SYNTAX | Ralph Gibson
アメリカの写真家、ラルフ・ギブソンによる作品集。黒と白の強いコントラストと、断片的に配置されたモチーフの連なりを通して、見る行為そのものの構造に目を向けている。初期三部作を経た本作では、対象の意味よりも関係性や配置が前景化し、写真を一つの「構文」として捉える姿勢が明確になる。反復や余白、緊張感のあるフレーミングが積み重なり、ギブソン独自の視覚言語がいっそう研ぎ澄まされていく過程を目にすることができる。
Su Munari | Bruno Munari
美術家、デザイナー、絵本作家として活動したブルーノ・ムナーリを周囲の視点から浮かび上がらせる一冊。エットレ・ソットサスら104名による証言と、未発表作品152点を通して、その思考と創作の軌跡をたどる。プロダクト、スケッチ、コラージュ、絵本など分野を横断する仕事の断片が集められ、ムナーリの創作がいかに日常や遊び、教育と結びついていたかが伝わってくる作品集。
いろは四十八文字 | 篠田桃紅
美術家・版画家、篠田桃紅による墨戯を収めた作品集。「らくがき=落書き」という軽やかな姿勢のもと選ばれた作品を、「いろは四十八文字」に重ねて構成している。制作の過程で生まれる迷いやつぶやき、墨や文字に向けた思索も文章として添えられ、線と余白、言葉と沈黙が呼応する。
BOUNDARY | 竹沢うるま
写真家・竹沢うるまによる作品集。アイスランドの風景と、そこに生きる人々の姿を対置しながら、「境界」という概念を静かに考察する。国境や民族、宗教といった分断に向き合ってきた自身の経験を背景に、風景のスケールの中で相対化されていく人為的な線を見つめ、大地の視点から境界の意味を問い直している。
Paul Klee: Padagogisches Skizzenbuch
画家・教育者のパウル・クレーが、ヴァイマール期のバウハウスでの教育活動をもとにまとめた教育書。授業から生まれたスケッチや図解を通して、形態や運動、生成の原理を視覚的に整理し、造形を理解するための基礎的な考え方を示している。クレー自身の芸術観と教育思想が凝縮された内容で、バウハウスにおける理論教育の重要な一部を成した一冊。
水の本 | 高橋睦朗、金子國義
フランスのナチュラルミネラルウォーター・ペリエの日本法人・ペリエジャポンが制作した、水を主題とする冊子。水の化学的性質や人との関係、神話や文化における象徴性、ブランドの歩みまでを横断的に編む。詩人・高橋睦朗による文章と、画家・金子國義の幻想的な挿絵が交差し、水という存在をめぐる思考とイメージを豊かに広げている。
まだ見ぬソール・ライター The Unseen Saul Leiter
アメリカ出身の写真家、ソール・ライターが遺したスライド写真をまとめた作品集。ソール・ライターが2013年に亡くなってから、遺されたままとなった約1万ものスライド写真をデジタルアーカイブ化する「スライド・プロジェクト」の際に刊行されたもの。アトリエ、手書きのラベル、カメラ機材など、その他作品とともに解説を収録。色彩の豊かさと、映画のワンシーンようなドラマティックな構図で世界を切り取る。
COMPUTERS: An Illustrated History
計算機からパーソナルコンピュータ、現代のノートPCに至るまで、コンピュータの進化を図版中心にたどるビジュアルブック。パンチカード式計算機や初期の家庭用コンピュータから、洗練されたデザインと高性能を備えた機種まで、技術と形の変化を時代順に紹介。入力装置やインターフェースの変遷にも触れ、私たちの身近な道具がどのように更新されてきたのかを平易に整理している。
Zentrum Paul Klee, Renzo Piano: Archimorphose
2005年6月に開館したツェントルム・パウル・クレーの建築に焦点を当てた一冊。設計を手がけたのは建築家のレンゾ・ピアノ。構想段階から完成に至るまでのプロセスを、図面や写真、資料を通してたどっている。レンゾ・ピアノ本人との緊密な協力のもとで編まれ、ランドスケープと一体化した建築の考え方や、空間がかたちづくられていく過程が丁寧に紹介されている。
David Seidner
