ウィーン・ニューヨーク・新潟 限定版 | 田中長徳
日本の写真家、田中長徳の作品集。1991年に新潟県民会館展示ホールで開催された展覧会に合わせて刊行されたもので、1973年から1991年にかけてウィーン、ニューヨーク、そして新潟の3つの都市で撮影された150点の作品を収録。1970年代から欧米各地で活躍し、ストリートスナップや都市の光景を丁寧に記録してきた田中による、独自の視点で切り取られた街並みや日常の表情がモノクロで展開されている。オリジナルプリント3点を含む豪華装の50部限定刊行。
祖父江慎+コズフィッシュ
日本を代表するブックデザイナー、祖父江慎の仕事を体系的にまとめた作品集。手がけた装幀・デザインを「コミックス」「読み物」「ビジュアル」「コズフィッシュ以前」の4章に分類し、詳細な解説とともに収録している。さらに、デザイン事務所コズフィッシュ設立以前から2016年までの全仕事を網羅したブックリストを掲載。独創的な発想と遊び心に満ちた祖父江のデザイン哲学を多角的に読み解くことができる。著者自装。
Type Cosmique 2冊揃 ケース入
組版工学研究会が編集した欧文書体の見本帳、第1巻と第2巻の揃いセット。第1巻では文字の始点・終点部分に飾りを持つセリフ体を収録し、第2巻では装飾を持たないサンセリフ体を多数紹介している。各フォントの特徴を示す見本に加え、デジタルフォントの変遷についても解説が加えられており、タイポグラフィ研究や実務に役立つ資料性の高い内容となっている。
Mapplethorpe
アメリカの写真家、ロバート・メイプルソープの作品集。未発表の初期ポラロイドから、友人たちのポートレート、そして広く知られる代表作まで、写真家としての歩みを網羅的にたどる構成。ポートレート、ヌード、セルフポートレート、花の静物など、研ぎ澄まされたモノクローム表現による主要作品を収録。革新的で大胆なその視線は、1989年の早すぎる死後もなお、現代写真に強い影響を与え続けている。
Utsuwa: Japanese Objects for Everyday Use
オーストラリアの姉妹、カイリー・ジョンソンとティファニー・ジョンソンが、日本各地の作家による日用のうつわを紹介した写真集。「毎日使えること」「土地に根ざした素材と技法」「手仕事であること」を軸に、日本のクラフトがもつ実用性と美意識を伝えている。陶芸家たちの制作現場や、うつわを扱うギャラリー、マーケットの風景を豊富な写真とともに収録。暮らしの中で使われ、場をつくる存在としての「うつわ」の魅力を掘り下げた一冊。
続伊万里染付大皿
佐賀県・有田で焼かれた伊万里染付の大皿を集めた作品集。多彩な形状の皿に施された、のびやかで力強い文様を中心に、62点をモノクロ図版で収録。それぞれの図版には簡潔な解説が添えられ、構図や絵付けの魅力を丁寧に伝えている。
Simply Droog: 10+3 Years of Creating Innovation and Discussion
オランダ・アムステルダムを拠点に活動するデザイン・カンパニー、Droog Design(ドローグ・デザイン)の作品集。1993年の設立から約10年間にわたるプロダクト、展覧会、プロジェクト、出版物を通して、Droogの活動とその思想を包括的に紹介している。本書は巡回展にあわせて2004年に刊行され、その後の活動を加えた増補版。2004〜2005年の最新プロダクトやプロジェクトを記録した約40ページが追加され、掲載作品数は200点以上におよぶ。
動いている庭 | ジル・クレマン
フランスの庭師、ジル・クレマンによる庭園論の代表作。人の手で秩序を固定するのではなく、植物の移動や混ざり合い、時間とともに変化していく自然の力を積極的に受け入れる庭づくりの考え方を紹介している。著者自身の自邸「谷の庭」での実践と観察を通して、種の多様性や環境との共生、進化の可能性を丁寧に掘り下げる。庭づくりの枠を超え、造園やランドスケープ、環境思想へと視野を広げる一冊。
Between Screens | Olivier van Breugel & Simone Mudde
オリヴィエ・ファン・ブリューヘルとシモーネ・ミュッデによる写真シリーズを収録した作品集。アムステルダム国立美術館の「夜警」を前に、作品そのものではなく、スマートフォンやカメラの画面越しに鑑賞する人々の姿に焦点を当てている。掲げられた手と電子機器のクローズアップ、その画面に映る「夜警」という入れ子状の構図は、現代における「見ること」の変化を鋭く可視化する。名画と鑑賞者、現実とスクリーンのあいだに生まれる距離を問い直す一冊。
Black White and Things | Robert Frank
