文字の博物館 | 矢島文夫、田中一光
1839年から1841年にかけてパリで刊行されたシルヴェストルによる書体見本『文字の博物館』を復刻したもの。東方諸民族の文字からヨーロッパの文字までを網羅的に収録し、精緻な大判カラー図版で紹介している。日本語による解説を新たに加え、監修は矢島文夫、構成は田中一光が担当。19世紀に生み出された貴重な資料を現代に伝え、文字文化の多様な展開を照らし出している。
Drawings | Anthony Goicolea
写真や映像作品で知られるアーティスト、アンソニー・ゴイコレアによるドローイング集。自身の写真作品に見られる、不安さと遊び心が入り混じった感覚を、線による人物表現で描いている。半透明の紙に描かれた人物たちは、年齢や性別がはっきりせず、重なり合ったり、宙に浮かぶように配置される。層を重ねた構成によって、身体や存在のあいまいさをやさしく伝える一冊。
Twenty-One Figures | Robert Graham
アメリカの彫刻家・ロバート・グラハムによる作品集。1990年にニューヨークのRobert Miller Galleryで開催された展覧会に際して刊行されたもの。タイトル通り、ブロンズで制作された21体の人物像の彫刻作品を収録。グラハムは人体の造形美を追求し、細部にまでこだわった彫刻表現で知られている。各図版は作品の全体像と質感を丁寧に捉え、グラハムの人体表現への関心や造形の探求を視覚的に伝えている。
THE VOID | 石川直樹
写真家・石川直樹による初期の作品集。ニュージーランド北島の原生林に長期滞在し撮影された写真群は、自然の圧倒的な気配と、その奥に広がる「空白=VOID(ヴォイド)」を静かに捉えている。光と闇、奥行きと平面が交錯する画面は、風景の記録を超えて、時間や身体感覚を呼び起こす。人の存在を極力排した構成によって、自然と人間の関係性を根源から問い直し、後の旅と探究へと続く石川直樹の表現の出発点を示す一冊となっている。
travelling tree | 茂木綾子
ドイツやスイスでの活動を経て、現在は東京を拠点にする写真家・茂木綾子による作品集。1997年から2009年のヨーロッパ滞在中に撮影されたスナップを収録。新たな家族の誕生、霧に包まれた太陽、動物にミルクを与える子ども、サーカスワゴンでの暮らしなど、個人的な時間の断片が丁寧に切り取られている。日常のなかに抽象的な事象が象徴として立ち上がる瞬間をとらえた写真群。日本語、英語表記。
対岸 | 百々新
写真家・百々新によるカスピ海沿岸地域を巡る旅の記録をまとめた写真集。ロシア、アゼルバイジャン、カザフスタン、トルクメニスタン、イランの5つの国を舞台に、風土や人々の営みを静謐に捉え、旅先での光景と自身の眼差しを重ねる視覚的ドキュメンタリーとして構成されている。タイトルが示す「対岸」は、見えない遠くの岸を思い描く旅の象徴であり、寄せては返す波のように近づき、引きながら異国の光景を見つめることで、写真家自身の進むべき岸を探る記録ともなっている。
journey in january | 橋本塁
写真家・橋本塁による、旅の途中で出会った海外の風景を静かな視点で切り取った写真集。ロックバンドのライブ撮影などで知られる橋本が、喧騒から距離を置き、光や空気、時間の流れに身を委ねながら撮影した写真は、日常と非日常の境界をやわらかく映し出す。派手な演出を排した画面には、旅の中でふと立ち止まった瞬間の感情や余白が残されており、見る者に静かな余韻を与える。音楽的感性を背景に持つ橋本ならではのリズム感が、写真集全体に心地よい流れを生み出している。
Alex Katz
1986年にホイットニー美術館で開催されたアレックス・カッツの回顧展に伴い刊行された公式図録。アメリカ現代美術を代表する画家カッツの生涯と制作活動をたどりながら、写実的な人物表現と大胆に簡略化された平面性、抽象性を融合させた独自の表現を多角的に紹介する。とりわけ肖像画への強い関心に注目し、視線、構図、色彩がもたらす現代的な感覚を読み解く。
Jeff Koons Handbook
現代美術家、ジェフ・クーンズの初期活動に焦点を当て、1979年から1992年までの主要作品を体系的にまとめたハンドブック。「The New」「Equilibrium」「Banality」「Made in Heaven」といった代表的シリーズを軸に、制作背景や発想の源泉が整理されている加えて、美術史家ロバート・ローゼンブラムによる論考が、同時代美術や消費文化との関係性を歴史的文脈から補完。
抽象の力 | 岡崎乾二郎
