Kerry Hill: Crafting Modernism
シンガポールを拠点とし、フリーマントルにも事務所を構える建築家、ケリー・ヒルとKerry Hill Architectsの約30年にわたる活動を検証した作品集。アジア太平洋地域を中心に展開されてきた建築の実践を通して、モダニズムと地域性、手仕事と構築性の関係を丁寧に掘り下げている。巻末には豊富な図版を伴う年表も収録され、数々の国際的な建築賞に結実したケリー・ヒルの歩みと、その一貫した設計態度を俯瞰できる内容。
地図 マケット版 | 川田喜久治
日本写真史上で最も重要な作品のひとつとされ、世界的にも高い評価を受ける川田喜久治の写真集『地図』のマケット版。原爆ドームの壁や天井、兵士の遺品や遺書、戦後日本の社会風景など、記憶の断片を独自の視点で切り取っている。1965年の初版では、グラフィックデザイナー杉浦康平との共同による精緻な構成が話題を呼んだ。本書は、その出版前に制作された二巻構成の手作りマケットを原寸に近い形で精巧に復刻したもの。トリミングやレイアウトが異なる構成に加え、研究論文やインタビューも収録し、歴史と記憶の深層を照らし出している。
The Garden | Arno Fischer
ドイツの写真家、アルノ・フィッシャーによる写真集。1978年に農家を住居兼アトリエとして構え、庭や池、鳥小屋を整えながら、ポラロイドSX-70で翼ある訪問者や身近な風景を撮影した作品群を収録している。植物や椅子、水面といった庭の断片が、小さな正方形のフレームに静かに定着され、時間の経過を感じさせる木々の質感や、ふとした瞬間の構図が印象を残す。
Mirei Shigemori: Rebel in the Garden
20世紀の日本庭園に革新をもたらした作庭家、重森三玲の仕事と思想を紹介する一冊。1930年代以降、京都を拠点に数多くの庭園を手がけ、伝統を踏まえながらも西洋近代の感覚を取り入れた独自の造形を展開してきた歩みを辿っている。前半では重森の生涯や背景、生け花や茶の湯との関わりを整理し、後半では東福寺や松尾大社など約17の庭園を詳しく紹介。
Pages: Editorial Design | Marius Sala
雑誌、書籍、新聞、カタログなど、多様な印刷メディアのエディトリアルデザインを扱うビジュアル資料集。誌面構成、余白の扱い、書体選び、コンセプトを伝えるための表現手法など、実践的な視点から編集デザインの要点を整理している。300ページを超える豊富なカラー図版によって、多様なレイアウト事例を視覚的に参照でき、デザインの思考とプロセスを読み解く手がかりを与えてくれる構成。
永井一正ポスター美術館
日本を代表するグラフィックデザイナー、永井一正のポスター作品を集成した一冊。1957年から2013年までに制作された約500点のポスターを、カラー図版で多数収録している。広告や宣伝媒体として発展してきたポスターという表現に、B全サイズという形式で一貫して向き合ってきた永井一正の仕事を通して、時代とともに変化する視覚表現の可能性が浮かび上がる。テキスト編では「僕のデザイン哲学」「亀倉雄策先生について」「アートとデザイン」など、自身の言葉による思考の断片を掲載。さらに、息子であり同じくデザイナーである永井一史との対談「デザインとは」「若い人たちへ」も収録。
杉浦非水の眼と手 〈写生〉のイマジネーション
2009年に宇都宮美術館で開催された展覧会「〈写生〉のイマジネーション 杉浦非水の眼と手」の公式図録。図案家として活躍した杉浦非水の創作の根幹にある写生精神に焦点を当て、代表作に加え、工芸品や海外のポスターなどインスピレーションの源となった資料も紹介している。観察と描写を通じて培われたデザイン意識がどのように形成され、展開していったのかを探る構成。近代日本デザインの基盤を築いた杉浦非水の視点を浮かび上がらせている。
Jeff Wall: The Crooked Path
