益子の父 人間国宝 濱田庄司
日本の陶芸家であり人間国宝の濱田庄司(1894–1978)の生涯と作品をたどる作品集。益子を拠点に独自の民藝陶を築き上げた濱田の初期から晩年までの代表作を時代順に収録し、皿や壺、土瓶、片口など多彩な造形を紹介している。柳宗理や芹沢銈介、土門拳ら盟友による寄稿も掲載され、彼の創作を支えた人々との関係や思想的背景にも光を当てる。工房での制作風景や道具の記録を通して、素材と手業に根ざした美意識、そして「用の美」を追求した濱田の造形哲学の核心に迫っている。
A Smile In The Mind | Beryl McAlhone
グラフィックデザインにおける“ウィットの力”に焦点を当てた名著。記憶に残るデザインとは何か、人の心を惹きつける「ひらめき」や「遊び心」はどのように生まれるのかを探求する。曖昧さ、置換、二重の読みなど、視覚的ユーモアを構成する要素を分析しながら、広告や企業レポート、パッケージ、情報グラフィックなど多岐にわたる実例を紹介。アメリカ、イギリス、ヨーロッパ、日本の300名以上のデザイナーによる作品を収録し、知的な発想と視覚表現の関係を体系的に示している。ウィットをデザイン思考の核心としてとらえる、時代を超えて読み継がれる一冊。
季刊デザイン no.16 廃墟と建築
太田出版が発行したグラフィックデザイン、エディトリアル・デザインを中心とする季刊誌『季刊 d/SIGN』no.16。特集は「廃墟と建築」。建築という多様なデザイン行為の集約を、あえて「廃墟」という切り口から照らす。そのほか、磯崎新のインタビュー記事や原武史+塚本由晴の対談、畠山直哉、坂口トモユキによる写真、戸田ツトムの連載など、多彩な内容を収録。
季刊デザイン no.14 小さな画面
太田出版が発行したグラフィックデザイン、エディトリアル・デザインを中心とする季刊誌『季刊 d/SIGN』no.14。特集は「小さな画面(スモールスクリーン)のデザイン」。携帯電話、iPod、ノートパソコン、デジカメなどの。外界との接触面である小さな画面に、「デザイン」「レイアウト」〉の視点から、光を当てる。そのほか、杉浦康平、港千尋らのインタビュー記事や松田行正による連載「旋回する線」も掲載。
アイデア No.386 アラブ首長国連邦“グラフィックデザイン省”をめぐる61のキーワード
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.386(2019年7月号)は、「アラブ首長国連邦“グラフィックデザイン省”をめぐる61のキーワード」を特集。中東初のデザイン・ビエンナーレ「フィクラ・グラフィック・デザイン・ビエンナーレ」を中心に、非西洋圏におけるデザイン・ビエンナーレの意義を考察する。アラビア語タイポグラフィの論考や中東デザイナーのインタビューを通して、グローバルなデザイン言語の多様性を浮き彫りにし、中東におけるグラフィックデザインの表現を歴史的文脈から照らし出している。
アイデア No.371 アイデアのアイデア
デザイン誌『アイデア』第371号(2015年9月号)。巻頭特集「アイデアのアイデア」では、デザインの完成形ではなく、その生成過程や思考のプロセスを多角的に検証している。テクノロジー、道具・方法、コミュニケーション、編集・メディア、環境・社会の五章構成で、世界各国のデザイナーが選んだキーワードとテキストを通して、現代デザインにおける思考の地図を編み上げる。特別企画「カセットカルチャーの現在形」では、音楽とデザインの関係を通じてDIY精神とメディア表現の交錯を考察。
アイデア No.366 ポスト・インターネット時代のヴィジュアル・コミュニケーション
デザイン誌『アイデア』第366号(2014年9月号)。巻頭特集「ポスト・インターネット時代のヴィジュアル・コミュニケーション」では、2000年代後半から2010年代にかけて、インターネット上で生まれた新たな視覚体験を多面的に検証している。Photobucket、Flickr、Vimeo、YouTube、Instagram、SoundCloud、Bandcamp、Facebook、Twitterなど、多様なプラットフォームから派生した世界的潮流を分析し、画像や音声、テキストが横断的に結びつくコミュニケーションの構造を探る。オンライン文化がもたらした表現の拡散と共有の仕組みを通して、デザインの社会的機能と視覚表現の変容を理論的に解き明かしている。
