Japanese Color Matching
日本独自の色彩感覚をテーマにしたビジュアルブック。〈レトロ〉〈ミニマリズム〉〈カワイイ〉〈アヴァンギャルド〉の4つの視点から、ファッション、アート、デザインなど日常に根ざした配色事例を紹介している。日本人の美意識や感情表現を色彩の側面から読み解き、100近くの配色例と168の色分類を収録。さらに佐藤卓、原研哉、水野学らによる知見を交え、日本の色彩文化の奥行きを提示している。
Look at Me: Fashion and Photography in Britain 1960-1997
1960年代から1990年代にかけてのイギリスのファッション写真の変遷を辿る写真集。ロンドンのThe Photographers’ Galleryで開催された展覧会にあわせて刊行された。雑誌の編集ページ、広告、ストリートスナップを通して、自然体を重視した60〜70年代、華やかで装飾的な80年代、反ファッション的グランジが台頭した90年代までのスタイルを紹介。社会的背景とともに、英国ファッションの変化と写真表現の多様性を映し出している。
A2Z and More Signs | Julian Rothenstein
アルファベットやロゴ、エンブレムを集成したデザイン資料集。『Alphabets and Other Signs』『ABZ: More Alphabets and Other Signs』の両書から選りすぐった作品に加え、新たな図版を多数収録して再構成している。自由で遊び心に満ちた造形や文字のバリエーションを通して、レタリング、グラフィック、サインデザインの創造的可能性を提示している。
話の話 ロシア・アニメーションの巨匠 ノルシュテイン&ヤールブソア
2010年に開催された展覧会「話の話 ロシア・アニメーションの巨匠 ノルシュテイン&ヤールブソア」の図録。ユーリー・ノルシュテインが監督を務めた8本のアニメーション作品を中心に、彼の世界観を支えた美術監督フランチェス・ヤールブソワとの創作過程を紹介する。代表作〈霧の中のハリネズミ〉〈話の話〉などの絵コンテ、原画、資料を通して、夫妻の詩的で繊細な映像表現の魅力と、その制作の背景を照らし出している。
The Art of Kveta Pacovska
チェコ出身のアーティスト、クヴィエタ・パツォウスカーの作品集。紙やワイヤーなど多様な素材を用いた立体作品をはじめ、ヴィジュアル・ポエトリーやペインティングなど、絵と言葉のあいだを探る創作を収録している。鮮やかな色彩と大胆な造形による実験的表現を通じて、パツォウスカーが追求してきた造形詩的な世界の広がりを見せている。
IDEAS ON DESIGN | ペンタグラム
イギリスを代表するデザインスタジオ、ペンタグラムによる作品集。ポスター、パッケージ、インテリア、環境デザイン、コーポレート・アイデンティティなど、多岐にわたるクライアントワークを収録している。制作の背景やデザインプロセスを解説とともに紹介し、ペンタグラムの思考と手法がどのように具現化されていくのかを示している。実践的かつ理論的なデザインアプローチを提示している。
チェコ・アヴァンギャルド ブックデザインにみる文芸運動小史 | 西野嘉章
20世紀初頭、前衛芸術の中心地として躍動したプラハを起点に、チェコ・アヴァンギャルドの流れをブックデザインの視点から読み解く評論集。詩、文学、演劇、美術が交差する文化的背景を踏まえつつ、造本やタイポグラフィに見られる革新性を論じている。約200点に及ぶカラー図版を収録し、構成や印刷技術、造形意識の変遷を視覚的に提示。チェコの芸術運動がいかに本のデザインを通して展開したかを照らし出している。
活字文明開化 本木昌造が築いた近代
2013年に開催された展覧会図録。日本の近代活版印刷の礎を築いた本木昌造の業績を多角的に紹介する。人物像をはじめ、印刷技術の革新や情報流通の変化といった観点から、日本が近代化を遂げる過程における活字文化の役割を解説。資料図版や関連史料を通じ、近代社会と活版印刷の密接な関わりを示す内容となっている。
