ORIGIN | 三好耕三
写真家・三好耕三の初期作品集。1972年から1982年の間に撮影された、未発表作も含む31点のモノクロ図版で構成され、三好が大型フォーマットのカメラを用いる前の「原点」となる時期の表現を収めている。素朴でありながら緻密な観察眼により、日常や風景を静謐に捉えた作品群は、後の作風の基盤を示す。700部限定刊行。
Marc Newson
2007年にガゴシアンギャラリーで開催された展覧会の公式図録。椅子やテーブル、棚など25点の限定制作作品を通して、素材と技法を大胆に横断するニューソンの革新的なデザインアプローチを紹介する。大理石やニッケルといった多様な素材を用い、継ぎ目のない単一構造で生み出される作品は、極めて高度な技術と造形美を備えている。さらに、ガゴシアンのディレクター、ルイーズ・ネリとの対談を収録し、デザインにおける芸術性と限定生産についての思考にも迫る。
Chair Anatomy: Design and Construction
椅子という身近な家具を、構造やつくり方の視点から読み解くデザイン資料集。50点以上の名作を取り上げ、部材を分解することで、パーツがどのように設計され、組み合わされているのかを紹介している。素材の違いが使い心地や印象にどう影響するのか、強度と美しさをどう両立させているのかといった点にも目を向ける。完成した姿だけでは見えにくい、構造や工夫を具体的に伝えている。
BIG: Bjarke Ingels Group Projects 2001-2010
デンマーク・コペンハーゲンを拠点とする建築集団、BIG(Bjarke Ingels Group)による作品集。「想像力を解放する建築」を理念に掲げ、住宅、オフィス、商業施設、レジャー空間など多様な要素を横断しながら、新しい都市と建築の関係を構築している。2001年から2010年にかけて手がけた40件を超えるプロジェクトを収録し、「8 House」「Expo 2010 デンマーク館」など代表作を豊富な図版とともに紹介。
Banana Republic Guide to Travel & Safari Clothing
旅や冒険を着想源とした服作りで知られるブランド、バナナ・リパブリックの創業者メル&パトリシア・ジーグラーによる、旅行とサファリ服の魅力を詰め込んだガイドブック。サファリジャケットやピスヘルメット、ブッシュベスト、カリブシャツやフィッシャーマンセーターなど、耐久性とクラシックなデザインを誇る服の歴史や着こなしを、300点以上のイラストや写真とともに紹介する。
煙と水蒸気 | 公文健太郎
写真家・公文健太郎が父から譲り受けた古いカメラを手に、2023年の1年間に撮影した写真を収めた作品集。思い通りに扱えないカメラと向き合いながら写し取られた日常や旅の風景は、時間や記憶、父との関係性を静かに映し出す。捉えどころのないイメージが連なり、見る者を個人的でありながら普遍的な感覚へと導く一冊。限定700部刊行。
Martin Parr: Kleingaertner
写真家マーティン・パーによる作品集。ドイツに根づくクラインガルテン(市民農園)文化を主題に、デュッセルドルフとクレーフェルトの複数の農園で出会った人々を撮影している。十代で家族の畑を切り盛りする少年、共同で区画を使う若い家族、サボテン栽培に情熱を注ぐ人物やトマト作りに没頭する女性など、個性豊かな姿が並ぶ。
Damien Hirst
2012年にテート・モダンで開催されたダミアン・ハーストの回顧展にあわせて刊行された図録。1960年代後半に英国美術界に登場して以来、インスタレーション、絵画、彫刻など多彩な表現を通じて、芸術と科学、大衆文化の境界に挑み続けてきたハーストの約25年にわたる制作活動を包括的に紹介する。アン・ギャラガーによる序文、ニコラス・セロタのインタビューをはじめ、複数のキュレーターや批評家による論考を収録。
A Book of Things | Jasper Morrison
プロダクトデザイナー、ジャスパー・モリソンが手がけてきた家具や日用品、キッチンツール、家電、公共プロダクトまで、多岐にわたるデザインをまとめた作品集。各プロジェクトには制作の背景やスケッチ、協働したメーカーや職人との関係性が添えられ、いかにして「スーパーノーマル」と称される独自の造形思想が形成されてきたかを丁寧に追っている。過度な装飾を排し、使い手の生活に静かに馴染む形を探り続けてきたモリソンの姿勢をうかがい知ることができる一冊。
