The Never Known into the Forgotten | Marcel Dzama
ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、マルセル・ザマの作品集。2011年にドイツのクンストフェライン・ブラウンシュヴァイクでの展覧会にあわせて刊行されたもの。映像作品『A Game of Chess』『Death Disco Dance』を中心に、コラージュ、ドローイング、人形、彫刻などを収録している。仮面や制服をまとった人物像が夢幻的な空間で踊り、苦悶する姿は、ゴヤやダダ、オスカー・シュレンマーらの影響を踏まえつつ、文学や心理学、映画史、現代政治を交錯させている。繊細さと暴力性が共存するザマの世界観を照らし出している。
Damien Hirst: The Acquired Inability to Escape
1994年にドイツのJablonka Galerieで開催された展覧会に合わせて刊行された図録。イギリスの現代美術家、ダミアン・ハーストによる彫刻やインスタレーションなど、初期の実験的作品を中心に収録し、ハーストの芸術的探求を視覚的に追体験できる構成となっている。生命や死、存在の不確かさをテーマにした独自の視点が浮かび上がるほか、評論家によるテキストも掲載。
Slicer | 森本美絵
写真家・森本美絵による作品集。撮影地や被写体の異なる複数のイメージが並置され、明確な物語性を持たないまま、静かなリズムで連なっていく構成が採られている。印刷には美術印刷技術HBP-700を用い、光の揺らぎや表面の質感といった繊細な階調を精緻に再現。装丁は町口覚が手がけている。
Furniture by Architects: International Masterpieces of Twentieth-Century Design and Where to Buy Them
20世紀を代表する建築家たちによってデザインされた家具を紹介する作品集。アルヴァ・アールト、マックス・ビル、アントニ・ガウディをはじめ、チャールズ&レイ・イームズ、アイリーン・グレイ、ヘリット・リートフェルト、チャールズ・グワスミーなど、100名を超える建築家の手による名作家具を収録している。建築の理念と造形美が凝縮された椅子やテーブル、収納などをカラーとモノクロ写真で多数掲載。建築とインテリアの関係を探る貴重な資料となっている。
nendo 10/10
デザイナー・建築家の佐藤オオキが2002年に設立したデザインオフィス〈nendo〉の活動を総覧するモノグラフ。ミラノ・サローネをはじめ、国内外のデザインイベントで発表された代表作を中心に、CappelliniやBisazzaなど世界的ブランドとのコラボレーション、家具、日用品、展示空間など幅広いプロジェクトを紹介している。
NOT A HOTEL
群馬県北軽井沢で進行する宿泊施設プロジェクト「NOT A HOTEL KITAKARUIZAWA MASU」を紹介するカタログブック。デザインはWonderwallを率いる片山正通が担当し、丹下健三が1953年に手がけた成城の自邸から着想を得た空間構成が軸となっている。建築とインテリアが呼応する各室には、著名デザイナーによる家具や照明、アートワークが配され、その佇まいを豊富なヴィジュアルで収録。
PALETTE 08 Iridescent
世界中のデザイナーやアーティストによる色彩の使い方に焦点を当てたデザイン書籍シリーズ「Palette Mini」の第8弾。今作『Iridescent(イリディセント)』では、見る角度によって色が変化する「玉虫色」の魅力をテーマに、ホログラフィックな素材や偏光表現を用いたプロジェクトを紹介。パッケージや印刷物、空間演出まで多彩なジャンルの事例を収録。コンパクトな一冊に、色と光が織りなす新たなデザインの可能性が詰まっている。
アイデア No.392 タイプデザイン・ナウ 独立系タイプファウンドリーの実践
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.392(2021年1月号)。特集「タイプデザイン・ナウ 独立系タイプファウンドリーの実践」では、欧州・中東・アジアを拠点に活動する10組のタイプデザイナー/ファウンドリーを紹介。各地の言語環境に根ざした書体設計やその普及のあり方を通して、タイポグラフィの多様な現状を探っている。後半では、自身のファウンドリー設立10周年を迎えたラディム・ペスコの仕事を特集。
クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime
2019年に国立新美術館をはじめ全国で開催された展覧会「クリスチャン・ボルタンスキー ― Lifetime」の公式図録。フランスを代表する現代アーティスト、クリスチャン・ボルタンスキーの初期から晩年に至る約50年の創作活動を網羅的に紹介。記憶や不在、生と死といったテーマを探求した代表作を豊富な図版で収録し、展覧会担当者による論考や、杉本博司との対談テキストも掲載。光と影、時間の痕跡をめぐるボルタンスキーの思索を浮かび上がらせている。
デザインの原点 ブラウン社における造形の思考とその背景 | 向井周太郎、羽原粛郎
西欧近代デザインの理念を企業活動の中で具体化したブラウン社の思想を読み解く資料集。1921年の創業から1970年代までの歩みをたどり、経営理念、造形哲学、製品開発の背景を多角的に考察する。ディーター・ラムスらが築いた機能主義のデザイン原則を中心に、産業とデザインの結びつき、企業文化としての美学を明らかにする。各製品の図版や資料も豊富に収録し、20世紀インダストリアルデザイン史の核心を照らしている。
Letters from M/M(Paris)
パリを拠点に活動するデザインユニット、M/M(Paris)のタイポグラフィとレタリングに焦点を当てた作品集。これまでに制作された約90種の書体を、年代順に3部構成で収録し、書体の発展過程、タイプ見本、実際のプロジェクトでの使用例を丁寧に紹介している。長年にわたり協働を続けてきたBjörkによる序文も収録。単なる書体資料にとどまらず、M/M(Paris)の創作と思考の軌跡をたどる。
Bi-Scriptual: Typography and Graphic Design with Multiple Script Systems
グローバル化と多言語環境の進展を背景に、複数の文字体系を横断するタイポグラフィとグラフィックデザインを考察した一冊。ラテン文字と、アラビア文字、キリル文字、漢字圏など8つの異なる文字体系を比較し、それぞれがもつ文化的・社会的背景や視覚的特性を読み解いていく。前半では、文字体系間の関係性や多文化コミュニケーションにおけるデザインの役割を理論的に整理。後半では、100名以上のデザイナーによる実例やインタビューを通して、バイリンガル/マルチスクリプト・デザインの実践的手法を紹介している。
ルウ・ドーフスマン デザインワーク
アメリカのグラフィックデザイナー、ルウ・ドーフスマンのデザインワークをまとめた作品集。米国最大のテレビ・ラジオ放送局CBSで副社長兼クリエイティブディレクターを務めたドーフスマンによる、新聞広告、宣伝ポスター、番組セット、CM映像、グッズなどを網羅。40年にわたる膨大な制作物を日本語解説とともに収録し、放送メディアにおけるデザインの可能性と表現の多様性を浮かび上がらせている。
ノーマ 北欧料理の時間と場所 | レネ・レゼピ
北欧料理に新たな価値観をもたらしたとして世界的に高く評価されるシェフ、レネ・レゼピによる料理写真集。美しい撮り下ろしの写真とともに、90種類を超えるレシピを収録している。デンマーク・コペンハーゲンのレストラン「ノーマ」で提供された料理を中心に、素材の選び方や調理法、盛り付けの工夫に至るまでを紹介。土地の気候や風土に根ざした食文化を、革新的かつ洗練された料理として提示し、現代ガストロノミーのあり方を鮮やかに伝えている。
PRIERE | 瀧本幹也
写真家、瀧本幹也の作品集。2020年秋、京都での国際写真祭への参加をきっかけに制作された「祈り」を主題とするシリーズをまとめたもの。寺院の建築や庭と向き合いながら、数百年、数千年にわたって積み重ねられてきた時間の流れの中に身を置き、静けさの中にある気配や呼吸を写し取っている。用紙や印刷、布張りの装丁など造本にも細やかな配慮が施され、光と時間、祈りの感覚を丁寧に受け止める一冊。
モノクローム | 森山大道
写真家・森山大道が、2008年から2012年にかけて東京で撮影した白黒写真を収めた作品集。荒々しい粒子感と強いコントラスト、即興的なフレーミングによって、街の喧騒や人々の気配、都市の断片的な表情を鋭く捉えている。看板や街路、影と光の対比など、何気ない都市の細部が緊張感を伴って立ち現れ、森山ならではのスピードと感覚が画面に刻まれる。
