2016年ももうすぐ終わり……。あっという間に2020年がやってくることでしょう。来る東京オリンピックに胸が高鳴ります。
13年競泳に打ち込み続け、現役時代はオリンピックの競技中継を録画してはフォーム改善の参考にと見直したものです。鍛えすぎで磨きのかかったいかり肩を「冷蔵庫みたい」なんて言われたこともありました。でも、それも勲章だと思ってた。
そんなわけで競技も楽しみなのですが、国の先進技術を披露する場でもあるオリンピック。これだけ多くのデザイン本に囲まれていると、デザインにも興味を持たずにはいられません。
今回は、いまなお輝く不朽の名作を作り上げた2人のデザイナーの仕事から、オリンピックでの中で展開されるデザインを見てみたいと思います。
亀倉雄策:1964年 東京オリンピック(日本)
象徴を形にするロゴマーク
オリンピックで一番頻繁に使われるのが、このロゴマーク。一時期話題になったことからも関心を持った方が多いのではないでしょうか?オリンピックでは、開催される国や都市のイメージをロゴマークにに込めることが多いようです。
連日の熱闘に期待高まるイベントポスター
オリンピックそのもののイメージを伝えるポスターのデザイン。


『亀倉雄策のデザイン』では、これらオリンピックでの仕事をはじめ、亀倉雄策の仕事を一挙に見ることができます。
亀倉雄策のデザイン
- 著者
- 亀倉雄策
- 出版社
- 六耀社
- 発行年
- 1983年
日本を代表するデザイナー/亀倉雄策の作品集。東京オリンピックのポスターシリーズ、Nikonのポスター/パッケージデザインなどの代表作はもちろんのこと、ロゴワークや装丁なども収録。

グラフィックデザイナー・亀倉雄策へ捧げる、43人のデザイナーによるトリビュート作品集。田中一光、永井一正、福田繁雄らが亀倉氏をオマージュ作品と追悼文を掲載。
オトル・アイヒャー:1972年 ミュンヘンオリンピック(ドイツ)
競技イベントポスター
ドイツのデザイナー、オトル・アイヒャー率いるデザインチームが手がけた各競技のイベントポスター。元の写真の色をそれぞれ3〜5色程度へ変換しています。色の変化が少ないぶん、躍動感がストレートに伝わり、選手たちが静かな闘志を湛えている印象。



スタッフのユニフォーム
テレビ中継でもたびたび映り込むため、注目されるスタッフのユニフォーム。イベントのイメージを保つという大切な役割を果たします。

会場周辺地図
交通網と競技場の場所を図式的に表した地図もデザイナーの仕事。
専門広報誌・競技結果報告書
各協議の出場選手と関係者が使用する専門広報誌(小)。出場選手それぞれのイベントの日程と場所を示し、持ち運びやすいようハンドブック形式になっていたそうな。競技の結果を記録する文献(大)もデザインしていたそうです。一般にはなかなかお目にかかれそうにありませんが、かっこいい表紙。

世界中の誰もがわかるサイン「ピクトグラム」
丸や直線など同じ要素を、システマチックに組み合わせて作る「ピクトグラム」。明瞭で、効率的で、統一性もある素晴らしいグラフィック。1964年の東京オリンピックに併せ、日本のグラフィックデザイナー・勝見勝が考案してはいましたが、ミュンヘンオリンピックでアイヒャーがより洗練したピクトグラムを発表しました。



Otl Aicher
- 著者
- Markus Rathgeb
- 出版社
- Phaidon
- 発行年
- 2007年
グラフィックデザイナー、タイポグラファー/オトル・アイヒャーの作品集。ミュンヘン五輪の公式デザイン、Rotisフォントのデザイン、また現在では広く使われているピクトグラムの考案など、代表的な作品を収録。
亀倉雄策が世界中のトレードマークとシンボルを編纂。ソール・バス、オトル・アイヒャー、アーミン・ホフマンをはじめとする各国のデザイナーが手がけた700点以上の作品を掲載。