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Self Service No.52
2025年12月11日
パリを拠点に年2回発行されるファッション&カルチャーマガジン『Self Service』vol.52(2020年 Spring/Summer号)。クリエイティブ・ディレクターのエズラ・ペトロニオとファッション・ディレクターのスザンヌ・コラーによって創刊され、世界的フォトグラファーによる斬新かつスタイリッシュなビジュアルを多数掲載する。本号では、エズラ・ペトロニオが表紙を担当、モデルはローラ・ニコン。バイレード(BYREDO)創設者、ディレクターのベン・ゴーラムやクリエイティブディレクター、ルバ・アブ=ニマらの対談記事を収録。
KURA | 蔵真墨
2025年12月11日
写真家・蔵真墨による、2000年代の日本の日常風景をモノクロで捉えた作品集。都市や郊外の街角、人々の何気ない姿をストリートスナップの手法でありながら独自の視点で切り取り、日常の中に漂う微妙な空気感や時代の匂いを浮かび上がらせる。特別な瞬間ではなく、ありふれた日常の一瞬を通して現代日本の社会や人間性の断面を描き、鑑賞者に問いかけるような余白を残している。
映画館 | 山田秀樹
2025年12月11日
写真家・山田秀樹による、かつて全国に存在したものの次第に姿を消しつつあるピンク映画館をテーマにした作品集。都市の片隅にひそかに息づくこれらの空間と、そこに集う人々の営みをやさしく、しかし確かな視点で切り取ることで、日常の中の非日常、社会の周縁に潜む空気感を映し出す。失われつつある場所と時間、人々の記憶を丁寧に記録し、日本の都市風景と文化の断面を浮かび上がらせる。写真77点を通じ、鑑賞者に都市の変化や記憶の価値を問いかける、現代社会を映すドキュメンタリー的写真集。
Tord Boontje | Martina Margetts
2025年12月11日
オランダのデザイナー、トード・ボーンチェの創作をまとめた作品集。ロマンティックな感性と手工芸的な細やかさを、現代の工業デザインへと融合させてきた彼の代表作を、300点以上のスケッチや写真で紹介する。スワロフスキーやアルテミデ、モローゾのために制作したランプ、家具、テキスタイル、紙のオブジェなど、繊細な装飾性と軽やかな構造を兼ね備えた作品が多数収録。ステンシルやダイカットを用いた特別仕様の造本も特徴で、ボーンチェ特有のパターンづくりと創造性を視覚的に展開している。
KOSMOS | 森田城士
2025年12月11日
写真家、森田城士の作品集。ニューヨーク、東京、ソウル、台北、メキシコシティー、バルセロナを巡りながら撮影したパノラマ作品をまとめたもの。高所から街を見下ろす視点が特徴で、建物が等間隔に並ぶ均質なパターンや、結晶のように広がる構造がとらえられている。
デイヴィッド・ホックニー 僕の視点 芸術そして人生
2025年12月11日
現代美術を代表するアーティスト、デイヴィッド・ホックニーが、この20年間の出来事や制作の試みを振り返りながら、自身の生き方と創作について語った自叙伝。ロサンゼルスでの活動、写真やデジタル技術への関心、家族や友人とのつながりなど、日々の経験がどのように作品へと結びついたのかが、率直であたたかな語り口でつづられている。収録された365点の図版は、ホックニーの表現がどのように変化し、発展してきたのかを視覚的に示し、読み手の理解を深めてくれる。
Edward Hopper: Portraits of America
2025年12月11日
20世紀アメリカを代表する画家、エドワード・ホッパーの作品集。戦後のアメリカ社会の多様な気分や風景を描き出したホッパーのまなざしに迫る一冊であり、荒涼とした小さな町、静まり返ったオフィスに佇む人物、穏やかなニューイングランドの風景など、彼の代表作を豊富に収録。孤独や静寂、そしてどこか謎めいた不確かさが漂うホッパーのイメージは、人々の心の奥底に触れ、アメリカという国の本質を映し出すものとして長く愛されてきた。観察者としての彼の鋭さと、日常に潜む感情を掬い取る力を堪能できる、ホッパーの魅力を凝縮した作品集。
木村伊兵衛写真集 パリ | のら社
2025年12月11日
