Dieter Roth: Books + Multiples
スイスのアーティスト、ディーター・ロスの作品集。200点を超えるアーティストブック、約40点のマルティプルをはじめ、ジュエリー、映画、映像、音源、ポスターまでを網羅。オプ・アートや視覚詩の書物から始まり、オフセット印刷の実験、さらにはコピー機を用いた「コピーブック」へと展開した出版活動の全貌をたどる。チョコレートや砂糖、香辛料などを素材に用いたマルティプルも掲載し、素材と形式を自在に横断した創作の広がりが伝わってくる。
Felix Gonzalez-Torres
1980〜90年代を代表する美術家、フェリックス・ゴンザレス=トレスの活動を包括的に収録したモノグラフ。ビルボードや持ち帰り可能なキャンディ、ポスター、時計や電球といった日常的なオブジェを用いながら、公共と私的、作者性、所有、制度といった枠組みに静かに問いを投げかけてきたゴンザレス=トレス。本書では作品図版に加え、展覧会ステートメント、講演記録、書簡、批評文など多様なテキスト資料を収録し、制作の過程や作品が観客との関係のなかで変化していくあり方にも光を当てている。
David Chipperfield Architects
イギリスを代表する建築家、デイヴィッド・チッパーフィールドの活動を総覧する作品集。住宅、美術館、公共施設、教育施設など、世界各地で手がけたプロジェクトを30年にわたる軌跡として紹介する。ベルリン新博物館、ヘップワース・ウェイクフィールド、ターン・コンテンポラリーなど代表作を収録し、素材への繊細な感覚と環境への洞察に裏づけられた建築思想も詳述。
TRANSIT: The Landscapes/The Portraits 特装版
雑誌『TRANSIT』初の写真集として刊行された特装版。2019年までに発行された全44号から写真を厳選し、「人物篇」と「風景篇」の2冊に分けて収録している。世界約80カ国で出会った人びと約1000人、風景180点を通して旅の軌跡をたどる。それぞれに世界地図やデータブックを備え、人物編では歴史や文化、風景編では自然や地球環境にまつわる基礎情報を整理している。あわせて、誌面を支えてきた写真家たちの言葉も収録。限定500部発行。
Richard Long: In Kreisen Gehen
イギリスの彫刻家・美術家、リチャード・ロングによる作品集。世界各地を歩き、その行為を通して自然の中に痕跡を残し、写真・地図・言葉によって記録する独自のアプローチを展開する。砂漠に描かれた円や石で築かれた道、配置された岩など、自然と人間の関わりを示す造形が並ぶ。歩くという行為を彫刻的実践としてとらえ、時間と空間、物質と身体の関係を探る試みが貫かれている。ロングの芸術思想を凝縮した、瞑想的で詩的な一冊。
服部一成 グラフィックス
アートディレクター/グラフィックデザイナー・服部一成の仕事をまとめた作品集。キユーピーハーフの広告をはじめ、『流行通信』『真夜中』のアートディレクション、中平卓馬の写真集や荒川洋治の著作の装丁、展示ポスターなど、多岐にわたる活動を豊富なカラー図版で収録。広告とエディトリアル、書籍デザインを横断しながら築かれてきた造形の軌跡をたどる。仲條正義、林央子、蜂飼耳による寄稿も掲載。
Naoya Hatakeyama
写真家、畠山直哉のモノグラフ。建築や都市、石灰岩の採石場といった主題を軸に、きわめて厳密な視点で展開されてきた「Lime Work」「Lime Hill」「Underground」「Blasts」などの代表的なシリーズを収録している。シリーズという形式を通して一貫して築かれてきた写真の実践を、初期作から当時の新作まで丁寧に辿る一冊。
太陽と精霊の布 藍と暮らす人々
2004年に千葉市美術館ほかで開催された展覧会の図録。中国南部から東南アジア北部にかけて暮らす少数民族の染織文化に光を当て、とりわけ貴州省の山間部に居住するトン族の仕事を中心に紹介する。生葉から発酵させた藍染を基調に、織りや刺繍、プリーツ加工などを重ねた衣装は、生活の中から生まれながら高度な技と洗練を備える。ミャオ族、タイ族の作品も含む約230点を収録し、現代ファッションや日本文化との関わりにも視野を広げている。
Chanel | Harold Koda ほか
ココ・シャネルからラガーフェルドに至るまで、時代を越えて受け継がれてきたシャネルのデザインを紹介するビジュアルブック。メトロポリタン美術館で開催された展示の際に刊行されたもの。シャネル自身の生涯やアイデアがコレクションにどのように反映されたかを年代順・テーマ別に解説。また、1983年以降、カール・ラガーフェルドがアイデンティティを再構築した作品と比較することで、シャネルの持つ持続的影響力を浮き彫りにする。
