Purple Fashion Magazine vol.3 issue27 2017
エレン・フライスとオリヴィエ・ザームによって創設されたフランスのファッション・カルチャー誌『Purple』vol.3 issue27。グレース・ハーツェルを起用したファッションストーリーをはじめ、ウィリアム・エグルストンによる写真、リック・オウエンスのクリエイション、ヴァネッサ・ビークロフトやライアン・マッギンレー、マイク・ミルズ、ジョン・カリンらの作品や寄稿を収録。さらにカールステン・ヘラーによるブックプロジェクトも掲載され、写真、ファッション、現代美術が交差する内容が展開される。
Even Now | Torbjørn Rødland
ノルウェーの写真家、トールビョルン・ロドランドの図録。1999年にオスロのギャラリー・ワングで開催された個展に際して刊行。1990年代の制作活動を振り返る内容で、スカンジナビア的な美意識を基調としながら、暗いトーンのなか […]
Borderlands | Helene Schmitz
スウェーデンの写真家、ヘレネ・シュミッツの作品集。空間や風景を被写体に活動してきたシュミッツの3つのシリーズを収録する。「アースワークス」は砂に埋もれた廃室を、「サンクン・ガーデンズ」は密林のなかに打ち捨てられたチョウの繁殖場を撮影したもので、人の手が離れた空間が自然に侵食されていく様子をとらえている。「クズ・プロジェクト」では、旺盛な繁殖力で周囲を覆い尽くすクズの蔓を被写体に、植物のもつ圧倒的な力を記録。矛盾をはらんだ美しさと閉塞感が共存する画面を通じて、自然への先入観を揺さぶる視点が貫かれている。ヘルシンボリのダンカース・クルトゥルフスでの同名展覧会に際して刊行されたもの。
物物 | 猪熊弦一郎
画家・猪熊弦一郎の収集品のなかから、スタイリスト・岡尾美代子が100点余りを厳選し、写真家・ホンマタカシが撮影した一冊。博物館に陳列されていてもおかしくない貴重な品から、道端で拾った小さな欠片まで。猪熊弦一郎が愛したそのひとつひとつを、岡尾美代子とホンマタカシの会話付きで紹介する。堀江敏幸によるエッセイもあわせて掲載。編集・ブックデザインは菊地敦己によるもの。
サラ・ムーン展 巴里のエレガンスな視線
ロンドンやパリでモデルとして活動した後、1970年より写真家へ転向したサラ・ムーンによる作品集。1989年に東京・プランタン銀座で開催された展示の図録。絵画的な構成と幻想的な色調によって形づくられたポートレートやランドスケープ、さらに『VOGUE』のために撮影されたファッションフォトなど、1980年から1988年にかけてパリを舞台に生み出されたイメージを収録。
デヴィッド・ダグラス・ダンカン展 ピカソとジャクリーヌ愛の記録
アメリカの写真家、デヴィッド・ダグラス・ダンカンの作品集。1990年に小田急グランド・ギャラリーほか各地で開催された展覧会に際して刊行されたもの。ピカソとその妻ジャクリーヌの生活を記録した写真を中心に収録し、アトリエでの制作場面から日常のやり取り、公的なイベントまで、2人の関係と空間を近距離からとらえている。晩年のピカソとジャクリーヌの私的な時間を記録した写真として、資料的な価値も高い。
Anastasia Samoylova, Walker Evans: Floridas
写真家、アナスタシア・サモイロワとウォーカー・エヴァンスの作品集。フロリダを共通の舞台に、時代の異なる2人の写真を並走させる。エヴァンスは1930年代から1970年代にかけてフロリダを撮り続け、文化の混交、観光地としての顔、むき出しの美しさと俗っぽさを記録した。サモイロワは現代のフロリダをロードトリップで撮影し、その誘惑と失望、アメリカの矛盾を知性とユーモアでとらえていく。モノクロとカラー、過去と現在が交互に現れるかたちで編まれ、編集者デイヴィッド・キャンパニーのエッセイと小説家ローレン・グロフの短編小説を収録。
Series of Phenomena | Jean Dubuffet