カラー | 森山大道
写真家・森山大道が、2008年から2012年にかけて東京で撮影したフルカラー写真を収めた作品集。白黒表現で知られる森山がデジタルカメラを用い、街の断片や日常の一瞬を色彩とともに捉えている。雑踏、建物、看板、影や光といった都市の細部が、鮮烈な色とノイズを伴って画面に現れ、東京の喧騒とリズムを生々しく伝える。色を取り込むことで生まれた新たなスピード感と感覚の揺らぎが、森山の都市写真に異なる表情を与えている。
つつみのことわり 伊勢貞丈「包之記」の研究 | 山口信博+折形デザイン研究所
2013年に開催された展覧会の図録。江戸時代後期、伊勢貞丈が著した『包結図説』上巻「包之記」をもとに、山口信博と折形デザイン研究所が、贈答の包みと結びの礼法である「折形」を読み解いている。「包之記」に収録された23種の折形は、完成図と展開図のみが示され、工程の多くが省略されている。本書では、その省かれた手順をダイアグラムとして再構成し、包む行為に潜む思考の原理や文化的背景を明らかにしていく。あわせて、山口信博と折形デザイン研究所が長年にわたり古典と向き合い、現代のかたちへと展開してきた実践も紹介。
李朝工藝
李朝時代の工藝品を体系的に紹介する作品資料集。机、箱、装身具、祭具、扇子など、生活に根ざした民器や民具を中心に、カラーおよびモノクロの大型図版で多数収録している。素材の質感やかたちの均整、装飾の簡潔さを通して、李朝工藝に息づく静けさと端正な美意識を伝える構成。素朴さの中に宿る洗練を視覚的に捉え、李朝美の本質を明快に示している。装丁は田中一光によるもの。
Studio Pottery ペーパーバック版 | Oliver Watson
ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館が所蔵する陶芸コレクションをもとに、20世紀イギリスのスタジオ・ポタリーを体系的に紹介する作品集。バーナード・リーチ、ハンス・コパー、ルーシー・リーといった代表的作家をはじめ、19世紀末のアーツ・アンド・クラフツ運動から20世紀後半に至るまで、700点以上の作品を収録している。スタジオ・ポタリーを20世紀の重要な芸術運動として位置づけ、その思想や造形の広がりを明快に示す内容で、陶芸の歴史と実践を学ぶうえで欠かせない定番資料。
Cindy Sherman: Photographic Works 1975-1995
写真家、シンディ・シャーマンのおよそ20年にわたる活動を振り返る回顧作品集。自らをモデルに無数の人物像を演じ分けることで現代写真に革新をもたらしてきたシャーマンの、初期の「アンタイトルド・フィルム・スティルズ」から「セックス・ピクチャーズ」に至るまでを、200点以上の図版で紹介する。「ヒストリー・ポートレイツ」「センターフォールド」「フェアリー・テイルズ」など、演出性の高い代表作を通して、メディア、文化、ジェンダーに対する鋭い批評性とユーモアが浮かび上がる。
潟と里山 | 石川直樹
写真家・石川直樹による、新潟の風土を見つめた大型作品集。潟や冬の漁、学校生活、寺社仏閣、祭事など、土地に根ざした多様な場面を横断しながら、風景と暮らしが結びつく関係を描く。人々の営みの積み重ねのなかに、この土地ならではの歴史や記憶が息づいていることを伝える1冊。
SAKHALIN | 石川直樹
写真家・石川直樹による、かつて「樺太」と呼ばれた北の島を訪ねた作品集。2009年の冬と2014年の夏、季節ごとに異なる表情を見せるサハリンで、ウイルタやニヴフといった先住民族の暮らしや文化に向き合い、土地に刻まれた記憶と時間の重なりを写し取っている。長年の旅と取材で培われた独自の視点から、現在のサハリンが静かに描き出されている。
エロトス | 荒木経惟
写真家・荒木経惟による写真集。人体の部分、男女の裸体、植物や物質の細部などを、極端なクローズアップによるモノクロームで捉えている。イメージは文脈や物語性から切り離された断片として並べられ、脈絡のない連なりを成す構成。ほとんど無機的ともいえる冷ややかな視線で捉えられた細部が、かえって生や性の気配を強く感じさせる。
カーテンを開けて | 倉谷卓
写真家、倉谷卓の作品集。塩竈フォトフェスティバル2011年写真賞大賞を機に刊行されたもの。足に障害を持っていた父の死後、部屋の片隅、母の中、自身の中に父を探しに毎月のように帰省する。「知る」ことによる生まれる新たな命、記憶の再生とともにひっそりとあともう少し父を生かし、その父と向き合う。