村上隆の五百羅漢図展
現代美術家、村上隆の公式展示会カタログ。2015年から2016年にかけて開催された展示の際に刊行されたもの。全長約100mの超大作「五百羅漢図」をはじめ、絵画や彫刻、制作過程の資料を含む多数の作品やリサーチ資料を収録。日本美術史の伝統と現代表現を接続しながら独自の「スーパーフラット」美学を展開する村上の創造の軌跡を、多角的な視点でたどる。
Shizuko Yoshikawa
ウルム造形学校で学び、スイスを拠点に活動した抽象画家・吉川静子の初の本格的作品集。戦後のモダニズムを牽引した「構成的・具体派」の第二世代として活躍し、スイス・デザインの巨匠ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンとともに理知と詩情のあいだに独自の表現を築いた。ヨーロッパ近代美術の合理性と、禅の精神に通じる静謐な感性を融合させた絵画作品を豊富な図版で紹介。美術史家ガブリエレ・シャード、ヨシモト・ミドリによる論考を収録し、東西の美意識を往還したその創作の軌跡を丁寧に辿っている。
Peter Kogler
オーストリア出身の現代アーティスト、ペーター・コグラーによる作品集。オーストリアのブレゲンツ美術館で開催された展示に際して発行されたもの。1986年から2000年にかけて制作された代表的作品を収録する。空間全体を覆う反復モチーフやデジタル生成によるイメージを用いた作品群を中心に、公共空間やスケートボードパーク、展示会場での大規模インスタレーションの記録図版を多数掲載。ペーター・コグラーの空間表現の展開を体系的に辿る。
Archaeology of the Future 田根剛建築作品集 未来の記憶
2018年に東京オペラシティアートギャラリーおよびTOTOギャラリー・間で開催された展覧会にあわせて刊行された、建築家・田根剛の初作品集。パリを拠点に活動する田根が掲げる「Archaeology of the Future(未来の記憶)」という思想のもと、エストニア国立博物館、新国立競技場案古墳スタジアム、A House for Oiso、10 kyotoなど主要17プロジェクトを収録する。各作品を「concepts」「images」「drawings」の三章構成で読み解き、リサーチから構想、空間化に至るまでのプロセスを丁寧に追う。
FENDI UN ART AUTRE フェンディ もうひとつのアート、クリエイションとイノベーションの軌跡
2013年に東京藝術大学大学美術館で開催された展覧会にあわせて刊行されたカタログ。フェンディ創業以来受け継がれてきたアーツ&クラフツの精神を軸に、ブランドの創造性と技術の歩みを紹介する。1960年代から現代に至るまでのコレクションや素材開発、スタイルの変遷を、ルックやスケッチなど豊富な資料とともに収録。スケッチブック形式の小冊子付属。
MARNI Men’s Exhibition Catalogue
イタリアのファッションブランド、マルニによる2013-14年秋冬メンズコレクションのカタログ。1970年代の空気感を背景に、「慣習と反逆」「古典主義と破壊」といった相反するテーマを織り込みながら構築されたルックを収録する。オックスフォードシャツやダッフルコート、スリムスーツなど、タイムレスなアイテムを軸に、抑制の効いたクラシシズムのムードを展開。アートディレクションはディーン・ラングレイ、写真はクレア・シーランドが担当。限定2000部発行。
うたたね | 川内倫子
写真家・川内倫子による初期作品集。鯉や雲、カラス、カーテン、目玉焼き、蟻や蝶など、身の回りの断片をすくい取った写真がフルカラーで収められている。寄り添って飛ぶ蝶、降り出す雨、水面のきらめき、蜜蜂の死骸。何気ない光景のなかに、生と死、やさしさと怖れが同時に宿る。日常の気配を丹念に見つめることで、世界の手触りをあらためて感じさせる写真集。
GA No.7 ル・コルビュジエ:ロンシャンの礼拝堂 1950-54
20世紀を代表する世界中の建築作品を紹介する『GA グローバル・アーキテクチュア』第7号。20世紀モダニズムを代表する建築家ル・コルビュジエが手がけたロンシャンの礼拝堂を紹介。カラー・モノクロによる大判の図版と併せて解説を収録。写真は二川幸夫、装丁は細谷巖が、テキストは吉阪隆正が担当している。
