ヒロシマ・コレクション 広島平和記念資料館蔵
写真家・土田ヒロミの写真集。広島平和記念資料館に収蔵された被爆者の衣類や所持品を被写体に、核爆弾による破壊の実相を記録する。焦げた衣服、傷ついた持ち物の一点一点が、かつてそれを身につけていた個人の記憶と結びついており、モノとしての遺品を通じて被爆体験を伝える。生存者の証言も収録し、あの日の情景が具体的な言葉で残されている。
グラハム・クラークの世界
イギリスの版画家、グラハム・クラークの作品集。精緻な線描によるエッチング作品を中心に収録し、農村風景や歴史的モチーフ、寓意的な人物像を交えながら、物語性の強い画面構成が展開されている。細部まで描き込まれた建築や自然の表現と、ユーモラスな視点が重なり合い、日常と幻想が往還する独自の視覚世界が広がる。
I Like Myself わたし大好き | 草間彌生
芸術家・草間彌生の作品集。水玉と網目による反復パターンで知られる草間のドローイング、インスタレーションなどの作品を掲載するほか、若き日のポートレートも収録。さらに描きおろし詩画集『愛はとこしえ』全50点を掲載し、1960年代のニューヨーク・アートシーンを席捲した草間彌生の作品世界を幅広くたどることができる。
ガウディ かたちの探究
2003年に東京都現代美術館で開催された展示の図録。建築家、アントニ・ガウディの代表建築を、多数の図版と資料によって紹介。サグラダ・ファミリアやグエル館などの建築写真に加え、図面、模型、装飾資料などを収録。曲面構成や装飾意匠、空間設計の特徴を視覚的にたどりながら、ガウディの造形言語を読み解く。
リサ・ラーソン展 知られざる創造の世界 クラシックな名作とともに
2023年から2024年にかけてに松屋銀座ほか各地で開催された展示の図録。スウェーデンの陶芸家、リサ・ラーソンによる作品を、多数の図版と資料を通して紹介。代表的な動物シリーズや人物像に加え、初期の作品や試作、スケッチなども収録。素朴な造形と柔らかな表情を持つ陶作品を通して、長年にわたる創作の軌跡をたどっている。
一瞬のきらめき まぼろしの薩摩切子
2009年にサントリー美術館で開催された展示の図録。江戸末期から明治初期に制作された薩摩切子を中心に、鉢、皿、瓶、壺などの作品を多数収録している。紅や藍を重ねた被せガラスの色彩、繊細なカット文様、光を受けて変化する透明感を豊富な図版で紹介。現存数の少ない作品や関連資料も掲載し、日本における近代ガラス工芸の成立過程をたどっている。
暮らしを旅する | 中村好文
建築家・中村好文のエッセイ集。旅、住まい、道具、食卓など日常の場面を題材に、短文と写真を交えながら綴ったもの。ホテルでの過ごし方や移動中の気づき、台所の道具の使い勝手、季節の変化に伴う生活の細部が取り上げられ、バス移動の記憶や宿泊先での生活感、器や家具の扱いなど具体的な場面が積み重なる。建築を建物単体としてではなく、日々の行為や環境との関係から捉え直した、暮らしのなかにある設計的思考を掘り下げる。
思索ナンセンス選集7 古川タクの微妙な世界
イラストレーター、古川タクの作品集。シンプルな線描や記号的なイメージ、言葉遊び的な発想が並ぶ。日常的なモチーフをずらした視点で描いた図版が続き、人物や物体が予想外の関係性で配置される場面も多い。ページごとに独立したイメージが展開され、ナンセンスとユーモアの間を行き来する古川タクの造形感覚が全篇に満ちている。
Greenham Common Women's Peace Camp 1983-84 | Janine Wiedel
ドキュメンタリー写真家、ジャニーン・ヴィーデルの作品集。1980年代のイギリスにおいて核兵器配備に抗議し続けた女性たちのキャンプを記録したもの。テントや即席の住居で暮らす女性たちの日常、見張りやデモの様子が写真に収められ、柵の内外に分かたれた軍事基地と仮設の居住空間が対比される。国家やメディアによる批判や圧力のなかでも運動が続いた過程を記録し、核軍縮とフェミニズムの結節点としてのグリーンハム・コモンの姿をとらえている。250部限定刊行。
佐伯祐三 自画像としての風景
2023年に大阪中之島美術館ほか各地で開催された展示の図録。佐伯祐三による都市風景と自画像的な絵画表現を軸に、初期の人物画からパリ滞在期の街並みまでを収録。壁面に貼られたポスターやカフェの看板、崩れた建物など、都市の断片をとらえた油彩が並び、制作の変遷が一望できる。風景を自身の内面と重ね合わせる視点から作品を整理し、短い生涯のなかで形成された表現の変化を記録。
