熊野、雪、桜 | 鈴木理策
風景写真の新たな地平を切り拓いてきた写真家・鈴木理策の個展図録。故郷・熊野を主題とする連作「熊野」、光の移ろいを追い続けた代表作「桜」、そして雪をモチーフとした新作「White」から約80点を収録する。反復される土地と季節のなかで、光と色彩の微細な変化に向けられた継続的なまなざしが、時間の層を重ねていく。東京都写真美術館によるシリーズ第一弾として刊行され、写真表現の現在を問い直す契機ともなった一冊。
Allgemeine Entwurfsanstalt with Trix and Robert Haussmann
スイス・チューリッヒを拠点に活動したデザインデュオ、トリックス・アンド・ロバート・ハウスマンと、家具メーカーのロートリスベルガーによる共同プロジェクトを記録した写真資料集。1979年に始まった協働から生まれた限定手作り家具を、構想段階から完成までの造形とともに収録している。各作品は少数限定で制作され、細部の設計や高度な技術、素材への深い理解が結実したもの。デザイナーと製造者の密接な関係性が生んだ、実験性と完成度をあわせ持つ家具を紹介している。
ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家
スウェーデンを拠点に活動するガラス作家・山野アンダーソン陽子の発案によるプロジェクト「Glass Tableware in Still Life」をまとめたアートブック。18人の画家が言葉でリクエストした器を山野が制作し、そのガラス器を画家たちが静物画として描いた作品を収録している。ガラス、絵画、写真が呼応し合う構成を通して、素材の記憶と手仕事のあいだに生まれる対話を可視化。制作の過程をたどるテキストや論考も収録。
アイデア No.292 Cyan/German graphic design
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.2920(2002年5月)特大号。巻頭特集はベルリンを拠点とするグラフィックデザイン事務所Cyan。1992年から2002年にかけてのデザインワークを48ページにわたり収録し、覚え書きやマニフェストも併載することで、その思考と実践の輪郭に迫る。後半ではOtt + Stein、Baumann & Baumann、ギュンター・カール・ボーゼらベテランの仕事を大きく取り上げ、さらにボーゼによるテキスト「ドイツにおけるタイポグラフィとデザインの諸相」「ライプツィヒにおけるデザイン教育について」を収録。
バスキア展 メイド・イン・ジャパン
2019年に森アーツセンターギャラリーで開催された展覧会の公式図録。アメリカの画家、ジャン=ミシェル・バスキアと日本との関係に焦点を当て、文化的交流や日本美術・書の影響など、これまで語られることの少なかった側面を探る。世界各地から集められた約130点の絵画、ドローイング、資料を収録し、バスキアの創作の源泉を多角的に検証する。監修はバスキア研究の第一人者、ディーター・ブッフハート。
HAPTIC 五感の覚醒
2004年に開催された竹尾ペーパーショウ「HAPTIC 五感の覚醒」展をまとめた書籍。テーマである「ハプティック=触覚」を軸に、紙という素材の可能性を拡張しながら、感覚に訴えるプロダクトデザインを紹介している。グラフィックやインテリア、プロダクトなど多様な分野で活躍するデザイナーが参加し、視覚と触覚の関係を再考させる実験的な作品群を展開。図版とテキストを通じて、素材と感覚の新たな関わりを浮かび上がらせている。
De Nieuwe Fotografie in Nederland
1920〜1930年代にオランダで展開された「ニュー・フォトグラフィ(Nieuwe Fotografie)」の動向を紹介する写真集。フォトモンタージュや大胆な構図、斬新なアングルなどを用い、日常の中に新たな美を見出そうとした写真家たちの実験を辿る。写真が“新しい視覚言語”として模索され、芸術的探究から社会的・報道的な表現へと発展していく過程を、豊富な図版とテキストによって紹介。
芹沢銈介展 宗廣コレクション
2011年に開催された「宗廣コレクション 芹沢銈介展」にあわせて刊行された図録。郡上紬の制作者・宗廣陽助が収集した芹沢銈介の作品を収録している。屏風、暖簾、着物のほか、板絵やガラス絵といった肉筆画も含め、約150点に及ぶ多彩な作品を掲載。染色から絵画まで幅広い領域に及ぶ芹沢の仕事を紹介し、その表現の広がりと造形的探究心を明らかにしている。