造形作家・岡崎乾二郎による近代美術論集。近代芸術はいかに形成され、どのような思考によって推進されてきたのかを、抽象という概念の根幹から捉え直している。モダニズムや抽象芸術をめぐる既存の通説を批判的に検証しながら、20世紀美術を動かした創造の力を再考する視点が貫かれている。ヒルマ・アフ・クリント、ジョルジョ・モランディ、岸田劉生、イサム・ノグチなど、多彩な作家の実践を横断的に読み解き、抽象芸術が孕む可能性と思想的射程を鮮やかに照らし出している。
香港葫蘆賣乜藥 A Visual Journey Through Hong Kong Chinese Medicine Packaging
香港の中成薬(漢方薬)パッケージを中心に、その視覚表現と文化的背景を辿るビジュアルブック。民間の薬舗や老舗薬商から収集された数百点の包装を通して、1950年代以降、嶺南地域の生産拠点として発展してきた香港中成薬市場の多様な意匠と戦略を紹介している。伝統を継承しながら工夫を重ねてきた薬商の姿や逸話も交え、包装という造形から信頼や生活文化の層を読み解く。
Hot Dog 新宿 1999-2000 | 渡辺克巳
写真家・渡辺克巳による作品集。新宿を舞台に、1999年から2000年にかけて撮影された都市の姿を収録している。客引きやホスト、コマ劇場前に集う人々、路上に座り込む若者や生活者、裏路地に潜む猫など、雑多で猥雑な光景を写し出している。煌びやかな表層の背後に潜む都市の真実をとらえ、新宿という街のリアルな息遣いを見せている。
Overtime: The Jazz Photographs of Milt Hinton
「ジャズ・ベースの長老」と称されたコントラバス奏者、ミルト・ヒントンによる写真集。演奏活動と並行して撮影を続け、ルイ・アームストロング、ビリー・ホリデイ、クインシー・ジョーンズ、ジェリー・マリガン、ズート・シムズら数多くのジャズ・ミュージシャンを記録している。緊張感漂うセッションの場面や舞台裏の日常的な姿を収めた写真は、演奏の現場を伝える貴重な資料となっている。
きずな | 下薗詠子
写真家・下薗詠子による作品集。人と人の関係性や瞬間の交差するまなざしをテーマにした作品群を収録。被写体との距離感や感情の微細な揺らぎを丁寧に捉え、日常の何気ない情景にも深い意味を見出す構成が特徴。第8回 Visual Arts Photo Award大賞受賞作を中心にまとめられ、静謐ながら力強い表現で、下薗の独自の視点と感性を映し出した作品群として仕上げられている。
ソール・ライターのすべて
写真家ソール・ライターの創作を網羅した作品集。1950年代ニューヨークのストリートフォトを中心に、色彩豊かなカラー作品、静かなモノクロ写真、ファッションフォトやペインティングまで約200点超を収録している。アトリエの記録写真や愛用品、本人の言葉も交えながら、写真とともに歩んだライターの人生観や美意識を多角的に紹介。浮世絵にも通じる構図や色彩感覚など、日本人の感性を惹きつけてきたその魅力を丁寧に伝えている。
Weston’s Westons: California and the West
アメリカの写真家、エドワード・ウェストンによる作品集。ボストン美術館で開催された展覧会にあわせて刊行されたもので、1937年から1939年にかけて撮影されたアメリカ西部の風景写真を収録する。砂漠や岩、枯れ木、風化した建物など、自然と時間が刻む造形を、光と影の緊張感の中にとらえている。
Weston’s Westons: Portraits and Nudes
アメリカの写真家、エドワード・ウェストンの作品集。ボストン美術館での展覧会にあわせて刊行されたもので、1914年のピクトリアリスム期から、モダニズムへの転換を示す『ルース・ショー』を経て、約40年にわたる創作の軌跡をたどる。ポートレートとヌードを中心に、人物の内面と身体の造形美を極限まで追求した作品群を収録。構図と光の探求を通して、ウェストンが到達した純粋写真の精神と造形的美学を明らかにしている。
Furthermore | Jeffrey Fraenkel
サンフランシスコのフレンケル・ギャラリー創立30周年を記念して刊行された写真作品集。アンディ・ウォーホル、ロバート・アダムス、ベッヒャー夫妻、杉本博司、アーヴィング・ペンをはじめ、作者不詳の写真も含む多様な作家による99点の作品を収録している。時代や様式を超えて選ばれたイメージ群が、写真という表現の多義性とその内に潜む詩的な力を静かに示している。
OSSU vol.3 パイナップル
