ジャスパー・モリソンのデザイン
ロンドン出身のプロダクトデザイナー、ジャスパー・モリソンが自ら商品誕生のプロセスを語った作品集。「スーパーノーマル」というデザイン理念を掲げ、単にシンプルではないナチュラルなデザインを発信し続ける氏の仕事へのアプローチ方法、もののふさわしいあり方を知ることができる一冊。氏の作品を年代順で多数掲載するとともに、プロダクトデザイナーの深澤直人によるエッセイも併せて収録。
L’illusion du Tranquille | Francois Deladerriere
フランソワ・ドラデルリエールによる作品集。朽ちた赤い車、ネオンに照らされた階段、山中の廃墟、崩れた岩壁、無人のダンスホールなど、人の痕跡だけが残る風景を静かにとらえている。見慣れたはずの情景がわずかな違和感を帯び、現実がゆるやかにねじれるような感覚を呼び起こす構成。添えられたテキストは、馴染んだ風景が不穏な静けさへと変化する心の揺らぎを示し、写真が内面の感覚に触れる瞬間を示唆している。
Rasclose | Geoffroy Mathieu
現代写真の普及と創作を支援するLumière d’Encreによるプロジェクトシリーズ。マルセイユを拠点に活動する写真家、Geoffroy Mathieuによる作品集。2012年の2月から9月にかけてピレネー・オリエンタルの沿岸河川にて撮影。緑の中の水路、ウォータースライダー、羊の群れ、巨大な岩石など、広大な自然の中と人工物の現状の姿が収められている。フランス語表記。
Frank Lloyd Wright
近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライトによる作品集。プレーリースタイル(草原様式)の住宅からニューヨークのグッゲンハイム美術館まで、自然と人間の調和を重視した多彩な作品を紹介。ユニティ・テンプル、ダーウィン D.マーティン邸、落水荘など代表作を収録し、ライト建築の革新性と美学を堪能できる一冊。
世界の椅子
世界各国(イタリア、フランス、スイス、北欧、アメリカ、日本など)の代表的な名作椅子を一冊にまとめたデザイン資料集。カッシーナ、トーネット、アルテック、フリッツ・ハンセン、ハーマンミラー、天童木工など主要ブランドを網羅し、ソファからダイニングチェア、スツールまで約800点を掲載。ブランド名、デザイナー、作品解説、サイズも明記、椅子の源流としてその歴史や、アートとしての椅子についての論考も収録。椅子デザイン史の理解を深化させる内容となっている。
トーネットとウィーンデザイン 1859-1930
ウィーンのデサインの歴史とともに、現存する世界最古の家具ブランド、THONET(トーネット)を創業した家具職人、ミヒャエル・トーネットの技術革新を再検証する。曲木椅子の大量生産システムが近代デザイン史に深い影響を刻んだその軌跡を辿る。「トーネットの曲木椅子」「ウィーンデザインの底流」「空間を見つめた時代」と3つの構成で図版とともに解説する。当時のデザイン運動がどのように芽吹き、デザイン思想を変容させたかを紐解いていく。
東京観音 | 荒木経惟、杉浦日向子
東京各地の観音さまや石仏を写真家の荒木経惟と漫画家、江戸風俗研究家、エッセイストの杉浦日向子が巡る写真集。殺伐とした都市の中で、ときに妖艶に、ときに慎み深く見守る姿を独自の視点で捉える。荒木家の墓や浅草・本郷の街並み、千手観音や六地蔵などの写真に加え、2人の短い対話も収録された一冊。
Best Dutch Book Designs 2018
オランダで毎年開催されるブックデザイン賞「Best Dutch Book Designs」の2018年版カタログ。応募総数295点から、内容構成、デザイン、写真編集、タイポグラフィ、素材選び、印刷、製本といった多角的な視点で選ばれた33冊を紹介している。オランダのブックデザインが持つ質の高さと実験精神を知ることができ、出版やデザイン分野に関心のある読者にとって貴重な資料。
Best Dutch Book Designs 2016
