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each other | 中島大輔
2025年12月5日
写真家・中島大輔が、2006〜2008年に撮影したシリーズをまとめた作品集。ビジュアルアーツフォトアワード2008大賞の受賞を機に刊行されたもので、人物を中心に、人と人との間に生まれる距離や視線の揺れを丁寧にとらえている。触れ合うようで触れない関係、親密さのすぐ隣にある緊張、沈黙の中に潜む感情の気配など、他者と向き合うときに生まれる複雑な瞬間が静かなトーンで映し出されている。
Osamu Goods Go to HAWAII | 原田治、新谷雅弘
2025年12月5日
イラストレーター原田治のキャラクター「オサムグッズ」をハワイの風景とともに収めた写真集。観光地やビーチの景色に溶け込むように配置されたグッズが、南国の空気と軽やかに響き合う構成となっている。撮影は原田自身と、雑誌『ポパイ』『ブルータス』『オリーブ』などを手がけたアートディレクター新谷雅弘が担当。キャラクターの魅力と土地の空気感が交錯し、時代のポップカルチャーを映し出している。
Best Dutch Book Designs 2018
2025年12月5日
オランダで毎年開催されるブックデザイン賞「Best Dutch Book Designs」の2018年版カタログ。応募総数295点から、内容構成、デザイン、写真編集、タイポグラフィ、素材選び、印刷、製本といった多角的な視点で選ばれた33冊を紹介している。オランダのブックデザインが持つ質の高さと実験精神を知ることができ、出版やデザイン分野に関心のある読者にとって貴重な資料。
Best Dutch Book Designs 2016
2025年12月5日
オランダの出版振興団体CPNBが主催する優れたブックデザイン年鑑の2016年版。読書文化の普及と書籍の質の向上を目的とする同団体が、文学、児童書、アートブック、写真集、ノンフィクションなど多彩な分野から選出した書籍を紹介。各見開きに表紙やページ写真、書誌情報、制作背景などを掲載し、造本・レイアウト・タイポグラフィにおける工夫を視覚的に伝えている。オランダ語、英語表記。
ルイス・カムフォート・ティファニーの世界
2025年12月5日
アメリカのアール・ヌーヴォーを代表するデザイナー、ルイス・カムフォート・ティファニーの創作を体系的に紹介する作品集。アンカーマン・コレクションから選ばれた作品を、ランプ、陶磁器、ジュエリー、金属工芸、家具、絵画など12の分野に分類し、多彩な活動を見渡せる構成となっている。自然を着想源とした色彩や造形、素材への探求がどのように結実したのかを読み取ることができる。デザイン史や工芸史の観点からも資料性の高い一冊
ホフマンとウィーン工房展
2025年12月5日
1996年に豊田市美術館、徳島県立近代美術館などを巡回した「ホフマンとウィーン工房展」の図録。ウィーン分離派の創立メンバー/ヨーゼフ・ホフマンと、氏が開設したウィーン工房によるプロダクトデザインの数々をカラー図版で紹介。また、同じくウィーン分離派のグスタフ・クリムトやエゴン・シーレといったホフマンを取り巻く芸術家たちの作品も収録し、同工房との関係性を考察する。
Ann Demeulemeester
2025年12月4日
ベルギーを代表するデザイナー、アン・ドゥムルメステールの創作を初めて包括的に紹介した作品集。1981年にアントワープ王立芸術アカデミーを卒業し、いわゆる「アントワープ・シックス」とともに世界のファッション史を更新した彼女は、パンクの精神を背景に1985年に自身のブランドを設立。反骨と詩情を併せ持つ独自の美学を築き、エレガントなテーラリングとダークでロマンティックな世界観で高く評価されてきた。本書では1000点以上の写真を通して、反骨と静けさが共存する彼女の美学と、衣服に宿る物語性をたどることができる。
Eiko Ishioka | 石岡瑛子 作品集
2025年12月4日
グラフィックから映画・舞台衣装まで、表現の境界を越えて活躍したデザイナー石岡瑛子の代表作をまとめた作品集。資生堂でのアートディレクションを経て独立し、パルコや角川書店の広告で注目を集めたのち、ニューヨークを拠点に国際的な活動へと展開した。マイルス・デイヴィス『TUTU』のジャケットや映画『落下の王国』『ドラキュラ』の衣装など、多彩な仕事をフルカラーで収録。アカデミー賞やグラミー賞をはじめ受賞歴も豊富で、独創的なヴィジュアル表現を貫いた石岡の軌跡を凝縮した一冊。