1970年代後半以降の写真表現に大きな影響を与えてきた写真家、ジェフ・ウォールの仕事を文化的背景から捉え直す一冊。巨大なライトボックス作品に代表される演出写真を軸に、同時代の社会状況や美術史との関係性を丁寧に読み解いてい […]
Suburbia | Bill Owens
アメリカの写真家、ビル・オーウェンズによる代表的な作品集の改訂版。1973年の初版は長らく絶版となり、カルト的な人気を集めてきた一冊。1960年代後半から70年代初頭の北カリフォルニア郊外を舞台に、中産階級の暮らしや価値観を率直な視点で写し取っている。バーベキューや家族、消費社会といった日常の光景から、当時のアメリカ郊外社会の実像が浮かび上がる。20世紀後半のアメリカ写真を代表する重要作のひとつ。
Bravo 20: The Bombing of the American West | Richard Misrach
アメリカの写真家、リチャード・ミズラックによる作品集。1952年以来、アメリカ海軍航空隊の爆弾投下訓練場として使われてきたネバダ州北西部の土地〈Bravo 20〉を、公共の土地に何が起きたのかを記録する目的で撮影している。クレーター状に抉られた地表や、放置されたバスや砲弾の残骸が克明に写し出され、自然と軍事、風景と暴力が交錯する現実を明らかにしている。アメリカ西部の公共地に刻まれた戦後史の痕跡を、静謐な視点で映し出している。
BABY GENERATION | ホンマタカシ
写真家・ホンマタカシによる作品集。1996年に開催された展示にあわせて刊行されたもので、キム・ゴードン、ソフィア・コッポラら90年代を象徴する女性アーティスト5人のアトリエや部屋の風景を撮影している。壁に飾られた絵画や写真、散らばった画材、ドラムセット、化粧品が置かれた洗面所、ぬいぐるみなどが写され、ミュージシャン、映画監督、俳優、画家たちのプライベートな創作空間と当時の空気感を映し出している。アートディレクションはマイク・ミルズが担当。
Grid Systems in Graphic Design | Josef Muller-Brockmann
スイスのタイポグラファー、ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンが提唱したグリッドを用いたデザイン手法を体系的にまとめた一冊。レイアウトの構造を合理的に理解できるよう工夫され、豊富な具体例を通して視覚的に示している。タイポグラフィやグラフィックデザインの基礎理論として国際的に読み継がれ、教育や実務の場においても広く参照される重要な文献。
On the Edge: Images from 100 Years of VOGUE
世界的ファッション誌『VOGUE』創刊100周年を記念して刊行された写真集。20世紀を通じて誌面を彩ってきた200点以上のイメージを通し、ファッションと写真が切り拓いてきた視覚表現の変遷を辿っている。収録作家には、アービング・ペン、ピーター・リンドバーグ、ヘルムート・ニュートン、リチャード・アヴェドンらが名を連ね、時代の空気や美意識を鋭く切り取った名作が並ぶ。ファッション写真が文化や社会とどのように交差してきたのかを、圧倒的なビジュアルで体感できる一冊。
Concrete Architecture of Ricardo Morandi
イタリアの建築家・リッカルド・モランディの作品と思想を体系的に紹介する建築モノグラフ。モランディの鉄筋コンクリート建築を技術と表現の両面から分析し、橋梁や住宅、公共建築など代表作の設計意図や構造特性を詳細な図版や写真、スケッチを通して解説。モランディがコンクリートを単なる構法の手段としてではなく、建築表現の核心として扱った過程を追体験できる本書は、技術的精密さと美学的配慮の融合を示す重要な資料となっている。
