TUGBOAT 10 Years
日本初のクリエイティブエージェンシーとして知られるTUGBOATの活動をまとめた10年史。TVCM729本、新聞広告5,561段、ポスター1,074タイプをはじめ、キャラクターデザイン、映画、作詞、NPO活動に至るまで幅広い仕事を収録する。社会や時代の空気を鋭くとらえながら、広告表現の新たな地平を切り拓いた軌跡を辿る。膨大な制作実績の中に、TUGBOATが追求してきた創造性と批評性の両面を提示している。
Vrais Semblants | Sarah Moon
写真家、サラ・ムーンの作品集。前作『Souvenirs Improbables』から約8年を経て編まれたもので、近年の新作を含む写真表現の到達点を示している。曖昧さや揺らぎ、消えゆく気配を大切にしたイメージは、被写体を明確に語ることを避けながら、記憶や感情の層へと静かに触れていく。時間の痕跡や儚さ、美と不確かさの境界をすくい取る視線は一貫しており、写真という行為そのものへの思索が画面の奥に滲む。
Blood Sweat And Tears or How I Stopped Worrying And Learned to Love Fashion | Bruce Weber
写真家、ブルース・ウェーバーの大判作品集。過去30年にわたり手がけてきたファッション写真を軸に、雑誌やブランドの仕事から未発表カットまでを編纂。衣服の造形にとどまらず、自然や建築、人の身体や精神に宿る感覚としてファッションを捉える視線が全編に貫かれている。カラーとモノクロの写真に加え、作家自身の手記やノートの断片も収録。
Mind/Mirror | Jasper Johns
画家、ジャスパー・ジョーンズの創作を、「鏡像」や「反復」という視点から捉え直した大規模な回顧的作品集。65年以上にわたり多様な表現を展開してきた仕事を、絵画、版画、ドローイング、彫刻など複数のメディアを横断しながら検証している。旗や標的といった反復されるモチーフ、場所への意識、制作プロセスに内在する二重性に注目し、未公開資料も交えながら、研究者や詩人、作家らによる論考を収録。
Deja Vu | Jean-Baptiste Mondino
写真家、ジャン=バティスト・モンディーノの作品集。ロックやポップ、ファッションの世界で撮影された写真や映像表現を通じて、1990年代以降の視覚文化に強い影響を与えてきた仕事をまとめている。世界的ミュージシャンやアイコンたちの肖像は、洗練された技術と大胆な発想が交差する画面構成によって、時代の空気を鮮烈に刻み込む。
Two Much | Jean-Baptiste Mondino
写真家、ジャン=バティスト・モンディーノの作品集。ロックやポップ、ファッションの分野で培ってきた写真、デジタル処理、映像表現を横断し、近年約5年間の仕事をまとめている。時代の気分を鋭くすくい取る感覚と、ブラックユーモアやグラマラスな演出、歪んだ官能性を自在に行き来する構成力が際立つ。高度な技術に裏打ちされた大胆な発想が、商業表現の枠を越えてイメージの可能性を更新し続けてきた軌跡を辿る。
EGOISTE No.13 2冊揃
ニコル・ヴィズニアックが1977年に創刊し、不定期で刊行が続く雑誌『エゴイスト(Egoiste)』第13号の2冊組。ユマ・サーマン、シャロン・ストーン、マックス・ヴァドゥクル、マルグリッド・デュラスらが名を連ね、大判のモノクロ図版で豪華かつスタイリッシュな写真の数々で構成されている。表紙写真はフォトグラファーのリチャード・アヴェドンによるもの。
永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル
2025年に東京都庭園美術館で開催された展覧会にあわせて刊行された公式図録。フランスのハイジュエリーメゾン、ヴァン クリーフ&アーペルの歴史と卓越した技術を、アール・デコの潮流とともに紹介する。「パトリモニー コレクション」および個人蔵から厳選されたジュエリー、時計、工芸品約250点をフルカラーで収録。さらに、写真やデザイン画などメゾンの貴重なアーカイブ資料も掲載し、装身具を超えた芸術としてのジュエリーの魅力と時代を超える美を伝える一冊。
Seasons | Donna Hay
料理家、ドナ・ヘイによるレシピブック。季節ごとに手に入る食材を主役に、シンプルで新鮮な料理を提案している。春夏秋冬それぞれの章では、旬の素材を生かしたレシピに加え、食卓の整え方や過ごし方のヒントも盛り込まれ、ライフスタイル全体としての「季節を味わう」ための感覚がさりげなく織り込まれている。洗練されたフードスタイリングと実用性を兼ね備えた1冊。
Self Service No.37
パリを拠点に年2回発行されるファッション&カルチャーマガジン『Self Service』vol.37(2012年 Fall/Winter号)。クリエイティブ・ディレクターのエズラ・ペトロニオとファッション・ディレクターのスザンヌ・コラーによって創刊され、世界的フォトグラファーによる斬新かつスタイリッシュなビジュアルを多数掲載する。本号では、モナコ公国の故グレース・ケリーの孫娘、シャルロット・カシラギをエズラ・ペトロニオ、マリオ・ソレンティらが撮影。そのほか、写真家スコット・シューマンやデザイナー、アンソニー・ヴァカレロのインタビュー記事も収録。
包む 日本の伝統パッケージ展
2011年に目黒区美術館で開催された展覧会にあわせて刊行された図録。竹や稲わら、麻ひも、紙、陶器といった自然素材を用いた、日本の伝統的な包装・容器を紹介。アートディレクターであり、長年にわたり蒐集を続けてきた岡秀行のコレクションを軸に、素材選びや構造、用途に即した機能美を丁寧に読み解く。生活の知恵から生まれた簡潔な造形は、地域の風土や文化と密接に結びつき、デザイン史・民俗資料としての価値を併せ持つ内容となっている。
Janvier | Ronan Bouroullec
フランスのデザイナー・アーティスト、ロナン・ブルレックによる近年のドローイング作品をまとめた作品集。家具やプロダクトデザインで知られるブルレックが、直感的な線と色彩で描く有機的な形態や抽象表現を収録。デザイナー活動と並行して日常的に描かれるドローイングは、単なるスケッチにとどまらず、彼の創作プロセスや空間感覚を映し出している。
Stylo-Bille | Ronan Bouroullec
フランスのデザイナー、アーティストであるロナン・ブルレックによる近作のドローイングを収めた作品集。ボールペンを用いた繊細な線が複雑に重なり合い、有機的でリズミカルな抽象表現を生み出している。シンプルな構成ながら、ブルレックの日常的な制作プロセスや直感的な描線の美しさを感じられる一冊で、家具やプロダクトデザインで知られる作家の多彩な感性を垣間見ることができる。
PARIS | 市橋織江
写真家、市橋織江がパリに滞在し、その街の光と空気を静かに写し取った作品集。名所や華やかさを強調するのではなく、街角の陰影、やわらかな色彩、人の気配が漂う一瞬を丁寧にすくい上げている。市橋織江ならではの繊細で詩的な表現が、見る者に都市の記憶を静かに呼び起こす。
Missing Buildings | Thom Atkinson、Beth Atkinson
写真家、トム・アトキンソンとベス・アトキンソンによる写真集。第二次世界大戦の爆撃によって失われた建物の跡を現在のロンドンの街並みの中に探し出し、記録たもの。駐車場や空き地となった場所、壁に残る輪郭や痕跡は、再開発の進む都市の中に埋もれた記憶を静かに呼び起こす。欠けたままの空間がもたらす違和感や静けさを通して、かつてそこにあった暮らしと喪失の気配が伝わってくる。
Design in the Public Service: Dutch P.T.T. 1920-90