スタイル画の世界 | 長沢節
デザイナー・長沢節の著作。ファッションイラストレーションの基礎と表現思想を、作例と論考を通してまとめる。人体のプロポーション、衣服のしわや動き、線の引き方といった描写技術に加え、広告やファッションの現場で求められるスタイル画の役割にも触れている。収録図版では、軽やかな線で描かれたモデルのポーズやドレスのシルエットが並び、実務的なスケッチから完成度の高いイラストレーションまで幅広く掲載。
Derek Jarman’s Garden
イギリスの映画監督デレク・ジャーマンが晩年を過ごした庭を写した写真集。舞台はイングランド南東部ダンジネスの荒涼とした海辺で、背後には原子力発電所がそびえる不毛の地にある。流木や石、野の花を用いて自らの手で築いた庭園は、過酷な環境にあって静謐な美を放つ。本書は友人である写真家ハワード・スーリーの撮影により、その形成の過程と四季折々の姿を記録している。
芸術原論 | 赤瀬川原平
作家・画家の赤瀬川原平の芸術評論集。60年代のネオダダや千円札模写事件、80年代の超芸術トマソン、路上観察学会の活動と、既成の芸術概念を揺さぶり挑発し続けてきた著者が、改めて「芸術」の本質を問い直す。「芸術の素」「在来の美」「路の感覚」など、路上の何気ない光景のなかに潜む芸術の要素を手がかりに、常識を逆手にとった軽快な語り口で脱芸術を論じる。
東京猫町 | 荒木経惟
写真家・荒木経惟による猫の写真集。東京の街角を舞台に、路地を歩く猫たちとそれを取り囲む日常風景をロングショットでとらえている。愛らしくも力強い野良猫の姿が収められ、都市と動物の共存を映し出す構成となっている。装丁は鈴木成一が手がけ、日常のなかに潜む生き生きとした瞬間を示している。
Prints and Posters of Ben Shahn
アメリカのアーティスト、ベン・シャーンの作品集。版画とポスター作品を中心に構成され、社会的テーマを扱ったグラフィック作品や広告的要素を持つ図像を収録。社会批評性を帯びたイメージと簡潔な形態が並び、線描と色面の関係や構図の明快さが比較されることで、視覚言語としての方法論が見えてくる。シャーンの造形感覚と社会意識の関係を、版画・ポスターという印刷メディアを通じた表現の展開から読み解くことができる。
エリオット・アーウィット
2008年に何必館・京都現代美術館で開催された展示の図録。マグナム・フォト所属の写真家、エリオット・アーウィットの作品を収録し、街角や旅先でとらえたスナップ、犬たちの豊かな表情、家族や通りすがりの人々の日常の一瞬が並ぶ。モノクロームの画面にはユーモアと観察眼が息づき、偶然の出会いが生む人間の振る舞いの機微をするどくとらえている。軽やかな視線で切り取られた都市と人間の関係性が広がり、アーウィットの写真表現の特質を概観できる。
生活と芸術 アーツ&クラフツ ウィリアム・モリスから民芸まで
2008年から2009年にかけて開催された展示会「生活と芸術 アーツ&クラフツ ウィリアム・モリスから民芸まで」の図録。ウィリアム・モリスを中心としたデザイナーらが生み出した家具や壁紙、グラフィックデザイン、民芸作品を紹介しながら、今日まで世界中に多大な影響を与えてきたアーツ・アンド・クラフツ運動の足跡を辿る。
イラストレーションレシピ
東京イラストレーターズソサエティの作品集。同会に所属する120人のイラストレーターたちが、それぞれの制作工程や発想の起点をレシピの形式で紹介。ラフスケッチから完成作品まで、色彩設計や使用画材の記録も交え、表現が形になるまでの過程を具体的に追う。スタイルも技法もさまざまな作家ごとの方法論を見比べることができ、イラスト表現の多様さが伝わる1冊。
エンピツ絵描きの一人旅 | 安西水丸
イラストレーター、安西水丸のエッセイ集。鉛筆で描かれたスケッチと旅のエッセイを収録し、春夏秋冬を通して全国各地を巡るなかで出会った街並みや人の営み、海辺の風景を軽やかな筆致で残している。簡潔な線による描写と言葉が自然に交差し、観察の視点と旅の感覚が行き来するなかで、描くことと歩くことがひとつに重なり合う。
シネマ・ストリート | 安西水丸
