形物香合 | 臼井史朗
香を納めるための小さな蓋付き容器〈香合〉をテーマにした資料集。動物や植物をかたどった意匠や、染付、青磁など多彩な技法による香合の名品をカラー図版で多数掲載している。造形や装飾の美しさだけでなく、茶の湯の世界における香合の位置づけや、用と美が融合した日本的造形の魅力を伝える内容となっている。巻末には「形物香合」と題した詳細な解説を収録。
GA アーキテクト 18 妹島和世+西沢立衛 1987-2006
建築家、妹島和世と西沢立衛の個人作品、そして共同設計事務所SANAAによる初期から中期にかけてのプロジェクトを収録した写真資料集。1987年から2005年にかけて発表され、国際的に評価を高めていった時期の建築作品や家具を、写真、図面、スケッチなど豊富な資料で紹介。透明感と軽やかさをもつ空間構成や、構造と光の繊細な関係性が明快に示され、両者の建築思想の形成過程を読み取ることができる。妹島和世と西沢立衛によるエッセイも収録。
GA アーキテクト 妹島和世+西沢立衛 2011-2018
建築家、妹島和世と西沢立衛の個人作品、そして共同設計事務所SANAAによるプロジェクトを収録した写真資料集。2011年から2018年にかけての建築作品、展覧会、家具デザインなどを網羅し、写真や図面、スケッチなど豊富な資料で構成されている。軽やかで透明感のある空間表現や、光と構造の繊細な関係性を通して、2人の建築思想の深化を示している。国際的な受賞歴とともに、現代建築におけるSANAAの軌跡を提示している。妹島和世と西沢立衛によるエッセイを収録。
NA建築家シリーズ 03 内藤廣
建築専門誌『日経アーキテクチュア』の特集を再編集した「NA建築家シリーズ」第3弾。日本を代表する建築家、内藤廣の主要作品を「海の博物館」から「旭川駅」に至るまで網羅している。自然環境と構造の関係を見つめ、素材の特性を生かした誠実な設計思想を貫く内藤の建築を、豊富な写真や図面で紹介。さらに、本人へのインタビューや対談記事も収録し、その思考の背景と時代への視点を多角的に探る。現代日本建築の本質に迫る一冊。
Charles & Ray Eames 1907-78, 1912-88: Pioneers of Mid-century Modernism
建築家・デザイナーとして20世紀のモダンデザインを牽引したチャールズ&レイ・イームズ夫妻の仕事を総覧するデザイン資料集。成形合板を用いた初期の家具実験や〈ケース・スタディ・ハウス〉、ハーマンミラー社での代表的プロジェクト、さらに教育映画『パワーズ・オブ・テン』までを網羅している。約120点におよぶ写真、スケッチ、図面を収録し、夫妻の創造のプロセスを多角的に紹介。
魯山人 うつわの心 | 黒田和哉
日本を代表する芸術家、北大路魯山人の「うつわ」に焦点を当てた作品集。自作の陶磁器をはじめ、古陶、花器、茶器、料理の器など、多様な作品をカラーおよびモノクロ図版で収録している。器に宿る美と実用の調和、自然への眼差し、素材への感覚的理解を通して、魯山人が追い求めた美意識の核心に迫る内容。心の眼で見出した「うつわ」の世界を通じて、芸術と生活の結びつきを明らかにしている。
岩田圭介 陶展 Iwata Keisuke
陶芸家、岩田圭介による作品集。作家・花村萬月が命名した「沈青降」の散文をはじめ、花器や壺などの陶芸作品に加え、アトリエや飼い犬、自然の風景など、制作の背景にある日常の情景を写した写真を収録している。土の質感や釉薬の色調、かたちの揺らぎを通して、生活と創作のあいだに流れる時間を静かに映し出す。陶という素材に宿る呼吸と、作家の日常が交わる瞬間を見せている。
江戸年中行事図聚 | 三谷一馬
江戸風俗画の第一人者、三谷一馬による作品集。江戸の人々の暮らしを彩った年中行事のうち、今も受け継がれるものからすでに姿を消したものまで、百余種を資料画と解説で再現している。正月の祝いや節句、祭礼、歳末の風景など、四季折々の行事を通して江戸庶民の生活感情と風俗の豊かさを伝える構成。精緻な描線と温かなまなざしによって、江戸の年中行事が息づいていた時代の情景を照らし出している。