20世紀フランスの画家、ジャン・デュビュッフェの作品集。パリのギャラリー・ベルクグリュエンが限定刊行したリトグラフ作品集で、計18点を収録。うち6点は見開き掲載(カラー3点、モノクロ3点)、残る12点はモノクロで収められている。表紙と裏表紙はリトグラフ。アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグによる序文も掲載。1500部限定刊行。
Matisse | Pierre Schneider
20世紀を代表するフランスの画家、アンリ・マティスの画業を包括的に紹介する大判作品集。1890年代の初期作品から、フォーヴィスム期の絵画、ドローイングや彫刻、そして晩年の切り絵作品に至るまで、その表現の変遷を豊富な図版とともにたどっている。マティス研究の第一人者であるピエール・シュナイダーによる詳細な解説も収録され、作品理解を深めるための資料性も高い。
The Sculpture of Henri Matisse
20世紀を代表する芸術家、アンリ・マティスの彫刻作品集。ブロンズを中心とした人物像から小型のメダルや肖像研究、「背中の連作」に至るまで、マティスの彫刻表現を網羅している。マティスの彫刻家としての歩みを19世紀末から20世紀半ばまでたどり、作品の分析を通してその生の見方にも迫っている。絵画や素描との関係、ロダンやピカソ、キュビスムとの接点に加え、写真資料や雑誌といった周辺資料にも光を当てることで造形の背景を読み解いている。
FLAT HOUSE LIFE 1+2
広告、挿絵、ロゴタイプの制作を手掛けるイラストレーター・文筆家、アラタ・クールハンドの作品集。昭和以前から戦後にかけて建てられた平屋住宅に着目し、2009年の初版と2012年のvol.2を合本し、新規原稿を加えて再編集した新装版。明り取りデザインの玄関、木枠窓やタイル貼りの浴室、ミルクグラスの照明など、経年を重ねた住空間の細部を写真で収録。文化住宅や米軍ハウス、海外建築家による木造平屋まで、異なる背景をもつ住宅が並び、生活の痕跡と素材の変化を視覚的にたどることができる。
My Grandfather Turned into a Tiger... and Other Illusions | Pao Houa Her
アーティスト、パオ・ホウア・ハーの作品集。モン族の移民コミュニティに生まれた経験を背景に、家族の記憶、コミュニティの肖像、故郷ラオスを想起させるミネソタとカリフォルニアの景観など、個人的な語りと文化的な文脈が絡み合う4つのシリーズを収録する。タイトル作はラオスを離れる前の家族の歴史を再構成したもの。別のシリーズでは、新たなモン族の故郷を約束するとした詐欺的な投資スキームに数百人の高齢者が巻き込まれた事件を扱う。また母が集めた造花のモノクロ静物写真と、モン族の写真館やデートアプリで用いられる極彩色のデジタル背景を並置したシリーズも含まれ、見せかけと真正性の境界を問い続ける視点が全体を貫いている。
花の文化史 花の歴史をつくった人々 | 春山行夫
モダニズム詩人、春山行夫による花の資料集。古代から現代にいたるまでの植物にまつわる様々な伝説や神話、そして植物と人間との関わりを軸としたフォークロアなどを圧倒的なボリュームで収録した一冊。さらに園芸や造園、植物採集、探検家たちの歴史なども網羅し、あらゆる花に関する知識が盛り込まれた一冊。装丁は市川英夫、箭内早苗。
THE STANDARD 直島コンテンポラリーアートミュージアム
2001年に香川県直島各地で開催された展示の図録。住宅、商店、路地、旧施設など島内各所を会場に展開されたアートプロジェクトを記録する。大竹伸朗、宮島達男、杉本博司、須田悦弘、野口里佳らの作品を収録し、生活空間や既存の建物に設置されたインスタレーション、写真、オブジェの様子を掲載。島の環境と各作品の関係を写真とテキストで丁寧に整理し、展示の運営体制やプロジェクトが生まれた経緯にも触れている。
ソフィ・カル 不在
