲルのコスモロジー
2025年10月16日
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。モンゴル語で「家」を意味する移動式住居〈ゲル〉を中心に、遊牧民の暮らしと建築文化を紹介している。風土に適応し、自然と共生するために培われた知恵や構造を読み解きながら、遊牧や漁労に生きる人々の建築術を比較。世界各地に見られる天幕文化との関連を通して、可変性と持続性を備えた建築の原点を探る。人と自然、住まいと環境の関係を見つめ直す視点を提示している。
INAX Booklet 病院建築のルネッサンス 聖路加国際病院のこころみ
2025年10月16日
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。東京・築地の聖路加国際病院を題材に、医療と建築の関係を再考する内容となっている。1933年に建てられた旧病院の荘厳な様式と、その理念を継承し1992年に新築された現代病院を比較しながら、「全室個室制」や快適性・衛生面への配慮など、患者の人間的な尊厳に基づく設計思想を紹介。アール・デコを想起させる装飾や礼拝堂の意匠など、歴史的建築としての魅力にも触れつつ、単なる医療施設ではなく「癒しと人間性の空間」としての病院建築の理想を提示している。
INAX Booklet マジョリカ・タイル イベリアのきらめき
2025年10月16日
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。鮮やかな色彩と緻密な文様で知られる“マジョリカ・タイル”。イスラムの影響をうけ16~17世紀に最盛期を迎えたマジョリカ・タイルの装飾技法の変遷をたどりながら、スペイン陶芸の美とガウディ建築との関係、さらにはイスラム・スペインの空間表現、日本における受容の歴史まで幅広く紹介。スペインを中心としたイベリア半島で花開いたこの装飾タイルの歴史と魅力を多角的な視点から丁寧に紐解く一冊。
Alexander Calder: Multum in Parvo
2025年10月15日
アメリカの彫刻家、アレクサンダー・カルダーの約30年にわたる創作を通じて、「スケール」と「サイズ」の関係に焦点を当てた作品集。タイトル〈Multum in Parvo〉(小さき中に多くを)の名が示すように、親指ほどの大きさから高さ約76センチまでの小型彫刻40点以上を収録し、カルダーの大型モビールと同様の構造と動きを精巧なスケールで再現している。建築家サンティアゴ&ガブリエル・カラトラバによる展示空間でのインスタレーション写真やアーカイブ資料、建築スケッチに加え、批評家ジェド・パールとポール・ゴールドバーガーによる論考、カール・シャピロとジョン・アップダイクの詩も併録。カルダー芸術の本質を多面的に掘り下げている。
Settlements | David Spero
2025年10月15日
イギリスの写真家、デイヴィッド・スペロによる作品集。2004年から2015年にかけて撮影された、セルフビルドによる住居とそこに暮らす人々の生活を記録している。資本主義社会の中で自然との共生や持続可能な生き方を模索する小さなコミュニティに焦点を当て、土地と人との関係を静かに見つめる。ユルト円形型移動テント)を設置して生活するエジプト人アーティスト、ギル・バロンによるドローイングがカバー下に描かれ、共同体の理念と芸術的実践が交差する構成となっている。人と自然の共存をめぐる現代の価値観を照らし出している。
Chinati: The Vision of Donald Judd
2025年10月15日
アメリカの美術家、ドナルド・ジャッドが1980年代に設立した現代美術館〈チナティ・ファンデーション〉の構想とコレクションを包括的に紹介する作品集。テキサス州マーファの広大な土地に恒久設置されたインスタレーション作品を中心に、ジャッドの思想や美術館創設の経緯を詳述している。ジョン・チェンバレン、ダン・フレイヴィン、ロニ・ホーン、イリヤ・カバコフらによるコレクションを網羅し、アートと空間、時間の関係を探る場としての〈チナティ〉の理念を明らかにしている。
Frida by Ishiuchi | Ishiuchi Miyako
2025年10月15日
写真家・石内都による作品集。メキシコの芸術家フリーダ・カーロが生前に身につけていた衣服や装身具を撮影し、彼女の人生と創造の痕跡を静かに映し出している。ドレス、コルセット、靴、手袋、ジュエリーなど、身体とともにあった品々を単なる遺品ではなく、痛みや誇り、文化的アイデンティティを宿すオブジェとしてとらえた構成が特徴。石内の繊細な眼差しを通じて、カーロの生きた時間とその信念を見つめ直している。
Beatriz Milhazes
2025年10月15日
ブラジルを代表する画家、ベアトリス・ミルハーゼスの多彩な創作活動を網羅したモノグラフ。1980年代後半に独自開発した転写技法を駆使し、カーニバルや伝統工芸、バロックからポップまで、多様なモチーフを鮮やかな色彩とリズミカルな構成で融合させた彼女の作品世界を約300点の作品とともに紹介。2020年までの最新作を含む豊富な図版に加え、編集者ハンス・ヴェルナー・ホルツヴァルトとの対話を通じて制作プロセスや思想的背景に迫るとともに、美術史家デイヴィッド・エボニーの論考やモチーフ辞典、詳細なアーティスト・バイオグラフィーも収録。
Cy Twombly: The Natural World
2025年10月15日
20世紀を代表する現代美術家、サイ・トゥオンブリーによる作品集。シカゴ美術館で開催された同名展覧会にあわせて刊行され、2000年から2007年にかけて制作された絵画、紙作品、写真、彫刻など30点以上を収録している。庭園や風景を主題に、自然の生成と詩的感情が交錯する表現を展開。日本の伝統美術や古典詩、ヨーロッパ文学など多様な影響を受けながら、自然と人の精神世界を結びつけるトゥオンブリーの晩年の創作を照らし出している。
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