IL MERLO HA PERSO IL BECCO | Bruno Munari
ブルーノ・ムナーリが1940年に着想したプロジェクトをもとに制作された絵本『Il Merlo Ha Perso Il Becco(黒つぐみはくちばしをなくした)』の復刻版。透明なプラスチックシートにシルクスクリーン印刷を施し、ページをめくるにつれてパーツが現れたり重なったりする仕掛けが楽しめる構成。ムナーリが追求した「見ること」の実験精神が凝縮され、絵本でありながら玩具のような感覚で手を動かして味わえる造本。歌の流れを視覚化するユーモラスなアイデアを通し、デザインと遊びの関係を軽やかに表現している
Jan Tschichold: Posters of the Avantgarde
20世紀を代表するタイポグラファー、ヤン・チヒョルトの仕事を紹介するポスターコレクション集。自身が手がけたポスター作品に加え、ヘルベルト・バイヤーやマックス・ビルなど、彼が収集していた前衛的デザインのポスターも掲載している。カラー図版と解説を通じて、モダンタイポグラフィの革新的な試みを多角的に検証できる構成となっており、デザイン史におけるチヒョルトの影響と、アヴァンギャルドの視覚表現を明らかにしている。
丹下健三 伝統と創造 瀬戸内から世界へ
建築家・丹下健三の生誕100年を記念した初の大規模回顧展公式カタログ。約380点に及ぶ展示図版を中心に、写真家ホンマタカシによる丹下建築撮り下ろし、著名建築家や文化人による寄稿、図面・模型写真など、多彩な資料を収録している。1946年の出発点から、伝統の再解釈、丹下チームの活動、瀬戸内建築の展開までを章ごとに紹介し、戦後日本の建築を牽引した丹下の思考と歩みを立体的に捉える構成。さらに卒業制作パースや香川県庁舎図面、復元模型といった貴重なアーカイブに加え、「私の丹下体験」と題した37名の証言も収められ、丹下建築が与えてきた影響の広がりを読み取ることができる。
TORSO | 金子親一
静物表現に卓越した写真家・金子親一による作品集。パイプや柱、椅子脚を思わせる造形が、真っ白な空間の中で静かに姿を現す。直線やカーブ、円がつくり出すフォルムは、視覚の奥に広がる静謐で深い世界を写し出している。装丁は永井裕明が手がけ、造本装丁コンクールにおいて「経済産業大臣賞」を受賞した、美しい造本も魅力の一冊。
Adad Hannah: The Diversions
カナダのアーティスト、アダド・ハンナの活動を総合的にたどるモノグラフ。歴史的名場面や美術史上の図像を再構成しながら、私たちと歴史の関係、アートと制度、アートとコミュニティのつながり、さらに現代における身体表現の役割といったテーマを探ってきたハンナ。本書は、多数の参加者やセット、背景、映像を組み合わせた新作インスタレーションの発表に合わせて編集されたもので、キュレーターや批評家、アーティスト、ジャーナリストらによる寄稿を通して、過去10年の制作を多角的に振り返る内容となっている。
Adad Hannah
写真・映像・インスタレーション・パフォーマンスの手法を組み合わせ、「静止画」を生成する独自の実践を展開するカナダのアーティスト、アダド・ハンナによる作品集。2019年にカナダを巡回した展覧会にあわせて刊行されたもの。〈Mirroring the Museum〉〈Reflections of Artworks and Lives Captured〉など、ハンナの代表作を収録し、反復や複製、引用、映像的な鏡像性を多角的に考察する内容。
Donald Judd | David Raskin
アメリカの美術家ドナルド・ジャッドを取り上げた作品集。20近いアーカイブ資料をもとに、ミニマリズムの重要な提唱者として知られるジャッドの全貌をたどっている。美術評論家デイビッド・ラスキンが執筆を担当し、ジャッドの原則や美学を論じながら、作品がもつ二面性に迫る考察を展開。驚くほど儚い印象を与えながらも、同時に徹底して物理的であり続ける理由を明らかにし、ミニマリズム芸術の本質を提示している。
デザインの解剖2 フジフィルム・写ルンです | 佐藤卓
グラフィックデザイナーの佐藤卓が、「フジフィルム・写ルンです」をデザインの視点から解説。ネーミングの変化、製品デザイン、ロゴタイプ、フィルム、リサイクルの観点など、1986年から2002年までの16年のさまざまな変化を探る。
デザインの解剖3 タカラ・リカちゃん | 佐藤卓