アイデア No.357 紙上の建築 日本における建築メディアの現在とその変遷
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.357(2013年2月号)は、「紙上の建築──日本における建築メディアの現在とその変遷」を特集。『建築雑誌』『都市住宅』『TAU』など、建築をめぐる紙媒体のデザインをデザイナー別に編纂し、杉浦康平、中野豪雄、秋山伸らの仕事を紹介している。建築思想を伝える手段としての誌面デザインの変遷をたどり、60〜70年代の革新的なレイアウトから現代のインディペンデント出版までを俯瞰。建築とグラフィックの関係を多角的に検証している。
アイデア No.311 音のコスモグラフィ
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.311(2005年7月号)は、「音のコスモグラフィ」と題し、音とデザインの関係に迫る特集号。ドイツの音楽レーベルECMの美学を紐解く「静寂の反響」では、そのカバーデザインを通して“音の余白”を可視化する試みを紹介。さらに、杉浦康平によるレコードジャケット特集「天円地方―響きのカタチ」では、音楽と造形をめぐる宇宙的な構想を展開する。このほか池田亮司、カールハインツ・シュトックハウゼン、美登英利の作品など、音と視覚が交差する領域を多角的に探る内容となっている。
アイデア No.242 勝井三雄
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.242(1994年1月号)は、グラフィックデザイナー・勝井三雄を特集。光と色彩を駆使した象徴的なポスター作品から、万国博覧会など大規模プロジェクトにおけるアートディレクションまで、幅広い創作活動を多角的に紹介する。そのほか、ビル・ソーバーン、エティエンヌ・デレセール、横尾忠則&マーク・コスタビのコラボレーション展、ロドチェンコの写真特集などを掲載。表紙デザインも勝井自身が手がけている。
アイデア No.238 横尾忠則の新作ポスター
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.238(1993年5月号)。巻頭特集は横尾忠則の新作ポスター。鮮烈な色彩と大胆な構成で独自の世界観を展開する作品群を、個展、美術展、映画、広告など多岐にわたるジャンルから豊富なビジュアルで収録する。そのほか、「中村誠の最新作」永井一正、「パーキングエリア施設の立体オブジェ・サイン」などを掲載。表紙デザインは横尾忠則。
アイデア No.234 創刊40年記念号
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.234(1992年9月号)。創刊40年記念号として「アイデア40年記念座談会 日本のグラフィックデザインの歩み」出席者:亀倉雄策、永井一正 司会:青葉益輝による日本のグラフィックデザインの黎明期の話から、東京オリンピックのポスターについてなど、デザインの歩みを貴重な証言とともに辿る。そのほか、「Ape Call from Tokyo」東京展 勝井三雄、Rio 92 地球サミット「環境と開発」ポスター展 福田繁雄、などを掲載。
Galerie Half: Selected Works/Spaces
世界的に高い評価を得るロサンゼルスのアンティーク・ヴィンテージ家具店「Galerie Half」の美学を記録した作品集。ローマ彫像やアフリカの仮面、北欧の家具、モダンデザインの椅子など、異なる時代と文化を横断する品々を独自の感性で組み合わせ、色・質感・形の呼応によって調和を生み出す空間を豊富な写真で紹介する。豪奢と素朴、匿名性と作家性といった対比が織りなす絶妙なバランスは、インテリアを超えてキュレーションの芸術とも呼べるもの。時を経た素材の表情と現代的な洗練が響き合う、静謐で詩的な世界観を映し出している。