知られざる西アフリカの美術
2002年から2003年にかけて京都国立近代美術館をはじめ全国各地で開催された展覧会「知られざる西アフリカの美術」の図録。美術史上でも最も多様な表現が展開された西アフリカ地域に焦点を当て、古代から近代に至る約2000年の歴史の中で生み出された装身具、錘、仮面、人物像の木彫など216点の美術品を収録。素材や形態、文様に宿る象徴的意味を通して、西アフリカの精神文化と造形美の深さを明らかにしている。
驚異と怪異 想像界の生きものたち
2019年に国立民族学博物館で開催された展覧会「驚異と怪異 想像界の生きものたち」の図録。人魚、龍、怪獣、天馬など、世界各地の神話や伝承、信仰の中で生み出された架空の生物を紹介。恐ろしくも愛らしい、異形の存在たちを通して、人間が長い歴史の中で培ってきた想像力と世界観の多様さを探る構成となっている。
アイヌの工芸
1993年に東京国立博物館で開催された展覧会「アイヌの工芸」の図録。海外の博物館や個人に所蔵されているアイヌの工芸品を体系的に紹介した初の試みとして企画されたもの。衣服、装飾具、生活用具、祭具など、人々の暮らしと信仰に密接に結びついた造形の数々を、写真と解説によって丁寧に収録している。素材や文様、技法に込められた精神文化を通して、アイヌの美と造形思想の豊かさを伝えている。
INAX Booklet 建築の彩時記 港町・函館こすり出し
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。函館の建築観察記録と、こすり出し集団「元町倶楽部」の活動を通じて、異国情緒あふれる港町・函館の“ハイカラ建築”とその色彩の変遷をたどる。塗り重ねられたペンキを削ることで現れる時代ごとの色の層「時層色環」を通して、函館やアメリカの建築に刻まれた記憶をひもといている。建築、色彩、そして時間が交差する建築ドキュメント。
INAX Booklet 小さな建築 模型のトポロジー
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。建築模型はなぜ人の心を惹きつけるのか。精巧な再現だからか、それとも大きな建物を小さく縮めたからか。建築模型に焦点をあて、日本の建築雛形を中心にした図版や、西洋建築史、起こし絵図に関する論考など、さまざまな視点からその魅力を読み解いている。模型が放つ多彩な表情や価値を丁寧に探っている。監修は建築史家・西和夫。
INAX Booklet イスラームのタイル
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。12世紀に黄金期を迎えたイスラーム文化は、鮮やかな釉薬と卓越した造形技術によって、装飾タイルという独自の美を築き上げた。マスジド・イ・シャーの礼拝堂、ペルシア三彩や回青、ラスター彩星形タイルなど、美と技の結晶ともいえる作品を通して、イスラーム美術とその原点をたどっている。
INAX Booklet いま、むかし・銭湯 : ゆ
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。鎌倉時代の末にはすでに存在していたとされる「銭湯」の歴史をたどりながら、各地の銭湯建築を紹介する。なぜ東京の銭湯は社寺建築風なのか、壁に描かれるペンキ絵の魅力とは何か。建築的視点に加え、民俗誌的な考察も交えながら、銭湯文化の多面的な魅力に迫っている。藤森照信らによる解説を収録。
INAX Booklet リカちゃんハウスの博覧会 マイホーム・ドリームの変遷
INAXギャラリーでの展覧会にあわせて刊行されたブックレット。1967年の発売以来、長く愛され続けているリカちゃん人形とリカちゃんハウス。カラフルな家具や家電、間取り、ドールハウスのデザインや機能の変化を通して、各時代の暮らしのかたちや、日本人の「理想の住まい」への夢の移り変わりを読み解いている。
ハイレッド・センター 直接行動の軌跡