Minimum | John Pawson
ミニマルな美学で知られる建築家、ジョン・ポーソンの作品集。コンパクトサイズ版。要素や細部を本質まで削ぎ落とすことで生まれる簡潔さを軸に、建築、美術、デザインの領域を横断して思考が展開される。先史時代の建築から、ル・コルビュジエ や ミース・ファン・デル・ローエ、ドナルド・ジャッド、ロバート・メイプルソープ、ビル・ブラント まで、時代と地域を超えた事例を収録。
The Absence of Two | 吉田亮人
写真家・吉田亮人が、祖母と従兄弟の日常を長年にわたり記録した写真集。宮崎県の田舎町で共に暮らす2人のささやかな時間は、互いの支えとなりながら静かに流れていく。しかし従兄弟の突然の不在が訪れ、その存在のかけがえのなさと喪失感が写真を通して浮かび上がる。日常の細部に宿る温もりと、失われた時間への思いを繊細に写し取った作品群は、観る者に深い余韻を残す。
夕張 | 風間健介
写真家・風間健介による作品集。北海道・夕張市の炭鉱町とその周辺を、モノクロ写真で継続的に記録したもの。炭鉱施設の遺構や、時間の経過が刻まれた町並みを丹念に追い、日常と歴史が折り重なる風景をとらえている。栄華と衰退を経た土地に残る人々の気配や痕跡に向き合いながら、地方都市が抱える記憶と現在の姿を静かに見つめている。
雪の刻 | 中井菜央
写真家・中井菜央が2015年から撮影を続けてきた、新潟県津南町と周辺の豪雪地帯を写した作品集。毎冬長期にわたり現地に滞在し、重く湿度を含んだ雪が形づくる風景や、雪とともに暮らす人々の姿をカラーで収録している。雪の落下や水の気配、森や地層に残る記憶など、土地が内包する時間の層に目を向けながら、現在の光景と積み重ねられてきた営みを重ね合わせていく。
Olafur Eliasson | Modern Artists Series
テート・パブリッシングによる「Modern Artists」シリーズの一冊。光、鏡、水といった素材を用い、建築や風景と結びついた空間表現を展開してきたオラファー・エリアソンの仕事を紹介している。テート・モダンのタービン・ホールで発表された「The Weather Project」をはじめ、写真、インスタレーション、屋外プロジェクト、映像、建築やデザインとの協働まで、幅広い活動を100点以上のカラー図版で収録。
ルーシー・リーの陶磁器たち
ウィーン出身の陶芸家、ルーシー・リーによる作品集。端正なフォルムと繊細な釉薬の色彩で知られるリーの代表作を収録し、あわせて自筆による釉薬レシピを掲載している。原材料の比率や調合方法など、制作の背景を具体的に解説し、作品の美しさの背後にある緻密な研究と探究心を伝える構成。感覚と理性が交錯するリーの創作の核心を、技法と造形の両面から紐解いている。
Japanese Design
日本各地で活動する約20の建築・デザインスタジオによる、50以上のプロジェクトを収録したデザインブック。店舗やレストラン、住宅、オフィス、博物館などをカテゴリー別に整理し、写真と図版を中心に空間づくりの考え方を紹介。日本の社会と生活様式を映し出すプロジェクト群を通じ、伝統と現代性が融合する日本デザインの魅力を俯瞰できる一冊。
西洋美術書誌考 | 西野嘉章
美術史学者・西野嘉章による評論集。16世紀初頭からフランス革命前までの西洋美術書を対象に、著者や内容、印刷技術、造本の実態を丹念に検証している。芸術家や批評家、作家たちがどのような書物に触れ、その知がいかに流通してきたのかをたどりながら、芸術と技術の継承のあり方を読み解く。カラー図版107点を交え、「美術書」という媒体が果たしてきた役割と、書物と美術の関係を明らかにしている。
話の話 ロシア・アニメーションの巨匠 ノルシュテイン&ヤールブソア
