Re construction 再構築
2020年に練馬区美術館で開催された展覧会の図録。同館の開館35周年を記念して企画され、所蔵作品を現代作家4名――青山悟、大小島真木、冨井大裕、流麻二果――とともに再解釈し、美術館そのものの構造や鑑賞のあり方を「再構築」する試みとして展開された。本書では公開制作や展示風景を豊富なカラー図版で紹介。作品と空間、観客との関係性を多角的にとらえ、過去と現在が交差する創造のプロセスを提示している。
Cave | 角田純
アーティスト・角田純による初の作品集。過去20年にわたり制作された抽象画やインスタレーションを中心に構成され、淡い色彩と微細な筆致によって形づくられた静謐な世界を記録している。光の角度や時間の経過によって表情を変える絵画作品に加え、展示風景や制作の痕跡も収録。色と空間のあいだに生まれる揺らぎを丁寧にすくい取りながら、見る者の感覚を静かに呼び覚ます。
In-between 4 小野博 オーストリア、スロベニア
日本の写真家がEU全25カ国を撮影する写真集シリーズ「In-between」。全14巻のうちの第4巻となる本書では、写真家の小野博がオーストリアとスロベニアを撮影。オーストリアでは歴史と芸術の街、ウィーンやグラーツの街並みや風景を撮影。スロベニアでは、LIPICAと呼ばれる世界的に有名な白馬たちの凛とした姿と、占領されながらも独立の意志を貫き通したスロベニアの人々の精神を重ね合わせて写真に収めている。
In-between 6 野村恵子 イタリア、スウェーデン
日本の写真家がEU全25カ国を撮影した写真集シリーズ「In-between」の第6巻。写真家・野村恵子がイタリアとスウェーデンを訪れ、ナポリの下町やシチリア島、ストックホルムの街並みなど、異なる気候と文化のなかで暮らす人々の姿を穏やかなまなざしでとらえている。光と影の移ろい、空気の温度、被写体との距離が繊細に描き出され、旅の記録であると同時に、土地と人との関わりを見つめ直す視点を提示している。
In-between 10 今井智己 リトアニア、ベルギー
日本の写真家がEU全25カ国を撮影する写真集シリーズ「In-between」第10巻。写真家の今井智己がリトアニアとベルギーを撮影。リトアニアでは自然の景色と雪で覆われた静寂の街の様子を、ベルギーではラーケン王宮温室やゲント大学植物園など、前半のリトアニアと対比させるかのように人工的に作られた植物の姿を自然に写し出している。
ArT RANDOM Yoshihiko Ueda 上田義彦
写真家・上田義彦による作品集。京都書院のアートブックシリーズ「ArT RANDOM」の第87巻として刊行され、編集を都築響一が担当している。女性と男性のヌード、花や果実といったモチーフを通して、人間の存在と自然の生命力を詩的に捉えた構成。静謐な光と柔らかな質感の中に、感情と象徴が交錯する上田の初期表現の一端を示している。
オノデラユキ写真展
2005年に国立国際美術館で開催された写真家・オノデラユキの展覧会図録。「古着のポートレート」「真珠のつくり方」「関節に気をつけろ!」など、代表的なシリーズを中心に収録している。日常の中の違和感やユーモアを軽やかにとらえ、写真というメディアの構造そのものを問い直す独自のアプローチが特徴。実験的な発想と繊細な構成力が融合し、見る者に新たな視覚体験を促すオノデラの創作を照らし出している。
England | 若木信吾
写真家・映画監督の若木信吾による作品集。見開きに記された〈Dedicate to James Cook〉の言葉が示すように、18世紀にハワイ諸島を発見したイギリスの探検家ジェームズ・クックへのオマージュとして制作された。イングランドとハワイ、二つの土地を行き来しながら、そこに暮らす人々の姿や風景を独自の距離感でとらえた写真を収録。異なる文化と時間が交差するなかで、旅、記憶、アイデンティティといったテーマを静かに映し出している。