イラストレーター・安西水丸の映画エッセイ集。1987年からおよそ3年間『キネマ旬報』に連載されたコラムをまとめたもの。1980年代後半の映画館文化を背景に、洋画への憧れや街の風景、スクリーンの記憶を軽やかな文章で綴る。映画への私的な視点に加え、東京やニューヨークで過ごした時間、古い映画館の空気感、ポスターや音楽への印象なども収録。映画評論の形式から距離を取りながら、日常の感覚と映画体験が自然につながっていく。巻末には村上春樹との対談も掲載している。
パッセージ Passage | アーヴィング・ペン
アメリカの写真家・アーヴィング・ペンの作品集。日本語版。ファッション写真からアートフォトまで幅広い分野で活動したペンの仕事を概観できる内容となっている。1930年代から1990年代にかけての代表的な作品を収録し、『Vogue』誌でのファッションフォト、著名人のポートレート、静物写真など多様なジャンルを網羅している。図版に加え解説も掲載。
Irving Penn: Eine Retrospektive
写真家、アーヴィング・ペンの展覧会図録。1997年に各国で開催された回顧展に際して刊行されたもの。プリントやネガ、コンタクトシートに加え、書簡や制作資料も収録されており、作品の背後にある思考や制作過程をたどることができる。ファッション、ポートレート、ヌード、静物、広告、民族誌的な記録など、異なる領域を横断したペンの活動の広がりを、アーカイブをもとに総覧している。
吉村順三建築展 建築家吉村順三の作品とその世界
建築家・吉村順三の展覧会図録。2005年に東京藝術大学大学美術館で開催された展示に際して刊行されたもの。生涯にわたり、人が実際に暮らす場としての建築に向き合い続けた設計の歩みを収める。住宅作品を中心に、自然環境や地域の風土と結びついた建築の実践をたどりながら、日常生活のための空間がどのように構想されたかを記録する。
アイデア No.321 ヤン・チヒョルトの仕事
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.321(2007年3月号)は、モダン・タイポグラフィの巨匠ヤン・チヒョルトを総特集。青年期の習作から「新しいタイポグラフィ」の時代、ペンギンブックスやロシュ製薬での仕事までを包括的に収録し、その変遷と思想を豊富な図版と資料で辿る。ロビン・キンロスやクリストファ・バークらによる最新研究の論考に加え、チヒョルト自身による「紙面と版面の明晰なプロポーション」も邦訳掲載。
Beyond Context: The Work of Atelier Arcau Architects
建築事務所アトリエ・アルコーの作品集。ザビエ・フロー、マルク・モニエ、ジャン=ピエール・トマ、ジュリアン・ヴェイロンの4人の建築家が率いる30名のチームが手がける。都市計画と建築の両面において、共生の実践、サステナビリティ、景観との誠実な向き合いを指針とし、各地のコンテキストと自然環境の課題に応えてきた事務所の仕事を収録。主要プロジェクトを写真、図面、スケッチなどの建築資料とともに掲載し、専門批評家による解説と建築家自身のコメントを交えながら各作品の背景を掘り下げる。
Contact | Olafur Eliasson
アーティスト、オラファー・エリアソンの展覧会図録。パリのルイ・ヴィトン財団での初個展「Contact」に際して刊行されたもの。光と闇、影、空間、時間をテーマに、観る者の身体的な感覚に直接働きかけるインスタレーション作品を収録。黒い紙にカラーで印刷された仕様により、作品の発光感と影と光の交錯が際立つ造本となっている。批評エッセイ、アーティストとキュレーターの対談、スケッチや制作ドローイングも収録。ブックデザインはイルマ・ブームが手がけている。
工芸青花 4号 | 青花の会
青花の会が発行する骨董・工芸・建築誌『工芸青花』の第4号。礎石と石造美術をめぐる庭の考察、染色家・望月通陽によるのれんと文字の仕事、源氏物語画帖の図版と解説、花人・川瀬敏郎による古陶と花の取り合わせ、フランスのロマネスクを巡る記事など、工芸と美をめぐる多様な視点が一冊に収められている。限定1200部発行。
Alexander Rodtschenko: Katalog der Sammlung