グラフィックデザイナー、佐藤卓が2001年より取り組んでいるプロジェクト「デザインの解剖3 タカラ・リカちゃん」。シリーズ第3回として、タカラの代表的な着せ替え人形「リカちゃん」を取り上げる。リカちゃんの「カワイイ」はどのように設計され、形作られてきたのか、ネーミングやロゴタイプ、顔や髪、可動部品に至るまで、すべての要素を解説し、日常に溢れるキャラクターのデザインを細部にわたり検証する。日本における着せ替え人形の歴史も紹介し、キャラクターデザインの秘密を紐解いていく。
野の花 | 坂村岳志
花人の坂村岳志による作品集。西麻布の「さかむら」から南青山の「山口信博デザイン事務所」までの散歩道で、一年間採取した草花を山口信博所有のうつわのみ見立ての花器として用いて生け続けた記録。都会に生きる自然の声を聞き、花のことばを器へと訳すようにうつわを選び、生ける。それは特別な儀式ではなく、日々の暮らしの中で花と向き合う日本的な営みを、もう一度現代の生活へと呼び戻す。
Savoir & Faire 土
エルメス財団による自然素材にまつわる知識や技術の共有を試みるプログラム、「スキル・アカデミー」による1冊。フランスのActes Sud社より刊行されているシリーズ「Savoir & Faire」の一部を翻訳、新たなコンテンツを加えたもの。農業や建築、陶磁器、コンテンポラリーアートなど、『土』に焦点を当て様々な視点から、生活とは切り離せない『土』の可能性を探る。
TARA: Homage to a Bathroom Fitting and an Archetype
ドイツの水栓専門メーカー、ドンブラハト社とジーガーデザインとの協働のもとに生み出された水栓金具「TARA」。優美なラインと明快なフォルムを兼ね揃え、定番のデザインとして長年にわたり愛されてきたTARAの象徴的なフォルムを、ニューヨークのフォトグラファー、ジェシー・フローマンがモノクロ写真で捉え、現代におけるデザインのクラシックとして描き出している。また、著名な建築家、デザイナー、コミュニケーション学者、評論家たちがTARAのデザイン理論や芸術における立場や視点について考察を交わしている。
Jarmund/Vigsnaes Arkitekter
ノルウェーの建築家グループ、Jarmund / Vigsnæs Arkitekter(JVA)の活動を紹介するモノグラフ。1996年にオスロでエイナル・ヤルムンドとホーコン・ヴィグスネースによって設立され、2004年にアレッサンドラ・コスベルグが加わった。公共建築や集合住宅、山小屋から都市計画、インテリアに至るまで幅広い分野に取り組み、プロジェクトごとに独立したコンセプトを立てる設計アプローチで知られる。インタビュー記事に加え、図面や写真など豊富な図版を通じて、これまで手がけた40のプロジェクトを収録し、事務所の思想や設計プロセスを紹介している。
和家具 | 小泉和子
江戸時代から昭和初期にかけて民家の暮らしの一部として用いられた和家具をまとめた資料集。書棚、箪笥、長持、箱階段、屏風、鏡台、火鉢など、名品の造形美と機能性を詳細に紹介し、生活文化としての意義を明らかにする。洋風化や近代化により失われつつある家具文化を記録・再評価することを目的とし、実物資料を通して日本の暮らしの豊かさと歴史的背景を伝える一冊。
和箪笥集成 | 木内武男ほか
日本の伝統家具を象徴する和箪笥を網羅的に収録した写真資料集。船箪笥、衣装箪笥、薬箪笥、階段箪笥など、現存する多様な箪笥をカラー・モノクロの図版で紹介している。各箪笥には品名、産地、サイズ、推定製作年代を明記し、巻末には解説も収録。職人の技と地域性が凝縮された日本の家具文化に迫る一冊。
Julius Shulman: Modernism Rediscovered
アメリカの建築写真家ジュリアス・シュルマンによる作品集。膨大なアーカイブから厳選されたミッドセンチュリー期の建築写真を収録し、そのうち約200点は未公開作品を含んでいる。ケース・スタディ・ハウスをはじめとするカリフォルニア・モダニズムの豊かな実例を通じ、光と構図によって建築の美質を引き出すシュルマンの視点を伝える一冊。
Alvar Aalto
フィンランドの建築家アルヴァ・アールトの代表作を紹介するコンパクトサイズの写真資料集。モダニズム期の《ヴィープリの図書館》(1927–35)や《パイミオのサナトリウム》(1928)から、素材を自在に扱い有機的な造形へと向かった《マイレア邸》(1938)まで、その変遷を写真と図面で辿ることができる。
Toute Arme Forgee Contre Moi Sera Sans Effet | Colin Delfosse
