イスラム空間と文様 | 石元泰博
写真家・石元泰博が中東から北アフリカにかけてのイスラム建築を撮り収めた写真集。コルドバ、グラナダ、バグダッド、イスタンブールなど各地を巡り、モスクや礼拝堂に施された壮麗な文様と空間の構築美をとらえる。青く輝くタイル装飾、金色のドーム、幾何学的なアラベスク――建築の外観から内部の細部にいたるまで、光と影が織りなすリズムを静謐な眼差しで写し出し、イスラム美術の精神性を映し出している。装丁は田中一光によるもの。
Barn | John Pawson, Fi McGhee
英国を拠点に活動する写真家、フィ・マクギーによる作品集。建築家、ジョン・ポーソンが17世紀の納屋をスタジオ兼住居に改築した様子をモノクロ写真に収めたもの。ポーソンによるミニマリズムの美学が、マクギーによる写真でより洗練された形で浮き彫りになっている。英語表記。
桂離宮 毎日新聞創刊110年記念出版 | 岡本茂男
日本庭園の最高傑作と称される桂離宮を収めた作品集。写真家・岡本茂男が撮影し、1975年から行われた古書院、中書院、新御殿の解体修理の過程と修復後の姿を記録している。カラー・モノクロを含む豊富な図版や詳細な図面に加え、専門的な解説テキストも収録され、庭園と建築の双方を多角的に捉える構成となっている。装丁はグラフィックデザイナー原弘が手がけている。
Julius Shulman: Los Angeles
アメリカを代表する建築写真家、ジュリアス・シュルマンが長年にわたり記録したロサンゼルスの都市像をまとめた作品集。1934年、リチャード・ノイトラ設計のステン邸を自主的に撮影したことから始まるキャリアを軸に、1972年に同地が世界都市として確立するまでの変遷を時系列に構成している。住宅やオフィス、学校、教会、店舗、街の風景まで、約250点の写真を通して近代都市の生成と成熟を見つめたシュルマンの眼差しは、20世紀の建築写真史に刻まれる独自の記録となっている。
日経回廊 全10冊揃
日本経済新聞社が購読者向けに発行していた非売品の文化誌『日経回廊』全10冊セット。芸術、建築、文学、デザイン、食文化など、多彩な分野を横断しながら毎号異なるテーマを特集している。第一線の研究者や批評家による寄稿に加え、写真や装丁にも上質な編集思想が息づく。知的好奇心を刺激する企画と美しい造本で、現代日本の文化的成熟を静かに映し出している。
アンニ・アルバースとアンデスの染織 バウハウスからブラック・マウンテンへ
ドイツ出身のテキスタイルアーティスト、アンニ・アルバースの創作と思想を辿る伝記的資料集。バウハウスで学び、のちに指導者として活動した彼女が、アメリカ移住後にブラック・マウンテン・カレッジで展開した教育・研究に焦点をあてている。アンデスの染織に着想を得た織物の構造的思考や、絵画的感性を融合させた実践を豊富な図版で紹介。工芸と芸術の境界を越え、織を新たな表現領域へと押し広げたアルバースの造形理念を的確に示している。
隈研吾 物質と建築
建築家・隈研吾の創作理念を「素材」という視点から探る作品集。1990年代以降に手がけた25の建築を精選し、ガラス、木、石、竹、コンクリートといった素材ごとに章立てして紹介する。地方の職人との恊働によって磨かれた技法や、日本の伝統的工法に根ざした構造美を、豊富な写真と図面、本人による解説で紐解く。素材の質感を建築の言葉として読み替え、空間の本質を見つめ直す視点を提示している。
Architecture Paysagere | Tim Richardson