Rochester | 若木信吾
写真家・映画監督の若木信吾による作品集。2019年に訪れたアメリカ・ニューヨーク州ロチェスターで撮影された写真を収録。かつて写真産業の中心地として栄えた街の現在を背景に、建物や自然、人々の暮らしの断片を静かなまなざしで捉える。淡い光と影のなかに過ぎゆく時間の気配が滲み、記憶と風景が交差する瞬間が刻まれている。都市と個人の距離を見つめ直す、若木信吾の内省的な視点を提示している。
シェーカー家具 デザインとディテール | ジョン・カッセイ
19〜20世紀のアメリカで自給自足の共同体を築いたシェーカー教徒による家具を、詳細な図面と写真で紹介する資料集。テーブル、椅子、戸棚、寝台、時計、ゆりかごなど、実用性と美しさを兼ね備えた家具の構造を精緻な製図で再現している。木組みや継ぎ手、仕上げの技法に至るまで分析し、信仰に根ざした生活から生まれたデザインの本質を立体的に読み解く。シェーカー家具の設計思想と職人技を明快に伝える一冊。
Carlo Scarpa: Architecture in Detail
イタリアの建築家カルロ・スカルパの建築作品をディテールの視点から捉えた作品集。階段や手すり、タイルといった構成要素に焦点を当て、素材の扱いや空間のつなぎ方に表れる緻密な美意識を読み解いている。写真に加え、図面やドローイングなどの資料を豊富に収録し、スカルパ建築を特徴づける装飾性と構造的合理性の融合を検証する構成。細部から建築全体の思想を理解するための手がかりを提示している。
In Perfect Shape: Republic of Fritz Hansen
1872年創業のデンマークの家具メーカー、フリッツ・ハンセンの作品資料集。アルネ・ヤコブセン、ポール・ケアホルム、ピエロ・リッソーニといった著名なデザイナーと度々コラボレーションし、エッグチェアやスワンチェアなど数々の名作を世に生み出したフリッツ・ハンセン。本書はブランドの歴史、代表的なプロジェクトからその名を世に知らしめた家具の数々、インテリア空間における事例など、豊富な写真資料とともにフリッツ・ハンセンの創造の軌跡を辿る一冊。英語表記。
のしめ 熨斗目 江戸期の縞、段、格子、絣
江戸時代の武家装束「熨斗目(のしめ)」の文様を集成した資料集。胸から腰にかけての段替り部分に施された縞、格子、絣など、幾何学的文様を中心に約1200図を収録。裂貼り込み図2枚、カラー図207枚、12ページの解説冊子をクロス装の帙に収めた豪華構成となっている。熨斗目は武家の礼装として発展し、粋で洒脱な感覚とともに、江戸時代の色彩美と織の技術を極めた装束として知られる。本書はその造形的魅力を体系的に示すとともに、絣の絹織物が到達した美の精華を伝える貴重な配色資料となっている。
アイヌの民具 | 萱野茂
アイヌ民族が日常や儀式で用いた民具を体系的にまとめた資料集。木工や染織、狩猟・漁撈にまつわる道具から、祭礼や葬送に用いられる儀式具まで幅広く取り上げている。写真や図面を添えた解説は、実用的な機能とともに意匠や文様の意味にまで迫り、生活文化と精神文化の双方を映し出す。素朴な造形の中に、自然との共生や祖先への敬意が込められており、工芸史や民族学の資料としても価値が高い。アイヌの暮らしを支えた多様な道具を通じ、その世界観と美意識を浮かび上がらせる一冊。
カイ・フランク展 Geometry
「日本・フィンランド国交樹立100年記念 没後30年 カイ・フランク」展の公式図録。バウハウスなどの近代デザイン運動の影響を受け、戦後フィンランドで機能的かつ手に届くテーブルウェアを数多く生み出したデザイナー、カイ・フランクの仕事を紹介している。多数の作品図版を通じて、合理性と美を両立させたデザイン哲学を検証するとともに、日本文化から受けた影響や造形感覚の共鳴にも焦点を当てている。
