In-between 10 今井智己 リトアニア、ベルギー
日本の写真家がEU全25カ国を撮影する写真集シリーズ「In-between」第10巻。写真家の今井智己がリトアニアとベルギーを撮影。リトアニアでは自然の景色と雪で覆われた静寂の街の様子を、ベルギーではラーケン王宮温室やゲント大学植物園など、前半のリトアニアと対比させるかのように人工的に作られた植物の姿を自然に写し出している。
In-between 13 野口里佳 チェコ・キプロス
写真家、野口里佳の作品集。多様な変化を遂げているヨーロッパの姿をとどめていくプロジェクト『Europe Today』の一環として制作されたもの。日本人の写真家13名が2カ国に赴き撮影している。野口里佳は「チェコ」と「キプロス」を訪れ、雪の降り積もる街、スキー場、広大な山と海、古びた建物、そこに暮らす人々など、現地のありのままの姿を写し出す。各地のある1日を日記のように綴ったテキスト、カラーによる図版を収録。 日本語、英語表記。
わが生涯の芸術家たち ブラッサイ
写真家・ブラッサイの作品集。20世紀前半のパリ芸術界に身を置いた写真家の視点から、アンリ・マティス、パブロ・ピカソ、サルバドール・ダリ、アルベルト・ジャコメッティら多くの芸術家との交流と肖像をまとめる。制作現場やアトリエでの姿、日常の断片を語りとともに収録し、被写体との距離の近さが各作家の個性を伝える。ブラッサイ自身がどのように彼らを見つめ、関係を築いたかにも触れており、回想的な色合いの強い記録。
Relative Moments | Deanna Dikeman
写真家、ディアナ・ダイクマンの作品集。2021年刊行の『Leaving and Waving』に続くシリーズをまとめた300ページの一冊。家族の日常をとらえた写真200点を収録し、庭仕事やケーキを切る場面、野鳥の水浴び台を満たす手、衣服の繕い、芝刈り、ルバーブを摘む午後など、見過ごされがちな瞬間が積み重なる。1枚の写真が切り取る瞬間だけでなく、それらが連なって物語を形成するよう丁寧に編集・構成されており、アメリカの家族の生活史として、また普遍的な日常の記録としても読むことができる。
ドイツ写真の現在 かわりゆく「現実」と向かいあうために
2005年から2006年にかけて開催された巡回展のカタログ。1990年代以降、国際的に高い評価を得てきたドイツの現代写真を紹介している。ベルント&ヒラ・ベッヒャー、ミヒャエル・シュミット、アンドレアス・グルスキー、トーマス・デマンド、ヴォルフガング・ティルマンスらをはじめとする主要作家の作品図版と解説を収録。変容する「現実」と写真表現の関わりを照らし出している。
Self Service No.25
パリを拠点に年2回発行されるファッション&カルチャーマガジン『Self Service』vol.25(2006年 Fall/Winter号)。クリエイティブ・ディレクターのエズラ・ペトロニオとファッション・ディレクターのスザンヌ・コラーによって創刊され、世界的フォトグラファーによる斬新かつスタイリッシュなビジュアルを多数掲載する。本号では、ティルダ・スウィントンとマイク・ミルズの対談、トム・サックス、フランシスコ・コスタへのインタビューを収録し、モードとカルチャーが交差する濃密な世界を誌面に展開している
Dorothy Meserve Kunhardt: Collected Works
アメリカの絵本作家・イラストレーター、ドロシー・メサーブ・カンハートの作品集。1940年刊行の『Pat the Bunny』で知られるカンハートは30年間に40冊以上を発表した多作な作家で、同作は現在も版を重ね、累計約1000万部を売り上げている。1933年の『Junket Is Nice』から始まり、『The Telephone Book』(1942年)、『Tiny Animal Stories』(1948年)など、独自の発想と形式で次々と作品を生み出した。カンハート家のコレクションから構成され、写真、書簡、素描、ダミー本、未発表原稿、初版本の完全複製を収録。
Poster Man: 50 Years of Iconic Design | Seymour Chwast