日本を代表する写真家・木村伊兵衛が、パリの街角を歩きながら撮り続けた写真をまとめた一冊。シャンゼリゼ通りやオペラ通りといった華やかな名所ではなく、日常の気配が漂う裏通りや市場、路地を中心に、市井の人々の素朴な表情や暮らしの風景をとらえている。無邪気に遊ぶ子どもたち、風船売り、釣りを楽しむ人々など、木村が好んだ市民の姿が軽やかなリズムで連なり、パリの印象をより親密な距離から伝えてくれる。
Autopsies | Pierre Filliquet
2025年12月11日
フランスの写真家ピエール・フィリケによる作品集。ストラスブール大学医学部の旧解剖室を題材に、改装前の空間から取り壊しの過程、改装後の姿までを撮影している。タイトルが意味する「検死」「解剖」という言葉を重ね合わせ、建築そのものの変容を検証する視点が貫かれている点が特徴。写真は時間の層を示す記録として、空間が持つ歴史や記憶を可視化し、建築と人間の営為の関わりを浮かび上がらせている。巻末にはフィリケへのインタビューも収録。
Iran: A Picture Book | Oliver Hartung
2025年12月11日
ドイツ出身の写真家オリバー・ハルトゥングが、2011〜2014年にイラン各地を巡って撮影した写真集。モニュメントや建築物、戦争墓地、街角の壁画やポスターなど、公的空間にあらわれる多様なイメージを通して、その土地に根づく歴史観や価値観を読み解いていく。1979年のイスラム革命以降、公共空間が宗教的・政治的メッセージを映し出す場となり、日常の風景にも象徴的な意匠が深く刻まれ、現代イランの複層的な姿を映し出している。
Happy Purim | Estelle Hanania
2025年12月11日
パリを拠点に活動する写真家エステル・ハナニアが、2011〜2014年にロンドンのスタンフォード・ヒルで撮影した、ユダヤ教の祝日・プーリムを題材にした作品集。子どもたちは自作の衣装や仮面を身につけ、ピザや道化師など多様なキャラクターに扮して街に立つ。その姿は祝祭のにぎわいだけでなく、背後にあるレンガ壁や木々、扉といった日常の景色と重なり、地域に息づく文化的な想像力を静かに示していく。ハナニアが関心を寄せてきた仮装や儀式性のテーマが軽やかに息づくシリーズで、プーリムが持つ“外見と内面”という問いを写真として映し出している。
Mountains and Waters | Richard Long
2025年12月11日
イギリスの彫刻家・美術家リチャード・ロングによる、地表を歩くという行為を核に据えた作品集。イギリス、アメリカ、日本、ネパール、スイスなど各地の自然に身を置き、その土地を歩く過程で得た経験をモノクロ写真や簡潔なテキストとともに構成。足跡の軌跡や、石や土を用いたささやかな介入は、風景そのものに潜む時間の流れや距離の感覚を可視化し、読む者に空間を身体的に想像させる。
Sudek and Sculpture | Hana Buddeus
2025年12月11日
「プラハの詩人」と呼ばれるチェコの写真家ヨゼフ・スデックが、もっとも愛した題材である彫刻に注目した作品集。風景写真や静物で知られるスデックだが、実は長年にわたり美術作品の撮影を数多く手がけており、その仕事はこれまで広く紹介されてこなかった。本書では、彫刻の質感や形を静謐なモノクロでとらえた写真を中心に、芸術写真と商業写真のあいだを行き来したスデックのもう一つの側面を明らかにしている。
Mijin Huis Was | Karin Borghouts
2025年12月11日
ベルギーの写真家カリン・ボルハウトが、火事で焼失した自宅を訪れた際に撮影した写真をまとめた作品集。煤に覆われた本や絵画、黒く焦げついた装飾品など、かつての生活の痕跡が変質した形で残る室内を、静かなまなざしでとらえている。失われた記憶と、そこで過ごした時間の断片が重なり合うような光景のなかに、ボルハウトは不穏さと美しさの両方を見いだし、シャッターを切ったという。
亜米利加 II 一九八九 | 大竹伸朗
2025年12月11日
現代美術家、大竹伸朗のスクラップブック作品集。1989年、3ヶ月間のアメリカ滞在時、都市の路上で拾ったゴミや印刷物、新聞などを貼り込んで作ったスクラップブックの原本を元に一部再構成し、再現したもの。随所に貼り込み図版が施され、本物のスクラップブックを意識したかのような手の込んだ装丁も特徴的な一冊。解説と年譜について記載の別紙付属。1,000部限定刊行。
増補 情報の歴史 象形文字から人工知能まで
2025年12月11日