Fallingwater: A Frank Lloyd Wright Country House
アメリカ近代建築を代表する住宅、落水荘(フォーリング・ウォーター)を詳細に記録した一冊。建築家フランク・ロイド・ライトの住宅作品の最高傑作とされ、自然と建築が不可分に結びつく「有機的建築」の理念を体現した建物として知られている。未公開写真や詳細な図面、工事中の記録なども豊富に収録され、落水荘という建築の複雑さと独自性を丁寧に紹介している。
o+h 大西麻貴 百田有希 建築作品集
建築設計ユニット・大西麻貴+百田有希(o+h)による初の作品集。2012年に台湾で開催された展覧会にあわせて制作され、「二重螺旋の家」「地層のフォリー」「夢の中の洞窟」など代表的なプロジェクトを収録している。建築を「風景の一部」として捉え、時間や記憶、身体感覚と関わり合う空間を追求する彼らの理念を凝縮。出版は台湾の田園城市文化事業によるもので、造本にも高いデザイン性と繊細な感性が息づいている。
The Making of ’’The Pale Fox’’ by Camille Henrot | 伊丹豪
2019年に東京オペラシティアートギャラリーで開催されたフランスのアーティスト、カミーユ・アンロによる展覧会「The Pale Fox」を、写真家の伊丹豪が記録したフォトブック。会期直前から会期初日にかけて撮影・編集された写真によって、展示空間の雰囲気やスケール感を生々しく伝えている。強い色彩と大胆な構図の写真は、作品そのものだけでなく、空間全体の密度や緊張感を想像させる。製本には展示で使われたカーペットと同素材が用いられ、アンロの宇宙的な思考を示す図版も収録。
工夫の連続 ストレンジDIYマニュアル
建築家・デザイナーの元木大輔による、日常の素材や既存の環境を発想の源として再解釈するDIYの実践書。ホームセンターの道具から街中のガードレールまで、あらゆるものを自由に素材として活用する「デザイン=工夫」の考え方を提案している。フルーツ・ボウルのような小規模作品から、駅の階段を劇場に変えるような大規模なアイデアまで、多彩なプロジェクト例を収録。読者自身が手を動かしながら試せる構成で、既存デザインのハックやリフレーミングの手法も豊富に紹介。
VERNACULAR | 石川直樹
写真家・石川直樹が世界各地を旅し、土地固有の“ヴァナキュラー建築”(その地域の気候・風土・文化から生まれた住居や建築)の姿を捉えた作品集。極地、砂漠、山岳地帯、島嶼部など、多様な環境に根ざした住まいが収められ、それぞれが人間の生活と自然条件の密接な関係を物語る。住むという行為の本質を静かに、しかし力強く問い直す一冊。
POLE TO POLE 極圏を繋ぐ風 | 石川直樹
写真家・石川直樹が日本代表として参加した国際プロジェクト「POLE TO POLE」の軌跡を記録した写真集。世界7ヵ国から選ばれた8人の若者が「小さな一歩が大きな変化を起こす」をテーマに、北極から南極まで人力の移動手段で旅を続けた。凍った北極海上を歩く姿や仲間との交流、ヨットの船上、線路脇の商店などを撮影。徒歩やスキー、自転車を駆使して地球を縦断し、各地で環境保護活動や講演を行った9ヵ月に及ぶ旅の記録をおさめている。
TOO MUCH Magazine Issue 7
東京発のインディペンデント・マガジン『TOO MUCH Magazine』による「WORK(仕事)」シリーズの第1号として刊行された特集号。本号では写真家・旅人の石川直樹に焦点を当て、ヒマラヤ最高峰群への登攀を「仕事」として捉え直す試みがなされている。登山は単なる身体的挑戦ではなく、文化的政治状況や地政学、気象、テクノロジー、恐怖や不安といった複雑な要素と向き合う行為であることが、写真、登山日誌、テキストを通して立体的に示される。さらに登山家ラッセル・ブライスとの対話も収録。
TOO MUCH Magazine Issue 8
