Performance | Richard Avedon
アメリカの写真家リチャード・アヴェドンによるポートレート作品集。ファッションやアートの分野で活躍したアヴェドンが、俳優、モデル、ダンサー、さらにはストリートパフォーマーまで、多彩な被写体を撮影している。舞台上や日常の一瞬をとらえた写真には、生き生きとした表情や身体の動きが刻まれており、人物の個性とエネルギーを鮮やかに映し出すとともに、芸術性と記録性を兼ね備えたポートレートの魅力を提示している。
瀧本幹也作品集 CROSSOVER
写真家、瀧本幹也の作品集。広告、エディトリアル、映画といった領域を横断しながら展開してきた、約20年に及ぶ活動を総覧している。代表的な個人作品のシリーズに加え、キューピーマヨネーズやサントリー、ダイワハウスなどの広告写真、さらには長編映画の撮影まで、多様な仕事を一冊に収録。500ページを超える大判構成の中で、個人表現と商業的プロジェクトが交差しながら形成されてきた写真の軌跡が浮かび上がる。メディアや用途の違いを越えて一貫する視線と構築力が、瀧本幹也の表現の広がりと写真の可能性を伝えている。
Collection agnes b.
2008年、ベルリンの写真美術館C/Oベルリンで開催された展覧会にあわせて刊行された一冊。フランスのファッションデザイナー、アニエス・ベーが収集してきた美術コレクションを紹介する。ブラッサイ、ウィリアム・エグルストン、ジャン=ミシェル・バスキア、アレクサンダー・カルダー、ロバート・フランクなど、写真や現代美術の分野で活躍する多彩な作家の作品を収録。
In Almost Every Picture 10 Pig | Erik Kessels
屋根裏やフリーマーケットで見過ごされてきた写真を再評価することを目的としたファウンド・フォトグラフィーシリーズ『In Almost Every Picture』第10作目。編集者エリック・ケッセルスとミシェル・カンポーが集めたのは、モントリオールのレストラン「Au Lutin Qui Bouffe」で撮影された、客にミルクを与えられる子豚の写真の数々。シリーズは1938年に始まり、35年以上にわたり地元写真家ジャン=ポール・キュリエによって撮影され、単なる記録写真を超えて、文化や日常の奇妙さ、そして人々の遊び心を浮かび上がらせる。
Werd | Marco Zedler
写真家マルコ・ツェドラーによる作品集。3カ月にわたりスイス・ヴェルト島を訪れ、修道院とその周囲の風景、修道士たちの日常を撮影したもの。白いフィルターを通したような霧に包まれた湖、水鳥の群れ、静かに佇む修道院、生活用品や家族写真が飾られた部屋など、細やかな視点で切り取られた情景を収録。物語の一場面のような静謐さと、そこに流れる時間の感触を伝える構成となっている。
Que vois-tu ? | Tana Hoban
アメリカの写真家、タナ・ホーバンによる写真絵本。ページ中央には四角い穴が開けられており、一部だけが見える仕組みになっている。読み手はその部分を手がかりに「これは何だろう?」と想像し、次のページをめくると全体像が現れ、答えを確認できる。ホーバンは日常の身の回りや自然界に存在するさまざまな模様や形のものをシンプルかつ鮮明に撮影し、子どもが自ら発見する喜びを体験できるようにデザインしている。
ジュリアン・オピー
2019年に東京オペラシティアートギャラリーで開催された、イギリスの現代アーティスト、ジュリアン・オピーの展覧会にあわせて刊行された図録。絵画、立体、映像作品など、多様なメディアによる新作を中心に構成し、簡潔な線と色彩によって人や風景を描き出すオピーの現在を紹介する。オピー自身のテキストやキュレーターによる論考を通して、現代社会における視覚表現のあり方を読み解いていく。
大地の建築 アンサンブル・スタジオ