アメリカの写真家ロバート・フランクが、1948年から1952年にかけて撮影した写真をまとめた作品集。1952年に本人が私的に制作した手製本をもとに、1994年の展覧会にあわせて再構成・刊行されたもの。「black」「white」「things」の三章からなり、主題よりも感覚や雰囲気を重ねるように写真が編まれている。旅の途中で出会った人々や風景、身近な物事を静かに見つめるフランクの眼差しが伝わってくる。
Magazine Work | Diane Arbus
アメリカの写真家、ダイアン・アーバスによるマガジンワークをまとめた作品集。『Esquire』『Harper’s Bazaar』などに掲載された写真を中心に、ジェームズ・ブラウンやアグネス・マーティンといった著名人から、老若男女の無名の人物まで、多様なポートレートをモノクロで収録。アートと商業の境界を設けることなく、依頼仕事のなかでも一貫した視線を貫いたアーバスの表現が、編集テキストとともに浮かび上がる内容。
Jeanloup Sieff: 40 Years of Photography
フランスの写真家ジャンルー・シーフによる作品集。1950年代から1980年代後半までの約40年間にわたるキャリアを網羅し、ファッション、風景、広告、ポートレートと幅広い分野での代表作を大型図版で収録している。時代ごとに変化する表現を4つの章に分けて構成し、常に新鮮さを失わない視覚世界を描き出す。流麗で洗練されたイメージは、シーフが残した写真表現の多様性と持続する魅力を明らかにする。
Road to Nowhere | Robin Graubard:
アメリカの写真家ロビン・グローバードの初作品集。1990年代初頭、東ヨーロッパに身を置き、ユーゴスラビア紛争やボスニアでの虐殺、コソボ紛争といった激動の現場を記録した。孤児院や貧困、戦争の影に向き合いながらも、若者たちのあいだに芽生える新しいカルチャーやポスト・ソ連的なアイデンティティを、親密で力強いカラー写真で捉えている。約30年にわたり未公開だった作品を多数収録し、個人の視点から歴史と日常が交差する瞬間を浮かび上がらせる。
Form: Horst | Horst P. Horst
ドイツ出身の写真家、ホルスト・P・ホルストの作品集。ファッション写真で名を成したホルストが、静物、ヌード、花や彫刻、エレガントな女性像など、より造形的・芸術的な関心を注いだ作品を中心に構成。「形」を主題に、商業写真と純粋表現の境界を軽やかに往還するホルストの視線が、大判モノクロームの図版によって際立つ。官能性と均整、光と陰影の緊張感が共存する、洗練された視覚世界が展開されている。
Adrian Paci: The Guardians
ミラノを拠点に活動するアルバニア出身のアーティスト、エイドリアン・パーチの作品集。ミラノのサンテウストルジョ修道院で開催された同名展にあわせて刊行されたもの。独裁体制下での自身の経験を背景に、移民や信仰、歴史を主題とした作品が、教会建築やフレスコ画と呼応するかたちで紹介されている。作品と場の関係性を豊富な図版で記録し、チャールズ・エッシェ、ガビ・スカルディによる論考を通して、宗教と社会を横断するパーチの表現を読み解く。
原弘 グラフィックデザインの源流 | 平凡社
昭和期に活躍した日本のグラフィックデザイン界の先駆者、原弘の作品を紹介する一冊。ポスターや書籍装幀など、これまでに手がけた多彩なビジュアルをカラーで多数掲載し、その仕事の全貌に迫る。本人へのインタビューに加え、亀倉雄策による寄稿も収録。さらに、原がこれまでに生み出してきた紙の仕事をまとめたサンプルカタログ『紙の本』が別冊として付属し、素材とデザインへのこだわりを立体的に伝えている。
Eames Design | Charles & Ray Eames
チャールズ&レイ・イームズ夫妻によるデザインの全貌を包括的に紹介する作品集。戦時中に開発され、キャリアの転機となったプライウッド製の副え木から、ハーマンミラー社のために手がけた家庭・オフィス用家具、映像作品に至るまで、200点以上のプロジェクトを取り上げる。それぞれの背景や技術的革新、デザイン思想を丁寧に分析・解説しており、イームズ夫妻の幅広い活動を通して20世紀のデザインの流れを捉える内容となっている。英語表記。
バウハウス展 ガラスのユートピア
2000年に開催された展示の図録。ミサワバウハウスコレクションおよび宇都宮美術館所蔵作品を中心に、モホリ=ナジをはじめとする教育者や卒業生による絵画、フォトグラム、グラフィックデザイン、工房作品などを幅広く収録し、学生生活の様子もカラー・モノクロ図版で紹介。ワイマール文化の文脈から、バウハウスの多面的な実像を捉え直した一冊。