オランダの出版振興団体CPNBが主催する優れたブックデザイン年鑑の2016年版。読書文化の普及と書籍の質の向上を目的とする同団体が、文学、児童書、アートブック、写真集、ノンフィクションなど多彩な分野から選出した書籍を紹介。各見開きに表紙やページ写真、書誌情報、制作背景などを掲載し、造本・レイアウト・タイポグラフィにおける工夫を視覚的に伝えている。オランダ語、英語表記。
ルイス・カムフォート・ティファニーの世界
アメリカのアール・ヌーヴォーを代表するデザイナー、ルイス・カムフォート・ティファニーの創作を体系的に紹介する作品集。アンカーマン・コレクションから選ばれた作品を、ランプ、陶磁器、ジュエリー、金属工芸、家具、絵画など12の分野に分類し、多彩な活動を見渡せる構成となっている。自然を着想源とした色彩や造形、素材への探求がどのように結実したのかを読み取ることができる。デザイン史や工芸史の観点からも資料性の高い一冊
ホフマンとウィーン工房展
1996年に豊田市美術館、徳島県立近代美術館などを巡回した「ホフマンとウィーン工房展」の図録。ウィーン分離派の創立メンバー/ヨーゼフ・ホフマンと、氏が開設したウィーン工房によるプロダクトデザインの数々をカラー図版で紹介。また、同じくウィーン分離派のグスタフ・クリムトやエゴン・シーレといったホフマンを取り巻く芸術家たちの作品も収録し、同工房との関係性を考察する。
Ann Demeulemeester
ベルギーを代表するデザイナー、アン・ドゥムルメステールの創作を初めて包括的に紹介した作品集。1981年にアントワープ王立芸術アカデミーを卒業し、いわゆる「アントワープ・シックス」とともに世界のファッション史を更新した彼女は、パンクの精神を背景に1985年に自身のブランドを設立。反骨と詩情を併せ持つ独自の美学を築き、エレガントなテーラリングとダークでロマンティックな世界観で高く評価されてきた。本書では1000点以上の写真を通して、反骨と静けさが共存する彼女の美学と、衣服に宿る物語性をたどることができる。
Eiko Ishioka | 石岡瑛子 作品集
グラフィックから映画・舞台衣装まで、表現の境界を越えて活躍したデザイナー石岡瑛子の代表作をまとめた作品集。資生堂でのアートディレクションを経て独立し、パルコや角川書店の広告で注目を集めたのち、ニューヨークを拠点に国際的な活動へと展開した。マイルス・デイヴィス『TUTU』のジャケットや映画『落下の王国』『ドラキュラ』の衣装など、多彩な仕事をフルカラーで収録。アカデミー賞やグラミー賞をはじめ受賞歴も豊富で、独創的なヴィジュアル表現を貫いた石岡の軌跡を凝縮した一冊。
村野藤吾作品集 1975-1988
日本を代表する建築家、村野藤吾の作品集。1975年から1988年にかけて手がけた建築作品を収録している。西山記念会館、大阪ビルデング麴町、箱根プリンスホテル、谷村美術館、三養莊など、公共施設から観光ホテルまで、幅広いジャンルの主要作品29点を掲載。時代に即しながらも独自の美意識を貫いた造形や、繊細なディテールへのこだわりを図版とともに伝える内容となっている。
わび | 十文字美信
写真家・十文字美信が、日本文化の核心にある「わび」を多面的に捉えた作品集。5年にわたり撮影された177点のカラー写真には、雄大な自然、利休時代の茶道具や桃山期の名碗、さらには現代社会の片隅に潜む静けさまでが収められている。伝統文化の象徴と日常の風景が呼応し、時間を超えて続く「わび」の感性が浮かび上がる構成。千宗室(現・玄室)や伊藤俊治らによる随筆も収録され、茶の湯の美意識から美術史的視点、そして十文字自身のまなざしまで、多角的に「わび」を探る。
Gazing Ball | Jeff Koons
ジェフ・クーンズが2013年にニューヨークのDavid Zwirnerで発表した〈Gazing Ball〉シリーズを紹介する作品集。作家の故郷ペンシルベニアの郊外で見られる“ガーデンオーナメント”に着想を得た作品で、青い手吹きガラスの球体を中心に据え、ギリシャ・ローマ時代の名作彫刻や郵便受け、雪だるま型のディスプレイなど、さまざまな対象を白い石膏で再構成している。球体の鏡面には周囲の景色や鑑賞者が映り込み、歴史と日常、幻想と物質、量産文化と伝統的美のあいだに揺れる視覚体験が生まれる。