マルセル・ブロイヤーの家具 Improvement for Good
2017年に開催された展覧会「マルセル・ブロイヤーの家具:Improvement for Good」の公式図録。バウハウスで学び、ユネスコ本部や旧ホイットニー美術館などを設計した建築家マルセル・ブロイヤーの家具デザインに焦点を当てている。スチールパイプ椅子をはじめとする代表作を多数収録し、素材と機能の革新を通して建築へと創造の領域を拡張していった軌跡を紹介。モダンデザインの精神を体現したブロイヤーの思考と造形の展開を明らかにしている。
Frank Lloyd Wright Drawings
近代建築の巨匠・フランク・ロイド・ライトによるドローイングを集成した作品集。住居建築、宗教建築、高層建築、商業建築など幅広い分野にわたる代表的プロジェクトを網羅し、日本における帝国ホテルの図面も含まれている。収録されるのはカラーおよびモノクロによる309点のドローイングで、設計思想の展開や造形的特徴を視覚的にたどることができる構成。建築家としての幅広い活動を資料的に確認できるとともに、20世紀建築史におけるライトの意義を明らかにしている。
黄八丈 | 浦野理一
染織研究家・浦野理一による、八丈島に伝わる絹織物〈黄八丈〉の研究と美を記録した一冊。天保から明治期にかけて制作された黄八丈の貴重な図版を収録し、その文様や織技、染色法などを詳細な解説とともに紹介している。伝統の技を継承しつつ、素材と色彩の調和に宿る美意識を明らかにする内容で、日本の染織文化史における黄八丈の意義を改めて照らし出している。
ポスト・モダンのデザイン | マイケル・コリンズ
ポスト・モダニズムの潮流を多角的に紹介するデザイン資料集。家具、陶芸、照明、宝飾品、カーペットなどの分野において活動した50人以上の建築家・デザイナーの作品を豊富なカラー図版で掲載している。モダニズムの機能主義に対する批評として生まれたポスト・モダンの多様な表現を、造形・素材・思想の観点から体系的に整理。20世紀後半のデザイン史を俯瞰する上で貴重な一冊となっている。
松井源吾作品集 1995-1998
構造設計者・松井源吾による1995年から1998年までの仕事をまとめた作品集。学舎、個人住宅、ホテル、公共施設など多岐にわたる建築を対象に、構造図面とともに内外観の写真を掲載している。建築家との協働を通して構造体そのものの造形的可能性を追求し、機能と美を両立させた構造設計の思想と実践を記録した内容となっている。
ルイス・カーンの全住宅 1940‐1974
アメリカの建築家ルイス・カーンによる住宅作品を網羅した初の資料集。キンベル美術館やソーク生物学研究所など、記念碑的建築で知られるカーンだが、その原点には生涯を通じて取り組んだ住宅設計がある。本書では1940年の処女作から最晩年までの約50件の住宅プロジェクトを図面と写真で紹介。光や素材、構造を探る設計思想の軌跡をたどり、カーン建築の核心にある空間へのまなざしを明らかにしている。
写真集 屋根・棟飾 | 増田正
グラフィックデザイナー・増田正による、日本各地の屋根意匠を記録した写真集。20年をかけて北海道から沖縄まで全国200か所以上を巡り、鰊番屋の木っぱ葺きから琉球瓦に至るまで、多様な屋根と棟飾の姿を撮影している。風土や気候、生活様式に根ざした屋根のかたちを、カラー図版とともに丁寧に紹介。解説では各地の建築文化や歴史的背景にも触れ、日本建築に息づく造形美と地域性を照らし出している。
Macguffin No.3 The Rope
オランダ発のデザイン&クラフトマガジン『MacGuffin』第3号のテーマは「ロープ」。家具の結束から登山、輸送、料理、宇宙探査機まで、あらゆる場面で人とモノを結びつけてきた“縄”の文化と機能を探る。亜麻の糸を紡ぐ職人から、ビエンナーレのキュレーター、ボンデージ愛好家、セーリングの愛好家に至るまで、ロープをめぐる多様なコミュニティを紹介。デザイナーのベルチャン・ポットやブリンヤル・シグルザルソン、作家アルノン・フルンベルク、アーティストのフランソワーズ・グロッセンらが寄稿し、私たちの生活に密接に編み込まれたこの素材の文化的・造形的魅力を多角的に照らし出している。
