日本宗教民俗図典 日本人のこころの原像をひらく 全3巻揃
民俗研究家・萩原秀三郎と民俗写真家・須藤功による、日本の宗教的風習と民俗文化を体系的にまとめた絵引事典。信仰、祭事、葬送、供養、四季の行事など、日本人の精神文化に根ざした風俗を豊富な写真と図版で紹介している。現地取材に基づく詳細な記録と解説を通して、地域に息づく信仰や祈りのかたちを明らかにする構成。「祈りと救い」「葬送と供養」「四季の行事」の全3巻揃い。
なにを作ろうかな&どうやって作るの | ジェイン・ホーンビー
料理研究家ジェイン・ホーンビーによるレシピブック。朝食のパンケーキやローストチキン、手軽に作れるタイ料理、伝統的なレモンタルトまで、100点のレシピを収録している。材料の準備から調理の手順までを豊富な写真でわかりやすく解説し、料理初心者や子どもと一緒に楽しめる構成。家庭料理の基本と創造の楽しさをやさしく伝え、日常の食卓に彩りと自信をもたらす一冊となっている。
Shaker Style: Form, Function, and Furniture
19〜20世紀のアメリカで独自の共同体を築いたシェーカー教徒による家具や建築、日用品を紹介する資料集。宗教的信念に基づく質素で実用的な造形を家具、木工、織物、建築など多様な領域から考察している。清廉なデザインと機能美を融合させた「シェーカースタイル」は、のちのモダンデザインにも大きな影響を与えた。その思想と造形の背景を探り、生活と信仰から生まれた普遍的な美の原点を照らし出している。
Khorjins: Tribal and Rural Weaves from Iran | Parviz Tanavoli
イランの部族や農村に伝わる織物文化を紹介するビジュアル資料集。イラン高原の遊牧民のあいだで使われてきた多機能な袋状の織物〈コルジン〉(サドルバッグ)に焦点を当て、色彩豊かで精緻な文様をもつ作品を多数収録している。素材や織り方、装飾の違いを通して、地域ごとの風土や生活様式を読み解く構成。さらにイランにおける織物の歴史や用語、地理的背景も解説し、伝統工芸としての織物の多様性と美を明らかにしている。
Made in Japan: 100 New Products | Naomi Pollock
日本で生み出された家具、調理器具、ガジェット、衣料品、事務機器など、100点の優れたデザインを紹介するビジュアルブック。日常生活に根ざした大量生産品を中心に取り上げつつ、高い美的水準と最先端技術を融合させた試作品や限定品も収録している。素材や機能への独自のアプローチを通して、現代日本のプロダクトデザインがもつ精度と創造性を多角的に提示。産業と美意識のあいだに宿る“日本的デザイン”の現在を見せている。
Design in California and Mexico, 1915-1985: Found in Translation
カリフォルニアとメキシコという二つの地域が、20世紀に互いの建築やデザインにどのような影響を与え合ったのかを検証する作品集。植民地時代の意匠、プレ・ヒスパニック・リバイバル、民芸と工芸の伝統、モダニズムの発展という4章構成で展開され、建築、プロダクト、グラフィックなど多岐にわたる領域を網羅している。文化交流の中で形成された独自のデザイン言語を探り、アメリカ西海岸とラテン文化の接点を浮かび上がらせている。
建築家の椅子 111脚
77人の建築家が手がけた111脚の椅子を紹介する作品集。アントニオ・ガウディ、オットー・ワグナー、エル・リシツキー、フィン・ユール、アルネ・ヤコブセンなど、近代から現代に至る名建築家たちが生み出した椅子を一堂に収録している。素材や構造、造形上の特徴を詳細に解説し、建築思想とデザインの関係を読み解く内容。巻末には年表を付し、椅子のデザイン史を通して建築家たちの創造の軌跡を辿ることができる。
Offecct + Lucy Kurrein