2010年に開催された展覧会にあわせて刊行された図録。ユーリー・ノルシュテインが監督を務めた8本のアニメーション作品を軸に、妻である美術監督フランチェスカ・ヤールブソワとの共同制作の過程を紹介している。「話の話」「霧の中のハリネズミ」をはじめ、絵コンテ、原画、エスキース、マルチプレーン技法を再現したマケットなどを多数収録。切り絵と多層構造によって生み出される独自の映像空間と、記憶や経験に根ざした詩的な表現を通じて、夫妻の創作思想とアニメーション史における位置づけに迫っている。
フラーニャと私 | ユーリー・ノルシュテイン
「キツネとウサギ」「霧の中のハリネズミ」「話の話」などで知られるロシアのアニメーション作家、ユーリー・ノルシュテインによる画文集。素描や油彩、写真を織り交ぜながら、作品制作にまつわる記憶や思考、叔父フラーニャとの思い出が綴られている。アニメーション表現の背後にある個人的な感情や経験に触れ、作家の内面と創作の源泉を読み解いている。
William Eggleston Portraits
アメリカの写真家、ウィリアム・エグルストンによるポートレート作品集。日常の中で出会った人々を撮影した写真を中心に構成されている。初期の「ロス・アラモス」シリーズに含まれる初のカラーフォトグラフをはじめ、長年にわたる活動から選ばれた代表作と未発表作を収録。故郷テネシーでの人物像、1970年代メンフィスの音楽シーン、アーティストや友人、家族、名の知られた人物まで、被写体は多岐にわたる。
Redheads ペーパーバック版 | Joel Meyerowitz
写真家ジョエル・マイヤーウィッツによる作品集。1978年からケープコッドで撮影された、赤毛の人物たちのポートレートをまとめている。青い背景と赤毛の色の対比が印象的で、カラー写真に向き合ってきた作家の視点が自然に伝わってくる。被写体に呼びかけながら集められた写真には、外見の共通点を超えて、それぞれの経験や時間がにじみ出ている。
東松照明と沖縄 太陽へのラブレター
2011年に沖縄県立博物館・美術館で開催された展覧会の図録。戦後日本を代表する写真家、東松照明が40年以上にわたり沖縄に向け続けた眼差しをたどる内容となっている。初期の代表的シリーズから、沖縄の風土や人々を捉えた作品群、そして2011年に撮影された最新作まで、カラー・モノクロを交えた240点を収録。沖縄の写真家たちに多大な影響を与えた東松の軌跡を展観するとともに、変わりゆく沖縄の姿を記録した貴重な記録集。
NAGA | 津田直
写真家・津田直による作品集。ミャンマー北部ザガイン管区の山岳地帯に暮らすナガ族の人々と、その土地の風土を撮影したシリーズを収録している。前作『SAMELAND』に続くフィールドワークから生まれた第二作で、密林の山道、竹で編まれた住居、入れ墨や民族衣装、儀式の場面など、生活と信仰が密接に結びついた光景が写し取られている。狩猟採集を基盤とした暮らしや、近代化とキリスト教文化の流入による変化にも目を向けながら、個と集団、過去と現在が交差する土地の記憶をたどる。
Views | Andrea Garuti
イタリア出身の写真家アンドレア・ガルーティによる作品集。ファッションや広告の分野で活動する一方、作家としては現代都市の風景に強く惹かれ、世界各地の大都市を撮影してきた。建築、看板、人の流れ、群衆と孤立した個人といった要素が重なり合う都市の表情を、粒子の荒さを残した控えめな色調でとらえている。モスクワ、香港、パリ、上海などで切り取られた場面は風景写真の枠を越え、現代都市の空気と人間の営みを鋭く映し出している。
ROMANTICO | 伊藤大輔
写真家・伊藤大輔がリオデジャネイロやメキシコシティ、キューバなどラテンアメリカの都市で撮影した作品を収めた作品集。都市の住人やボクサー、娼婦などの日常を鮮やかに切り取り、劇的で情熱的な光景をカメラに収めている。タイトルの示す「ロマンチック」な瞬間と、現実の生活のリアルな息遣いが共存する写真群は単なる記録を超え、人々の生きざまや地域の空気を伝える。
The Englishman who Posted Himself and Other Curious Objects
20世紀初頭のイギリスで活動した、風変わりな郵便愛好家W・レジナルド・ブレイの生涯を紹介する一冊。会計士として暮らすかたわら、郵便規則を読み込み、包まずに物を送る実験を重ねた。野菜や帽子、道具類から犬、さらには自分自身までを郵送した逸話を通じ、制度の枠内で遊ぶ発想と行為が描かれている。やがて彼の関心は珍品から署名収集へと移り、数千点の署名を郵送で集めた。3万件以上の郵便を通じて残した作品と収集の記録を、豊富なイラストとともに紹介。