Alleverythingthatisyou. | Katz, Vincent, Doug Starn and Mike Starn
アーティストデュオ、スターン兄弟(マイク&ダグ) による作品集。インクジェットプリントを用いたカバーは、兄弟自身がブルックリンのスタジオで一点ずつ出力し貼り付けている。表紙には鉛筆による手書きのエディションナンバー入り。特殊な顕微鏡カメラで撮影された雪の結晶は、ひとつとして同じ形をもたない存在であり、複製や均質性といった写真表現の前提を揺さぶる。限定1000部発行。
意識の流れ Stream of Consciousness | 鈴木理策
写真家・鈴木理策の公式展覧会カタログ。2015年に丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催された展示の際に刊行されたもの。「「海と山のあいだ」「SAKURA」「White」「Étude」など近年のシリーズに加え、新作「水鏡」も掲載。8×10インチの大型カメラによる精緻な写真群を通して、「見る」という行為そのものに向き合う姿勢が貫かれている。タイトルに込められたのは、視線を委ねたときに立ち上がる記憶や感情の揺らぎ。継続する制作の流れを通して、鈴木理策が探究してきた「見る」という行為の深度が伝わる一冊。
落水荘・タリアセン | 上田義彦
写真家・上田義彦が、アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトによる代表作「落水荘(カウフマン邸)」と「タリアセン」を撮影した写真集。2002年秋に行われた撮影により、森と渓流に抱かれた建築と、住居兼工房として構想された空間の細部をオールカラーで収録する。石や木といった素材の質感、インテリアの陰影、周囲の風景との呼応を丹念にとらえ、自然と建築が結びつく瞬間を映し出す。
Dieter Roth: Books + Multiples
スイスのアーティスト、ディーター・ロスの作品集。200点を超えるアーティストブック、約40点のマルティプルをはじめ、ジュエリー、映画、映像、音源、ポスターまでを網羅。オプ・アートや視覚詩の書物から始まり、オフセット印刷の実験、さらにはコピー機を用いた「コピーブック」へと展開した出版活動の全貌をたどる。チョコレートや砂糖、香辛料などを素材に用いたマルティプルも掲載し、素材と形式を自在に横断した創作の広がりが伝わってくる。
David Chipperfield Architects
イギリスを代表する建築家、デイヴィッド・チッパーフィールドの活動を総覧する作品集。住宅、美術館、公共施設、教育施設など、世界各地で手がけたプロジェクトを30年にわたる軌跡として紹介する。ベルリン新博物館、ヘップワース・ウェイクフィールド、ターン・コンテンポラリーなど代表作を収録し、素材への繊細な感覚と環境への洞察に裏づけられた建築思想も詳述。
TRANSIT: The Landscapes/The Portraits 特装版
雑誌『TRANSIT』初の写真集として刊行された特装版。2019年までに発行された全44号から写真を厳選し、「人物篇」と「風景篇」の2冊に分けて収録している。世界約80カ国で出会った人びと約1000人、風景180点を通して旅の軌跡をたどる。それぞれに世界地図やデータブックを備え、人物編では歴史や文化、風景編では自然や地球環境にまつわる基礎情報を整理している。あわせて、誌面を支えてきた写真家たちの言葉も収録。限定500部発行。
Richard Long: In Kreisen Gehen
イギリスの彫刻家・美術家、リチャード・ロングによる作品集。世界各地を歩き、その行為を通して自然の中に痕跡を残し、写真・地図・言葉によって記録する独自のアプローチを展開する。砂漠に描かれた円や石で築かれた道、配置された岩など、自然と人間の関わりを示す造形が並ぶ。歩くという行為を彫刻的実践としてとらえ、時間と空間、物質と身体の関係を探る試みが貫かれている。ロングの芸術思想を凝縮した、瞑想的で詩的な一冊。
服部一成 グラフィックス
アートディレクター/グラフィックデザイナー・服部一成の仕事をまとめた作品集。キユーピーハーフの広告をはじめ、『流行通信』『真夜中』のアートディレクション、中平卓馬の写真集や荒川洋治の著作の装丁、展示ポスターなど、多岐にわたる活動を豊富なカラー図版で収録。広告とエディトリアル、書籍デザインを横断しながら築かれてきた造形の軌跡をたどる。仲條正義、林央子、蜂飼耳による寄稿も掲載。
Naoya Hatakeyama
