Enghelab Street: A Revolution through Books: Iran 1979-1983 | Hannah Darabi
パリを拠点に活動するアーティスト、ハンナ・ダラビによるビジュアルブック。イランの首都テヘランの中心に位置し、本屋街として知られる「エンゲラーブ通り」を舞台に、1979年から1983年にかけて発行された写真集やプロパガンダ本を中心に構成している。パフラヴィー朝の崩壊とイスラム政権の成立という激動の時代に、一時的に花開いた表現の自由と出版文化を記録した貴重な資料群を収録。チョウラ・マカレミによる批評的エッセイとともに、イラン現代史における文化的記憶を再構築している。
Design of Doujunkai 蘇る都市の生活と記憶 同潤会アパートメント写真集
関東大震災の復興支援を目的に設立された同潤会によるアパートメントを紹介する写真集。大正末期から昭和初期にかけて東京・横浜に建設された鉄筋コンクリート造の集合住宅の内外観や什器をカラー図版で収録。先進的な設計思想と、そこに営まれた生活の記録を通して、日本の都市住宅史の一断面をたどる。
横尾忠則の全ポスター
グラフィックデザイナー、横尾忠則の作品集。1953年の高校時代の学園祭ポスターから1994年までのポスター332点を年代順にカラーで収録したもの。横尾の出発点とも位置付けられるポスターという媒体を軸に、その創作活動の変遷を俯瞰できる。各作品には美術評論家・倉林靖による解説が添えられており、時代背景や制作の文脈とともに作品を読み解くことができる。
アイデア No.307 韓国のグラフィックデザイン
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.307(2004年11月号)の韓国グラフィックデザイン特集号。キム・ドゥソッ、イ・セヨン、ミン・ビョンゴルら新世代のデザイナーによる作品を中心に、デジタル社会やハングル表現、朝鮮王朝リバイバル、ナショナリズム、ポストモダンといった多様な潮流を取り上げる。小倉紀藏のインタビューや歴史的論考も収録し、急速に変化する韓国社会のなかで生まれた造形の活力と思想を探る。
妖精たちの森 | 野中ユリ、澁澤龍彦
美術家・野中ユリの作品集。1980年に講談社から刊行された初版。銅版画やデカルコマニーを出発点に持つ野中ユリが、コラージュ作品25点を収録。火・水・風・土の精など、黄昏の国に住む不思議な存在たちをモチーフに、幻想的な世界が展開される。澁澤龍彦による博物エッセイが作品に寄り添い、図像と文章が響き合う構成になっている。
Doisneau Pennac: La vie de Famille | Robert Doisneau
フランスの写真家、ロベール・ドアノーの作品集。1950年から1960年代のパリを舞台に、家族の時間や日常の喜びを写した写真を収録。結婚式のひととき、子どもたちの無邪気な姿、兄弟や親子が食卓を囲む場面など、当時の生活の気配が細やかに刻まれている。街角や室内における人々の自然な関わりが連続する場面として並べられ、ドアノーのまなざしを通じて戦後フランスの日常と、そこに宿る親密な空気を伝える。
Die Collage: Geschichte eines künstlerischen Ausdrucksmittels
美術史家、ヘルタ・ウェッシャーによるコラージュの通史的資料集。工芸や民俗芸術における先駆的な事例から始まり、キュビズム、未来派、表現主義、ロシア・アヴァンギャルド、ダダイズム、シュルレアリスム、構築主義、そして第二次大戦後のコラージュ芸術まで、20世紀前半を中心に幅広く論じている。298点のモノクロ図版と40点のカラー図版を収録。
奈良美智展 Moonlight Serenade 月夜曲 | 金沢21世紀美術館
2006年から2007年にかけて金沢21世紀美術館で開催された展示の図録。現代美術家・奈良美智のインスタレーション「Voyage of the Moon」をはじめ、小学生の子どもたちが犬の着ぐるみを着て美術館を探検するプロジェクト「Pup Patrol」などを収録。
Jonvelle Bis | Jean-Francois Jonvelle
写真家、ジャン=フランソワ・ジョンヴェルの作品集。報道写真を出発点に、リチャード・アヴェドンの助手を経てファッション写真の分野で活動し、『ELLE』『Vogue』などの雑誌や広告で発表してきた作品を背景に持つ。室内でのポージングや光の当て方、身体のラインを際立たせる構図など、女性を被写体としたヌードを中心にモノクロ写真を収録。ジョンヴェルのまなざしが切り取った身体表現と、時代のエロティシズムが伝わる。
