CHANEL Croisier Collection 2021/22
2021年に発表されたシャネルのクルーズ コレクションにあわせて制作されたコレクターズボックス。インド出身のデザイナーデュオ、イネス&ヴィノードとのコラボレーションによって実現した特別仕様で、プレスキットとビジュアルブックを収めている。ガブリエル・シャネルとジャン・コクトーの親密な関係に着想を得ており、キャリエール・ドゥ・リュミエールやプロヴァンスの花々、シャネルのアパルトマンに飾られた動物の置物、さらにコクトーからの手紙や映画『オルフェの遺言』のイメージが収録されている。
CHANEL COLLECTION Métiers d’Art 2021/22
フランスのメゾン、シャネルによる「COLLECTION Métiers d’Art 2021/22」のビジュアルブック。パリを拠点とするアニメーションスタジオ「REMEMBERS」による8本の映像作品をもとに構成され、シャネルが設立した複合施設 le19M を舞台に8人のモデルが登場し、メゾンを支える8つの職人技術を幻想的に描き出している。スケッチや図版のほか、le19Mの解説冊子や、職人技術をテーマに7人の作家が寄稿した小冊子も付属し、多面的に構成されている。
Gucci Garden Archetypes
イタリアのラグジュアリーブランド、グッチが2021年に開催した没入型エキシビション「Gucci Garden Archetypes」にあわせて刊行された限定書籍。アレッサンドロ・ミケーレのクリエイティブ・ディレクションのもと、グッチの広告キャンペーンを再構築し、過去のビジュアル資料や冊子、カードなどをケースのポケットに収録し、ブランドが紡いできた視覚的物語の豊かさを凝縮。
ソニア・ドローネ展
フランスの芸術家、ソニア・ドローネの展覧会にあわせて2002年に刊行された図録。初期から晩年に至るまでの創作活動を包括的に紹介している。服飾デザインやテキスタイル、絵画といった幅広い分野にまたがる作品を図版と解説で収録。アートとデザインを自在に横断し、色彩と形態を探求した革新的な表現を展覧する内容。20世紀美術におけるドローネの独自の位置づけを照らし出している。
ピカビア展 1999-2000
1999年から2000年にかけて福島・東京・大阪で開催されたフランシス・ピカビアの回顧展にあわせて刊行された図録。ピカビアはフランス前衛美術を代表する画家で、印象派からキュビスム、ダダイスム、シュルレアリスムへと作風を変化させたことで知られる。本書には初期から晩年に至るまでの約100点の作品を収録し、横尾忠則によるエッセイも掲載。付属の雑誌『391』縮刷版とともに、実験的な表現と多面的な活動の軌跡を具体的に浮かび上がらせている。
David Hockney: Drawing from Life
ポップアートの第一人者として知られ、ドローイング、絵画、版画、写真、舞台美術と幅広い分野で活動を展開してきたイギリスのアーティスト、デイヴィッド・ホックニーによる作品集。1950年代から2010年代にかけて制作された約60年分のポートレート・ドローイングを中心に構成されている。友人や家族、同時代の人々を描いた作品からは、造形の変遷とともに芸術家のまなざしの深まりが明らかにされている。
写真はこころ | 蓮井元彦
写真家・蓮井元彦による作品集。福岡の昭和喫茶で店主から贈られた言葉「写真はカメラじゃない、こころよ」がタイトルの由来となり、全篇の核として静かに響く。2020〜2021年のコロナ禍に撮影された日常の断片――道端のごみ、酔い潰れた男性、デモの列、花や植物、女性のヌード――を通して、イメージが生まれる瞬間の呼吸を見つめ直す。個と社会、記憶と現実のあわいを照らし出している。
瀧口修造 夢の漂流物
詩人・評論家として知られる瀧口修造の展示会「瀧口修造 夢の漂流物」にあわせて2005年に刊行された図録。世田谷美術館と富山県立近代美術館で開催された展覧会に基づき、自宅書斎に私蔵されていた美術品やオブジェ、関連する作品や資料を多数紹介。瀧口のもとに集まった「夢の漂流物」を通じて、芸術の本来の意味や在り方を問い直し、思考と創造の軌跡を照らし出している。
エリック・サティとその時代展