人類がどのように情報を生み出し、編集し、伝えてきたのかを壮大なスケールで描く年表。1990年刊行の初版に、1989年から1995年までのページを追加した増補版。象形文字の誕生から現代のAIや仮想現実まで、政治・経済・科学・思想・文化の五つの領域を横断し、情報の進化を多層的に整理している。東西を貫く世界同時年表の構成により、出来事の関係性や知の連鎖が浮かび上がる。
148 Oblique Drawings | Serban Ionescu
2025年12月11日
ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、セルバン・イオネスクが、2020〜2023年に続けてきた日々のドローイングをまとめた作品集。〈同じ定規・同じ紙のサイズ・水彩の流れ〉という条件を設け、日々の習作から生まれた148点の絵を収録。建築的なフォルムと自由な色彩が組み合わさったイメージには、セルバン特有の遊び心が息づく。さらに、友人やアーティスト仲間が作品にタイトルをつけ、その言葉が詩のようにつながって本のもうひとつの物語を紡いでいる。
空想の建築 ピラネージから野又穫へ
2025年12月11日
2013年に開催された「空想の建築 ピラネージから野又穣へ」展にあわせて刊行された公式カタログ。18世紀ローマを舞台に壮大な空想建築を版画に刻んだジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージから、現代において架空の巨大建築を描き続ける画家・野又穣の作品まで、古代から未来へと広がる建築的イマジネーションを比較・検証している。絵画を中心に図版と解説を収録し、想像力が生み出す建築表現の系譜を探る。
Tadao Ando at Naoshima
2025年12月11日
現代日本を代表する建築家・安藤忠雄の活動を、瀬戸内海の直島に焦点を当てて紹介する書籍。直島の地で進行してきた建築群の中から、近年完成した地中美術館を中心に収録。段々畑として利用されてきた塩田跡の地形を尊重し、大部分を地下に埋め込むことで景観に溶け込ませたその手法は、安藤の建築的力量を示す鮮烈な実例となっている。
建築の日本展 その遺伝子のもたらすもの
2025年12月11日
2018年に森美術館で開催された展示の図録。縄文の住居から現代建築に至るまで、日本建築を特徴づける100の事例を精巧な模型や図版、設計資料を通して紹介。展示の監修は藤森照信。丹下健三、谷口吉生、安藤忠雄、妹島和世らが国際的に評価される背景には、素材観、自然との関係、空間の捉え方といった、日本建築に受け継がれてきた多様な「遺伝子」があるとされる。それを読み解く9つの特質を手がかりに、古代から現代まで連続する思考と造形の流れをわかりやすく提示し、日本建築の可能性を検証している。
インポッシブル・アーキテクチャー
2025年12月11日
2019年より埼玉県立近代美術館ほか全国を巡回した展覧会の図録。カジミール・マレーヴィチ、ミース・ファン・デル・ローエ、ブルーノ・タウト、前川國男、スーパースタジオ、ザハ・ハディドなど、20世紀以降の国内外における“実現しなかった建築”を取り上げ、その構想が孕む創造性を紹介。技術的には可能でありながら社会制度に阻まれた案、既存の枠組みへの批評精神を示す提案、未来への想像力を結晶させた構想など、アンビルト建築に宿る思想と実験性に光を当てる。
井上嗣也作品集 Inoue Tsuguya Graphics Talking the Dragon
2025年12月11日
アートディレクター・グラフィックデザイナー井上嗣也の近作を収録した作品集。2010年にギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催された展覧会を中心に構成され、「DRAGON」と「光」をテーマにした実験的なビジュアルを展開している。ヤモリやカマキリといった生物、光、水滴、煙などの一瞬の現象を捉え、写真とグラフィックを自在に融合。繊細さと力強さ、静寂と躍動が共存する独自の世界を構築している。コム デ ギャルソンやモリサワの広告作品も併録し、井上の造形理念とユーモア、そして飽くなき挑戦精神を鮮やかに伝えている。
Dana Sculptures | イヴ・ダナ
2025年12月11日
