tokyo boy alone | 森栄喜
写真家・森栄喜による写真集。東京を舞台に、青年たちの日常的な姿を捉えた「tokyo boy alone」シリーズの初期作品を収録。雑多な室内やベッドで過ごす時間、煙草を吸う瞬間、ヌードなど、演出を抑えた場面を通して、被写体との距離感や関係性が丁寧に記録されている。第39回木村伊兵衛写真賞受賞作『intimacy』以前に撮影された写真群で、後の代表作へと連なる視点や方法論をうかがうことができる。
Certain People: A Book of Portraits | Robert Mapplethorpe
アメリカの写真家、ロバート・メイプルソープによる作品集。975年から1984年にかけて撮影された写真を中心に、パティ・スミス、イギー・ポップ、アンディ・ウォーホル、リサ・ライオン、アーノルド・シュワルツネッガーら、当時を象徴する人物たちの姿をモノクロで収録している。端正な構図と強いコントラストによって、被写体の個性や存在感を静かに引き出した写真が並び、スタジオでの肖像からセルフポートレイトまで幅広く紹介。序文は評論家のスーザン・ソンタグが寄せている。
M/M(Paris): Inventory 2
パリを拠点に活動するデザインユニット、M/M(Paris)の作品集。アート、音楽、ファッションを横断するポスターシリーズをはじめ、照明や壁紙、スツールといったオブジェクト作品、さらに書籍、映画、インスタレーションに至るまで幅広く網羅し、その多様な表現の軌跡をたどっている。2006年に発行され、現在は絶版となった初版に新たな作品を加えた増補改訂版。
Aalto and Baruel: Nordjyllands Kunstmuseum
20世紀を代表するフィンランドの建築家アルヴァ・アアルトと、デンマークの建築家ジャン=ジャック・バルエルらが設計したオールボー近代美術館(Nordjyllands Kunstmuseum)のモノグラフ。建築図面、スケッチ、写真などモノクロおよび一部カラー図版を収録し、自然光を巧みに取り入れた展示空間や、人と建築、風景の調和を追求した構成を詳細に記録している。
Bauhaus-Architecture 1919-1933 | Hans Engels、Ulf Meyer
1919年から1933年にかけてのバウハウス建築を、現存作例に即してたどる建築写真集。建築写真家のハンス・エンゲルスが撮り下ろした写真を軸に、ドイツ、ウィーン、バルセロナ、プラハ、ブダペストに残る約65件の建築を年代順に紹介している。ヴァルター・グロピウス、マルセル・ブロイヤー、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエらの設計による代表作から知られざる建築までを網羅。復元後の姿を含む写真に加え、解説や敷地図も収録し、20世紀建築に大きな影響を与えたバウハウス建築の多様な実像を伝えている。
Mies in London
ドイツ出身の建築家・ミース・ファン・デル・ローエによる未完のプロジェクトを紹介する資料集。ロンドン中心部にブロンズタワーと大広場を建設する計画を委託されたが、長年にわたる議論や政治的判断により実現には至らなかった。本書には、その構想を示す貴重な資料や平面図、デザイン画など未公開の図版が多数収録されている。
Gerhard Richter: Abstraction
2018年にドイツ・ポツダムのバルベリーニ美術館で開催された展覧会にあわせて刊行された、ゲルハルト・リヒターの抽象表現に焦点を当てた作品集。世界各地のコレクションから選ばれた80点以上の作品を通して、1960年代以降に展開された多様な抽象技法の変遷をたどる。グレーの単色作品や「インペインティング」「カラーチャート」シリーズ、スクレーパーによる絵具の重なりなど、意図と偶然のあいだに生まれる絵画の可能性を探る試みが貫かれている。
Keith Haring
1980年代のアートシーンを牽引したストリートアートを代表するアーティスト、キース・ヘリングの包括的モノグラフ。ニューヨーク地下鉄のチョーク・ドローイングから、壁画、絵画、彫刻、パフォーマンス、ビデオ作品までを網羅し、200点以上の作品を収録。美術史家やキュレーターによる論考に加え、ヘリング自身の言葉や詳細な年譜も収め、その創作活動の全貌を紹介する。
ヴィンケルハーケン叢書 タイポグラフィの美しき時代