スペインとアメリカを拠点に活動する建築ユニット、アンサンブル・スタジオの作品集。スタジオのリサーチ、設計、建設プロセスを豊富な図版と写真で紹介する。地形や素材、環境と響きあう建築を探求する彼らの思考と実践を、スペイン著作権協会本部やモンタナ州のランドスケープ構造体など代表作を通して俯瞰できる内容。建築家・西沢立衛による寄稿も収録され、多角的な視点から大地と建築の関係性を考察する。
UK 77 Digging My Way to London | 大竹伸朗
現代美術家・大竹伸朗による作品集。1977年、アルバイトで貯めた資金をもとに1年間滞在したイギリスでの記録を、「出納帳」のようにまとめている。滞在中に撮影した写真やスケッチのほか、郵便物、ガムの包み紙、雑誌の切り抜き、ラベル、レシートなどを収録。日常の断片を丹念に集めながら、若き日の感性の軌跡を記録した1冊。
17 18 19 | Thomas Sauvin
フランス出身の写真コレクター、編集者として知られるトーマス・ソーヴィンの作品集。トーマス・ソーヴィンが約10年間保管していた、北京郊外のリサイクル工場で発見された白黒ネガフィルム。1991年から1993年にかけて北京の拘置所で撮影されたもの。詳細な説明はなく、写真の背景や登場人物は見るものに委ねられている。黒い紙にメタリックシルバーのインクで印刷された特徴的なデザイン。
loaded | 久保憲司
写真家、久保憲司による作品集。1980〜90年代のロック、ニューウェーブ、ブリットポップなど、多様な音楽シーンを捉えた記録写真を収録している。単身イギリスに渡り、音楽雑誌やライブハウスでの撮影を重ねてきた著者が、ミュージシャンのポートレートやライブ、スタジオでの一瞬を臨場感豊かに写し取る。現場の熱気や時代の空気をそのまま封じ込めた写真群は、音楽文化の記憶を伝える貴重なアーカイブとしての側面も備えている。
TAKE 8 IVY | テイク・エイト・アイビー
写真家・林田昭慶が20年以上にわたり撮影してきた、アメリカ東部の名門8大学の学生たちの姿とキャンパスの風景をまとめた写真集。1960〜70年代に日本で広く受容された「アイビー・スタイル」の源流を、服装や佇まい、日常の所作を通して丹念に記録している。約5,000枚に及ぶアーカイブから厳選された写真はすべてカラーで構成され、時代や流行を越えて共有されてきた価値観や美意識を映し出している。
Obstinacy of Things: Still Life in Photographic Concepts of the Present
2018年にオーストリアのクンストハウス・ウィーンで開催された展覧会にあわせて刊行された作品集。モイラ・デイヴィー、タシタ・ディーン、ハルン・ファロッキ、ジェームズ・ウェリング、クリストファー・ウィリアムズら、26名の現代アーティストによる「静物」を主題とした写真表現を紹介している。伝統的な静物画の系譜を踏まえつつ、物とイメージ、時間や記憶、流通や制度といった現代社会の文脈との関係を、各作家の実践を通して読み解く。
Life Doesn’t Frighten Me | Jean Michel Basquiat
詩人マヤ・アンジェロウの勇敢で力強い詩に、画家ジャン=ミシェル・バスキアによるアートワークを組み合わせた絵本。「人生は私を怖がらせない(Life doesn’t frighten me)」という繰り返される言葉は、恐れや不安に立ち向かう強さを、子どもにも大人にもまっすぐに伝える。バスキアの大胆で子どものようなタッチの絵は、幼少期特有の激しい感情や豊かな空想世界を鮮やかに可視化し、言葉のリズムと力強く響き合う。勇気と自己肯定、そして恐れない心を讃える、あらゆる年齢の読者に向けた一冊。
Snow | 草彅裕
写真家、草彅裕の作品集。豪雪地帯として知られる秋田県・大曲(現・大仙市)のランドスケープを、モノクロームで静かに収録している。降り積もる雪に覆われ、街の輪郭が次第に失われていくなかで、風景は自然と溶け合い、時間の感覚さえも曖昧になっていく。幼少期に街灯に照らされた雪の輝きへ抱いた記憶を起点に、星のような雪片と写真の粒子が重ね合わされ、宇宙的な広がりを帯びたイメージが展開されている。装丁は中島英樹が担当。
