生誕100周年記念 ブルーノ・ムナーリ展 あの手この手
美術家、デザイナー、絵本作家として幅広く活動したブルーノ・ムナーリの生誕100周年を記念して開催された展覧会の公式図録。代表作「ナンセンスの機械」や「読めない本」をはじめ、ペインティングや紙による立体造形など、多彩な表現をカラー図版で収録している。遊び心に満ちた発想と探究心が貫かれた作品群を総合的にたどる構成。芸術、デザイン、教育を横断するムナーリの創造の広がりを映し出している。
Stillscape | 永戸鉄也、水谷太郎
コラージュアーティストの永戸鉄也と、写真家の水谷太郎による作品集。2015年に開催された「Stillscape」展にあわせて制作されたもの。“目に写るものは静物(stilllife)と風景(landscepe)の表層である”として、両氏の視点の共通点を探っている。300部限定発行。
L’Esprit Serge Lutens: The Spirit of Beauty
写真家・クリエイターとしても知られるセルジュ・ルタンスの美学と思考を包括的にまとめた大型作品集。香水、写真、映像、言葉といった多層的な表現を通して培われてきた独自の世界観が、濃密なヴィジュアルとテキストによって展開されている。美を装飾や流行として扱うのではなく、精神性や内面の在り方として捉える姿勢が全編に貫かれ、感覚と思想が交差する表現の軌跡が浮かび上がる。1990年代初頭という時代背景も相まって、後の創作へと連なる原点を示す資料性の高い内容。
Picasso and Maya: Father and Daughter
画家、パブロ・ピカソと長女マヤとの関係に焦点を当て、その創作における位置づけを多角的に検証したモノグラフ。父と子の親密な関係が、絵画や彫刻、ドローイングの中でどのように表れてきたのかを、年代を追って丁寧に辿っている。家族のアーカイブ写真や未公開資料を交えた構成により、私的な時間と創作行為が交差する場面が浮かび上がる。研究者による論考や関係者へのインタビューも収録。
Otl Aicher: 328 Plakate fur die Ulmer Volkshochschule
グラフィックデザイナー、オトル・アイヒャーの作品集。1940年代から1960年代にかけて、ウルム市民大学のために制作されたポスターを体系的に収録し、タイポグラフィと色彩、構成による視覚言語の変遷を辿っている。講座内容や思想を、形・色・文字によって的確に伝える設計は、情報伝達としてのデザインの精度を雄弁に示すもの。抽象的な幾何形態や独自の書体へと移行していく過程から、造形思想と教育理念がどのように結びついていたかが読み取れる。
A Pound of Pictures | Alec Soth
写真家、アレック・ソスによる近年作をまとめた作品集。2018年から2021年にかけて制作された写真は、バードウォッチャー、日光浴をする人々、リンカーン像など、雑多で取り留めのないモチーフを行き交いながら連なっていく。印刷された写真が経験を留め、記憶を形づくる行為そのものに目を向け、イメージが生まれる過程や欲望を内省的に辿る。写真の後にはソス自身の言葉が添えられ、光や時間といった儚い要素と、身体やフィルムといった物質との接点が語られる。
Mikiya Takimoto Works 1998-2023 プリント付限定特装版 | 瀧本幹也
広告写真をはじめ、CM、映画など多彩な分野で活躍する写真家・瀧本幹也による作品集。1998年から2023年までのクライアントワークに焦点を当て、25年にわたる軌跡を辿る構成。豊富な仕事を紹介するとともに、美しい撮り下ろしのオリジナルプリントが付属した限定特装版。全125部限定で刊行された本書は、瀧本のビジュアル表現の幅広さと深度を物理的にも体感できる特別な一冊となっている。特製BOX入。
Tim Walker Pictures
世界的に活躍するファッションフォトグラファー、ティム・ウォーカーの初期代表作をまとめた作品集。『ヴォーグ』などで発表されたファッションフォトを中心に、撮影前のスケッチやコンタクトシート、コラージュ、ポラロイドを多数収録し、創作の舞台裏を垣間見ることができる。繊細な構図と夢想的な物語性が融合したイメージの数々は、ウォーカー独自の幻想世界を象徴するもの。ファッション写真における詩的な瞬間を永続のかたちに留めている。
Story Teller ハードカバー ドイツ語版 | Tim Walker
イギリスの写真家、ティム・ウォーカーの作品集。幻想的で物語性のあるイメージによってファッション写真の新しい表現を切り開いてきたウォーカーの仕事を収録。アルベール・エルバスやアレクサンダー・マックイーン、ヘレナ・ボナム=カーター、ステラ・テナントなど、ファッションや文化の分野で活躍する人物を被写体とした写真を掲載している。