GA No.6 イーロ・サーリネン:ベル研究所/ディア・カンパニー
20世紀を代表する世界中の建築作品を紹介する『GA グローバル・アーキテクチュア』第6号。フィンランドのモダニズムの原点を築いた建築家エーロ・サーリネンが手がけたベル研究所とディア・カンパニーを紹介。カラー・モノクロによる大判の図版と併せて解説を収録。写真は二川幸夫、装丁は細谷巖が、テキストはーザー・ペリが担当している。
GA No.5 ルイス・カーン:リチャーズ・メディカル・リサーチ・ビル/ソーク研究所
20世紀を代表する世界中の建築作品を紹介する『GA グローバル・アーキテクチュア』第5号。20世紀を代表する都市計画家のひとり、ルイス・カーンによるリチャーズ・メディカル・リサーチ・ビル、ソーク研究所を紹介。カラー・モノクロによる大判の図版と併せて解説を収録。写真は二川幸夫、装丁は細谷巖が、テキストは槇文彦が担当している。
クリエイション 21号 亀倉雄策追悼特別号
亀倉雄策が編集長・アートディレクターを務めた全20号のデザイン誌「クリエイション」。本巻は亀倉雄策の追悼特別号として発行された第21号。亀倉雄策によるポスター作品、ロゴ、装幀、パッケージデザインなど代表作を編纂して紹介。ルウ・ドーフスマン、オルガー・マチス、永井一正、田中一光、細谷巖、福田繁雄、土屋耕一ほか豪華な執筆陣による寄稿も併せて掲載。
Retro Fonts 1830-1990 世界のレトロフォント大事典
19世紀から20世紀にかけての芸術運動やカルチャームーブメントを軸に編まれた書体見本帳。1920年代の『VOGUE』誌、ナチス期のプロパガンダ、ヤン・チヒョルトやネヴィル・ブロディのタイポグラフィ、さらにはマドンナのジャケットデザインまで、各時代を象徴するヴィジュアルを手がかりにレトロフォントを紹介。560ページにおよぶボリュームで、歴史的背景とともに書体の特徴や造形をたどる。付属CD-ROMには本書と連動した222書体のフリーフォントを収録。
Kiki Smith
ドイツ・ニュルンベルク生まれのアメリカ人アーティスト、キキ・スミスの作品集。1992年から1993年にかけて開催された展覧会に際して刊行されたもの。人体や内臓、血液、再生といったモチーフを通して、生命の循環や存在の脆さに向き合うスミスの表現を、彫刻、版画、オブジェなど多様な作品図版とともに収録する。キュレーター、クラウディア・グールドとの対話や寄稿テキストも掲載。
Seasonal Abandonment of Imaginary Worlds | Carine Thevenau
オーストラリア・シドニーを拠点とする写真家カリーヌ・テベノーの作品集。日本の地方都市で撮影された老朽化の進む遊具を被写体とし、雪景色の中にたたずむ遊び場を通じて「間」の概念を探求している。時間や空間の空白を表すこの思想を、写真は静寂や緊張感として映し出しており、廃墟化する遊具の存在が一層の詩的解釈を導いている。遊びの痕跡と忘却の風景を重ね合わせ、視覚的に「間」を提示している。
Spessi: Bensin | Dominique Nahas ほか
1999年にレイキャビク美術館で開催された展覧会にあわせて刊行されたカタログ。タイトルの「Bensin」はアイスランド語で「ガソリン」を意味し、アイスランドの写真家スペッシが国内各地のガソリンスタンドを撮影したシリーズを収録する。広大な原野や海辺、山間部を背景に佇む無人のスタンド約90点を掲載。機能的な建築物と厳しい自然環境との対比を通して、アイスランドの風土と現代的インフラの関係をユニークに描き出している。
BREATH | 池谷友秀
写真家・池谷友秀による作品集。水という制御不能な存在を媒介に、人間の「生」と「死」の境界へと迫るシリーズを収録している。水中に生まれる気泡や揺らぎを通して、ふだん意識されることの少ない「呼吸」という生命のリズムに焦点を当てる。閉ざされた水の空間で、自由と束縛、美と本能が交差する瞬間が切り取られ、身体と水、光と影の関係が緊張感を帯びて展開する。生命の根源的な力と儚さを、視覚的な体験として結晶させた一冊。500部限定刊行。
芹沢本書影聚 | 芹沢銈介
型絵染の人間国宝・芹沢銈介が手がけた装丁作品をまとめた私家版作品集。芹沢自らの題字と装丁による本書は、民藝の思想に根ざした温かみのある意匠と、落ち着いた色彩感覚が際立つ。和紙や布、染色など素材への深い理解に支えられた造本の美が随所に見られる。書物を芸術として捉えた芹沢の造形理念と美意識を感じられる1冊。