ロシア・アヴァンギャルドの主導的人物、アレクサンドル・ロトチェンコの作品集。セフェロット財団が所蔵するコレクションを収録したもので、写真とフォトコラージュを中心に据える。革命後の高揚感や技術への期待を、ラジカルな視点と構図でとらえた著名作から、これまであまり知られていなかった作品まで幅広く収録。さらに1920年代にソ連の航空会社の依頼で制作したバッジやカフスボタンのコレクションも掲載。
GRIMSEY | Cole Barash
アメリカの写真家、コール・バラッシュの作品集。アイスランド北端に浮かぶ小島、グリムセイを舞台に撮影された作品を収録。漁業で生きる人々の日常、海辺の風景、島の果てに広がる光と空気の変化が記録されている。父と漁船に乗った少年の記憶、兄弟の死とその痕跡、島の最北端「ザ・フット」と呼ばれる岬での孤独な日没など、個人的な時間の積み重なりが写真に刻まれている。
Feelings: Soft Art
素材の質感と、作品が呼び起こす感覚を主題に据えた現代アートを紹介する資料集。新進気鋭の作家から著名な名前まで、「ソフト」という感触をめぐる新作を集め、絵画、彫刻、写真など数百点の作品図版を豊富に掲載する。芸術を経験することの根本的な楽しさへ立ち返るというコンセプトのもと、アーティストへのインタビュー、制作にまつわる短文、拡張されたエッセイを収録し、素材と作家の関係に迫る。
Glass/Wood: Erieta Attali on Kengo Kuma
建築写真家エリエタ・アタリが建築家・隈研吾の作品を撮り下ろした写真集。コネチカット州ニューカナンに建つミッドセンチュリーの名建築への増築プロジェクトを中心に、ガラスと木材を多用した隈の建築を記録している。建築を単体としてではなく周囲の景観や自然との関係のなかでとらえるという視点を両者が共有しており、自然の細部や内外空間の接点をとらえたアタリの写真が、素材の質感と空間の気配を丁寧に伝える。
ぬりどき日本列島 | 大竹伸朗
現代美術家・大竹伸朗の作品集。1998年に新津美術館で開催された展覧会にあわせて制作されたもの。美術館のある新潟県新津市に通いながら、身の回りの事物や土地の風景を手がかりに主題を「日本」へと広げた制作の過程を収める。ぬりえとして直接着彩できる仕様に加え、インスタレーションや油彩作品も貼付図版として収録され、異なる表現形態が同一の紙面上で交差している。
ルイス・バラガン 静かなる革命
建築家、ルイス・バラガンの展覧会図録。東京都現代美術館で開催された展示に際して刊行されたもの。鮮やかな色彩の壁と水の効果的な使用を組み合わせた住宅や庭園で知られるバラガンの代表作を図版で収録するほか、模型、ドローイング、映像資料なども掲載。ル・コルビュジエとの出会いやスペインのイスラム建築との邂逅といった形成過程、シュルレアリストとの交流なども取り上げ、1980年にプリツカー賞を受賞したバラガンの全貌をたどることができる。
Christenberry: Reconstruction
アーティスト、ウィリアム・クリステンベリーの初の包括的な回顧作品集。クリステンベリーはドローイング、絵画、彫刻、写真、インスタレーションと多様な媒体を横断しながら、アメリカ南部の文化的遺産と社会の変容を主題に据えてきたことで知られている。移住の経験や地域主義が個人のアイデンティティに与える影響を軸に、ディープサウスの社会的・物質的文化を独自の形象と記録で描き出す。
柳孝 骨董一代 | 青柳恵介
美術ライター・青柳恵介による書籍。2006年から2007年にかけて『芸術新潮』に連載された「柳孝 骨董一代記」をまとめたもの。京都の古美術店「古美術 柳孝」の創業者・柳孝が、その半生と古美術への情熱を語る内容で、川端康成、白洲正子、小林秀雄、土門拳ら文人や数寄者たちとの交流も描かれている。仏教美術、焼きもの、漆、絵画など約40点の名品をカラー図版とともに収録。
Concorde | Wolfgang Tillmans
ドイツを代表する写真家、ヴォルフガング・ティルマンスの作品集。1997年にロンドンのChisenhale Galleryで開催された展覧会に際して刊行されたもの。フランスの超音速旅客機、コンコルドが飛び立つ瞬間や着陸する様子、空を飛ぶ姿など、全部で62枚の写真を収録。伝説的な航空機がもたらす美しさとそれがもたらす環境破壊の両方を写し出しており、ティルマンスならではの構図と色彩が光る一冊。ドイツ語、英語表記。