1950年からのグラフィックデザイン
1950年以降に活動したグラフィックデザイナーの軌跡を、国際グラフィック連盟(AGI)の会員を通して辿る作品集。AGIに加盟するほぼすべてのデザイナーのバイオグラフィーを掲載し、入会年ごとに整理。サヴィニャック、ポール・ランド、ヘルムート・シュミット、亀倉雄策、原研哉など、時代を代表する国内外のデザイナーの作品をカラーで収録している。国際的ネットワークとしてのAGIの歩みを通じ、戦後グラフィックデザインの発展を浮かび上がらせている。
TRIPPING OUT | wackwack
グラフィックデザイナーとして活動を始め、現在は切り絵作品で知られるアーティスト、wackwackによる作品集。渋谷のOILでの個展開催に合わせて刊行された。子どもやクマ、ゾウ、月や太陽といった愛らしいモチーフを、鮮やかな色彩と鋭い観察眼で構成し、日常や社会の断片をユーモラスかつアイロニックに表現している。遊び心と緻密な技術が交錯する、軽やかで深みのある視覚世界を見せている。
名取洋之助と日本工房 1931-45 報道写真とグラフィック・デザインの青春時代
報道写真の概念と編集手法を日本に導入した先駆的写真家・編集者、名取洋之助の活動を中心に紹介する展覧会図録。木村伊兵衛、原弘らとともに設立した制作集団「日本工房」の仕事を軸に、1931年から1945年までの写真とグラフィックデザインの展開をたどる。雑誌や広告、出版物など多彩な成果をテキストと豊富な図版で構成し、戦前日本の視覚文化の形成過程を浮かび上がらせている。
伊藤勝一の漢字の感字
アートディレクター、タイポグラファーの伊藤勝一による作品集。漢字の意味や造形を感覚的に捉え直した「感字」をテーマに、ユーモアと発想力に富んだレタリング作品を多数収録している。過去に発表した約80文字を再構成し、新たに140文字を加えて制作。漢字がもつ造形的な美と象徴性を、視覚と言葉のあいだで軽やかに表現している。
レタリング入門 アルファベット | 中田功
文藝春秋やNECのロゴデザインを手がけたデザイナー、中田功によるレタリングの入門書。アルファベットの大文字・小文字・数字を体系的に分類し、書体の特徴や構造を多様な作例で示している。レタリングデザインに関する基本的な理論から実践までを幅広く解説し、文字造形の理解と応用を深める手引きとなっている。
D&D SCAN 八木保の仕事と周辺
グラフィックデザイナー、アートディレクターの八木保によるデザインワークを総覧した作品集。〈観る・聴く・嗅ぐ・触れる・味わう〉という五感を軸に八つの章で構成され、広告、空間、プロダクトなど多岐にわたる仕事を紹介している。プロジェクトの背景や人との関わりを通して、八木のデザイン哲学と創造のプロセスを照らし出している。
SEVEN 7人のグラフィックデザイナーが、ここで出会った | 五十嵐威暢ほか
1980年代の新世代デザイナー7人が、本書に掲載される作品を自ら選び、解説。これまでどのデザイン誌にも掲載されてこなかったような初期の作品も掲載されており、各々のデザインに対するフィロソフィーや仕事に対する想いを伝えることで、次世代デザイナーの指標となることを目指した一冊。参加デザイナーは、マイケル・マナリング、ウッディ・バートル、五十嵐威暢、エイプリル・グレイマン、ジェラルド・リース、佐藤晃一、マイケル・ヴァンダビル。
HQ: High Quality No.24
ドイツのデザイン誌『HQ: High Quality』第24号。毎号異なるテーマを掲げ、デザイン、写真、テキスト、イラストレーションなど多様な表現で構成される本号のテーマは「White(白)」。純粋性、無垢、虚無、死といった概念を手がかりに、「白」がもつ文化的・視覚的象徴を多角的に探っている。音楽、写真、ビジュアルエッセイ、ポスターなど幅広いビジュアル表現を通して、色彩としての「白」が社会や文化の中でいかに意味づけられてきたかを照らし出している。
HQ: High Quality No.21