Cuban Mid-Century Design: A Modernist Regime | Abel González Fernandez ほか
2024年に米国クランブルック美術館で開催された展覧会「Cuban Mid-Century Design: A Modernist Regime」の公式カタログ。1950年代後半から1970年代にかけてのキューバを舞台に、革命の理想を掲げた時代に生まれた家具、グラフィックアート、建築模型、実験的プロトタイプなど約100点を紹介する。機能主義的なデザインが国家の理念を可視化し、やがて権威主義の影を帯びていく過程を、芸術家・デザイナー・建築家たちの創作を通して検証。政治とデザイン、ユートピアと現実の狭間に揺れる、キューバ・モダニズムの複雑な相貌を描き出している。
Luis Barragan | Rene burri ルネ・ブリ
スイスの写真家ルネ・ブリが、メキシコを代表する建築家ルイス・バラガンの作品を撮影した写真集。大胆な構図と繊細な色彩感覚をもって、光と影の戯れ、空間の静けさ、そして壁面の質感までも写し取っている。ブリの視点を通して浮かび上がるのは、バラガン建築が持つ詩的で精神性の高い美しさ。図版を中心に構成されており、建築写真としてだけでなく、アートとしても高く評価される一冊。英語表記。
もう一つの名作住宅 ハンドクラフテッド・モダン
イームズ夫妻、ジョージ・ナカシマ、ラッセル・ライト、ウォルター・グロピウスら、ミッドセンチュリー期に活躍した14人のデザイナーの自邸を紹介する写真集。ハンドメイドの家具や自作の彫刻、絵画の飾り方、本棚に並ぶ書籍や調度品に至るまで、住まいには作家の個性が色濃く反映されている。日常空間の細部に表れる独自の感性を通して、インテリアデザインの多様な可能性を浮かび上がらせている。
Vincent Van Duysen Works 2009-2018
ベルギー出身の建築家・デザイナー、ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンによる2009年から2018年までの仕事を収録した作品集。ニューヨーク、パリ、ハンプトンズの邸宅や、ロンドンのアレキサンダー・ワンの店舗をはじめ、住宅から公共施設、家具、ヨットのインテリアに至るまで、多様なプロジェクトを掲載。ミニマルでありながら豊かな質感をもつ空間構成や、自然素材と光の繊細な関係性をとらえた写真を通して、彼のデザイン哲学を浮かび上がらせる。序文はジュリアン・ムーア、建築家ニコラ・ディ・バッティスタによる解説を収録。
岸和郎 TIME WILL TELL | nemofactory
2021年に京都工芸繊維大学美術工芸資料館で開催された展覧会にあわせて刊行された、建築家・岸和郎の40年にわたる活動を総覧する作品集。初期の〈KIT HOUSE〉から〈紫野和久傳〉〈日本化学産業総合研究所〉など代表的プロジェクトまで、建築写真や図面、スケッチ、テキストを通して紹介する。建築を「時間」「場所」「生活」「風景」といったテーマから読み解き、思考と実践、そして教育のあいだを往還する岸の建築哲学を多角的に捉える構成。モノクロを基調とした図版が、移ろいゆく自然や人の営みと建築の関係を静かに映し出している。
手漉和紙
毎日新聞社による、日本各地の手漉き和紙を体系的にまとめた資料集。和綴じ装の解説書1冊と、標本紙を収めた上下巻の全3冊で構成される。全国各地の和紙を実物標本として貼り込み、その産地・技法・原料・歴史的背景を詳細に記録。加えて、国の無形文化財に選定された6種の和紙も付録として収録。限定3000部発行。
BORO つぎ、はぎ、いかす。青森のぼろ布文化
民俗学者・田中忠三郎が長年にわたり青森各地で収集した「ぼろ」のコレクションを紹介する一冊。編集は小出由紀子と都築響一、写真も都築による撮り下ろし。厳しい寒さと貧しさの中で、人々が布をつぎはぎし、重ね、受け継いできた衣や寝具には、暮らしの知恵と祈りのような美しさが宿る。木綿や麻など素材の背景にも触れながら、ぼろがもつ造形的魅力と、再生の精神を掘り下げる。