スイスを拠点に活動する彫刻家、イヴ・ダナの作品集。鉄の作品をはじめ、ブロンズ、石膏など1982年から1999年にかけて制作された作品を紹介。カラーによる大判の図版65点、モノクロによる彫刻カタログ180点とともに解説を収録。神秘的で古代文明を想起させる造形の数々が収められている。
アイデア No.309 デザインの解放区
2025年12月11日
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.309(2005年3月号)は、「デザインの解放区」を特集し、表現の多様化が進み新しいデザインが生まれにくいとされる状況のなかでも、独自の実践を続けるデザイナーたちの仕事に焦点を当てている。アート、ファッション、プロダクト、グラフィックといった領域を横断し、既存の枠に依存せず、自ら意味や価値をつくり出そうとする思考と手法を丁寧に紹介。
アイデア No.310 日本のタイポグラフィ 1995−2005
2025年12月11日
デザイン誌『アイデア』第310号(2005年5月号)。巻頭特集「日本のタイポグラフィ 1995−2005」では、この10年間に制作された書籍、雑誌、ポスターなどのタイポグラフィデザインを総覧し、日本の文字表現の現在を多角的に検証している。葛西薫、杉浦康平、羽良多平吉、原研哉をはじめ、第一線で活躍する55名のデザイナーの仕事を収録。印刷技術の進化とデジタル環境の変化を背景に、書体設計、レイアウト、構成など多様なアプローチを比較し、1990年代から2000年代にかけての潮流を浮かび上がらせる。
アイデア No.358 そして本の仕事は続く…デザイナー8人のコンテクスト
2025年12月11日
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.358(2013年5月号)は、「そして本の仕事は続く」をテーマにしたブックデザイン特集。水戸部功、名久井直子、吉岡秀典、川名潤、大久保明子、坂野公一、森大志郎、佐々木暁の8名の若手デザイナーの活動を紹介。また、デザイナー片山利弘とイラストレーター三嶋典東の追悼記事や、韓国のグラフィックデザインを取り上げた記事も収録。
Vignette Typography Journal ヴィネット 5号 挑戦的和字の復刻
2025年12月11日
朗文堂発行のタイポグラフィ・ジャーナル「ヴィネット」第5号、「挑戦的和字の復刻」特集。古典より名作和字(かな文字)の魅力を発掘し、その成立の背景と人物を探求。また平成時代の電子活字に名作和字を甦らせるべく、復刻技法を記録。
MIYAKE ISSEY展 三宅一生の仕事
2025年12月11日
2016年に開催された「MIYAKE ISSEY展:三宅一生の仕事」にあわせて刊行された公式カタログ。初期から最新プロジェクトに至るまでの代表作を通じて、「ものづくり」に対する三宅一生の思想と独自のデザインアプローチを紹介する。衣服を身体と社会の関係性からとらえ直すその視点は、時代を越えて評価されてきた。本書は、三宅一生の仕事を体系的に知るとともに、その創造の本質に触れることのできる内容となっている。
ルイーズ・ブルジョワ展 地獄から帰ってきたところ言っとくけど、素晴らしかったわ
2025年12月11日
2024年から2025年にかけて森美術館で開催された展覧会の公式図録。20世紀を代表する芸術家ルイーズ・ブルジョワの、約70年にわたるキャリアを網羅し、インスタレーション、彫刻、ドローイング、絵画など約100点を収録する。作品と人生が深く結びついた創作の軌跡を通して、その人間性と活動の全貌に迫る内容となっている。
Experimental Workshop: Japan 1951-1958
2025年12月11日
2009年にアネリー・ジュダ・ファイン・アートで開催された展示の際に刊行されたもの。欧米で初めて瀧口修造が主宰した前衛的芸術集団「実験工房」を紹介。宣伝ポスターや資料写真、山口勝弘、大辻清司、福島秀子らによる絵画、立体作品、写真ほか図版とともに解説を収録。
ヘレン・シャルフベック 魂のまなざし
2025年12月11日
2015年に開催されたフィンランドの画家、ヘレン・シャルフベックの回顧展の図録。19世紀末から20世紀初頭、フィンランドが独立へ向かう激動の時代に生きたシャルフベックは、周囲の人々を描きながら同時に自身の存在を深く見つめ続けた画家として知られる。その精神的な軌跡と制作の進化を丁寧にたどり、世界的に再評価が進むシャルフベックの全貌を80点以上の図版とともに紹介。