東京発のインディペンデント・マガジン『TOO MUCH Magazine』第8号は、建築や都市をテーマに特集を展開。本号のテーマは「シェルター」で、アーティストのアン・ハーディによる作品群、ノースフェイス開発チームによるジオデシックドームの再現、坂茂の紙の家など、多彩な事例を独自の視点で紹介する。洗練されたヴィジュアルとともに、多様なシェルターのあり方を探る内容。英語表記。日本語訳冊子付属。
Cookbook of Possibilities | Welling School and HATO
ウェリング・スクールの生徒と、ロンドンのデザインスタジオHATOによる共同制作のZINE。2015年に行われた3週間のワークショップを通じて、生徒たちはタイポグラフィの発想から編集・制作までを体験した。パン生地で文字をつくり焼き上げる「パン文字」の実験など、素材を通して文字表現を学ぶ試みが特徴。学校ギャラリーでの展示とあわせて発表され、デザイン教育の実践と創造的プロセスを伝えている。
現象体
紙の専門商社・竹尾と、デザイナーの三澤遥(日本デザインセンター 三澤デザイン研究室)による、紙と印刷表現の可能性を探る作品集。2017年に竹尾見本帖本店で開催された展覧会「現象体 無版×ファインペーパー」の内容をまとめている。デジタル印刷や箔押し、レーザーカットなどの技術を用い、版を使わない印刷によって生まれた多様な表現を紹介。紙の質感や厚み、色の重なりを生かした作品から、印刷と紙の新しい見方が伝わってくる。制作プロセスの解説も収録された、実験的な一冊。
Originale | Thomas Mullenbach
スイス出身のアーティスト、トーマス・ミュレンバッハによるシリーズをまとめた作品集。2005年から2013年にかけて、日々届く展覧会の案内状をもとに制作された水彩画を収録している。デューラーからアンディ・ウォーホール、アンリ・マティス、ピート・モンドリアンまで、幅広い芸術家の作品が参照され、図像としての既視性と手仕事による解釈が重ね合わされている。
Bacon’s Eye: Works on Paper Attributed to Francis Bacon from the Barry Joule Archive
20世紀を代表する画家、フランシス・ベーコンの制作の裏側に迫る資料集。生前は下絵を用いず直接描くと語っていたベーコンだが、没後、友人バリー・ジュールのもとから多数の紙作品が発見され、その制作方法が改めて注目されることとなった。本書には、1950〜60年代の作品に関連する油彩スケッチ約70点と、雑誌や新聞の図版に描き加えられた900点以上の作業資料を収録。真贋をめぐる議論を含みつつ、完成作とは異なる視点から、ベーコンの思考や執着を読み解く内容となっている。ロンドンのバービカン・ギャラリーでの展覧会とあわせて刊行されたもの。
アイデア No.404 AIとの共創 ヴィジュアル表現に見る生成と創造
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.404(2024年1月号)は、「AIとの共創 ヴィジュアル表現に見る生成と創造」を特集。印刷術からDTP、インターネットの普及まで、テクノロジーとともに進化してきたグラフィックデザインの歴史を踏まえ、AIがもたらす創造の新たな局面を探る。生成と創造のあわいに生まれるヴィジュアル表現の可能性を検証し、人間の感性と機械の知性が交差する領域を思索的に描き出す。AI時代におけるデザインの造形理念を理論と実践の両面から検証している。
アイデア No.374 よりみち 伊丹十三と13の映画作品