アメリカのグラフィックデザイナー、シーモア・クワストのポスター作品集。1950年代にミルトン・グレイザーらとともにプッシュピン・スタジオを設立して以来、ユーモアと風刺の組み合わせにより高い評価を得ているクワストのポスター。140点以上に及ぶ厳選されたポスターコレクションは、彼の50年にわたるキャリアだけでなく、ポスターというジャンルそのものへの洞察を与えてくれる。英語表記。
Hans Schleger: Zero
ドイツ出身でイギリスを拠点に活動したグラフィックデザイナー、ハンス・シュレーガーの仕事を総覧する作品集。バウハウスの理念を受け継ぎ、造形を本質へと還元するデザイン哲学のもと、企業アイデンティティの概念を先駆的に打ち立てた。1920年代のニューヨークでモダニズム広告を牽引し、戦後イギリスではポスター、広告、シンボル、パッケージデザインなど多彩な分野で活躍。ドローイング、絵画、写真も併せて収録し、その創造の全貌を明らかにする。序文はポール・ランド。
Charles Rennie Mackintosh
建築家、チャールズ・レニー・マッキントッシュの作品集。スコットランド出身で近代建築・デザインの先駆者として知られるマッキントッシュの仕事を概観する。グラスゴー美術学校をはじめとする建築作品、独自の様式をもつ内装と家具デザインのほか、見落とされがちなテキスタイルと水彩画も収録。近代性と伝統・象徴性を融合させた有機的なアプローチを検証し、イギリスの芸術改革運動とヨーロッパのモダン・ムーブメントをつなぐ存在としてのマッキントッシュを論じる。
Svensk Form, Internationell Design
デザイン評論家、ヘドヴィグ・ヘドクヴィストの書籍。スウェーデンのデザイン史を国際的な視点から、20世紀の各年代ごとに概観する。1904年にエレン・ケイが論じた日常の美への思想を起点に、1920年代のスウェーデン・グレース、1930年のストックホルム展でのファンクショナリズム受容、バウハウスの影響、ストリングシェルフとIKEAの誕生、H55、ポストモダン、1990年代のミニマリズムへと、デザインと社会の変遷をたどる。
ハドソン・バレイの家
アメリカ・ハドソンバレーの住まいを紹介する作品集。ニューヨーク州ハドソン・バレーに点在する20の住まいを収録し、18〜19世紀の農家や納屋を改修した住宅から、周囲の地形と呼応する現代建築までを紹介する。木材や石材を生かした内装、広がる農地や川を望む窓辺、土地の歴史を引き継ぐディテールなど、各住宅の空間と暮らしの関係が丁寧に写し出されている。地域に根ざした美意識と設計の工夫を通して、風土と共にある住まいのあり方を伝えている。
EDU-TOY ネフとヨーロッパの木製知育玩具たち
ヨーロッパの木製知育玩具を紹介するビジュアル資料集。スイスのネフ社を中心に、各地で生まれた積み木やパズル、造形玩具を豊富な図版で収録する。製品写真に加え、製造現場の様子やデザイナーの仕事にも触れられている。遊びの道具としての機能だけでなく、形や色、手触りを通じて感覚と思考を育てる要素に光が当てられている。プロダクトとしての完成度や長く使われる価値にも言及し、ネフをはじめとするヨーロッパ玩具の造形理念と実践を伝えている。
パンドラの街 東京1971-1975 | 内堀晶夫
写真家、内堀晶夫による作品集。1971年から1975年にかけて、東京の街角で出会った光景をモノクロのスナップで捉えている。若者の佇まい、地蔵と酔いつぶれた男、ゴミ箱や窓越しに覗くポスターの視線、影を落とす通勤風景など、日常の断片が鋭く切り取られる。昭和の面影を残す街並みの奥に、高度経済成長の影で生じた空虚さや人々の営みの裏側が、静かで確かな力をもって映し出される一冊。
Photographs of Art House Project in Naoshima
直島の古民家や空き家を現代アートとして再生するプロジェクト「アートハウス・プロジェクト」の記録集。各建物内の空間や作品の配置、光の入り方、素材感を細部まで写真で収録。展示に参加したアーティストのインスタレーションや空間表現が、建物の特性や島の環境とともにとらえられている。写真は作品の構造や空間との関係を明確に伝え、直島の文化や環境を背景にした創造的取り組みの過程を映し出している。