Rivers & Towns | Mark Steinmetz
2025年12月10日
写真家、マーク・スタインメッツが1980年代のアメリカ・コネチカット州で撮影した、労働者階級の町や都市の風景を収めた作品集。川沿いに建つ工場や製粉所が衰退期を迎える中、スタインメッツは橋や家並み、通り、そしてそこに暮らす人々の内面までも写し取ろうとした。変わりゆく地域の空気と静かな人間ドラマが、モノクロームの写真に深い余韻を与えている。写真家としての自己探求の軌跡を含め、アメリカの一時代を詩的に映し出す貴重な写真集。
●○ | 春木麻衣子
2025年12月10日
写真家・春木麻衣子による初期作品をまとめた実験的な写真集。都市の建築や街路、自然風景といった身近なモチーフを対象に、強烈な光と深い影を対置させることで、日常の風景を抽象的で詩的なイメージへと変換している。匿名性の高い景色がページの中で再構成され、見る者の記憶や感覚を揺さぶるように作用する、春木の独自性が色濃く刻まれた一冊。限定800部発行
Dieter Krieg: Fritten Und Brillianten
2025年12月10日
ドイツ出身のアーティスト、ディーター・クリークの作品集。2008年にドイツのシュトゥットガルトの美術館で開催された初の本格的な回顧展に際して刊行されたもの。クリークは植木鉢や十字架、フライドポテトやダイヤモンドといった日常と非日常のモチーフを等価に扱い、巨大なスケールで描くことで、平凡さの中に悲喜劇や官能、美的な緊張感を宿らせた画家として知られている。1960年代以降、「新具象」の最も際立つ存在として評価され、1978年にはウルリッヒ・リュックリームとともにヴェネツィア・ビエンナーレのドイツ館を飾った。生の実感を大胆にすくい上げるその独自の絵画世界を総合的に辿ることができる一冊。
Burberry | Alexander Fury
2025年12月10日
1856年の創業以来、バーバリーが築いてきた165年以上の歴史を豊富なアーカイブ資料と200点の図版とともに紐解く一冊ビジュアルブック。家族経営の小規模な企業から、2022年には世界的ラグジュアリーブランドへと成長した歩みを、5つの章にわたり明快に描き出している。冒険家たちを支えた機能性、ブランドを象徴するトレンチコートやチェック柄、そして独自の英国的スタイルなど、バーバリーを語るうえで欠かせない要素を網羅して収録。ブランドのクラフツマンシップと不変の美学を深く味わえる、バーバリーの魅力を知るための必携の一冊となっている。
ポスター研究2 竹尾ポスターコレクション共同研究報告 構成的ポスターの研究 バウハウスからスイス派の巨匠へ
2025年12月10日
多摩美術大学・ポスター共同研究会による、構成的デザインのポスター史を体系的に読み解く研究書。竹尾創業100周年記念事業として刊行されたもの。構成的芸術の年代的流れから、具体芸術やスイス・スタイル、さらにヨーゼフ・ミュラー=ブロックマンらの造形思考までを詳細に解説。属性図を用いたポスター構造の分析や、サンセリフ体の役割、バーゼル派の方法論など、構成主義以降のデザイン言語が多角的に論じられる。豊富な資料とモダンデザインの流れを学ぶ研究書としても、現場のデザイナーにとっても示唆に富む、貴重な一冊。
The World of Apartamento: Ten Years of Everyday Life Interiors
2025年12月10日
インテリア雑誌『Apartamento』創刊10周年を記念して刊行された写真集。これまで誌面を飾ってきた住まいの特集を再編集し、300点以上の写真とインタビューを収録。世界中の美術家、デザイナー、ミュージシャン、映画監督など多彩なクリエイターの“実際に暮らす空間”を紹介することで知られる同誌らしく、取り上げられる部屋は豪奢でも完璧でもなく、生活感と個性がそのまま写し取られている。舞台裏をのぞくようなリアルな佇まいは、従来の美しく整えられたインテリアとは異なる視点で住空間を捉え、誰にとっても身近で自由なライフスタイルのヒントを与えてくれる。
Course of the Empire | Ken Light
2025年12月10日