Idea Archive 02 ミルトン・グレイサー
1968年刊行の『アイデア』別冊を復刻したミルトン・グレイサー特集。60〜70年代のアメリカを代表するグラフィックデザイナー/イラストレーターであるグレイサーのポスター、ブックデザイン、エディトリアルワークなどを多彩な図版で収め、当時の表現をそのままの空気感で味わえる構成となっている。評論には田中一光、原弘、粟津潔によるテキストを収録し、国際的なデザイン交流の広がりを感じさせる視点が加えられている。また、美術構成とレイアウトを横尾忠則が手がけており、当時の日本デザイン界とアメリカの潮流が交差する稀有な一冊となっている。
岡本一宣の東京デザイン
アートディレクター、グラフィックデザイナーとして活動する岡本一宣の仕事を紹介する作品集。『ひととき』『Spiritus』『FRaU』などの雑誌デザインをはじめ、装丁、ポスター、ロゴといった多岐にわたる制作物を収録している。洗練された構成力と静謐な色彩感覚を特徴とし、東京を拠点に積み重ねてきたデザインの軌跡を通して、岡本の思考と造形の核心を浮かび上がらせている。
イラストレーター 安西水丸
書籍の装丁やポスター、絵本、漫画、文章など幅広い分野で活躍したイラストレーター、安西水丸の作品集。1970年代以降、軽やかで無駄のない線と、ユーモアをたたえた画面で多くの仕事を手がけた安西水丸。その歩みを、幼少期から晩年まで4章構成でたどる。あわせて、親交の深かった嵐山光三郎、村上春樹、和田誠との仕事も紹介し、創作と人との関わりを丁寧に伝えている。
The Circle | 菅野ぱんだ
写真家・菅野ぱんだによる作品集。動物は好きだが、動物園という場に抱く違和感を出発点に制作されたシリーズを収録。少女を見つめるハシビロコウ、氷を模した穴からのぞくアザラシなど、画面には柵や檻が入り込み、見る/見られるという関係が浮かび上がる。タイトルはサマセット・モームの戯曲『The Circle』に由来。
メイド・イン・ジャパン 南部鉄器 | 佐々木繁美
2014年に開催された展示会「メイド・イン・ジャパン 南部鉄器 伝統から現代まで、400年の歴史」の図録。約400年間もの間、時代の荒波を乗り越えながら研鑽を積んできた岩手の伝統工芸であり、現在は国内外ともにさらに人気が高まりつつある南部鉄器約80点を、豊富な図版とともに紹介。堀井和子による寄稿文「北東北のテーブルコーディネイト」なども掲載。
三谷龍二の木の器
木工作家・三谷龍二による作品集。パン皿、バターケース、プレート、カッティングボード、楊枝など、シンプルで美しい造形の木の器を収録。器そのものだけでなく、修理や手入れに関する記録、さらに仕事場の様子も掲載され、制作過程や日常の実践に触れることができる。造形としての洗練と生活に根ざした機能性を併せ持つ三谷の仕事を紹介。
岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟
東京都庭園美術館で開催された都内初となる大回顧展「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」の公式カタログ。コラージュ作家・岡上淑子が1950年代のわずか7年間に制作した、代表作約100点を収録。瀧口修造からの書簡、自身の詩作などの資料も掲載しながら、シュルレアリストとの交流、文学との親和性などにも迫る。
Remain in Naoshima | 秋元雄史、江原久美子
1987年に始動した直島文化村構想の歩みを記録したプロジェクトアーカイブ。建築家・安藤忠雄や美術家・杉本博司、さらにジャスパー・ジョーンズら国内外の作家が参加し、建築と美術が交差する場として展開してきた直島の軌跡を辿る。豊富なカラー図版と資料を通して、島という固有の環境と結びつきながら形成されてきた創造のプロセスを丁寧に収録。アートプロジェクトが地域とどのように関係を結び、時間をかけて場を更新してきたのかを具体的に読み解くことができる。
hi mi tsu ki chi ヒミツキチ | 西宮大策
写真家・西宮大策が2006年から2008年にかけて東京近郊で撮影した、子どもたちの「秘密基地」を収めた作品集。兄弟が藪の中に築いた隠れ家や、女の子たちが花で飾った小さな空間など、取材を重ねて探し当てた20か所のうち13か所を紹介している。誰にも知られずに作られた遊び場には、子どもたちの創意と自由な発想、そして大人の目からこぼれ落ちる小さな物語が息づいている。
シーモア・クワスト&ミルトン・グレーサー
