棟方志功 漆黒の宇宙、紅色のいのち | シンワアートミュージアム
2014年にシンワアートミュージアムで開催されたオークションにあわせて刊行されたカタログ。国際的にも高く評価される日本の板画家・棟方志功の代表作を含む、木版画や岩彩画など全22点を収録。漆黒と紅の色彩を基調に、宗教的・民俗的モチーフを力強く描いた作品群を紹介している。
希望の美術・協働の夢 北川フラムの40年 1965-2004
アートディレクター・北川フラムによるアートとコミュニケーションに関する実践をまとめた資料集。地域と協働する芸術活動を先駆的に展開し、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」などを手がけてきた北川フラムの、1965〜2004年にわたる活動を、美術・音楽・演劇・まちづくりなど多角的な視点から、豊富な図版とともに紹介している。
Robert Doisneau | ロベール・ドアノー
フランスの写真家ロベール・ドアノーの長いキャリアを網羅する作品集。1929年から1992年までの代表的な写真を収録し、時代背景や社会的文脈に基づいた解説テキストも掲載されている。歴史的な中央市場「レ・アール」の記録をはじめ、パリの街角や庶民、労働者の日常にカメラを向けた、詩情あふれるドアノーの視線をたどる。英語表記。
Photographs by Man Ray: 105 Works, 1920-1934 | マン・レイ
パリを拠点に活動したアーティスト、マン・レイによる1934年刊行の作品集を完全復刻した一冊。静物や風景、ヌード、著名芸術家たちのポートレートに加え、独自技法「レイヨグラフ」による作品群など、105点を収録する。ダダイズムの不条理さやシュルレアリスムの幻想的な感覚に影響を受けた、実験精神に満ちた初期写真の集成。英語、フランス語表記。
村野藤吾作品集 TOGO MURANO 1928-1963 | 新建築社
日本を代表する建築家、村野藤吾の作品集。1965年に限定出版された貴重な書籍の改訂版で、1928年から1963年までに手がけた建築作品を収録している。世界平和記念聖堂、大阪新歌舞伎座、日生劇場などを含む代表的な47点を、図版とともに掲載。時代の流れとともに変化する建築様式や細部へのこだわり、独自の美意識がうかがえる内容となっており、村野の活動の全容を知るうえで重要な資料となっている。
村野藤吾作品集 TOGO MURANO 1964-1974 | 新建築社
日本を代表する建築家、村野藤吾の作品集。1964年から1974年にかけて手がけた建築作品を収録している。日本ルーテル神学大学、西宮トラピスチヌ修道院、村野・森建築事務所(大阪)など、宗教施設からオフィス建築まで、幅広いジャンルの主要作品29点を掲載。時代に即しながらも独自の美意識を貫いた造形や、繊細なディテールへのこだわりを図版とともに伝える内容となっている。
Post-Occupancy | AMO、Rem Koolhaas
建築家レム・コールハース率いるAMOが、雑誌『Domus』の特集号を編集した『Post-Occupancy』。設計実務を担うOMAの「非建築部門」として設立されたAMOは、文化や社会の文脈に建築を位置づける思考実験を行う。本書では、OMAによる近年の建築4件を利用者の視点から検証し、設計者不在の“使用後”の現実に光を当てる。メディアの外側にある建築の実像を、記録と声で描き出す意欲的試み。CD-R付属。英語表記。
Helen & Hard Architects: Relational Design
ノルウェーを拠点とする建築ユニット、Helen & Hardの資料集。15年にわたる実践を通じて、「関係性のデザイン」という思想が具体化されていく過程をたどる。人間、環境、建築手法の相互作用に重きを置いたこのアプローチは、ピューリットロック・マウンテンロッジやジオパーク、マニフェスタ7への出展など、多様なスケールと文脈に展開される。場所との関係を丁寧に編み上げるようにして生まれる建築は、単なる造形ではなく、空間を媒介とした対話の試みでもある。英語表記。