世界各地で活躍する37人のランドスケープアーキテクトやデザイナーの思考と創作過程を紹介する作品集。スケッチや図面、ドローイング、写真コラージュを通じて、庭園や景観、屋外空間の構想がどのように形づくられていくのかを可視化している。鉛筆やペン、絵の具など、実際に使用される道具や描法の細部にも注目。緻密なプランニングと自由な発想が交錯するデザイナーのノートから、ランドスケープ表現の創造性と思想を鮮やかに伝えている。
Japan: Beauty of Food | Reinhart Wolf
ドイツの写真家、ラインハルト・ヴォルフが、日本の食文化に宿る美を撮り収めた写真集。お吸い物や干菓子、金太郎飴、和包丁など、日々の暮らしに息づく食の造形を静謐な構図で写し出す。厳しさと繊細さ、簡潔さと優美さが同居する日本の感性を、食を通して可視化し、芸術として提示する。日常に潜む美意識への洞察を、異なる文化の視点からとらえた一冊。
The Starving Artist Cookbook: Illustrated Recipes for First-Time Cooks
デザイナーでありイラストレーターのサラ・ツィンが、自身の食と創作の関係を見つめ直しながら制作したレシピブック。料理経験のなかった著者が、1年間にわたって初めての手料理に挑戦し、その一皿ごとを水彩で描き残した。フレンチトーストやカリカリベーコン、トマトスープ、カルボナーラ、オートミールクッキーなど、日常の料理を愛らしいイラストとともに紹介。
いす・100のかたち ヴィトラ・デザイン・ミュージアムの名品
1996年から2000年にかけて開催された「いす・100のかたち ヴィトラ・デザイン・ミュージアムの名品」展の公式図録。1800年代から現代までの椅子のデザイン史を俯瞰し、マルセル・ブロイヤー、チャールズ&レイ・イームズ、イサム・ノグチ、エットーレ・ソットサス、柳宗理らによる名作を100点収録。プロトタイプを含む多彩な椅子の造形を通して、素材、機能、美意識の関係を探る。日常の道具としての椅子が、いかに時代の思想と造形理念を映し出してきたかを明らかにしている。
アール・デコの館 旧朝香宮邸 | 増田彰久
東京・白金に現存するアール・デコ建築の傑作、旧朝香宮邸(現・東京都庭園美術館)を紹介する建築写真集。撮影を増田彰久、構成と造本を杉浦康平、テキストを藤森照信が担当。ラリックの玄関扉、ブランショのレリーフ、セーヴル製香水塔など、宮邸を彩る工芸作品と室内装飾を精緻なカラー写真で収録している。日本におけるアール・デコ様式の受容と展開を、美術と建築の両面から明らかにし、旧朝香宮邸に息づく時代の美学を鮮やかに伝えている。
ル・コルビュジエと20世紀美術
2013年に国立西洋美術館で開催された「ル・コルビュジエと20世紀美術」展の公式図録。建築のみならず、絵画、彫刻、版画、タピスリー、映像など多岐にわたる創作を行ったル・コルビュジエの芸術活動を総合的に紹介する。ピカソ、ブラック、レジェ、デュビュッフェら同時代の芸術家の作品も併せて掲載し、モダニズムを超えて展開された創造の交差点を描き出す。彼が提唱した「諸芸術の綜合」という理念を、建築空間の中で体感できる構成となっている。
ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家
スウェーデンを拠点に活動するガラス作家・山野アンダーソン陽子の発案によるプロジェクト「Glass Tableware in Still Life」をまとめたアートブック。18人の画家が言葉でリクエストした器を山野が制作し、そのガラス器を画家たちが静物画として描いた作品を収録している。ガラス、絵画、写真が呼応し合う構成を通して、素材の記憶と手仕事のあいだに生まれる対話を可視化。制作の過程をたどるテキストや論考も収め、異なる表現領域が交差する創造の風景を鮮やかに浮かび上がらせている。
Ethnic by Design | Dinah Hall
