アイデア No.138 ハーブ・ルバーリンとアッパ&ロー・ケース誌
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.138(1976年9月号)。タイポグラフィ界の重要人物であるハーブ・ルバリンと、彼が深く関わったタブロイド紙『U&lc(Upper & Lower Case)』を特集。ルバリン本人へのインタビューを中心に、実験的で自由なタイポグラフィ表現や編集思想を紹介している。そのほか、日本パッケージデザイン協会展のレポートや、九州のグラフィックデザイン特集、海外デザイナーの仕事紹介なども収録。
Tokyo Fiber’07 Senseware
2007年に東京とパリで開催された「TOKYO FIBER」展の記録集。参加クリエイターには祖父江慎、深澤直人、佐藤卓、隈研吾らが名を連ねる。繊維を単なる素材としてではなく、感性や思考を刺激する「メディア」として捉え直し、ファッションにとどまらない新しいデザインの可能性を提示。展示風景や作品図版を豊富に収録し、日本のテクノロジーと創造性が交差する現場を伝えている。
倉俣史朗 SHIRO KURAMATA 1967-1987
日本を代表するインテリアデザイナー、倉俣史朗の活動を総覧する作品集。1967年から1987年までの約20年間に制作された家具、空間デザイン、インスタレーションを中心に、写真、図面、スケッチなどの豊富な資料を通して紹介している。磯崎新とエットレ・ソットサスによるテキストも収録。日本のデザイン史のみならず、20世紀後半の国際的デザイン潮流の中で倉俣史朗の仕事を捉え直すための重要な一冊。
TD 63–73: Total Design and Its Pioneering Role in Graphic Design
1963年にアムステルダムで結成されたデザイン集団Total Designの活動初期10年間を、内部メンバーの視点から記録した貴重なドキュメント。著者は創設当初から参加していたベン・ボスで、理想を共有するオランダのデザイナーたちが、いかにして分野横断的なデザインスタジオを築き上げたのかを語っている。企業や公共機関のアイデンティティ、文化施設や展覧会のデザイン、プロダクトに至るまで、TDのアーカイブから選ばれた多数の図版を収録。
Intermission 1 | Hedi Slimane
ファッションデザイナーであり写真家であるエディ・スリマンの作品集。ホテルのカーテンを主な被写体とし、場所や部屋が変わりながらも同じモチーフが繰り返され、光や布の質感、色のわずかな違いが静かに浮かび上がる。また、本書は造本そのものが体験の一部となっている。ページにはビニール加工が施され、めくるたびに貼り付いた紙を剥がす必要があり、読む速度が自然と遅くなる。その手触りが「一時的な滞在」や「間(インターミッション)」というテーマを身体的に感じさせる構成となっている。
The Art of Letters | Kris Sowersby
世界的な書体デザイナー、クリス・ソワーズビーの仕事を、文字そのものに焦点を当てて紹介する大判作品集。約800ページにわたり、アルファベット一文字一文字を「読むための機能」ではなく、独立した造形として捉えている。Calibre、Domaine、Founders Grotesk、Signifierなど、Klim Type Foundryの書体から選ばれた750点以上の文字を、1ページに1字ずつ収録。微細な形の違いや構造の工夫から、書体設計における理論と感覚の積み重ねが浮かび上がる。
文字の宇宙 | 杉浦康平
写真植字機研究所設立60年を記念して刊行されたビジュアルブック。1975年から1985年にかけて制作された写研の「文字の生態圏」カレンダーをもとに、杉浦康平が企画・構成。文字のかたちや装飾、文字をめぐる習俗などを切り口に、文字文化の広がりと奥行きを紹介している。解説には松岡正剛や白川静が参加し、さらに草森紳一、中沢新一、谷川俊太郎らによる文字をめぐる対話も収録。
文字の祝祭 | 杉浦康平
