四季の花 覆刻版 | 酒井抱一、鈴木其一、中野其明
江戸琳派を代表する絵師、酒井抱一、鈴木其一、中野其明による草木図をまとめた画帳。文化文政期から明治初期にかけて描かれた椿、沈丁花、蓮花、栗など四季折々の草花を、季節ごとに分類して収録している。全10冊にわたる図版と別冊の解説から構成され、琳派特有の装飾性と写実が交差する表現を伝えている。自然の移ろいを芸術的にとらえた作品群は、日本美術における植物表現の豊かさを照らし出している。
Paradise Now | Peter Bialobrzeski
ドイツの写真家ペーター・ビアロブルゼスキによる作品集。2007年から2008年にかけてハノイ、ジャカルタ、シンガポール、バンコク、クアラルンプールで撮影された写真を収録している。都市空間に茂る木々や草花が人工の光に照らされ、もうひとつの自然として幻想的に浮かび上がる構成。木々の隙間から高層建築や集合住宅がのぞく光景は、都市と自然の共存や対立を映し出すもの。鮮やかな色彩の中に、未来への問いを投げかける視覚的実践を提示している。
WE ARE THE LOVE | レスリー・キー
アートやファッション、広告、映像など幅広い分野で活躍する写真家レスリー・キーによる作品集。オノ・ヨーコ、北野武、カール・ラガーフェルド、山本耀司、ビリー・アイリッシュら世界各国の著名人に加え、世代や文化を越えた人々を被写体としたポートレートを多数収録している。写真家としての20年にわたる活動を振り返りながら、出会いと交流を通じて紡がれてきた多様な個性を讃える内容。人々への感謝と愛を写真に託した表現を示している。
ARP | Serge Fauchereau
彫刻家、画家、詩人として活動したドイツの芸術家ハンス・アルプを紹介する資料集。1900年代から1960年代にかけて制作された絵画、グラフィック、コラージュ、彫刻、レリーフなどを幅広く収録している。カラー・モノクロ合わせて184点の図版とテキストによって構成され、抽象表現の展開を多角的に示す内容。ダダからシュルレアリスムにいたる美術運動と交差しながら築かれた創作の軌跡を浮かび上がらせている。
Walking the High Line | Joel Sternfeld
アメリカの写真家ジョエル・スタンフェルドによる作品集。廃線となったニューヨーク・マンハッタン西側の高架鉄道跡「ハイライン」を四季折々に撮影している。都会の真ん中に突如現れた草花に覆われた風景は、田園のような趣をもちながら都市との対比を鮮やかに示すもの。やがて都市公園として再生するハイラインの姿を先取りするかのように、その保存運動を後押しした点でも大きな意味を持つ。都市再生と風景写真の交点を浮かび上がらせている。
Absorb | Heringa / Van Kalsbeek
オランダを拠点に活動するアーティストユニット、へリンハ/ヴァン・カルスベークの作品を紹介する一冊。クレラー・ミュラー美術館での展覧会にあわせて刊行されたもの。セラミックやブロンズといった素材に加え、蝶や血といった異質な要素を組み合わせることで、彫刻の領域を拡張する独自の表現を展開。流動的でありながら強い物質感を帯びた造形は、生命と無機質のあわいを探る試みでもある。多様な要素が交錯する作品世界を提示している。
Tim Walker: Shoot for the Moon | ティム・ウォーカー
世界的に活躍するファッションフォトグラファー、ティム・ウォーカーの作品を収めた一冊。幻想的で華麗さと不穏さをあわせ持つ写真を多数掲載し、その創造の源泉を本人によるテキストからも垣間見ることができる。ケイト・ブランシェット、ビョーク、ケイト・モスら名だたる俳優やモデルが登場し、独自の物語性を帯びた舞台空間を構築。夢と現実のはざまを漂うような視覚世界を通じて、ファッション写真の表現領域を拡張する姿勢を示している。
マイケル・ケンナ写真集 レトロスペクティヴ2 | エディシオン・トレヴィル