ドイツのデザイン誌『HQ: High Quality』第21号。毎号異なるテーマで、デザイン、写真、テキスト、イラストレーションを横断的に構成する本号の主題は「ヒント」。兆しや手がかり、サインといった「見えない関係性」に焦点を当て、広告、雑誌、アート、イラストの多様な事例を収録している。視線誘導やインターフェース、記号論的読み替えを通じて、視覚的ヒントがどのように設計され受け手へ届くのかを探る視点となっている。
HQ: High Quality No.20
ドイツのデザイン誌『HQ: High Quality』第20号。毎号異なるテーマを掲げ、デザイン、写真、テキスト、イラストレーションなど多様な表現で構成される本号のテーマは「ノアの箱舟」。情報が過剰に生産・消費される現代において、創造的価値の「保存」と「再生」をいかに実現するかという視点から、記録と伝達の在り方を再考している。デザイナー特集では、建築家・グラフィックデザイナーのリチャード・ソール・ワーマンと、グラフィックデザイナーの板東孝明を取り上げ、思想と実践の両面を提示している。
HQ: High Quality No.19
ドイツのデザイン誌『HQ: High Quality』第19号。毎号異なるテーマを掲げ、デザイン、写真、テキスト、イラストレーションなど多様な表現で構成される本号のテーマは「Kreise(円)」。円・循環・無限といった形象に内在する意味を多角的に掘り下げている。生命や自然における循環構造、マンダラなどの象徴的造形、デザインの構成原理などを通して、“円”というかたちがもつ普遍的な秩序と象徴性を照らし出している。
アイデア No.198 パートナーシステムで好結果生むコンセプツ社
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.198(1986年9月号)。特集「パートナーシステムで好結果生むコンセプツ社」では、アムステルダムのデザイン会社コンセプツを取り上げ、デザイナーとクライアントの協働関係やプロジェクトの過程から生まれる成果を紹介している。ほかにも「コンピュータ・アニメーションの新時代を象徴するピアノ弾きトニー」や、福田繁雄による「アメリカン・イリュージョンのリチャード・ハース」など多彩な記事を収録し、1980年代のデザイン動向を映し出している。
アイデア No.197 エンツォ・メッシ&ウルス・シュミットのモンタージュ・イラストレーション
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.197(1986年6月号)。巻頭特集では、エンツォ・メッシとウルス・シュミットによるモンタージュ・イラストレーションを紹介。独自の構成感覚と実験的なビジュアル表現を通して、当時のヨーロッパにおける新しいグラフィックの潮流を示している。また、同年3月に逝去した原弘の追悼ページを掲載し、亀倉雄策、田中一光、永井一正らによる寄稿を収録。1980年代デザイン界の動向と世代の継承を照らし出している。
アイデア No.196 リアクターアート&デザインのスタイリスティックな芸術家たち
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.196(1986年5月号)。巻頭特集「リアクターアート&デザインのスタイリスティックな芸術家たち」では、リアクターアート・アンド・デザイン社の活動を中心に、ミロ・マリシュ、ジョージ・ホワイトサイド、ルネ・ザアミック、ジェフ・ジャクソンらによる多様なビジュアル表現を紹介している。さらに勝井三雄「演算・加筆そして教育 期待される作家 三井秀樹」、永井一正「デザイナーの年賀状――その自己表出」などを掲載し、1980年代デザインシーンの広がりを提示している。
アイデア No.195 シーモア・クワストの作品
アイデアNo.195、1986年3月号。特集「シーモア・クワストの作品」では、 アメリカのグラフィックデザイナーでプッシュピン・スタジオの創設メンバーとしても知られる、シーモア・クワストのイラストレーション、ポスター、ブックデザイン、パッケージデザインなどといった作品を多数紹介。その他、「TOKYO in 東京: 『東京: その形と心』展」や、田中一光「ごきげんな猫たち: 山城隆一+黒田泰蔵、作陶展」などを収録。