MacGuffin No.9 The Rug
オランダ発のデザイン&クラフトマガジン『MacGuffin』第9号のテーマは「ラグ(敷物)」。ロックダウンによって家で過ごす時間が増え、人々が足元の風景=ラグに新たな関心を寄せるようになった状況を出発点に、世界各地の敷物文化を多角的に探る。空港カーペットの社会的象徴を論じたジョージ・ペンドル、パレスチナの織物文化を分析するレイチェル・デドマン、カーペット商の物語を描くキティ・ドレイク、織りとジェンダーの関係を考察するアリス・トウェムロウらによる寄稿を収録。畳、祈祷用ラグ、タペストリーから動物の生態に至るまで、ラグのもつ機能・意味・可能性を多層的に提示している。
Shaker Style: The Gift of Simplicity
アメリカのシェーカー教徒が生み出した日用品や家具、建築物を紹介する資料集。テーブルや椅子、収納家具、手仕事の道具など、生活の中から生まれた造形の数々を豊富な図版で掲載している。実用性と美しさを兼ね備えたデザインに貫かれるのは、信仰に根ざした「簡素の美」の精神。本書ではさらに、シェーカーの食文化にも触れ、当時の食事を再現したレシピも収録。暮らしと信仰、デザインが一体となったシェーカーの思想を多面的に伝えている。
Masters of Light: Designing the Luminous House
建築における「光」の役割に焦点を当て、世界各地の住宅プロジェクトを紹介する建築資料集。チリ、日本、ニュージーランド、アメリカなど、異なる気候と風土のもとで設計された50以上の住宅を収録している。外観と内部空間の光の関係、自然環境との調和、時間によって変化する明暗の表情を豊富な写真と図面で解説。建築を“光の芸術”として捉え直し、空間の感性と構築の思想を探る内容となっている。
GAアーキテクト 11 スティーヴン・ホール
20世紀を代表する世界中の建築作品を紹介する『GA グローバル・アーキテクチュア』第11号スティーブン・ホール特集。アメリカの建築家、スティーブン・ホールが1976年から1992年までに手がけた作品を紹介。アメリカ記念図書館、MoMAタワー・アパートメントほか、カラー・モノクロによる大判の図版とともに解説を収録。写真は二川幸夫、装丁は細谷巖。日本語、英語表記。
バーナード・リーチ展 Bernard Leach: Potter and Artist
1997年に日本各地で開催された展覧会「バーナード・リーチ展」の公式図録。日本の民藝運動に深く関わりながら、母国イギリスにおける近代陶芸の礎を築いた陶芸家バーナード・リーチの歩みを紹介している。デッサン、エッチング、陶器など多彩な作品を豊富な図版と丁寧な解説で掲載し、東西の美意識を融合させた独自の造形哲学を明らかにする。日英陶芸交流の象徴としてリーチが果たした文化的役割を包括的に伝えている。
四季浴 | 田端志音
陶芸家・田端志音による作品集。茶道具商・谷松屋戸田商店での修業を経て1991年に作陶の道へ入った田端が手がけた、茶碗、皿、鉢など約100点を収録している。四季の移ろいを映すような釉薬の表情や造形の美しさが特徴で、それぞれの器には料理を盛り付けた写真も添えられ、器と食の関係を豊かに伝える構成。日常に息づく美と用の調和を探る、静謐で洗練された一冊となっている。
民芸回向 | 富山民芸協会
木工作家であり富山民芸館館長を務めた安川慶一の仕事を紹介する作品集。富山民芸館の内観をはじめ、椅子や棚など自ら設計・制作した木工プロダクト、さらに蒐集した民芸品のコレクションを多数掲載している。安川の民藝思想に根ざした手仕事の精神と、生活に寄り添う美の実践を伝える内容。巻末には柳宗理や外村吉之介ら親交の深い人物による寄稿を収録し、民藝運動の継承者としての姿を多面的に浮かび上がらせている。