ブルーノ・ムナーリ展
2001年に小海町高原美術館で開催された展覧会に際して刊行された図録。イタリアのアーティスト・デザイナー、ブルーノ・ムナーリの絵本、オブジェ、遊具、グラフィックデザインなど、多岐にわたる創作活動を紹介。作品の写真と解説を通じて、ムナーリが探求した遊び心と実験精神、形と色の自由な表現を読み解くことができる。
Bacon Ice Cream | 奥山由之
2011年に第34回写真新世紀優秀賞を受賞し、大学在学中に鮮烈なデビューを果たした奥山由之による作品集。自由で挑戦的な表現方法で独自の世界観を展開し、近年の写真界を牽引する存在として注目を集めてきた。デビューから現在に至るまでの活動を振り返り、作品からクライアントワークまでジャンルを横断して構成。瑞々しい感性と実験的なアプローチが織りなす軌跡を一望できる。
Derek Jarman’s Garden
イギリスの映画監督デレク・ジャーマンが晩年を過ごした庭を写した写真集。舞台はイングランド南東部ダンジネスの荒涼とした海辺で、背後には原子力発電所がそびえる不毛の地にある。流木や石、野の花を用いて自らの手で築いた庭園は、過酷な環境にあって静謐な美を放つ。本書は友人である写真家ハワード・スーリーの撮影により、その形成の過程と四季折々の姿を記録している。
Yes オノ・ヨーコ展 ソフトカバー版
2003年から2004年にかけて東京都現代美術館ほか全国各地で開催された展覧会の図録。オノ・ヨーコが1950年代以降に展開してきた創作活動を、東京で本格的に紹介した回顧的な内容となっている。1960年代の言葉を用いた作品や社会へ向けたメッセージ性の強いプロジェクトを起点に、オブジェ、写真、映像、インスタレーションなど約130点を収録。
写真展 ヘルムート・ニュートン ポートレート
1989年に東京都庭園美術館をはじめ全国各地で開催された「ヘルムート・ニュートン ポートレート」展の図録。20世紀後半のファッション写真界を代表する写真家、ヘルムート・ニュートンによるポートレート作品126点を収録している。モデルや著名人を被写体に、官能性と緊張感を孕んだ構図と大胆な演出で知られるニュートンの美学を余すところなく紹介。
ロバート・メイプルソープ展
1992年から1993年にかけて東京都庭園美術館をはじめ全国各地で開催された展覧会の公式図録。アメリカの写真家、ロバート・メイプルソープの日本初の本格的回顧展として企画されたもので、代表的なポートレートやヌード、花や彫刻などの静物作品など、およそ170点をカラーおよびモノクロ図版で収録。形式の厳格さと官能性が共存する作風を通じて、メイプルソープの美学と写真表現の核心に迫っている。
Jonathan Borofsky
アメリカの現代美術家、ジョナサン・ボロフスキーの制作を総覧する作品集。彫刻、絵画、ドローイング、インスタレーションなど多様な表現を、カラー・モノクロ図版250点以上で収録している。反復する行為や巨大な人型彫刻「ハンマリング・マン」に象徴される試みを通じ、時間や秩序、個人と社会の関係性がどのように形づくられてきたかをたどる。
バウハウス 1919-1933 | マグダレーナ・ドロステ
20世紀初頭のドイツで創設され、芸術と工芸、デザイン、建築の統合を目指した革新的教育機関バウハウス。その創立から終焉までの歩みをたどる資料集。組織の成り立ちや発展の過程を、バウハウス資料館所蔵の写真や図版など豊富な資料とともに紹介する。教育方針や主要メンバー、代表的な作品やプロジェクトを網羅し、その歴史的意義を多角的に解説。
北大路魯山人 古典復興 現代陶芸をひらく
2019年に開催された巡回展にあわせて刊行された展覧会図録。名料亭・八勝館所蔵品や世田谷美術館の塩田コレクションを中心に、北大路魯山人の陶芸作品を紹介している。中国陶磁や朝鮮陶磁、桃山陶、日本陶磁といった古典への深い眼差しを起点に、皿、茶碗、壺などの代表作を体系的に収録。同時代に活躍した陶芸家たちの作品も併載し、魯山人の試みが周囲に与えた影響にも目を向けている。
Katsuhiko Hibino 日比野克彦作品集