フランスの活字鋳造・印刷文化を支えたシャルル・ペイニョへのインタビュー記事をまとめた一冊。1975年に刊行されたフランス誌「CARACTERE」の記事『タイポグラフィの美しき時代』を完全日本語訳で収録し、ペイニョ家の歴史や活字文化の中心としての活動、ベル・エポック期の印刷世界の光と影を語る。活字やタイポグラフィの美学と歴史を知るための貴重な資料。
黒の芸術 グーテンベルクとドイツ出版印刷文化
2025年に印刷博物館で開催された企画展の公式図録。ヨハネス・グーテンベルクが確立した活版印刷術と、発祥地ドイツにおける出版印刷文化の歩みをたどっている。印刷術の仕組みや歴史的背景、活字書体の発展を、関連資料と豊富な図版を交えて解説。技術と出版が結びつくことで社会や文化に及ぼした影響を、多角的な視点から読み解いていた1冊。
明治のメディア王 小川一眞と写真製版
2023年に印刷博物館で開催された企画展の公式図録。明治期の視覚メディア史を牽引した写真師・小川一眞の活動と、彼が発展させた写真製版技術に焦点を当てている。写真撮影と印刷を結びつけ、コロタイプや網目版(ハーフトーン)といった技法を用いて多数の出版物を手がけた小川の実践を、約100点の資料とともに紹介。写真製版が新聞や雑誌、書籍といった印刷物の表現をどのように変え、近代日本の視覚文化の形成に寄与したのかを、技術解説と歴史的文脈の両面から読み解いている。
地図と印刷
2022年に印刷博物館で開催された企画展の図録。私たちの暮らしに欠かせない地図が、印刷技術と結びつきながらどのように発展してきたかを、日本の近世を軸にたどっている。民間出版の広がりとともに多様な地図や地誌が生まれ、蘭学の受容によって西洋の地図知識が取り入れられた過程を、豊富な図版と解説とともに紹介。
和書ルネサンス 江戸・明治初期の本にみる伝統と革新
2021年に印刷博物館で開催された展覧会の図録。江戸時代に急増した写本や木版による整版本に着目し、印刷出版が古典文学の継承と普及に果たした役割を検証している。源氏物語をはじめ、挿絵を伴い庶民の間で広く読まれた文学書や実用書までを網羅的に紹介。ヨーロッパのルネサンスになぞらえた視点から、古典と印刷の関係を三部構成で読み解き、日本の書物文化における伝統と革新の交差を探る。
活字文明開化 本木昌造が築いた近代
2013年に開催された展覧会図録。日本の近代活版印刷の礎を築いた本木昌造の業績を多角的に紹介する。人物像をはじめ、印刷技術の革新や情報流通の変化といった観点から、日本が近代化を遂げる過程における活字文化の役割を解説。資料図版や関連史料を通じ、近代社会と活版印刷の密接な関わりを示す内容となっている。
CORONA | 石川直樹
写真家、石川直樹による作品集。ハワイ、ニュージーランド、イースター島を結ぶ「ポリネシア・トライアングル」を舞台に、10年以上にわたる旅の記録を収めている。広大な海に点在しながら、言語や文化を共有する島々で出会った人々の姿、村の風景、豊かな自然を丹念に撮影。陸の境界ではなく、海によってつながる世界として太平洋を捉え直し、「見えない大陸」とも呼ばれるこの地域の時間と営みを伝えている。
Robert Gober
1993年にニューヨークのDia Center for the Artsで開催された展覧会の公式図録。アメリカの現代彫刻家、ロバート・ゴバーのサイトスペシフィックなインスタレーションを18点のカラー図版とともに紹介。批評家デイヴ・ヒッキーによる解説では、作品に込められた社会、身体、記憶への問いかけや、展示の意図を深く読み解く。
Stern Portfolio No.17 Patrick Demarchelier
ドイツの写真誌『Stern Fotografie』第17号として刊行された、写真家パトリック・ドマルシェリエのポートフォリオ集。「GLAMOUR」をテーマに、女性のヌードやポートレート、野生動物、ファッションフォトなど多彩な被写体を撮影。ケイト・モスやナオミ・キャンベル、故ダイアナ妃の肖像も含まれ、計算された構図と創造性、商業性の均衡が際立つ内容となっている。
Stern Portfolio No. 22 Bruce Weber: Roadside America