世界各地の民芸品や民族デザインを現代の暮らしにどう取り入れるかを探るヴィジュアルブック。アメリカ先住民、メキシコ、北欧、地中海、アジアなど14の地域をテーマに、それぞれの土地に根ざした模様や色彩、素材の背景を紹介。民俗的な造形や装飾の持つ普遍的な魅力を読み解きながら、家具、テキスタイル、陶器、オブジェといった日常のデザインに息づく多様な文化の表現を提示している。
日本海 | 水上勉、岩宮武二
写真家・岩宮武二がとらえた日本海沿岸の風土と人々の暮らしを記録した写真集。荒波寄せる冬の海、春に咲く花々、夏の赤いか漁、秋祭りと、四季を通じて移ろう自然と生活の光景を丹念に写し取っている。作家・水上勉による文章が添えられ、厳しさの中にある人の温もりと海の生命力を静かに語る。日本海の風土に根ざした美と祈りの時間を深く刻み込んでいる。
日本の仮面 神々の宴 | 森田拾史郎
写真家・森田拾史郎による、日本各地に伝わる仮面文化を記録した写真集。東北から沖縄まで、神楽面、狂言面、田楽面など多様な仮面を撮影し、その造形や素材に宿る信仰と芸能の精神を捉えている。祭礼や儀式の場で人と神を媒介してきた仮面の起源や用途を、豊富な写真とともに丁寧に解説。古来より受け継がれる祈りのかたちを通して、日本人の精神文化の深層に迫っている。
タイムライフブックス アフリカ料理
1960年代から1970年代にかけてアメリカのタイムライフ社より刊行された『Foods of the World』シリーズの日本語版『世界の料理 アフリカ料理』。アフリカ各地の食文化を歴史・地理・民族背景など多角的に紹介する。ラム脚の蒸し焼き、パパイヤサラダ、魚の酢漬け、ココナッツプディングなどの地域色豊かな料理のレシピや写真を多数掲載。失われつつある食文化を記録した、資料的価値の高い一冊。別冊のレシピ集付属。
南インド キッチンの旅 | 齋藤名穂
建築家・デザイナーの齋藤名穂が、南インドで出会った21の家庭の台所を訪ね歩いた記録。インドの出版社タラブックスから刊行された『Travels Through South Indian Kitchens』の日本語版で、3か月の滞在中に交わした会話や家庭料理のレシピ、手描きのスケッチ、写真を通して日々の暮らしを描き出す。台所という小さな空間に宿る文化と人の温もりを、建築家のまなざしで丁寧にすくい取っている。
遠野キュイジーヌ | 佐々木要太郎
岩手・遠野の古民家オーベルジュ〈とおの屋 要〉のオーナーシェフ、佐々木要太郎の仕事と思想をまとめた一冊。絶滅寸前だった在来米〈遠野一号〉を自然栽培で復活させ、どぶろくの醸造や発酵料理を通して土地の恵みを食のかたちへと昇華させている。農業・発酵・料理の領域を横断しながら、環境と人の循環を見つめ直すその姿勢を豊富な写真とともに紹介。
発酵する日本 | 小倉ヒラク
発酵デザイナー・小倉ヒラクが日本全国を巡り、各地に息づく発酵文化を記録した写真集。味噌、醤油、しば漬け、豆腐ようなどの身近な発酵食品から、地方に伝わる珍しい発酵食までを取材し、発酵を軸に人々の暮らしと土地の記憶をたどっている。写真86点と書き下ろしエピソードを通して、47都道府県の多様な風土と発酵の知恵を可視化。微生物と人間の営みが共生する、日本文化の奥行きをやわらかく伝えている。
建築を考える | ペーター・ツムトア
スイスの建築家ペーター・ツムトア(ピーター・ズントー)による初のエッセイ集。素材と土地の力、光と影の設計に真摯に向き合い、詩的で情感に満ちた建築空間を生み出してきたツムトアが、幼少期の記憶や美への考察、谷崎潤一郎『陰翳礼讃』への言及を交えながら、建築と自然、感覚の関係を静かに語る。装幀は葛西薫、写真は杉本博司。建築という行為を通して、世界をどのように感じ、形づくるのかという根源的な問いを投げかけている。