アメリカの写真家、ケン・ライトの作品集。10年前に分断が深まる祖国の実像を捉えるため、アメリカ全土を巡り撮影した作品群を収録。ウォール街から地方の小さな町まで、人種・階級・政治的立場を越えて人々の姿を記録し、国がどのように道を逸していったのかを視覚的に描き出している。旅の途中、抗議運動の拡大、政治の混迷、気候変動による災害、トランプ政権の台頭とその影響など、激動する時代の断片が次々とカメラに刻まれた。アメリカ社会の痛みと緊張を鮮烈に映し出し、複雑な時代を生きる人々を記録している。
SUNSET | Jens Klein
2025年12月10日
ドイツの写真家、イェンス・クラインによる、東西ドイツの国内国境を越えようとした人々の脱出ルートを描いた写真集。収められた写真は、シュタージ記録局のアーカイブから選ばれ、1961年から1989年に秘密警察、警察、国民人民軍の国境警備隊によって撮影されたもの。監視や国境施設のチェック、脱出の試みの記録を通じて、逃亡者の運命ではなく彼らが選んだルートに焦点を当てている。ページをめくるとトンネルや水路、列車や街の風景をたどる迷路のような旅が展開し、歴史的証言と個人の想像が交錯する。
At Twelve, Portraits of Young Women | Sally Mann
2025年12月10日
アメリカの写真家サリー・マンが故郷バージニア州で暮らす12歳の少女たちを撮影した、初期代表作。子どもと大人のあいだで揺れ動く多感な年頃の表情や仕草を、大判カメラならではの緻密さと静かな緊張感をもってとらえている。無垢さと不安、期待と戸惑いが同居する「12歳」という時間を、少女たちのまなざしとともに丁寧に写し出し、成長期の複雑な心の揺れを鋭く映す一冊。
American Independents: Eighteen Color Photographers | Sally Eauclaire
2025年12月10日
1970年代に台頭した新しい写真表現「ニュー・カラー」を紹介する写真集。郊外の自然や人工物、そこに暮らす人々を被写体とした代表的な写真家18名の作品を収録している。ウィリアム・エグルストン、ジョエル・マイロウィッツ、スティーブン・ショアーらが参加し、アラスカの雄大な景観やテキサスのロデオ、ニューヨークの街並など多様な場面を切り取っている。カラー写真の新たな可能性を開拓した彼らの仕事を通じて、アメリカ社会の多様性と力強さを映し出している。
The Heart Is a Sleeping Beauty: The Million Dollar Hotel-A Film Book | Wim Wenders
2025年12月10日
ドイツの映画監督ヴィム・ヴェンダースが手がけた映画『ミリオンダラー・ホテル』の世界を記録したスチール写真集。構想はU2のボノによるもので、映画の場面を切り取った写真は、映像の一瞬というよりも写真のために設計されたかのような構図と色彩を湛えている。作品世界を静止画として見直すことで、新たな美的発見を促す内容となっている。ボノによる序文に加え、巻末には撮影ノートも収録され、映画制作の背景を伝えている。
Le Livre Objet d’art, Objet Rare | Annie Schneider
2025年12月10日
中世の写本から現代のアーティストブックまで、書物がどのように形づくられ、芸術として発展してきたかを幅広く紹介する資料集。手漉き紙の製造、活版印刷、装丁、金箔押しといった伝統技法を丁寧に解説し、豊富な図版によってその工程や仕上がりの美しさを視覚的に伝えている。ルネサンス期以降のパトロン、収集家、出版社、アーティストたちの活動にも光を当て、書物が単なる情報媒体ではなく、文化と美意識を体現する芸術作品として発展してきた歩みを示す点も本書の大きな特徴。
Proof | Ron Van Dongen
2025年12月10日
オランダ出身の写真家ロン・ヴァン・ドンゲンによる作品集。未処理のポラロイド・マスタープルーフが時間の経過によって変質した姿に焦点を当てている。化学薬品の不安定さによって生じた焼け・滲み・閃光のような偶発的な痕跡が花々に重なり、まるで時のカプセルから取り出されたような、古びていながらも息づく美しさを放つ。鮮やかな花弁や官能的なブーケは、経年変化をまとってなお生命力を湛え、若さと老い、生成と消失といったテーマを静かに語りかけてくる。
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