Water 水
2007年に21_21 DESIGN SIGHTで開催された展示の図録。ディレクションは佐藤卓。日常にあまりに身近な存在である水をあらためて見つめ直し、展示に沿った5つの構成で、写真、映像、テキスト、インスタレーションなど多様な表現を収録している。コンセプト・スーパーバイザーに文化人類学者の竹村真一を迎え、一杯の牛丼に約2000リットルの水が必要とされる事実や雨水利用の仕組みを可視化する展示、超撥水素材による体験型作品、水の美しい表情をとらえた写真などを通して、無形でつかみどころのない水の多面性を紐解いている。
XXIst Century Man 21世紀人
2008年に21_21 DESIGN SIGHTで開催された展覧会の図録。企画・ディレクションは三宅一生。21世紀という転換点に立つ人間のあり方を見つめ、「人の身体」と「ものづくり」の関係を軸に、現代のアーティストたちの作品を紹介している。日用品や家電の部品、廃材など身近な素材を用いたオブジェやインスタレーション、身体性や手仕事に着目した表現を通して、現代社会に潜む危うさを問いかけると同時に、21世紀を生きる人間の可能性や希望も提示する構成となっている。特別出展作家として、イサム・ノグチ、ロン・アラッド、ティム・ホーキンソンが参加。
Stockholm Design Lab 1998-2019
1998年にストックホルムで設立されたデザインスタジオ、Stockholm Design Labの作品集。ノーベル賞やアディダス、イケアなどのブランディングをはじめ、約20年にわたる仕事を業界・テーマ別に整理して紹介している。ビジュアルアイデンティティの制作過程や初期案、未公開資料も収録し、シンプルで力強い発想がどのように形になってきたのかが伝わる一冊。
ヤン・チヒョルト 書物と活字
20世紀モダン・タイポグラフィを代表するタイポグラファー、ヤン・チヒョルトによる欧文書体の名著『Meisterbuch der Schrift』(1952年)の日本語版。書体の良し悪しの見極め方や適切な選定、レイアウトの考え方を、豊富な図版とともに平易に解説している。古典から近代まで200点以上の活字やレタリングを紹介し、文字の使い方を体系的に整理。ペンギン・ブックスのアート・ディレクターとしても知られるチヒョルトの実践と思想が凝縮された、タイポグラフィの基礎を学ぶための定本として位置づけられている。
構成的ポスターの研究 バウハウスからスイス派の巨匠へ
多摩美術大学ポスター共同研究会による、構成的ポスターをテーマとした研究書。バウハウスからスイス派に至る合理的デザインの系譜を軸に、ポスターがどのような造形要素と思考によって美と意味を成立させているのかを整理している。さらに竹尾のポスターコレクションから多数の図版を収録し、マックス・ビルやヨーゼフ・ミュラー=ブロックマンらの代表作を紹介。理論と実作を往復しながら、構成的ポスターの全体像を示している。
青木淳 Jun Aoki Complete Works 2
建築家、青木淳による「青森県立美術館」を主題にした作品集。冬の雪原に静かに佇み、やがて埋もれていく建築の姿を、見る者に追体験させる。写真家・鈴木理策が撮り下ろした全119点の写真に加え、設計図面や関連資料、自身による論考と詳細な解説も収録。「土の展示室」の施工過程を記録した「土のレポート」も付され、建築・写真・思考が交差する。
In Between Places | Uta Barth
写真家、ウタ・バースの作品をまとめた初の本格的な作品集。日常的な室内や光の移ろいを題材に、ピントのずれや明暗、構図の変化を通して「見ること」そのものに目を向けた写真が収録されている。はっきりと対象を示さないイメージは、身近でありながらどこか掴みきれない感覚を呼び起こし、視覚の曖昧さや時間の流れを静かに感じさせる。代表作を丁寧に選び抜いた構成により、バースの一貫した関心と写真表現の特徴がわかりやすく伝わってくる内容となっている。
Approaching Nowhere | Jeff Brouws