NEW REALITY 2000 | HIRO SUGIYAMA
イラストレーター・デザイナー、ヒロ杉山の作品集。昆虫、家具、骸骨、家、土偶、幾何学的模様といった多様なモチーフが重層的に組み合わされたイメージを収録。一見無関係に見える複数のイメージが重なり合いながら、ページを追うごとに連続する視覚体験として展開する。1000部限定刊行。
岡本太郎の東北
芸術家・岡本太郎の写真集。戦後、活動を再開した岡本が日本文化の源流を求めて東北を旅し、男鹿のなまはげ、花巻の鹿踊り、青森の恐山、イタコの口よせ、オシラさまなど各地の祭礼や風景を撮影したもの。躍動する身体や仮面、祈りの場に向き合いながら、被写体に迫る距離で切り取られた写真が連続する。岡本のまなざしがとらえた土地に根ざした信仰と人々の営み、そして原初的なエネルギーを伝えている。
神々の古層 5 主婦が神になる刻 イザイホー 久高島 | 比嘉康雄
写真家・比嘉康雄が30年近く琉球弧の祭祀を追い続けてきた「神々の古層」シリーズ第5号。神の島と呼ばれる沖縄県の離島「久高島」で12年に一度、午年に行われる神事「イザイホー」を記録する。女性たちが神女として新たに加わる儀礼を軸に、4日間にわたる儀式の流れを写真と図版でたどり、祈りや舞、供物の準備など現場の細部を収める。祭祀で唱えられる歌や言葉も併録。失われつつある民俗儀礼の実像に迫り、沖縄の信仰と共同体のあり方を知るための基礎的な記録として位置づけられる。
美と知のミーム、資生堂
1998年に東京・六本木のオリベホールで開催された展覧会の公式図録。西洋風の調剤薬局としての創業期に始まり、医薬品、雑誌広告、ポスター、香水瓶など、資生堂が生み出してきた多様なデザイン資料を豊富なカラー写真で紹介。企業の歩みとともに培われた「知と美の歴史」を辿り、日本のモダンデザインや広告文化の発展に果たした役割を改めて浮き彫りにする。
Roy Lichtenstein
アメリカの画家、ロイ・リキテンスタインによる作品集。1960年代にコミックの図像を引用した絵画で注目を集めた初期作品から、ピカソやモンドリアンを参照した後年の作品まで幅広く収録する。印刷物に見られる網点や均質な色面を再現する手法を通して、大衆的なイメージを絵画へと転換した制作の過程をたどり、リキテンスタインの表現の変化と、その思考の展開を読み解く内容となっている。
クリエイション 15号
亀倉雄策が編集長・アートディレクターを務めたデザイン誌「クリエイション」第15号。ペンタグラム、石元泰博、ハインツ・エーデルマン、磯野宏夫らのグラフィックデザインを紹介。執筆陣は田中一光、日暮真三ら。
クリエイション 14号 | 亀倉雄策
亀倉雄策が編集長・アートディレクターを務めたデザイン誌「クリエイション」第14号。本号では永井一正、松葉一清、ジャネット・ウーリー、スティーブン・ヘラーらのポスターデザインやイラストレーション作品などをカラーで多数掲載。表紙はジャネット・ウーリー。
クリエイション 13号 | 亀倉雄策
亀倉雄策が編集長・アートディレクターを務めたデザイン誌「クリエイション」第13号。ヤン・サフカ、ブルーノ・モングッツィ、マッシモ・スコラーリ、アーヴィング・ペン&三宅一生、土橋とし子、たむらしげる、リラ・ロジャース、佐藤晃一らの作品を紹介。執筆陣は三宅理一、椎名誠、ポール・デイビス、早川良雄ほか。
クリエイション 12号
亀倉雄策が編集長・アートディレクターを務めたデザイン誌「クリエイション」第12号。クルストバル・トラル、磯崎新、エティエンヌ・デルゼール、タナカノリユキらのグラフィックデザインを紹介。執筆陣は虻川宏倫、杉浦康平ら。
クリエイション 11号 | 亀倉雄策
亀倉雄策が編集長・アートディレクターを務めたデザイン誌「クリエイション」第11号。アンドレ・フランソワ、マーシャル・アリスマン、中堀慎治、内藤こづえらのグラフィックデザインを紹介。執筆陣は篠山紀信、中原祐介ら。
アール・デコ展 きらめくモダンの夢 | 東京都美術館ほか
2005年に東京都美術館などで開催された展示の図録。19世紀末に流行した芸術運動「アール・ヌーヴォー」を引き継ぎ、1920年代から30年代にかけて世界を座巻した「アール・デコ」。そのなかから絵画、彫刻、建築、インテリア、服飾などを200点を紹介、さらにエジプト、中国など多様な影響源についても解説。
STAR PIECE 倉俣史朗のイメージスケッチ