熊谷守一の猫 | 熊谷守一
画家・熊谷守一の作品集。猫の自由な在り方を愛し、猫らしく生きられるよう心を尽くしてともに暮らした熊谷が描いた猫の作品を一堂に集め、油彩画から水墨、デッサン、メモの走り描きにいたるまでを収録する。制作の過程をたどる「画帳」では油彩が完成するまでの軌跡が確認でき、長男によるエッセイ「父と猫と家族と」では家族とともにあった猫たちの記憶が語られる。猫のみを主題にした画文集として、熊谷の眼差しと暮らしの両面をたどることができる。
The Kings | 平野太呂
写真家・平野太呂によるアメリカを舞台にしたシリーズの第3作目。テネシー州メンフィスで、エルビス・プレスリーの命日に開催される「エルビス・ウィーク」を撮影した一冊。街じゅうにエルビスの楽曲が流れ、老若男女の“エルビス・トリビュートアーティスト”たちが集う特別な3日間を記録する。完璧にポーズを決める人々、身体にタトゥーを刻む女性、熱気に包まれたナイトイベントなど、メンフィスに溢れる「キングス」を平野が独自の距離感で捉えている。
Camera Ready: How to Shoot Your Kids | Arthur Elgort
写真家、アーサー・エルゴートの著作。ファッション写真で知られるエルゴートが、子どもをうまく撮るためのアドバイスをユーモラスな語り口で綴る。自身の子どもたちを被写体にした多数のスナップ写真を交えながら、被写体の注意を引きつける方法や構図のヒント、フィルムの保管やネガ・プリントの整理、カメラの種類選びまで実践的に解説。250点以上の写真と図版を収録。
藤本壮介読本
建築家・藤本壮介の作品、インタビューをまとめた一冊。幼少期から学生時代の話、住宅プロジェクト、海外での仕事など、豊富な図版と写真、テキストを収録。藤本壮介のインタビューを通してその軌跡を辿る。
木村伊兵衛のパリ | 朝日新聞社
写真家、木村伊兵衛の作品集。1954年にパリで撮影されながら、没後30年にわたって人目に触れることのなかったカラー作品170点を集成したもの。アルル国際写真フェスティバルへの出品を機に国際的な再評価の機運が高まり、ようやく日の目を見た「幻のカラー」として知られる。最新のカラー印刷で再現された50年前のパリの街並みは、色彩とファッションの鮮やかさを失わず、現在の視点から見ても生々しい輝きを放っている。マーティン・パー、今橋映子、田沼武能らによる寄稿も収録。
La Formas Del Mundo
1999年にスペインのラ・カイシャ財団文化センターで開催された展覧会の図録。ドイツの美術運動「新即物主義」を軸に、カール・ブロスフェルト、アウグスト・ザンダー、アルベルト・レンガー=パッチュ、アエンネ・ビーアマン、アルフレート・エールハルトの作品をモノクロ図版で収録。被写体は自然から産業まで幅広い。修整や絵画的な演出を排し、対象をありのままに記録しようとする姿勢が各作家に共通しており、1920〜30年代ドイツの写真史における重要な潮流をたどることができる。
A Hong Kong Memoir | Fan Ho
写真家、ファン・ホーの作品集。『Hong Kong Yesterday』『The Living Theatre』に続く三部作の完結編。光と構図への鋭い感性と「決定的瞬間」を待つ忍耐で、1950〜60年代の香港を撮り続けてきたファン・ホーが、未公開作品と新たに制作されたモンタージュ写真を加えてこの時代に改めて向き合う。すでに失われた香港の情景が、三部作の締めくくりにふさわしい密度で収められている。
Case Study Houses: The Complete CSH Program 1945-1966
アメリカ現代建築史における画期的なプロジェクト、ケース・スタディ・ハウス(1945〜1966年)を網羅した記録集。戦後の建築ブームを背景にロサンゼルスを拠点として展開されたこのプログラムは、雑誌『アーツ・アンド・アーキテクチャー』編集長ジョン・エンテンザが主導し、リチャード・ノイトラ、チャールズ&レイ・イームズ、エーロ・サーリネンらを招いて36棟のプロトタイプ住宅を設計した。安価で合理的な近代住宅のモデルを広く普及させることを目的に実験的なデザインの住宅を次々と生み出したこのプログラムは、アメリカ内外の建築に大きな影響を与えた。当時の写真と現存する住宅の現代写真、詳細な平面図やスケッチを収録。