ジャン・ヌーベル展
2003年から2004年にかけて開催された「ジャン・ヌーベル展」の図録。フランスを代表する建築家ジャン・ヌーベルが手がけた主要プロジェクトを、写真、図面、模型などの豊富な図版とともに紹介している。代表作から進行中の計画、さらには未完の構想までを網羅し、建築を「光」「素材」「空間」といった要素の交錯として捉えるヌーベルの独創的な手法を明らかにする内容となっている。
シミュレイテド・シティの建築 伊東豊雄
1946年に彰国社より創刊され、建築を文化として捉え、社会との関係を考え続けてきた建築雑誌『建築文化』の伊東豊雄特集号。シミュレイテド・シティの建築に関する論文をはじめ、下諏訪町立諏訪湖博物館・赤彦記念館など、伊東豊雄による代表的なプロジェクトを多数紹介。また、座談会や建築家・多木浩二による論文も収録し、伊東豊雄の建築思想や実践の全貌を立体的に描き出す。
北の工藝 附 ヒゲベラ | 杉山寿栄男
図案家であり、縄文土器やアイヌ工芸の研究者・収集家として知られる杉山寿栄男による資料集。アイヌの造形文化を「アイヌ印の起源」「アイヌ文様」などの章で考察し、意匠の象徴性と美的体系を読み解いている。巻末では、神に酒を捧げる際に用いる箸〈ヒゲベラ〉を多くの写真とともに紹介。生活と信仰、装飾と機能が交差するアイヌ工芸の精神を丹念に伝えている。
戸隠の民具 | 清永安雄
写真家・清永安雄が長野県戸隠の民具を撮影した資料写真集。農具や家具、食器、祭具など、暮らしの中で受け継がれてきた道具を戸隠民俗館の協力のもとに記録している。木や竹、藁といった自然素材が生み出す素朴な造形と、生活の知恵に根ざした機能美を鮮やかにとらえる。道具の名称や用途、英訳を添えた丁寧な解説とともに、信仰と風土に支えられた日本の生活文化の原型を静かに伝えている。
Mario Botta: Public Buildings 1990-1998
スイスを代表する建築家マリオ・ボッタによる公共建築を紹介する作品集。1990年から1998年にかけて世界各地で手がけた11の建築を収録し、バーゼルのティンゲリー美術館、東京のワタリウム美術館、エヴリー大聖堂などを、カラー・モノクロ写真や木製模型とともに詳述している。重厚な幾何学構成と地域性の融合によって生み出された空間は、建築が公共性と精神性をいかに両立しうるかを示すもの。ボッタの建築思想の深化を的確に伝えている。
こけし手帖 創刊号-18号 復刻版
東京こけし友の会が発行した情報誌『こけし手帖』の創刊号から18号までを収録した復刻版。創刊25周年を記念して刊行されたもので、こけし蒐集家の記録、職人の紹介、産地の現状報告など、多角的な視点からこけし文化を掘り下げている。昭和期のこけし愛好家たちによる情熱と観察眼が凝縮された貴重な資料。民芸運動以後の郷土玩具研究の流れを知る手がかりを豊かに伝えている。
リチャード・マイヤーとフランク・ステラ 建築と絵画の接点
建築家リチャード・マイヤーと画家フランク・ステラによる創作の交点を探る展覧会カタログ。1996年から1997年にかけて開催された本展では、二人の半世紀にわたる交流を軸に「建築」と「絵画」の関係を検証している。マイヤーのハイ美術館、フランクフルト工芸美術館、バルセロナ現代美術館、ゲティ・センターなどの建築模型や図面に加え、ステラの絵画、立体レリーフ、建築プロジェクトを紹介。構築と抽象、機能と造形が交差する場に、20世紀後半の芸術思想が響き合う。
サーリネンとフィンランドの美しい建築展
2021年にパナソニック汐留美術館で開催された「サーリネンとフィンランドの美しい建築展」の公式図録。フィンランドのモダニズムの原点を築いた建築家エリエル・サーリネンの初期から渡米までの活動を、図面や写真、家具、生活用品のデザイン資料を通して紹介している。民族的ルーツとアール・ヌーヴォーを融合させたナショナル・ロマンティシズムから、光と自然に呼応する独自のモダニズムへと至る造形の軌跡をたどる。