オランダ国営郵便・電信・電話事業体PTTが展開したデザインと芸術支援の活動を紹介する資料集。1990年にロンドン・デザイン・ミュージアムで開催された展覧会と民営化の節目にあわせて刊行されたもの。切手やポスター、書籍のデザインだけでなく、製品や通信システムに関する専門的助言や新たな芸術作品の委嘱、企業の統一デザイン導入に至るまで、1920年から1990年にかけた70年の取り組みを豊富なビジュアル資料とともに収録。
Many are Called | Walker Evans
アメリカの写真家ウォーカー・エヴァンスによる作品集『Many Are Called』の新装復刊版。ニューヨーク市地下鉄開業100周年を記念して刊行されたもの。1938年から数年にわたり、隠しカメラで地下鉄の乗客を撮影したシリーズを収めている。気を抜いた表情の人々、新聞を読む男性、会話を楽しむ女性、車内で演奏するアコーディオン奏者など、日常の断片を静かにとらえた写真群は、都市の匿名性と人間の内面を浮かび上がらせている。
A デザイナーズ・アート | ポール・ランド
様々な企業のコーポレートアイデンティティを手がけ、20世紀を代表するグラフィックデザイナーのひとりとして名高いポール・ランドの作品集「A Designer's Art」の2冊組日本語版。ポスター、広告、装丁、コーポレートアイデンティティなど代表的なグラフィック作品を編纂。そして別冊には日本語訳、そして亀倉雄策・福田繁雄による解説も併せて掲載、
Cabins | Philip Jodidio
世界各地のキャビン(小屋)を取り上げた写真資料集。イギリス・サフォーク海岸のアーティストのスタジオから、インド西ガーツ山脈のエコハットまで、多彩な事例を収録している。環境負荷の低減や孤立型住居への関心が高まるなか、レム・クールハース、藤森照信、トム・クンディグら著名建築家が手がけたキャビンを通じて、空間の最小化と自然との共生という新たな建築の方向性を提示している。
QUILTS: A Living Tradition | Robert Shaw
18世紀から現代にいたるまでのキルトの歴史とその多様性を紹介する作品集。ハワイ、ネイティブアメリカン、アフリカ系アメリカ人、アーミッシュのコミュニティ、そして個人アーティストの工房から集められた多彩な現代キルトを収録。伝統と多文化的背景を持つキルト作品や現代のアートキルトを通して、伝統技法の継承と革新が描かれている。また、日本におけるキルト制作の紹介もあり、古来の日本の織物技術とアメリカの技法が融合した作品も掲載。
ジャジカル・ムーズ | 向田直幹
『スイング・ジャーナル』の表紙撮影などで知られる写真家・向田直幹による編著。モダンジャズのレコードジャケットをテーマに、貴重なデザインをカラーで多数収録している。グラフィカルで洗練されたジャケット群は、音楽ファンはもちろん、写真、ファッション、グラフィックデザインの分野においても重要なリファレンスとなる。音とビジュアルが響き合う、モダンカルチャーの美学を凝縮した一冊。
Blue Note: The Album Cover Art
ジャズレーベルとして知られるブルーノートのアルバムジャケットを網羅的に紹介する資料集。リード・マイルズによるクラシカルでモダンなデザインや、洗練されたタイポグラフィを用いた数々のジャケットを豊富に収録。アルフレッド・ライオンやフランシス・ウルフらによるレーベルの歩みをたどるテキスト、ミュージシャンのポートレートもあわせて掲載され、音楽とデザインの結びつきを探っている。
New York Hot: East Coast Jazz of the 50s & 60s
1950〜60年代のニューヨークで活動したジャズレーベルのアルバムジャケットを紹介する作品集。プレスティッジ、アトランティック、リバーサイドといった名門レーベルから発表された名盤を彩った200点以上のデザインを収録している。写真、グラフィック、タイポグラフィが融合したジャケットは、当時の革新的な音楽性と都市文化の熱気を鮮やかに反映しており、ジャズ史のみならずグラフィックデザイン史の資料としても参照できる1冊。