As Found: The Discovery of the Ordinary | Claude Lichtenstein、Thomas Schregenberger
1950年代イギリスで活動したアーティストや建築家による「インディペンデント・グループ」の思想と実践をたどる一冊。リチャード・ハミルトン、エドゥアルド・パオロッツィ、ナイジェル・ヘンダーソン、スミッソン夫妻らによって推進された、“ありのままの現実(As Found)”への関心は、日常の美学と素材の即物性を尊重し、戦後の芸術と建築に新たな視点をもたらした。アート・建築・写真の交差点に立ち現れる、実験精神に満ちた記録。英語表記。
Rijksmuseum Cookbook | Jonah Freud, Wim Pijbes
オランダ国立美術館ライクスミュージアムから刊行された実験的なレシピ集。料理ジャーナリストのジョナ・フロイトと著名シェフたちが協働し、伝統的なオランダ食材50種を現代的な料理に昇華。美術館の絵画やコレクションから着想を得た構成で、アートと食の関係性にも迫る。デザインはグラフィックデザイナーのイルマ・ボームが担当し、透け感のある紙を用いた造本や、図版とテキストが重なり合うレイアウトが本書の世界観を視覚的にも豊かに伝えている。英語表記。
Kisho Kurokawa: From Metabolism to Symbiosis | 黒川紀章
日本の戦後建築を代表する思想家・実践者のひとりとして国際的に知られる建築家・黒川紀章の写真資料集。1960年に提唱した「メタボリズム」に始まり、後年の「共生の思想」に至るまでの理論的変遷と、その実践としての代表作を豊富な図版で紹介する。タンザニア国会議事堂やアブダビの会議都市、広島市現代美術館、ファン・ゴッホ美術館新館計画など、国内外のプロジェクトを通して、黒川の思想と造形がいかに世界に展開されたかを読み解く構成となっている。英語表記。
MVRDV KM3 | Actar
オランダの建築ユニットMVRDVによる都市論的ヴィジョンを集成した資料集。グローバル化とスケール拡大が進む中、都市は「立体化」し、密度を極限まで高めていく──そんな仮説に基づく“未来の3次元都市”の構想が、図版、シナリオ、データによって展開される。分析というより構築、理論というより物語として立ち上がる本書は、都市を巡る思考と想像力の挑戦であり、MVRDVの方法論を体現する都市的実験でもある。DVD付属。英語表記。
Freitag: Individual Recycled Freeway Bags | Lars Muller Publishers
スイス発のリサイクルバッグブランド「FREITAG(フライターグ)」のビジュアルブック。トラックの幌、自転車のチューブ、車のシートベルトなどを素材に、すべて一点ものとしてハンドメイドで制作されるバッグの製作工程や、それを愛用する人々のポートレートを多数収録。ブランドの哲学とともに、力強いビジュアルで構成された内容。背表紙には実際の素材が使用されており、各冊で仕様が異なるユニークな一冊。英語表記。
Villa Ottolenghi | Carlo Scarpa、Francesco Dal Co
20世紀イタリア建築を代表する建築家カルロ・スカルパが晩年に手がけた住宅《ヴィラ・オットレンギ》を詳細に紹介する一書。彫刻的な空間構成や素材への繊細な感覚を体現し、縞模様の円柱や複雑なディテールを通してスカルパの建築美学が表現されている。建築史家フランチェスコ・ダル・コが、同時期の代表作《ブリオン墓地》との関係にも言及しつつ、その構想と設計の背景を考察。図面やスケッチ、豊富な写真資料が掲載されている。英語表記。
No Detail: Michael Held 27 Haeuser