フィンランドのくらしとデザイン ムーミンが住む森の生活
2012年から2013年にかけて全国を巡回した展覧会「フィンランドのくらしとデザイン ムーミンが住む森の生活」の公式図録。豊かな自然と風土に根ざしたフィンランドの芸術とデザインを、19世紀末から現代までの流れの中で紹介している。ムーミンの世界観をはじめ、エリエル・サーリネンの建築、マリメッコのテキスタイル、カイ・フランクの陶器などを通して、日常に息づく美意識を探る。
繋ぐ力 ideas for next japan
2012年、金沢21世紀美術館で開催された「繋ぐ力 Ideas for Next Japan」展にあわせて刊行された書籍。生活工芸プロジェクト第3弾として、使い手と作り手のあいだをつなぐ“繋ぎ手”の存在に焦点を当てている。Zakkaの吉村眸、古道具坂田の坂田和實、ギャルリ百草の安藤雅信・安藤明子、高橋みどり、中村好文、ナガオカケンメイら8組へのロングインタビューを収録。モノを通して価値を伝え、関係を育む人々の思想と実践を静かに掬い上げている。
作る力 creators for every day life
2011年、金沢21世紀美術館で開催された展覧会「作る力 creators for every day life」にあわせて刊行された作品集。赤木明登、内田鋼一、三谷龍二、皆川明など、現代の暮らしに寄り添う10組の作り手たちが登場し、それぞれに同じ問いを投げかけるロングインタビューを通して、モノづくりの根源的な思想を浮かび上がらせている。器や家具、衣服、ガラス作品など代表作の写真を豊富に収録し、日常と創造のあいだにある「生活工芸」の精神と、その多様な実践のかたちを静かに伝えている。
花宇宙 アジアの染め・織り・飾り | 杉浦康平、後藤多聞
1992年に開催された同名展覧会の図録。アジア各地に受け継がれる染めや織り、装飾品を通じて、人々が花の意匠をまとい「生命の樹」のイメージを育んできた歴史を探る。花柄の布や織物、生活用具に宿る象徴性を、豊富な図版とともに紹介。企画にはグラフィックデザイナーの杉浦康平も参加し、造形文化における自然観や宇宙観を多角的に読み解いている。装飾と日常の関わりを丹念に記録し、アジア文化の根底に流れる美意識と精神性を提示している。
11ARTS 代官山プロジェクトをめぐる、11建築家の提案
日本を代表する11組の建築家が構想した「代官山プロジェクト」を紹介する作品集。隈研吾、内藤廣、北山恒、乾久美子、みかんぐみ、アトリエ・ワンなど、世代や立場を超えた建築家たちが参加している。「かたち」と「ことば」の二章構成で、模型写真を中心に各建築家のインタビューを収録。都市と建築の関係を見つめ直しながら、未来の都市像を多様な視点で提示する。思考と造形の往復から現代建築の可能性を鮮やかに浮かび上がらせている。
Japan Houses | Marcia Iwatate、Geeta K. Mehta
日本各地の現代住宅を紹介する建築写真集。20人の建築家・デザイナーが手がけた住宅26事例を、鮮明なカラー写真と図面、解説とともに収録している。素材の質感や光の取り込み、空間構成の工夫など、日本の気候と生活様式に根ざした建築の美学を多角的に探る。現代日本の住宅デザインの創造力と洗練を的確に伝えている。
雅美生活 北大路魯山人
陶芸家・北大路魯山人の美の世界を紹介する作品集。器、花瓶、書、掛け軸など、多彩な作品をカラー図版で収録し、その造形に貫かれた美意識を多面的に伝えている。写真家・田沼武能による魯山人の日常の肖像や年譜も掲載し、芸術家としての創作と生活の姿を浮かび上がらせる。用と美を一体に捉えた魯山人の精神を通して、日本の美学の核心を静かに映し出している。