Modern British Furniture: Design Ingenuity Since 1945
1945年から現在にいたるイギリス家具デザインの資料集。戦後の開拓者アーネスト・レース、ロビン・デイ、ロバート・ヘリテージをはじめ、ピーター・マードック、マックス・クレンディニングらの実験的なデザイナー、さらにトム・ディクソン、ロン・アラッド、ジャスパー・モリソンといった今日を代表するデザイナーまで、時代を追いながら主要な人物と作品を網羅する。アーコール社のルシアン・エルコラーニ、ハビタのテレンス・コンラン、OMKのロドニー・キンスマンなど、産業側の起業家の動きにも目を向け、デザインと商業が交差する場としてのイギリス家具史を描く。
FLORAE | Van Cleef & Arpels
パリのハイジュエリー・ブランド、ヴァンクリーフ&アーペルが編纂した植物の博物誌。フランス国立図書館、大英図書館、バチカン図書館などが所蔵する写本や稀覯書から図版を集成し、世界最古の植物標本、中国皇帝の庭園、カール・リンネが描いた空想の花時計など、古今東西の植物にまつわるイメージを収録。古代ギリシャの哲学者による植物観察を起点に、植物が大陸を越えて世界中に広まっていった歴史を、科学と芸術の両面からたどる。
Heritage | Martin Rosswog
ドイツの写真家、マーティン・ロスヴォークの作品集。ポーランド、ウクライナ、アイルランド、フィンランド、ブルガリア、ルーマニアなどヨーロッパ各地の農村部に残る伝統的な住居空間を撮影し、室内の家具配置、壁面装飾、生活用品が残る日常の痕跡を収録。約20年にわたるフィールドワークをもとに、各地域の住まいのかたちと生活環境の差異が並置されている。インテリアやポートレート、周囲の風景が交差しながら、土地ごとの暮らしの層が写真として積み重なり、ヨーロッパ辺境における生活空間の記録を読み解く資料となっている。
The Stanley Kubrick Archives
映画監督、スタンリー・キューブリックの仕事を網羅したアーカイブ集。前後半の2部構成で、前半は「非情の罠」から遺作「アイズ・ワイド・シャット」まで全作品のスチール写真を200ページ以上にわたり時系列で収録している。セリフや解説を一切排した非言語的な体験として設計されており、映像作品の哲学をそのまま書籍に持ち込んだ前半に続き、後半は未公開の小道具、ポスター、セットデザイン、脚本草稿、書簡など制作資料を豊富に収め、キューブリックの創作過程を詳細にたどることができる。
Arne Jacobsen
デンマークのデザインスタジオ、ダンスク・モーベル・クンストによるアルネ・ヤコブセンの作品集。ヤコブセンの1929年から1971年までのデザインの軌跡を収録。建築家としての活動と並行して展開された家具・照明・プロダクトデザインを収録し、「スワンチェア」「アントチェア」「エッグチェア」など代表作から、実験的な初期デザインまでを扱っている。
Room 606: The SAS House and the Work of Arne Jacobsen
デンマークの建築家アルネ・ヤコブセンが設計から家具、照明、カトラリーに至るまで一貫して手がけた「ラディソンSASロイヤルホテル」を記録した作品集。現存する唯一の客室・606号室を通して、建築・インテリア・プロダクトが融合したモダニズムの理想を読み解く。「エッグチェア」や「スワンチェア」をはじめとするデザインの原点を、図面やアーカイブ写真、新たに撮影されたカラー写真とともに紹介。
Saul Leiter: Retrospective