スウェーデンのインテリアブランド〈Offecct〉と、ロンドンを拠点に活動するデザイナー、ルーシー・カレインのコラボレーションを紹介する作品集。カレインのスタジオを訪れ、家具デザインが生まれるプロセスや発想の源を探る内容となっている。完成したプロダクトに加え、模型、スケッチ、スタジオ風景、日常の中で見つけたフリーマーケットの品や街のディテールを通して、イメージとアイデアの連なりを丁寧に追う。素材と感性が交わるデザインの思考過程を映し出している。
CAFE SAMIROU | 柚木沙弥郎
染色作家・柚木沙弥郎による絵本。柚木自身が蒐集した小物や異国の玩具、オブジェなどを題材に構成され、布や色彩の感覚をそのまま絵として展開している。造形の遊び心と温かみのある筆致によって生み出される世界には、懐かしさと安らぎが漂う。民藝や日常の美へのまなざしを背景に、素材と造形の関係を独自の視点で表現。
道教の美術 Taoism Art
2009年に大阪市立美術館で開催された展覧会の図録。中国で生まれた宗教・道教の美術をテーマに、中国および日本に伝わる絵画、書、彫刻、工芸作品を幅広く収録している。神仙思想、風水、星宿、易学など古代中国の思想を背景に、不老長寿を理想とする道の世界観を多角的に紹介。さらに仏教や民間信仰との融合を経て、東アジアの文化や芸術の根幹を形づくった道教美術の広がりをわかりやすく示している。
もうひとつの江戸絵画 大津絵 小絲源太郎コレクション
2018年に笠間日動美術館で開催された展覧会の図録。洋画家・小絲源太郎が長年にわたり蒐集した滋賀県大津市の民俗絵画〈大津絵〉を紹介している。初期から中期にかけての全盛期の作品を中心に、古筆大津絵や北大路魯山人旧蔵の作品など、多彩な図版と解説を収録。民衆の信仰や風刺を反映した素朴で力強い筆致を通して、江戸絵画のもう一つの系譜を辿る内容となっている。
自選富本憲吉作品集
陶芸家・富本憲吉による自選作品集。作陶50年を記念して刊行され、近年京都で制作された茶碗や磁器など68点をカラーおよびモノクロ図版で収録している。端正な造形と洗練された文様の調和により、日本陶芸に新たな美意識をもたらした富本の到達点を示す内容。伝統的技法を基盤としながら、現代的な感覚と個性を融合させた作品の数々を通して、創作の深化と静謐な美の世界を映し出している。装丁は原弘によるもの。
富本憲吉模様集成
陶芸家・富本憲吉による模様と図案を集成した作品集。大正から昭和にかけて活動し、バーナード・リーチとの交流でも知られる富本が手がけた、動植物をモチーフとしたデッサンや器の装飾図案をカラーとモノクロで収録している。精緻な構図と柔らかな筆致によって生み出される意匠の数々は、近代陶芸の装飾美を象徴するもの。伝統と創造を往還しながら、日本の文様表現に新たな感性をもたらした富本の芸術を浮かび上がらせている。
あるカタチの内側にある、もうひとつのカタチ 柴田文江のプロダクトデザイン
プロダクトデザイナー・柴田文江による作品集。子供用携帯電話〈キッズケータイ〉、〈体にフィットするソファ〉、カプセルホテル、マルチペンなど、日常に寄り添うプロダクトを多数収録している。造形の美しさだけでなく、使う人の感情や行為に寄り添う「もうひとつのカタチ」を探る柴田の思考と実践を、写真とテキストを通して紹介。デザインに込められた思想と、人とモノとの関係を見つめ直す視点を提示している。
志村ふくみ 母衣への回帰
2016年に京都国立近代美術館で開催された巡回展の図録。染織家であり随筆家、人間国宝として知られる志村ふくみの60年にわたる創作を総覧している。母の残した糸で織り上げた〈母衣曼荼羅〉をはじめ、自然の色や光を紡ぎ出すように制作された着物の数々を、作家自身の言葉とともに紹介。染織を通して生命や精神の循環を見つめ続けた志村の思想と美意識を、作品とテキストの両面から浮かび上がらせている。
骨董夜話 | 白洲正子、土門拳 他
白洲正子、青柳瑞穂、坂東三津五郎、細川護貞、土門拳、平山郁夫、谷川徹三の7名による骨董談義を収めた一冊。骨董を愛するそれぞれの眼と哲学をもとに、手に入れたいきさつや逸話、自慢の品にまつわる思いを綴ったエッセイを収録している。あわせて各人のコレクションをカラー図版で紹介し、審美眼の深さと時代を超えて受け継がれる美意識を浮かび上がらせる。骨董に宿る魅力と人生観を伝えている。