アメリカの写真家、ジェフ・ブラウズによる作品集。車で移動するアメリカの風景を背景に、郊外の街並みや建物、衰退した中心市街地などを静かに見つめている。宅地開発やショッピングモール、高速道路が広がる一方で、かつての面影を残す場所や、空洞化した都市の姿にもレンズを向け、アメリカ社会が抱える理想と現実のずれを浮かび上がらせる。郊外が自然を侵食していく光景や、荒廃した都市内部の記録も収録。
All American Twelve | Bruce Weber
アメリカの写真家ブルース・ウェーバーが10年以上にわたり続けてきた、写真集であり文学誌でもある独自の出版プロジェクト『All-American』シリーズ第12号。本号のテーマは、自由と信念を体現する人物たちの人生から「学び」を引き出す。俳優であり活動家のダニー・トレホダニー・トレホの異色の成功物語、ファッションエディターのポリー・メレンは、輝かしいキャリアを通じて好奇心の重要性を説く。写真・詩・エッセイが混在する構成で、リアルな言葉と姿を通じ、自由に生きることの意味を描き出す。
Branded Youth and Other Stories | Bruce Weber
アメリカの写真家、ブルース・ウェーバーによる作品集。ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたもの。ボーイスカウトや若者、家族、著名人など多様な被写体を通して、若さや友情、自由といったテーマを写し出している。ファッション写真で知られるウェーバーだが、本書ではポートレートや日常の情景を中心に、人間のもつ素朴な魅力や感情に目を向けている。
柳宗悦没後60年記念展 民芸の100年
2021年に東京国立近代美術館で開催された展覧会にあわせて刊行された図録。民藝運動を牽引した柳宗悦の没後60年を契機に、陶磁器、染織、木工、民具、民画、出版物や写真資料など、全国各地から集められた450点を超える作品と資料を通して、その100年の歩みを検証している。美術館・出版・流通という三つの軸を中心に展開された民藝の実践に着目し、蒐集や鑑賞にとどまらない社会的活動や地域とのネットワークを丁寧に辿る。
Somewhere Sideways Down at an Angle but Very Close
ドイツ出身のアーティスト、フロリアン・マイゼンバーグによる展示図録。写真やメッセージといったデジタルデータをプリントアウトし、スキャンや再デジタル化を重ねることで、デジタルと物質のあいだを往復する作品を紹介している。本書は、その膨大なアウトプットから抜粋して再構成したもので、単なる記録にとどまらず、印刷物として新たなかたちを与えられている。拡張現実(AR)アプリにも対応し、視覚体験を別の感覚へと広げる試みも盛り込まれている。
イサム・ノグチと長谷川三郎 変わるものと変わらざるもの
2019年から横浜美術館やノグチ美術館などを巡回した展覧会の図録。彫刻家のイサム・ノグチと画家の長谷川三郎の交流に焦点を当て、作品、記録写真、書簡や資料を通して両者の思考と実践をたどっている。戦後の日本で再会した二人は、東洋と西洋、伝統とモダニズムの緊張関係を見据えながら、芸術と社会の新たな関係を模索した同時代の探究者だった。風景、人体表現、抽象、素材への関心といった共通の主題を軸に、分野を越えて交わされた対話と、その後の創作への影響を丁寧に伝えている。
Isamu Noguchi: Sculptural Design
20世紀を代表する芸術家イサム・ノグチの創作活動を紹介する作品集。彫刻を軸に、舞台装置、照明器具、インテリア、公共空間のデザインなど多岐にわたる分野での仕事を収録している。制作風景を捉えた貴重な写真や、師コンスタンティン・ブランクーシとの関係をめぐる記事も掲載し、素材と空間の関係を探求したノグチの造形思想を多角的に検証している。
Volunteer | Paul Seawright