2008年に渋谷区立松濤美術館で開催された展覧会「ハイレッド・センター 直接行動の軌跡」にあわせて刊行された公式図録。高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之を中心に結成された前衛芸術グループ「ハイレッド・センター」が主宰した路上インスタレーションやパフォーマンスをはじめ、各メンバーの個別作品を“発生”順に構成。数々の行動を事件帳簿のように記録する装丁は町口覚が手がけ、記録性と視覚性を高い次元で融合させている。
The Civil Dawns | Darren Almond
イギリスの現代美術家、ダレン・アーモンドの作品集。アーモンドは、彫刻、映像、写真など多様なメディアを用いた作品で知られており、本書はクロード・モネが暮らしたジヴェルニーの庭を冬と夏に撮影したシリーズ「Giverny」と、霧に包まれた日本の比叡山を撮影したシリーズ「Mt. Hiei」の2つの写真シリーズを収録。ページをめくるごとに優しい光とともにどこか懐かしい感情を呼び起こされるかのような、儚さと静けさを感じさせる一冊。
Equally, Beautiful | 北岡稔章
写真家、北岡稔章による作品集。ライカとの出会いを機に花や植物を撮り始め、マクロレンズを用いて小さな世界を鮮明に捉えると同時に、アレ・ブレ・ボケによる“不鮮明”なイメージを融合させた独自の表現を追求する。透明と不透明、光と影が交錯する中で、花びらの色彩やフォルムが儚さと力強さを同時に湛える。細部に宿る生命の気配を見つめ、不完全さの中に潜む美を探る視点が提示されている。自然への繊細なまなざしを通して、見る者の感覚と想像を静かに呼び覚ましている。
四国の静寂 | デミエン·ドルー
オーストラリアの写真家、デミエン・ドルーが日本の四国を舞台に撮影した作品集。過疎化や高齢化、人口減少といった社会変化の痕跡を、廃屋や閉ざされた店舗、忘れられた集落、山間を走る無人のインフラに見出し、静かに記録している。色彩を排したモノクロームの構成は、時間の堆積と物質の風化を浮かび上がらせ、風景に刻まれた記憶と「喪失の美学」を伝えている。風景写真でありながら、建築的視点と社会的リアリズムが交差し、現代日本の地方が抱える現実を静謐な眼差しで照らし出している。200部限定刊行。
Los Angeles Apartments | Edward Ruscha
アメリカのアーティスト、エド・ルシェの代表作『Some Los Angeles Apartments』(1965年)を中心に、ドローイングや写真作品を収録した作品集。1990年にホイットニー美術館で開催された展覧会にあわせて刊行されたもの。ルシェがロサンゼルスの都市景観を簡潔かつ冷静な視点でとらえ、日常の構造物を新たな美学として提示した作品群を紹介。また、デイヴィッド・ホックニーやエドワード・ホッパーらによる建築を主題とした作品も併載され、20世紀における建築と視覚芸術の関係を照らし出している。
Survivors in Ukraine | Stephen Shore スティーブン・ショア
ウクライナからアメリカへ移住した祖父を持つ写真家スティーブン・ショアによるプロジェクト。第二次世界大戦中、ウクライナでのユダヤ人虐殺を生き延びた22人のその後を辿り、彼らのポートレートに加えて、現在暮らす家屋や周囲の風景を撮影している。一見平穏に見える日常の中に、消えることなく刻まれた過去の痕跡を映し出す。記憶とまなざしの交差点から、歴史の持続と人間の存在を問いかける構成。英語表記。
Jiko · Kyokai 時光 · 境界 | Juan Carlos Pinto
メキシコの写真家、フアン・カルロス・ピントによる作品集。3つのプロジェクトから構成され、「時代」では東京の公衆電話を通して、過ぎ去った記憶と変わりゆく現代の姿を捉える。「光の孤独な軌跡」では都市の中に潜む孤独の瞬間を、光の存在を媒介に描き出し、「無常の響」では仏教思想に触発され、儚くも美しい移ろいを探求している。時間と空間、記憶と存在をめぐる普遍的なテーマを通じて、メキシコと日本の文化的・精神的境界を静かに越境する。
Girl | 奥山由之