2015年にBunkamura ザ・ミュージアムで開催された「エリック・サティとその時代展」にあわせて刊行された図録。フランスの作曲家エリック・サティの楽譜や肖像画をはじめ、演劇ポスターやプログラムのデザイン、イラストレーションを多数収録している。さらに、フランシス・ピカビアやマン・レイなど、サティを取り巻いたダダイストたちの作品も掲載。音楽と美術、演劇が交差した20世紀初頭の前衛的な文化の広がりを照らし出している。
Die Zerstorung Kolns Photographien 1945-46 | August Sander
ドイツの写真家、アウグスト・ザンダーによる写真集。1985年に終戦40周年を記念して刊行されたもので、1945年から1946年にかけて撮影された作品を収録している。爆撃によって瓦礫と化したケルンの街並みや崩壊した教会の姿が36点の写真に刻まれ、戦後直後の荒廃を静かに伝えている。ポートレート作品で知られるザンダーが記録した都市の姿は、戦争の爪痕と再生への途を浮かび上がらせている。
Sight and Insight | Philippe Halsman
アメリカの写真家、フィリップ・ハルスマンによる作品集。独創的な演出やユーモアを取り入れたポートレート表現で知られるハルスマンの活動を紹介している。なかでもシュルレアリスムの要素を取り入れた作品群や、サルバドール・ダリとのコラボレーションはその代表例として収録。写真を通じて被写体の内面を引き出し、同時代の芸術と結びついた表現の広がりを映し出している。ブックデザインはハーブ・ルバリンによるもの。
エリオット・アーウィット写真集 ふたりのあいだ
フランス出身の写真家エリオット・アーウィットによる作品集。マグナム・フォトの一員として国際的に活動したアーウィットが、アメリカやヨーロッパ、アジア、アフリカなど各地で「カップル」をテーマに撮影。ダンスホールや公園、ビーチ、さらにはヌーディストまで、多様な場面で交わされる人々の関係性をユーモラスかつ温かな視点でとらえている。
生命の庭 8人の現代作家が見つけた小宇宙
2020年から2021年にかけて東京都庭園美術館で開催された展覧会の図録。青木美歌、淺井裕介、加藤泉、康夏奈、小林正人、佐々木愛、志村信裕、山口啓介ら、現代日本を代表する8名の美術作家がそれぞれの視点から「生命」と「芸術」の交差点を提示し、人間と自然との関係を根源的に問い直す試み。自然豊かな庭園に囲まれた歴史的建築・旧朝香宮邸(現東京都庭園美術館)を舞台に、絵画、彫刻、映像、インスタレーションなど、多様な表現が空間と共鳴しながら展開される展示風景を、豊富な図版とともに収録。
Nam June Paik: eine DATA base
アメリカの現代美術家、ナム・ジュン・パイクによる作品集。ビデオ・アートの先駆者として国際的に知られるパイクが、約30年にわたり手がけた代表的な表現を網羅している。映像作品を中心に、パフォーマンス・アートやロボットを用いた作品など、多様な実践を図版と解説で紹介。テクノロジーと芸術を融合させ、新たな表現領域を切り開いた軌跡が示されている。パイクの活動を総合的に見渡す資料として位置づけられている。
GAS BOOK 13 JULIE VERHOEVEN
イギリス出身のアーティスト、デザイナーであるジュリー・ヴァーホーヴェンによる作品集。ファッションとアートの境界を横断しながら展開される多様なプロジェクトを紹介。イラストレーション、「GIBO」のデザイン、コラージュ、インスタレーションなど、作品図版とともに解説を収録。ヴィジュアルとアイデアの両面から、ジュリー・ヴァーホーヴェンの創作の軌跡をたどる。
おいしい浮世絵展 北斎 広重 国芳たちが描いた 江戸の味わい
2020年に森アーツセンターギャラリーで開催された展覧会「おいしい浮世絵展」の図録。「浮世絵」と「食」を切り口に、江戸時代の暮らしと食文化を紹介している。葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳らの浮世絵を中心に、作品に描かれた食材や料理の姿をたどり、当時のレシピや解説も併載。芸術作品としての魅力と同時に、食をめぐる文化的背景を多角的に伝えており、江戸の味覚と美意識の豊かさを照らし出している。
Lift | 久家靖秀