世界的に評価される風景写真家、マイケル・ケンナによる写真集『レトロスペクティヴ2』。北海道をはじめ、ヨーロッパやアジア、アメリカなど各地で撮影されたモノクロームのランドスケープを130点収録している。長時間露光によって描き出される静謐な光景は、現実と幻想の境界を揺さぶるような印象を与える。霧や雪、樹木や建築物といった自然と人工のモチーフを組み合わせながら、時間の流れや空間の余白を可視化する構成。写真表現の可能性を探る視点となっている。
夏秋冬秋 | 佐内正史
写真家・佐内正史による大判作品集。事務所から見える6つの風景を繰り返し撮影し、生い茂る木々や住宅街、雪に覆われた街路、廊下の先に灯る非常灯といったモチーフを収めている。限られた視点から季節の変化をとらえることで、日常の空間に潜む時間の積層が浮かび上がる構成。静けさの中に微細な揺らぎを宿したイメージは、都市と自然が織りなす風景の親密な断面を提示している。
Color | Philipp Keel
スイス出身の写真家フィリップ・キールによる作品集。赤いカーペットの廊下やプールサイド、エビの尾、ネオンの点光、オレンジ色の熱帯魚といった断片的な光景を収めている。鮮やかな色彩とユーモアを帯びた視点が、日常に潜む細部を新鮮なまなざしで浮かび上がらせる構成。見過ごされがちな瞬間に焦点を当て、偶然と必然が交差する場面を写真として定着させている。色と形の戯れを通じて、日常世界に潜む美の多様性を提示している。
Public Loudspeakers, Information & Disinformation | Henrik Rylander
ミュージシャンであり写真家でもあるヘンリック・ライランダーの作品集。スウェーデンの主要都市ストックホルム、ヨーテボリ、マルメを舞台に、街路や広場、スタジアム、デパート、公共交通機関に設置された拡声器を撮影している。プロパガンダの媒体として利用された歴史を持つ拡声器を、都市空間の中で記録する試み。過去の遺物としての存在と、現代における監視システムの一部となる可能性。その二重性を通して社会とメディアの関係を照らし出している。CD付属。
Stern Portfolio No. 33 Robert Mapplethorpe
ドイツの写真誌『Stern Fotografie』第33号として刊行された一冊で、アメリカの写真家ロバート・メイプルソープを特集している。モノクロームを基調に一部カラー作品を交え、緊張感のある構図と精緻な質感描写が際立つポートレートを収録し、アートと文化の交差点を示す内容。写真芸術におけるポートレート表現の可能性を照らし出している。
Stern Portfolio No. 22 Bruce Weber: Roadside America
ドイツの写真誌『Stern Fotografie』の第22号として刊行された一冊で、アメリカの写真家ブルース・ウェーバーを特集している。モノクロームを中心に一部カラー作品を交え、世界各地で撮影されたポートレートを収録。レイ・チャールズ、パティ・スミス、ジョージア・オキーフといった著名人をとらえた写真群は、音楽や芸術と密接に結びついたウェーバーの視覚的世界を示している。
Hiroshi Sugimoto: Portraits | 杉本博司
東京とニューヨークを拠点に活動するアーティスト、杉本博司の作品集。歴史上の人物を模した蝋人形を撮影した〈ポートレート〉シリーズを中心に、実在の人物のポートレート作品も収録している。〈ジオラマ〉〈海景〉〈劇場〉などの代表作と同様に、時間や歴史の流れをテーマとする一連の試みの延長に位置づけられ、カメラが捉える「現実」のあり方、イメージと実在とのあわいを探る視点となっている。
Wilderness | Misha de Ridder
オランダの写真家ミーシャ・デ・リッダーによる作品集。人の手が加わっていない自然を撮影した風景と、その部分を拡大して四色分解の印刷手法を強調したディテールが交互に展開されている。木肌の隆起や枝に咲く花の重なりが有機的なパターンとなり、静謐な風景の中にグラフィック的要素を見出す構成。ページはミシン目で切り離し可能となっており、付属の図版を組み合わせることで大判のインスタレーションを二種類制作できる仕組み。