Art School: Richard Bevan, Tamsin Clark & Sophia Phoca
2015年に評論家で研究者のソフィア・フォカがカンタベリーのクリエイティブ・アート大学のファインアートコースのために制作したもの。4つ折りになったA3用紙それぞれに、これからデザインを学ぶ学生たちに送る言葉のテキストなどが写真などのコラージュとともに掲載された、デザインとしてもユニークな出版物。
漢聲雑誌 63・64期 中国民間肖像画
毎号異なる主題で中国文化を掘り下げてきた雑誌「漢聲(ハンシェン)」の第63・64期にあたる特集号。祖先崇拝や祭祀、記念のために民間で描かれてきた肖像画に焦点を当て、その成り立ちや社会的役割を多角的に紹介。無名の肖像画家たちの仕事に注目し、制作の工程や使用される技法、画面構成の特徴を豊富な図版と解説で辿る構成。写実性と象徴性が交錯する表現から、中国の民間美術に息づく価値観や精神性をグラフィカルに伝えている。
漢聲雑誌 戯齣年画
毎号異なる主題で中国文化を掘り下げてきた雑誌「漢聲(ハンシェン)」の中でも、中国戯曲の世界に焦点を当てた特集号。物語の名場面や登場人物を色鮮やかに描いた戯齣年画を多数収録し、その成立背景や図像の意味、演目との関係を丁寧な解説とともに紹介している。民間信仰や娯楽、祝祭文化と密接に結びついた年画の視覚表現から、中国の演劇文化がどのように人々の生活に浸透してきたのかが浮かび上がる構成。図版とテキストが有機的に組み合わされ、資料性と編集美の双方を備えた上下巻セット。
紹鴎 利休 織部の茶
徳川美術館が所蔵する尾張徳川家ゆかりの茶道具を中心に、「侘茶」の展開を辿る資料集。1997年に根津美術館で開催された展覧会にあわせて刊行され、村田珠光にはじまり、千利休、古田織部へと連なる茶の系譜を、具体的な作品とともに紹介している。茶碗、茶入、釜、水指などの名品を、カラー図版および一部モノクロ図版で収録し、それぞれの造形や用法、背景となる思想を丁寧に解説。
北川民次 メキシコから日本へ
2024年から2025年にかけて世田谷美術館ほか全国各地で開催された展覧会の図録。メキシコで学び、帰国後は絵本や壁画、教育など様々な領域で活動した画家、北川民次。本書は北川による油彩、水彩、素描、版画などとともに、1920年〜1930年代メキシコの芸術動向に関する資料、当時交流した芸術家たちの作品を通して、北川の創造の軌跡をたどる一冊。
Instant Light: Tarkovsky Polaroids
夢のように幻想的な撮影スタイルで知られる映画監督、アンドレイ・タルコフスキーの写真集。タルコフスキーが1979年から1984年にかけてポラロイドカメラで撮影した写真をまとめたもので、前半は祖国であるロシア、後半はイタリアで撮影された写真で構成された一冊。タルコフスキーの家族や愛犬、街の眺め、友人たちの姿が淡い記憶のように収められている。
サイ・トゥオンブリーの写真 変奏のリリシズム
2016年にDIC川村記念美術館で開催された展示の図録。アメリカ抽象表現主義の第2世代を代表する芸術家、サイ・トゥオンブリーが1951年から2011年に亡くなるまで撮り続けた写真約100点を収録。机に積まれた書物、アトリエの一角、果物や花、海辺の風景など、被写体は日々の生活のなかにある身近なものばかり。やわらかな光に包まれた写真は、現実を写しながらもどこか記憶や詩情を呼び起こす佇まいを見せる。巻末には絵画、彫刻、ドローイング、版画もあわせて掲載され、写真と他の制作との響き合いから、トゥオンブリーの表現世界を多角的にたどることができる。
アレン・ギンズバーグ・イン・東京 訳詩集
アメリカの詩人であり活動家、アレン・ギンズバーグの訳詩集。1988年、砂防会館ホールで行われたギンズバーグと白石かずこによる公開ポエトリー・リーディングで朗読された詩を中心に収録。ビート詩人としての声と、その場の熱気を伝える内容となっている。
マーク・ロスコ