写真家・久家靖秀による作品集。街角や住宅街、自然など、ごく日常的な光景を撮影した作品を収めている。ありふれた風景でありながら、眺めるうちに個人の記憶や感情を呼び覚ますような独特の感覚をもたらす点が特徴的。装丁は無綴で断裁されていない仕様を採用し、紙面をめくることで写真そのものの存在感が際立つ構成となっている。写真と記憶の関わりを静かに探る視点となっている。
然 CRUDE | 工藤規雄
アートディレクター、工藤規雄による写真集。海外滞在時に35mmリバーサルフィルムで撮影されたスナップを収録している。デジタル処理を加えずに現像された写真は、鮮やかさと同時に素朴な質感を残し、旅先での一瞬一瞬をアルバムのように呼び起こす。現代の写真表現において希少となったアナログの色彩が、時間の流れや記憶の手触りを伝えている。
山本之夫の表具展 美の裏方
2002年に池坊短期大学むろまち美術館と東京美術倶楽部で開催された展覧会の図録。作品を引き立てる裏方である「表具(表装・額装など)」の仕事・技術・意匠に焦点をあて、多くの名画や名作に携わってきた表具師、山本之夫による表具や修復の実例を紹介。修復前と修復後の作品を比較して掲載し、作品解説とともに、それぞれの表具の意図や工夫も丁寧に記録。50年にわたる職人としての歩みを振り返る構成となっている。
Memoraphilia メモラフィリア | 藤部明子
写真家・藤部明子による初の写真集。記憶や感情の残像をすくい取るように撮影されたイメージが収録され、日常の風景や身近なモチーフに潜む静けさと親密さを映し出している。タイトルに込められた「記憶への愛着」をテーマに、写真と記憶の結びつきを探る試みとして位置づけられる一冊。
シュテファン・バルケンホール 木の彫刻とレリーフ | 東京オペラシティアートギャラリー ほか
ドイツの彫刻家、シュテファン・バルケンホールの展示図録。2005年に国立国際美術館と東京オペラシティアートギャラリーを巡回した展覧会にあわせて刊行されたもので、人物や動物を題材とした木彫やレリーフを多数収録。素朴な木の質感を生かしつつ、現代的な造形感覚を宿した作品群が特徴で、造形と素材の関係を再考させる内容となっている。
2020年のさざえ堂 現代の螺旋と100枚の絵
2020年に太田市美術館・図書館で開催された展覧会「2020年のさざえ堂 現代の螺旋と100枚の絵」の図録。「さざえ堂」と「螺旋」をテーマに、高橋大輔、蓮沼執太、三瀬夏之介、持田敦子の4人のアーティストによる多様な表現を紹介している。展示風景の写真や解説に加え、高橋大輔による連作「100枚の絵」を全点収録。建築的モチーフと現代美術を重ね合わせながら、新たな視覚体験を提示している。
Mies van der Rohe | 上田義彦
20世紀モダニズム建築を代表する建築家ミース・ファン・デル・ローエの建築を、日本の写真家・上田義彦が撮影した作品集。収録されるのはファンズワース邸、トゥーゲントハット邸、バルセロナ・パヴィリオンといった代表作である。建物を取り巻く環境、外観、内部の細部までを大判図版で記録し、直線的なフォルムや空間構成、光と影のコントラストといったローエの設計思想を的確に映し出している。建築の質感や空気感を伝える写真群に加え、装丁は原研哉が手がけている。
建築家・坂本一成の世界
建築家、坂本一成の設計活動50年を振り返る、集大成とも言える作品集。1966年から2016年までに手がけた実作と計画案、全32作品を写真、図面、ドローイングなど多彩な資料とともに掲載。作品ごとに丁寧な解説を添え、坂本自身の発言や、批評、考察も随所に織り交ぜることで、建築の背景にある思想や思考の軌跡が浮かび上がる内容となっている。
A.P.C. Transmission | Jean Touitou
フランスのファッションブランド、A.P.C.の30周年を記念して刊行された書籍。創設者ジャン・トゥイトゥが1980年代の過剰な流行への反発として立ち上げたA.P.C.は、シンプルでミニマルなデザインによって国際的な支持を得てきた。本書はブランドの回顧録であると同時に、創設者の個人的なスクラップブックのような構成をとり、未公開のイラストや資料を多数収録。招待状やポストカード、広告キャンペーン、ショップ写真、デザイナーとのコラボレーション記録などを通して、A.P.C.の美学と歩みを示している。