Ellen Gallagher
アメリカのアーティスト、エレン・ギャラガーの作品を紹介する図録。2001年にボストンのインスティテュート・オブ・コンテンポラリー・アートで開催された展覧会にあわせて刊行された。皮肉とウィットに富む多層的なドローイングや絵画は、舌や目、かつら、唇といった断片的なモチーフを通して、アフリカ系アメリカ人をめぐるステレオタイプの歴史を暗示している。近年のオールブラックのペインティングや、作家が選んだドローイングも収録。
Diana Vreeland: The Eye Has to Travel
伝説のファッショニスタ、ダイアナ・ヴリーランドのおよそ50年にわたるファッション界での歩みとその人生について記したモノグラフ。ファッション誌「ハーパーズ・バザー」のエディターとしてキャリアをスタートさせ、常に時代の先を読む独自の審美眼で数々のアイデアや新進気鋭のデザイナー、才能ある写真家たちを発掘してきたヴリーランド。本書は当時の雑誌の誌面や写真を含む350点以上のビジュアルを収録し、ヴリーランドがどのようにしてアメリカの美的感覚やファッションセンスを形作っていったのか、その鋭いヴィジョンを鮮やかに描きだす一冊。
うれしいセーター | 三國万里子
ニットデザイナー、三國万里子が12人の個人のために編んだセーター14着と帽子1点を紹介する作品集。宮沢りえや星野源、谷川俊太郎、小林薫ら多彩な人物の個性や希望を反映したデザインを、写真と編み図付きで掲載している。単なる服としての機能にとどまらず、編む過程や編み手と着る人との対話が形になったものであり、見て楽しく、編んで嬉しい、ストーリー性あふれるニット作品集となっている。
Jane & Serge: A Family Album
俳優ジェーン・バーキンと、作曲家・映画監督セルジュ・ゲンズブールの12年間にわたるパートナーとしての生活を記録した写真集。撮影を手がけたのは、ジェーンの兄で映像作家のアンドリュー・バーキン。これまで未公開だった写真を含む1000点以上を収録している。カフェで絵を描き合う姿や、自宅で家族と過ごす時間など、世間の注目を集め続けた二人の、穏やかで私的な日常が切り取られている。娘シャルロットの誕生を含む家族の時間も写し出され、スキャンダラスなイメージとは異なる、親密で人間味あふれる姿が浮かび上がる。折りたたみポスター、ブックレット、写真プリント5枚、ステッカー、ワッペン付属。
A Trilogy | Jessica Backhaus
写真家ジェシカ・バックハウスによる三部作をまとめた作品集。日常のささやかな事物や静けさから着想し、実験的なアプローチで抽象性を深めている。色糸を背景に配置した「Beyond Blue」、反射や形態の変化を捉える「Shifting Clouds」、より自由で詩的な印象を展開する「New Horizon」の三シリーズを収録。削ぎ落とされた構成の中に、絵画やコラージュの要素を取り込み、写真表現の新たな地平を模索している。
Art in the System. the System in Art | Karl-Heinz Adler
東ドイツ出身のアーティスト、カール=ハインツ・アドラーの活動を紹介する作品集。1950年代末から、幾何学的な形を繰り返し用いた作品や、透明な素材を重ねた構成、連続する線による造形など、秩序あるかたちを追求してきたアドラー。体制下では前衛的な表現として評価されにくかったが、1968年に開発したコンクリートブロックの造形システムは実際に量産され、集合住宅の外観として人々の日常に広く用いられたことで知られている。本書にはハンス・ウルリッヒ・オブリストによるインタビューも収録され、芸術と社会のあいだを行き来したアドラーの仕事を丁寧に伝えている。
Bankett | Axel Grunewald