写真家、ソール・ライターの作品集。初期のモノクロ作品から、90年代以降に評価が高まったカラー作品、ファッション写真、さらには絵画やスケッチブックまで、表現の広がりを一望できる構成となっている。1946年にニューヨークへ移ったライターは、街を歩きながら被写体を探す一方、抽象への関心も強く、1950年代にはMoMAで紹介されながらも、当時は“低い芸術”と見なされていたカラー写真の評価を得られず、ファッション写真の分野で活動を続けた経緯を持つ。本書には、その後再発見された色彩豊かな作品が数多く収録され、ライターの視覚的感性の魅力を味わえる内容となっている。
Think of England | Martin Parr
マグナム所属の写真家、マーティン・パーの作品集。イングランドのアイデンティティをテーマに、アスコット競馬場やチャリティーショップ、海辺のリゾート、キュウリのサンドイッチや紅茶、豆の缶詰まで、典型的なイングランドの情景を収録。イングランドを単独の主題に据えた初めての作品集で、スコットランドやウェールズが独自の地位を固めつつある時代に、「イングランドらしさ」の紋切り型を逆手に取り、ユーモアと風刺、愛着と率直な批評を同時に投げかける。全作品はリングフラッシュカメラで撮影されており、被写体を均一に照らすその光がパー特有の生々しい質感を生み出している。
Dorchester Days | Eugene Richards
写真家、ユージン・リチャーズの作品集。1972年に故郷マサチューセッツ州ドーチェスターを記録した写真ルポとして自費出版された同名作品を原型に、追加写真と新たなテキストを加えて刊行されたもの。人種間の緊張、暴力、貧困、犯罪、クー・クラックス・クランの活動まで、当時の社会的現実に直接踏み込んだ記録で、初版時には掲載を見送った内容も収められている。本作を基にリチャーズは1978年にマグナム・フォトスのメンバーとなり、ジェームズ・ナクトウェイやジル・ペレスらをはじめとするフォトジャーナリストたちに影響を与えた。
In Almost Every Picture | Erik Kessels
編集者、エリック・ケッセルスのファウンド・フォトグラフィーシリーズ『In Almost Every Picture』第3作目。屋根裏やフリーマーケットで見過ごされてきた写真を再評価する試みとして知られるシリーズで、本作は動体検知カメラで撮影された野生動物のイメージを収録。森の中に設置されたカメラが、シカや小動物の姿を自動的に捉え、人間が立ち入らない時間の気配を可視化している。動物たちは意図しないタイミングで画面に現れ、こちらを正面から見返すような瞬間を生む。自然の中で起きている出来事を介入なく記録することで、見えていなかった生態の断片をあらわにする。
Harlemville | Clare Richardson
写真家・クレア・リチャードソンによる作品集。オーストリアの哲学者ルドルフ・シュタイナーの思想とシュタイナー教育を実践する、ニューヨーク州の小さなコミュニティ、ハーレムヴィルに24ヶ月滞在して撮影した作品を収録。自然の中で伸びやかに過ごす子どもたちの姿を中心に、川や野原、山の景色をカラーで掲載。自由な表現と想像力を重んじるこの共同体の空気を、端正な構図と落ち着いた色調で記録している。
Fashion Eye Louis Vuitton Berlin: Peter Lindbergh
ドイツの写真家、ピーター・リンドバーグの作品集。ルイ・ヴィトンの『Fashion Eye』シリーズの一冊として、ベルリンという都市をファッション写真家の視点から捉えている。シリーズは新進の才能からベテラン、伝説的な写真家まで幅広い作家による都市表現を集め、現代の作品とアーカイブ的資料を並置することで、都市とイメージの関係を再考する試みでもある。リンドバーグはベルリンの風景や人々を通して、都市の空気感と時間の層を写し出し、ファッション写真の枠組みを越えた視覚的記録を展開している。
Pain Couture | Jean Paul Gaultier
2004年にパリのカルティエ現代美術財団で開催されたジャン=ポール・ゴルチエの展示の図録。ファッションデザイナーのゴルチエがフランスの著名なパン職人と協働し、小麦粉、酵母、水を素材に用いた衣服コレクションを発表した際の内容を収録している。オートクチュールとパン作りとの類似性に着目し、素材や形の扱いを通して両者の関係性を探る試みで、精緻な手仕事と発酵という異なる工程が同じ場に並べられる。