アイデア No.193 新鮮な色彩感覚で活躍する女流イラストレーター、ビビアン・フレッシャー
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.193(1985年11月号)。巻頭特集「新鮮な色彩感覚で活躍する女流イラストレーター ビビアン・フレッシャー」では、ニューヨークを拠点に活動したフレッシャーの多彩な作品を紹介。デヴィッド・ボウイやマイケル・ジャクソンなど著名人のポートレート、キャノンの広告ポスターなどを通して、その鮮烈な色彩感覚と構成力を取り上げている。さらに「新たなコミュニケーション・パラダイムを策定するGKグラフィックス」ジョージ・ネルソン、「正道を歩み続ける伊藤憲治 装丁デザイン1,000冊記念展」永井一正などの記事も収録し、1980年代のデザイン動向を映し出している。
アイデア No.192 イアン・ローガン・デザインとノスタルジックなブリキ箱
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.192(1985年9月号)。巻頭特集「イアン・ローガン・デザインとノスタルジックなブリキ箱」では、菓子や紅茶缶、ハロッズのパッケージシリーズ、鉛筆箱など、愛らしく懐かしいモチーフをあしらったイアン・ローガンのデザインを紹介している。英国的ユーモアと洗練された色彩感覚が融合した作品群を通して、パッケージデザインの魅力を探る内容となっている。さらに「科学万博――つくば’85」福田繁雄・勝井三雄・上條喬久、「パッケージ・デザイナー117名が参加した『自遊Box展』」中井幸一などの記事も収録し、1980年代のデザイン潮流を提示している。
アイデア No.191 ルイス・フィッシャウフとニューウェイブの世界
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.191(1985年7月号)。巻頭特集「グラフィック・デザイン’85卒業制作誌上展」では、全国の美術・デザイン系教育機関から集められた学生作品を紹介。併せて、カナダのデザイナー、アートディレクターであるルイス・フィッシャウフの未発表コラージュやロゴ、ポスター、雑誌『サタデー・ナイト』の表紙デザインなども掲載している。さらに「フランスのファッション・イラストレーター エレーヌ・マジェラの最近作」フランソワ・ヴィー、「ポスト・モダン・カラー展 新素材による家具で競うポスト・モダニズム」などを収録し、1980年代中期のデザイン潮流を提示している。
アイデア No.190 NTAスタジオの新作
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.190(1985年5月号)。巻頭特集「NTAスタジオの新作」では、ジョージ・ハーディ、マルコム・ハリソン、ブッシュ・ホリーヘッドらによる革新的なビジュアル表現を紹介。英国のデザイン事務所NTAスタジオの活動を通して、1980年代における新しいグラフィックの潮流を探っている。そのほか「君が踏んでいるのは、まだヒマラヤではない 葛西薫の人と仕事」坂根進、「モスクワ国際平和ポスターコンクール’84」福田繁雄などを収録し、国際的視点からデザイン表現の多様性を提示している。
アイデア No.189 第30回TDC展 アメリカン・タイポグラフィの今日的状況の展望
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.189(1985年3月号)。巻頭特集「第30回TDC展 アメリカン・タイポグラフィの今日的状況の展望」では、ドン・ウェラーやミルトン・グレイザーによるポスターをはじめ、切手、便箋、ロゴ、シンボル、マークなどを通して、1980年代アメリカのタイポグラフィとグラフィックデザインの動向を多角的に紹介している。さらに「優雅とウィット ヘンリー・ウルフ」向秀男・永井一正・細谷巌といった記事も収録し、国際的なデザイン潮流の広がりを映し出している。