Toyo Ito & Associates Architects | Deutscher Architektur Verlag
伊東豊雄建築設計事務所の活動をまとめたモノグラフ。ブルージュ・パビリオン、松本市民芸術館、台中国家歌劇院、バロック国際博物館など、過去15年に手がけた代表的な14プロジェクトを収録。初期スケッチや模型、プロトタイプから完成に至るまでのプロセスを丁寧に追い、建築がかたちになる思考の過程を可視化。技術と伝統を横断しながら、建築・環境・人との関係を探る伊東建築の特徴が浮かび上がる一冊。
Harry Seidler: Four Decades of Architecture
オーストラリアを代表する建築家、ハリー・サイドラーの約40年にわたる仕事をまとめた作品集。個人住宅や集合住宅から、パリのオーストラリア大使館などの公共建築まで、代表作を豊富なカラー/モノクロ図版で紹介。モダニズムを基盤に、彫刻的な造形と構造美を追求した建築の歩みをたどる。
アイデア No.390 writtenafterwards 装綴 ファッションデザインの生態学
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.390(2020年7月号)は、「writtenafterwards 装綴 ファッションデザインの生態学」を特集。ファッションブランド「writtenafterwards」を主宰する山縣良和の創作過程や個人の記憶、軌跡を社会的事象と結びつけながら紹介している。さらにファッションとグラフィックデザインの共通点や相違点に着目し、両者の関係性を通じて新たな表現の可能性を探っている。
アイデア No.381 越境の遍歴 田中義久のパースペクティブ
デザイン誌『アイデア』第381号(2018年4月号)。巻頭特集「越境の遍歴―田中義久のパースペクティブ」では、アートディレクター、ブックデザイナー、アーティストとして活動する田中義久の仕事を100ページ以上にわたり紹介。出版社やギャラリーとの協働を通じて、企画や構想段階から関わるその姿勢を検証している。そのほか特別収録「アイデアNo.379 鈴木一誌特集 刊行記念トークイベント」、連載「アトラス考 生態学的世界観の視覚化」などを収録。
アイデア No.332 グラフィックデザインの変革
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.332(2009年1月号)は、「グラフィックデザインの変革」をテーマにした特集号。マイク・マイヤーやウィル・ホルダーといったデザイナー、さらにデザインスタジオの実践を取り上げ、作品を多数収録している。個人の試みからチームによる取り組みまでを通じて、デザインの方法論や表現の変化を多角的に探り、現代のグラフィックデザインが直面する課題と可能性を示している。
土屋耕一全仕事 広告批評の別冊 4
『広告批評』別冊。軽妙洒脱な言葉と鋭い感性でユニークな広告を数多く手がけたコピーライター、土屋耕一の代表作を紹介。伊勢丹、東レ、資生堂など、時代を彩った企業広告の数々を掲載し、その発想や表現の豊かさを辿る。広告作品だけでなく、制作背景や時代性を感じさせる資料も収録。巻末には糸井重里との対談を収め、広告表現や言葉の力について語り合う貴重な記録となっている。
Soviet Commercial Design of the Twenties ペーパーバック版
1920年代の旧ソ連で展開されたロシア・アヴァンギャルドの広告デザインを集成した資料集。エル・リシツキー、アレクサンドル・ロトチェンコら黄金期を代表するデザイナーの仕事を中心に、ポスターや印刷物など300点以上の図版を収録。構成主義的な造形と言語実験が、商業デザインへと接続していく過程を伝えている。
A to Z of Mod | Paolo Hewitt、Mark Baxter
モッズ・スタイルを視覚的に紹介するヴィジュアルブック。ロンドンのクラブ文化やランブレッタ、音楽やファッションまで、モッズを形づくる要素をアルファベット順にまとめている。オーティス・レディングやマリー・クワント、「レディ・ステディ・ゴー!」などの項目を通して、その背景や歴史もコンパクトに紹介。スタイルとしてだけでなく、生き方や感覚として受け継がれてきたモッズ文化の広がりが伝わってくる1冊。
木霊の再生 | 竹沢美千子