Diane Arbus: The Libraries
2025年12月4日
アメリカの写真家ダイアン・アーバスが生前に集めていた蔵書や所持品を撮影し、そのままの配置で紹介するユニークな一冊。国際巡回展「Diane Arbus: Revelations」で展示された書棚をもとに構成され、本や写真集、ノート、オブジェ、ショルダーバッグなど、多様なアイテムがアコーディオン式のページに美しい図版として並ぶ。スーザン・ソンタグが「図書館は頭の中の地図」と語ったように、アーバスの棚に並ぶ物は、彼女の興味や思考の軌跡を静かに映し出している。
村野藤吾作品集 1975-1988
2025年12月4日
日本を代表する建築家、村野藤吾の作品集。1975年から1988年にかけて手がけた建築作品を収録している。西山記念会館、大阪ビルデング麴町、箱根プリンスホテル、谷村美術館、三養莊など、公共施設から観光ホテルまで、幅広いジャンルの主要作品29点を掲載。時代に即しながらも独自の美意識を貫いた造形や、繊細なディテールへのこだわりを図版とともに伝える内容となっている。
わび | 十文字美信
2025年12月4日
写真家・十文字美信が、日本文化の核心にある「わび」を多面的に捉えた作品集。5年にわたり撮影された177点のカラー写真には、雄大な自然、利休時代の茶道具や桃山期の名碗、さらには現代社会の片隅に潜む静けさまでが収められている。伝統文化の象徴と日常の風景が呼応し、時間を超えて続く「わび」の感性が浮かび上がる構成。千宗室(現・玄室)や伊藤俊治らによる随筆も収録され、茶の湯の美意識から美術史的視点、そして十文字自身のまなざしまで、多角的に「わび」を探る。
Gazing Ball | Jeff Koons
2025年12月4日
ジェフ・クーンズが2013年にニューヨークのDavid Zwirnerで発表した〈Gazing Ball〉シリーズを紹介する作品集。作家の故郷ペンシルベニアの郊外で見られる“ガーデンオーナメント”に着想を得た作品で、青い手吹きガラスの球体を中心に据え、ギリシャ・ローマ時代の名作彫刻や郵便受け、雪だるま型のディスプレイなど、さまざまな対象を白い石膏で再構成している。球体の鏡面には周囲の景色や鑑賞者が映り込み、歴史と日常、幻想と物質、量産文化と伝統的美のあいだに揺れる視覚体験が生まれる。
Avedon Fashion 1944-2000
2025年12月4日
20世紀を代表する写真家、リチャード・アヴェドンによるファッション写真集。1944年から2000年まで、雑誌『Harper’s BAZAAR』『Vogue』『Egoiste』『The New Yorker』などで発表された作品を厳選して収録している。モデルやデザイナーとの創造的なコラボレーションを通じて、モード写真の新たな表現を切り拓いた軌跡をたどる内容。アイコニックなポーズやドラマティックな構図により、ファッションを時代精神とともに映し出したアヴェドンの芸術的到達点を包括的に紹介している。
August Sander: 1876-1964
2025年12月4日
20世紀初頭のドイツ社会を、職業や階層ごとのポートレートによって記録した写真家アウグスト・ザンダーの代表的作品をまとめた一冊。煉瓦職人、猟場管理人、学生、役人、実業家、菓子屋の主人など、多様な立場の人々が匿名のまま登場し、衣服や道具、背景の風景が当時の生活を物語る貴重な資料。ザンダーは被写体を飾り立てるのではなく、静かな正面性と誠実な眼差しによって、その人の内面や時代の空気を写し取った。彼が構想した「二十世紀の人間」という壮大なプロジェクトの核となる作品群であり、素朴さと人間味が作品に深い緊張感を与えている。
アーヴィング・ペン 全仕事
2025年12月4日
1997年にシカゴ美術館で開催され、その後世界を巡回した大規模回顧展「Irving Penn: A Career in Photography」にあわせて刊行された日本語版カタログ。ファッション写真からポートレート、静物、民族誌的作品まで、50年以上に及ぶアーヴィング・ペンの多彩なキャリアを総合的に紹介。未発表作を含む約130点の作品に加え、作業表やテストプリントなど、通常の写真集では目にしにくい資料も掲載され、ペンの制作プロセスに触れられる。カラー/モノクロあわせて149点の図版が収録され、写真表現の可能性を広げたペンの歩みを丁寧に辿ることができる一冊。
assume vivid astro focus
2025年12月4日