イギリスの写真家、ポール・シーライトによる作品集。アメリカ各地に設けられた軍のリクルート(志願兵募集)拠点とその周辺の風景を撮影したシリーズを収録している。郊外のショッピングセンターや仮設オフィスなど、一見どこにでもありそうな場所に目を向け、戦争が社会や風景に残した影を静かに映し出す。華やかな「アメリカン・ドリーム」の周縁で、軍が若者たちを募る現実。シーライトはその無名性の高い風景を通して、遠い戦地での戦争が国内の暮らしや土地に与える影響を淡々と捉えている。
Birds of a Feather | Luc Tuymans
ベルギーを代表する画家、リュック・タイマンスの近年の作品に焦点を当てた作品集。2015年に開催された同名展にあわせて刊行され、スコットランド啓蒙思想への関心を起点とする絵画群を収録している。18世紀の肖像画家ヘンリー・レイバーンによる哲学者像を参照した小品や、ゴヤの「黒い絵」を想起させる重苦しい画面、さらには実在の事件を題材にした肖像など、理性と不穏さが交錯する主題が展開される。
Loewe: Womenswear Spring Summer 2016
ラグジュアリーブランド、ロエベの2016年春夏ウィメンズコレクションをドキュメントした オフィシャル・カタログ。コレクションは、クリエイティブ・ディレクターのジョナサン・アンダーソンによるウィメンズウェアで構成。カラーとモノクロのヴィジュアルを組み合わせ、アートディレクションを手がけた M/M (Paris) による独自の表現でコレクションの魅力を伝える。写真は ジェイミー・ホークスワース、スタイリングは ベンジャミン・ブルーノが担当。Spring/Summer 2016のランウェイのルックを収録した冊子付属。限定1000部。
SUNSET | Jens Klein
ドイツの写真家、イェンス・クラインによる、東西ドイツの国内国境を越えようとした人々の脱出ルートを描いた写真集。収められた写真は、シュタージ記録局のアーカイブから選ばれ、1961年から1989年に秘密警察、警察、国民人民軍の国境警備隊によって撮影されたもの。監視や国境施設のチェック、脱出の試みの記録を通じて、逃亡者の運命ではなく彼らが選んだルートに焦点を当てている。ページをめくるとトンネルや水路、列車や街の風景をたどる迷路のような旅が展開し、歴史的証言と個人の想像が交錯する。
Books on Japan 1931-1972 日本の対外宣伝グラフ誌 | 森岡督行
森岡書店店主・森岡督行が、1931年から約40年にわたって発行された日本の対外宣伝グラフ誌を編纂。日本工房の『NIPPON』や東方社の『FRONT』など、全106点のグラフ誌から選りすぐった表紙と本文をカラーで紹介している。日本の文化や風景をテーマとしたものに加え、戦時下には富国強兵を前面に押し出した号も含まれており、グラフィックの魅力とともに、当時の時代背景や思想の変遷を読み取ることができる。
Arte Povera 1966-1980 Books and Documents | Giorgio Maffei
1960〜70年代イタリアを代表する美術運動「アルテ・ポーヴェラ」に関わった作家たちが、1966年から1980年にかけて制作・刊行した書籍や資料をまとめた一冊。ジョバンニ・アンセルモ、アリギエロ・ボエッティ、ルチアーノ・ファブロ、ミケランジェロ・ピストレットほか、主要作家によるアーティストブックや展覧会資料をカラー図版で多数収録。彫刻やインスタレーションといった「作品」ではなく、出版物という視点からアルテ・ポーヴェラを捉え直す。
エル・リシツキー 構成者のヴィジョン
ロシア・アヴァンギャルドを代表する芸術家、エル・リシツキーの思想と仕事を読み解く批評集。絵画、建築、写真、タイポグラフィを横断し、構成主義の理念をかたちにしてきたリシツキーの実践を、寺山祐策、新島実、多木浩二ら複数の論者がそれぞれの視点から考察。空間の考え方やモダン・タイポグラフィとの関係、同時代の前衛運動とのつながりなどを、図版資料とともに平易にたどり、20世紀美術・デザイン史におけるリシツキーの意義を伝える。
Nick Waplington: Truth or Consequences