ドイツの写真誌『Stern Fotografie』の第22号として刊行された一冊で、アメリカの写真家ブルース・ウェーバーを特集している。モノクロームを中心に一部カラー作品を交え、世界各地で撮影されたポートレートを収録。レイ・チャールズ、パティ・スミス、ジョージア・オキーフといった著名人をとらえた写真群は、音楽や芸術と密接に結びついたウェーバーの視覚的世界を示している。
Stern Portfolio No.29 Peter Lindbergh: Invasion
ドイツの写真誌『Stern Fotografie』第29号として刊行された、写真家ピーター・リンドバーグのポートフォリオ集。UFOや爆発、霧に包まれた人物像など、映画やポップ・アートを想起させる幻想的なイメージを通して、ドラマ性と不穏さを併せ持つ表現を展開している。
Stern Portfolio No. 33 Robert Mapplethorpe
ドイツの写真誌『Stern Fotografie』第33号として刊行された一冊で、アメリカの写真家ロバート・メイプルソープを特集している。モノクロームを基調に一部カラー作品を交え、緊張感のある構図と精緻な質感描写が際立つポートレートを収録し、アートと文化の交差点を示す内容。写真芸術におけるポートレート表現の可能性を照らし出している。
Stern Portfolio No.38 Bruce Weber: Home Is Where the Heart Is
ドイツの写真誌『Stern Fotografie』第38号として刊行された、写真家ブルース・ウェーバーのポートフォリオ集。「Home Is Where the Heart Is」の題名のもと、アメリカ的ライフスタイルへの憧憬を象徴するイメージや、独自の感性で構築されたファッション写真、鍛え抜かれた身体を通して人間の肉体美を捉えたヌード作品を収録している。
Stern Portfolio No.39 Elliott Erwitt
ドイツの写真誌『Stern Fotografie』第39号として刊行された、写真家・エリオット・アーウィットのポートフォリオ集。1940〜50年代に『Life』や『Collier’s』で評価を高め、1953年にマグナム・フォトへ参加した時期以降の代表作を中心に構成されている。戦後の日常や街角の情景、恋人たち、人物と犬の関係など、ユーモアと人間味に富んだモノクロ写真を多数収録。
パウル・クレー展 旅のシンフォニー
2002年に開催された展示の図録。画家・パウル・クレーの創作を「旅」という視点からたどり、絵画を中心に、旅の途中で描かれたスケッチや水彩、絵葉書、携行品などの資料もあわせて収録。スイスの故郷ベルンからイタリア、フランス、チュニジア、エジプトへと広がる実際の旅に加え、空想や記憶の中の旅にも目を向け、移動や経験が作品の中でどのように形を変えていったのかを丁寧に読み解いている。
Pop Art: Royal Academy Exhibition Catalogue
1991年にロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで開催された大規模ポップ・アート展の図録。新聞、広告、コミック、映画といったマスメディアのイメージを取り込み、消費社会を鋭く映し出したポップ・アートの本質を、9本の論考によって検証している。アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタイン、リチャード・ハミルトン、デイヴィッド・ホックニーら62名の作家略歴と194点のカラー図版を収録。
Sometimes I Think, Sometimes I am | Sara Fanelli
写真や包装紙を用いたコラージュ絵本で知られるイタリア出身の絵本作家・イラストレーター、サラ・ファネリによる作品集。ダンテやゲーテ、カルヴィーノ、ベケットなど世界文学の言葉を手がかりに、ドローイング、コラージュ、絵画、未発表スケッチを自在に編み上げている。章ごとに「愛」「色」「神話」「不条理」といったテーマが設けられ、本の中に小さな本が挿入されるなど、造本そのものも実験的。
遊子 | 森山遊子
写真家・森山遊子による作品集。セルフポートレートをはじめ、動物園のシロクマ、カメラを構える少女、カレーの食品サンプル、学生やカップル、噴水で遊ぶ子どもたちなど、日常の断片を軽やかにすくい取っている。自然体のまま気取らず切り取った軽やかでポップなスナップ集。
GROUND | 山谷佑介