写真植字機研究所設立70年を記念して刊行されたビジュアルブック。1986年から1995年にかけて制作された「文字の生態圏」カレンダーのうち、アジアの文字をテーマにした8年分を再構成し、アジアの伝統文化において、文字がどのような意味や役割を担ってきたのかを読み解いている。企画・構成はグラフィックデザイナーの杉浦康平。漢字の成り立ちや変遷、人々が文字に託してきた祈りや思想について、松岡正剛、武田雅哉がそれぞれの視点から解説している。
New Utilitarian: Systematic Approaches to Aesthetics and Design
流行に左右されない普遍的な美意識や技法が、現代のテクノロジーによってどのように更新されているのかを探るデザイン資料集。過去の表現や思想を参照しながら、データ時代にふさわしい実用性と美しさを併せ持つビジュアルを生み出す、世界各地のクリエイターの取り組みを紹介。ノスタルジーと革新が交差する表現を通して、「未来のクラシック」となりうるデザインの可能性を模索している。
The Graphic Language of Neville Brody 3
グラフィックデザイナー、ネヴィル・ブロディのアートワーク集。資生堂やコカ・コーラ、ナイキなどの世界各国のクライアントとともに、大胆かつ洗練されたデザインを数多く発表してきたブロディの各プロジェクトを詳しく紹介。主要ブランドから雑誌の特集まで、6つの章にわたってブロディの最近の活動を特徴づける作品を掲載。彼の約30年間に及ぶ活気あるデザインプロジェクトを集めた貴重な資料となっている。 英語表記。
Exquisite Errors: DMCO-I | Barry van der Rijt
デジタル映像に起こる「コーデック・エラー」に焦点を当てた作品集。圧縮や再生の過程で生じるノイズやズレ、画面の崩れといった一瞬の異常を、あえて切り取って収集し、「Codec Order」という独自の視点で分類。極端にピクセル化された画面や、色が破綻したイメージが並び、デジタル技術の裏側に潜む不完全さを可視化している。制御されたシステムの中に現れる偶然性や美しさを、冷静な観察眼で捉えた一冊。
photocopy | 伊丹豪
写真家・伊丹豪による実験的な作品集。写真の並びが物語や意図を生まないよう、全1000部それぞれで写真の順序を変えて制作されており、同じ表紙を持ちながら一冊ごとに異なる構成となっている。本書では、写真を「読む」対象ではなく、ただ一枚ずつ見ることに集中する体験を重視。見開きではなく単写真で構成され、ページは左上からめくる仕様となっている。写真に意味や文脈を与えるのではなく、目の前にある視覚要素そのものと向き合うための写真集。
SONAR No.1
リソグラフ印刷をアート表現の技法として体系化した実用性と実験性を兼ね備えた資料集。全ページをリソグラフ印刷で構成し、全11色のドラムによるリソグラフのカラーチャート、重なりによる発色、版ズレやムラといった特性を視覚的に確認できる。株式会社竹尾協力のもと、用紙との相性検証や多彩な紙サンプルも収録。様々な業界のアーティストや学生の実験的作品、制作データ、技法解説を収録し、創作の指針となる内容にまとめられている。限定500部刊行。
Latent Figures | Jannis Maroscheck
AIを用いた造形表現を探る、ヤニス・マロシェックの作品集。古代の記号や紋章、クリップアート、ロゴなど、人類が生み出してきた視覚要素をもとに、意味を持たない「形そのもの」として再構成されたイメージを収録している。どこか見覚えがありながら、はっきりとは意味をなさないイメージ群が並び、見る者の想像力を静かに刺激する。グラフィックデザインと抽象表現のあいだを行き来する、視覚辞典のような作品集。
Matisse: The Graphic Work
アンリ・マティスの版画やドローイングなど、グラフィック作品に焦点を当てた作品集。絵画に比べて注目される機会の少なかった仕事を、創作初期から晩年までの全期間と、用いられたあらゆる技法を視野に入れながら、代表的な約100点によって体系的に紹介している。リトグラフやエッチング、書籍の挿絵など多様な表現を通して、簡潔な線、余白の緊張感、感情と造形の関係が鮮明に浮かび上がり、マティスの表現の核心に迫る内容となっている。