William Eggleston’s Guide
アメリカの写真家、ウィリアム・エグルストンの作品集。1976年にニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された初のカラー写真個展の図録でもある。1969年から1971年にかけてメンフィス周辺で撮影した375点のうち48点を収録。当時ほとんど芸術として認められていなかったカラー写真を正面から扱い、日常の人物、風景、ありふれた瞬間をカラーの構成要素として精緻に組み上げた本作は、写真史の重要な転換点として位置付けられる。復刻版。
Model Studies | Thomas Demand
ドイツのアーティスト、トーマス・デマンドの作品集。アメリカの建築家ジョン・ロートナーが手掛けた建築模型を撮影した写真作品を収録。模型はロサンゼルスのゲッティ・リサーチ・インスティテュートに保存されており、1960年以降ロートナーと協力者たちが大胆な建築プロジェクトの開発に用いてきたもの。デマンドは模型の彫刻的な質感と、ロートナーの建築がたどる造形の軌跡に焦点を当て、建築的な構想と素材のあいだに宿る力を写真として引き出している。
Dansk Mobelguide
デンマークの家具デザインに関するガイドブック。デンマークのモダン家具を中心に約200点をカラー図版で紹介し、各作品に製造元、価格、素材などの詳細情報を付すとともに、店舗やオークションでの選定時に役立つ視点も収録。デンマーク・モダンの成立背景にも触れ、アルネ・ヤコブセン、フィン・ユール、ポール・ケアホルム、コーア・クリント、ヴェルナー・パントン、ハンス・J・ウェグナーらの仕事を通して、家具デザインの展開をたどる。
建築家 坂倉準三 モダニズムを住む 住宅、家具、デザイン
2009年にパナソニック電工汐留ミュージアムで開催された展示の図録。建築家・坂倉準三の住宅を中心に、家具や工業デザインまでを含めた仕事を紹介。住宅の外観や室内写真、平面図やスケッチ、椅子やテーブルの実作写真などが並び、生活空間と造形の関係が読み取れる。戦前のパリでの経験から戦後日本の住宅設計へと続く流れをたどり、軽やかな構成や素材の扱い、暮らしに根ざした設計の工夫に触れている。論考や資料も交えながら、建築と日用品を往還する実践を検証する。
珍日本紀行 | 都築響一
編集者・写真家、都築響一の作品集。『週刊SPA!』に連載された「珍日本紀行」150余回分をまとめたもの。「老いも若きも来世観光:伊豆極楽苑」「温泉場のチャンバラ・ディズニーランド:登別時代村」など、知っているつもりで実は誰も知らない、日本各地に点在する刺激的で不思議な場所を訪ね歩いた記録。観光ガイドにもメディアにも載らない隠れた名所を、独自の視点と文章で掘り起こしている。
グルジアぐるぐる | 高橋ヨーコ
写真家、高橋ヨーコの作品集。ジョージア(旧グルジア)で撮影された写真をまとめ、都市の路地や市場、住宅の室内、街角の人々の姿を収録。石造りの建物や壁面の色彩、食卓の器や食材、窓辺に差し込む光など、日常の断片が具体的な場面として連なる。人物のポートレートも多く含まれ、滞在先での近い視線が続く。旧ソ連圏の都市と生活の様子を、旅の時間とともに記録した一冊。
宝箱 | 齋藤陽道
2013年にワタリウム美術館で開催された展示の図録。写真家・齋藤陽道の初期から刊行当時までの代表作と新作を収録し、「感動」「ソラポ」「無音楽団」など複数のシリーズで構成される。家族や友人、街の風景、身体の動きといった身近な対象を捉えた写真が並び、強い光やブレ、接近した距離感によって被写体との関係が可視化される。音のない環境で培われた独自の感覚が画面に反映され、日常の場面に潜む緊張や親密さをにじませる。
ザ・ジャーマン・ソウル 小人の国
写真家・編集者、都築響一の作品集。ドイツ各地で撮影された小人の人形やミニチュアを中心に、街角や室内、庭先、店頭に置かれた対象を収録。赤い帽子に白いヒゲをたたえた小人たちが都市や日常の空間に点在することで生み出す独特の存在感と滑稽さが、画面から伝わってくる。批評家、マーク・フィッシャーが寄せたテキストが写真の世界観を補い、都市や文化にまつわる視点を広げている。