2024年から2025年にかけて三菱一号館美術館で開催された展覧会にあわせて刊行された、ソフィ・カルの作品集。オディロン・ルドンの壁画に着想を得た「グラン・ブーケ」をはじめ、テキストと写真による代表作「なぜなら」「あなたには何が見えますか」「監禁されたピカソ」、映像作品「海を見る」などを収録している。「不在」という主題を軸に、失われたもの、見えないもの、記憶や想像によって補われるものを扱うカルの世界を、日本語翻訳テキストとともに紹介。
身体の夢 ファッション OR 見えないコルセット
1999年に開催された展覧会の公式図録。女性の身体を成形し拘束してきたコルセットの歴史から、その解放後に展開した20世紀ファッションの変遷までを三章構成で辿る。エリザベス一世時代のボディスをはじめとする歴史的衣装、ガブリエル・シャネル、クリストバル・バレンシアガ、三宅一生らの作品、さらに現代美術の表現までを収録。京都服飾文化研究財団所蔵の貴重な資料を軸に、衣服と身体の関係を通時的に検証する。
はじめまして、ルート・ブリュック
フィンランドのセラミックアーティスト、ルート・ブリュックによる作品集。1942年からアラビア製陶所の美術部門に所属し、陶板作品から公共空間の大型壁画まで約50年にわたる制作の全体像をたどる。「蝶」「鳥」「夢」「色」「形」「空間」など九つの視点で構成され、モチーフや造形の広がりを具体的に読み解いていく。代表作の図版に加え、ラップランド地方の風景写真も収録。制作の背景にある環境や感覚とあわせて、色彩と素材が織りなすブリュックの表現世界を伝える。
Anna | Nina Korhonen
写真家、ニーナ・コルホネンの作品集。フィンランドからアメリカへと渡った祖母アンナを、7年間にわたって撮り続けたもの。大判カラー写真で記録された祖母の日常は温かみとユーモアに満ちており、祖父が撮影した古いスナップショットも掲載することで、異なる世代の二人の女性の対話が生まれている。アンナはアメリカで40年を過ごして亡くなった。スウェーデンで「2004年度最優秀写真集」賞を受賞している。
Home | Lars Tunbjork
スウェーデンの写真家ラース・トゥンビョルクによる作品集。幼少期を過ごした母の家を撮影したことをきっかけに、スウェーデン各地の住宅地へと対象を広げたシリーズを収録する。中産階級の郊外住宅に漂う静かな空気、整えられた庭や室内の装飾が、鮮やかな色彩のなかに記録される。建築やインテリアの観察にとどまらず、その背後にある時代の心理や社会の変化にも目を向けている。
Sweep Out Cottage | Peter C. Jones
写真家、ピーター・C・ジョーンズの作品集。5年間にわたって、毎年7月に借りるロードアイランド州リトル・コンプトンのコテージでの夏の日々を撮影したもの。ガーデニング、読書、食事、水辺からの風、花の香りなど、シンプルな暮らしの喜びを愛する夫婦の日常が一枚一枚の写真ににじんでいる。場所と生き方への賛歌であるとともに、幸福な結婚生活へのオマージュでもある。
The Living Theatre | Fan Ho
写真家、ファン・ホーの作品集。『Hong Kong Yesterday』に続く三部作の第2作。1950〜60年代の香港の人々にフォーカスし、賑やかな市場、水路、路地裏の群衆をデュオトーンで記録している。他の2作との写真の重複はなく、全て独自の作品から成る。日常を生きる人々を俳優のように捉えた視点で撮られた各写真には、視覚と言葉を組み合わせるキャプションが付され、ファン・ホーの目を通したひとつの時代の詩的な記録となっている。
The Mushroom Collector | Jason Fulford
写真家、ジェイソン・フォードの作品集。友人から贈られたフリーマーケット由来の一箱の写真から生まれたもので、アマチュア写真家が菌類研究のメモとして撮ったと思われるキノコの写真群が収められていた。その素朴なイメージがフォードの思考に根を張り、やがて自身の作品にも侵食し始めた。そのキノコ写真と、フォード自身が撮影した写真、そしてテキストを組み合わせており、偶然の出会いが一冊の写真集へと育っていく過程そのものが作品となっている。