アーティスト・コレクティブ、assume vivid astro focus(avaf)の初となる作品集。1994年の結成以来、ユニコーンのタペストリーや子ども用ステッカー、アルバムカバー、仏教絵画、グラフィティなど、多様な視覚要素を大胆に混在させた巨大インスタレーションで注目を集めてきた。鮮烈な色彩と祝祭的なエネルギーに満ちた空間は、70年代ディスコやブラジルのカーニバル、ウォーホルのファクトリーが交錯するような独自の世界観を築いている。
Love for Sale | Barbara Kruger
2025年12月4日
アメリカを代表するコンセプチュアル・アーティスト、バーバラ・クルーガーの作品を幅広く紹介する作品集。赤・白・黒の力強いタイポグラフィと象徴的な写真を組み合わせた表現で知られ、権力構造、ジェンダー、アイデンティティ、消費社会といったテーマを鋭く問いかけてきたクルーガーの思考を視覚的にたどる。初期のコラージュ作品から代表的なアプロプリエーション作品までを収録し、ポストモダン以降の芸術実践に大きな影響を与えてきたその表現の変遷を読み取ることができる一冊。
Imagica Screen Graffiti by Wada Makoto | 和田誠
2025年12月4日
イラストレーター、和田誠が映画の名作75本を描いたイラストレーション集。「街の灯」「風と共に去りぬ」「雨月物語」「スター・ウォーズ」「男はつらいよ」など、和田が独自の筆致で切り取った名場面の数々に、自身の映画エッセイを添えて収録。映像とイラストのあいだを往還するような構成で、映画への深い愛情とユーモアがにじむ一冊。映像制作会社IMAGICAのカレンダー企画をもとに、関係者向けの非売品として制作された。
The Hermes Scarf: History and Mystique
2025年12月4日
1937年の誕生以来、2,000点を超えるデザインが生み出されてきたエルメスのスカーフ。その歴史と魅力を豊富な図版で紹介する一冊。王族や俳優、デザイナーに愛されてきたスカーフは、単なるファッションアイテムではなく、卓越した職人技と創造性が結びついた“物語をまとう芸術作品”として位置づけられている。エルメスの伝統を象徴するクラシックなデザインから、現代のデザイナーによる遊び心あふれる図案まで、さまざまなモチーフが誌面を彩り、馬具やフランスの歴史、自然、世界各地の文化など、多様なテーマが豊かな色彩で展開されている
Printed Matter: Drukwerk, 1st Edition | Karel Martens
2025年12月4日
オランダを代表するグラフィックデザイナー、カレル・マルテンスの作品集。自身が手がけた多岐にわたる仕事の中から、ブックデザイン、切手、カードといった「印刷物」に焦点を当てて編集された内容となっている。構成・印刷・タイポグラフィに対する独自の探究が随所に見られ、マルテンスの思考の軌跡を辿ることができる。製本には粘葉装を採用し、内容だけでなく造本そのものにも特別なこだわりが感じられる一冊。
Gerhard Richter: Landscape
2025年12月4日
ドイツを代表する現代アーティスト、ゲルハルト・リヒターが60年以上探究し続けてきたテーマ「風景」に焦点を当てた作品集。海景から田園、都市の周縁まで、多様な風景を描いた絵画を収録し、写真と抽象を行き来するリヒター独自の絵画表現を読み解くことができる内容となっている。自身が撮影した写真をもとに、柔らかな筆致やスキージによる引きの動作で輪郭を曖昧にし、被写体を“ぼかす”ように表現する手法は、時間や記憶が揺らぐような視覚体験をもたらす。
Lucha Loco | Malcolm Venville
2025年12月4日
イギリスの写真家、マルコム・ヴェンヴィルがメキシコのプロレス「ルチャ・リブレ」の現役覆面レスラーたち128名を撮影した作品集。ルチャ・リブレ最大の特徴はレスラーたちが身にまとう仮面(マスク)とそれに込められたキャラクター性。本書はメキシコで観た試合に魅せられたヴェンヴィルが数週間にわたって現地に滞在し、レスラーたちを撮影した写真をまとめたもので、それぞれのレスラーのリングネームと、インタビューで語られた印象的な言葉が添えられている。英語、スペイン語表記。
The Travellers | Birte Kaufmann
2025年12月4日