建築家マイケル・ヘルトの思索と創作を、彼自身のノートブックの形式になぞらえて構成したユニークな作品集。展覧会のチケットや雑誌から切り抜いた写真、スケッチ、図面、CGなどをコラージュするように綴られた「27の家」をめぐる記録は、私的でありながら建築的風景を成す多層的な語りとして立ち上がる。言葉・線・色が織りなす日記的ドキュメントから、建築と日常、記憶と形式の交差を読み解く一冊。ドイツ語表記。
EL CROQUIS 88/89
スペインで創刊された建築雑誌『El Croquis(エル・クロッキー)』第88/89号。1990年代を代表する建築作品と、次の時代への展望を示すプロジェクトを紹介する。ピーター・ズントーによるヴァルスの温浴施設をはじめ、妹島和世+西沢立衛、フランク・ゲーリー、ジャン・ヌーヴェルらの仕事を収録。光や素材、空間体験をめぐる建築的探究を、豊富な図版と批評的視点で掘り下げる構成となっている。スペイン語、英語表記。
EL CROQUIS 92
スペインで創刊された建築雑誌『El Croquis(エル・クロッキー)』第92号。1990年代後半の注目プロジェクトを特集し、世界各地の建築動向を多角的に紹介する。安藤忠雄による綾部市民センターやフォートワース現代美術館、ジャン・ヌーヴェルのバイエラー財団美術館、伊東豊雄、妹島和世+西沢立衛による住宅や公共建築のほか、オランダのNeutelings Riedijkによる消防署や大学施設なども掲載。建築家たちの表現と構想を、多数の写真・図面とともに丁寧に記録している。スペイン語、英語表記。
Barents Lessons: Teaching and Research in Architecture
スイス・ローザンヌ工科大学のスタジオ「laba」が、資源豊かなバレンツ海地域を対象に実施した一年間の調査を記録する。海洋を都市化された領域と捉え、広域的な分析から現地調査、そして建築提案へと展開。三部構成で、地域研究、フィールドワーク、13の建築プロジェクトを通じて、実践的かつ批評的な設計教育のアプローチを示している。英語表記。
建築と都市 a+u 2006年8月臨時増刊 ヘルツォーグ・アンド・ド・ムロン 2002-2006
建築雑誌『a+u(建築と都市)』2006年8月臨時増刊号。特集はスイスの建築家ユニット、ヘルツォーグ・アンド・ド・ムロン。2002年から2006年の間に手がけられたプロジェクトの中から、設計段階における最も純粋なコンセプトが現れた計画案を中心に紹介する。彼らのアプローチの変遷を示すドローイングや模型に加え、打ち合わせを経て特別に撮影された現場写真や図面を豊富に掲載。構想から空間への展開を読み解く一冊となっている。日本語、英語表記。
The SANAA Studios 2006-2008 | Lars Muller Publishers
妹島和世と西沢立衛による建築ユニットSANAAが、2006年から2008年にプリンストン大学で行った設計スタジオの記録集。日本の3地域を対象に、パーソナルな領域と公共空間の関係や、現代日本社会における空間の特性を建築の文脈から探る。スタジオでの考察とともに、建築写真家イワン・バーンが再訪して撮影した現地写真も掲載されており、設計課題とその背景を多角的にとらえている。英語表記。
ブレックファースト・ランチ・ティー | ローズ・カッラリーニ
パリの人気カフェ「ローズ・ベーカリー」初のレシピ集。できる限りオーガニックな食材を使用し、素材の味を活かした100点以上のレシピを掲載。シンプルで栄養豊かな朝食、軽やかなランチ、甘さ控えめの焼き菓子やスイーツまで、ローズ・ベーカリーのスタイルを自宅でも楽しめる内容となっている。気取らず日常に寄り添う料理と、彩り豊かな写真も魅力。日本語版。
Droog&Dutch Design展 現代オランダデザインの今 | ユトレヒト・セントラル・ミュージアム