イギリスの写真家、ニック・ワプリントンによる作品集。ニューメキシコ州の小さな町、トゥルース・オア・コンシクエンシズで約10年にわたり撮影された写真をまとめている。1950年にラジオ番組の名前を町名として採用したこの場所で、ワプリントンは特異な名前の背後にある人々の暮らしや風景を淡々と記録。同時に、エドワード・ウェストンやウォーカー・エヴァンスといったアメリカ写真の先駆者たちへの敬意も織り込みながら、土地と写真史の関係を静かに問いかけている。
Tokyo Up Close | 山内道雄
写真家、山内道雄による作品集。2005年から2006年にかけて東京で撮影されたストリート・スナップを収録している。路上に散らばる大量の煙草の吸殻、野良猫、ディスプレイされたサングラス、子どもたちと対照的に写る大人の姿など日常の断片を、独特の視点と大胆な構図で鋭く切り取る。
街 Tokyo 1976-2001 | 内堀晶夫
写真家、内堀晶夫による作品集。1976年から2001年にかけて撮影された写真から、変わりゆく東京の街の姿をたどっている。木造住宅が残る下町の風景、人であふれる交差点、夜の繁華街、半纏姿の女の子、都心に立ち並ぶビルや団地など、高度成長の余韻とともにやがて失われていった日常の光景が静かに写し取られる。特別な出来事ではなく、当時そこに確かにあった街の時間と空気を伝える一冊。
new message | ミヤギフトシ
沖縄出身のアーティスト、ミヤギフトシによるアーティストブック。自身のアイデンティティを紐解きながら、日常のささやかな出来事を写真や切り絵、インスタレーションなど多様な手法で表現する。沖縄のガム、完成することはない赤い手袋、紅茶が染み出す数分間、誰かの財布にしまわれた写真、震災で割れたカップなど、日常の細やかな「気づき」を作品と言葉で紡ぎ出す。
bauhaus: form und reform
1919年の創設から100年を迎えたバウハウスの思想と造形を、家具や日用品を通してたどる展覧会図録。バウハウスを創設したヴァルター・グロピウスの理念を起点に、家具、陶磁器、ガラス、金属作品などを紹介し、機能と造形を結びつけたデザインの広がりを紹介。ヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルトやマリアンネ・ブラントの作品をはじめ、前史から後世への影響までを視野に収め、日常の「もの」からバウハウスの社会的・芸術的意義を読み解いている。
LINE STYLE | 三嶋典東
イラストレーター、グラフィックアーティストとして活動する三嶋典東による作品集。25年にわたり探求してきた「線」の表現をテーマに、構想10年を経て完成した本書には、500点におよぶ線画作品を収録。緻密で繊細な描線が生み出す独自の造形世界を展開している。また、当時の制作ノートや「描線論」と題されたテキストも併せて掲載し、作家の思考と創作のプロセスを多角的に読み解くことができる一冊。
Stenberg Brothers: Constructing a Revolution in Soviet Design
ロシア・アヴァンギャルドを代表するグラフィックデザイナー、ステンベルク兄弟の仕事を紹介する、ニューヨーク近代美術館の展覧会図録。ソビエト時代の無声映画ポスターやプロパガンダポスターを中心に、鮮烈な色彩と大胆な構図の作品を多数カラーで収録している。彫刻や建築、舞台美術にも関わった兄弟ならではの多彩な感覚と、構成主義の手法を生かした動きのあるデザインが際立つ一冊。
文字の博物館 | 矢島文夫、田中一光
1839年から1841年にかけてパリで刊行されたシルヴェストルによる書体見本『文字の博物館』を復刻したもの。東方諸民族の文字からヨーロッパの文字までを網羅的に収録し、精緻な大判カラー図版で紹介している。日本語による解説を新たに加え、監修は矢島文夫、構成は田中一光が担当。19世紀に生み出された貴重な資料を現代に伝え、文字文化の多様な展開を照らし出している。
チェコ・アヴァンギャルド ブックデザインにみる文芸運動小史 | 西野嘉章