アイルランドで現在も約2万5千人が暮らす「トラベラー」と呼ばれる移動型コミュニティを記録した、写真家ビルテ・カウフマンの作品集。電気や水道のない移動式住居で生活し、馬の育成や狩猟を生業としながら、独自の言語や伝統を守り続ける一方で、現代社会に適応しようとする複雑な姿が写し出されている。報道写真とドキュメンタリーが交差する静かなまなざしによって、外部からは見えにくい文化の内側に触れられる一冊。
Paris Living Rooms | Dominique Nabokov
2025年12月4日
アメリカとフランスを拠点に活動するフォトグラファー、ドミニク・ナバコフがパリの私的空間を撮り続けたシリーズの復刻版。〈Living Rooms〉三部作の第2弾として2002年に刊行された本書では、イヴ・サン=ローラン、ナン・ゴールディン、ジェラール・ドパルデュー、カリーヌ・ロワトフェルド、イヴォン・ランベールなど、パリに暮らす著名人たちのリビングルームをポラロイドで記録している。アンドレ・プットマンによるオリジナルの序文も収録され、2000年代初頭のパリの空気を感じ取れる一冊。
Andreas Gursky アンドレアス・グルスキー展
2025年12月4日
2013年に国立新美術館と国立国際美術館で開催された、アンドレアス・グルスキー初の日本個展にあわせて刊行された公式図録。グルスキー自身の監修により、初期から代表作《99セント》《ライン川II》《東京証券取引所》《ピョンヤンI》、そして《カタール》など最新作まで約65点を収録。都市や群衆、産業構造など現代社会のスケールを圧倒的な構図と精緻なディテールで可視化し、写真の枠を超えた独自の視覚世界を築いている。展示構成にあわせた編集により、抽象絵画的とも評される作品群の構成的な美しさと、写真というメディウムの可能性を再考させる内容となっている。
Weegee's New York: Photographs 1935-1960
2025年12月4日
1930〜40年代のニューヨークを、犯罪現場から深夜の街角まで容赦なく切り取った写真家ウィージーの代表的写真集。大恐慌後の失業や貧困、マフィアの抗争、売春など、混乱と熱気が渦巻く時代の街を、圧倒的なスピードと執念で撮影したイメージが並ぶ。警察無線を自動車に積むことを唯一許された報道写真家として、事件現場に誰よりも早く駆けつけ、翌朝の新聞の一面を飾る写真を次々に生み出したウィージー。335点におよぶ写真には、緊張と生のエネルギーがそのまま刻まれ、時代のざわめきがいまも強く伝わってくる。
Matt Mahurin
2025年12月4日
イラストレーター、フォトグラファー、フィルムディレクターとして多彩に活動するアメリカのアーティスト、マット・マハリンによる写真作品集。アメリカ、フランス、ニカラグア、アイルランド、メキシコなどで撮影されたイメージが収録され、日常の一瞬が儀式のような密度を帯びて写し出されている。デジタル表現や映画制作を経験した後のマハリンが、写真というメディアの根源的な魅力を再び探ろうとする姿勢が感じられる。
Matt Mahurin: Photographs
2025年12月4日
イラストレーター、フォトグラファー、フィルムディレクターとして多彩に活動するアメリカのアーティスト、マット・マハリンによる初の写真作品集。強い陰影のコントラストを生かしたイメージが多く、半分夢の中にいるような不確かな感覚を呼び起こす世界が広がっている。テキサスの刑務所の内部、海面から影のように現れる犬、時間やスケールが曖昧に揺らぐ風景など、現実の中に潜む異質な気配を静かにすくい上げる。見る者を半覚醒の状態へ誘うような、独自の視覚世界を収めた一冊。限定3000部発行。
There Are Many of Us | Spike Jonze
2025年12月4日
スパイク・ジョーンズが手がけた短編映画『I’m Here』(2010)の制作過程を追ったアートブック。美しいスチール写真や撮影現場の資料、スタッフ・キャストへの軽やかなインタビューなど、映画の誕生をめぐる舞台裏が豊富に収められている。ロサンゼルスを舞台に、ロボットの少年と少女の出会いを描いた30分の恋物語で、サンダンス映画祭のオープニング作品として話題を呼んだ作品。付属するDVDには本編と特典映像を収録し、さらにオリジナル・サウンドトラックのCDも同梱。
Little Red Riding Hood | Sarah Moon
2025年12月4日
シャルル・ペローによる童話「赤ずきんちゃん」を、写真家サラ・ムーンのモノクロ写真で再解釈した写真絵本。森の奥へ向かう少女と狼の物語を、ムーン特有の幻想的で陰影に満ちた世界観の中に置き換え、現代的な不穏さを帯びた物語として描いている。テキストはペローのオリジナルを使用し、写真と物語が互いに作用しながら、純真さと危険の境界を描き出す一冊。