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.374(2017年)。巻頭では、映画監督にとどまらず、俳優、エッセイ、デザイン、料理まで横断した伊丹十三の活動を、翻訳という視点から再考する。伊丹映画のポスターや関連制作物を手がけてきた佐村憲一へのインタビューを通じ、協働のプロセスに宿るデザイン的思考を読み解く。さらに世界各国のデザイナーが伊丹映画のポスターを制作し、表現の「翻訳」がもたらす多義性を提示。そのほか「ランス・ワイマンと1968年メキシコ・オリンピック」「ストリートの思想とデザイン」「クリティカル・デザイン・スクール グラフィック篇」などを収録。
アイデア typography-ex. pt.01
デザイン誌『アイデア』No.274として刊行された「タイポグラフィ-ex」特集の第1弾を、新装版としてまとめたスペシャルエディション。ダダやバウハウスに源流を持つ前衛的なデザインから、マックス・フーバー、ミルトン・グレイサー、仲條正義らが手がけたタイポグラフィ主体のグラフィックワークまで、多彩な資料を収録。20世紀初頭の未来派から1980〜90年代のデジタル・タイポグラフィ黎明期までを取り上げ、その発展の道筋を立体的にたどっている。タイポグラフィ史の流れを視覚的に学べる一冊。
かたちのみかた | 立花文穂
グラフィックデザイナーでありアーティストの立花文穂によるデザイン指南書。美術大学での授業を題材とし、「みる」「考える」「つくる」というデザイン以前の基本的な行為を出発点に据えている。単なる制作技法の解説ではなく、観察から思考、そして表現へと至るプロセスを立花独自の感性と視点で整理している点が特徴。豊富な図版や事例を交えながら、デザインを学ぶ者が自らの思考を形にしていく過程を導く構成となっており、創造の原点を探る視点となっている。
家具のデザイン | ゼンバッハ、ロイトホイザー、ゲッセル
19世紀から20世紀の家具デザインを集めた写真資料集。ヨーゼフ・ホフマン、アルヴァ・アールト、ル・コルビュジエ、チャールズ・イームズら、デザイナーや建築家の作品写真、図版、テキストによる解説を収録。ドレッサーや椅子、建築と家具など、時代の移り変わりとともに変化してきたデザインを探る。
Hullen Fullen: Verpackungsdesign Zwischen Bedarf und Verfuhrung
1994年にスイスのチューリッヒデザイン美術館で開催された展示の際に刊行されたもの。1800年代後半から1900年代のパッケージデザインをテーマに紹介。缶詰、レトルト食品、お菓子、歯磨き粉、タバコ、などあらゆるパッケージデザインを、カラー・モノクロ含む豊富な図版、テキストにて収録。 ドイツ語表記。
繡 | 中井菜央
写真家、中井菜央による作品集。人、動植物、物、風景といった多様な存在を、ポートレートとして捉えたカラー写真73点を収録。無数の存在が関わり合い、結び目のようにつながって世界を形づくっているという感覚を、静かで緊張感のある写真によって編み上げた一冊。
Grain of Light | 瀧本幹也
広告写真や映画の分野でも知られる写真家、瀧本幹也による作品集。原初的なモチーフとしての「海」に向き合い、光と水、そして時間の関係を静かに見つめている。砕ける波や陽光を反射する水面、荒々しくうねる潮の動きなど、自然が一瞬ごとに見せる表情を、緻密な構図と繊細な階調で捉えた写真を収録。
アレクセイと泉 | 本橋成一
写真家、本橋成一のライフワークといえる「チェルノブイリ三部作」の最後となる写真集。チェルノブイリ原発事故の被災により、600人いた住人が55人の高齢者と青年アレクセイだけとなったベラルーシ共和国にある小さな村・ブジシチェ。村の中心に湧き出る、放射能が検出されない泉と、そこで暮らす人々の生きる姿や営みをモノクロで力強く写し出す。
おそろし山 | アイナール・トゥルコウスキィ
ドイツ出身の絵本作家、アイナール・トゥルコウスキィによる絵本。だれも登ったことがなく、これからも登りそうにない「おそろし山」を舞台に、前人未踏の道を行く者だけが知る孤独と愉悦を描いたもの。静けさと不穏さが同居する画面のなかで、想像力は読者自身の内側へと深く分け入っていく。