抽象表現主義を代表する画家マーク・ロスコの晩年に焦点をあて、その仕事の全貌を多角的に紹介する作品集。2009年に川村記念美術館で開催された展覧会に合わせて刊行されたもので、1949〜1969年に制作された作品図版を収録し、色面が重なり合うロスコ独自の絵画空間の深化を丁寧にたどる構成。貴重な「シーグラム壁画」シリーズをはじめ、生前のロスコを知る評論家へのインタビュー、テート修復部による壁画の化学分析、国内外研究者による論文・評伝など、多彩なテキストが収録され、ロスコの思想的背景や制作工程を一望できる1冊。
亀倉雄策のデザイン 新装版
日本を代表するグラフィックデザイナー、亀倉雄策の仕事を集成した作品集。新装版。東京オリンピックのポスターやNikonの広告、パッケージデザインをはじめ、ロゴタイプや装丁まで、多岐にわたる代表作を豊富な図版で紹介している。本人による解説テキストを通して、その明快で力強いデザイン哲学にも触れることができる。巻頭には建築家・丹下健三による賛辞を収録し、編集には永井一正、田中一光ら同時代のデザイナーが参加。戦後日本のデザイン新時代を切り拓いた亀倉雄策の足跡をあらためて辿る。
The British Underground Press of the Sixties: A Catalogue | James Birch、Barry Miles
1960年代イギリスのアンダーグラウンド・プレスを網羅した展覧会カタログ。1966年にバリー・マイルズとジョン “ホッピー” ホプキンズが創刊した『International Times』を起点に、『Oz』『Frendz』『Gandalf’s Garden』『Black Dwarf』『Ink』など、同時代の主要紙すべての表紙を収録している。新聞から派生したコミックをはじめ、各媒体が生み出したグラフィック、広告、ポスター、フライヤー類も多数掲載。カウンターカルチャーが切り拓いたメディア表現の革新と、その視覚的エネルギーを一望できる資料集。
新装版 Advertising is: Takuya Onuki Advertising Works 1980-2010 | 大貫卓也
日本を代表するアートディレクター、大貫卓也の仕事を集成した作品集。2017年刊行の『Advertising is』に100ページ以上を増補した新装版。ややコンパクトなサイズに再構成しつつ、1980年代から2010年までの主要な広告表現に加え、2011年以降の仕事を網羅している。日清カップヌードル「hungry?」、資生堂「TSUBAKI」、ラフォーレ原宿など、時代を象徴する数々の仕事を豊富な図版と本人による書き下ろしテキストで紹介。
Gathered Leaves Annotated | Alec Soth
写真家アレック・ソスの代表作5冊を、注釈付きで1冊に再構成したアンソロジー。2015年に刊行されたボックスセット『Gathered Leaves』をもとに、『Sleeping by the Mississippi』『Niagara』『Broken Manual』『Songbook』『A Pound of Pictures』の全見開きを、700ページを超えるボリュームで完全収録。各ページにはソス自身による注釈やテキスト、追加図版が加えられ、作品の背景や思考の流れをたどる構成。新たな序文も収録され、ソスの写真世界を読み解くためのガイドとしても位置づけられている。
Works on Paper | Mark Fry
ミュージシャンで画家のマーク・フライによる作品集。1992年から2010年にかけて制作された、具象と抽象の狭間を行き交うような絵画34点を収録。1980年代に世界各地を旅したことが絵画制作におけるインスピレーションの源となったというフライの作品には旅の痕跡が色濃く表れている。シンプルな線に独特な質感、叙情的でありながら躍動感も持ち合わせた、フライ独自の世界を堪能できる一冊。200部限定刊行。
The Arabian Monument | Oliver Hartung