写真家・映像作家、奥山由之による初期作品集。薄暗いカーテンやシーツの皺、かすかな人影や女性の横顔といった断片的なイメージを重ねながら、記憶と夢のあわいに漂う感情を写し出している。掴もうとすると消えてしまうような儚い瞬間を、柔らかな光と繊細な質感で構成し、内面の揺らぎを静かに可視化した作品。第34回「写真新世紀」優秀賞を受賞し、奥山の原点ともいえる詩的感性と映像的な視覚表現を提示している。
Dani Karavan: Retrospektive
2008年にベルリンのマルティン・グロピウス・バウで開催された回顧展にあわせて刊行された図録。都市や風景の中に記憶や時間の層を刻み込み、見る者の身体的体験を通して空間を再構築する作品で知られる彫刻家、ダニ・カラヴァンの創作活動を総覧する一冊。環境や歴史、土地の物語と向き合いながら、自然と人間、記憶と場所の関係を探る試みが一貫している。本書では代表作から未公開資料までを幅広く収録し、カラヴァンの芸術の歩みと思想を明らかにしている。
Antony Gormley
イギリスのアーティスト、アントニー・ゴームリーのモノグラフ。初期のスケッチから世界各地に設置された大規模なパブリック・アートに至るまで、創作の全貌を包括的に紹介する。代表作「エンジェル・オブ・ザ・ノース」や「アナザー・プレイス」をはじめ、日々の制作の中で生まれるドローイング、鋳造によって自身の身体をかたどる独自のプロセスを通して、存在と空間の関係を探求する姿勢が示されている。身体という普遍的な主題を通じて、彫刻の意味と可能性を提示している。
When Shadows Cast People | Julia Kissina
ウクライナ出身のアーティスト、ジュリア・キッシナによる作品集。夏の午後16時半から18時、自宅バルコニーからベルリンの街路を行き交う人々とその影を撮影したシリーズを収録。光と影が織りなす風景は、ユーモアと幻想性を帯び、人物かどうかも判然としないシルエットが、日常の中に詩的な瞬間を立ち上げている。英語表記。
David Hockney: A Retrospective | デイヴィッド・ホックニー
イギリスを代表する現代アーティスト、デイヴィッド・ホックニーの回顧作品集。ロンドンとカリフォルニアを拠点に活動し、ポップ・アート以降の美術史に大きな足跡を残してきたホックニーの仕事を、ドローイング、ペインティング、版画、写真、舞台美術など多彩な表現を通して紹介。各時代の主要な作品を網羅し、スタイルの変遷や創作への姿勢をたどる構成となっている。序文はホックニーの友人でもある画家、R・B・キタイが担当。英語表記。
AIZ-VI 1930-38 | John Heartfield
ドイツ・ベルリンのダダイスト、ジョン・ハートフィールドが編集に携わったプロパガンダ雑誌『AIZ(Arbeiter-Illustrierte-Zeitung)』を包括的に紹介する作品集。1930年から1938年にかけて発表されたナチス批判のフォトモンタージュを中心に、誌面構成や政治的背景を詳細な解説とともに収録している。社会的メッセージと美術的実験を融合させたハートフィールドの活動を通して、グラフィックが時代の言論空間に果たした役割を明らかにしている。
Aleksandr Rodchenko: Painting, Drawing, Collage, Design, Photography
ロシア構成主義を代表する芸術家、アレクサンドル・ロトチェンコの作品集。絵画、ドローイング、コラージュ、フォト・モンタージュ、写真といった多岐にわたる表現を収録し、その実験精神と造形理念を総合的に示している。芸術とデザイン、芸術家と社会の関係をめぐる思索を体現する作品群は、20世紀初頭のアヴァンギャルド運動における革新の精神を伝えている。構成主義の理想とロトチェンコの創造的軌跡を照らし出している。
吉田博 全木版画集 増補新版
明治から昭和にかけて活躍した木版画家、吉田博の代表作を網羅した決定版作品集。1987年刊行の初版を全面的に改訂し、掲載作品を原寸に近いサイズで再現。初摺に基づく色彩調整に加え、新たに発見された版画や資料を収録し、60ページ以上の増補を施している。日本各地のみならず欧米やアジアを旅し、風景を緻密かつ力強い構図へと昇華させた吉田博の芸術性と国際性を多角的に紹介。新版画運動を牽引したその創作の到達点を明らかにしている。