2000年に新宿パークタワーホールで開催された「Droog & Dutch Design展」の図録。オランダ発の革新的なデザインムーブメント「ドローグ・デザイン」や、ヴィクトール&ロルフに代表される先鋭的なファッションなど、現代オランダの多様なデザインの潮流を紹介する。プロダクトからファッション、グラフィックに至るまで、ミニマルかつユーモラスな視点を持つ作品群を収録し、国際的に注目を集めるオランダ・デザインの現在を多角的に捉える内容となっている。
Kartell: 150 Items, 150 Artworks | カルテル
イタリアのインテリアブランド、Kartell(カルテル)の作品集。ブックワームやラ・マリーなど代表作150点を、ブルース・ウェーバーやヘルムート・ニュートンといった世界的フォトグラファーの撮り下ろしによって紹介。50年にわたるカルテルの革新的なデザインの軌跡を、写真とともにドラマチックに辿る構成となっている。英語表記。
Uchida Kouichi | 内田鋼一
陶芸家・造形作家として知られる内田鋼一の作品集。アートピースからボトル、器、ポット、壺、チェス盤に至るまで、多様なフォルムの「ヤキモノ」を紹介している。掲載作品は43点。素材としての土と向き合いながら、実用性と造形性のあいだを自在に行き来する内田の仕事を通して、その創作の核心に迫る。内田自身によるロングインタビューも収録され、作品に込められた思想やプロセスを掘り下げる内容となっている。
坂本一成 住宅 | 新建築社
2008年に開催された「坂本一成 建築展『日常の詩学』」に際して刊行されたカタログ。カタログ内容に加え、建築家・坂本一成が1969年から2008年にかけて手がけた住宅建築16点を、図版とともに紹介する。日常性と詩的感覚を建築に織り込んだ坂本の思想と実践に迫る構成。多木浩二、トーマス・ダニエル、上原雄史による論考も収録。
Russian Folk Costume: Sergey Glebushkin Private Collection | Aldis
ロシア各地の伝統的な民族衣装を紹介する資料集。コレクター、セルゲイ・グレブシキンのプライベートコレクションをもとに、地域ごとに異なる衣装のかたちや装飾、織りや刺繍のディテールまでを豊富なカラー写真で記録。多様な文化背景や風土に根ざした衣服を通して、ロシアの民族的な美意識と暮らしの一端を垣間見ることができる。英語表記。
特別展 日本建築の自画像 探求者たちのもの語り | 香川県立ミュージアム
2019年に香川県立ミュージアムで開催された特別展にあわせて刊行された一冊。「日本建築」のイメージを、建築史家・建築家・地域の人々という三つの視点から捉え、多面的な「自画像」として提示する。設計図、写真、模型、映像など多様な資料を通じて、建築をかたちづくる背景の思想や時代を照らし出す。さらに、瀬戸内や沖縄といった地域に根ざした実践にも注目し、「日本建築」とは何かをあらためて問い直す構成となっている。モノクロ図版とあわせて解説を収録。
MADE IN JAPAN 素のものたち | 内田鋼一
陶芸家・内田鋼一が主宰する私設美術館「as it is」でのコレクション展第6弾にあわせて刊行された図録。アフリカの仮面のような農具やモダンな工業用椅子など、一見異国風でありながら、すべてが日本製の品々。金属、漆、木、布、紙、石、土など、多様な素材を用いた道具を通じて、日本の「素」のかたちを見つめ直す。内田鋼一の審美眼によって選ばれたコレクションをカラー図版と解説で紹介する。日本語、英語、フランス語表記。
白磁 Haku-ji 倉敷意匠 atiburanti books 1
2012年に倉敷意匠アチブランチで開催された展示の際に刊行されたもの。生活雑貨メーカー・倉敷意匠計画室を立ち上げたタナベシンスケが集めた、18世紀南仏の白釉陶器、19世紀クレイユ&モントロー社の軟質白磁を中心に撮影された写真18点を収録。シンプルな白磁の美しさを、静謐な陰影によって静物画のように写し出す。限定500部。装丁はサイトヲヒデユキ。