インテリアデザイナー、倉俣史朗によるイメージスケッチ集。建築やプロダクトのための構想段階のドローイングから、夢や私的な体験に基づく自由なスケッチまで、モノクロ・カラー図版を多数収録。デザイン集団メンフィスに関わった時期のスケッチも含まれ、造形以前のイメージがどのように育まれていたのかを伝える内容となっている。序文はエットレ・ソットサス、装丁は田中一光が担当。
Hi-Fi: The History of High-End Audio Design | Gideon Schwartz
ハイエンド・オーディオの歴史とデザインをたどる資料集。なぜ人々はオーディオ機器の外観・質感・音に魅了されるのかを起点に、1950年代から現在まで、トップエンドのオーディオ機器が歩んできた進化の過程を記録。デジタル化が進む時代にアナログ技術が見直され、ヴァイナル・レコードの売上が25年ぶりの水準に達した現在、オーディオ文化の変遷と最先端のオーディオファイル向けデザインまでをたどることができる。
Purple Anthology | Elein Fleiss
ファッション誌『Purple』の創刊15周年を記念したアンソロジー。1990年代、ファインアートの分野で活動するアーティストがファッション・フォトを撮影するという手法で新たな流れをつくったことで知られている。ユルゲン・テラー、テリー・リチャードソン、ジャック・ピアソン、リチャード・プリンス、ジョン・カリンら多数が参加し、ケイト・モス、キム・ゴードンらがミューズとして登場した15年間の記録を収録。
Hysteric No.1 Hysteric energy within 13 photographers
アパレルブランド、ヒステリック・グラマーが定期的に発行している印刷物『hysteric』第1号。「Hysteric energy within 13 photographers」と題され、与田弘志、肥田葉子、綿谷修、石田昌隆、広川泰士、秦貴美枝、グレゴリー・タケゾー・ヤマコフ、稲葉稔、達川清、蓮井幹夫、樫村鋭一、松本康男、奈良原一高ら、13名の写真家の作品を収録。個性の異なる写真家たちによるモノクローム作品が競演し、1990年代初頭の写真表現とヒステリック・グラマーの美意識が濃密に交差する。
来たるべき言葉のために | 中平卓馬
戦後日本を代表する写真家・中平卓馬の写真集。1970年に刊行された『来たるべき言葉のために』は、1960年代後半から70年代の日本の現代写真に大きな転換をもたらした初写真集として知られる。中平自身がエッセイの中で批判し、乗り越えるべき対象とした作品群だが、その意味を再考するため、現代にふさわしい作品として再発見される形で再刊された。中平によるエッセイを収録した英文小冊子付属。
トゥルーへの手紙 | ブルース・ウェーバー
アメリカの写真家・映画監督、ブルース・ウェーバーのコレクターズセット。2004年に制作されたドキュメンタリー映画『トゥルーへの手紙』を軸に構成されており、9.11同時多発テロ発生時に旅先にいたウェーバーが、ニューヨークの自宅に残した愛犬トゥルーへ宛てた手紙をもとに制作されている。象と戯れる姿や車に乗る場面、海辺で遊ぶ様子など、トゥルーの日常をとらえた写真を掲載した写真集のほか、DVD、トートバッグ、ステッカーをクロス張りのボックスに封入したセット仕様となっている。
All American Twelve | Bruce Weber
アメリカの写真家ブルース・ウェーバーが10年以上にわたり続けてきた、写真集であり文学誌でもある独自の出版プロジェクト『All-American』シリーズ第12号。本号のテーマは、自由と信念を体現する人物たちの人生から「学び」を引き出す。俳優であり活動家のダニー・トレホダニー・トレホの異色の成功物語、ファッションエディターのポリー・メレンは、輝かしいキャリアを通じて好奇心の重要性を説く。写真・詩・エッセイが混在する構成で、リアルな言葉と姿を通じ、自由に生きることの意味を描き出す。
三宅一生 Issey Miyake | アーヴィング・ペン
写真家アーヴィング・ペンがファッションデザイナー三宅一生の作品を撮影した写真集。1988年にパリの装飾美術館で開催された展覧会「Issei Miyake a Un」にあわせて刊行された。布の構造や身体の動きと響き合う造形を、ペンの精緻なまなざしがとらえ、衣服がもつ彫刻的・建築的な側面を浮かび上がらせる。序文は彫刻家イサム・ノグチが寄稿、二人の芸術家による言葉と視覚表現を通じて三宅デザインの本質を探る。