Arne Jacobsen
デンマークの建築家・デザイナー、アルネ・ヤコブセンの作品集。建築から家具、照明に至るまで、生活環境を総合的に設計した活動を、代表作「SASロイヤルホテル」や「アリンコチェア」「エッグチェア」などの図版とともに収録。細部にまで及ぶ設計への配慮や、機能と造形を結びつける思考が具体的にたどることができる。リスベット・バルスレウ・ヨルゲンセン、エリック・モラー、フェリックス・ソラグレン=ベアスコアによるテキストが、その仕事の広がりと時代的背景を補っている。
資生堂宣伝史 歴史/現代/花椿抄 全三冊揃
1979年までの資生堂の宣伝活動を網羅的にまとめた資料集。広告の歩みをたどる「歴史」、同時代の取り組みを示す「現代」、企業文化誌『花椿』に焦点を当てた「花椿抄」の三冊で構成されている。CI(コーポレート・アイデンティティ)、パッケージデザイン、広告グラフィック、テレビCMなど、多岐にわたる表現を収録。化粧品産業のみならず、日本の広告デザイン史を考察するうえで欠かせない資料となっている。
Shape Grammars | Jannis Maroscheck
グラフィックデザイナー、ジャニス・マロチェックの作品集。ミニマルアートやコンセプチュアルアートの先駆者として知られるソル・ルウィットの作品から着想を得て、独自に開発したプログラムで無数の図形を生成したグラフィックを収録。単純なルールと反復から生まれる形と配置の多様さは、フォントやロゴ、ピクトグラムのデザインハンドブックとしての実用性を持ちながら、ジェネレーティブ・デザインの可能性と限界に踏み込んでいる。
賃貸宇宙 | 都築響一
写真家・ジャーナリスト、都築響一の作品集。東京、京都、大阪などで1993年から2001年にかけて取材した約300の賃貸住宅をもとに構成されている。廃墟を改造した住居、極端に狭いワンルーム、壁や天井に独自の装飾を施した空間など、一般的な住宅像から外れた部屋が多数掲載。室内には生活用品や手作りの家具、収集物がそのまま写り込み、住人ごとの生活の組み立て方が視覚的に残されている。住まいを均質なものとして捉えない視点から、都市における生活空間の多様なあり方を記録している。
Martin Parr
写真家、マーティン・パーの作品集。著述家・キュレーターのヴァル・ウィリアムズが、パーの全キャリアを包括的にたどった初の本格的評伝でもある。1974年のインスタレーション「Home Sweet Home」、ヨークシャー・ヘブデン・ブリッジでのモノクロ初期作品、アイルランドやサルフォードでの写真、そして『The Last Resort』『The Cost of Living』『Think of England』など主要な既刊書からの精選作品まで、30年以上にわたる活動の変遷が収録されている。パーのアーカイブと広範なインタビューをもとに、社会への鋭い視線と機知に富んだ色彩感覚の背景が読み解かれている。
American Music: Photographs | Annie Leibovitz
写真家、アニー・リーボヴィッツの作品集。『ローリング・ストーン』誌のチーフ・フォトグラファーを13年以上務めたリーボヴィッツが、アメリカ音楽の多様な景色を記録したもの。ミシシッピ・デルタのジュークジョイント、テキサスのホンキートンク、ニューオーリンズのジャズクラブなどを巡り、B.B.キング、ボブ・ディラン、マイルス・デイヴィス、ブルース・スプリングスティーンらのポートレートを収録。パティ・スミス、ロザンヌ・キャッシュらミュージシャンによるエッセイと、全ミュージシャンの略歴も添えられている。
Passage | Irving Penn
アメリカの写真家・アーヴィング・ペンによる作品集。ファッション写真からアートフォトまで幅広い分野で活動したペンの仕事を概観できる内容となっている。1930年代から1990年代にかけての代表的な作品を収録し、『Vogue』誌でのファッションフォト、著名人のポートレート、静物写真など多様なジャンルを網羅している。図版に加え解説も掲載され、20世紀写真史におけるペンの表現の広がりとその意義を明らかにしている。