アイデア No.188 第5回NAAC展
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.188(1985年1月号)。巻頭特集「第5回NAAC展」では、グランプリ受賞作〈Don’t Worry〉をはじめ、ポスター、パッケージデザイン、立体作品、タイポグラフィなど、日本の若手デザイナーによる意欲的なグラフィック表現を紹介している。さらに「イタリア・トスカーナで開催されたAGI ’84総会」五十嵐威暢、「新しい感覚に貫かれた鮮度の高い作品群 デザインニューウェーブ’84日本」永井一正といった記事も収録し、1980年代日本デザインの新しい潮流を浮かび上がらせている。
桂離宮 新装版 | 石元泰博
写真家・石元泰博による桂離宮の作品を新たに構成した新装版。1954年に撮影された写真群をもとに、桂離宮の空間と造形美をモノクロームでとらえている。光と影のコントラストが建築と庭園の細部を際立たせ、日本建築が持つ簡潔さと優美さを鮮明に示している。序文は建築家内藤廣、装幀は太田徹也が手がけ、写真とテキスト、造本が響き合いながら桂離宮の美を多角的に提示している。限定1000部刊行。
日本の伝統パッケージ | 岡秀行
アートディレクターであり、伝統的包装技術の研究者として知られる岡秀行による資料集。日本各地に伝わる伝統的な包装を収集し、素材の質感や構造に宿る美を視覚的に紹介している。紙、竹、藁、布など自然素材の特性を生かした包装の数々は、実用性と造形美を兼ね備えた日本独自のデザイン文化を示している。素材と形の関係を探る岡の審美眼を通して、伝統工芸とモダンデザインをつなぐ視点を提示している。
Shiro Tsujimura: An Art of Living
陶芸家・辻村史朗の作品集。奈良・柳生の山中にある工房と住まいを訪ね、生活と芸術が分かちがたく結びついた制作の現場を写し出している。かつて僧侶として修行を積み、その後に陶芸へと転じた辻村の哲学と美意識を、本人の言葉とともに構成。日本や朝鮮の伝統様式を踏まえながら、自由で力強い造形表現を追求してきた歩みを辿る。さらに、アクセル・ヴェルヴォールトや杉本博司らによる寄稿を収録し、辻村芸術の精神的背景を多角的に照らし出している。
自選 濱田庄司陶器集
日本の陶芸家であり人間国宝の濱田庄司による自選作品集。自らの代表作127点を原色図版で収録し、器の形や釉薬、装飾に込められた創造の軌跡をたどっている。あわせて親交のあったバーナード・リーチや梅原龍三郎らによる寄稿文も掲載し、濱田の人柄と芸術観を多面的に伝える構成。伝統と民藝の精神を基盤としながら、独自の造形世界を築いた濱田の陶芸の本質を浮かび上がらせている。
S, M, L, XL | Rem Koolhaas、Bruce Mau
北京の中国中央電視台やシアトル中央図書館などの先鋭的な設計を手掛け、「錯乱のニューヨーク」といった著作でも多大な評価を受ける建築家/レム・コールハース。コールハースと彼の設計事務所OMAの、ドローイングや写真、図面、日記、エッセイを含む20年間に及ぶ活動の記録をスケール順に編纂した作品集。ディレクションはデザイナー/ブルース・マウによるもの。セカンドエディション。 背に僅かなスレがあるほかは小口・本文ともに状態良好。
Italy: Landscapes of Contemporary Domestic Architecture 1945-2000
戦後イタリアにおける住宅建築の変遷を多角的に検証する作品集。1945年から2000年までの55年間にわたる社会的・文化的変化を背景に、建築評論家、社会学者、デザイナーらによる12本の論考と豊富な図版を収録している。戦後復興期の集合住宅から高度成長期の都市開発、現代のデザイン住宅に至るまで、建築理論や家族観、技術革新を通じて形成された「住まいの文化」の姿を探る内容。イタリア建築の人間的スケールと美学を明らかにしている。