堀尾幹雄コレクション 濱田庄司 手仕事の軌跡
2000年に大阪市立東洋陶磁美術館で開催された展覧会の図録。20世紀日本を代表する陶芸家・濱田庄司の作品を、堀尾幹雄コレクションを中心に紹介している。皿や急須、茶碗など約200点をカラーで収録し、日常の器に宿る温もりと造形の確かさを伝える構成。民藝運動の理念を体現しながら、伝統と創造のあいだで手仕事の可能性を探り続けた濱田の歩みを明らかにしている。
マリメッコ展 デザイン、ファブリック、ライフスタイル
巡回展「マリメッコ展 デザイン、ファブリック、ライフスタイル」の公式図録。フィンランドを代表するデザインブランド〈マリメッコ〉の60年にわたる歩みを、ファブリック、ヴィンテージドレス、スケッチなどの豊富な資料とともに紹介している。自然や伝統的モチーフに着想を得ながら、大胆でカラフル、抽象的なパターンを生み出したデザイナーたちの創造の軌跡を辿る構成。デザインと暮らしの関係を再発見させる一冊となっている。
INAX Booklet 現代・見立て百景
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。砂を海に、石を島に見立てる枯山水の庭に象徴されるように、自然や宇宙を縮景として表現する日本独自の美意識〈見立て〉をテーマとしている。庭園、盆景、いけばな、建築、絵画など多様な分野を横断しながら、その思想的背景と造形の展開を紹介。限られた空間の中に無限の世界を映し出す「見立て」の感性を通して、日本美術における象徴と想像の力を浮かび上がらせている。
INAX Booklet 鹿鳴館の夢 建築家コンドルと絵師暁英
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。鹿鳴館を設計し、日本の近代建築の礎を築いた建築家ジョサイア・コンドルに焦点を当てている。コンドルは河鍋暁斎の門人として「暁英」を名乗り、日本画を学んだ異色の経歴を持つ。本書では、建築家としての理知と絵師としての感性という二つの側面からその人物像を再考。日本文化への深い理解と敬愛を背景に、明治期の建築と美術の交錯を探る内容となっている。監修は鈴木博之と藤森照信。
INAX Booklet 遊牧民の建築術 ゲルのコスモロジー
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。モンゴル語で「家」を意味する移動式住居〈ゲル〉を中心に、遊牧民の暮らしと建築文化を紹介している。風土に適応し、自然と共生するために培われた知恵や構造を読み解きながら、遊牧や漁労に生きる人々の建築術を比較。世界各地に見られる天幕文化との関連を通して、可変性と持続性を備えた建築の原点を探る。人と自然、住まいと環境の関係を見つめ直す視点を提示している。
INAX Booklet 病院建築のルネッサンス 聖路加国際病院のこころみ
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。東京・築地の聖路加国際病院を題材に、医療と建築の関係を再考する内容となっている。1933年に建てられた旧病院の荘厳な様式と、その理念を継承し1992年に新築された現代病院を比較しながら、「全室個室制」や快適性・衛生面への配慮など、患者の人間的な尊厳に基づく設計思想を紹介。アール・デコを想起させる装飾や礼拝堂の意匠など、歴史的建築としての魅力にも触れつつ、単なる医療施設ではなく「癒しと人間性の空間」としての病院建築の理想を提示している。
INAX Booklet マジョリカ・タイル イベリアのきらめき
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。鮮やかな色彩と緻密な文様で知られる“マジョリカ・タイル”。イスラムの影響をうけ16~17世紀に最盛期を迎えたマジョリカ・タイルの装飾技法の変遷をたどりながら、スペイン陶芸の美とガウディ建築との関係、さらにはイスラム・スペインの空間表現、日本における受容の歴史まで幅広く紹介。スペインを中心としたイベリア半島で花開いたこの装飾タイルの歴史と魅力を多角的な視点から丁寧に紐解く一冊。