ベルリン/ライプツィヒを拠点に活動する写真家、オリヴァー・ハルトゥングによる、中東を主題とした長期プロジェクトの第一弾となる写真集。2007年から2011年にかけて、シリア、イラン、レバノン、ヨルダン、エジプト、トルコ、モロッコを巡り、モニュメントや看板、拾得物、半都市的な建築や風景を撮影している。報道や固定観念によって形づくられた中東像を問い直す視点から、日常の中にある記号や構造物に静かにカメラを向ける。「アラブの春」以前の都市の風景も収録されており、すでに失われた風景を記録する歴史的資料としての側面も持つ。
Wolfgang Tillmans
ドイツ出身の写真家、ヴォルフガング・ティルマンスの初期作品集。i-Dマガジンに掲載されたスナップをはじめ、1980〜90年代に制作された写真を中心に収録している。スナップショット、抽象的イメージ、大判インクジェットプリント、雑誌ページの引用などを自在に組み合わせ、日常と親密さ、身体性と視覚実験が交錯する独自のリアリズムを提示。美術館やギャラリーだけでなく、ファッションや音楽メディアとも接続するティルマンスの表現の広がりと初期衝動を伝える一冊。
Eldorado | Ruth Van Beek
オランダ出身のアーティスト、ルース・ファン・ビークの作品集。1950〜70年代の専門書や雑誌から見つけた写真素材を用い、切り貼りや折り込み、水彩で彩った紙片を加えながら構成されたコラージュ作品を収録している。盆栽やサボテンの手入れ、日本の生け花といった一見素朴なモチーフは、再構成によって正体不明でどこか意味ありげなイメージへと変容する。写真が本来もつ「重要そうに見せる力」を巧みにずらし、奇妙さとユーモア、不穏さが同居する視覚的連関を生み出した一冊。
オモムロニ | 泊昭雄
広告写真やアートフォトで知られる写真家、泊昭雄による作品集。2002年に自身が設立したギャラリー「WALL」から刊行され、モンゴルを旅して撮影した風景写真を中心に構成されている。広大な大地や果てしない空、都市と自然のあわいに漂う静かな時間。移ろいゆく光や空気感をすくい取るように、土地に流れるリズムを写真に定着させている。厚手の紙に丁寧に印刷されたページは絵本のような佇まいをもち、穏やかで柔らかな色調が、旅の記憶と風景の余韻を静かに伝える。アートディレクションは副田高行。
131 Variations | Fleur van Dodewaard
オランダのアーティスト、フルール・ファン・ドーデワールトによる作品集。ソル・ルウィットの代表作「Incomplete Open Cubes」に着想を得て、その「121のヴァリエーション」を忠実に再現しようとする試みから始まったプロジェクトである。しかし制作の過程で、欠落や重複、未知の形態が次々と現れ、ルウィットの体系が決して完全ではなかったことが浮かび上がる。システムや反復、作者性をめぐる問いを、批評性とユーモアを交えて表現している。
POLAROIDS | Romain Laprade
フランスのフォトグラファー、ロマン・ラプラードの作品集。2021年にパリにあるギャラリー、イヴォン・ランベールで開催された展覧会に伴い刊行されたもの。2020年春のロックダウン期、ラプラードは自宅周辺の通りをポラロイドカメラで撮影し、夏にはフランス各地やイタリアを旅しながらイメージを積み重ねた。写真は2枚組、3枚組でまとめられており、印刷には実際のポラロイドフィルムに限りなく近い質感が追求され、あたかも本の上にポラロイド写真が一枚一枚貼り付けられているかのような造本となっている1200部限定刊行。
Return to Sender | Katrin Bechtler
チューリッヒを拠点に活動するアーティスト、カトリン・ベヒトラーによる写真集。1994年以降、世界各地のトイレや「静かな場所」を撮影し続けてきた長期的なプロジェクトから構成されている。誰もが日常的に訪れながら、ほとんど意識を向けることのない空間にカメラを向け、その匿名性や構造、美意識の差異を静かに浮かび上がらせる。全96ページにわたる写真は、機能性に還元されがちな場所を、観察と記録の対象として再提示するもの。