ベルギー出身の写真家コリン・デルフォスによる作品集。コンゴ民主共和国の首都キンシャサで行われるレスリングを題材とし、呪術的要素と大衆文化が混じり合う独特の世界をとらえている。マスクやチェーン、鮮やかなペイントを施したレスラーたちが登場し、身体表現と儀式性が交錯する舞台を映し出す構成。都市の熱気や観客の熱狂とともに、レスリングが社会的・文化的役割を担う姿を記録している。
Futura
アメリカのグラフィティ・アーティスト、Futura 2000による初の作品集。1970年代のニューヨークに始まるグラフィティから、Mo Waxのカバーアート、ドローイングや写真まで、抽象表現をストリートにもたらした先駆者の軌跡を辿る内容。豊富なアーカイブと本人の言葉で構成され、Futuraが築いた独自のビジュアル言語とその広がりを紹介している。
キース・ヘリング アートはすべての人のために
1980年代のアートシーンを牽引したストリートアートを代表するアーティスト、キース・ヘリングの作品集。「中村キース・ヘリング美術館」の開館10年間の歩みを概観し、所蔵作品を中心に、ドローイングや立体作品など約160点を掲 […]
キース・ヘリング展
キース・ヘリング展/氏の没後10年を記念し、1999年から2000年にかけて開催された「キース・ヘリング展」の図録。テーマのわかりやすさと都市や社会を読み取る才能によって、世界中の人々を虜にしたヘリング。氏のペインティング作品や写真を収録しながら、生活・行動そのものがアートと言われた氏を浮き彫りにする。
Art for Baby | Templar books
ダミアン・ハースト、デイヴィッド・シュリグリー、ブリジット・ライリー、パトリック・コールフィールド、ゲイリー・ヒューム、村上隆、ポール・モリソン、ヨゼフ・アルバース、カジミール・マレーヴィチ、ジュリアン・オピーら世界的アーティストによる白黒イメージを収録したボードブック。高コントラストの図像は赤ちゃんの初期の視覚認識を助け、新生児を落ち着かせ、興味を引きつける効果を持つ。折り込みのフリーズも付属し、家庭に現代アートを取り入れるきっかけを与えてくれる内容。
Nature of Los Angeles 2008-2013 | Bruce Davidson
アメリカの写真家ブルース・デビッドソンによる、ロサンゼルスの自然をテーマにした作品集。2008年から2013年にかけて撮影され、乾燥した過酷な環境のなかで生きる多様な植物の姿を記録している。都市やビーチといった風景のなかに広がる植生をとらえることで、自然と人間の共存のあり方を探る構成となっている。植物の生命力と都市の表情を重ね合わせ、ロサンゼルスという場所の特質を照らし出している。
Loyal and His Band
雑誌『Loyal』と同名のギャラリーを運営してきたクリエイターたちが、5周年を記念して刊行したアートブック。ジュールス・デ・バランクール、マット・レイナス、ウェス・ラング、ヨーケム・ノルドストリョーム、マンマ・アンダーソンら20人以上のアーティストが参加し、ドローイング、絵画、写真など多彩な表現を収録。国際的なアーティスト同士の交流と創造の広がりを映し出している。
Fred Herzog: Black and White
ドイツ生まれでカナダを拠点に活動したストリートフォトグラファー、フレッド・ヘルツォークの初期モノクロ作品をまとめた写真集。都市の影と光が交差する路上の情景から、旅先のスナップ、農村の日常まで、多様な風景を静かなまなざしでとらえている。のちのカラー作品で知られる彼だが、本書に収められたモノクロ写真には、時代の空気や人々の気配を凝縮する独自の感性があらわれており、ヘルツォーク作品の原点に触れられる一冊となっている。
African Textiles ペーパーバック版
アフリカ各地で受け継がれてきた布文化を紹介する資料集。鮮やかな文様布から、織り・染め・刺繍といった制作技法、さらに衣服としての使われ方までを、豊富なカラー/モノクロ写真で解説している。地域ごとの美意識や生活文化と結びついたテキスタイルの役割を視覚的にたどることができ、アフリカの造形文化を理解する手がかりとなる一冊。
Edward Gorey: His Book Cover Art & Design
絵本作家エドワード・ゴーリーが1953〜2000年に手がけたブックカバーを集成したデザイン資料集。ダブルデイやランダムハウスなど主要出版社のために制作した装丁を中心に、緻密な線描とユーモラスで少し怪奇味のある作風がどのように書籍デザインへ展開されたかを読み取れる内容。図版も豊富で、ゴーリーの造形感覚とデザイン思想を知ることができる一冊。