北海道八雲町の木彫り熊作家・柴崎重行の作品世界に魅せられた竹沢美千子による、木彫り熊との出会いや歴史、その魅力について綴った著書。2002年に刊行され、長らく絶版だった著作に大幅加筆・修正を加えた改訂版。著者自身の体験を起点に、八雲の風土や木彫り熊の歴史、柴崎熊の造形に宿る精神性を丁寧に紐解いていく。単なる作品解説にとどまらず、土地に根ざした信仰や自然観、作り手と素材との関係性にまで踏み込み、木彫り熊という存在を文化的・思想的に捉え直している。装画、挿絵は坂巻弓華。
On the Beach 1 | ヨーガン レール
1971年の来日以来、日本を拠点に活動したドイツ出身のデザイナー、ヨーガン・レールによる作品集。浜辺に漂着したごみを拾い集め、ランプシェードとして再生するプロジェクトの制作過程と完成作品約90点を写真とテキストで収録。自然素材や手仕事にこだわり、環境と共生するものづくりを追求してきたレールの最後のプロジェクトを、現場の風景や素材の質感まで含めて丁寧に記録。クリエイティブディレクター・小池一子による寄稿も収められ、作品と理念の背景を多角的に理解できる一冊。
ニライカナイ | 藤井保
数々の広告を手がける写真家、藤井保の作品集。利尻・礼文、父島・母島、壱岐・対馬、波照間・与那国の島国を撮影。海や島全体が雪に覆われた世界や、ガジュマルなどの木々、水面に浮かぶ鳥居、幻想的な別のもうひとつの異境を映し出す。
Augenblicke | Irving Penn
アメリカの写真家アーヴィング・ペンによる作品集。ファースト作品集『Moments Preserved』のドイツ語版として刊行され、『Vogue』誌に掲載された作品を中心に構成されている。フランス、スペイン、イタリア、モロッコ、イギリス、ペルー、ニューヨークなど各地で撮影されたポートレイト、ファッション、静物、ドキュメンタリー写真を収録。ピカソの肖像や、モロッコやクスコでの民族的なポートレイト、職人たちを捉えた「The Small Trades」など、ペンの多彩な視線が8章にわたって展開される。
Issey Miyake 三宅一生
2016年にTASCHENから刊行された『ISSEY MIYAKE 三宅一生』を増補改訂した新版。1960年から2022年までの62年間にわたる三宅一生の活動を網羅し、衣服デザインをはじめ、プロジェクト、展覧会、コレクションなどを豊富な資料とともに時系列で紹介している。革新的な素材や造形を用いた実験的な衣服群と、その背景にある思想を包括的に伝える内容となっており、クリエイティブディレクター小池一子によるエッセイも収録。
Venus & Mercury | Viviane Sassen
オランダの写真家ヴィヴィアン・サッセンによる作品集。2019年にヴェルサイユ宮殿グラン・トリアノンで開催された展覧会にあわせて制作されたもの。閉館後の宮殿や庭園を舞台に、マリー・アントワネットの書簡や彫刻の断片、女性のポートレートなどを撮影し、歴史と現在が交錯するイメージを紡いでいる。鮮やかな色彩とコラージュ的手法によって、記憶や身体、性のイメージを揺さぶる構成。装丁はイルマ・ボームが担当。
黒田アキ AKI KURODA COSMOGARDEN LINES & TANGLES
パリを拠点に活動する芸術家、黒田アキの約45年にわたる創作世界を網羅した大型作品集。黒田が構築してきた独自の世界観「コスモガーデン(COSMOGARDEN)」を軸に、線と絡み合う象徴的な造形表現を多数収録。本江邦夫、よしもとばなな、マルグリット・デュラス、宮島達男らによる寄稿や対談を通じて、作品世界を多角的に読み解き、黒田芸術の本質に迫る。創造の軌跡と思想を一冊に結実させた一大ヴィジュアル・ドキュメント。
The Way You Moved through Me | Peter Jellitsch
オーストリア出身のアーティスト、ピーター・イェリッチによるモノグラフ。無線データ通信によって生じる微細な大気の変化を、数値計測にもとづくドローイングや彫刻として可視化する試みを紹介。精密に測定された数値は、やがて抽象的な身振りのような形態へと変換され、データと感覚、構造と余白の緊張関係を視覚的にも体験させる。
Nul=0: The Dutch Nul Group in an International Context
1961年にアムステルダムで結成された前衛美術集団「ヌル(Nul)」の活動を、国際的文脈から検証する一冊。アルマンド、ヤン・ヘンデリクセ、ヘンク・ピーテルス、ヤン・スホーンホーフェンらを中心に、ドイツのゼロ・グループ、フランスのヌーヴォー・レアリスム、日本の具体美術協会などと呼応しながら、1960年代ヨーロッパ前衛の潮流を形づくった。本書は2011年のステデリック美術館での回顧展にあわせて刊行され、インタビュー、論考、アーカイヴ資料、年表を通して、連続性や反復を軸とした彼らの表現とその影響を包括的に伝えている。