August Sander: 1876-1964
20世紀初頭のドイツ社会を、職業や階層ごとのポートレートによって記録した写真家アウグスト・ザンダーの代表的作品をまとめた一冊。煉瓦職人、猟場管理人、学生、役人、実業家、菓子屋の主人など、多様な立場の人々が匿名のまま登場し、衣服や道具、背景の風景が当時の生活を物語る貴重な資料。ザンダーは被写体を飾り立てるのではなく、静かな正面性と誠実な眼差しによって、その人の内面や時代の空気を写し取った。彼が構想した「二十世紀の人間」という壮大なプロジェクトの核となる作品群であり、素朴さと人間味が作品に深い緊張感を与えている。
アーヴィング・ペン 全仕事
1997年にシカゴ美術館で開催され、その後世界を巡回した大規模回顧展「Irving Penn: A Career in Photography」にあわせて刊行された日本語版カタログ。ファッション写真からポートレート、静物、民族誌的作品まで、50年以上に及ぶアーヴィング・ペンの多彩なキャリアを総合的に紹介。未発表作を含む約130点の作品に加え、作業表やテストプリントなど、通常の写真集では目にしにくい資料も掲載され、ペンの制作プロセスに触れられる。カラー/モノクロあわせて149点の図版が収録され、写真表現の可能性を広げたペンの歩みを丁寧に辿ることができる一冊。
assume vivid astro focus
アーティスト・コレクティブ、assume vivid astro focus(avaf)の初となる作品集。1994年の結成以来、ユニコーンのタペストリーや子ども用ステッカー、アルバムカバー、仏教絵画、グラフィティなど、多様な視覚要素を大胆に混在させた巨大インスタレーションで注目を集めてきた。鮮烈な色彩と祝祭的なエネルギーに満ちた空間は、70年代ディスコやブラジルのカーニバル、ウォーホルのファクトリーが交錯するような独自の世界観を築いている。
Love for Sale | Barbara Kruger
アメリカを代表するコンセプチュアル・アーティスト、バーバラ・クルーガーの作品を幅広く紹介する作品集。赤・白・黒の力強いタイポグラフィと象徴的な写真を組み合わせた表現で知られ、権力構造、ジェンダー、アイデンティティ、消費社会といったテーマを鋭く問いかけてきたクルーガーの思考を視覚的にたどる。初期のコラージュ作品から代表的なアプロプリエーション作品までを収録し、ポストモダン以降の芸術実践に大きな影響を与えてきたその表現の変遷を読み取ることができる一冊。
Imagica Screen Graffiti by Wada Makoto | 和田誠
イラストレーター、和田誠が映画の名作75本を描いたイラストレーション集。「街の灯」「風と共に去りぬ」「雨月物語」「スター・ウォーズ」「男はつらいよ」など、和田が独自の筆致で切り取った名場面の数々に、自身の映画エッセイを添えて収録。映像とイラストのあいだを往還するような構成で、映画への深い愛情とユーモアがにじむ一冊。映像制作会社IMAGICAのカレンダー企画をもとに、関係者向けの非売品として制作された。
Lucha Loco | Malcolm Venville
イギリスの写真家、マルコム・ヴェンヴィルがメキシコのプロレス「ルチャ・リブレ」の現役覆面レスラーたち128名を撮影した作品集。ルチャ・リブレ最大の特徴はレスラーたちが身にまとう仮面(マスク)とそれに込められたキャラクター性。本書はメキシコで観た試合に魅せられたヴェンヴィルが数週間にわたって現地に滞在し、レスラーたちを撮影した写真をまとめたもので、それぞれのレスラーのリングネームと、インタビューで語られた印象的な言葉が添えられている。英語、スペイン語表記。
The Travellers | Birte Kaufmann