蔵 会津喜多方 | 金田実
写真家・金田実による写真集。福島県喜多方に現存する蔵を記録し、時代とともに失われつつある地域の建築文化を伝えている。米蔵、味噌蔵、座敷蔵、煉瓦蔵など、用途や構造の異なる蔵を、モノクロおよび一部カラーの写真で紹介。雪国特有の気候や生活に根ざした蔵のかたちを丹念に追い、蔵づくりに宿る職人の技と美意識を捉えている。地方の風土と建築の関係を見つめ直す貴重な資料ともいえる一冊。
The Colours of Light | Tadao Ando、Richard Pare
日本を代表する建築家・安藤忠雄と、英国の写真家リチャード・ペアによる10年にわたる協働の成果をまとめた写真集のミニチュア版。直島コンテンポラリーアートミュージアム、光の教会、兵庫県立こどもの館など27の建築を収録し、自然光がつくり出す陰影と構造の関係を繊細にとらえている。トム・へネガンによる論考や安藤自身のスケッチ、プロジェクト解説も併載され、建築と光の詩的な対話を体感できる内容。リチャード・ペアのレンズを通して、安藤建築の本質にある静謐と緊張の美を鮮やかに浮かび上がらせている。
茶美会・然 新しい茶のかたち
1992年に裏千家の伊住政和が主宰した「茶美会(さびえ)・然」を記録した写真資料集。グラフィックデザイナーの田中一光をはじめ、三宅一生、コシノジュンコ、横尾忠則など多彩なアーティストや建築家が参加し、それぞれの感性で新たな茶の表現を提示している。茶の湯の伝統を現代的なデザインやアートと結びつけ、その精神を再解釈する試みを紹介。参加作家によるテキストや対談も収録し、「新しい茶のかたち」を探る貴重な記録を提示している。
甲木恵都子の仕事
草木染作家、甲木恵都子の作品集。30年に及ぶ創作活動を一冊にまとめたもので、自然を材料にした美しい伝統染色による着物染のほか、行灯、衝立などの作品の数々をカラー図版で多数収録。
Naturalite | Alain Ducasse
フランスを代表するシェフ、アラン・デュカスの料理哲学〈ナチュラリテ(Naturalité)〉を紹介するビジュアルブック。魚・野菜・穀物を柱に据え、自然の摂理に寄り添った健康的で持続可能な食のあり方を探求する。生産者や職人、漁師など、旬の食材を支える人々の姿を美しい写真とともに紹介し、自然との共生をテーマにした約30のレシピを収録。気候や風土、技術、そして食材への敬意を通して、デュカスが提唱する「美しく、そして善きもの」としての料理の本質を伝えている。
日本の民具 第4巻 周囲民族 | 薗部澄、遠藤武ほか
日本の生活道具を体系的にまとめた『日本の民具』シリーズ第4巻「周囲民族」篇。樺太や台湾をはじめとする周辺地域の民具を対象に、蕃刀、籠、釜などの生活道具をモノクロ図版で紹介する。写真を薗部澄、解説を宮本馨太郎・八幡一郎が担当し、装丁は多川精一。民俗学者であり大蔵大臣も務めた渋沢敬三の追悼記念として刊行された本書は、日本と周辺民族の生活文化の交差を示す貴重な民俗資料となっている。
日本の凧 | 俵有作
日本で手掛けられた様々な凧を集めた資料集。カラーとモノクロの図版を多数収録するほか、凧の構造、道具、そして日本各地の凧の特徴などをまとめた解説付き。人々の飛躍を夢見る願いとともに誕生した凧の姿からは、民衆のエネルギーや、伝統的な日本の形、色が浮かび上がる。
唐桟 | 浦野理一
日本の染織研究家・浦野理一による「唐桟(とうざん)」の資料集。インドのサントメ地方から渡来し、日本各地で独自に発展した綿織物「唐桟」を、天保・慶応期の古布をもとに再現。特殊染色糸を用いた現代唐桟の実物見本3点を収め、あわせて図版105点と解説を掲載する。織柄の構成や色彩の妙、縞のリズムに宿る日本的な感性を通して、伝統織物の美と技術の継承を示す貴重な資料となっている。限定1500部発行。
Anni Albers ペーパーバック版
ミッドセンチュリー期を代表するテキスタイルデザイナー、アニ・アルバースの作品集。バウハウス時代からブラック・マウンテン・カレッジ期までの活動を網羅し、壁掛け作品や商業デザイン、ドローイング、ジュエリー、版画など多彩な表現を収録。夫ヨゼフ・アルバースとともに20世紀モダニズムを牽引した彼女の歩みを再評価し、織り手としての高い技術、素材への洞察、そして芸術とデザインを横断する思考を明らかにする。