Alexander Calder: Multum in Parvo
アメリカの彫刻家、アレクサンダー・カルダーの約30年にわたる創作を通じて、「スケール」と「サイズ」の関係に焦点を当てた作品集。タイトル〈Multum in Parvo〉(小さき中に多くを)の名が示すように、親指ほどの大きさから高さ約76センチまでの小型彫刻40点以上を収録し、カルダーの大型モビールと同様の構造と動きを精巧なスケールで再現している。建築家サンティアゴ&ガブリエル・カラトラバによる展示空間でのインスタレーション写真やアーカイブ資料、建築スケッチに加え、批評家ジェド・パールとポール・ゴールドバーガーによる論考、カール・シャピロとジョン・アップダイクの詩も併録。カルダー芸術の本質を多面的に掘り下げている。
Beatriz Milhazes
ブラジルを代表する画家、ベアトリス・ミルハーゼスの多彩な創作活動を網羅したモノグラフ。1980年代後半に独自開発した転写技法を駆使し、カーニバルや伝統工芸、バロックからポップまで、多様なモチーフを鮮やかな色彩とリズミカルな構成で融合させた彼女の作品世界を約300点の作品とともに紹介。2020年までの最新作を含む豊富な図版に加え、編集者ハンス・ヴェルナー・ホルツヴァルトとの対話を通じて制作プロセスや思想的背景に迫るとともに、美術史家デイヴィッド・エボニーの論考やモチーフ辞典、詳細なアーティスト・バイオグラフィーも収録。
Cy Twombly: The Natural World
20世紀を代表する現代美術家、サイ・トゥオンブリーによる作品集。シカゴ美術館で開催された同名展覧会にあわせて刊行され、2000年から2007年にかけて制作された絵画、紙作品、写真、彫刻など30点以上を収録している。庭園や風景を主題に、自然の生成と詩的感情が交錯する表現を展開。日本の伝統美術や古典詩、ヨーロッパ文学など多様な影響を受けながら、自然と人の精神世界を結びつけるトゥオンブリーの晩年の創作を照らし出している。
Hilma af Klint: Paintings for the Future
スウェーデンの芸術家、ヒルマ・アフ・クリントによる作品集。生前は発表を控え、没後長く封印されていた1000点を超える絵画から厳選した作品をカラーで収録している。カンディンスキーやモンドリアン、マレーヴィチに先駆けて抽象的な表現に到達したことで、抽象芸術の起源を再考させる存在として注目される。幾何学的形態や鮮烈な色彩、精神的象徴を通して、目に見えない世界への探究を描き出している。
Bird Watching | Paula McCartney
アメリカのアーティスト、ポーラ・マッカートニーによる作品集。手書きの観察記録とともに多様な小鳥を収めた写真は、一見すると鳥類観察家のフィールドノートのように見える。しかし注意深く見ると、枝にとまる小鳥たちはクラフトショップで購入された装飾用の人工物であり、針金や塗料で巧みに固定されていることが明らかになる。記録と虚構の境界を曖昧にしながら、「自然らしさ」や「本物らしさ」に対する私たちの欲望と支配の感覚を批評的に映し出す。美しい自然写真の形式を借りて、観察と演出のあいだに潜む心理を問う、幻想的で鋭いコンセプト・フォトブック。
Man Ray: Sculptures et Objets
パリを拠点に活動したアーティスト、マン・レイによるオブジェ作品に焦点を当てたカタログ・レゾネ。長い創作活動のなかで制作された彫刻的オブジェを、作家自身の撮影によるモノクロ写真で多数収録。シュルレアリスムの精神を体現するような、機知とユーモア、詩的な不条理に満ちた造形の数々を体系的に紹介。写真家、画家、映像作家として多彩な活動を展開したマン・レイの立体表現の領域を明らかにしている。