惑星 新装改訂版 | 山内悠
写真家・山内悠による作品集『惑星』の新装改訂版。2020年刊行の初版後に得た体験をもとに再編集されたもので、5年にわたりモンゴル全土と中国内モンゴル自治区を巡った旅を記録する。無数の星が瞬く夜空、異星のような岩石、遊牧民の暮らし、果てしなく続く砂漠──まるでSFの世界を思わせる、この地球上の風景が広がる。
極楽鳥 インターメディアテク開館十周年記念 特別展示
2023年にインターメディアテクで開館十周年を記念して開催された特別展示『極楽鳥』のカタログ。東京大学総合研究博物館と「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校」が共同で、鳥をモチーフとした宝飾芸術の名品と歴史的な鳥類標本・図譜を紹介。美しい羽や色彩をもつ鳥たちと、貴石や金属で華やかに表現された宝飾品が呼応し、鳥が研究の対象として、また芸術の題材として、どのように表象されてきたかを浮かび上がらせる。
ヴィデオを待ちながら 映像、60年代から今日へ
2009年に東京国立近代美術館で開催された展覧会のカタログ。1960〜70年代に制作されたヴィデオ作品や実験映画を中心に、映像表現の可能性を探った作品群を5つのテーマに分けて紹介する。「鏡と反映」「芸術の非物質化」「身体/物体/媒体」「フレームの拡張」「サイト」の各セクションに沿って、図版と解説を収録。
二十一世紀民藝 | 赤木明登
塗師として活動する赤木明登による長編エッセイ集。泰文館より刊行の季刊誌「住む。」において2009年から2018年にかけて連載された「名前のない道」の一部を改稿し、書き下ろしを加えたもの。15年の歳月を要して記した、次世代の工人が未来へ引き継くべき「民藝」の本質について迫る一冊。
竹中工務店400年の夢 時をきざむ建築の文化史
2016年に世田谷美術館で開催された「竹中工務店400年の夢 時をきざむ建築の文化史」の図録。1610年の創業以来、東京タワーや日本武道館、5大ドーム、美術館や商業施設などを手がけ、日本建築史に大きな足跡を残してきた竹中工務店の歩みをたどっている。写真、模型、図面を中心に、長い歴史の中で築かれた多様な「かたち」を紹介し、同時代の美術作品やグラフィックもあわせて収録。400年にわたる建築文化の軌跡を照らし出している。
糸井重里 湯村輝彦 こども用
コピーライター・糸井重里と、イラストレーターでデザイナー、漫画家としても活躍した湯村輝彦が協働した作品集。文章と絵で展開される12のストーリーは、サブタイトル「One Dozen Adult Stories」が示すように、こどもにも理解しやすく大人も楽しめる内容となっている。解説は村松友視が担当し、ユーモアと批評性を併せ持つ二人の表現世界を浮かび上がらせている。
古ぎれ行脚 上下巻揃 解説巻付属 | 堀切辰一
明治から大正・昭和にかけて日本各地で受け継がれた古布をまとめた実物見本帳上下巻セット。錦織、絞り、モスリン、型染、更紗など、多彩な布地416点の実物見本が貼り込まれ、それぞれの技法や地域性、歴史的背景を丁寧に解説している。生活の中で育まれてきた布の意匠や色彩の豊かさを読み解きながら、日本の染織文化の広がりと奥行きを体系的に学べる貴重な資料集。
Dioramas | Hiroshi Sugimoto
写真家・杉本博司による代表作「ジオラマ」シリーズをまとめた作品集。1974年、アメリカ自然史博物館で目にした展示模型をきっかけに生まれたもので、剥製や背景画をあたかも実在の風景のように撮影し、写真の“真実性”そのものを揺さぶる試みが展開されている。虚構と現実の境界を曖昧にしながら、視覚が抱える錯覚と写真表現の本質を鋭く問いかける一冊。
Hiroshi Sugimoto ソフトカバー版
日本を代表する現代美術作家、杉本博司の作品集。2005年から2006年にかけて各国を巡回した展示に際して発行されたもの。ソフトカバー版。1970年代後半から制作された「ジオラマ」や、長時間露光によってスクリーンを満たす映画一本分の光をとらえた「劇場」シリーズなど、国際的評価を得た当時の主要作品を網羅している。
Boy Stories | Johan Willner