A Notebook at Random | Irving Penn
20世紀を代表する写真家、アーヴィング・ペンの作品集。1943年に『Vogue』で発表した初期作から晩年の作品までを手がかりに、写真家としての思考と制作の過程に光を当てている。厳格な構図で知られるポートレートや静物、ファッション写真に加え、スケッチ、線描、テストプリントなども収録。完成作だけでなく、アイデアが形になるまでの試行錯誤が「ノート」のように編まれている。光や構図、印刷技法への探究を通して、ペンが写真をどのように組み立てていたのかが伝わり、完成されたイメージの背後にある思考の層が浮かび上がってくる。
Das erste Bilderbuch: Alltaegliche Dinge fur Kleinkinder | Edward Steichen
アメリカの写真家エドワード・スタイケンが、幼い子どもが身近な物の名前を覚えられるように作った写真絵本。時計や三輪車、果物、花など、日常の物をシンプルに撮影した24点の写真で構成される。教育目的の本でありながら、構図や光の扱いにはスタイケンらしい芸術性が息づき、写真表現の新しい可能性を感じさせる一冊。解説テキストも添えられ、写真を使った児童書として特異な存在となっている。
Bravo 20: The Bombing of the American West | Richard Misrach
アメリカの写真家、リチャード・ミズラックの作品集。1952年以来、アメリカ海軍航空隊の爆弾投下訓練場として使われてきたネバダ州北西部の土地「Bravo 20」を撮影したもの。クレーター状に抉られた地表や、放置されたバスや砲弾の残骸が克明に写し出され、自然と軍事、風景と暴力が交錯する現実を記録。アメリカ西部の公共地に刻まれた戦後史の痕跡を、抑制された視点でとらえている。
El Lissitzky 1890-1941 : Architect, Painter, Photographer, Typographer
ロシア・アヴァンギャルドを牽引し、ソビエト連邦のためのプロパガンダ作品も多く残したエル・リシツキーの作品集。1990年にオランダのヴァン・アッベ美術館で開催され、フランス、スペインへと巡回した展覧会の図録。バイオグラフィーとともに、ブックイラストレーション、旅行スケッチ、グラフィックデザイン、タイポグラフィ、建築、写真などカラー・モノクロ図版167点を収録する。建築・絵画・写真・タイポグラフィと複数の領域で活動したリシツキーの生涯の仕事を一望できる一冊。
Drawing Leads to Another Dimension 1995-2020 | ヒロ杉山
日本のイラストレーター/デザイナーであるヒロ杉山が、1995年から2020年までの25年間に描き続けてきたドローイングの集大成となる作品集。2000点以上の作品から厳選されたイメージが収録され、具象と抽象を行き来しながら独自の世界を形づくっている。膨大なページからは、描くことそのものが思考であり、次元を越える行為であるという作家の姿勢が静かな熱気となって伝わってくる。500部限定刊行。
Johanna Diehl: Borgo Romanita Alleanza & Ufficio
ドイツの写真家、ヨハンナ・ディールがムッソリーニ期のイタリアを軸に建築と歴史の痕跡を読み解いた三部作を収録する作品集。「Borgo」では全国に建設されたモデル集落を、「Romanità」では当時の公共建築に残された大理石や装飾意匠を、「Alleanza」では教会と国家の結びつきを記録した空間的証拠を丹念に写し取る。無人のまま残された室内やフレスコ画、教会建築が淡々と現れ、政治的イデオロギーが建築に刻んだ痕跡と、その後に漂う時間の空白が対照的に記録されている。
El Porque de las Naranjas | Ricardo Cases
スペインの写真家、リカルド・カセスの作品集。舞台はスペイン東部の農業地帯、レバンテ。ありふれた路上や風景のなかに、ふと現れる奇妙な偶然や見過ごされがちな瞬間をとらえた写真を収める。表面的な現実を記録するのではなく、目には見えない何かをこの土地で探し続けるような仕事で、レバンテの地そのものより、そこに漂う精神を映し出す。
Matisse: The Graphic Work
アンリ・マティスの版画やドローイングなど、グラフィック作品に焦点を当てた作品集。絵画に比べて注目される機会の少なかった仕事を、創作初期から晩年までの全期間と、用いられたあらゆる技法を視野に入れながら、代表的な約100点によって体系的に紹介している。リトグラフやエッチング、書籍の挿絵など多様な表現を通して、簡潔な線、余白の緊張感、感情と造形の関係が鮮明に浮かび上がり、マティスの表現の核心に迫る内容となっている。