現代美術家・日比野克彦の作品集。1980年代初頭のダンボール・ワークスから、オムロンの電飾看板、隅田川沿岸の壁画、舞台美術、空間構成、プロダクトデザイン、パフォーマンスに至るまで、全仕事370余点をカラー図版と解説で収録している。メディアや公共空間を横断し続けた実践は、80〜90年代の日本社会と視覚文化の関係を映し出している。
にっぽんのえ 2 加山又造 vs. 長岡秀星
小学館発行の「にっぽんのえ」シリーズ第2号。日本画家・加山又造と、イラストレーターとしても知られる画家・長岡秀星を対比的に取り上げている。表紙・裏表紙を使い分けた両A面構成で、それぞれの代表作をカラーおよびモノクロ図版で紹介。制作姿勢や表現への考えに触れるインタビューやアンケートも収録され、異なる領域で展開された二人の造形と思考を並置することで、日本絵画の広がりと同時代性に迫っている。
にっぽんのえ 3 日比野克彦 vs. 中村幸子
小学館発行の「にっぽんのえ」シリーズ第3号。美術家・日比野克彦と、イラストレーター・中村幸子という異なる領域で活動する二人を、両A面構成で対比的に紹介している。ダンボールを用いた作品やオブジェ、ポスター、広告、イラストレーションなど多様な仕事を図版で収録し、インタビューや「7つの質問」を通して制作の背景や思考にも触れる構成。
Letters from The People Author | Lee Friedlander
アメリカ写真を代表する写真家、リー・フリードランダーによるコンセプチュアルな写真集。1960年代以降、都市空間に潜む構造や視線のずれを独自の方法で捉えてきたフリードランダーが、本書では標識や広告、落書き、貼り紙など、街に散在する文字に目を向けている。これらを「人々からの手紙」と見立て、単独の一文字から文章まで、意味や調子の異なる言葉をウィットの効いた構図で撮影。
The First Six Books of the Elements of Euclid | Oliver Byrne
数学書の古典『ユークリッド原論』1〜6巻を、19世紀の数学者・技術者オリヴァー・バーンが再構成した幾何学書。文字記号の代わりに赤・黄・青・黒の色彩図形を用い、定理や命題を視覚的に示すことで理解を助けようとする試みがなされている。学習書としての実験性に加え、その大胆な配色と造形は、後のモダンデザインを思わせる視覚表現としても評価が高い。数学とデザイン、教育と印刷文化が交差する地点に位置づけられる一冊。
デザイン 柳宗理の作品と考え
インダストリアルデザイナー、柳宗理の初の作品集。食器や家具、建築物などのプロダクトをモノクロ・カラー図版で多数収録するとともに、デザインに対する思考を綴ったエッセイ「デザイン考」を併載。構成や装本を柳自身が手がけ、本そのものもひとつのデザインとして組み立てられている。序文にはシャルロット・ペリアンによるテキストを収録。
Gioco dell’amore e del caso | Paul Cox
フランスを拠点に活動するアーティスト、ポール・コックスによるカードゲーム作品。展覧会にあわせて制作された限定品で、名前・動詞・副詞が記された三角形のピース100枚を使い、言葉を組み合わせて文章をつくっていく。各ピースには地図のような道の絵が描かれ、つなげることで視覚的な展開も生まれる。限定100部発行。
The Mad Broom of Life | 高橋恭司
写真家・高橋恭司による作品集。1991年から1993年にかけて、DEARDORFF 8×10を携え、ニューヨーク、東京、アルメニア、ジョージアなど各地で撮影された写真を収録。演出を排し、現実の場に身を置くことでしか得られない光景を、大判カメラの精度で写し取っている。世界の断片を連ねながら、同時代の空気と人間のあり方を正面から見つめた1冊。
Swimming Pool | マーリア・シュヴァルボヴァー
スロヴァキア出身の写真家、マーリア・シュヴァルボヴァーの写真集、日本語版。各国で賞賛を浴びたデビュー作。凍りついたような人物たちが、どこか夢の中のようなプール施設のなかで佇む様子を写し取ったシリーズを収録。空間や色彩、雰囲気に重点を置き、未来的でありながら同時に懐かしさも感じさせる氏のスタイルが表れている。