写真家、デヴィッド・サイドナーの約10年間の仕事をまとめた作品集。ポートレートやファッション写真を中心に、鏡や割れたガラスを用いた実験的なイメージも収録し、71点の写真でその表現の幅を紹介している。モノクロとカラーを交えながら、人物の気配や光の揺らぎに静かに寄り添う写真が並び、サイドナーならではの端正で感情を含んだ視線が伝わってくる。
芹沢銈介 型染カレンダー 2024年
型絵染の人間国宝として知られる染色工芸家・芹沢銈介の型染カレンダー2024年版。1968年に制作されたカレンダーの図案を復刻したもの。芹沢没後も遺族の監修のもと、弟子たちの協力によって、初期と同等の型・染料・和紙・技法を用いた復刻制作が続けられており、芹沢芸術の確かな息遣いを今に伝える作品となっている。
芹沢銈介 型染カレンダー 2023年
型絵染の人間国宝として知られる染色工芸家・芹沢銈介の型染カレンダー2023年版。1950年に制作されたカレンダーの図案を復刻したもの。芹沢没後も遺族の監修のもと、弟子たちの協力によって、初期と同等の型・染料・和紙・技法を用いた復刻制作が続けられており、芹沢芸術の確かな息遣いを今に伝える作品となっている。
芹沢銈介 型染カレンダー 2022年
型絵染の人間国宝として知られる染色工芸家・芹沢銈介の型染カレンダー2022年版。1983年に制作されたカレンダーの図案を復刻したもの。芹沢没後も遺族の監修のもと、弟子たちの協力によって、初期と同等の型・染料・和紙・技法を用いた復刻制作が続けられており、芹沢芸術の確かな息遣いを今に伝える作品となっている。
芹沢銈介 型染カレンダー 2021年
型絵染の人間国宝として知られる染色工芸家・芹沢銈介の型染カレンダー2021年版。1971年に制作されたカレンダーの図案を復刻したもの。芹沢没後も遺族の監修のもと、弟子たちの協力によって、初期と同等の型・染料・和紙・技法を用いた復刻制作が続けられており、芹沢芸術の確かな息遣いを今に伝える作品となっている。
芹沢銈介 型染カレンダー 2020年(3月欠け)
型絵染の人間国宝として知られる染色工芸家・芹沢銈介の型染カレンダー2020年版。1964年に制作されたカレンダーの図案を復刻したもの。芹沢没後も遺族の監修のもと、弟子たちの協力によって、初期と同等の型・染料・和紙・技法を用いた復刻制作が続けられており、芹沢芸術の確かな息遣いを今に伝える作品となっている。
デンマークの椅子 | 織田憲嗣
北欧デザイン研究の第一人者、織田憲嗣による椅子の資料集。ハンス・J・ウェグナー、フィン・ユール、アルネ・ヤコブセンをはじめ、デンマークを代表する64名のデザイナーによる椅子170点を収録している。各作品にはカラー写真とともに、正確な面図、デザイナー略歴、解説が添えられ、形態と思想の両面から読み解ける構成。20世紀以降に培われたデンマークの家具文化と、その持続的なデザインの流れを紹介している。
韓国の古美術
韓国の古美術を網羅的に紹介する資料集。絵画、彫刻、工芸、陶磁器、石造・木造建築など、多岐にわたる美術作品を収録し、古代朝鮮から三国、新羅、高麗、李王朝へと受け継がれた文化と造形の流れをたどる。長い歴史の中で培われた独自の美意識や造形感覚を、精緻なカラー図版273点とともに紹介。巻末には各作品の詳細な解説、地図、略年表を収録している。
Timeless Landscapes 1 国宝・閑谷学校 | 小川重雄
岡山県備前市に現存する日本最古の学校建築〈閑谷学校〉を記録した写真集。建築写真家・小川重雄が撮影した国宝・講堂をはじめ、石塀や瓦屋根、周囲の自然と調和する建築空間を精緻に捉えている。江戸初期に建てられた学び舎の佇まいを、建築と風景の双方から照射する構成。新たにデジタル化された図面資料も併載。
イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき
2022年から2024年にかけて開催された巡回展の図録。2021年にフィンランド・デザイン・ミュージアムで開催された展覧会を再構成し、日本との関わりに焦点を当てた章を新たに加えている。創業から140年を迎えたイッタラの歩みを軸に、デザイナーの創意、自然からの着想、陶磁器とガラスの融合など、多様な観点からその魅力を紹介。