Alexander Girard Designs for Herman Miller
アメリカを代表するデザイナー、アレクサンダー・ジラードがハーマンミラー社のために手がけたテキスタイルの作品集。1950〜60年代に展開されたイームズやジョージ・ネルソンの家具を彩る独創的な布地をはじめ、鮮やかな色彩と幾何学的なパターンによる400点以上の図版を収録する。家具シリーズ「Girard Group」や「Environmental Enrichment Panels」も掲載し、建築・インテリア・グラフィックを横断したジラードのデザイン思想をたどることができる。
Julius Shulman: Los Angeles
アメリカを代表する建築写真家、ジュリアス・シュルマンが長年にわたり記録したロサンゼルスの都市像をまとめた作品集。1934年、リチャード・ノイトラ設計のステン邸を自主的に撮影したことから始まるキャリアを軸に、1972年に同地が世界都市として確立するまでの変遷を時系列に構成している。住宅やオフィス、学校、教会、店舗、街の風景まで、約250点の写真を通して近代都市の生成と成熟を見つめたシュルマンの眼差しは、20世紀の建築写真史に刻まれる独自の記録となっている。
MAROC | Albert Watson
写真家、アルバート・ワトソンが39日間にわたりモロッコ各地を巡り撮影した作品集。都市から農村、砂漠地帯までを横断し、風景、建築、動物、そして王族から農民、女性や子どもに至る多様な人々の肖像を収録している。プラチナプリントを基調とした写真に、アラビア書道や写本の断片を重ねる構成により、土地の歴史と現在、変化の気配を重層的に表現。
SWISS | 長島有里枝
写真家・長島有里枝が、2007年にスイスのVillage Nomadeのレジデンシーに参加した際に制作した作品集。現地で撮影した草花や室内の光景、同行していた息子の姿と、滞在中の日記や散文によって構成されている。亡き祖母がかつて撮影し、大切に残していた花の写真に着想を得たイメージが随所に重なり、写真ページとテキスト、クラフト紙、航空券やメモ書きがスクラップブックのように綴じられているのも特徴。静かな時間の積み重なりを通して、「家族」という長島の一貫したテーマがやわらかく漂う一冊。
田名網敬一 記憶の冒険
絵画、コラージュ、シルクスクリーン、アニメーション、オブジェ、インスタレーションなど、多彩な表現を横断して活動してきた田名網敬一の創作を総覧する展覧会図録。2024年に国立新美術館で開催された大規模展にあわせて編集され、初期の実験的な作品から近年のコラボレーション、パンデミック下で制作したピカソの模写シリーズまで、60年以上にわたる歩みを約600点の図版と資料でたどる。時代やジャンルを越えて更新され続けてきた視覚世界が、論考とともに深く味わえる一冊。
家の記憶 全6冊揃
三井不動産の創立60周年を記念して刊行された「家の記憶」全6冊揃。1990年から1996年にかけて同社の住宅情報誌「こんにちは」に連載された特集企画をまとめたもので、全国各地に残る明治・大正・昭和期の和館や洋館を紹介している。建築史家・藤森照信によるテキストと、写真家・増田彰久による撮影で構成され、近代住宅の姿を多角的に記録。図版と解説を通して、日本における近代建築の系譜とその文化的背景を照らし出している。
藤森照信展 諏訪の記憶とフジモリ建築
2010年に茅野市美術館で開催された展覧会の図録。建築家・建築史家の藤森照信が手がけてきた作品群を、故郷・諏訪の記憶と重ね合わせながら紹介している。草や土、銅板、炭など自然素材を巧みに用いた独創的な建築を、写真、図面、スケッチを通して総覧。地域性と素材へのまなざしを基盤とした藤森建築の思想と美学を浮かび上がらせている。
生誕140年 杉浦非水展 開花するモダンデザイン
2017年に開催された展覧会「生誕140年 杉浦非水展 開花するモダンデザイン」の図録。日本のモダンデザインの先駆者として知られる杉浦非水の創作を、ポスター、装丁、雑誌表紙、パッケージデザイン、図案集など多彩な仕事を通して紹介している。さらに、スケッチや写真、愛用品などの資料も収録し、デザイナーとしての創造の過程と時代背景を浮かび上がらせる。近代日本におけるグラフィックデザインの萌芽と発展を見渡すことができる一冊。