ドイツの写真家、アクセル・グリューネヴァルトによる作品集。5年以上にわたりモロッコと南スペインの海岸地帯を繰り返し訪れ、単色調で乾いた海景や風景を撮影している。写し出されるのは、ヨーロッパとアフリカを隔てる、目には見えないが越えがたい距離と緊張感。静かな風景の中に、地理的・歴史的な境界の存在を感じさせるシリーズとなっている。
UZURA | 関口隆史
写真家・関口隆史が、10年にわたり撮影し続けた約900点のうずらの卵を収めた異色の写真集。卵はカラー、モノクロ、折込図版など多彩な手法で記録され、整然と並べられたタイポロジカルな構成によって、一つひとつの模様や質感がまるで「未知の惑星」のよう。表象的な意味を排し、徹底して「見る」ことに向き合う姿勢は、日常的な対象に潜むスケールの大きな美しさを際立たせている。撮影意図を知らずに見る者には、それがうずらの卵であると気付かないほどの変容ぶりが作品の強度を高めている。
呉州赤絵大皿
中国の明時代末期から清時代初期にかけて、主に輸出向けに焼成された磁器「呉州赤絵」を体系的に紹介する資料集。大皿を中心に、モノクロを主とした貼付写真と一部カラー図版を交え、意匠や技法の特徴を解説。倉橋藤治郎の所蔵品を軸に、柳宗悦、横河民輔、繭山松太郎、宮永東山らが蒐集した作例も収録。日本における受容の広がりを辿りながら、呉州赤絵が備える造形の魅力と評価の変遷を丁寧に伝えている。
疾駆 chic 第9号・第10号 奈良美智
人や地域に光を当て、取材を通して日々の暮らしを捉え直す生活文化誌『疾駆 chic』の第9号・第10号2冊セット。ポートレート企画の一環として、美術作家・奈良美智に焦点を当て、ロングインタビューと作品、写真を通してその思考と歩みを辿っている。前編では幼少期から現在に至る生い立ちや、創作に影響を与えてきた経験を丁寧に掘り下げ、後編では若い頃から続けてきた「旅」を軸に、各地での出会いや体験が育んだ歴史観や未来への視線を浮かび上がらせる。連載は蓮沼執太、中島佑介、原川慎一郎他。装丁は田中義久。
Forms of Japan | Michael Kenna
アメリカを拠点に活動する写真家マイケル・ケンナによる作品集。日本各地の風景をモノクロの銀塩プリントで撮影したシリーズを収めている。日本海の荒波に削られた岩、雪に覆われた田園、霧に沈む富士山、人影のない寺院、神秘的に浮かび上がる鳥居など、瞑想的な情景をとらえた写真を掲載。芭蕉、蕪村、一茶といった俳人の俳句と組み合わせることで、自然と人間の精神世界を重ね合わせている。
Das Auge des Arbeiters Arbeiterfotografie und Kunst um 1930 | Wolfgang Hesse
1920年代、写真という新しいメディアを手にした労働者たちが、自らの暮らしや仕事、労働運動の現場を記録した「労働者写真」に焦点を当てた一冊。狭い住環境や集会の様子、日常の中の演出された瞬間など、当時の生活が率直な視線で写し出されている。本書はドイツ・ザクセン地方に残された膨大な写真資料の調査をもとに、同時代のデザインや絵画と比較しながら、この新しい写真表現の広がりを紹介する。建設労働者でありバウハウスでも学んだアルベルト・ヘニングの写真群も収録され、写真が人々の手に渡った時代の息遣いを伝えている。
Rodarte, Catherine Opie, Alec Soth
アメリカのファッションブランド、ロダルテ(Rodarte)の世界観を、写真家キャサリン・オピーとアレック・ソスの新作によって捉えた作品集。ケイト&ローラ・マレヴィ姉妹が手がけるロダルテは、自然、映画、アート、科学といった多様な要素を背景に、燃やす、染める、編む、ねじるなど複雑な手法を用いた独自の表現で、わずか数年で現代ファッションの最前線に躍り出た。本書は、両写真家がロダルテの創作に深く関わりながら制作した新たな写真シリーズを通して、その創造性を浮き彫りにしている。限定2000部発行。