Chair 椅子 | 遠山孝之
写真家・遠山孝之による、“椅子のある風景”をテーマとした写真集。街角、公園、カフェテラス、水辺、庭、ストリートの6章構成で、コペンハーゲン、パリ、サン=トロペ、箱根など世界各地で撮影されたカラー写真を収録している。人の不在を通して浮かび上がる空間の気配や時間の流れ、椅子がもつ佇まいの美しさを静謐に描写。日常の風景に潜む詩的な瞬間を捉え、見る者に“座ること”の意味を静かに問いかけている。
カリフォルニア・デザイン 1930-1965 モダン・リヴィングの起源
1940年代から1960年代にかけて展開したカリフォルニアのモダン・デザインを総覧する研究書。家具、陶芸、グラフィック、テキスタイルなど多様な分野にわたり、明るく開放的なライフスタイルを象徴するデザインを豊富なカラー図版で紹介。ミッド・センチュリーと呼ばれる時代の創造的精神を背景に、素材の革新や機能美、クラフトと産業の融合を検証。アメリカ西海岸発のモダン・リヴィングの源流を明らかにしている。
日本のガラス2000年 弥生から現代まで
サントリー創業100周年を記念して開催された展覧会「日本のガラス2000年 弥生から現代まで」の公式図録。弥生時代前期に始まる日本のガラス文化の歩みをたどり、技術と表現の発展を通してその美と機能の変遷を紹介している。古代の装飾品から近代の工芸品、現代のアートガラスやデザインプロダクトに至るまで、多彩な作品を収録。ガラスという素材を通して、日本人の創意と美意識の連続性を探る一冊となっている。
モース・コレクション
1990年に開催された展覧会「モース・コレクション」の公式図録。アメリカの動物学者エドワード・S・モースが明治期の日本滞在中に収集した食器、家具、玩具、模型など、多岐にわたる民具を紹介している。西洋人の視点で記録された日本の生活文化の貴重な資料として、当時の風俗や手仕事のあり方を伝える内容。民藝の源流をたどるうえでも重要なコレクションの全貌を明らかにしている。
INAX Booklet 万国博の日本館
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。1867年のパリ万国博覧会から1967年のモントリオール万博まで、近代以降の万国博における〈日本館〉の歴史をたどっている。各時代の建築デザインや展示構成、思想的背景を分析し、日本が国際舞台でどのように自己を表現してきたかを検証。国家イメージの形成と建築・デザインの関係を多角的に読み解きながら、「日本」という概念がいかに構築・変容してきたかを明らかにしている。
INAX Booklet レヒネル・エデンの建築 1900年・ハンガリーの光と影
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。ハンガリー近代建築の父と称される建築家レヒネル・エデンの作品を通して、20世紀初頭のハンガリー建築とその文化的背景を探る。民族的意匠とアール・ヌーヴォーが融合した独自の様式、美しいセラミック装飾、光を巧みに取り入れた構成など、レヒネル建築の特質を建築史・都市史の視点から紹介。さらに当時の社会思想や他国との交流にも言及し、世紀転換期の中東欧に花開いた建築文化の豊かさを照らし出している。
INAX Booklet 錺師の技 日本のデザイン
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。日本建築や家具に華を添える装飾金具の造形と、その背後にある「錺(かざり)」の技に焦点を当てている。寺社の金具や指物の飾りなど、繊細な細工と象徴的な意匠を支える伝統技術を、多角的な視点から検証。名匠・森本安之助による制作風景や作品を通して、手仕事の精緻さと金属工芸の美意識を紹介する。建築史・民俗学・デザイン論の観点を交差させ、日本の装飾文化の深層を探る内容となっている。