Gerhard Richter: 100 Abstract Pictures | ゲルハルト・リヒター
ドイツを代表する現代美術家ゲルハルト・リヒターによる近作を収めた作品集。2023年にニューヨークのデイヴィッド・ツヴィルナー・ギャラリーで開催された展覧会にあわせて刊行されたもの。2016年から2022年に制作された50×50cmの抽象画100点を収録し、ガラス板に注がれたエナメル塗料が偶然のプロセスによって形を生む様子を提示している。生成されたテキストと絵画を並置する構成により、言語と視覚の関係を探る試み。晩年における実験的な表現を映し出している。
Supervisions | Andreas Gefeller
ドイツ出身の現代アーティスト、アンドレアス・ゲフェラーによる作品集。数百枚の写真を組み合わせて都市の断片を俯瞰的に再構築するシリーズ「Supervisions」を収録している。煙草の吸殻や散乱するゴミ、芝生、ゴルフボール、ひよこなど、日常に潜む細部を精緻に写し取り、デジタル合成によって巨大な平面へと変換。複雑な撮影技術と加工を通じて、現実と虚構の境界をずらしながら、都市と自然の関係性を新たに映し出している。
Confabulations | Torbjorn Rodland トールビョルン・ロドランド
ノルウェー出身の写真家トールビョルン・ロドランドによる作品集。被写体に寓話性や違和感をまとわせ、現実と虚構の境界を探るような独自の視覚言語を展開している。タイトルに掲げられた「コンファビュレーション(作話)」は、記憶障害の一種であり、無意識のうちに歪められた記憶を生み出す現象を意味する。写真を通して壊れかけた記憶や子供時代の幻想を呼び起こし、事実と虚構が交錯する瞬間をとらえる構成。現代写真における記憶と物語性の関係を照らし出している。
Gute und Dumme Wunder | Gerda Steiner、Jorg Lenzlinger
スイスの現代アーティスト、ゲルダ・シュタイナー&ヨルク・レンツリンガーによる作品集。動物、花や植物といった自然のモチーフから、宗教画や祭礼、日常の断片まで、多様なイメージを交錯させながら構成している。「地上の楽園」を探し求める旅の過程で撮影された写真群は、現実と幻想が溶け合うような視覚体験をもたらすもの。異なる要素を自在に組み合わせる手法を通して、境界の揺らぎと新たな世界観を映し出している。
DUBUFFET | Michel Thévoz
フランスの画家ジャン・デュビュッフェの作品集。絵画や彫刻にとどまらず、建築、音楽、文学へと広がる自由で挑戦的な表現を多角的に収録している。「ウルループ」シリーズをはじめとする代表作を含む図版を豊富に掲載し、批評的な解説をあわせることで、その創作の幅と背景を明らかにしている。ジャンルを越境する実践を通じて、20世紀美術における独自の位置づけを照らし出している。
Lucio Fontana: Retrospektive | ルーチョ・フォンタナ
イタリアの美術家で彫刻家、ルーチョ・フォンタナの作品を網羅した回顧的作品集。代表作〈空間概念〉シリーズをはじめ、初期の具象作品から成熟期の抽象表現まで幅広く収録している。切り裂かれたキャンバスや穿たれた表面に示されるのは、絵画と彫刻の境界を越えようとする実験の軌跡。さらに、1990年代以降の現代アートにおいて再評価されるその影響力をも示している。フォンタナ芸術の全体像とその意義を明らかにしている。
Light of | 蜷川実花
写真家・蜷川実花による作品集。宇宙空間のようにきらめく花火、熱気を帯びた人々の手、降り注ぐ紙吹雪やレーザーライトなど、光と色彩に満ちた瞬間を鮮烈にとらえている。きらびやかな色調と大胆な構図が画面を覆い、祝祭的なエネルギーと生命の躍動を可視化。ファッションや映画など多方面で活動する蜷川の感覚が、写真表現においても遺憾なく発揮されている。圧倒的な光景を通して、人間の感情と集団の熱狂を映し出している。