Giorgio Morandi: Late Paintings
イタリアの画家ジョルジョ・モランディが、晩年の1948〜1964年に制作した静物画に焦点を当てた作品集。同じ瓶や器を使い、配置をわずかに変えながら描き続けたこの時期の仕事を通して、モランディの探求がどのように深まっていったかをたどる。「黄色い布」をモチーフにした1952年の代表的なシリーズをはじめ、重要作を精細な図版で収録。具象と抽象のあいだを静かに行き交う、モランディならではの絵画世界が伝えられている。
Twisted Tales - Road to Hope | Markus Henttonen
フィンランドの写真家マルクス・ヘントネンによる作品集。日常の一場面を起点に、舞台装置のように構成された夢幻的なイメージを収録している。初期のドキュメンタリー色の強いシリーズから一転し、本作では物語性を帯びた表現へと踏み込み、現実と想像の境界が揺らぐ瞬間を捉える。抑制された光と緊張感のある構図が、静かな不安や希望の気配を画面に滲ませ、鑑賞者に余白のある読みを促す。写真による物語の可能性を示す一冊。
目[mé]非常にはっきりとわからない
2019年に千葉市美術館で開催された展示のカタログ。アーティスト 荒神明香、ディレクター 南川憲二、インストーラー 増井宏文を中心とする現代アートチーム、目[mé]による作品「非常にはっきりとわからない」を中心に、長期にわたる創作プロセスを多角的な視点から捉え、総合的に記録。発想や判断、実現におけるチームの協働や精神的な創作意識の共有に注目し、これまでの作品や活動の記録とあわせて、制作現場における多様なクリエイティビティの形成過程を伝える。
ア・ツーリスト | デニス・ホッパー
俳優・映画監督として知られるデニス・ホッパーが京都を訪れた際に撮影した写真を収めた写真集。モノクロで構成され、石畳や祭りのお面、古寺など、京都の街や風景を"観光客"という視点から自由に捉えたホッパーの眼差しが印象的に映し […]
The Infidels | Marcel Dzama
カナダ出身でニューヨークを拠点に活動するアーティスト、マルセル・ザマのモノグラフ。ドイツ・デュッセルドルフのSies + Höke Galleryでの展覧会にあわせて刊行され、近作のペインティング、ドローイング、コラージュ、フィルムのストーリーボード、ジオラマなどを収録。近年の作品ではアメリカの歴史や同時代の事件を背景に、拷問やテロリズム、戦争といった政治的要素も色濃く反映されている点が特徴的である。特に木箱やガラスケースに収められたジオラマは、仮面をまとった人物や奇怪な動物、人形を配し、幻想世界を三次元の舞台へと展開している。
Nage Libre | Marc Wendelski
写真家、マルク・ヴェンデルスキの作品集。捨てられたマットレスやレース越しに漂う女性の気配、断崖に佇む人物、建築物や自然の静かな佇まいなど、日常と風景の断片を淡い光の中で捉えている。過度な説明を排したイメージは、見る者の想像を静かに誘い、時間の余白を感じさせる。『Sleeping by the Mississippi』以前のアレック・ソスを想起させる、自由で瑞々しい眼差しが印象的な一冊。
Unurgent Argilla | Nina Salsotto Cassina
ミラノを拠点に活動する陶芸家、ニーナ・サルソット・カッシーナによる自然の粘土をめぐるリサーチと実践を支えるプロセスの記録を収録した作品集。2023年にミラノで開催された展覧会「Unurgent Argilla」にあわせて刊行され、作家が各地で採取した粘土と向き合いながら積み重ねてきた思考と制作の軌跡を丁寧にたどる。地質学からフェミニズムに基づく組織運営の実践に至るまで、異なる分野の研究者や実践者による未発表の寄稿文を通して、作品の背後に層のように折り重なる多様なテーマを掘り下げている。