Fashion Magazine: Austin, Texas | Lise Sarfati
マグナム・フォトのメンバーでもある写真家、リゼ・サルファティによる作品集。テキサス州オースティンを舞台に、街で出会った若者たちを被写体とし、ファッションとポートレートのあいだを行き来する独自の表現を展開している。流行を身にまといながらも不安定さや官能性を漂わせる思春期の若者たち。その一瞬の佇まいを静かに切り取ることで、被写体の内面に潜む感情を浮かび上がらせている。ファッション写真の洗練と、肖像写真の緊張感が交差するサルファティの視線を凝縮した一冊。
Andreas Uebele: Material ドイツ語版
ドイツのグラフィックデザイナー、アンドレアス・ウーベレの作品集。建築を学んだ経歴を背景に、ライヒスタークのグラフィックやヴィトラ・キャンパスのサイン計画など、構造的で明快なデザインを数多く手がけてきた。本書では、ウーベレによる85のプロジェクトを、制作の出発点となった「素材」という視点から紹介。書体やサイン、印刷物に加え、マシュー・カーター、エイドリアン・フルティガー、マッシモ・ヴィニェッリ、ヘルマン・ツァップら協働者の仕事も交えながら、軽やかさと明瞭さを併せ持つウーベレのデザイン思考を伝えている。
Alexander Girard Designs for Herman Miller 2nd Edithon
1950〜60年代を代表するデザイナーのひとり、アレキサンダー・ジラードの作品集。1952年にハーマンミラー社のテキスタイル部門責任者となったジラードは、イームズやネルソンの家具に鮮やかで革新的なテキスタイルを与え、当時のモダンデザインに色彩と遊び心をもたらした。本書では、テキスタイルや壁紙、オフィスのための環境エンリッチメント・パネル、家具シリーズなどを中心に、400点以上の図版でその仕事を収録。フォークアート・コレクター、建築家、インテリアデザイナーとしての側面も含め、20世紀デザイン史におけるジラードの独自性と影響力を包括的に紹介している。
Taking a Line for a Walk: Assignments in Design Education
デザイン教育における「課題(アサインメント)」に注目した一冊。指示やルール、問い、ゲームなど、課題がどのように学びを導くのかを紹介している。本書には、歴史的なものから現代の実践まで224の課題を収録。教育者や学生にとって、発想や授業づくりのヒントとなる内容がまとめられている。2014年に開催されたInternational Biennial of Graphic Design Brnoでの同名展覧会をもとに制作された。
バウハウス 1919-1933
芸術と技術、そして芸術と産業の統一を掲げ、世界的に影響を与えたバウハウスの全貌を紹介する「バウハウス 1919-1933」展の図録。モダンデザインの規範となった同校の基礎教育や授業内容、各工房での制作活動を豊富な図版とともに解説する。さらに日本への影響や当時の評論なども収録し、その歴史的意義と国際的広がりを多角的に伝えている。
痕跡 戦後美術における身体と思考
2005年に京都国立近代美術館と東京国立近代美術館で開催された展覧会の図録。戦後美術における表現の変化を「痕跡」という視点から捉え、身体行為と思考がいかに作品として定着したかを検証する。絵画、彫刻、パフォーマンス、インスタレーションなど多様な作品を通じ、制作行為そのものがもたらす物質性や時間性に焦点を当てる。具体美術協会をはじめとする日本美術と欧米の戦後表現を横断的に紹介し、論考と豊富な図版によって美術史的意義を明らかにしている。
Le Pigment De La Lumiere | Olaf Nicolai、 Heidi Specker