LANDSCAPES | Michael Craig-Martin
アイルランド出身の現代アーティスト、マイケル・クレイグ=マーティンの活動を紹介する作品集。アイルランド西部コネマラ地方をとらえた初期の映像作品と、近年のウォール・ペインティングを結びつけて展示した様子を収録している。風景の観察から始まり、抽象化された色彩と形態へと展開していく表現は、個人史と美術史の双方に根ざした実践。映像と壁画という異なる媒体を架橋しながら、作家の探求の連続性を示している。
Kozo Miyoshi | 三好耕三
大判カメラによる緻密なモノクローム作品で知られる日本の写真家、三好耕三の作品集。1972年から1983年にかけてアメリカで撮影されたシリーズ「See Saw」「Conservatory 温室」から、近年に至るまでの写真を収録している。写真家・上田義彦がセレクトを手がけ、作家の視線の変遷と一貫性を浮かび上がらせる構成。装丁はデザイナー中島英樹が担当し、静謐でありながら強い存在感をもつ写真世界を引き立てている。
Thomas Schuette
ドイツのアーティスト、トーマス・シュッテの活動を紹介する作品集。1998年にロンドンのホワイトチャペル・ギャラリーでの展覧会にあわせて刊行された。初期を代表する絵画や彫刻作品を中心に、多様な図版を収録している。さらに批評家やキュレーターによる論考、作家自身が綴った寓話的なテキストを加え、作品世界を多角的に解釈する構成。イメージと言葉の往復によって浮かび上がる思索の軌跡を提示している。
ラファエル・ローゼンタール ジェネロシティ 寛容さの美学 | 十和田市現代美術館
2018年に十和田市現代美術館で開催された展覧会「ラファエル・ローゼンダール ジェネロシティ 寛容さの美学」の公式カタログ。オランダ出身のアーティスト、ラファエル・ローゼンダールによる映像インスタレーションやタペストリー、英語俳句など、多様な表現を図版とともに収録している。ウェブ上のドメインを作品化するなど、インターネット時代における芸術のあり方を探求してきたローゼンダールの活動を紹介。展示風景の記録や解説を通して、デジタルと物質、言語表現が交錯する独自の実践を映し出している。
平成美術 うたかたと瓦礫(デブリ) | 京都市京セラ美術館
2021年に京都市京セラ美術館で開催された展覧会「平成美術 うたかたと瓦礫(デブリ)」の公式図録。バブル崩壊以降の社会的変動やカルチャーシーンとともに展開した平成の現代美術を振り返る内容となっている。絵画やインスタレーション、パフォーマンスから共同体的な実践にいたるまで、平成期を象徴する多様な表現を紹介。加えて、同時代の社会動向を整理した美術史年表を収録し、時代背景と作品群を重ね合わせて提示している。社会と芸術の交錯を浮かび上がらせている。
Nara Yoshitomo Hirosaki 奈良美智展覧会記録写真集
2002年に青森県弘前市の吉井酒造煉瓦倉庫で開催された奈良美智の展覧会を記録した写真集。会場のリノベーションに携わったボランティアスタッフの作業過程や、会場に設置されたインスタレーションの様子を収めている。撮影は写真家・瀧本幹也が担当し、作品だけでなく空間の変容や人々の営みを丁寧に写し取っている。地域とアーティスト、支える人々が交錯する現場を可視化し、展覧会が生み出した共同性と時間の積層を浮かび上がらせている。
地球がまわる音を聴く パンデミック以降のウェルビーイング | 森美術館
2022年に森美術館で開催された「地球がまわる音を聴く パンデミック以降のウェルビーイング」展の公式図録。パンデミックを契機に変化した社会や価値観を背景に、ウェルビーイングをテーマとして現代アートの視点から問い直す構成となっている。国内外16名のアーティストによる絵画、映像、インスタレーションなど約140点を収録。身体性やコミュニティ、自然環境との関わりといった多様な観点から、人間の生き方を探る試み。グローバルな危機を契機に生まれた思索と表現の交差点を照らし出している。