My Favourite Place: European Prize of Architectural Photography 2007
建築写真を対象とした国際賞「ヨーロピアン・アーキテクチャー・フォトグラフィー・プライズ」による作品集。1995年に創設され、2007年に第7回を迎えた同賞のテーマ「マイ・フェイヴァリット・プレイス」に基づき選出された作品を収録。世界各地の建築や都市空間を捉えた写真群には、住宅の内部、公共空間の細部、日常の風景にひそむ場の魅力が写し出されている。建築と人との関係を問い直す視点が通底し、写真という媒体を通じた空間認識の広がりを感じさせる。
As the Call, So the Echo | 奥山由之
写真家・映像監督、奥山由之による作品集。友人家族とその周囲の人々と過ごした2年以上の時間をもとに構成され、当初は作品化を目的とせず、ただ目の前の光に反応するように撮影された写真が並ぶ。色彩と構成の美しさを際立たせる4章構成で、家族や友人との関係、命のつながり、そして日常に潜むかけがえのない気配が、具象と抽象を行き来しながら静かに浮かび上がる。
Uwe Ommer
広告写真やドキュメンタリーの分野で活躍したドイツ出身の写真家、ウーヴェ・オンマーの写真集。ファッションカタログの表紙やサングラス、眼鏡ブランドの広告、ヌード作品まで幅広いイメージを収録。スタジオで演出されたポートレートから自然のもとで撮影されたカットまでが並び、異なる光環境やロケーションに応じた表現の違いが見えてくる。各写真には撮影時のエピソードに加え、使用レンズやライティングの工夫が自身の言葉で添えられている。
Christian Dior
フランスのファッションデザイナー、クリスチャン・ディオールの作品集。1905年の誕生から1957年の死までの歩みを軸に、1947年の初コレクション「ニュールック」の誕生とその影響をたどる。戦後の女性像を一新したシルエットや、豊かな生地を用いたドレス、オートクチュールの制作現場、香水やアクセサリーに至るまでの展開を図版とともに収録。ジャーナリスト、フランソワーズ・ジルーによるテキストが時代背景と人物像を簡潔に補っている。
スティグ・リンドベリ作品集 | ギセラ エロン
スウェーデンを代表するデザイナーの一人、スティグ・リンドベリの作品集。スウェーデンで刊行された『Stig Lindberg: Tusenkonstnaren』の日本語版。ドローイングや絵画、陶磁器への絵付け、オブジェ、食器、絵本、テキスタイルなど幅広い作品を写真とテキストで収録。心を華やかにするデザインの数々とともにリンドベリの軌跡を辿る一冊。
Empty White Room | 長島有里枝
写真家・長島有里枝の作品集。1990年代前半の同世代の友人たちを中心としたポートレートを収録。室内や身近な生活空間で撮影された人物が多く、ポーズや演出を抑えた状態で写された表情や身体の気配が画面に残されている。撮影者と被写体の距離が近い関係性のもと、日常的な時間が連続的に記録されており、個人のまわりにある環境や人間関係がそのまま写真に刻まれている。
In-Between 1 ホンマタカシ デンマーク、ポーランド
13人の写真家がEU全国を撮りおろした写真集「In-between」シリーズ第1巻。ホンマタカシがデンマークとポートランドを訪れて撮影したストリートフォトをカラーで多数収録。コペンハーゲンでは、アルネ・ヤコブセンが手がけた建築空間、ワルシャワでは急速に拡張する郊外の住宅街などを捉えている。装丁は中島英樹。
In-between 4 小野博 オーストリア、スロベニア