写真家、畠山直哉のモノグラフ。建築や都市、石灰岩の採石場といった主題を軸に、きわめて厳密な視点で展開されてきた「Lime Work」「Lime Hill」「Underground」「Blasts」などの代表的なシリーズを収録している。シリーズという形式を通して一貫して築かれてきた写真の実践を、初期作から当時の新作まで丁寧に辿る一冊。
太陽と精霊の布 藍と暮らす人々
2004年に千葉市美術館ほかで開催された展覧会の図録。中国南部から東南アジア北部にかけて暮らす少数民族の染織文化に光を当て、とりわけ貴州省の山間部に居住するトン族の仕事を中心に紹介する。生葉から発酵させた藍染を基調に、織りや刺繍、プリーツ加工などを重ねた衣装は、生活の中から生まれながら高度な技と洗練を備える。ミャオ族、タイ族の作品も含む約230点を収録し、現代ファッションや日本文化との関わりにも視野を広げている。
Chanel | Harold Koda ほか
ココ・シャネルからラガーフェルドに至るまで、時代を越えて受け継がれてきたシャネルのデザインを紹介するビジュアルブック。メトロポリタン美術館で開催された展示の際に刊行されたもの。シャネル自身の生涯やアイデアがコレクションにどのように反映されたかを年代順・テーマ別に解説。また、1983年以降、カール・ラガーフェルドがアイデンティティを再構築した作品と比較することで、シャネルの持つ持続的影響力を浮き彫りにする。
Shizuko Yoshikawa
ウルム造形学校で学び、スイスを拠点に活動した抽象画家・吉川静子の初の本格的作品集。戦後のモダニズムを牽引した「構成的・具体派」の第二世代として活躍し、スイス・デザインの巨匠ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンとともに理知と詩情のあいだに独自の表現を築いた。ヨーロッパ近代美術の合理性と、禅の精神に通じる静謐な感性を融合させた絵画作品を豊富な図版で紹介。美術史家ガブリエレ・シャード、ヨシモト・ミドリによる論考を収録し、東西の美意識を往還したその創作の軌跡を丁寧に辿っている。
Peter Kogler
オーストリア出身の現代アーティスト、ペーター・コグラーによる作品集。オーストリアのブレゲンツ美術館で開催された展示に際して発行されたもの。1986年から2000年にかけて制作された代表的作品を収録する。空間全体を覆う反復モチーフやデジタル生成によるイメージを用いた作品群を中心に、公共空間やスケートボードパーク、展示会場での大規模インスタレーションの記録図版を多数掲載。ペーター・コグラーの空間表現の展開を体系的に辿る。
Archaeology of the Future 田根剛建築作品集 未来の記憶
2018年に東京オペラシティアートギャラリーおよびTOTOギャラリー・間で開催された展覧会にあわせて刊行された、建築家・田根剛の初作品集。パリを拠点に活動する田根が掲げる「Archaeology of the Future(未来の記憶)」という思想のもと、エストニア国立博物館、新国立競技場案古墳スタジアム、A House for Oiso、10 kyotoなど主要17プロジェクトを収録する。各作品を「concepts」「images」「drawings」の三章構成で読み解き、リサーチから構想、空間化に至るまでのプロセスを丁寧に追う。
FENDI UN ART AUTRE フェンディ もうひとつのアート、クリエイションとイノベーションの軌跡
2013年に東京藝術大学大学美術館で開催された展覧会にあわせて刊行されたカタログ。フェンディ創業以来受け継がれてきたアーツ&クラフツの精神を軸に、ブランドの創造性と技術の歩みを紹介する。1960年代から現代に至るまでのコレクションや素材開発、スタイルの変遷を、ルックやスケッチなど豊富な資料とともに収録。スケッチブック形式の小冊子付属。
MARNI Men’s Exhibition Catalogue
イタリアのファッションブランド、マルニによる2013-14年秋冬メンズコレクションのカタログ。1970年代の空気感を背景に、「慣習と反逆」「古典主義と破壊」といった相反するテーマを織り込みながら構築されたルックを収録する。オックスフォードシャツやダッフルコート、スリムスーツなど、タイムレスなアイテムを軸に、抑制の効いたクラシシズムのムードを展開。アートディレクションはディーン・ラングレイ、写真はクレア・シーランドが担当。限定2000部発行。
うたたね | 川内倫子