Ansel Adams: The National Park Service Photographs | アンセル・アダムス
0世紀アメリカを代表する風景写真家アンセル・アダムスによる国立公園の写真を収めた作品集。キングスキャニオン、カールズバッド洞窟群、イエローストーンをはじめとする雄大な自然景観をモノクロームでとらえている。緻密な構図と豊かな階調によって描き出されたイメージは、写真芸術としての完成度とともに環境保護の思想とも結びついている。アメリカの自然を文化的遺産として捉え直す資料的価値を提示している。
N・S・ハルシャ展 チャーミングな旅 | 森美術館
2017年に森美術館で開催された「N・S・ハルシャ展 チャーミングな旅」の公式図録。インドを代表する現代アーティスト、N・S・ハルシャによる1995年から近年までの主要作品約70点を収録している。南インドの伝統文化や自然環境に根ざしつつ、社会的な不条理や政治的状況を織り込み、具象と抽象のあわいを行き来する独自の表現を展開。繰り返されるモチーフや群像的な構成によって、個人と共同体の関係性を問い直す視座を提示している。
Mr.&Mrs. | おおくぼひさこ
写真家おおくぼひさこが、夫・仲井戸麗市(チャボ)を撮影した作品集。プールや海辺、街角や室内など多様な場面でとらえられた姿は、無邪気でユニーク、ときに無防備な表情を見せている。アーティストや忌野清志郎をはじめとする音楽家を撮り続けてきたおおくぼの視点が、被写体との親密な関係を通じて独自の親和性を帯びる構成。
アンディ・ウォーホル展 永遠の15分 | 森美術館
2014年に森美術館で開催された「アンディ・ウォーホル展 永遠の15分」の公式図録。ポップ・アートの旗手として知られるウォーホルの初期から晩年までを俯瞰する大規模な回顧展で、絵画や版画、映像作品、デザイン、私的な資料を含む約700点を収録している。マリリン・モンローやキャンベルスープ缶に象徴されるアイコニックな作品から、実験映画や写真にいたるまで幅広い領域を網羅。アメリカの消費社会やメディア環境と密接に関わりながら展開した創作の全貌を提示している。
本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語 | 東京都写真美術館 ほか
2023年から2024年にかけて東京都写真美術館と田川市美術館で開催された展覧会の公式図録。日本の写真家・本橋成一と、フランスの写真家・ロベール・ドアノーという二人の活動を併せて紹介している。市井の人々の慎ましくも豊かな営みを、ユーモアと温かさをもって写し取った作品群を多数収録。時代も文化も異なる両者のまなざしが交差することで、人間の暮らしが持つ普遍的な価値を浮かび上がらせている。
Opening | Jungjin Lee
ニューヨークを拠点に活動する写真家ジョンジン・リーの作品集。アリゾナ、ニューメキシコ、カナダなどで撮影された砂漠や山の風景を収録し、大地や石、樹木、空といった存在との静謐な対話を写し出している。蛇腹折りの造本によって広げると全長3メートルを超え、両面にパノラマ写真が展開される構成となっている。風景を物理的な実在として捉えながら、観る者を自然との深い対話に誘う作品世界を提示している。
Richter 858 | Gerhard Richter
現代ドイツを代表するアーティスト、ゲルハルト・リヒターの連作〈858〉を中心に収録した大判作品集。8点の抽象画を軸に、40点を超えるディテールを拡大掲載し、見開きのパノラマ形式でその質感を体感できる構成となっている。さらに、ミュージシャンのビル・フリゼールが本作に着想を得て制作した即興音楽を収録したCDを付属。巻末ポケットにはプリントも収められ、音楽や詩人・批評家の言葉とともに、絵画、音、言葉が響き合う世界を提示している。