ZOMO | ヨーガン・レール
テキスタイルデザイナー、ファッションデザイナーとして知られるヨーガン・レールが、インドやパキスタンを旅する中で撮影した風景をまとめた写真集。インダス川流域からカラコラム山脈へと続く旅のあいだに出会った、砂地の模様、岩肌の陰影、水辺のゆらぎ、植物のかたちなど、自然がつくりだす抽象的な造形を静かに見つめる。色彩や質感、リズムの中に宿る生命の美をとらえた写真群から、素材と自然を敬うレールのまなざしが浮かび上がる。
ころも ヨーガンレールの布 | 高木由利子
ドイツ出身のデザイナー、ヨーガン・レールの布を、写真家・高木由利子が撮り下ろした写真集。シルク、コットン、ウールなどの天然素材を用い、手仕事で織り上げられた布の質感やゆらぎを、カラーとモノクロの写真でとらえている。機械生産にはない多様さと偶然性を宿す布の美を、光と影の抽象的な構図で写し出し、布そのものがもつ生命力を静かに伝える一冊。
建築と都市 a+u 2025年3月 臨時増刊 カルロ・スカルパ
建築専門誌『a+u』の1985年10月臨時増刊号として刊行された『カルロ・スカルパ作品集』を、新装表紙で復刊した一冊。建築史家フランチェスコ・ダル・コォ監修のもと、写真家アントニオ・マルティネリによる9作品の撮影と、スカルパ自筆ドローイングによる6作品を収録する。さらに同時代の建築家・研究者による随想や年譜を加え、素材の操作、幾何学的構成、空間の詩的感性といったスカルパ建築の本質を多面的に捉える構成となっている。建築・デザイン・工芸の境界を超えたスカルパの創造精神を伝える、40年ぶりの再版。
洸庭 | 名和晃平、SANDWICH
現代アーティスト・名和晃平とクリエイティブプラットフォームSANDWICHによるアートパビリオン〈洸庭(こうてい)〉のプロジェクトを記録した写真集。広島・福山の「神勝寺 禅と庭のミュージアム」内に建てられた舟型の建築は、伝統的なこけら葺きを現代的に応用し、木材で包まれた内部空間で波の反射光を体験できる構造となっている。本書では、建築写真家・表恒匡とGottinghamによる撮影を中心に、建築史家・五十嵐太郎の論考、名和によるコンセプトテキスト、制作に携わった職人や設計チームの図面資料などを収録。光・水・素材が織りなす静謐な空間体験を多角的に伝えている。
偶然は用意のあるところに | 西澤徹夫
建築家・西澤徹夫の初となる作品集。2023年にTOTOギャラリーで開催された展覧会にあわせて刊行されたもので、美術館、住宅、展覧会会場構成を含む30のプロジェクトを収録。写真群では、美術と建築のあいだに生まれる空間的思考の連なりを示し、続く詳細な図面群では、設計における微細な操作や思考の構造を読み取ることができる。巻末には会場構成と建築設計の関係性、共同設計の背景を論じたテキストも掲載。素材、光、空間の対話を通じて建築の本質を探る、西澤の思想を明快に伝える一冊。
Jean-Michel Wilmotte
フランスを代表する建築家、ジャン=ミシェル・ヴィルモットの建築作品を紹介する写真資料集。美術館、オフィスビル、ホテル、公共建築から、日本の代表作〈Bunkamura〉に至るまで、都市空間における彼の多彩なアプローチを豊富な写真と図面で収録。建築・インテリア・都市デザインを横断しながら、素材や光の扱い、空間構成に通底するデザイン哲学を探る内容となっている。
The Natural Home | Hans Blomquist
アートディレクターでありインテリアデザイナーのハンス・ブロムクイストが提案する、自然の美に寄り添う暮らしのかたちを紹介する一冊。木や石、リネン、古布、植物など、素材がもつ質感や経年の表情を活かした空間づくりを、豊富な実例とともに解説する。章ごとに「テクスチャー」「スティルライフ」「植物と花」「色」などのテーマを設け、自然素材のもつ力とその調和のあり方を探る構成。落ち着きと詩情に満ちた写真を通して、ありのままの素材がつくる穏やかなインテリアの魅力を伝えている。