INAX Booklet 生きものたちも建築家 巣のデザイン
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。鳥が枝を編み、昆虫が土や唾液を固め、魚が砂で幾何学模様を描くように、自然界には多様で機能的な「建築」が存在する。本書では、こうした生きものたちの巣を建築やデザインの視点から読み解き、それぞれの環境や生態に適応した形や素材、構造の工夫を探る。研究者による解説と豊富な写真を通して、自然が生み出す造形の合理性と美を紹介し、人間の建築にも通じる創造の知恵を浮かび上がらせている。
INAX Booklet 耳の建築 都市のささやき
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。都市空間にあふれる多様な音と、それを受け止める建築環境との関係を探る内容。建物や街並みが生み出す響き、反響、遮音や拡散の仕組みを通じて、私たちが日常の中で耳にする都市の「ささやき」に焦点を当てる。騒音として片づけられがちな音環境を建築的視点から再考し、微かな自然音や静寂の質にも目を向けることで、音のある都市の豊かさを提示している。音響と建築の交差点から、都市を“聴く”という新たな感覚を喚起する一冊。
饅頭博物誌 | 松崎寛雄
食文化研究家・松崎寛雄による、饅頭を通して日本文化を読み解く博物誌。「饅頭 このありふれた菓子」「日本の風土と饅頭」「饅頭と俳句」などの章で構成され、日常の菓子として親しまれてきた饅頭の起源、地域性、文学や風習との関わりを考察している。素材や形状の多様性を紹介しながら、日本人の暮らしや感性に根ざした菓子文化の奥行きを明らかにする一冊。限定1000部発行。
茶の博物誌 | 松下智
茶文化研究家・松下智による、アジアにおける茶の歴史と風俗を探る評論集。「お茶ものがたり」「茶壺道中記と茶の発展」「茶碗由来紀」「喫茶店由来」の4章で構成され、茶の誕生から流通、器の変遷、喫茶文化の広がりまでを多角的に考察している。民俗的な視点と豊富な史料をもとに、日常と儀礼の両面において育まれた茶文化の歩みを丹念に紐解き、人と茶との深い関わりを浮かび上がらせている。限定1000部発行。
畦地梅太郎全版画集
日本の版画家・畦地梅太郎の創作活動を総覧する作品集。1920年代から1970年代にかけて制作された版画を中心に、街角の情景や山岳の風景、素朴に生きる人々の姿など、300点を超える作品をカラーおよびモノクロで収録している。力強くも温かみのある線と独特の造形感覚によって、自然と人間の営みを豊かに描き出す。戦前から戦後にかけての日本の版画史をたどるうえでも貴重な資料となっている。
小村雪岱画集
画家・版画家として知られる小村雪岱の作品を集成した復刻版画集。1942年に高見澤木版社から刊行された原本をもとに、繊細な線と抒情的な情景描写で知られる雪岱の代表作を再録している。日本の女性像、観音像、四季の風景のほか、「たけくらべ」「西遊記」「忠臣蔵」など文芸作品の挿画をカラーおよびモノクロで多数掲載。大正・昭和初期の挿絵芸術を象徴する雪岱の美意識と装幀感覚を再評価する内容となっている。解説は渡辺圭二。
Cy Twombly: A Retrospective
アメリカの画家サイ・トゥオンブリーの創作活動を包括的に辿る回顧展カタログ。50点を超える代表作のカラー図版に加え、初期のアッサンブラージュやドローイング群、さらには初公開となる晩年の作品も収録されている。詩的な文字の断片や象徴的な記号が画面を走り、個人的な記憶と古代の神話、歴史が交錯するトゥオンブリー独自の表現世界を、多角的に紹介する内容。変遷と核心に迫る資料性の高い一冊となっている。英語表記。