横尾忠則全絵画
日本を代表する画家・グラフィックデザイナー、横尾忠則の全絵画集。1960年代の初期作品から、1981年の〈画家宣言〉を経て1996年に至るまでの345点を、大判図版と解説を添えて収録している。ピンクガール、ポスターシリーズ、コラージュ作品など、多彩な芸術表現を通して横尾忠則の全絵画を体系的に提示している。
Affonso Eduardo Reidy: Brazilian Architects
20世紀ブラジルを代表する建築家・都市計画家、アフォンソ・エドゥアルド・レイディの仕事を紹介する作品集。1930年から1964年にかけて手がけられた公共施設、都市計画、集合住宅を中心に、図版と解説を通してその全体像をたどっている。社会住宅や都市計画に関する長年の調査研究をもとに、国家や公共部門が推進した建築の中で、レイディが示した社会的視点と未来志向のデザインを検証。
Affinities: A Journey Through Images from The Public Domain Review
非営利プロジェクト「The Public Domain Review」の10周年を記念して刊行されたビジュアルブック。500点を超える歴史的な版画、絵画、イラスト、写真、スケッチなどを横断的に収録し、時代や分野を越えて連なっていく視覚表現の“親和性(Affinities)”を浮かび上がらせる。アートブックであり、資料集であり、万華鏡のような視覚詩でもある一冊。ページをめくるごとに新たな発見を促し、視覚文化への想像力と探究心を静かに刺激する内容となっている。
雪国の民俗 | 柳田国男、三木茂
日本民俗学の父・柳田國男と、記録映画のプロデューサーで撮影監督・三木茂が共同でまとめた、雪深い地域の暮らしと文化を描いた民俗誌。1940年から1941年までの約一年にわたる調査と記録を基に、「土に生きる人々」「農村歳時記」「衣食住と民具」「信仰・まじない・その他」の章立てで構成されている。雪に閉ざされる北国の農村における日常生活や季節の労働、年中行事、民間信仰や風習を、豊富な写真・図版とともに克明に記録している。柳田による民俗学的考察と、三木が捉えた農民の肖像や日常の風景は、記録性と同時に作家的な味わいを備え、本書を貴重な民俗資料として際立たせている。
Mirages | Lieven Hendriks
オランダのアーティスト、リーヴェン・ヘンドリクスの約20年にわたる制作をまとめた作品集。日常の中に人の痕跡が残るモチーフを起点に、光の操作やトロンプルイユ的な効果を用いながら、希望や安らぎ、欲望といった抽象的な概念を表現している。平面でありながら立体的にも見える画面は、見ることの確かさを揺さぶり、絵画の本質や価値を静かに問いかける。時間性と永遠性、存在と不在、真実と虚構のあいだに生じる緊張関係が、作品全体を貫いている。
Twenty Nine Pictures | Hannah Starkey
イギリスの写真家ハンナ・スターキーによる作品集。2011年にウォーリック大学ミード・ギャラリーで開催された展覧会にあわせて刊行され、約10年ぶりとなる美術館での個展を記録したもの。フィルムからデジタルへと制作方法を移行した時期の作品を中心に、現代社会のなかで生きる人々の距離感や孤独、かすかな希望を、演出された日常の場面として描き出す。映画のワンシーンを思わせる静かな構図は、明確な物語を示さず、鑑賞者の想像力に委ねられている。
Faraway/Nearby | Jan Tove
スウェーデンの写真家ヤン・トーヴェによる作品集。約10年にわたり、幼少期を過ごしたスウェーデンの田園地帯へ何度も足を運び、風景やそこに暮らす人々を撮影している。都市から離れた故郷に立ち返ることで、変わりゆく環境と変わらない営みが静かに浮かび上がる。写真には記憶の断片のような叙情性と、現在を見つめる冷静な視線が共存しており、自然や伝統、人と土地との関係が淡々と記録されている。全体を通して現れる赤い色彩は、この場所に「在り続けようとする意志」を象徴するかのように、控えめながら強い印象を残す。
Fred W. McDarrah: New York Scenes
アメリカの写真家フレッド・W・マクダーラによる作品集。約50年にわたり新聞『ヴィレッジ・ヴォイス』の専属写真家として活動し、ニューヨークのダウンタウン文化を内側から記録してきた仕事をまとめている。バーやカフェ、ギャラリー、アパートやロフトに集った作家や芸術家、ミュージシャンたちの姿を捉え、ジャック・ケルアックの朗読、ボブ・ディランの佇まい、アンディ・ウォーホルのファクトリー、ストーンウォール暴動といった歴史的瞬間も収める。