アイルランドで現在も約2万5千人が暮らす「トラベラー」と呼ばれる移動型コミュニティを記録した、写真家ビルテ・カウフマンの作品集。電気や水道のない移動式住居で生活し、馬の育成や狩猟を生業としながら、独自の言語や伝統を守り続ける一方で、現代社会に適応しようとする複雑な姿が写し出されている。報道写真とドキュメンタリーが交差する静かなまなざしによって、外部からは見えにくい文化の内側に触れられる一冊。
Weegee's New York: Photographs 1935-1960
1930〜40年代のニューヨークを、犯罪現場から深夜の街角まで容赦なく切り取った写真家ウィージーの代表的写真集。大恐慌後の失業や貧困、マフィアの抗争、売春など、混乱と熱気が渦巻く時代の街を、圧倒的なスピードと執念で撮影したイメージが並ぶ。警察無線を自動車に積むことを唯一許された報道写真家として、事件現場に誰よりも早く駆けつけ、翌朝の新聞の一面を飾る写真を次々に生み出したウィージー。335点におよぶ写真には、緊張と生のエネルギーがそのまま刻まれ、時代のざわめきがいまも強く伝わってくる。
Matt Mahurin
イラストレーター、フォトグラファー、フィルムディレクターとして多彩に活動するアメリカのアーティスト、マット・マハリンによる写真作品集。アメリカ、フランス、ニカラグア、アイルランド、メキシコなどで撮影されたイメージが収録され、日常の一瞬が儀式のような密度を帯びて写し出されている。デジタル表現や映画制作を経験した後のマハリンが、写真というメディアの根源的な魅力を再び探ろうとする姿勢が感じられる。
Matt Mahurin: Photographs
イラストレーター、フォトグラファー、フィルムディレクターとして多彩に活動するアメリカのアーティスト、マット・マハリンによる初の写真作品集。強い陰影のコントラストを生かしたイメージが多く、半分夢の中にいるような不確かな感覚を呼び起こす世界が広がっている。テキサスの刑務所の内部、海面から影のように現れる犬、時間やスケールが曖昧に揺らぐ風景など、現実の中に潜む異質な気配を静かにすくい上げる。見る者を半覚醒の状態へ誘うような、独自の視覚世界を収めた一冊。限定3000部発行。
向秀男のアートディレクション
アートディレクター、向秀男が自身の仕事を体系的にまとめた作品集。企業広告からブランド構築、パッケージやカレンダーのデザインまで、多岐にわたる実践を豊富な図版とともに紹介している。アイデアの発想法、視覚的アイデンティティのつくり方、信頼性や親近感の演出、写真やイラストレーションの使い方、レイアウトの考え方など、広告のアートディレクションを構成する要素が様々な角度から語られている。
Architectones: Art in the Living Environment | Xavier Veilhan
パリを拠点に活動するアーティスト、グザヴィエ・ヴェイヤンが2012年から取り組んだプロジェクト〈Architectones〉をまとめたモノグラフ。ピエール・コーニッグ、リチャード・ノイトラ、ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエらが設計した建築を舞台に、彫刻や音、光、パフォーマンスを組み合わせたサイトスペシフィックな作品を展開したシリーズで、本書はその全貌を写真や図面、記録文とともに収めている。
Annie Leibovitz: Pilgrimage
アメリカの写真家アニー・リーボヴィッツによる作品集。自身が強い関心を抱いた対象を訪ね、撮影するという個人的なプロジェクトから生まれた1冊。詩人エミリー・ディキンソンの家、リンカーン記念堂の像を手がけた彫刻家ダニエル・チェスター・フレンチのアトリエ、アンセル・アダムスが撮影を続けたヨセミテ渓谷のトレイルなどを撮影対象としている。家や部屋のみならず、遺された物や自然風景にも視線を向け、ジョージア・オキーフ、エレノア・ルーズベルト、エルヴィス・プレスリーらゆかりの人物像をも浮かび上がらせている。
John Cohen: Walking in the Light | ジョン・コーエン