Julius Shulman: Architecture and its Photography
アメリカの建築写真家、ジュリアス・シュルマンの60年にわたる活動を収録した作品集。カリフォルニアを中心に、世界各地の近代建築を記録した写真を多数掲載している。チャールズ&レイ・イームズ邸、リチャード・ノイトラ、フランク・ロイド・ライトらの建築を独自の構図と光の演出で捉え、建築写真の新たな表現を確立したシュルマンの代表的仕事を網羅。モダニズム建築の精神とその美学を伝えている。
伊丹潤 建築と都市 1970-2008
建築家・伊丹潤の創作を総覧する作品集。〈Duson Museum〉〈WATER MUSEUM〉〈STONE MUSEUM〉など代表作を中心に、1970年から2008年までの建築活動を豊富なカラーおよびモノクロ図版で紹介している。光や影、風など自然の要素を建築の中に取り込みながら、力強さと詩情を併せもつ独自の造形を追求した伊丹の理念を探る内容。都市と建築、自然と人間の関係をめぐる思索を通して、その建築世界の本質を浮かび上がらせている。
江戸火消錦絵集 | 東京消防庁江戸火消研究会
江戸時代の町火消を題材とした錦絵を集成した資料集。火消の装束や出動の場面、芝居絵や掛軸、火災の情景、火消たちの日常など、多彩な図版を収録している。さらに当時の防火対策や放火の刑罰、消防器具、江戸の大火の記録といった歴史資料を併載し、火消文化の全体像を多角的に紹介。解説冊子と図版一覧を付属し、江戸の都市生活における防災と美意識の関わりを明らかにしている。
2G No.78 JUNYA ISHIGAMI
スペイン発の建築雑誌『2G Magazine』第78号は、建築家・石上純也を特集。神奈川工科大学KAIT工房、ニューヨークの〈ヨウジヤマモト NYストア〉、2008年ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館など、国内外で高く評価された主要プロジェクトを豊富な図版とともに収録している。繊細な構造と透明感のある空間表現を特徴とする石上の建築思想を、多角的な視点から考察。自然、素材、時間をめぐる思索を通じて、建築の新たな可能性を提示している。
2G No.93 Studio Other Spaces: Olafur Eliasson & Sebastian Behmann
スペイン発の建築雑誌『2G Magazine』第93号は、アーティストのオラファー・エリアソンと建築家セバスチャン・ベーマンによって2014年に設立された建築事務所〈Studio Other Spaces(SOS)〉を特集している。アートと建築の境界を越え、素材の研究や光・空間の実験を通して、人と環境の関係を再考するプロジェクトを展開。カリフォルニアの〈バーティカル・パノラマ・パビリオン〉やエチオピアの〈メレス・ゼナウィ記念公園〉などの代表作を収録し、場所の記憶や社会的背景を取り込む彼らの創造的アプローチを明らかにしている。
Less Is More(Difficult): 20 Years of Design at Blu Dot
アメリカの家具ブランド、ブルードットの設立20周年を記念して刊行された写真資料集。共同創設者ジョン・クリスタコスのもと、初期の作業用ベンチのデザインから象徴的な〈ベリーグッドチェア〉に至るまで、20年間のアイデア、インスピレーション、製品を網羅している。合理性と遊び心を兼ね備えたデザイン哲学を通して、現代アメリカ家具の新しいスタンダードを築いたブルードットの軌跡を振り返る。
100 Houses: Nature and Nurture
世界各地の建築家やデザイナーによる優れた現代住宅100軒を紹介する建築資料集。自然との共生、持続可能性、地域特性への応答などをテーマに、美しさと実用性を兼ね備えた住まいのかたちを探っている。建築とインテリアの調和、素材の使い方、日常生活の快適さなど、多様な観点から現代住宅の潮流を総覧。個々の住宅に宿る思想とデザインの精度を通して、未来の住空間を考える視点を提示している。