写真家・川内倫子による初期作品集。鯉や雲、カラス、カーテン、目玉焼き、蟻や蝶など、身の回りの断片をすくい取った写真がフルカラーで収められている。寄り添って飛ぶ蝶、降り出す雨、水面のきらめき、蜜蜂の死骸。何気ない光景のなかに、生と死、やさしさと怖れが同時に宿る。日常の気配を丹念に見つめることで、世界の手触りをあらためて感じさせる写真集。
GA No.7 ル・コルビュジエ:ロンシャンの礼拝堂 1950-54
20世紀を代表する世界中の建築作品を紹介する『GA グローバル・アーキテクチュア』第7号。20世紀モダニズムを代表する建築家ル・コルビュジエが手がけたロンシャンの礼拝堂を紹介。カラー・モノクロによる大判の図版と併せて解説を収録。写真は二川幸夫、装丁は細谷巖が、テキストは吉阪隆正が担当している。
GA No.6 イーロ・サーリネン:ベル研究所/ディア・カンパニー
20世紀を代表する世界中の建築作品を紹介する『GA グローバル・アーキテクチュア』第6号。フィンランドのモダニズムの原点を築いた建築家エーロ・サーリネンが手がけたベル研究所とディア・カンパニーを紹介。カラー・モノクロによる大判の図版と併せて解説を収録。写真は二川幸夫、装丁は細谷巖が、テキストはーザー・ペリが担当している。
GA No.5 ルイス・カーン:リチャーズ・メディカル・リサーチ・ビル/ソーク研究所
20世紀を代表する世界中の建築作品を紹介する『GA グローバル・アーキテクチュア』第5号。20世紀を代表する都市計画家のひとり、ルイス・カーンによるリチャーズ・メディカル・リサーチ・ビル、ソーク研究所を紹介。カラー・モノクロによる大判の図版と併せて解説を収録。写真は二川幸夫、装丁は細谷巖が、テキストは槇文彦が担当している。
クリエイション 21号 亀倉雄策追悼特別号
亀倉雄策が編集長・アートディレクターを務めた全20号のデザイン誌「クリエイション」。本巻は亀倉雄策の追悼特別号として発行された第21号。亀倉雄策によるポスター作品、ロゴ、装幀、パッケージデザインなど代表作を編纂して紹介。ルウ・ドーフスマン、オルガー・マチス、永井一正、田中一光、細谷巖、福田繁雄、土屋耕一ほか豪華な執筆陣による寄稿も併せて掲載。
Retro Fonts 1830-1990 世界のレトロフォント大事典
19世紀から20世紀にかけての芸術運動やカルチャームーブメントを軸に編まれた書体見本帳。1920年代の『VOGUE』誌、ナチス期のプロパガンダ、ヤン・チヒョルトやネヴィル・ブロディのタイポグラフィ、さらにはマドンナのジャケットデザインまで、各時代を象徴するヴィジュアルを手がかりにレトロフォントを紹介。560ページにおよぶボリュームで、歴史的背景とともに書体の特徴や造形をたどる。付属CD-ROMには本書と連動した222書体のフリーフォントを収録。
Kiki Smith
ドイツ・ニュルンベルク生まれのアメリカ人アーティスト、キキ・スミスの作品集。1992年から1993年にかけて開催された展覧会に際して刊行されたもの。人体や内臓、血液、再生といったモチーフを通して、生命の循環や存在の脆さに向き合うスミスの表現を、彫刻、版画、オブジェなど多様な作品図版とともに収録する。キュレーター、クラウディア・グールドとの対話や寄稿テキストも掲載。
Seasonal Abandonment of Imaginary Worlds | Carine Thevenau
オーストラリア・シドニーを拠点とする写真家カリーヌ・テベノーの作品集。日本の地方都市で撮影された老朽化の進む遊具を被写体とし、雪景色の中にたたずむ遊び場を通じて「間」の概念を探求している。時間や空間の空白を表すこの思想を、写真は静寂や緊張感として映し出しており、廃墟化する遊具の存在が一層の詩的解釈を導いている。遊びの痕跡と忘却の風景を重ね合わせ、視覚的に「間」を提示している。
Spessi: Bensin | Dominique Nahas ほか
1999年にレイキャビク美術館で開催された展覧会にあわせて刊行されたカタログ。タイトルの「Bensin」はアイスランド語で「ガソリン」を意味し、アイスランドの写真家スペッシが国内各地のガソリンスタンドを撮影したシリーズを収録する。広大な原野や海辺、山間部を背景に佇む無人のスタンド約90点を掲載。機能的な建築物と厳しい自然環境との対比を通して、アイスランドの風土と現代的インフラの関係をユニークに描き出している。
BREATH | 池谷友秀