VERNACULAR | 石川直樹
写真家・石川直樹が世界各地を旅し、土地固有の“ヴァナキュラー建築”(その地域の気候・風土・文化から生まれた住居や建築)の姿を捉えた作品集。極地、砂漠、山岳地帯、島嶼部など、多様な環境に根ざした住まいが収められ、それぞれが人間の生活と自然条件の密接な関係を物語る。住むという行為の本質を静かに、しかし力強く問い直す一冊。
記憶のモンプチ | 中西直子
イラストレーター・料理家の中西直子(なちお)の作品集。2011年の東日本大震災を起点に続けられた「毎日一枚の絵」を収録。東京から被災地の音楽家である友人に物資を届けようかと尋ねた際、「何もいらない、毎日一枚、動物の絵を描いてほしい」と返されたことをきっかけに制作が始まる。動物を題材にした連作は日々一枚ずつ描き続けられ、不安定な時間のなかで視覚的な記録として積み重ねられていく。日常の感情と震災後の現実が交錯しながら、制作の継続そのものが残されている。
Keep an Eye Shut | 花代
写真家、現代美術家、音楽家として活動する花代の作品集。中学生の頃に父から譲り受けたカメラを手に、身の回りの出来事や友人たちを撮り始めた初期作から、帰国後に取り組んだモノクロ作品まで、約30年にわたる活動を横断する図版を収める。セルフポートレートやスナップ、家族の記録など、日常の断片や親密な関係、都市での生活の気配が率直な距離感で写し出される。花代のまなざしがとらえた時間と記憶を封じ込めた一冊。
モダニズムと民藝 北欧のやきもの 1950’s-1970’s
2014年に愛知県陶磁美術館で開催された開館35周年記念企画展の図録。1950年代から70年代にかけてのデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドの陶芸作品を中心に収録。カイ・フランク、タピオ・ヴィルカラ、スティグ・リンドベリをはじめとする作家の作品に加え、日本の民藝運動やアーツ・アンド・クラフツ、各国の窯や作家の仕事を横断的に取り上げる。戦後の日本が北欧モダニズム陶芸と出会った背景や、その後の再評価につながる流れを記録している。
Rick Owens
ファッションデザイナー、リック・オウエンスの世界観を包括的に紹介する作品集。1994年のブランド設立以降、カッティングとシルエットだけで識別される独自の美学を確立し、ダークで彫刻的な表現によって国際的な評価を築いてきた。本書では、ファッション誌『i-D』のアーカイブを通して、写真家コリーヌ・デイやソルヴェ・サンドボーらによるイメージ、関係者へのインタビューを収録。衣服にとどまらず、家具やジュエリーへと広がる創作の射程をたどり、 オウエンスの一貫した美意識と表現の広がりを伝えている。
Content | Rem Koolhaas
建築家、レム・コールハース率いるOMA/AMOの建築資料集。20世紀末から9.11前後の社会状況を背景に、約7年間にわたる建築プロジェクトやリサーチ、言説を収録。都市計画案、模型写真、図面に加え、広告的なページが混在し、小型で厚みのある雑誌のような体裁で展開する。「Go East」を主題に、サンフランシスコから東京へと至る移動の軌跡を軸に、急速に変化する都市とグローバルな状況を横断的に描き出している。
FOUNDATIONS | Victor Santamarina
アーティスト、ビクトル・サンタマリナのインスタレーション記録集。オランダ・ロッテルダムのブリネノールト島の湿地帯を舞台に制作された作品を収録。液体の流れや漏れをアルミニウムで鋳造した2つの彫刻を干潟の潮間帯に設置し、潮の満ち引きとともに現れたり沈んだりする様子を双眼鏡越しに撮影した写真で記録。月と水、人間と非人間的存在が絶えず互いに作用し合う環境のなかで、作品は干潟の循環的な変容に加わる。
エドワード・ホッパー展 ホイットニー美術館所蔵作品より
画家・エドワード・ホッパーの展覧会図録。1990年に東京都庭園美術館で開催された展示に際して刊行され、ニューヨークのホイットニー美術館が所蔵する作品を中心に構成されている。強い日差しと深い影、人物の孤独感を際立たせる構図で知られるホッパーの絵画世界を、ランドスケープ、裸婦、静物などの作品を通してたどることができる。