再建されたデッサウのマイスター邸のために制作された、オラフ・ニコライの壁面作品「Le pigment de la lumière」を記録した作品集。大理石の粉末を粒度の異なる状態で塗布することで、幾何学的なパターンと微細な起伏を生み出し、光の変化に応答する表面をつくり出している。ほとんど意識されないほど控えめな造形は、ニコライが継続して探ってきた「カモフラージュ」という概念とも重なるもの。写真家ハイディ・シュペッカーは、その壁面を撮影することで、輪郭や表面と空間の関係を際立たせ、光によって立ち現れる知覚の揺らぎを丁寧に捉えている。
マティス展 The Path to Color 2023
2023年に東京都美術館で開催された「マティス展 The Path to Color」の図録。20世紀フランスを代表する画家アンリ・マティスの歩みを、絵画、彫刻、ドローイング、版画など多彩な作品とともに辿っている。油彩35点、デッサン30点、彫刻17点を含む100点以上の図版をカラーとモノクロで収録し、晩年に手がけたヴァンスのロザリオ礼拝堂に関する資料も紹介。豊富な解説を通して、マティスの芸術的探究の広がりとその到達点を明らかにしている。
宇宙中的長城 万里の長城を1万メートル延長するプロジェクト | 蔡國強
中国出身の現代美術家、蔡國強による作品資料集。「万里の長城に1万メートル加えるプロジェクト」として、万里の長城の終点・嘉峪関から1993年2月27日夕刻、1万メートルの炎と硝煙の長城を出現させたプロジェクトの記録をまとめたもの。プロジェクトの写真、制作過程など図版とともに解説を収録。
Olafur Eliason: Open House
デンマーク出身の現代アーティスト、オラファー・エリアソンのスタジオが手がける〈Take Your Time〉シリーズ第7巻。スタジオ内部で行われる制作のプロセスや実験的リサーチ、作品が形になるまでの過程を豊富な写真資料とともに紹介している。スタッフや研究者との協働を通じて生まれる創造の現場を記録し、エリアソンの思考と実践の全貌を明らかにしている。
八木良太 サイエンス フィクション
2014年に神奈川県民ホールで開催された展示の図録。若手作家に焦点を当てた現代美術シリーズ第5弾として、現代美術作家・八木良太の表現世界を紹介する。日常にありふれた事物を独自の視点でとらえ直し、モノの機能や性質を解体・再構成する。立体、映像、インスタレーションなど多彩な作品図版とともに、その発想や空間構成を丁寧に解説。
Borderlands | Helene Schmitz
スウェーデンの写真家、ヘレーネ・シュミッツによる作品集。砂に覆われた室内や荒廃した建築、家具が取り残された空間、あるいは熱帯の植物が生い茂る風景などを撮影している。人為的に築かれた環境と自然が入り混じる場面は、破壊と再生の両義性を示している。写真は単なる記録にとどまらず、私たちが自然をどのように捉えてきたかという視点を呼び起こす。儚さと美しさを併せ持つ情景を通じて、自然観の多層性を浮かび上がらせている。
漕 Kogi | 津田直
写真家・津田直による作品集で、琵琶湖を舞台に撮影した〈漕 Kogi〉シリーズをまとめている。波立つ水面や湖上の月、日本家屋や雨の気配といった風景を写し取り、写真と散文を織り交ぜながら構成されている。かつて江戸時代に琵琶湖を往来した丸小船の存在を重ね合わせることで、現在と過去が交錯する時間の流れを示し、水に宿る記憶を探る内容となっている。静謐で詩的な視点から、水と人との関係を浮かび上がらせている。
Woosters | Ted Stamm
アメリカのアーティスト、テッド・スタムの活動を初めて本格的に紹介するモノグラフ。1970年代のニューヨークを拠点に、黒という色彩に徹底して向き合い、ミニマルな絵画から街頭での介入的な表現までを展開した。本書では、晩年まで制作と生活の場としたウースター・ストリートに着想を得た「ウースター・シリーズ」を中心に、絵画、紙作品、ステンシル、写真を収録。都市空間と絵画表現の関係を探ったスタムの実践と、その独自の造形感覚を紹介している。<
Novo Typo Color Book | Mark van Wageningen
