70s 日本の雑誌広告 | ピエ・ブックス
1970年代の日本における雑誌広告を収録した作品集。化粧品、ファッション、食品、インテリアといった分野ごとに整理され、花王、サントリー、全日空などをはじめとする企業の優れたアートワークを紹介している。巻末には日本雑誌広告賞の受賞作とともに「70sクロニクル」を掲載し、当時の社会的背景や文化的潮流を振り返る構成。広告表現を通じて1970年代の時代像を浮かび上がらせている。
本へ!あるいは本をめざして | 羽原粛郎
建築写真家・二川幸夫に師事し、デザイナー、教育者、編集者として活動した羽原粛郎による著作。タイポグラフィと書物への賛歌をテーマに、文字や余白、形、紙といった要素を通じて本というメディアの本質を探っている。「知性と美」の視点から書物を見つめ直し、造本やデザインの根源にある思想を明らかにしている。
Blue, Yellow, Red: Color Anagrams
スイスのデザイナー、ハンス・クヌシェルとユルグ・ナンニによる視覚デザインの実験書。隣接する色によって色の見え方が変化する「ベツォルト効果」に焦点を当て、シアンブルー、ジンククロメート(亜鉛黄)、バーミリオン(朱色)の3色を用いた実験的な構成となっている。色の配置や組み合わせによって生じる印象の変化を示し、色彩理論と視覚心理の関係を探る資料的価値の高い内容を提示している。
101の野菜の顔 | 八木保
グラフィックデザイナーでアートディレクターの八木保による作品集。101種類の野菜や食材を用い、表情豊かな「顔」を生み出している。アスパラやトマト、とうもろこしの皮、ロマネスコブロッコリー、スパゲッティやペンネ、フェットチーネなど多様な素材が個性あふれる造形となる。サンフランシスコの野菜畑で家族とともに楽しんだ試みを起点に、地球の多様な恵みを守る意識へとつながる視点を提示している。
VIVA!!カッパン
活版印刷の魅力を伝える入門書。活字の歴史や組版の仕組み、印刷工程を豊富な図版とともに丁寧に解説している。さらに活字鋳造所や印刷所を訪ねる探訪記を漫画的な表現で紹介し、読み物としても楽しめる内容。基礎知識から実践までをカバーし、懐かしくも新しい活版文化の広がりを提示している。
Arte Affiches 1964-1971
パリ・ダゲール通りにあるARTE-Adrien Maeght印刷所で制作されたポスターを収録した資料集の第1巻。1964年から1971年にかけて印刷された作品を紹介している。アンリ・マティス、ジョアン・ミロ、ワシリー・カンディンスキー、アレクサンダー・カルダー、ジョルジュ・ブラックら20世紀美術を代表する作家による展覧会ポスターを収録し、当時の美術とグラフィックデザインの交流を映し出している。
Arte Affiches 1972-1977
パリ・ダゲール通りにあるARTE-Adrien Maeght印刷所で制作されたポスターをまとめた資料集の第2巻。1972年から1977年にかけて印刷された作品を収録している。フランシス・ベーコン、アントニ・タピエス、ジョアン・ミロ、田原桂一、アルベルト・ジャコメッティ、パウル・クレーら著名作家の展覧会ポスターが掲載され、同時代の美術とグラフィックデザインの関わりを見せている。
Japanese Modern: Graphic Design Between the Wars
1920年代から1930年代にかけて独自の展開を遂げた日本のグラフィックデザインを紹介する資料集。西洋のアール・デコを中心とする影響を受け、フランスやドイツのデザイナーの技法に加え、バウハウス、構成主義、未来主義の要素を取り入れることで、新しい表現と可能性が切り開かれた。ポスター、マッチ箱、トレードマーク、グラフ雑誌『Front』など、多様な媒体を収録し、当時のデザイン史とその特徴を明らかにしている。
福田繁雄個展資料
「日本のエッシャー」と称されるグラフィックデザイナー、福田繁雄の個展図録。動きそのものを立体化したシリーズや、鏡の中でのみ正しく映る「デコブル」「ボコブル」など、視覚トリックを駆使した独創的な作品を多数収録している。福田の作品は、遊び心と知的な仕掛けが融合し、見る者に驚きと発見をもたらす点に特徴がある。また、手塚治虫が寄稿した「福田イズムは唯一無二」と題するエッセイも掲載され、同時代の表現者からの評価も示されている。作品と思想の双方から福田繁雄の魅力を浮かび上がらせている。
花椿合本 2002年1月号-12月号 | 資生堂
資生堂が発行する企業文化誌『花椿』の2002年度版12冊をまとめた一冊。アートディレクションは仲條正義が担当し、当時の流行ファッションや最先端アートに関する情報に加え、多様なカルチャーを扱うテキストを収録している。その時代の動向を誌面に反映させながら、資生堂が築いてきた美意識と企業文化誌としての独自性を提示している。