Asnago and Vender and the Construction of Modern Milan | Adam Caruso、Helen Thomas
イタリアの建築家マリオ・アスナーゴとクラウディオ・ヴェンデルによる作品集。第二次世界大戦後、復興期のミラノにおいて多くの建築プロジェクトを手がけ、都市の再生とモダニズムの展開に貢献した2人の足跡をたどる。住宅や公共建築を中心に、洗練されたディテールと均整の取れたプロポーションに焦点を当て、図版とテキストで紹介。英語表記。
Hopkins in The City | Adam Caruso、Helen Thomas
英国の建築スタジオ、マイケル・ホプキンス&パートナーズ(現 Hopkins Architects)が手がけた5つの都市建築を紹介。20世紀の建築をめぐる議論の中核である「技術」「スタイル」「文脈」という基本的な問題を再検討しながら、それぞれのプロジェクトに通底する設計思想を探る。調査図や美しい写真を通して、都市と建築の関係性を問い直すホプキンスのアプローチが浮かび上がる構成。英語表記。
Design Museum Book of Twentieth Century Design | Catherine McDermott
20世紀に生まれた最も重要かつ影響力のあるデザインを網羅した資料集。建築、ファッション、家具、グラフィックなど多岐にわたる分野の現代デザインを取り上げ、360点以上の図版とともに解説する。フランク・ロイド・ライト、ジオ・ポンティ、フィリップ・スタルク、クリスチャン・ディオール、ソール・バスといった代表的デザイナーの作品を豊富に掲載し、20世紀のデザインの流れと革新を視覚的にたどることができる一冊。英語表記。
Cereal City Guide: London
ライフスタイル誌『CEREAL』が手がけるシティガイドシリーズのロンドン編。編集部の美意識と哲学を反映し、ロンドンのレストラン、建築、美術館、ギャラリーなどを厳選して紹介。洗練された写真とミニマルなテキストにより、都市の魅力を静かに引き出す構成となっている。英語表記。
密教 チベット仏教の世界 | 藤田弘基
ダライ・ラマ政庁の全面協力のもと編纂された、チベット真言密教美術の大判写真資料集。写真家・藤田弘基がチベットをはじめ、インド、ネパール、シッキム、ブータンの約150カ所の寺院を巡り、仏像や曼荼羅、寺院建築、僧侶たちの姿を撮影している。密教の歴史的背景や曼荼羅の構造・意味に関する解説も収録されており、視覚資料と学術的情報の両面からチベット仏教の世界を読み解くことができる内容となっている。
白鳳 花ひらく仏教美術 | 奈良国立博物館
2015年に奈良国立博物館で開催された展覧会の図録。645年の大化の改新から710年の平城京遷都まで、飛鳥時代後半に花開いた白鳳文化に焦点を当てる。若々しい造形感覚にあふれた白鳳仏をはじめ、瓦などの考古遺物を通して、この時代の美術と文化の特質を浮かび上がらせる構成となっている。仏像彫刻や装飾品など、多彩な資料を豊富な図版とともに紹介。
建築紅花青鳥図 | 増田彰久、塚本邦雄、藤森照信
戦前に建てられた洋風建築に施された、鳥獣や植物の意匠を集めた写真集。軒下や窓まわり、石造の銀行から煉瓦造のオフィスまで、町のあちこちにひっそりと隠された唐草模様、アカンサス、獅子、フクロウなどの装飾を収録。写真は増田彰久、詩文は塚本邦雄、解説は藤森照信が担当。さらに杉浦康平、植田実らによる造本・構成により、細部にまで美意識が貫かれた一冊となっている。
建築家ピエール・シャローとガラスの家 | 鹿島出版
2014年にパナソニック汐留ミュージアムで開催された、ポンピドゥー・センターとの共催展のカタログ。1920〜30年代のパリを舞台に、建築家・家具デザイナーであるピエール・シャローの創作を紹介。「ガラスの家(メゾン・ド・ヴェール)」を中心に、家具、照明器具、デザイン画、模型などを豊富な図版とともに収録し、その革新的な建築思想と造形美に迫る。