KASAI Kaoru 1968 葛西薫
アートディレクター・葛西薫の仕事を集成した作品集。サントリー烏龍茶やソニー・ウォークマンをはじめとする広告作品、ポスターの青写真や下書きなど、制作過程が垣間見える資料を多数収録する。さらに「装幀の楽しみ」「意味のある、意味なし」など、自身のデザイン観や制作哲学を綴ったエッセイも掲載。広告から装幀、ポスターまで、長年第一線で活躍してきた葛西の創作の幅と奥行きを多角的に伝えている。
Letters on America | Edward Fella
アメリカのグラフィックデザイナー、エドワード・フェラの作品集。商業デザイナーとしての経験を背景に、手描きの文字や記号を用い、既存のタイポグラフィのルールや美意識を大胆にくつがえす表現で知られている。本書では、フェラ独自の文字デザインやポスター作品に加え、長年にわたって撮影してきた街角の看板や記号のポラロイド写真も収録。日常の中にある無名の文字や形へのまなざしが、彼のデザインの源になっていることが伝わってくる。
インゲヤード・ローマン展
2018年に東京国立近代美術館で開催された展示の図録。スウェーデンを代表するデザイナーであり陶芸家、インゲヤード・ローマンの仕事を、日本で初めて本格的に紹介。「使うこと」を起点に導かれたシンプルな色と形の器やガラス作品は、控えめでありながら凛とした存在感を放つ。イケアのためのデザインから木村硝子店との協働による近作まで、食器やインテリア用品を中心に約180点を収録。
青山二郎の眼
2006〜2007年に開催された展覧会の図録。装丁家・美術評論家として知られ、昭和を代表する目利きでもあった青山二郎の活動を紹介。中国古陶磁や李朝工芸、日本の骨董を中心とした蒐集・鑑定の仕事に加え、装丁家として手がけた書籍、作家や文学者との交流にも焦点を当てる。柳宗悦や浜田庄司、北大路魯山人、中原中也、小林秀雄らと交わりながら培われた青山の審美眼を通して、昭和の芸術と文化の広がりをたどる。
Public Loudspeakers, Information & Disinformation | Henrik Rylander
ミュージシャンであり写真家でもあるヘンリック・ライランダーの作品集。スウェーデンの主要都市ストックホルム、ヨーテボリ、マルメを舞台に、街路や広場、スタジアム、デパート、公共交通機関に設置された拡声器を撮影している。プロパガンダの媒体として利用された歴史を持つ拡声器を、都市空間の中で記録する試み。過去の遺物としての存在と、現代における監視システムの一部となる可能性。その二重性を通して社会とメディアの関係を照らし出している。CD付属。
Gilbert and George: The Complete Pictures 1971-1985
イギリスのアーティストデュオ、ギルバート&ジョージの1971〜1985年までの主要作品をまとめた作品集。写真を用いたフォト・モンタージュを中心に、彼らが一貫して掲げてきた「生きる彫刻(Living Sculpture)」としての実践を体系的に収録している。作品とともに掲載された自身の言葉からは、セクシュアリティ、死、信仰、感情といった根源的な主題が浮かび上がり、過激さの奥にある強い人間性が伝わってくる。
Nicolaus Ott+Bernard Stein: Vom Wort zum Bild und Zurueck / From Word to Image and Back Again
ドイツ出身のグラフィックデザイナー、ニコラウス・オットとベルナルト・シュタインによる作品集。1978年に設立された共同アトリエで制作されたポスターを中心に、約150点の図版と解説を収録している。言葉とイメージの往復運動を軸に、文字そのものを造形として扱いながら、意味と視覚の関係性を丁寧に掘り下げていく姿勢が貫かれている。社会的テーマや文化的背景を踏まえつつ、タイポグラフィを起点に展開される表現は、情報伝達を超えた強い存在感を放つ。
また、あうものたち | 白石和弘
写真家、白石和弘による初の作品集。10年にわたり撮りためてきた古道具や古物を「ふるいものたち」として捉え、その姿をポートレートとして収録。写されているのは、使い手や時代を渡り歩いてきた81点の品々。所有の対象としてではなく、時間の流れの中にある存在として向き合い、出会ったその瞬間を静かに写し取っている。