花椿合本 2004年1月号-12月号 | 資生堂
資生堂が発行する企業文化誌『花椿』の2004年度版12冊をまとめた一冊。ファッションやアートを中心とした多彩なトピックを扱い、当時のトレンドや文化の流れを誌面から読み取ることができる。創刊から70年以上の歴史を持つ企業文化誌としての独自性とともに、資生堂が築いてきた美意識と時代性を提示している。
アイデア No.165 第3回NAAC展
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.165(1981年3月号)。巻頭特集はNAAC(日本広告技術協議会)による第3回展覧会で、レコードジャケット、ポスター、写真、パッケージデザインなど幅広い分野の作品を紹介している。さらに「フランスの愉快なイラストレーター」「木村勝のパッケージ・デザイン」「創造性豊かなケン・ホワイト・デザイン・オフィス」といった記事も収録し、1980年代初頭の広告とデザインの動向を伝えている。
アイデア No.164 ニューヨーク・タイプディレクターズ26回展
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.164(1981年1月号)。巻頭特集は「ニューヨーク・タイプ・ディレクターズ・クラブ」第26回展で、世界各国から応募されたタイポグラフィ作品の中から、ヘルマン・ツァップやハーブ・ルバリンらの入選作を掲載している。さらに「オランダのデザイナー、コワルケとスティエンストラ」「イスラエルのグラフィック・デザイナー、デイビッド・ターターコーバー」「ジャパン・スタイル展」などの記事も収録し、国際的なデザイン動向を提示している。
アイデア No.163 第22回ソサエティ・オブ・イラストレーターズ
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.163(1980年11月号)。巻頭特集は「ソサエティ・オブ・イラストレーターズ」第22回展で、世界各国から集まった応募作品の中から、エディトリアル部門、広告部門、TVフィルム部門など多彩な分野の優れたイラストレーションを掲載している。さらに「ミック・ハガティの最新作」「多才でオルガナイズにすぐれたイギリスのデザイナー、シモン・ジェニング」「フランスの工業デザイナー、アラン・カレ」などの記事も収録。
アイデア No.162 石漢瑞/香港
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.162(1980年9月号)。巻頭特集は、ウィーン生まれでニューヨーク育ち、香港を拠点に活躍するデザイナー、ヘンリー・スタイナー(石漢瑞)を取り上げ、作品とバイオグラフィを紹介している。さらに「写真家ブルース・オズボーン」「浅葉克己によるサントリーのアート・ディレクション」「清原悦志グラフィックワーク」などの記事も収録。1980年代初頭のアジアと世界を結ぶデザイン動向を映し出している。
アイデア No.160 ハワイのデザイナー、ブルース・ホッパーの仕事
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.160(1980年5月号)。巻頭では、ハワイを拠点に活動するデザイナー、ブルース・ホッパーの仕事を特集し、建築やインテリア、ロゴ、プロダクトデザインなど幅広い実践を紹介している。加えて「三宅一生のクリエーション・デザイン」や「日本の伝統パッケージ」などの記事を収録。
アイデア No.159 資生堂化粧品のデザイン史
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.159(1980年3月号)。巻頭では「資生堂化粧品のデザイン史」を特集し、資生堂宣伝部長・中村誠のインタビューを通じて化粧品パッケージや広告表現の変遷をたどっている。さらにヤン・ライリッヒによる「ポーランド誌の表紙デザイン」や、ケイトー・ヒバード・デザイン社の活動紹介、「フルーツギフトパッケージの新しい展開」など多彩な記事を収録。
アイデア No.158 ニューヨーク・タイプ・ディレクターズ・クラブ25回展
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.158(1980年1月号)。巻頭では、世界中から2万点以上の応募が寄せられるタイポグラフィの展覧会「ニューヨーク・タイプ・ディレクターズ・クラブ」第25回展を特集し、入選作を紹介している。さらに「日本のポスター展<江戸から現代まで>」や、CBSのアートディレクターとして知られるルウ・ドーフスマンへのインタビュー「日本をテーマに選んで」なども掲載。