向秀男のアートディレクション
2025年12月4日
アートディレクター、向秀男が自身の仕事を体系的にまとめた作品集。企業広告からブランド構築、パッケージやカレンダーのデザインまで、多岐にわたる実践を豊富な図版とともに紹介している。アイデアの発想法、視覚的アイデンティティのつくり方、信頼性や親近感の演出、写真やイラストレーションの使い方、レイアウトの考え方など、広告のアートディレクションを構成する要素が様々な角度から語られている。
Architectones: Art in the Living Environment | Xavier Veilhan
2025年12月4日
パリを拠点に活動するアーティスト、グザヴィエ・ヴェイヤンが2012年から取り組んだプロジェクト〈Architectones〉をまとめたモノグラフ。ピエール・コーニッグ、リチャード・ノイトラ、ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエらが設計した建築を舞台に、彫刻や音、光、パフォーマンスを組み合わせたサイトスペシフィックな作品を展開したシリーズで、本書はその全貌を写真や図面、記録文とともに収めている。
Plumtree Court | Juergen Teller
2025年12月4日
ドイツ出身の写真家ユルゲン・テラーが、ロンドン中心部に建設されたゴールドマン・サックス本社「Plumtree Court」の工事現場を5年間にわたり追いかけた作品集。積み上がる鉄骨、コンクリートの壁、クレーンや重機、雪に覆われた作業現場など、建設が進む過程をさまざまな角度から記録している。完成へと向かう巨大建築の風景に、人形や花、鳥、コラージュ写真といった異質なイメージを挿入することで、秩序と混沌、都市と建設現場のあいだに漂う独特のリズムが生まれている。
Annie Leibovitz: Pilgrimage
2025年12月4日
アメリカの写真家アニー・リーボヴィッツによる作品集。自身が強い関心を抱いた対象を訪ね、撮影するという個人的なプロジェクトから生まれた1冊。詩人エミリー・ディキンソンの家、リンカーン記念堂の像を手がけた彫刻家ダニエル・チェスター・フレンチのアトリエ、アンセル・アダムスが撮影を続けたヨセミテ渓谷のトレイルなどを撮影対象としている。家や部屋のみならず、遺された物や自然風景にも視線を向け、ジョージア・オキーフ、エレノア・ルーズベルト、エルヴィス・プレスリーらゆかりの人物像をも浮かび上がらせている。
John Cohen: Walking in the Light | ジョン・コーエン
2025年12月4日
音楽や映像の分野でも知られるアメリカの写真家ジョン・コーエンが、1954年から1964年にかけて巡ったゴスペル音楽の世界を写し取った作品集。イースト・ニューヨークの黒人教会、ニューヘイブンの路上、盲目の牧師ゲイリー・デイヴィスの自宅、薄闇に包まれたボクシングジムや工業地帯など、さまざまな場所で人々の営みをモノクロームで捉えている。特にハーレムの小さな教会で撮影された礼拝の光景は、本作の中心となる場面で、音楽に導かれながら陶酔や祈りの時間へと没入していく人々の姿が鮮やかに浮かび上がる。
Blue Above | Laura McCluskey
2025年12月4日
メルボルンを拠点に活動する作家ローラ・マクラスキーによる作品集。ロサンゼルス郊外の陽光に包まれた風景を舞台に、コンテンポラリーダンサーたちの自由で力強い身体表現を収録している。ダンサーが即興的に動くことで、不安や心のざわめきといった内面的な感情が立ち上がり、感情の「瞬間」が身体を通して可視化される構成。即興性がもたらす美しさをとらえながら、見えない心情を身体表現へと昇華させる過程を映し出している。限定500部発行。
Heavens of Light Planet of Solitude | 澤寛
2025年12月4日
映像作家であり写真家の澤寛による作品集。2019年に恵比寿「AL」での展示にあわせて刊行され、東京のドラッグストアや夜の街、花や鉄骨、海外の墓地、抽象的なカットなど、多彩なモチーフが並ぶ。写し出されるのは、現実と非現実が触れ合う境界のような風景で、既視感と未知の気配が同時に漂う独特の空気が感じられる。幼少期の記憶に重なるような断片的な瞬間が連続し、鑑賞者の記憶や体験と響き合う構成。