音楽や映像の分野でも知られるアメリカの写真家ジョン・コーエンが、1954年から1964年にかけて巡ったゴスペル音楽の世界を写し取った作品集。イースト・ニューヨークの黒人教会、ニューヘイブンの路上、盲目の牧師ゲイリー・デイヴィスの自宅、薄闇に包まれたボクシングジムや工業地帯など、さまざまな場所で人々の営みをモノクロームで捉えている。特にハーレムの小さな教会で撮影された礼拝の光景は、本作の中心となる場面で、音楽に導かれながら陶酔や祈りの時間へと没入していく人々の姿が鮮やかに浮かび上がる。
Heavens of Light Planet of Solitude | 澤寛
映像作家であり写真家の澤寛による作品集。2019年に恵比寿「AL」での展示にあわせて刊行され、東京のドラッグストアや夜の街、花や鉄骨、海外の墓地、抽象的なカットなど、多彩なモチーフが並ぶ。写し出されるのは、現実と非現実が触れ合う境界のような風景で、既視感と未知の気配が同時に漂う独特の空気が感じられる。幼少期の記憶に重なるような断片的な瞬間が連続し、鑑賞者の記憶や体験と響き合う構成。
America Goes to War... Swimming in the Afternoon… | Richard Prince
現代において最も革新的かつ影響力のあるアーティストのひとり、リチャード・プリンスの作品集。2008年にロンドンのサーペンタイン・ギャラリーで開催された展覧会に際して刊行されたもの。画家、写真家、彫刻家、そしてコレクターとしても知られ、多彩な表現方法でアメリカ文化やポップカルチャー、アート、文学、言葉への関心を作品に反映させるプリンス。本書はプリンスによる数々の作品や展示風景の写真を豊富に収録し、巻頭にはプリンスによるテキストも収録。英語表記。
Lost in Transition | Peter Bialobrzeski
ドイツの写真家ペーター・ビアロブルゼスキが、急速な都市化のただ中で生まれる一時的な風景を撮影した作品集。ハンブルク、ドバイ、ニューヨーク、シンガポール、クアラルンプールなど、14カ国28都市で撮影され、高速道路沿いの空隙や郊外の造成地、建設途中の高層ビルなどを主な被写体としている。ロマン主義絵画を思わせる魅惑的な光と色彩をたたえつつ、その美しさの背後にある社会的・環境的な問題を静かに示唆している。
In Passing | Mark Pimlott
アーティスト、建築家、作家として活動するマーク・ピムロットが、1970〜2009年に撮影した写真から80点以上を選び編んだフォト・ノベル。都市の片隅に差す光、移動の途中でふと立ち現れる風景、人の気配が留まる空間──日常の中で出会う詩的な瞬間を静かにすくい上げている。建築やインテリアのプロジェクトを手がけ、教育・執筆にも深く関わってきたピムロットの視点は、写真においても空間と時間の感覚を独自に組み立て、見る者に静かな余韻をもたらす。
Thomas Heatherwick Making
英国を代表する建築家/デザイナー、トーマス・ヘザウィックの活動を網羅したモノグラフ。スタジオ創設から20年にわたるプロジェクトを収めたもので、公共施設からパビリオン、プロダクト、都市計画まで、約170点に及ぶ仕事を数百点の写真、イラスト、スケッチとともに紹介している。初版刊行後もスタジオは国際的に活動の幅を広げ、本書には近年の大規模プロジェクトも追加され、ヘザウィックの創造力の広がりがより鮮明に伝わる構成となっている。制作にはヘザウィック本人が深く関わり、アイデアの源泉やプロセスの裏側、時に個人的なエピソードまで丁寧に言語化。
オブジェクト・ポートレイト | エリック・ゼッタクイスト
2018年から2019年にかけて大阪市立東洋陶磁美術館で開催された展覧会の図録。スウェーデン出身の写真家エリック・ゼッタクイストによる作品を収録している。現代美術家・杉本博司のもとで活動しながら写真表現と東洋古美術を学んだ経験を背景に、古陶磁の細部を撮影し、抽象化することで新たな視覚的解釈を提示。伝統的な美術作品に現代的な視点を重ね合わせ、造形の本質を探るシリーズが展開されている。
Arbeiten / Works 2013-2016 | Kai Schiemenz