アイデア No.157 ダーヴィッド・ヒルマンによる「ノヴァ」のエディトリアル・デザイン
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.157(1979年11月号)。巻頭は、ダーヴィッド・ヒルマンが手がけた雑誌『ノヴァ』のエディトリアル・デザインを紹介。併せて、チェコのグラフィックデザイナー、ヤン・ライリッヒの作品とバイオグラフィを特集している。そのほか、マーク・トライブによる「都市を読みとること」や「変貌するイラストレーター、横尾忠則」など、多彩なテーマを扱った記事を収録。
Un Mare di Numeri: Ll Gusto del Numero Nella Grafica Olivetti | オリベッティ社
イタリアの企業オリベッティ社によるポスターデザインを収録した作品集。プロダクトデザインの先駆けとして知られる同社の活動の中でも、数をテーマにしたグラフィック表現に焦点をあてている。ジョバンニ・ピントーリ、ジャン=ミッシェル・フォロン、エンツォ・マリら著名デザイナーが手がけたポスターを多数掲載し、企業イメージとデザインの融合を示している。
La Grafica della "O" 50 Anni di Copertine Olivetti | オリベッティ社
イタリアの企業オリベッティ社が発行した印刷物の表紙デザインをまとめた作品集。プロダクトデザインの先駆けとして知られる同社の活動を、ブランドイメージを象徴するグラフィック表現から検証している。50年にわたる表紙の変遷を通じて、企業デザインの一貫性と革新性が示されており、オリベッティが築いた視覚文化の歩みを提示している。
イサム・ノグチ庭園美術館 | 篠山紀信、佐藤卓、三宅一生
イサム・ノグチ庭園美術館の写真集。篠山紀信がノグチ本人と作品群を背景に撮影した写真に加え、10年後に再び篠山とデザイナー佐藤卓が美術館を訪問し、新たに撮り下ろした図版を収録している。2009年、三宅一生の監修による開館10周年を記念して刊行された一冊であり、彫刻と空間、そして作家の存在が交差する場を記録する構成となっている。
Anzai: Homage to Isamu Noguchi | 安斎重男
写真家・安斎重男による作品集。彫刻家イサム・ノグチの立体作品を撮影するとともに、ポートレートや制作風景、プライベートショットを多数収録している。彫刻そのものだけでなく、作家の人物像や創作の背景をあわせてとらえることで、ノグチの芸術世界の広がりを示している。写真を通じて作品とその周辺を結び付け、20世紀を代表する彫刻家の多面的な姿を浮かび上がらせている。
Cy Twombly: Fifty Years of Works on Paper
20世紀を代表する現代美術家サイ・トゥオンブリーの作品集。2003年にエルミタージュ美術館で開催された大規模な回顧展にあわせて刊行されたもので、1953年から2002年にかけて制作されたドローイング84点をカラー図版で収録している。詩的な線描や抽象的な形象は、トゥオンブリー独自の美学を示すとともに、美術史や文学との深い関わりを物語っている。50年にわたる創作の軌跡を通して、その芸術世界を照らし出している。
The Window of My Studio | Josef Sudek
チェコを代表する写真家ヨゼフ・スデックによる作品集。1940年から1954年にかけて制作された「The Window of My Studio」シリーズを収録している。自身のアトリエの窓から日々の情景をとらえ、雪の積もった庭の木、夜の街灯の光、結露した窓辺の果物などを詩的に描き出す。移り変わる時間と季節を通して、限られた視点から無限に広がる世界を提示し、写真表現の静謐な力を浮かび上がらせている。
Henri Cartier-Bresson: The Decisive Moment
フランスの写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンによる代表作『The Decisive Moment』の復刻版。写真家集団マグナムの創設者のひとりとしても知られ、「決定的瞬間」と呼ばれる独自の視点で、ストリートスナップを芸術の域に高めた一冊。ヨーロッパをはじめとする各地で撮影された写真は、20世紀を代表するドキュメンタリー表現として位置づけられている。解説ブックレット付き。
Your Lighthouse | Olafur Eliasson