11+11 TABLEAUX | Edward Kienholz
アメリカのアーティスト、エドワード・キーンホルツの作品集。1970年にストックホルム近代美術館で開催された展覧会にあわせて刊行されたもの。日用品や廃材、人形などを組み合わせたキーンホルツの「タブロー」は、社会の暴力性や偽善、死や欲望といった人間の暗部を生々しく描き出す。12点の立体的な場面作品を折り込みページで再現し、複数のモノクロ写真と解説を収録。
エリザベス ペイトン Still life 静/生
アメリカの画家、エリザベス・ペイトンによる展覧会「Still life 静/生」にあわせて2017年に原美術館で刊行された図録。ミュージシャンや歴史上の人物、恋人や愛犬といった憧れや身近な存在を描いた肖像画を中心に構成されている。繊細な筆致と親密な眼差しによって新たな肖像表現を切り拓き、現代絵画に新たな流れをもたらしたペイトンの25年にわたる画業を、42点の作品を通して概観できる内容となっている。
伊丹潤 建築と都市 1970-2008
建築家・伊丹潤の創作を総覧する作品集。〈Duson Museum〉〈WATER MUSEUM〉〈STONE MUSEUM〉など代表作を中心に、1970年から2008年までの建築活動を豊富なカラーおよびモノクロ図版で紹介している。光や影、風など自然の要素を建築の中に取り込みながら、力強さと詩情を併せもつ独自の造形を追求した伊丹の理念を探る内容。都市と建築、自然と人間の関係をめぐる思索を通して、その建築世界の本質を浮かび上がらせている。
Private Architecture: Masterpieces of the Twentieth Century
20世紀を代表する住宅建築を集成した写真資料集。フランク・ロイド・ライトによる落水荘とダナ・ハウス、チャールズ・レニー・マッキントッシュのヒル・ハウス、ル・コルビュジエのサヴォア邸、アルヴァ・アアルトのマイレア邸、アドルフ・ロースのカルマ邸、リチャード・マイヤーのラホフスキー邸など、個性豊かな30軒を取り上げている。建物の外観や内部をとらえた豊富な写真とともに、それぞれの設計思想や時代背景を照らし出し、20世紀の住宅建築が切り拓いた可能性を示す構成。近代から現代に至る建築史を学ぶうえでも有益な一冊。英語表記。
Modern Natural/Natural Modern Houses | Ron Broadhurst
自然との共生をテーマに、環境に配慮した革新的な建築デザインを紹介する資料集。隈研吾、藤本壮介、アライド・ワークス・アーキテクチャー、ショーン・ゴドセルなど、世界各地で活躍する建築家たちの住宅作品を収録している。素材や光、風、地形といった自然の要素を建築に取り込み、人と環境が調和する新しい住まいのかたちを提示。豊富なカラー図版と図面資料を通して、現代建築における“ナチュラル”の再定義を探っている。
KUNSTMUSEUM LIECHTENSTEIN
中欧における優れた美術館建築のひとつとして高く評価されている、リヒテンシュタイン美術館の写真資料集。設計はバーゼルを拠点とするモルガー&デゲロ建築事務所とクリスチャン・ケレツによる共同チームで行われた。建築批評家ハンス・フライが「ブラックボックス―ホワイトキューブ」と評したように、鋭く切り取られたモノリシックな外観が街並みに強い印象を与えている。内部には明快で軽やかな展示空間が広がり、光と空間の構成によって作品を際立たせている。現代美術館の建築的特質を映し出している。
アイヌ藝術 金工・漆器篇 | 金田一京助、杉山寿栄男
アイヌ民族の工芸文化を体系的に記録した資料集。金工と漆器に焦点を当て、腰刀(イコロ)や太刀(タンネプイイコロ)、椀(イタンキ)などに施された意匠の意味や造形の背景を丁寧に考察している。巻頭には貴重な写真資料をカラーとモノクロで収録し、道具としての実用性と装飾美の両面からその魅力を浮かび上がらせる。アイヌ文化の造形感覚と自然観の関わりを読み解くための貴重な記録。
美藝公 | 筒井康隆、横尾忠則
作家・筒井康隆のSF小説を、横尾忠則の強烈なビジュアルで彩った実験的な一冊。雑誌『GORO』に連載された作品をもとに、銀幕スターの美男美女たちが巻き起こす奇想天外な騒動を描く。横尾による絢爛なカラー図版14点を挿絵として収録し、小説とポスター表現が交差する独特の世界観を味わえる。