書字法・装飾法・文字造形 | エドワード・ジョンストン
イギリスの工芸家・タイポグラファー・カリグラファーであるエドワード・ジョンストンによる技術書。アーツ・アンド・クラフツ運動の精神を背景に、文字造形の原理と実践的技法を体系的に示した名著として知られている。「書字法と装飾法」「文字造形」の2部構成で、書字の基本から装飾的な応用、さらには文字の形態に至るまでを多くの図版とともに解説。文字を芸術として捉える姿勢と、実践的手引きを兼ね備え、カリグラフィの発展に大きな影響を与えた一冊であり、今日に至るまで広く参照されている。
文字と絵の小宇宙 国立西洋美術館 内藤コレクション写本リーフ作品選
国立西洋美術館に所蔵される内藤コレクションの彩飾写本を紹介する作品集。印刷技術がまだ存在しなかった中世ヨーロッパにおいて、人々の信仰や知識の伝達を担った写本の中から、特に華麗な装飾が施された30点を精選して収録している。繊細な装飾文字や細密な挿絵が織りなす小宇宙を通じて、祈りと学びが結びついた当時の文化的背景をたどっている。
ISSUE 和田誠のたね
イラストレーターでありグラフィックデザイナーの和田誠の少年時代に光を当てた特集号。世界史を描いた8コマ漫画や、本・映画・アメリカ文化との出会いなど、創作の芽が育まれた幼少期から18歳までの作品や資料を紹介している。生前の証言やインタビューを軸に、後年の多彩な仕事へとつながる思考や関心の原点をたどる構成。谷川俊太郎による寄稿も収録。
永井一正ポスター展 Life
2013年にギンザ・グラフィック・ギャラリーなどで開催された展覧会の図録。グラフィックデザイナー、永井一正が、1980年代後半からライフワークとして制作してきた「LIFE」シリーズを中心に紹介している。抽象表現から大きく転じ、動物や植物をモチーフに据えたポスター作品を多数収録。DNP文化振興財団に寄贈された約4,000点のアーカイブから、生命をテーマとするポスター139点を厳選し、自然や命へのまなざし、あふれる色彩と造形の力を伝えている。
ピカビア展 1999-2000
1999年から2000年にかけて福島・東京・大阪で開催されたフランシス・ピカビアの回顧展にあわせて刊行された図録。ピカビアはフランス前衛美術を代表する画家で、印象派からキュビスム、ダダイスム、シュルレアリスムへと作風を変化させたことで知られる。本書には初期から晩年に至るまでの約100点の作品を収録し、横尾忠則によるエッセイも掲載。雑誌『391』縮刷版も付属。
Heiner Blum
ドイツ出身のコンセプチュアル・アーティスト、Heiner Blumの作品集。1989年にドイツ・クンストフェラインで開催された展覧会の際に刊行されたもの。写真、オブジェ、インスタレーション、グラフィックデザインなど、多様な表現手法によるプロジェクトの数々を紹介する。ドイツ語表記。
荒木経惟、写真に生きる。
写真家、荒木経惟が、自身の人生と写真について語った一冊。撮影した膨大な写真とともに、出会ってきた人々、写真と歩んできた時間、そして現在の心境を、12章にわたって綴っている。妻・陽子や愛猫チロ、女性、花、東京の街、日常の風景など、荒木の写真人生を形づくってきたモチーフが次々と現れ、写真がそのまま生の記録であったことが伝わってくる。巻頭には撮り下ろしによるグラビア、巻末には誕生から現在までを辿る詳細な年譜を収録。
STAR PIECE 倉俣史朗のイメージスケッチ
インテリアデザイナー、倉俣史朗によるイメージスケッチ集。建築やプロダクトのための構想段階のドローイングから、夢や私的な体験に基づく自由なスケッチまで、モノクロ・カラー図版を多数収録。デザイン集団メンフィスに関わった時期のスケッチも含まれ、造形以前のイメージがどのように育まれていたのかを伝える内容となっている。序文はエットレ・ソットサス、装丁は田中一光が担当。