グェッリーノ・トラモンティ展 イタリア・ファエンツアが育んだ色の魔術師 | 東京国立近代美術館
2011年に東京国立近代美術館などで開催された展覧会の図録。イタリア・ファエンツァ出身の芸術家グェッリーノ・トラモンティは、絵画や彫刻を経て陶芸の道へと進み、マヨリカ焼の技法を駆使して独自の表現を確立。色鮮やかな皿や彫刻的フォルムの器など、芸術家としての幅広い創作活動を多角的に紹介している。
山邊知行コレクション 別冊 | 源流社
染織史研究者である山邊知行のコレクションをまとめた写真資料集。アジアやヨーロッパ、中東など世界の国々と日本における伝統的な絹・染織物、人形などをカラー図版で270枚掲載。解説のテキストも合わせて収録。限定777部刊行。山邊知行本人による直筆サイン入り。
美の求道者 安宅英一の眼 安宅コレクション | 金沢12世紀美術館
2007年から2008年にかけて金沢21世紀美術館などで開催された展覧会「美の求道者 安宅英一の眼 安宅コレクション」にあわせて刊行された図録。約1000点におよぶ東洋陶磁の名品を擁する「安宅コレクション」の形成過程をたどりつつ、収集の中心人物・安宅英一の審美眼とその精神性に迫る。国宝2点、重要文化財12点を含む202点の作品をカラー図版で掲載。
The Lasting One, That Didn’t Last, That Still Lasts | Hannelore Van Dijck
木炭によるドローイングを中心に活動するベルギーのアーティスト、ハンネローレ・ファン・ダイクの近作を紹介する作品集。紙上だけでなく壁や床、天井にまで描かれるインスタレーションは、空間の知覚を揺るがし、物質としての時間と記憶を刻む。描き続けることで生まれるリズムと手仕事が空間を満たし、作者不在の場にも気配を残す。ローラ・スタンプス、マイケル・ニューマンらによる論考を収録し、見ることの本質に迫る一冊。限定1000部発行。英語、オランダ語表記。
Ann Craven | アン・クレイヴン
ニューヨークを拠点に活動する画家、アン・クレイヴンの20年にわたる創作をまとめた作品集。鳥や月、花、動物、抽象画といった繰り返し描かれてきたモチーフを軸に、優しく、ときに大胆な筆致による多彩な絵画を収録している。豊富なカラー図版に加え、制作風景を捉えたスタジオ写真や、クレイヴンの作品世界を読み解くテキストも掲載。継続と変化をテーマに、独自の視覚言語を築いてきた画業の軌跡を辿る構成となっている。英語表記。
Writing Over | Kasper Andreasen
ブリュッセルを拠点に活動するアーティスト、カスパー・アンドレアセンによる作品集。ドローイングと筆記、そして地図制作のジェスチャーに注目した“描くこと”の探求がテーマとなっている。風景写真や中世地図、記譜法に基づく多様な線描が展開され、2012年にアールストのNetwerkで発表された同名インスタレーションに連動する構成となっている。地図制作の過程で用いられた紙面――スケッチ、スタンプ、銅版など――を集めた「Atlas Archive」と、ルイ・リュティによる書き下ろし短編『Unalaska Alaska』も収録。英語表記。
Carl Andre: Sculpture as Place 1958-2010 | カール・アンドレ
2015年から2017年にかけて世界各地を巡回した、カール・アンドレの大規模回顧展にあわせて刊行された公式カタログ。ミニマル・アートを代表する彫刻家であり詩人でもあるアンドレの創作活動を、1958年から2010年までの流れに沿って紹介する。代表的な彫刻作品に加え、未発表のコンクリート・ポエトリー、手紙、絵葉書、エフェメラ、重要なインスタレーションなど、多岐にわたる資料を豊富に収録。アンドレの芸術観に迫る一冊。英語表記。