20世紀初頭、前衛芸術の中心地として躍動したプラハを起点に、チェコ・アヴァンギャルドの流れをブックデザインの視点から読み解く評論集。詩、文学、演劇、美術が交差する文化的背景を踏まえつつ、造本やタイポグラフィに見られる革新性を論じている。約200点に及ぶカラー図版を収録し、構成や印刷技術、造形意識の変遷を視覚的に提示。チェコの芸術運動がいかに本のデザインを通して展開したかを照らし出している。
Lechts Rinks: Orientierung Zwischen Architektur und Parlament | Baumann&Baumann
ドイツのデザインオフィス、バウマン&バウマンによる作品集。ドイツ連邦議会の新庁舎のために設計されたコミュニケーション・システムを記録している。約4年にわたる設計プロセスを豊富な資料とともに収録し、建築空間と議会運営を結びつける情報デザインのあり方を具体的に示している。建築とグラフィック、政治と公共性が交差するデザインの実践を明らかにしている。
Moderne Mode 2003 | Bernhard Willhelm
ドイツ出身のデザイナー、ベルンハルト・ウィルヘルムに焦点をあてた展覧会「Moderne Mode」にあわせて刊行された書籍。アントワープ王立芸術アカデミーで学び、現在はパリを拠点に活動するウィルヘルムは、伝統的衣装や編み物の装飾を引用・分解しながら、既存の衣服の機能や役割を解体し、新たな身体像を提案してきた。本書では、彼の代表的なコレクションをはじめ、ファッション写真、雑誌記事、ランウェイの記録、さらには彼を取り巻く芸術的環境を紹介。アートとファッションの交錯から生まれる独創的なデザインの軌跡を明らかにしている。
Punk’s Dead | Simon Barker
セックス・ピストルズの親衛隊として活動したサイモン・バーカーによる写真集。ポケットカメラで撮影されたポートレートには、後にパンクスとして名を馳せるジョーダン、ニコ、スージー・スー、マルコム・マクラーレンらの姿が収められている。ステージ上のイメージとは異なる日常の表情や、個性豊かなファッションが親密な距離感で記録されており、当時の空気を鮮やかに伝える内容となっている。
Interaction of Color | Josef Albers
20世紀を代表する美術家・教育者、ジョセフ・アルバースによる色彩理論の名著。色は固定されたものではなく、隣り合う色との関係によって見え方が変わるという考え方を、豊富な色見本と簡潔なテキストで示している。1963年の初版以来、教育現場で読み継がれてきた本書は、色の相対性や強度、温度、透明感の錯視などを体験的に理解させる構成が特徴。理論と実践を結びつける視点から、色彩への感覚をあらためて鍛え直すための基礎資料として位置づけられている。
All Day Every Day | David Armstrong
アメリカの写真家デヴィッド・アームストロングによる作品集。都市のロマンスと田園の静寂という二つの世界を見つめ続けてきたアームストロングが、街角や高層ビルの外壁、緑豊かな樹々、午後の光に浮かび上がる椅子などを撮影している。日常にふと現れる幸福の予感を、詩的で繊細なまなざしでとらえた構成。都市と自然、光と影が交差する瞬間を収め、静かな時間の流れを映し出している。
Bacon Ice Cream 台湾版 | 奥山由之
2011年に第34回写真新世紀優秀賞を受賞し、大学在学中に鮮烈なデビューを果たした奥山由之による作品集。2015年に刊行された『BACON ICE CREAM』(パルコ出版)に未収録の作品を30点以上追加し、再構成した台湾限定版。自由で挑戦的な表現方法で独自の世界観を展開し、近年の写真界を牽引する存在として注目を集めてきた。デビューから現在に至るまでの活動を振り返り、作品からクライアントワークまでジャンルを横断して構成。瑞々しい感性と実験的なアプローチが織りなす軌跡を一望できる内容となっている。
Henry Darger’s Room | 小出由紀子、都築響一