スウェーデンの写真家ヨハン・ヴィルナーによる作品集。自身の幼少期の記憶を手がかりに、夢と現実のあいだに揺れる情景を再構成したシリーズで、淡く色褪せたような色彩がどこか懐かしい空気を漂わせている。緑や赤を基調とした静かなトーンが、物語の断片のようなイメージに独特の奥行きを与え、記憶の質感そのものを視覚化している点が特徴。ヴィルナーが音楽や文学、哲学から受ける影響も重なり、個人的な体験が普遍的な感覚へと開かれていく構成となっている。
Bodoni: Manual of Typography | Giambattista Bodoni
イタリアの印刷工・書体デザイナー、ジャンバッティスタ・ボドニが1818年に刊行した『Manuale tipografico』の復刻版。ローマン体とイタリック体を中心に142種もの書体見本を収め、罫線・装飾・記号・花形のほか、ギリシャ語やヘブライ語、アラビア語、アルメニア語など多言語のアルファベットも網羅している。今日も広く使われるボドニ書体の源流とその理念に触れられる内容で、タイポグラフィ史を学ぶ上でも貴重な資料となっている。
かたちの詩学 | 向井周太郎
インダストリアルデザイナー・向井周太郎による著作集。旧著『かたちのセミオシス』に収録された論考に加え、書き下ろしエッセイ「かたちの誕生 身振りといのち」、さらにドイツでの展覧会「世界プロセスとしての身振り」の図録を併録。「椅子の夢想、夢想の椅子」などの代表的テキストを通じて、形態・素材・身振りと生命との関係を哲学的に探究している。付録として向井自身のコンクリート・ポエトリー選集を収録。装丁は原研哉、松野薫。
Christian Marclay | Russell Ferguson
スイス出身のアーティスト/作曲家クリスチャン・マークレーの作品集。2003年にアーマンド・ハマー美術館での回顧展にあわせて刊行されたもの。〈音〉とそれへの文化的反応を基盤に、電話の会話や映画、音楽レビュー、レコードジャケットなど日常の聴覚体験を作品化してきた。1980年代から2000年代初頭までの彫刻、コラージュ、インスタレーション、写真、映像を収録し、聴覚と視覚を横断する表現の軌跡を明らかにしている。
Waterworks: A Photographic Journey through New York’s Hidden Water System
写真家スタンリー・グリーンバーグが、ニューヨークの巨大な水道インフラを記録した写真集。1日13億ガロンの水を900万人以上に供給する水源地から、巨大なダム、貯水池、地下深くのトンネルまで、通常は立ち入ることのできない施設を1992年から撮影。ブルックリン地下800フィートの水路やアップステートの水源地など、都市を支える“見えない構造”を雄大なデュオトーンで写し出す。歴史や技術的背景を解説するマシュー・ガンディの序文とともに、ニューヨークという都市のもう一つの姿を捉えた一冊。
Gerhard Richter: Panorama Revised Edition
現代美術を代表する画家、ゲルハルト・リヒターの半世紀以上にわたる制作を総覧する決定版カタログ。フォト・ペインティング、抽象画、風景や海景、ポートレート、カラーチャート、ガラス作品、ドローイングまで、多様な表現を300点以上の図版で紹介している。2000〜2015年の近作を大幅に追加したこの改訂版では、スタジオ写真や資料、国際的キュレーターによる論考、テート館長ニコラス・セロタとのインタビューも収録。
Paris+Klein | William Klein
戦後写真に大きな影響を与えたアメリカ出身の写真家ウィリアム・クラインによる作品集。活動拠点としたフランスで撮影された写真を収め、パリの街を舞台に政治運動やデモ、地下鉄、サッカースタジアムなど多様な情景をとらえている。1960年代以降に積み重ねられた視覚的記録は、都市の日常と社会の変動を鮮烈に映し出す。ダイナミックな構図と臨場感あふれる視点を通して、都市写真の可能性を拡張している。
アップルデザイン アップルインダストリアルデザイングループの軌跡 | ポール・クンケル
デザインジャーナリスト、ポール・クンケルがアップル社のデザイン史をまとめた一冊。創業20周年を記念して刊行され、歴代のコンピュータや周辺機器を鮮明なカラー写真とともに紹介している。初期のMacintoshから当時の最新機種まで、製品の造形に込められた思想や、インダストリアルデザイングループの理念と制作プロセスを内側から捉える内容。テクノロジーと美意識が交差するアップル独自のデザイン文化を読み解くことができ、企業とプロダクトの関係性を考察する資料としても価値が高い。