デンマーク出身の芸術家、オラファー・エリアソンによる作品集。1990年から2004年に制作された138点の光と鏡を用いたインスタレーションを網羅し、索引形式で収録している。それぞれの作品に関する解説を通じて、 perception(知覚)や空間、自然現象をテーマにしたエリアソンの探究を浮かび上がらせる内容となっている。圧倒的なビジュアルと詳細なテキストで構成された、初期から中期にかけての活動を示す重要な記録。
内藤礼 地上にひとつの場所を One Place on the Earth
日本の美術家、内藤礼による初の作品集。1989年の初期作「遠さの下、光の根はたいら」から、2001年に直島で発表された「このことを」に至るまでの展覧会風景や作品群を多数のカラー図版で紹介している。静謐で繊細なインスタレーションを通じて、内藤が一貫して探求してきた「生の在りか」を読み解くことができる構成となっている。国内外での活動を網羅し、作家の歩みを提示している。
Richard Diebenkorn: Figurative Works on Paper
20世紀西海岸を代表する画家リチャード・ディーベンコーンの紙上作品をまとめた作品集。1950年代半ばから60年代後半にかけて制作された未発表を含むドローイングやペインティング、ガッシュ計42点を収録している。具象と抽象の間を往復しながら探求を続けた時期の成果であり、後年の代表作「オーシャンパーク」シリーズにも通じる造形的な試みを見せている。ジョン・バーググリュン・ギャラリーとの協働により刊行され、ディーベンコーン研究における重要な一冊。
デザート・カントス | リチャード・ミズラック
アメリカの写真家リチャード・ミズラックによる作品集。文明の進展とともに姿を変えるアリゾナの砂漠を題材に、静謐な構図と鮮やかな色彩でとらえた「デザート・カントス」シリーズを収録している。雄大な自然の美しさに加え、人為的な火災や洪水など、環境の破壊や変容を記録する視点が重ねられている点が特徴。風景写真の形式を通じて、自然と人間活動のせめぎ合いを明らかにしている。
American Surfaces | Stephen Shore
「ニュー・カラー」を代表する写真家スティーブン・ショアによる作品集。1972年から1973年にかけて、ニューヨーク、アリゾナ、オハイオなどアメリカ各地を巡り撮影した写真を収録している。日常的なモチーフを鮮やかな色彩で写し取ることで、当時のアメリカ社会の風景を新たな視点から提示。ウィリアム・エグルストンやジョエル・マイヤーウィッツと並び称されるショアの仕事は、カラー写真の表現領域を大きく広げたことを明らかにしている。
Robert Mapplethorpe: Flowers ハードカバー版
アメリカの写真家ロバート・メイプルソープによる作品集。初期から一貫して重要なモチーフとされてきた「花」に焦点をあて、1970年代後半から没年に至るまでに撮影された写真を収録している。精緻な構図と緊張感のあるライティングによって、官能性と妖艶さを帯びた花の姿が際立っている。細部にまで研ぎ澄まされた美意識が貫かれ、メイプルソープの芸術観を映し出している。
Bailey’s East End | David Bailey
ロンドンを拠点に活動する写真家デイヴィッド・ベイリーによる作品集『Bailey’s East End』全3巻セット。1960年代、1980年代、2004年から2010年にかけて撮影された写真を収録し、ロンドン東部イーストエンドの街並みや生活風景を多角的にとらえている。移民をはじめ多様な人々のポートレートや、未公開作品も多数収録され、過去50年にわたる地域社会の変化を記録する資料的価値の高い構成となっている。
Conceptual Forms and Mathematical Models | Hiroshi Sugimoto 杉本博司
写真家・杉本博司が数理模型に取り組んだ作品をまとめた一冊。東京大学駒場博物館に所蔵されていた19世紀の数理模型を撮影したシリーズと、作家自身がアルミニウムなどの素材を用いコンピュータ制御で精密に制作した模型とを比較している。科学的造形と写真表現を接続し、数式が立体として現れる瞬間をとらえた構成。2015年にワシントンのフィリップス・コレクションで開催された展覧会にあわせて刊行され、数学と美術の交差を探る試みを提示している。
有元利夫全作品 1973-1984
夭折の画家・有元利夫(1946–1985)の全作品を集成した作品集。1973年の初期作から亡くなる前年1984年までのおよそ10年間に制作されたタブロー371点と版画130点を、大判のカラー図版で収録している。鮮やかで繊細な色彩と象徴的なモチーフによって独自の世界を築き上げた有元利夫の画業を網羅し、その軌跡を体系的にたどる内容となっている。