2011年より男性性をテーマに発信するフォトジンシリーズ「OSSU」の第3号。川島小鳥をはじめ、クサナギシンペイ、工藤司、トラン・ミン・ドゥク、fumiko imano、MIKIO SAKABE、南川史門、ミヤギフトシ、森栄喜ら多彩な作家が参加し、タイトルにちなんだテーマ「パイナップル」を軸に、ポートレイトや日常、身体感覚をめぐる作品を収録している。デザインは藤田裕美が担当。
The Never Known into the Forgotten | Marcel Dzama
ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、マルセル・ザマの作品集。2011年にドイツのクンストフェライン・ブラウンシュヴァイクでの展覧会にあわせて刊行されたもの。映像作品『A Game of Chess』『Death Disco Dance』を中心に、コラージュ、ドローイング、人形、彫刻などを収録している。仮面や制服をまとった人物像が夢幻的な空間で踊り、苦悶する姿は、ゴヤやダダ、オスカー・シュレンマーらの影響を踏まえつつ、文学や心理学、映画史、現代政治を交錯させている。繊細さと暴力性が共存するザマの世界観を照らし出している。
Damien Hirst: The Acquired Inability to Escape
1994年にドイツのJablonka Galerieで開催された展覧会に合わせて刊行された図録。イギリスの現代美術家、ダミアン・ハーストによる彫刻やインスタレーションなど、初期の実験的作品を中心に収録し、ハーストの芸術的探求を視覚的に追体験できる構成となっている。生命や死、存在の不確かさをテーマにした独自の視点が浮かび上がるほか、評論家によるテキストも掲載。
Slicer | 森本美絵
写真家・森本美絵による作品集。撮影地や被写体の異なる複数のイメージが並置され、明確な物語性を持たないまま、静かなリズムで連なっていく構成が採られている。印刷には美術印刷技術HBP-700を用い、光の揺らぎや表面の質感といった繊細な階調を精緻に再現。装丁は町口覚が手がけている。
Furniture by Architects: International Masterpieces of Twentieth-Century Design and Where to Buy Them
20世紀を代表する建築家たちによってデザインされた家具を紹介する作品集。アルヴァ・アールト、マックス・ビル、アントニ・ガウディをはじめ、チャールズ&レイ・イームズ、アイリーン・グレイ、ヘリット・リートフェルト、チャールズ・グワスミーなど、100名を超える建築家の手による名作家具を収録している。建築の理念と造形美が凝縮された椅子やテーブル、収納などをカラーとモノクロ写真で多数掲載。建築とインテリアの関係を探る貴重な資料となっている。
nendo 10/10
デザイナー・建築家の佐藤オオキが2002年に設立したデザインオフィス〈nendo〉の活動を総覧するモノグラフ。ミラノ・サローネをはじめ、国内外のデザインイベントで発表された代表作を中心に、CappelliniやBisazzaなど世界的ブランドとのコラボレーション、家具、日用品、展示空間など幅広いプロジェクトを紹介している。
NOT A HOTEL
群馬県北軽井沢で進行する宿泊施設プロジェクト「NOT A HOTEL KITAKARUIZAWA MASU」を紹介するカタログブック。デザインはWonderwallを率いる片山正通が担当し、丹下健三が1953年に手がけた成城の自邸から着想を得た空間構成が軸となっている。建築とインテリアが呼応する各室には、著名デザイナーによる家具や照明、アートワークが配され、その佇まいを豊富なヴィジュアルで収録。
PALETTE 08 Iridescent
世界中のデザイナーやアーティストによる色彩の使い方に焦点を当てたデザイン書籍シリーズ「Palette Mini」の第8弾。今作『Iridescent(イリディセント)』では、見る角度によって色が変化する「玉虫色」の魅力をテーマに、ホログラフィックな素材や偏光表現を用いたプロジェクトを紹介。パッケージや印刷物、空間演出まで多彩なジャンルの事例を収録。コンパクトな一冊に、色と光が織りなす新たなデザインの可能性が詰まっている。
アイデア No.392 タイプデザイン・ナウ 独立系タイプファウンドリーの実践
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.392(2021年1月号)。特集「タイプデザイン・ナウ 独立系タイプファウンドリーの実践」では、欧州・中東・アジアを拠点に活動する10組のタイプデザイナー/ファウンドリーを紹介。各地の言語環境に根ざした書体設計やその普及のあり方を通して、タイポグラフィの多様な現状を探っている。後半では、自身のファウンドリー設立10周年を迎えたラディム・ペスコの仕事を特集。
クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime
2019年に国立新美術館をはじめ全国で開催された展覧会「クリスチャン・ボルタンスキー ― Lifetime」の公式図録。フランスを代表する現代アーティスト、クリスチャン・ボルタンスキーの初期から晩年に至る約50年の創作活動を網羅的に紹介。記憶や不在、生と死といったテーマを探求した代表作を豊富な図版で収録し、展覧会担当者による論考や、杉本博司との対談テキストも掲載。光と影、時間の痕跡をめぐるボルタンスキーの思索を浮かび上がらせている。
デザインの原点 ブラウン社における造形の思考とその背景 | 向井周太郎、羽原粛郎
西欧近代デザインの理念を企業活動の中で具体化したブラウン社の思想を読み解く資料集。1921年の創業から1970年代までの歩みをたどり、経営理念、造形哲学、製品開発の背景を多角的に考察する。ディーター・ラムスらが築いた機能主義のデザイン原則を中心に、産業とデザインの結びつき、企業文化としての美学を明らかにする。各製品の図版や資料も豊富に収録し、20世紀インダストリアルデザイン史の核心を照らしている。
Letters from M/M(Paris)
パリを拠点に活動するデザインユニット、M/M(Paris)のタイポグラフィとレタリングに焦点を当てた作品集。これまでに制作された約90種の書体を、年代順に3部構成で収録し、書体の発展過程、タイプ見本、実際のプロジェクトでの使用例を丁寧に紹介している。長年にわたり協働を続けてきたBjörkによる序文も収録。単なる書体資料にとどまらず、M/M(Paris)の創作と思考の軌跡をたどる。
Bi-Scriptual: Typography and Graphic Design with Multiple Script Systems
グローバル化と多言語環境の進展を背景に、複数の文字体系を横断するタイポグラフィとグラフィックデザインを考察した一冊。ラテン文字と、アラビア文字、キリル文字、漢字圏など8つの異なる文字体系を比較し、それぞれがもつ文化的・社会的背景や視覚的特性を読み解いていく。前半では、文字体系間の関係性や多文化コミュニケーションにおけるデザインの役割を理論的に整理。後半では、100名以上のデザイナーによる実例やインタビューを通して、バイリンガル/マルチスクリプト・デザインの実践的手法を紹介している。
ルウ・ドーフスマン デザインワーク
アメリカのグラフィックデザイナー、ルウ・ドーフスマンのデザインワークをまとめた作品集。米国最大のテレビ・ラジオ放送局CBSで副社長兼クリエイティブディレクターを務めたドーフスマンによる、新聞広告、宣伝ポスター、番組セット、CM映像、グッズなどを網羅。40年にわたる膨大な制作物を日本語解説とともに収録し、放送メディアにおけるデザインの可能性と表現の多様性を浮かび上がらせている。
ノーマ 北欧料理の時間と場所 | レネ・レゼピ
北欧料理に新たな価値観をもたらしたとして世界的に高く評価されるシェフ、レネ・レゼピによる料理写真集。美しい撮り下ろしの写真とともに、90種類を超えるレシピを収録している。デンマーク・コペンハーゲンのレストラン「ノーマ」で提供された料理を中心に、素材の選び方や調理法、盛り付けの工夫に至るまでを紹介。土地の気候や風土に根ざした食文化を、革新的かつ洗練された料理として提示し、現代ガストロノミーのあり方を鮮やかに伝えている。
PRIERE | 瀧本幹也
写真家、瀧本幹也の作品集。2020年秋、京都での国際写真祭への参加をきっかけに制作された「祈り」を主題とするシリーズをまとめたもの。寺院の建築や庭と向き合いながら、数百年、数千年にわたって積み重ねられてきた時間の流れの中に身を置き、静けさの中にある気配や呼吸を写し取っている。用紙や印刷、布張りの装丁など造本にも細やかな配慮が施され、光と時間、祈りの感覚を丁寧に受け止める一冊。
モノクローム | 森山大道
写真家・森山大道が、2008年から2012年にかけて東京で撮影した白黒写真を収めた作品集。荒々しい粒子感と強いコントラスト、即興的なフレーミングによって、街の喧騒や人々の気配、都市の断片的な表情を鋭く捉えている。看板や街路、影と光の対比など、何気ない都市の細部が緊張感を伴って立ち現れ、森山ならではのスピードと感覚が画面に刻まれる。
カラー | 森山大道