Mind over Matter: Concept and Object | Richard Armstrong
1990年から1991年にかけてニューヨークのホイットニー美術館で開催された展覧会「Mind over Matter: Concept and Object」の図録。アシュリー・ビッカートン、ナイランド・ブレイク、ティシャン・スーら6名の作家に焦点を当て、1960〜70年代に登場した第三世代のコンセプチュアル・アートの潮流を紹介。形式主義的な美術から離れ、社会的・美的課題に取り組む彼らの作品は、素材や空間の枠を超え、思考と概念を中心に展開される新たな表現を提示している。キュレーター、リチャード・アームストロングによる論考が現代美術の転換期を明らかにしている。
植田正治のつくりかた
20世紀の日本写真を代表し、世界的にも高く評価される写真家・植田正治の作品集。2013年から2014年にかけて東京ステーションギャラリーと岩手県立美術館で開催された、生誕100年記念展にあわせて刊行されたもの。初期から晩年に至る代表作を網羅しつつ、新たに発見された資料に基づく全20篇の解説コラムを収録。構図や演出に独自の美学を貫いた植田作品の魅力と、その創作の背景に深く迫っている。
十七歳の地図 | 橋口譲二
写真家、橋口譲二による写真集。1987年から1988年にかけて、北海道・礼文島から沖縄・与那国島まで日本各地を巡り、出会った「17歳」の若者たちを撮影したポートレートを収録する。学生、労働者、主婦など、異なる環境や背景をもつ彼らの表情を通じて、青春期特有の不安や希望、社会との距離感が浮かび上がる。モノクロームの静謐なトーンと、被写体の言葉を添えた構成により、1980年代の日本に生きる若者像を明らかにしている。
静岡詩 | 佐内正史
写真家、佐内正史による作品集。自身が主宰する写真集レーベル「対照」から刊行された第16弾で、静岡市美術館での展覧会にあわせて制作された。地元・静岡で過去に撮影した写真と新たに撮り下ろした作品を織り交ぜ、日常の中にある光や風景を淡々と写し取っている。特別な出来事ではなく、何気ない景色に漂う記憶の手触りを呼び覚ますような構成が印象的。時間の流れとともに変わりゆく土地と心の距離を見つめ、写真と言葉で“ふるさと”の情景を照らし出している。
Between the Modern and the Popular | Alfredo Volpi
20世紀ブラジルのモダニズムを代表する画家、アルフレード・ヴォルピの作品集。職人としての出自をもつヴォルピは、日常的な風景や祭礼の旗、宗教画から着想を得たモチーフを、独自の構成と色彩で再構築した。ブラジルの植民地時代の記憶や民衆文化、宗教的世界観を背景に、具象と抽象のあいだを行き来する絵画表現を展開している。本書では、幾何学的な構図と繊細な筆致が融合する代表作を中心に、アメリカとブラジルの研究者7名による論考と、ヴォルピ本人へのインタビューを収録。ブラジル近代絵画の展開と、その大衆的感性との関係を照らし出している。
El Artista, Su Obra, Sus Tiempos | Manuel Alvarez Bravo
20世紀メキシコを代表する写真家、マヌエル・アルバレス・ブラボの作品集。1920年代から1990年代にかけての代表作を中心に、長年にわたる創作の軌跡をたどる。日常の情景に人間の内面や社会の詩情を重ね合わせ、写真を通じて新たな現実のかたちを提示したブラボの独自の視覚世界を示している。メキシコの歴史や文化を背景に、静謐な構図と象徴的なモチーフが織りなす詩的な時間を映し出している。
Nina Fischer & Maroan el Sani | ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・ザニ