Cut with the Kitchen Knife: Weimar Photomontages of Hannah Hoch
美術史家のモード・ラヴィンが、ダダ運動を代表するアーティスト、ハンナ・ヘッヒのフォトモンタージュ作品を分析した研究書。コラージュやスクラップブックを中心に、ヘッヒが新聞や雑誌の断片を用いて構築した独自の視覚言語を読み解く。政治的風刺とジェンダーへの問題意識が交錯する作品群を通して、男性中心の美術史の中で新たな表現領域を切り拓いたヘッヒの創作を照らし出している。
Rodrigo Valenzuela: Journeyman | Matthew Schum
写真、映像、インスタレーションを横断しながら、ドキュメンタリーとフィクションという相反する要素を行き来する表現で知られるチリ出身のアーティスト、ロドリゴ・ヴァレンスエラの作品をまとめた作品集。労働や移民、社会的階層といったテーマを背景に、構築と再現、現実と虚構のあいだに生まれる緊張を視覚化。映像的な構成と緻密な構造物の中に、人間の営みと記憶の断片をとどめようとするヴァレンスエラの創作の軌跡を示している。
Dunkelkammern der Fotografie | Hans Danuser
スイスの写真家、ハンス・ダヌーザーの作品集。1970年代末に写真を芸術的なメディアとして新しく捉え直し、その後のアナログ写真の発展に大きな影響を与え、1980年には当時のヨーロッパやアメリカの産業社会における研究機関や権力の中枢といった“タブー”の領域をテーマにした写真シリーズ「IN VIVO(イン・ヴィーヴォ)」に取り組み始めた。本書は過去35年間におけるダヌーザーの活動をまとめたもので、彼のこれまで作品を広い視点から紹介している。
Hyungsik Kim: Studio Practice
韓国の写真家、キム・ヒョンシクによる作品集。2013年から2014年にかけて撮影されたシリーズ〈Studio Practice〉を収録。スタジオという人工的な空間のなかで、被写体と光、構図の関係を精緻に探る実験的な試みが展開される。見開き右ページに1点ずつ配した大型図版による、白を基調としたシンプルなレイアウトが特徴で、静謐な構成の中に被写体の存在感と写真という行為そのものへの問いを提示している。
Benjamin Armstrong: Holding a Thread
オーストラリアを拠点に活動するアーティスト、ベンジャミン・アームストロングの作品集。ワックス、木、ガラス、インク、顔料など多様な素材を組み合わせ、優雅さと不穏さが共存する独特の造形世界を築いている。流動するかたちや有機的なフォルムは、生命と変化、記憶と感覚のあわいを暗示し、見る者の内面に静かな緊張を呼び起こす。素材の物質性と感情の深層が交差する、アームストロングの表現を提示している。
Xavier Veilhan
フランス・パリを拠点に活動するアーティスト、グザヴィエ・ヴェイヤンの作品をまとめたモノグラフ。建築、彫刻、インスタレーションなど、多様なスケールで展開される代表作を豊富なカラー図版で収録している。幾何学的な造形と光沢のある素材を用い、現代社会における人とテクノロジー、空間との関係を探るヴェイヤンの創作を体系的に紹介。造形の美と構築的思考が交差する、現代アートの動向を示している。
Elisabeth Wild: Fantaslas
オーストリア出身のアーティスト、エリザベス・ワイルドによる色彩豊かでダイナミックなコラージュ作品を多数収録した作品集。光沢紙の雑誌から切り抜かれた商業的なイメージを素材に、ユーモアと不穏さが共存し、きらめくような神秘性とともに次元や時間を超えたような不思議な世界を創り出している。ワイルドの独創性とその芸術の意義を多角的な視点で語られた寄稿も収録。
Light Scape | 清水行雄
写真家・清水行雄による作品集。アメリカ、中国、台湾、モロッコ、アフリカ、スペインなど、世界各地で撮影されたモノクロ写真を収録している。海や岩山、寺院、馬、クラシックカー、葉巻をくゆらす男といった被写体が、自然光のもとで生まれる光と影の強いコントラストによって浮かび上がる。人と風景が織りなす瞬間の美しさを静謐なトーンでとらえ、異なる土地の日常の中に通底する普遍的な生命のリズムを映し出している。