America Goes to War... Swimming in the Afternoon… | Richard Prince
2025年12月4日
現代において最も革新的かつ影響力のあるアーティストのひとり、リチャード・プリンスの作品集。2008年にロンドンのサーペンタイン・ギャラリーで開催された展覧会に際して刊行されたもの。画家、写真家、彫刻家、そしてコレクターとしても知られ、多彩な表現方法でアメリカ文化やポップカルチャー、アート、文学、言葉への関心を作品に反映させるプリンス。本書はプリンスによる数々の作品や展示風景の写真を豊富に収録し、巻頭にはプリンスによるテキストも収録。英語表記。
Lost in Transition | Peter Bialobrzeski
2025年12月4日
ドイツの写真家ペーター・ビアロブルゼスキが、急速な都市化のただ中で生まれる一時的な風景を撮影した作品集。ハンブルク、ドバイ、ニューヨーク、シンガポール、クアラルンプールなど、14カ国28都市で撮影され、高速道路沿いの空隙や郊外の造成地、建設途中の高層ビルなどを主な被写体としている。ロマン主義絵画を思わせる魅惑的な光と色彩をたたえつつ、その美しさの背後にある社会的・環境的な問題を静かに示唆している。
In Passing | Mark Pimlott
2025年12月4日
アーティスト、建築家、作家として活動するマーク・ピムロットが、1970〜2009年に撮影した写真から80点以上を選び編んだフォト・ノベル。都市の片隅に差す光、移動の途中でふと立ち現れる風景、人の気配が留まる空間──日常の中で出会う詩的な瞬間を静かにすくい上げている。建築やインテリアのプロジェクトを手がけ、教育・執筆にも深く関わってきたピムロットの視点は、写真においても空間と時間の感覚を独自に組み立て、見る者に静かな余韻をもたらす。
Thomas Heatherwick Making
2025年12月4日
英国を代表する建築家/デザイナー、トーマス・ヘザウィックの活動を網羅したモノグラフ。スタジオ創設から20年にわたるプロジェクトを収めたもので、公共施設からパビリオン、プロダクト、都市計画まで、約170点に及ぶ仕事を数百点の写真、イラスト、スケッチとともに紹介している。初版刊行後もスタジオは国際的に活動の幅を広げ、本書には近年の大規模プロジェクトも追加され、ヘザウィックの創造力の広がりがより鮮明に伝わる構成となっている。制作にはヘザウィック本人が深く関わり、アイデアの源泉やプロセスの裏側、時に個人的なエピソードまで丁寧に言語化。
オブジェクト・ポートレイト | エリック・ゼッタクイスト
2025年12月4日
2018年から2019年にかけて大阪市立東洋陶磁美術館で開催された展覧会の図録。スウェーデン出身の写真家エリック・ゼッタクイストによる作品を収録している。現代美術家・杉本博司のもとで活動しながら写真表現と東洋古美術を学んだ経験を背景に、古陶磁の細部を撮影し、抽象化することで新たな視覚的解釈を提示。伝統的な美術作品に現代的な視点を重ね合わせ、造形の本質を探るシリーズが展開されている。
田名網敬一 記憶の冒険
2025年12月4日
絵画、コラージュ、シルクスクリーン、アニメーション、オブジェ、インスタレーションなど、多彩な表現を横断して活動してきた田名網敬一の創作を総覧する展覧会図録。2024年に国立新美術館で開催された大規模展にあわせて編集され、初期の実験的な作品から近年のコラボレーション、パンデミック下で制作したピカソの模写シリーズまで、60年以上にわたる歩みを約600点の図版と資料でたどる。時代やジャンルを越えて更新され続けてきた視覚世界が、論考とともに深く味わえる一冊。
Arbeiten / Works 2013-2016 | Kai Schiemenz
2025年12月4日
ベルリンを拠点に活動するアーティスト、カイ・シーメンツの2013〜2016年の制作をまとめた作品集。展覧会「Große und Kleine – Pistazie/Malve/Koralle」に合わせて刊行され、建築が人に与える影響をテーマに行われた実験的なアプローチを紹介。ベルリンの地下鉄タイルを製造するメーカーと共同制作したセラミック作品や、ガラスを用いた立体などが掲載され、素材の選択によって空間の印象がどう変化するかを視覚的に追うことができる。
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