ドイツのアーティスト・デュオ、ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・ザニによる作品集。都市に刻まれた記憶や忘れられた歴史を掘り起こし、映像、インスタレーション、空間表現によって再構築する手法で知られる。本書では、彼らの代表的な9つのプロジェクトを紹介。いずれもモダニズム建築の解体と再解釈に焦点を当てており、時間の蓄積と空間の変容に対する一貫した視点を浮かび上がらせる。ドイツ語、英語表記。
PRESENT | Marc Nagtzaam
オランダのアーティスト、マーク・ナグザームによる作品集。サルデーニャ島でのアーティスト・イン・レジデンス滞在中に収集した雑誌や書籍から図版や記号をスキャンし、それらを抽出・再構成する独自の手法を紹介する。モノクロームの線と反復によって構築される作品は、記号や言語、イメージの構造そのものへの問いを投げかけるものとなっている。豊富な図版とテキストを通して、ナグザームの思考と造形のプロセスを提示している。
我旅我行 | 桑島智輝、安達祐実
写真家、桑島智輝が当時の妻である俳優・安達祐実を被写体に撮り続けてきたシリーズの続編となる写真集。フランス、ポーランド、ドイツ、沖縄、スペインを巡った2014年から2018年までの四度の旅、そして2020年以降の“旅のような”日常を記録している。異国の街角やレストランでの食事、部屋でくつろぐ穏やかな時間など、親密さと自然体が同居する瞬間が収められている。変化する時間の流れと、撮る人・撮られる人の関係が重なり合う情景を映し出している。
我我 | 桑島智輝、安達祐実
写真家、桑島智輝が当時の妻である俳優・安達祐実を撮影した写真集。家庭や妊娠、出産、子育てといった日常の時間を通じて、俳優としての姿とは異なる安達祐実の素顔を捉えている。約3年間にわたり撮影されたアルバム70冊分、18,500枚を超える写真の中から135枚を厳選して構成。被写体と撮影者という関係を超え、夫婦としての視線が交差する「我と我」の関係性を探る内容となっている。安達祐実本人によるテキストも収録し、生活と写真が響き合う新たな家族像を提示している。装丁は町口景によるもの。
06 Alpes-Maritimes | Raymond Depardon
フランスの写真家、レイモン・ドゥパルドンによる作品集。ドゥパルドンが長年惹かれてきた南仏ニースとその周辺、アルプ=マリティーム県を舞台に撮影されたシリーズを収録する。地中海沿いの港や海辺の館、柔らかな陽光に包まれた街並み、谷を歩き、山を登りながら記録された風景が静謐なトーンで展開。ドキュメンタリーと詩的視線のあいだを往還しながら、作家が祖国フランスの風土と人間の気配を見つめた一冊。時間の流れとともに変わりゆく土地の表情を映し出している。
Tete a Tete: Portraits by Henri Cartier-Bresson
1998年にロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーで開催された展覧会にあわせて刊行された作品集。20世紀を代表する写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソンが撮影したポートレートに焦点を当てている。ピカソ、マティス、サルトルをはじめとする芸術家や思想家、歴史の瞬間に立ち会う無名の人々まで、幅広い被写体を収録。決定的瞬間をとらえる鋭い観察眼と、人物の内面を静かに映すまなざしが交錯する。カルティエ=ブレッソンの人間観と写真表現の本質を照らし出している。
絹の夢 | 石内都
写真家、石内都による作品集。代表作「ひろしま」で被写体となった絹織物との出会いをきっかけに、新たなテーマとして「絹」を見つめたシリーズを収録する。大正から昭和にかけて女性たちが身にまとった「銘仙」に焦点を当て、工房や繭、生糸の姿、そして色鮮やかな布地の模様を撮影。時代を超えて受け継がれてきた素材の手触りや、そこに宿る記憶を静かに捉えている。女性の生と衣服の関わりを通して、記憶と物質、個人と歴史のあいだを照らし出している。装丁は中島英樹によるもの。