建築と触覚 空間と五感をめぐる哲学 | ユハニ・パッラスマー
フィンランドの建築家ユハニ・パッラスマーによる建築哲学書。視覚偏重に傾いた現代建築への批判を出発点に、触覚・聴覚・嗅覚・味覚を含む多感覚的な空間体験の意義を論じる。メルロ=ポンティやバシュラールの現象学的思想を参照しながら、身体と知覚を通じて建築を再定義する試みを展開。建築を「見る」ものから「感じる」ものへと取り戻す視点を提示し、ラスムッセンやノルベルグ=シュルツの系譜を継ぐ現代の名著として高く評価されている。
裸形のデザイン 新装版 | 大友洋祐、大西静二
インダストリアルデザイナー・大西静二が日本各地で蒐集したアルミニウム製品を紹介した『裸形のデザイン』に新作を加えた新装版。急須や弁当箱、譜面台、鯛焼き機など、終戦直後の物資不足の時代に生まれた多彩な日用品を、素材の素地を生かした写真とともに掲載する。塗装やアルマイト加工を剥ぎ取り、アルミニウムの「裸形」に立ち返らせることで、素材がもつ光沢と造形美を再発見させる構成となっている。工業製品のデザインと民藝的な美意識が交差する、静謐で現代的なコレクション。
喜多俊之のデザイン Movement as Concept
日本を代表するプロダクトデザイナー、喜多俊之の仕事を総覧する作品集。ソファや椅子、テーブル、照明器具、テーブルウェア、工業製品、スペースデザインなど、多岐にわたる作品をカテゴリー別に紹介する。スケッチや図面、写真を通して、造形の背後にある「動き」をコンセプトとした独自のデザイン哲学を浮かび上がらせる。喜多の思考と創造の軌跡を豊富な図版でたどる一冊。
SILK ME BACK | Isabelle Moulin
2011年の東日本大震災を発端に立ち上げられた文化連携プロジェクト「SILK ME BACK」。このプロジェクトはフランスの代表的な絹織物の産地であるリヨンに視点を置き、日仏のシルクを介して様々な表現を絹のように結びつけるアートの試みであるとともに、被災者の支援につながるのかを追求するもの。本書ではシルクによって制作された、クリエイターや織物ネットワークの関係者による連携で生み出されたさまざまなデザインの着物のコレクションを収録。フランス語、一部日本語表記。
ブルーノ・タウト 1880-1938 Nature and Fantasy
1994年に開催された「ブルーノ・タウト 1880–1938」展の公式図録。建築家・思想家としてヨーロッパと日本を往還したブルーノ・タウトの創作と理念を、「画家としてのタウト」「結晶の成り立ち:〈グラスハウス〉」「色彩空間と日本でのデザイン」などの章立てで多角的に検証する。スケッチ、建築図面、写真、資料を通して、近代建築と芸術の融合を志したタウトの造形思想を読み解く一冊。
粟辻博展 色彩と空間のテキスタイル | 京都国立近代美術館 ほか
2000年に開催された回顧展の図録。大胆な絵柄や鮮やかな色彩を用いたデザインで、昭和期の日本のテキスタイルデザインに大きな変革をもたらしたテキスタイルデザイナー、粟辻博の30年にわたる活動を辿る。テキスタイルデザインを中心に建築やプロダクトデザインに至る作品まで、図版とともに解説を収録。デザイン監修は田中一光。
Josef Muller-Brockmann
スイスを代表するグラフィックデザイナー、ヨゼフ・ミュラー=ブロックマンの包括的モノグラフ。機能的で客観性を重んじるデザインを追求し、グリッドシステムの理論と実践によって20世紀ポスターデザインに大きな影響を与えたことで知られている。本書では、代表的なポスター作品をはじめ、デザイン案や資料、個人写真まで400点以上を収録。
田中一光デザインの世界
グラフィックデザイナー、田中一光の作品集。1975年以降の近作を中心に、シンボルやロゴタイプ、西武セゾングループ関連のデザイン、グラフィックアート作品まで多彩に収録。昭和を代表するデザイナーとしての仕事が広く網羅されており、視覚的に洗練されたその造形は、戦後日本のグラフィックデザイン史の重要な局面を伝えてくる。巻末には作品リストや経歴資料を掲載。弟子の木下勝弘が編集に携わり、創作の全体像を見渡すことができる。