ウィーン・ニューヨーク・新潟 限定版 | 田中長徳
日本の写真家、田中長徳の作品集。1991年に新潟県民会館展示ホールで開催された展覧会に合わせて刊行されたもので、1973年から1991年にかけてウィーン、ニューヨーク、そして新潟の3つの都市で撮影された150点の作品を収録。1970年代から欧米各地で活躍し、ストリートスナップや都市の光景を丁寧に記録してきた田中による、独自の視点で切り取られた街並みや日常の表情がモノクロで展開されている。オリジナルプリント3点を含む豪華装の50部限定刊行。
祖父江慎+コズフィッシュ
日本を代表するブックデザイナー、祖父江慎の仕事を体系的にまとめた作品集。手がけた装幀・デザインを「コミックス」「読み物」「ビジュアル」「コズフィッシュ以前」の4章に分類し、詳細な解説とともに収録している。さらに、デザイン事務所コズフィッシュ設立以前から2016年までの全仕事を網羅したブックリストを掲載。独創的な発想と遊び心に満ちた祖父江のデザイン哲学を多角的に読み解くことができる。著者自装。
Type Cosmique 2冊揃 ケース入
組版工学研究会が編集した欧文書体の見本帳、第1巻と第2巻の揃いセット。第1巻では文字の始点・終点部分に飾りを持つセリフ体を収録し、第2巻では装飾を持たないサンセリフ体を多数紹介している。各フォントの特徴を示す見本に加え、デジタルフォントの変遷についても解説が加えられており、タイポグラフィ研究や実務に役立つ資料性の高い内容となっている。
Mapplethorpe
アメリカの写真家、ロバート・メイプルソープの作品集。未発表の初期ポラロイドから、友人たちのポートレート、そして広く知られる代表作まで、写真家としての歩みを網羅的にたどる構成。ポートレート、ヌード、セルフポートレート、花の静物など、研ぎ澄まされたモノクローム表現による主要作品を収録。革新的で大胆なその視線は、1989年の早すぎる死後もなお、現代写真に強い影響を与え続けている。
Utsuwa: Japanese Objects for Everyday Use
オーストラリアの姉妹、カイリー・ジョンソンとティファニー・ジョンソンが、日本各地の作家による日用のうつわを紹介した写真集。「毎日使えること」「土地に根ざした素材と技法」「手仕事であること」を軸に、日本のクラフトがもつ実用性と美意識を伝えている。陶芸家たちの制作現場や、うつわを扱うギャラリー、マーケットの風景を豊富な写真とともに収録。暮らしの中で使われ、場をつくる存在としての「うつわ」の魅力を掘り下げた一冊。
続伊万里染付大皿
佐賀県・有田で焼かれた伊万里染付の大皿を集めた作品集。多彩な形状の皿に施された、のびやかで力強い文様を中心に、62点をモノクロ図版で収録。それぞれの図版には簡潔な解説が添えられ、構図や絵付けの魅力を丁寧に伝えている。
Simply Droog: 10+3 Years of Creating Innovation and Discussion
オランダ・アムステルダムを拠点に活動するデザイン・カンパニー、Droog Design(ドローグ・デザイン)の作品集。1993年の設立から約10年間にわたるプロダクト、展覧会、プロジェクト、出版物を通して、Droogの活動とその思想を包括的に紹介している。本書は巡回展にあわせて2004年に刊行され、その後の活動を加えた増補版。2004〜2005年の最新プロダクトやプロジェクトを記録した約40ページが追加され、掲載作品数は200点以上におよぶ。
動いている庭 | ジル・クレマン
フランスの庭師、ジル・クレマンによる庭園論の代表作。人の手で秩序を固定するのではなく、植物の移動や混ざり合い、時間とともに変化していく自然の力を積極的に受け入れる庭づくりの考え方を紹介している。著者自身の自邸「谷の庭」での実践と観察を通して、種の多様性や環境との共生、進化の可能性を丁寧に掘り下げる。庭づくりの枠を超え、造園やランドスケープ、環境思想へと視野を広げる一冊。