See The World Beautiful | Anne Menke
写真家、アン・メンケの作品集。世界各地を取材で巡るなかで出会った人々や風景を通し、ファッションと文化の交差点を見つめている。アジア、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、北米の各地で捉えられたイメージは、衣服が生まれる背景としての土地や生活の気配を映し出した作品群を収録。現代の視点によるテキストと作家自身の言葉を交え、写真、ファッション、文化が相互に影響し合う関係を丁寧に辿っている。
Drawing Leads to Another Dimension 1995-2020 | ヒロ杉山
日本のイラストレーター/デザイナーであるヒロ杉山が、1995年から2020年までの25年間に描き続けてきたドローイングの集大成となる作品集。2000点以上の作品から厳選されたイメージが収録され、具象と抽象を行き来しながら独自の世界を形づくっている。膨大なページからは、描くことそのものが思考であり、次元を越える行為であるという作家の姿勢が静かな熱気となって伝わってくる。500部限定刊行。
M/M(Paris): The Givenchy Files
デザインユニット、M/M (Paris)による作品集。ジバンシィのウィメンズ、メンズ、オートクチュールのコレクションのために制作された招待状を、約5年分まとめて収録。リカルド・ティッシとの協働のもと、シーズンごとに生み出されてきたイメージは、手描きのモチーフ、写真、グラフィックを重ね合わせた独自の造形が際立つ。ポスターやステッカー、切り抜き、ブレスレットなど多様な形式を通して、ファッションイメージのあり方を拡張している。
仕事と周辺シリーズ 7冊セット
日本を代表するデザイナーやアーティストの仕事とその背景を掘り下げる『仕事と周辺』シリーズ7冊セット。各巻では、グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、アートディレクションなど多様な創作活動を行う人物を取り上げ、作品紹介やプロジェクト解説、インタビュー、スケッチなどを通じて、制作のプロセスや思考の源泉を明らかにする。
TUGBOAT 10 Years
日本初のクリエイティブエージェンシーとして知られるTUGBOATの活動をまとめた10年史。TVCM729本、新聞広告5,561段、ポスター1,074タイプをはじめ、キャラクターデザイン、映画、作詞、NPO活動に至るまで幅広い仕事を収録する。社会や時代の空気を鋭くとらえながら、広告表現の新たな地平を切り拓いた軌跡を辿る。膨大な制作実績の中に、TUGBOATが追求してきた創造性と批評性の両面を提示している。
Vrais Semblants | Sarah Moon
写真家、サラ・ムーンの作品集。前作『Souvenirs Improbables』から約8年を経て編まれたもので、近年の新作を含む写真表現の到達点を示している。曖昧さや揺らぎ、消えゆく気配を大切にしたイメージは、被写体を明確に語ることを避けながら、記憶や感情の層へと静かに触れていく。時間の痕跡や儚さ、美と不確かさの境界をすくい取る視線は一貫しており、写真という行為そのものへの思索が画面の奥に滲む。
Blood Sweat And Tears or How I Stopped Worrying And Learned to Love Fashion | Bruce Weber
写真家、ブルース・ウェーバーの大判作品集。過去30年にわたり手がけてきたファッション写真を軸に、雑誌やブランドの仕事から未発表カットまでを編纂。衣服の造形にとどまらず、自然や建築、人の身体や精神に宿る感覚としてファッションを捉える視線が全編に貫かれている。カラーとモノクロの写真に加え、作家自身の手記やノートの断片も収録。
Mind/Mirror | Jasper Johns
画家、ジャスパー・ジョーンズの創作を、「鏡像」や「反復」という視点から捉え直した大規模な回顧的作品集。65年以上にわたり多様な表現を展開してきた仕事を、絵画、版画、ドローイング、彫刻など複数のメディアを横断しながら検証している。旗や標的といった反復されるモチーフ、場所への意識、制作プロセスに内在する二重性に注目し、未公開資料も交えながら、研究者や詩人、作家らによる論考を収録。
Deja Vu | Jean-Baptiste Mondino
写真家、ジャン=バティスト・モンディーノの作品集。ロックやポップ、ファッションの世界で撮影された写真や映像表現を通じて、1990年代以降の視覚文化に強い影響を与えてきた仕事をまとめている。世界的ミュージシャンやアイコンたちの肖像は、洗練された技術と大胆な発想が交差する画面構成によって、時代の空気を鮮烈に刻み込む。