写真家山谷佑介による作品集。2012年に東京のライブハウスやクラブで撮影したフロアの写真を、その場のイベント中に壁に貼り付け、音楽と観客の動きの中で変化していく様子を記録している。床にこぼれたアルコールやダンスで削れた靴底の痕跡など、場に刻まれる身体の残像が写真と交差し、時間と空間の重なりを可視化する試みとなっている。さらに同時期に撮影された個人的なスナップも収録。
赤い糸 | 米澤純子
写真家・米澤純子による作品集。アパートの玄関先に掛けられた赤と白の傘、朽ちた花、女性のポートレートなど、日常の断片を静謐な視点でとらえている。懐かしさや哀しみを湛えた風景は、個人的記憶と普遍的な感情が交錯する場を示しており、見る者の心に静かに語りかけてくる。
Dark Decor
1992年にDePree Art Centerほか全米で開催された展覧会の図録。装飾的・オーナメンタルなパターンに関心を寄せる14名のアーティストによる、絵画、写真、版画、インスタレーション、ミクストメディア作品26点を収録している。エレン・キャリー、ギルバート&ジョージ、スーザン・ヒラー、デヴィッド・ウォジナロウィッツらが参加。
ダミアン・ハースト 桜 Damien Hirst: Cherry Blossoms
2022年、国立新美術館で開催された展覧会にあわせて刊行された図録。イギリスを代表する現代アーティスト、ダミアン・ハーストが手がけた『桜』シリーズを収録。モネやピサロら印象派の伝統を想起させながらも、アクション・ペインティングの要素を取り込み、厚く塗り重ねられた絵具がキャンバス全体に華やぎと動勢を与える。作品図版に加え、制作背景やコンセプトを解説するテキストも収録。
花日記 | 白洲正子
随筆家・白洲正子によるフォトエッセイ集。春夏秋冬の四季に合わせた生け花と骨董の器を、美しい写真とともに紹介し、それらにまつわる随筆33篇を収録する。花の姿や器の趣を通じて、季節の移ろいと日本的な美意識を描き出す構成となっており、写真と文章が響き合いながら、白洲正子の感性と美学を鮮やかに伝えている。
パステル・ワーク ペーター佐藤作品集
日本のイラストレーター、ペーター佐藤の作品集。ミスタードーナツのパッケージやパルコのポスターをはじめ、商業デザインの分野で広く知られる作品を多数収録している。パステルとエアブラシを駆使した独自の技法により、柔らかな質感と繊細な色彩で描かれる人物像は、子どもや女性から太宰治、モーツァルトといった著名人まで多岐にわたる。
Janfamily: Plans for Other Days
若手アーティストによるコレクティブ、Janfamily(ヤンファミリー)の活動と思考をまとめた一冊。身の回りの環境や日常の習慣を見つめ直し、そこに別の選択肢や過ごし方を提案する姿勢が、ユーモアを交えて紹介。「昨日と同じことをしない方法」「困難をやわらかく受け止めるには」といった問いかけを通して、見過ごされがちな日常の感覚を呼び戻し、世界との新しい関わり方を想像させる内容となっている。
工芸青花 18号
青花の会が発行する工芸誌『工芸青花』第18号。川瀬敏郎による花会「無窮」をはじめ、古道具坂田とmuseum as it isの取り組み、ボイマンス美術館の西洋工芸コレクション、杉謙太郎の器と花を特集。花、器、古道具、西洋工芸を横断しながら、用と美の関係を静かに掘り下げている。巻頭にはハタノワタルの手漉和紙を貼付。限定1000部発行。
工芸青花 21号
青花の会が発行する工芸誌『工芸青花』第21号。フランス・オーベルニュ地方のロマネスク建築をめぐる視点、川瀬敏郎の花に通底する記憶、そして我谷盆の成り立ちと工芸的価値に光を当てる。工芸・美術・思想を横断する論考と図版によって、手仕事と文化の深層に静かに迫る内容。巻頭には望月通陽による型染絵を貼付。限定1200部発行。
Cabinet of Wonders: The Gaston-Louis Vuitton Collection
ルイ・ヴィトン3代目オーナー、ガストン=ルイ・ヴィトンの蒐集品を紹介するビジュアルブック。アンティークのトランクや旅行用品、錠前やエスカッション、香水瓶、書籍、ラベル、さらにアフリカの仮面や子供用のヴィンテージ玩具まで、多岐にわたるコレクションを収録している。洗練された審美眼と好奇心が映し出す「知のキャビネット」を、フルカラーの図版で余すところなく伝える。
I Want to Spend the Rest of My Life Everywhere… コンパクト版 | Damien Hirst