Goshka Macuga: Intellectual Co-operation
2018年にドイツ・ニュルンベルクのノイエス・ミュージアムで開催された展覧会のカタログ。ロンドンを拠点に活動するアーティスト、ゴーシュカ・マクーガの作品と展示風景を収録している。フォトコラージュ、彫刻、映像、パフォーマンスなど多様なメディアを横断しながら、歴史的資料とフィクションを組み合わせて再構築する独自の手法が特徴。国際的な知的交流というテーマを背景に、記憶と物語、権力と文化の関係を問い直すインスタレーションの数々を提示している。
Beauty Lies in the Eye
スイス出身の写真家、カトリーヌ・セレソールによる作品集。夫ニコラとともにニューヨークに滞在し、1980年代のアンダーグラウンド・ミュージック・シーンを間近で記録したもの。ソニック・ユース、ビースティ・ボーイズ、クリスチャン・マークレーら、当時のパンク、ニューウェーブ、アヴァンギャルドな音楽を牽引したアーティストたちの姿をモノクロームで収めている。荒々しくも親密な視線が交錯する写真の数々は、熱気と創造力に満ちた時代の鼓動を静かに伝えている。
MISSHAPES
ニューヨークを拠点に活動するDJデュオ〈The Misshapes〉のメンバー、ジョードン・ニコルによる写真集。2000年代初頭のダウンタウン・カルチャーを象徴するナイトクラブで撮影されたスナップを収録し、2002年から2007年にかけての時代の空気を鮮やかに写し取っている。ファッション、音楽、アートが交差する場に集ったミュージシャンやDJ、セレブリティたちが放つ奔放なエネルギーとスタイルの数々。フラッシュと音楽が交錯する夜の熱狂を通して、ニューヨークの一時代を映し出している。
Rester | Laurent Chardon
フランスの写真出版社〈Poursuite〉から刊行された、ロラン・シャルドンによる作品集。2009年、セネガル南部カザマンス地方の都市ジギンチョールで撮影された21点のモノクロ写真を収録。30年に及ぶ分離独立闘争を経てなお復興が進まない土地で、作者は建物や荒れた大地、自然、そしてそこに生きる人々や動物の姿を静かに見つめる。時間の層と記憶の痕跡が交錯する風景を通して、社会的現実と個人の感情が結びつく瞬間を浮かび上がらせている。
Neroli | 吉野英理香
写真家・吉野英理香による作品集。タイトルの〈ネロリ〉は、ビターオレンジの花から抽出されるアロマオイルの名に由来する。香りが記憶や感情を呼び起こすように、本書の写真もまた、時間や環境、人との関わりの中で生まれたイメージを静かにたたえている。光の揺らぎや被写体との距離感、微細な陰影が織りなす詩的な構成が特徴で、現実と記憶のあわいに漂うような感覚をもたらす。
小林且典 ひそやかな眼差し
彫刻家、小林且典の作品集。2012年に静岡市美術館で開催された展覧会にあわせて刊行されたもの。みずから鋳造したブロンズの静物を自作レンズでモノクロ写真として収めるなど、独自の手法で注目を集めてきた小林且典。静謐な佇まいと気配に満ちたその表現が、初期から近作に至るまで多彩に紹介されている。ひそやかに存在するものたちに光を当てる、小林のまなざしを辿る一冊。写真家、平野太呂が撮影した小林のアトリエ・制作風景の写真も収録。
藤田嗣治 ✕ 国吉康雄 二人のパラレル・キャリア 百年目の再会
2025年に兵庫県立美術館で開催された展覧会図録。20世紀前半をフランスとアメリカで生きた画家、藤田嗣治と国吉康雄に焦点を当て、絵画に加え手紙、写真、スケッチなどの資料を豊富に収録する。国際的潮流や戦争、文化的葛藤といった背景を踏まえ、1920年代から戦後までの制作・移住・交流の軌跡を9章構成で時系列かつテーマ別に整理。藤田の乳白色の画風と国吉のアメリカン・モダニズムを対照させ、響き合いを明らかにしている。