Two Much | Jean-Baptiste Mondino
写真家、ジャン=バティスト・モンディーノの作品集。ロックやポップ、ファッションの分野で培ってきた写真、デジタル処理、映像表現を横断し、近年約5年間の仕事をまとめている。時代の気分を鋭くすくい取る感覚と、ブラックユーモアやグラマラスな演出、歪んだ官能性を自在に行き来する構成力が際立つ。高度な技術に裏打ちされた大胆な発想が、商業表現の枠を越えてイメージの可能性を更新し続けてきた軌跡を辿る。
EGOISTE No.13 2冊揃
ニコル・ヴィズニアックが1977年に創刊し、不定期で刊行が続く雑誌『エゴイスト(Egoiste)』第13号の2冊組。ユマ・サーマン、シャロン・ストーン、マックス・ヴァドゥクル、マルグリッド・デュラスらが名を連ね、大判のモノクロ図版で豪華かつスタイリッシュな写真の数々で構成されている。表紙写真はフォトグラファーのリチャード・アヴェドンによるもの。
永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル
2025年に東京都庭園美術館で開催された展覧会にあわせて刊行された公式図録。フランスのハイジュエリーメゾン、ヴァン クリーフ&アーペルの歴史と卓越した技術を、アール・デコの潮流とともに紹介する。「パトリモニー コレクション」および個人蔵から厳選されたジュエリー、時計、工芸品約250点をフルカラーで収録。さらに、写真やデザイン画などメゾンの貴重なアーカイブ資料も掲載し、装身具を超えた芸術としてのジュエリーの魅力と時代を超える美を伝える一冊。
Seasons | Donna Hay
料理家、ドナ・ヘイによるレシピブック。季節ごとに手に入る食材を主役に、シンプルで新鮮な料理を提案している。春夏秋冬それぞれの章では、旬の素材を生かしたレシピに加え、食卓の整え方や過ごし方のヒントも盛り込まれ、ライフスタイル全体としての「季節を味わう」ための感覚がさりげなく織り込まれている。洗練されたフードスタイリングと実用性を兼ね備えた1冊。
Self Service No.37
パリを拠点に年2回発行されるファッション&カルチャーマガジン『Self Service』vol.37(2012年 Fall/Winter号)。クリエイティブ・ディレクターのエズラ・ペトロニオとファッション・ディレクターのスザンヌ・コラーによって創刊され、世界的フォトグラファーによる斬新かつスタイリッシュなビジュアルを多数掲載する。本号では、モナコ公国の故グレース・ケリーの孫娘、シャルロット・カシラギをエズラ・ペトロニオ、マリオ・ソレンティらが撮影。そのほか、写真家スコット・シューマンやデザイナー、アンソニー・ヴァカレロのインタビュー記事も収録。
包む 日本の伝統パッケージ展
2011年に目黒区美術館で開催された展覧会にあわせて刊行された図録。竹や稲わら、麻ひも、紙、陶器といった自然素材を用いた、日本の伝統的な包装・容器を紹介。アートディレクターであり、長年にわたり蒐集を続けてきた岡秀行のコレクションを軸に、素材選びや構造、用途に即した機能美を丁寧に読み解く。生活の知恵から生まれた簡潔な造形は、地域の風土や文化と密接に結びつき、デザイン史・民俗資料としての価値を併せ持つ内容となっている。
Janvier | Ronan Bouroullec
フランスのデザイナー・アーティスト、ロナン・ブルレックによる近年のドローイング作品をまとめた作品集。家具やプロダクトデザインで知られるブルレックが、直感的な線と色彩で描く有機的な形態や抽象表現を収録。デザイナー活動と並行して日常的に描かれるドローイングは、単なるスケッチにとどまらず、彼の創作プロセスや空間感覚を映し出している。
Stylo-Bille | Ronan Bouroullec
フランスのデザイナー、アーティストであるロナン・ブルレックによる近作のドローイングを収めた作品集。ボールペンを用いた繊細な線が複雑に重なり合い、有機的でリズミカルな抽象表現を生み出している。シンプルな構成ながら、ブルレックの日常的な制作プロセスや直感的な描線の美しさを感じられる一冊で、家具やプロダクトデザインで知られる作家の多彩な感性を垣間見ることができる。
PARIS | 市橋織江
写真家、市橋織江がパリに滞在し、その街の光と空気を静かに写し取った作品集。名所や華やかさを強調するのではなく、街角の陰影、やわらかな色彩、人の気配が漂う一瞬を丁寧にすくい上げている。市橋織江ならではの繊細で詩的な表現が、見る者に都市の記憶を静かに呼び起こす。
Parcours Museologique Revisite | Robert Polidori