イギリスの現代美術家ダミアン・ハーストの活動を俯瞰する作品集。テキストとビジュアルを自在に行き来しながら、ハースト自身の思考や強迫観念、ユーモアや死生観を断片的に編み上げた一冊となっている。ドローイング、写真、言葉、タイポグラフィ、ポップアップなど多様な表現が重なり合い、ページごとに異なるリズムと視覚体験を生み出す構成が特徴。小説家 ゴードン・バーン によるエッセイも収録され、ハーストの仕事が美術界に与えた影響を読み解く視点を添えている。
The Shepherd | Yoshie Tominaga
写真家・富永よしえによる写真集。ファッションブランド・UNDERCOVERが初めてパリ・コレクションに参加した2002年から2006年までの5年間を記録している。デザイナー・高橋盾とスタッフたちの制作風景、コレクション本番の緊張感、バックステージでの素顔などを、主にモノクロ写真で捉えた内容。10回にわたるコレクションで撮影された膨大なフィルムの中から、富永自身がセレクトして構成している。
Out of the Box: The Rise of Sneaker Culture
スニーカー文化の歩みを総覧する資料集。19世紀半ばの初期の競技用シューズから、スポーツテクノロジーの進化、そして現代のカルチャーアイコンに至るまで、約200年にわたるスニーカーの歴史を紹介している。主要ブランドのアーカイブや個人コレクションから集められた名作・試作品を豊富な図版で収録。1860年代のスパイク付きランニングシューズ、1930年代のトラックシューズ、エア・ジョーダンやエアフォース1といった名作、さらに現代アーティストやデザイナーによるスニーカーまで幅広く網羅する。
Richter 858 | Gerhard Richter
現代ドイツを代表するアーティスト、ゲルハルト・リヒターの連作〈858〉を中心に収録した大判作品集。8点の抽象画を軸に、40点を超えるディテールを拡大掲載し、見開きのパノラマ形式でその質感を体感できる構成となっている。さらに、ミュージシャンのビル・フリゼールが本作に着想を得て制作した即興音楽を収録したCDを付属。巻末ポケットにはプリントも収められ、音楽や詩人・批評家の言葉とともに、絵画、音、言葉が響き合う世界を提示している。
HANA | Yasuhiro Ishimoto
日米を行き来しながら独自の写真表現を切り拓いた写真家、石元泰博による花を主題とした作品集。建築的な構成感覚に裏打ちされたシャープな視線で、花のかたちや輪郭、光と影の関係を捉えている。被写体としての「花」を情緒的に扱うのではなく、造形として冷静に見つめる姿勢が貫かれており、自然物の中に潜む構造やリズムが際立つ。石元泰博の写真思想と形式感覚が端的に表れた一冊。
NAKAJOOO 印刷された仲條
グラフィックデザイナー・仲條正義のビジュアルブック。資生堂『花椿』をはじめ、日本のデザイン界に多大な影響を与えた仲條の斬新なグラフィックワークを中心に構成され、ページごとに展開される実験的なレイアウトや造形表現により、創作思想と造形感覚を視覚的に追体験できる。ロングインタビューも収録。編集は後藤繁雄、装丁は葛西薫によるもの。
Andreas Uebele: Material 英語版
ドイツのグラフィックデザイナー、アンドレアス・ウーベレの作品集。建築を学んだ経歴を背景に、ライヒスタークのグラフィックやヴィトラ・キャンパスのサイン計画など、構造的で明快なデザインを数多く手がけてきた。本書では、ウーベレによる85のプロジェクトを、制作の出発点となった「素材」という視点から紹介。書体やサイン、印刷物に加え、マシュー・カーター、エイドリアン・フルティガー、マッシモ・ヴィニェッリ、ヘルマン・ツァップら協働者の仕事も交えながら、軽やかさと明瞭さを併せ持つウーベレのデザイン思考を伝えている。
Eating With The Eyes | Harry Pearce
グラフィックデザイナーであり〈ペンタグラム〉のパートナーとしても知られるハリー・ピアースによる写真集。幼少期に父から贈られたペンタックスを手にして以来、偶然の瞬間や人為的な痕跡、風景の中の小さな違和感を丹念に記録してきたピアースが、世界各地で10年以上にわたり撮りためた写真をまとめている。悲哀やユーモア、詩情が交錯するイメージの連なりは、日常に潜むリズムと人間の営みを静かに映し出す。