写真家・森山大道が、2008年から2012年にかけて東京で撮影したフルカラー写真を収めた作品集。白黒表現で知られる森山がデジタルカメラを用い、街の断片や日常の一瞬を色彩とともに捉えている。雑踏、建物、看板、影や光といった都市の細部が、鮮烈な色とノイズを伴って画面に現れ、東京の喧騒とリズムを生々しく伝える。色を取り込むことで生まれた新たなスピード感と感覚の揺らぎが、森山の都市写真に異なる表情を与えている。
つつみのことわり 伊勢貞丈「包之記」の研究 | 山口信博+折形デザイン研究所
2013年に開催された展覧会の図録。江戸時代後期、伊勢貞丈が著した『包結図説』上巻「包之記」をもとに、山口信博と折形デザイン研究所が、贈答の包みと結びの礼法である「折形」を読み解いている。「包之記」に収録された23種の折形は、完成図と展開図のみが示され、工程の多くが省略されている。本書では、その省かれた手順をダイアグラムとして再構成し、包む行為に潜む思考の原理や文化的背景を明らかにしていく。あわせて、山口信博と折形デザイン研究所が長年にわたり古典と向き合い、現代のかたちへと展開してきた実践も紹介。
李朝工藝
李朝時代の工藝品を体系的に紹介する作品資料集。机、箱、装身具、祭具、扇子など、生活に根ざした民器や民具を中心に、カラーおよびモノクロの大型図版で多数収録している。素材の質感やかたちの均整、装飾の簡潔さを通して、李朝工藝に息づく静けさと端正な美意識を伝える構成。素朴さの中に宿る洗練を視覚的に捉え、李朝美の本質を明快に示している。装丁は田中一光によるもの。
Wonderwall Case Studies: Works by a Global Interior Design Firm
インテリアデザイナー、片山正通が率いるデザインスタジオ・Wonderwallの作品集。UNIQLOやDIESELの旗艦店、LEXUSによる「INTERSECT」など、世界各地で手がけてきたリテール空間を中心に収録している。幾何学的な構成や色彩感覚、既存のコンセプトに新たな解釈を加える姿勢から、Wonderwallのデザインがどのように機能してきたのかを多数の図版とともに紹介。
片山正通的百科全書 Life is Hard... Let's Go Shopping.
2017年に東京オペラシティギャラリーで開催された展覧会にあわせて刊行された図録。インテリアデザイナー、片山正通が長年にわたり蒐集してきたアート、写真、書籍、CD、ミッドセンチュリー家具、骨董、剥製、多肉植物など、500点を超えるコレクションを紹介している。私的な関心や記憶、発想の源となってきた品々を通して、片山の美意識と創作の背景をたどる構成。会場構成はワンダーウォールが担当し、17の部屋を巡るように展開された展示空間の魅力も、豊富な図版とともに伝えている。
Studio Pottery ペーパーバック版 | Oliver Watson
ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館が所蔵する陶芸コレクションをもとに、20世紀イギリスのスタジオ・ポタリーを体系的に紹介する作品集。バーナード・リーチ、ハンス・コパー、ルーシー・リーといった代表的作家をはじめ、19世紀末のアーツ・アンド・クラフツ運動から20世紀後半に至るまで、700点以上の作品を収録している。スタジオ・ポタリーを20世紀の重要な芸術運動として位置づけ、その思想や造形の広がりを明快に示す内容で、陶芸の歴史と実践を学ぶうえで欠かせない定番資料。
スティグ・リンドベリ作品集 | ギセラ エロン
スウェーデンを代表するデザイナーの一人、スティグ・リンドベリの作品集。スウェーデンで刊行された『Stig Lindberg: Tusenkonstnaren』の日本語版。ドローイングや絵画、陶磁器への絵付け、オブジェ、食器、絵本、テキスタイルなど幅広い作品を写真とテキストで収録。心を華やかにするデザインの数々とともにリンドベリの軌跡を辿る一冊。
Cindy Sherman: Photographic Works 1975-1995
写真家、シンディ・シャーマンのおよそ20年にわたる活動を振り返る回顧作品集。自らをモデルに無数の人物像を演じ分けることで現代写真に革新をもたらしてきたシャーマンの、初期の「アンタイトルド・フィルム・スティルズ」から「セックス・ピクチャーズ」に至るまでを、200点以上の図版で紹介する。「ヒストリー・ポートレイツ」「センターフォールド」「フェアリー・テイルズ」など、演出性の高い代表作を通して、メディア、文化、ジェンダーに対する鋭い批評性とユーモアが浮かび上がる。