ピノッキオの冒険 | ジャンルイジ・トッカフォンド
イタリアの画家・映像作家ジャンルイジ・トッカフォンドが、『ピノッキオの冒険』を独自の解釈で再構築した作品集。原作の物語を自由に変奏し、奔放な筆致とダイナミックな構図によって、ピノッキオの世界を鮮烈に再生している。流動する線と色が生む独特のリズムが、アニメーション作家としての感性をも映し出す。邦訳テキストとともに構成され、装丁は葛西薫が手がけている。
Hockney’s Alphabet
画家デイヴィッド・ホックニーがアルファベットを描き、詩人スティーブン・スペンダーが編集を手がけた作品集。エイズ患者支援のためのチャリティ出版として企画され、ホックニーによる26のアルファベットのドローイングに、アーサー・ミラー、カズオ・イシグロ、スーザン・ソンタグら20世紀を代表する作家たちのエッセイや詩が添えられている。文字の形や響きから広がる想像力を、多様な芸術家の視点で紡いだ一冊。
Appearances are Often Deceptive | ヒロ杉山
イラストレーター、デザイナーとして活動するヒロ杉山による作品集。外観は絵本のようなポップな装丁だが、よく見ると世界的に知られるキャラクターに巧みな仕掛けが施されている点が特徴である。ユーモラスでありながらダークな要素を帯び、視覚的な違和感を通じて現代社会のイメージ消費やアイコンの在り方を問いかけている。限定500部刊行。
BANGING YOUR HEAD AGAINST A BRICK WALL | Banksy
イギリスを拠点に活動する正体不明のストリートアーティスト・バンクシーによる初期作品集。社会や政治への鋭い批評とブラックユーモアを特徴とするステンシルやグラフィティ作品を中心に、風刺的な引用や短いエッセイなどをモノクロ図版で収録。路上という公共空間を舞台に展開された表現は、シンプルでありながら強いメッセージ性を持ち、後の代表作へとつながるバンクシーの思想と手法を色濃く伝える。
King for a Decade: Jean-Michel Basquiat
アメリカの画家ジャン=ミシェル・バスキアの軌跡をたどる資料集。短くも濃密な10年間の活動を、ペインティングやドローイングをはじめとする多彩な作品図版とともに紹介している。マイケル・ホフマンやアンディ・ウォーホルなど、彼と親交のあった人々による証言やインタビューを収録し、創作の背景や内面の葛藤を多角的に描き出す。
日本人とすまい 3 しきり
日本の住空間における「しきり」の意味と変遷を多角的に読み解く一冊。1997年に新宿のリビングデザインセンターOZONEで開催された展示の際に併せて刊行されたもの。屏風、襖障子、欄間といった伝統的要素をはじめ、平安から江戸にかけての暮らしと空間構成、さらに近代以降の住空間における「しきり」のあり方までを豊富な図版とともに紹介。
CDT 01 寫眞 Photography 紙とインキの同人誌
TDC(東京タイプディレクターズクラブ)の同人誌、第1号。編集長は毎号交代となり、1冊1テーマ、活字の原点である紙とインキに立ち返る試み。今回のテーマは「写真」、編集長は葛西薫。TDC全理事、浅葉克己、井上嗣也、奥村靫正、葛西 薫、北川一成、菊地敦己、澁谷克彦、佐藤 卓、祖父江慎、立花文穂、中島英樹、服部一成、仲條正義、松本弦人らによる執筆とゲスト、タカザワ・ケンジ、カール・ハイドによる寄稿を収録。
engelsam: Gedichte zu Engelbildern von Paul Klee
20世紀を代表する画家、パウル・クレーが描いた「天使」を主題とする作品に寄せて編まれた詩画集。クレーによる線描や水彩の図版と、それに応答するヴェルナー・フォークトの詩が見開きで配され、言葉とイメージが静かに呼応している。絵、詩、余白の関係が丁寧に整えられ、ページを追うごとに穏やかな時間の流れを感じさせる構成。クレーの晩年に通じる内省的な世界を、詩とともに味わう一冊。限定1500部発行。
ダヤニータ・シン インドの大きな家の美術館