オランダ・アムステルダムを拠点とする独立系のタイポグラフィ、グラフィックデザインスタジオNovo Typoによるビジュアルブック。色とタイポグラフィの新たな関係性を探求する実験的プロジェクトをまとめた1冊。多色で組むためにデザインされた書体「Ziza(ジザ)」を用いて使用例を紹介。限定750部。英語表記。
Ehrlich Yanai Outside-In: New California Modernism
建築設計事務所・EYRC Architectsによる住宅建築集。スティーブン・アーリックとタカシ・ヤナイの設計による、南カリフォルニアを中心にサンフランシスコやヒューストン近郊に建てられた16の住宅プロジェクトを収録している。海や山、豊かな自然環境と調和しながら、開放的でシンプルな造形に地域の気候や文化的要素を融合させた建築を多数掲載。モダニズムの理念を継承しつつ、現代の生活様式に寄り添う新しいカリフォルニア建築の姿を紹介している。
Mies Van Der Rohe
20世紀モダニズムを代表する建築家、ミース・ファン・デル・ローエの仕事を写真と図版でたどるモノグラフ。1929年のバルセロナ万国博覧会ドイツ館(バルセロナ・パヴィリオン)や、アメリカ移住後に手がけたニューヨークのシーグラム・ビルなど、建築史に残る代表作を中心に、家具デザインもあわせて紹介している。「Less is more(より少ないことはより豊かである)」という思想のもと、鋼とガラスによって切り拓かれた簡潔で力強い空間構成を、視覚的に理解できる一冊。
Naoto Fukasawa
プロダクトデザイナー・深澤直人の英語版として初めて刊行された作品集。自身の監修のもと、携帯電話「INFOBAR」や電卓など代表作を含む100点以上を豊富な図版とともに解説している。寄稿者には同じくプロダクトデザイナーのジャスパー・モリソンや原研哉、彫刻家アントニー・ゴームリーらが名を連ね、国際的な視点から深澤直人の活動を論じている。装丁は原研哉が手がけている。
The Dymaxion World of Buckminster Fuller
デザイナーや建築家、詩人などとして活動したバックミンスター・フラーの代表的コンセプト「ダイマクション(Dymaxion)」について紹介した一冊。「最小のエネルギーで最大の成果を生む」という思想のもと誕生した、ダイマクション・カー、ジオデシックドーム、ユニット型バスルームなど革新的デザインを写真や図解とともに解説する。かつて夢想家と見なされながらも、のちに時代に先駆けていたことが証明された思索の軌跡を描き出す。
Eames Design イームズ・デザイン展(表紙オレンジ)
2001〜2002年に東京都美術館などで開催された展覧会の図録。ミッドセンチュリーを象徴するデザイナー、チャールズ&レイ・イームズ夫妻の仕事を総覧する一冊。成形合板の技術で革新をもたらした椅子をはじめ、家具、建築、映像、玩具、テキスタイルなど、夫妻が生涯にわたり手がけた多様なデザインワークを豊富な写真と資料で紹介する。優れた機能性と美しい造形を兼ね備えたイームズ作品の広がりと、20世紀アメリカのモダンデザインへの大きな影響を伝えている。
粟津潔の仕事 1949-1989
日本を代表するグラフィックデザイナー、粟津潔の40年にわたる創作活動を総覧する作品集。初期のスケッチからポスター、ブックデザイン、舞台美術に至るまで、多岐にわたる仕事を豊富な図版で紹介している。戦後日本のデザイン史を牽引した粟津の実験精神と社会へのまなざしを通して、グラフィックデザインの可能性を再考させる一冊。
Idea Archive 02 ミルトン・グレイサー
1968年刊行の『アイデア』別冊を復刻したミルトン・グレイサー特集。60〜70年代のアメリカを代表するグラフィックデザイナー/イラストレーターであるグレイサーのポスター、ブックデザイン、エディトリアルワークなどを多彩な図版で収め、当時の表現をそのままの空気感で味わえる構成となっている。評論には田中一光、原弘、粟津潔によるテキストを収録し、国際的なデザイン交流の広がりを感じさせる視点が加えられている。また、美術構成とレイアウトを横尾忠則が手がけており、当時の日本デザイン界とアメリカの潮流が交差する稀有な一冊となっている。