写真家・池谷友秀による作品集。水という制御不能な存在を媒介に、人間の「生」と「死」の境界へと迫るシリーズを収録している。水中に生まれる気泡や揺らぎを通して、ふだん意識されることの少ない「呼吸」という生命のリズムに焦点を当てる。閉ざされた水の空間で、自由と束縛、美と本能が交差する瞬間が切り取られ、身体と水、光と影の関係が緊張感を帯びて展開する。生命の根源的な力と儚さを、視覚的な体験として結晶させた一冊。500部限定刊行。
芹沢本書影聚 | 芹沢銈介
型絵染の人間国宝・芹沢銈介が手がけた装丁作品をまとめた私家版作品集。芹沢自らの題字と装丁による本書は、民藝の思想に根ざした温かみのある意匠と、落ち着いた色彩感覚が際立つ。和紙や布、染色など素材への深い理解に支えられた造本の美が随所に見られる。書物を芸術として捉えた芹沢の造形理念と美意識を感じられる1冊。
Idea Archive 02 ミルトン・グレイサー
1968年刊行の『アイデア』別冊を復刻したミルトン・グレイサー特集。60〜70年代のアメリカを代表するグラフィックデザイナー/イラストレーターであるグレイサーのポスター、ブックデザイン、エディトリアルワークなどを多彩な図版で収め、当時の表現をそのままの空気感で味わえる構成となっている。評論には田中一光、原弘、粟津潔によるテキストを収録し、国際的なデザイン交流の広がりを感じさせる視点が加えられている。また、美術構成とレイアウトを横尾忠則が手がけており、当時の日本デザイン界とアメリカの潮流が交差する稀有な一冊となっている。
岡本一宣の東京デザイン
アートディレクター、グラフィックデザイナーとして活動する岡本一宣の仕事を紹介する作品集。『ひととき』『Spiritus』『FRaU』などの雑誌デザインをはじめ、装丁、ポスター、ロゴといった多岐にわたる制作物を収録している。洗練された構成力と静謐な色彩感覚を特徴とし、東京を拠点に積み重ねてきたデザインの軌跡を通して、岡本の思考と造形の核心を浮かび上がらせている。
イラストレーター 安西水丸
書籍の装丁やポスター、絵本、漫画、文章など幅広い分野で活躍したイラストレーター、安西水丸の作品集。1970年代以降、軽やかで無駄のない線と、ユーモアをたたえた画面で多くの仕事を手がけた安西水丸。その歩みを、幼少期から晩年まで4章構成でたどる。あわせて、親交の深かった嵐山光三郎、村上春樹、和田誠との仕事も紹介し、創作と人との関わりを丁寧に伝えている。
The Circle | 菅野ぱんだ
写真家・菅野ぱんだによる作品集。動物は好きだが、動物園という場に抱く違和感を出発点に制作されたシリーズを収録。少女を見つめるハシビロコウ、氷を模した穴からのぞくアザラシなど、画面には柵や檻が入り込み、見る/見られるという関係が浮かび上がる。タイトルはサマセット・モームの戯曲『The Circle』に由来。
メイド・イン・ジャパン 南部鉄器 | 佐々木繁美
2014年に開催された展示会「メイド・イン・ジャパン 南部鉄器 伝統から現代まで、400年の歴史」の図録。約400年間もの間、時代の荒波を乗り越えながら研鑽を積んできた岩手の伝統工芸であり、現在は国内外ともにさらに人気が高まりつつある南部鉄器約80点を、豊富な図版とともに紹介。堀井和子による寄稿文「北東北のテーブルコーディネイト」なども掲載。
三谷龍二の木の器
木工作家・三谷龍二による作品集。パン皿、バターケース、プレート、カッティングボード、楊枝など、シンプルで美しい造形の木の器を収録。器そのものだけでなく、修理や手入れに関する記録、さらに仕事場の様子も掲載され、制作過程や日常の実践に触れることができる。造形としての洗練と生活に根ざした機能性を併せ持つ三谷の仕事を紹介。
岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟
東京都庭園美術館で開催された都内初となる大回顧展「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」の公式カタログ。コラージュ作家・岡上淑子が1950年代のわずか7年間に制作した、代表作約100点を収録。瀧口修造からの書簡、自身の詩作などの資料も掲載しながら、シュルレアリストとの交流、文学との親和性などにも迫る。
hi mi tsu ki chi ヒミツキチ | 西宮大策
写真家・西宮大策が2006年から2008年にかけて東京近郊で撮影した、子どもたちの「秘密基地」を収めた作品集。兄弟が藪の中に築いた隠れ家や、女の子たちが花で飾った小さな空間など、取材を重ねて探し当てた20か所のうち13か所を紹介している。誰にも知られずに作られた遊び場には、子どもたちの創意と自由な発想、そして大人の目からこぼれ落ちる小さな物語が息づいている。