2017年に東京都写真美術館で開催されたダヤニータ・シンの展示図録。シンの初期の代表作から開催時における新作まで幅広く収録。詩的で美しい世界のなかに、現代写真・美術が抱える美術館システムやマーケット等の問題、現代社会におけるセクシュアリティや、格差、階級、ジェンダー、アーカイブ、情報等の様々な問題が示唆されている。
Siegerflieger | Juergen Teller
写真家、ユルゲン・テラーによる作品集。2014年ブラジル・ワールドカップでのドイツ代表優勝を背景に、サッカーへの個人的な熱狂を日記のような形式で綴っている。試合をテレビ観戦する場面から、優勝後にブランデンブルク門でチームを迎える瞬間まで、私的な視点と時代の出来事が交差する構成。勝者を乗せた特別機を指す愛称「Siegerflieger」をタイトルに掲げ、テラーらしい率直さと軽やかなユーモアで、ひと夏の記憶と高揚感を写し取っている。
Nackig Auf Dem Fuflallplatz. | Juergen Teller
ドイツ出身の写真家、ユルゲン・テラーによる作品集。2014年ワールドカップ決勝をテレビ観戦する自身の姿を記録した映像から切り出したモノクロ写真を中心に構成されている。叫びや興奮といった感情がむき出しになったセルフポートレートが強い印象を残す。あわせて、サッカー関係者の写真や家族の肖像も収録。
表現者 河井寛次郎展
2004年に渋谷区立松濤美術館ほか全国を巡回した展覧会の公式図録。陶芸家・河井寛次郎の晩年における自在な制作を軸に、初期作や民藝運動に関わった時期の代表作、木彫、家具、キセル、書までを幅広く収録している。陶芸にとどまらない多彩な表現をカラー図版と解説で紹介し、生活と芸術を切り離さずに向き合った河井の創作の歩みを多面的にたどる。
PRADA 96-98 | Glen Luchford
ファッションブランド・プラダの1996〜98年のヴィジュアルを、写真家グレン・ラッチフォードがまとめた写真集。映画的な記憶の断片を手がかりに構築された写真群を、大判ページで収録。差し込みの小冊子にはコンタクトシートや照明テスト、別テイク、ロケーション写真を収め、制作過程を可視化。ルー・ストッパードとの対話も掲載され、撮影の背景や思考が言葉として補完されている。
Dior: Couture
パリ・クチュールを象徴するメゾン、ディオールのオートクチュールを総覧する写真集。戦後の女性像を一変させた「ニュー・ルック」で知られるクリスチャン・ディオール自身のデザインを含む、100点以上のオートクチュール・ドレスをポートフォリオ形式で収録している。撮影はパトリック・デマルシェリエが担当し、造形の緊張感や素材の質感、シルエットの美しさを端正に引き出している。
Barragan: Photographs of the Architecture of Luis Barragan
メキシコの建築家ルイス・バラガンの主要な建築作品を、写真家アルマンド・サラス・ポルトゥガルの写真で記録したモノグラフ。メキシコシティとその周辺に位置する代表作、溶岩砂漠を造成したエル・ペドレガル、マティアス・ゲーリッツと共同設計したサテライト・シティの塔、サン・クリストバルの厩舎やプール、ヒラルディ邸、自邸、ラス・アルボレダス住宅地などを網羅。1979年プリツカー賞受賞の業績を支えた空間美を伝える。英語表記。
吉田五十八とその流れ
近代数寄屋建築を切り拓いた建築家、吉田五十八と、その系譜に連なる門下生の仕事を紹介する資料集。日本建築の伝統に向き合いながら、現代的な空間表現へと昇華させた吉田の建築を起点に、大関徹、星野光平、今里隆、寺井徹、小杉英男、野村加根夫、畠山博茂、板垣元彬の作品をカラー/モノクロ図版で収録している。共通の思想を土台としつつ、それぞれの解釈や展開がどのように建築として結実していったのかをたどる。
日本の倉 | 高井潔、伊藤ていじ
写真家・高井潔と建築史家・伊藤ていじによる、日本の「倉」に焦点を当てた建築写真集。木・石・土といった素材ごとに、外観や細部の写真、図面を収録し、その構造美と機能性を探っている。倉という建築形式を通して、「日本の倉とは何か」「日本人にとって倉とは何だったのか」という根源的な問いに迫る評論も併載。歴史的背景と文化的意義を多角的に読み解きながら、建築と生活文化の関係を明らかにしている。装丁は田中一光によるもの。