カリフォルニアを拠点に活動する写真家、ロバート・ポリドリによる作品集。フランス絶対王政の象徴として知られる世界最大級の宮殿・ヴェルサイユ宮殿を25年にわたり撮影し、その保存・修復プロジェクトの過程を記録している。華やかさの裏にある劣化や補修の痕跡、修復をめぐる政治的・美学的な問題にも目を向けながら、建築空間と時間の交錯を繊細に捉えた構成。ヴェルサイユ宮の変遷を映像的に描き出すドキュメンタリー的作品集となっている。
Missing Buildings | Thom Atkinson、Beth Atkinson
写真家、トム・アトキンソンとベス・アトキンソンによる写真集。第二次世界大戦の爆撃によって失われた建物の跡を現在のロンドンの街並みの中に探し出し、記録たもの。駐車場や空き地となった場所、壁に残る輪郭や痕跡は、再開発の進む都市の中に埋もれた記憶を静かに呼び起こす。欠けたままの空間がもたらす違和感や静けさを通して、かつてそこにあった暮らしと喪失の気配が伝わってくる。
Design in the Public Service: Dutch P.T.T. 1920-90
オランダ国営郵便・電信・電話事業体PTTが展開したデザインと芸術支援の活動を紹介する資料集。1990年にロンドン・デザイン・ミュージアムで開催された展覧会と民営化の節目にあわせて刊行されたもの。切手やポスター、書籍のデザインだけでなく、製品や通信システムに関する専門的助言や新たな芸術作品の委嘱、企業の統一デザイン導入に至るまで、1920年から1990年にかけた70年の取り組みを豊富なビジュアル資料とともに収録。
Many are Called | Walker Evans
アメリカの写真家ウォーカー・エヴァンスによる作品集『Many Are Called』の新装復刊版。ニューヨーク市地下鉄開業100周年を記念して刊行されたもの。1938年から数年にわたり、隠しカメラで地下鉄の乗客を撮影したシリーズを収めている。気を抜いた表情の人々、新聞を読む男性、会話を楽しむ女性、車内で演奏するアコーディオン奏者など、日常の断片を静かにとらえた写真群は、都市の匿名性と人間の内面を浮かび上がらせている。
A デザイナーズ・アート | ポール・ランド
様々な企業のコーポレートアイデンティティを手がけ、20世紀を代表するグラフィックデザイナーのひとりとして名高いポール・ランドの作品集「A Designer's Art」の2冊組日本語版。ポスター、広告、装丁、コーポレートアイデンティティなど代表的なグラフィック作品を編纂。そして別冊には日本語訳、そして亀倉雄策・福田繁雄による解説も併せて掲載、
Cabins | Philip Jodidio
世界各地のキャビン(小屋)を取り上げた写真資料集。イギリス・サフォーク海岸のアーティストのスタジオから、インド西ガーツ山脈のエコハットまで、多彩な事例を収録している。環境負荷の低減や孤立型住居への関心が高まるなか、レム・クールハース、藤森照信、トム・クンディグら著名建築家が手がけたキャビンを通じて、空間の最小化と自然との共生という新たな建築の方向性を提示している。
QUILTS: A Living Tradition | Robert Shaw
18世紀から現代にいたるまでのキルトの歴史とその多様性を紹介する作品集。ハワイ、ネイティブアメリカン、アフリカ系アメリカ人、アーミッシュのコミュニティ、そして個人アーティストの工房から集められた多彩な現代キルトを収録。伝統と多文化的背景を持つキルト作品や現代のアートキルトを通して、伝統技法の継承と革新が描かれている。また、日本におけるキルト制作の紹介もあり、古来の日本の織物技術とアメリカの技法が融合した作品も掲載。
ジャジカル・ムーズ | 向田直幹
『スイング・ジャーナル』の表紙撮影などで知られる写真家・向田直幹による編著。モダンジャズのレコードジャケットをテーマに、貴重なデザインをカラーで多数収録している。グラフィカルで洗練されたジャケット群は、音楽ファンはもちろん、写真、ファッション、グラフィックデザインの分野においても重要なリファレンスとなる。音とビジュアルが響き合う、モダンカルチャーの美学を凝縮した一冊。
Blue Note: The Album Cover Art
ジャズレーベルとして知られるブルーノートのアルバムジャケットを網羅的に紹介する資料集。リード・マイルズによるクラシカルでモダンなデザインや、洗練されたタイポグラフィを用いた数々のジャケットを豊富に収録。アルフレッド・ライオンやフランシス・ウルフらによるレーベルの歩みをたどるテキスト、ミュージシャンのポートレートもあわせて掲載され、音楽とデザインの結びつきを探っている。