アイデア No.407 紙媒体がつなぐ未来 雑誌・同人誌・リトルプレスをつくるひとたち
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.407(2024年10月号)は、「紙媒体がつなぐ未来」を特集。『Subsequence』『mahora』『inch magazine』など、雑誌・リトルプレス・同人誌を通じて新たな出版のかたちを模索する人々に焦点を当てる。大量生産の出版モデルが揺らぐなか、独立系編集者やデザイナーがどのように紙媒体の魅力と意義を再構築しているのかを探る。紙というメディアがもつ表現の力と持続の可能性を通じて、現代出版の造形理念と実践を的確に示している。
アイデア No.401 都市空間のみちしるべ
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.401(2023年4月号)は、「都市空間のみちしるべ」を特集。標識や案内板など、都市環境における視覚情報をテーマに、建築・デザイン・書体・都市計画の各分野からウェイファインディングデザインを考察する。デヴィッド・ギブソン、岸井隆幸、Swiss Typefaces、豊田啓介らが寄稿し、古代から現代、そしてデジタル空間へと続く道標のデザインを多角的に検証。都市と人、情報をつなぐデザインの構築的アプローチを解き明かしている。
The Glove: More than Fashion
手袋という身近なアクセサリーを、ファッションにとどまらない文化史の視点から読み解く一冊。イヌイットの防寒用ミトンやボクシンググローブ、ゴム手袋、教皇の手袋から、マーク・ジェイコブスやドリス・ヴァン・ノッテンによるデザインまで、多様な実例を通して手袋の広がりを紹介している。実用品としての防寒や保護の機能にとどまらず、決闘に用いられる象徴的な道具や、愛の証としての意味を担った歴史的背景にも光を当てる内容。文化や宗教、スポーツの領域を横断しながら、手袋の魅力をあらためて提示している。
石上純也 ちいさな図版のまとまりから建築について考えたこと
INAX出版による『現代建築家コンセプト・シリーズ2』として刊行された、建築家・石上純也の思考と表現を探る一冊。スケッチ、図面、イラスト、絵画、コラージュ、写真といった多様な図版とテキストを通じて、建築をめぐる思考のプロセスを可視化する。モダニズムやポストモダニズムとは異なる次元で、建築の存在や空間の在り方を問い直すその試みは、石上の建築そのもののように繊細で精緻な関係性に貫かれている。
谷口吉郎・谷口吉生の建築 金沢が育んだ二人の建築家
2014年に金沢市民芸術村で開催された展示の図録。金沢が育んだ二人の建築家、谷口吉郎と谷口吉生の作品を紹介。藤村記念堂、帝国劇場、豊田市美術館、ニューヨーク近代美術館ほか、金沢を起点に日本各地から世界へと広がる建築の軌跡を、豊富な図版と解説で収録。建築の世界を通して、建築が果たす役割とは何か、都市のあり方とは何かを問い直す。
安藤忠雄展 挑戦
2017年に国立新美術館で開催された「安藤忠雄展 挑戦」の図録。独学で建築を学び、常に既成概念を打ち破る斬新な作品を生み出してきた安藤忠雄の活動を紹介する。「原点/住まい」「光」「余白の空間」など6つのセッションに分け、実際の建築作品や模型、ドローイングを多数収録。豊富な資料を通して、安藤建築の思想と挑戦の軌跡を浮かび上がらせている。
Chocolate チョコレート
2007年に21_21 DESIGN SIGHTで開催された展示の図録。企画は三宅一生、佐藤卓、深澤直人。国内外のアーティストやデザイナーが、誰もが知る普遍的な食べ物であるチョコレートを題材に制作した、映像、立体、インスタレーションなど約70点の作品を収録している。ワークショップを重ねながら生まれた多様な視点は、デザインの楽しさだけでなく、嗜好品としてのチョコレートが持つ社会性や文化的背景にも光を当てている。