有元利夫 女神たち ハードカバー版
画家・有元利夫による作品集。神秘的な雰囲気を帯びた「女神」たちが、孤独な世界で曲芸や手品、舞踏を行う姿を描いたペインティングや立体造形をカラー図版で多数収録している。独自の幻想的世界観を示す作品群に加え、エッセイやセルフポートレートも掲載。さらに前田常作、米倉守らによる寄稿を収録し、有元の芸術を多角的に考察する内容となっている。絵画と文章を通じて、画家の創作の源泉を浮かび上がらせている。
かたちとシミュレーション 北代省三の写真と実験 | 川崎市岡本太郎美術館
2013年に川崎市岡本太郎美術館で開催された「かたちとシミュレーション 北代省三の写真と実験」展の図録。瀧口修造が主宰した実験工房に参加し、昭和期のモダニズム芸術を発展させた北代省三の活動を紹介している。写真、ペインティング、立体作品など多様な表現を収録し、芸術の実験性を追求したその軌跡をたどることができる。
Urformen der Kunst | Karl Blossfeldt
ドイツの植物学者で写真家、カール・ブロスフェルトによる作品集。1928年に初刊され、以降多様な形で刊行され続けてきた『Urformen der Kunst』を、ドイツのHarenberg社が手がける「Die bibliophilen Taschenbücher」シリーズの一冊として復刊したもの。植物の有機的構造や造形美を細部まで写し出したモノクロ写真を約240点収録し、科学的観察と芸術的感性の両面から評価されてきたブロスフェルトの視覚世界を提示している。
Die Rosen: 176 Farbtafeln Nach der Ausgabe von 1817-1824
宮廷画家として緻密かつ優美な植物画を数多く描き、「花のラファエロ」と称されたベルギー出身の画家・植物学者、ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテによる作品集。ドイツのHarenberg社が刊行する「Die bibliophilen Taschenbücher」シリーズの一冊として出版された。本書には1817~1824年に刊行された小型フォリオ版から選ばれた170点のバラの図版を収録し、原書に記載された品種名に加えて現行の学名も併記している。
Breathing the Same Air | Nelli Palomaki
フィンランドの写真家ネッリ・パロマーキの作品集。2013年にデンマークのオードルップゴー美術館とフィンランド写真美術館で開催された展覧会にあわせて刊行された。かつて写真撮影が特別な出来事であった時代の魔法を追い求めるように、彼女は若者や子どもを被写体にモノクロームのポートレートを制作している。そこには成長、記憶、死といった普遍的なテーマが込められ、被写体との一瞬の出会いが持つ儚さを照らし出している。
Walker Evans: The Hungry Eye
アメリカの写真家ウォーカー・エヴァンスの作品集。大恐慌下の社会状況を鋭くとらえた記録写真から、19世紀ブラウンストーン建築の美をとらえたシリーズに至るまで、多様なテーマを扱っている。アメリカという国の本質を見据えるまなざしを軸に、創作活動の全体像を時代ごとにたどり、各時期には解説テキストを添えて構成。すべての写真はオリジナルネガから新たにプリントされており、エヴァンス研究における決定的な資料を提示している。
The Drake Equation | Paul Kranzler, Andrew Phelps
写真家ポール・クランツラーとアンドリュー・フェルプスによる共同作品集。アメリカ・ウェストバージニア州グリーンバンクに位置する“クワイエット・ゾーン”を舞台にしている。携帯電話やテレビ、ラジオの電波が遮断されたこの地域は、1950年代に世界最大級の電波望遠鏡を設置し宇宙探査の拠点となった場所であり、近年は電磁波から逃れて移住する人々も暮らしている。街の風景や住民の姿、研究施設を写し取り、現代における科学と人間の共生を映し出している。
Beyond Architecture Michael Kenna | マイケル・ケンナ写真集
アメリカ出身の写真家マイケル・ケンナによる作品集。建築写真の分野での仕事に焦点を当て、美しい大判図版とともに紹介している。自然物と人工物の両方を撮影対象とし、光と影、構図や遠近法を巧みに組み合わせることで生まれる効果を探っているのが特徴。各作品は互いに呼応し合うように配置され、図版同士の対話を通じてケンナの独自のアプローチを提示している。