New York Hot: East Coast Jazz of the 50s & 60s
1950〜60年代のニューヨークで活動したジャズレーベルのアルバムジャケットを紹介する作品集。プレスティッジ、アトランティック、リバーサイドといった名門レーベルから発表された名盤を彩った200点以上のデザインを収録している。写真、グラフィック、タイポグラフィが融合したジャケットは、当時の革新的な音楽性と都市文化の熱気を鮮やかに反映しており、ジャズ史のみならずグラフィックデザイン史の資料としても参照できる1冊。
Ellen Gallagher
アメリカのアーティスト、エレン・ギャラガーの作品を紹介する図録。2001年にボストンのインスティテュート・オブ・コンテンポラリー・アートで開催された展覧会にあわせて刊行された。皮肉とウィットに富む多層的なドローイングや絵画は、舌や目、かつら、唇といった断片的なモチーフを通して、アフリカ系アメリカ人をめぐるステレオタイプの歴史を暗示している。近年のオールブラックのペインティングや、作家が選んだドローイングも収録。
Diana Vreeland: The Eye Has to Travel
伝説のファッショニスタ、ダイアナ・ヴリーランドのおよそ50年にわたるファッション界での歩みとその人生について記したモノグラフ。ファッション誌「ハーパーズ・バザー」のエディターとしてキャリアをスタートさせ、常に時代の先を読む独自の審美眼で数々のアイデアや新進気鋭のデザイナー、才能ある写真家たちを発掘してきたヴリーランド。本書は当時の雑誌の誌面や写真を含む350点以上のビジュアルを収録し、ヴリーランドがどのようにしてアメリカの美的感覚やファッションセンスを形作っていったのか、その鋭いヴィジョンを鮮やかに描きだす一冊。
うれしいセーター | 三國万里子
ニットデザイナー、三國万里子が12人の個人のために編んだセーター14着と帽子1点を紹介する作品集。宮沢りえや星野源、谷川俊太郎、小林薫ら多彩な人物の個性や希望を反映したデザインを、写真と編み図付きで掲載している。単なる服としての機能にとどまらず、編む過程や編み手と着る人との対話が形になったものであり、見て楽しく、編んで嬉しい、ストーリー性あふれるニット作品集となっている。
Jane & Serge: A Family Album
俳優ジェーン・バーキンと、作曲家・映画監督セルジュ・ゲンズブールの12年間にわたるパートナーとしての生活を記録した写真集。撮影を手がけたのは、ジェーンの兄で映像作家のアンドリュー・バーキン。これまで未公開だった写真を含む1000点以上を収録している。カフェで絵を描き合う姿や、自宅で家族と過ごす時間など、世間の注目を集め続けた二人の、穏やかで私的な日常が切り取られている。娘シャルロットの誕生を含む家族の時間も写し出され、スキャンダラスなイメージとは異なる、親密で人間味あふれる姿が浮かび上がる。折りたたみポスター、ブックレット、写真プリント5枚、ステッカー、ワッペン付属。
A Trilogy | Jessica Backhaus
写真家ジェシカ・バックハウスによる三部作をまとめた作品集。日常のささやかな事物や静けさから着想し、実験的なアプローチで抽象性を深めている。色糸を背景に配置した「Beyond Blue」、反射や形態の変化を捉える「Shifting Clouds」、より自由で詩的な印象を展開する「New Horizon」の三シリーズを収録。削ぎ落とされた構成の中に、絵画やコラージュの要素を取り込み、写真表現の新たな地平を模索している。
Art in the System. the System in Art | Karl-Heinz Adler
東ドイツ出身のアーティスト、カール=ハインツ・アドラーの活動を紹介する作品集。1950年代末から、幾何学的な形を繰り返し用いた作品や、透明な素材を重ねた構成、連続する線による造形など、秩序あるかたちを追求してきたアドラー。体制下では前衛的な表現として評価されにくかったが、1968年に開発したコンクリートブロックの造形システムは実際に量産され、集合住宅の外観として人々の日常に広く用いられたことで知られている。本書にはハンス・ウルリッヒ・オブリストによるインタビューも収録され、芸術と社会のあいだを行き来したアドラーの仕事を丁寧に伝えている。
Bankett | Axel Grunewald
ドイツの写真家、アクセル・グリューネヴァルトによる作品集。5年以上にわたりモロッコと南スペインの海岸地帯を繰り返し訪れ、単色調で乾いた海景や風景を撮影している。写し出されるのは、ヨーロッパとアフリカを隔てる、目には見えないが越えがたい距離と緊張感。静かな風景の中に、地理的・歴史的な境界の存在を感じさせるシリーズとなっている。