古寺巡礼 土門拳展 | 池田真魚、藤森武
1995年に全国で開催された「古寺巡礼 土門拳展」の公式図録。昭和を代表する写真家・土門拳が生涯をかけて撮影した全国の古寺や仏像の写真を多数収録している。リアリズムの精神に基づき、光と陰の対比を通して仏像の質感や祈りの空間を捉えた作品群は、圧倒的な存在感を放つ。静謐と迫力が同居する土門のまなざしを通して、日本の信仰と美の原点を深く見つめている。
地球の景色 | 藤本壮介
建築家・藤本壮介が『GA JAPAN』に8年間連載したエッセイ「地球の景色」をまとめた書籍。パリ、ニューヨーク、イスタンブール、東京など、世界各地で出会った建築や空間、人々との体験を通して、建築を超えた思索の旅を綴る。写真を新たに加え、50篇のテキストから藤本の思考の軌跡と感性の揺らぎをたどることができる1冊。
光と祈りの礼拝堂 | 田淵諭
現代日本の教会建築を代表する建築家、田淵諭による40年の活動をまとめた作品集。日本各地で手がけた30の教会を、美しい写真と手描きスケッチ、図面を交えて紹介している。建築資料に加え、世界各地で訪れた礼拝堂や大聖堂を描いたドローイングやエッセイも収録。光と空間、祈りと構築の関係を探りながら、宗教建築に宿る精神性と造形の美を静かに照らし出している。
CLOSURES 蓋の本 | アン &ヘンリー エンブレム
アン&ヘンリー・エンブレムによる、蓋やキャップ、栓といったクロージャーに焦点を当てたパッケージデザイン資料集。スポーツドリンクのボトルやスプレー容器、チューブ型歯磨き粉など、日常の製品に使われる多様な蓋の構造と仕組みを、写真や詳細な図面、キャプション付きで紹介している。小さな部品に込められた機能性と造形の工夫を通して、工業デザインの精緻な美を伝えている。CD-ROM付属。
石岡瑛子風姿花伝 Eiko by Eiko
世界を舞台に活躍したデザイナー、石岡瑛子の創作活動を総覧する作品集。パルコ広告やマイルス・デイヴィス『TUTU』のジャケット、映画や舞台の衣装、北京オリンピックのビジュアルなど、ジャンルを越境する表現の軌跡を豊富な図版で収録。黒澤明、イサム・ノグチ、三宅一生、坂本龍一、田中一光らによる寄稿も併せて掲載。造形、思想、身体表現が交差する場で、石岡の情熱と独自の美学を鮮烈に伝えている。
アイデア No.364 清原悦志・北園克衛
デザイン誌『アイデア』第364号(2011年11月号)。詩人・北園克衛とタイポグラファー・清原悦志を特集した一冊。戦前から戦後にかけてモダニズムの精神を体現した二人の活動を、膨大な図版とテキストを通して再検証している。特集「清原悦志の理」では、ブックデザインや企業制作物、実験的作品をラフスケッチやコメントとともに紹介し、清原の造形原理を明らかにする。「北園克衛の詩と造型」では、言葉と形、意味と視覚のあいだに生まれる詩的構造を読み解き、印刷物が持つ触感的魅力を再考。戦後日本の詩とデザインの交差点を通して、視覚表現の思想を多面的に示している。
Hayao Miyazaki
映画監督・宮崎駿の創作世界を総覧する作品集。2021年にロサンゼルスのアカデミー映画博物館で開催された回顧展にあわせ、スタジオジブリの協力のもと刊行された。『風の谷のナウシカ』『となりのトトロ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』など、11本の長編作品を中心に、コンセプトスケッチや絵コンテ、背景画、セル原画など数百点を収録。自然や人間、成長をめぐる普遍的なテーマを描き続けた宮崎駿の想像力と美学を鮮やかに示している。