「宇宙をデザインする男」ミルトン・グレイサー、そして「万華鏡の目をもつ男」シーモア・クワスト両名のグラフィック・イラストレーションを編纂した作品集。300点余りの作品をカラーとモノクロで収録。田中一光、灘本唯人、大林宣彦、松永真など多数のデザイナー・クリエイターが寄せた短文も併せて掲載。
アイデア No.340 グラフィックデザインの実践 世界の現場から
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.340(2010年5月号)は、世界のグラフィックデザインの実践を特集。海外のデザインカンパニーによる多彩な仕事を豊富なカラー図版で紹介し、現場に根ざした制作の姿勢を伝えている。後半には早川良雄、粟津潔の追悼企画や、間村俊一のインタビューを収録。
アイデア No.316 グラフィックデザインはいかにして可能か
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.316(2006年5月号)は、「グラフィックデザインはいかにして可能か」を特集。ロンドン、ニューヨーク、パリ、アムステルダム、ベルリン、チューリッヒなど、世界各都市で活動する100組のデザイナーによる最新のプロジェクトを紹介している。テクノロジーの進展とともに拡張するデザインの領域を視覚的に提示し、コミュニケーションの不確定性に応答する新たな表現の可能性を探る。
Richard Serra Sculpture: Forty Years
アメリカの彫刻家、リチャード・セラの活動40年を総覧する大規模作品集。ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された回顧展にあわせて刊行されたもの。1960年代半ばの登場以来、彫刻の概念そのものを拡張してきたセラの仕事を、ゴム、ネオン、鉛などを用いた初期の実験から、空間や環境と強く結びついた巨大なスチール作品まで、豊富な図版とともに丁寧にたどる。
Dior by Avedon
1940年代から1970年代にかけて撮影された、リチャード・アヴェドンによるディオールのファッション写真を集成した作品集。1947年のメゾン創設直後から続いたアヴェドンとディオールの協働を軸に、オートクチュールの変遷と時代の空気を写し出している。本書には未発表作を含む約150点の写真を収録。華やかなドレスに身を包んだモデルやセレブリティたちの姿を通して、優雅さ、緊張感、ユーモアが同時に立ち上がるアヴェドンならではの表現が展開される。
谷口吉郎建築作品集
日本を代表する建築家、谷口吉郎が1932年から1979年にかけて手がけた建築を収録した作品集。竣工当時のモノクロ写真(内観・外観)や平面図を中心に、現存作だけでなく失われた建築も網羅する。端正な空間構成と造形感覚を通して、谷口の建築思想と仕事の全体像をたどることができる。序文は村野藤吾が寄せている。
ハルとミナ | 濱田英明
写真家、濱田英明の作品集。濱田英明の2人の子どもたちの、「何でもない日々を生きる、ありのままの彼らの姿」を写した一冊。電車から見える外の風景に夢中な姿、夏のビニールプール、ランドセルから取り出した宿題、草原を走る姿、寄り添う兄弟の背中。誰もがもつ子どもの頃の記憶や思い出、経験を呼び起こされる、そんな一瞬一瞬が収められている。
INDEX | Christian Marclay
音やイメージのサンプリング、コラージュを軸に制作を行うクリスチャン・マークレーが、思考のスケッチとして用いてきた白黒のゼロックス作品(コピー機で複写した画像を作品や制作の素材として使う表現)をまとめた一冊。ノートに走り書きするような感覚で生み出された断片的なイメージは、完成作へと向かう試行錯誤の過程そのもの。偶然やズレを積極的に受け入れながら、発見されたイメージを媒介に思考を進めるマークレーの制作態度を体感できる1冊。
Gregor Schneider
ドイツの現代美術家グレゴール・シュナイダーの活動をまとめたモノグラフ。思春期から制作を始め、「つくること」を思考と不可分な行為として捉えてきた作家の初期からの歩みをたどっている。1985年から1994年にかけて自宅で制作されたインスタレーションでは、部屋の中に部屋を重ね、行き止まりの扉や閉ざされた空間を生み出すことで、生活と制作の境界を曖昧にしていった。住まうこととつくることが重なり合う極端な状況のなかで、人の心理や空間への感覚に向けられたシュナイダーの視線が伝わってくる。