ベルリンを拠点に活動するアーティスト、カイ・シーメンツの2013〜2016年の制作をまとめた作品集。展覧会「Große und Kleine – Pistazie/Malve/Koralle」に合わせて刊行され、建築が人に与える影響をテーマに行われた実験的なアプローチを紹介。ベルリンの地下鉄タイルを製造するメーカーと共同制作したセラミック作品や、ガラスを用いた立体などが掲載され、素材の選択によって空間の印象がどう変化するかを視覚的に追うことができる。
Burning Chrome クローム襲撃 | 保坂昇寿
HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)技法を駆使した作品で知られる写真家・保坂昇寿の初写真集。渋谷や新宿といった東京の繁華街を舞台に、強い光と深い影、複雑な色調を重ね合わせながら、人々の動きが残像のように浮かび上がる独特の風景をとらえている。現実の都市が持つ雑踏のエネルギーと、どこか近未来的で非現実的な気配が交差し、保坂が見つめる東京の姿が鮮烈に立ち現れる一冊。
Mein Sylt | Bleicke Bleicken
ドイツで最も愛される保養地ジルト島の風景と生活を、数十年にわたり記録し続けた写真家ブライケ・ブライケンの作品集。広大な砂丘や海、移ろう空の表情を主要なモチーフとし、ローライフレックスを使った実験的な接写によって、島の動植物にも新たな視点を向けている。1950〜60年代に撮影された未発表のカラー写真を収録し、当時の素朴な空気や、島に漂う静かな時間が鮮やかに蘇る。
North Shore 1970-1980 | 佐藤秀明
日本におけるサーフ・フォトグラファーの草分けとして知られる佐藤秀明が、1970年代から80年代にかけてオアフ島ノースショアで過ごした日々を写し取った作品集。サーフィンが大きく発展し始めた時代に、島の海岸線を拠点に暮らしながら、サーファーたちの熱気、地元の人々との交流、穏やかに移り変わる海の表情を淡々と記録している。生活の合間に南太平洋や南半球を旅し、海に寄り添う人々の姿を追い続けた佐藤の視線は、ハワイの豊かな自然と、コミュニティの素朴な空気をやわらかく捉えている。
やさしいパリ | ブラッサイ
ハンガリー出身の写真家ブラッサイが捉えた1930年代のパリを収めた写真集『PARIS TENDRESSE』(1990年刊)の日本語版。第二次世界大戦前のパリを、夜の街角、石畳、カフェ、路地に漂う人々の姿とともに写し出している。作家パトリック・モディアノによる散文が添えられ、失われてゆく街の記憶をたぐり寄せるような文章が写真に寄り添う構成。
MIKIO WATANABE maniere noire 1981-1998 渡辺幹夫マニエール・ノワール
銅版画家・渡邊幹夫による作品集。1981年から1998年にかけて制作されたマニエール・ノワール技法による作品142点を収録。濃淡の階調が特徴的なこの銅版画技法を駆使し、主に裸婦をモチーフに、繊細かつ重厚なイメージを描き出している。静かさと緊張感を併せ持つ表現が印象的。
2014 ni-ou-ichi-yon | 市川信也
精神科医として働きながら写真家としても活動する市川信也が、村上春樹『1Q84』に着想を得て制作したシリーズ〈2O14 [ni-oi-ichi-yon]〉を収めた作品集。2024年にコミュニケーションギャラリーふげん社での展示にあわせて刊行され、すべり台やブランコなど、公園の遊具を夜間に撮影したイメージが中心となっている。人工の光に照らされた遊具は、日中とは異なる輪郭を帯び、物語の余韻を感じさせる静けさと不穏さが共存する。
伊東豊雄 建築 新しいリアル
2006年から2007年にかけて東京オペラシティアートギャラリーほか各地で開催された展覧会の図録。建築家・伊東豊雄による代表作「せんだいメディアテーク」から、当時最新の「台中メトロポリタン・オペラハウス・コンペティション応募案」まで、9つのプロジェクトを収録している。写真、スケッチ、図面など豊富な資料を通して、伊東豊雄の建築思想と表現の展開を示している。