アメリカの画家ヘンリー・ダーガーの生活空間を記録した写真集。アウトサイダー・アートの代表的作家として知られるダーガーが暮らした部屋の内外観をはじめ、制作に用いた道具や膨大なコレクション、「ヴィヴィアン・ガールズ」の原稿などをカラーとモノクロで収録。創作の舞台となった空間を通じて、作品世界の背景を記録している。
ビジュアルデザイン1. 戸田ツトムのエディトリアルデザイン
神戸芸術工科大学が発信する研究誌『ビジュアルデザイン』の創刊号。特集はグラフィックデザイナー・戸田ツトムのエディトリアルデザインを一望できる『Tztom Toda Editorial Design 2001-』。さらに松岡正剛による「鉄斎と山水」、杉浦康平+宇野亞喜良の対談、「横尾忠則と西脇幻想」、そして「ヘルムート・シュミットとその教育精神:バーゼル・アジア・神戸」など、多角的なデザイン論も収録。文字や写真、絵を通して、ビジュアルやデザインが身体や記憶に響く新たな表現の可能性を誌面上に展開する。
決定的瞬間・その後 アンリ・カルティエ=ブレッソン近作集
フランスの写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソンの作品集。1946年から1966年にかけて撮影された、「決定的瞬間・その後 」としてまとめられた作品群を紹介。アルベルト・ジャコメッティの朝食へ向かう姿、京都の子どもたち、團十郎の葬儀、ベルリンの壁、ニューヨーク・パリでのデモなど、日常の瞬間から、社会の動きや人々の営みを鋭く捉える。
ヤン・チヒョルト アシンメトリック・タイポグラフィ
20世紀を代表するタイポグラファー、ヤン・チヒョルトのによるブックデザインの世界的古典の邦訳版。活字の選択や組版の理論、色や紙、空間の効果的な使い方、装飾的・機能的タイポグラフィの意義まで、書物形成の基本原理と実用的なタイポグラフィを図版とともに解説する。モダンタイポグラフィの礎を築いたヤン・チヒョルトによる、書籍デザインや印刷文化にも深く影響を与えた一冊。
Mars | 濱村健誉
写真家・濱村健誉による作品集。地球の風景でありながら、どこか火星を思わせる荒涼とした光景を撮影し、砂丘や岩肌に刻まれた模様を通じて、未知の惑星を探査するかのような視覚体験を提示している。自然がつくり出した抽象的なフォルムと光の陰影は、科学的観察と幻想的想像力の両面を呼び起こし、見る者を異世界へと誘う構成となっている。写真を通じて、風景のリアリティとイマジネーションの境界を探る視点となっている。
Elizabeth Peyton | Zdenek Felix
アメリカの画家、エリザベス・ペイトンによる作品集。肖像画を主題とする作品で広く知られ、親しい友人からダイアナ妃、アンディ・ウォーホル、レオナルド・ディカプリオといった著名人まで幅広い人物を描いてきた。雑誌や新聞などの「公的」な写真と、自身が撮影した「私的」な写真をもとにした作品は、繊細な筆致と構成により、被写体との親密な関係性を想起させている。19世紀末の耽美的感性を想わせつつ、現代におけるイメージや肖像の意味を静かに問いかける作品群ー絵画、ドローイング、写真、版画など約70点を収録し、ペイトンの多面的な実践を紹介する。
メモランダム 古橋悌二
世界で活躍するマルチメディア・パフォーマンス・アーティスト集団、ダムタイプの中心メンバーであった古橋悌二の晩年までの記録をまとめた一冊。遺稿や書簡、インタビュー、ダムタイプの作品資料などを通して、35歳で亡くなるまでの思考と言葉を辿る。HIV/エイズと向き合いながら生き、制作を続けた古橋の姿が、静かに浮かび上がってくる。
アイデア No.136 ミリアム・ウォスク その豊かな官能的な色彩とおだやかな形態
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.136(1976年5月号)。巻頭では、アメリカのイラストレーターミリアム・ウォスクの鮮やかで官能的な色彩の作品世界をグラフィックデザイナーであるミルトン・グレイサーが紹介する。そのほか、五十嵐威暢による「アート・アタックと新鮮なデザイン・ワーク」、小塚昌彦による「タイポグラフィの新しい芽”新書体+タイポグラフィ展”」などを収録。