Cape Light ハードカバー版 | Joel Meyerowitz
米国を代表する写真家、ジョエル・マイヤーウィッツの作品集。マサチューセッツ州の避暑地ケープコッドを舞台に、近づく嵐や夕暮れの食料品店、寝室の窓からの眺めといった日常の場面が、この土地特有のやわらかな自然光のもとで捉えられている。ニューヨークのストリートで培われた色彩感覚がいっそう洗練され、抑制の効いた色の重なりが時間や空気の移ろいを静かに伝えている。
Influences from Japan in Danish Artand Design
19世紀半ばの開国以降、日本美術がヨーロッパに与えた影響を、約150年にわたる視点で検証する一冊。とりわけデンマークでは、建築や工芸、デザインの分野で日本への関心が断続的ではなく継続してきた点に注目している。初期には意匠やモチーフが、近年では素材の扱いや制作プロセスが重視され、多くの作家が日本での滞在を通じて影響を受けてきた。その背景を探り、異文化が創造に与える力を読み解いている。
Spirit of Paper: 5th Holland Paper Biennial
紙がもつ精神性や宗教的役割に焦点を当てた、第5回ホランド・ペーパー・ビエンナーレの公式図録。カトリックの祈祷版画、イスラム圏の紙文化、韓国の葬送用紙花、アステカ文明、日本の民間信仰など、地域を横断して「祈りのための紙」を紹介している。装丁はロース・スヘーペンスが手がけ、物語に対応した色紙を挟み込む構成が内容と呼応。
カール・ハンセン&サン社 100年の歩み
デンマークの名門家具メーカー、カール・ハンセン&サンの創業100周年を記念して刊行された社史・作品集。1908年の創業以来、三世代にわたる家族経営のもとで培われた卓越したクラフトマンシップとデザイン哲学を紹介する。ハンス・J・ウェグナーやアルネ・ヤコブセン、ポール・ケアホルムら北欧を代表するデザイナーとの協働により生まれた名作家具や、製作過程の詳細な写真、歴史資料を収録。
Pairs and Posses | Sherrie Levine
アメリカのコンセプチュアル・アーティスト、シェリー・レヴィーンの1992年以降に制作された彫刻作品に焦点を当てたモノグラフ。eBayや骨董店で見つけた日用品を、ガラスやブロンズなどの素材に置き換え、二点組・三点組の彫刻として表現。素材と並置によって、キッチュとされてきた物が美術作品へと変わるプロセスを示し、美術における価値や序列を問いかけている。
建築がうまれるとき ペーター・メルクリと青木淳
2008年に東京国立近代美術館で開催された展覧会の公式図録。スイスの建築家ペーター・メルクリと、日本の建築家・青木淳を並置し、完成した建築ではなく、建築がかたちを得ていく思考の過程に焦点を当てている。絵画や彫刻への深い関心を共有する二人は、作品と向き合う緊張感のある空間を生み出してきた。メルクリのドローイングやスタディ模型、青木の多数の模型を通して、アイデアが揺れ動きながら建築へと向かう時間を可視化している。
Ateliers | Jean-Marie del Moral
フランスの写真家、ジーン・マリエ・デル・モラルの作品集。20名の現代美術家のアトリエを訪ね、制作の現場を写し取っている。画家のジャン・ピエール・レイノーやクロード・ヴィアラらの作業空間には、道具や痕跡、未完の作品がそのまま残され、創作が進行する時間の気配が漂う。作品そのものではなく、作品が生まれる場に目を向けることで、芸術家それぞれの思考や身体感覚が立ち現れてくる構成。
Marisol: Sculptures and Works on Paper
パリ生まれでヴェネズエラにルーツをもつ彫刻家、マリソルの彫刻と絵画作品を包括的に紹介する作品集。1960年代のニューヨークで注目を集めた、ミクストメディアによる人物彫刻を中心に、先コロンブス美術やフォークアート、キュビスム、シュルレアリスムなど多様な影響が交差する表現をたどっている。近年は表舞台から距離を置いてきた作家の仕事を再検証する回顧展にあわせて刊行され、家族、アメリカの政治やポップカルチャー、先住民の権利、貧困、女性作家としての立場、ラテンアメリカとの関係性といった主題を多角的に掘り下げる。