Message | 佐内正史
写真家・佐内正史による作品集。懐かしさと現在が交錯する日常の街並みを、大判のカラー図版で多数収録している。平凡な風景のなかに潜む時間の層や記憶の気配を写し取り、言葉ではなく写真によって「メッセージ」を伝える構成となっている。鮮やかな色彩と独自の視点によって、ありふれた光景に新たな意味を見出し、都市と個人の関係を照らし出している。
Milton Avery
アメリカの画家ミルトン・エイブリーを紹介する展覧会図録。2017年にロンドンで開催された展覧会にあわせて出版されたもので、代表的な作品を収録している。アメリカ印象派と抽象表現主義という20世紀を代表する二つの美術動向のあいだに位置し、その橋渡し的存在として評価されるエイブリーの活動を包括的に示している。簡素化されたフォルムと大胆な色彩を特徴とする作品群を通じて、モダンアートにおけるエイブリーの重要性を明らかにしている。
内藤礼 1985–2015 祝福
美術家・内藤礼のおよそ30年にわたる活動を包括した作品集。1986年の初個展から刊行当時の最新作までを対象とし、〈Apocalypse Palace〉〈地上にひとつの場所を〉〈母型〉(豊島美術館)〈このことを〉(家プロジェクト「きんざ」)など、国内外で発表された主要作品を多数収録している。光や空間、自然と人間の存在を静謐に問いかける作品群を通じて、内藤の芸術の核心を明らかにしている。
Exactitudes | Ari Versluis, Ellie Uyttenbroek
写真家アリ・フェルスルイスとスタイリスト、エリー・イッテンブロークによる共同プロジェクトをまとめた作品集。タイトルは「正確さ(exact)」と「態度(attitude)」を掛け合わせた造語で、世界各都市のストリートで見かける社会集団の装いを同一の背景と構図で撮影している。個性を主張するかのようなファッションが、同時に均質な「型」に収まることを示す構成となっている。
Carla Klein
オランダのアーティスト、カーラ・クラインの作品を収録したモノグラフ。1994年から2000年の間に制作された絵画36点を収めている。写真を基に描かれる大画面の油彩は、空港や道路、病院など無機質な風景をモチーフとし、青を基調とする色調で現実と夢のあわいを描き出している。
Japan: A Love Story | Michael Kenna
写真家マイケル・ケンナによる日本の風景を収めた作品集。2024年に東京、ロサンゼルス、ロンドンで開催された巡回展にあわせて刊行された。湖上に立つ鳥居や霧に包まれた森、荘厳な山々などを題材に、静謐で神秘的なイメージをモノクロームで写し出している点が特徴。長時間露光によって捉えられた光と影の階調は、日常の風景に永遠性を与え、日本の自然観や精神性を映し出している。
Seasonal Abandonment of Imaginary Worlds | Carine Thevenau
オーストラリア・シドニーを拠点とする写真家カリーヌ・テベノーの作品集。日本の地方都市で撮影された老朽化の進む遊具を被写体とし、雪景色の中にたたずむ遊び場を通じて「間」の概念を探求している。時間や空間の空白を表すこの思想を、写真は静寂や緊張感として映し出しており、廃墟化する遊具の存在が一層の詩的解釈を導いている。遊びの痕跡と忘却の風景を重ね合わせ、視覚的に「間」を提示している。
Milton Avery | ミルトン・エイブリー
アメリカの画家ミルトン・エイブリーの作品を紹介する図録。1982年にニューヨークのホイットニー美術館で開催された展覧会にあわせて刊行されたもの。1919年から1963年にかけて制作された作品を収録し、簡素化されたフォルムと色面によるシンプルな表現を特徴としている。モノクロと一部カラーを含む147点の図版を掲載し、同時代の画家マーク・ロスコによるエッセイや解説も収録。