日本の写真家がEU全25カ国を撮影する写真集シリーズ「In-between」。全14巻のうちの第4巻となる本書では、写真家の小野博がオーストリアとスロベニアを撮影。オーストリアでは歴史と芸術の街、ウィーンやグラーツの街並みや風景を撮影。スロベニアでは、LIPICAと呼ばれる世界的に有名な白馬たちの凛とした姿と、占領されながらも独立の意志を貫き通したスロベニアの人々の精神を重ね合わせて写真に収めている。
In-between 6 野村恵子 イタリア、スウェーデン
日本の写真家がEU全25カ国を撮影した写真集シリーズ「In-between」の第6巻。写真家・野村恵子がイタリアとスウェーデンを訪れ、ナポリの下町やシチリア島、ストックホルムの街並みなど、異なる気候と文化のなかで暮らす人々の姿を穏やかなまなざしでとらえている。光と影の移ろい、空気の温度、被写体との距離が繊細に描き出され、旅の記録であると同時に、土地と人との関わりを見つめ直す視点を提示している。
ヨハネス・イッテン 造形芸術への道
2003年に京都国立近代美術館で開催された「ヨハネス・イッテン 造形芸術への道」展にあわせて刊行された図録。バウハウスの初期に活躍した芸術家であり教育者でもあるヨハネス・イッテンの多彩な活動を紹介している。色彩理論や造形教育の実践に裏づけられた作品群を、カラーおよびモノクロ図版で多数収録。さらに詳細な解説テキストを加え、イッテンの芸術観と教育理念を体系的に示す構成。
Max Bill: No Beginning, No End
バウハウスで学び、機能主義にもとづく造形で知られるスイスの芸術家・デザイナー、マックス・ビルの展示図録。ドローイングや絵画、グラフィック、プロダクトデザインまで、幅広い仕事を通してその活動を紹介している。戦後ヨーロッパの美術とデザインに大きな影響を与え、ウルム造形大学の設立にも関わったビルの思想と実践を、図版とテキストでコンパクトにたどる一冊。
Typo Foto: Elementaire typografie in Nederland 1920-40
1920年代から1940年代にかけて展開したオランダのグラフィックデザインを紹介する資料集。写真とタイポグラフィを融合させた実験的表現に焦点を当てている。ピート・スヴァルト、ディック・エルフェルス、ウィレム・サンドバーグらのポスターやエディトリアルデザインを、カラーとモノクロ図版で多数収録。構成主義の影響を受けた当時のタイポグラフィ文化の発展を照らし出している。
広告批評 別冊8 佐藤雅彦全仕事
クリエイティブディレクター、佐藤雅彦の全仕事をまとめた作品集。出版当時までの代表的な仕事を約340ページにわたって収録し、NEC「バザールでござーる」や湖池屋「ポリンキー」など、人々の記憶に強く残る広告表現をはじめ、エディトリアルデザイン、インタビュー、エッセイ、CM制作日誌まで幅広く掲載している。
Cassina As Seen by Karl | Karl Lagerfeld
イタリアの家具メーカー、カッシーナの依頼により、ファッション界の巨匠であり写真家でもあったカール・ラガーフェルドが手がけた写真集。ル・コルビュジエ、リートフェルト、ペリアンらによる名作家具を、日常の使用価値から切り離し、彫刻やオブジェのような芸術作品として撮影している。高光沢プリントによるカラー写真21点を貼り込みで収録し、家具を造形的対象として捉え直す視点を提示している。
Erwin Wurm : nolo veistos = sculptures with embarrassment
2002年にヘルシンキ現代美術館「キアズマ」で開催された展示の図録。オーストリア出身の作家、エルウィン・ヴルムによる「One Minute Sculptures」を中心に、身体と日用品を組み合わせた一時的な彫刻作品を収録。指示書のようなドローイングと、それを実行する人物の姿が併置され、彫刻が物体ではなく行為として成立するあり方が記録されている。椅子や机、衣類など身近な道具に身体を預け、短い時間だけ不安定な均衡をつくる場面が続く。恥ずかしさや違和感を伴う身体表現の試みを、ドローイングと写真の両面からたどることができる。