The Pearl Necklace
古代から現代に至るまで象徴的な存在として身に着けられてきたパールネックレスの歴史と美をたどる作品集。ルネサンス期の王妃やマハラジャ、アメリカのファーストレディ、ハリウッド黄金期のスターから現代のセレブリティに至るまで、時代や文化を超えて装われてきた真珠の魅力を紹介。美術やファッションの文脈を通じてその遺産を紐解き、パールネックレスが長く憧れと幻想の対象であり続ける理由を照らし出している。
Moderne Mode 2003 | Bernhard Willhelm
ドイツ出身のデザイナー、ベルンハルト・ウィルヘルムに焦点をあてた展覧会「Moderne Mode」にあわせて刊行された書籍。アントワープ王立芸術アカデミーで学び、現在はパリを拠点に活動するウィルヘルムは、伝統的衣装や編み物の装飾を引用・分解しながら、既存の衣服の機能や役割を解体し、新たな身体像を提案してきた。本書では、彼の代表的なコレクションをはじめ、ファッション写真、雑誌記事、ランウェイの記録、さらには彼を取り巻く芸術的環境を紹介。アートとファッションの交錯から生まれる独創的なデザインの軌跡を明らかにしている。
Martin Margiela: The Women’s Collections 1989-2009
パリ発のファッションブランド「メゾン・マルタン・マルジェラ」創設者、マルタン・マルジェラの20年にわたるウィメンズ・コレクションを総覧する資料集。1989年から2009年のランウェイを軸に、非常設の会場構成や音楽、モデルの動き、衣服のディテール、デザイナーの意図を綿密に記録している。記録写真や資料、テキストを通じて、日常の転覆と再解釈、匿名性と詩情が交差する美学を読み解き、ブランドの革新の系譜を形づくっている。
Portraits of Interiors | Axel Vervoordt
インテリアデザイナーでありアートディーラーとしても知られるアクセル・ヴェルヴォールトの写真集。ニューヨークやロンドンのペントハウス、フランダースの納屋、ベネチアのパラッツォ、ニューイングランドの海辺の家、イビサの隠れ家など17の住まいを収録。静謐さをたたえた空間には、アートと建築、自然が溶け合い、ヴェルヴォールト独自の美意識が表れている。写真を通して、暮らしと芸術が重なり合うインテリアの世界を提示している。
千年 | 久留幸子
広告、雑誌、レコードジャケットなどの分野で活躍した写真家、久留幸子の大型写真集。インド、モロッコ、ネパール、アルジェリアといった国々で撮影された、鮮やかな“赤”と“黒”のコントラストが印象的な作品群を収録。高橋睦郎による詩が随所にちりばめられ、静かに響き合う構成が久留の醸し出す独自の世界観をより深く引き立てている。視覚と詩情が織りなす、静謐で力強い一冊。構成は高岡一弥。
Cassina As Seen by Karl | Karl Lagerfeld
イタリアの家具メーカー、カッシーナの依頼により、ファッション界の巨匠であり写真家でもあったカール・ラガーフェルドが手がけた写真集。ル・コルビュジエ、リートフェルト、ペリアンらによる名作家具を、日常の使用価値から切り離し、彫刻やオブジェのような芸術作品として撮影している。高光沢プリントによるカラー写真21点を貼り込みで収録し、家具を造形的対象として捉え直す視点を提示している。
玩具図譜 全5巻揃 | 尾崎清次
大正・昭和期の小児科医であり、郷土玩具研究でもあった尾崎清次の著作。郷土玩具のなかでもとりわけ小児の無事成長を願うものをあつめ、スケッチとともにひとつひとつにまつわる民俗を記録したもの。『小児疾病の呪禁に関する玩具』、『結婚・妊娠・出産及食の呪禁に関する玩具』、『小児の幸福を祈りて贈る玩具』、『朝鮮玩具図譜』、『琉球玩具図譜』の全5巻セット。復刻版。
ZumthorSehen/Seeing Zumthor | Hans Danuser
スイスを代表する写真家ハンス・ダヌーザーと建築家ピーター・ズントーによるコラボレーション作品集。ズントーが設計した3つの建築、チュールの考古学的発掘を保護する構造物、サムヴィットの聖ベネディクト礼拝堂、ヴァルスのスパを収録している。丹念に撮影された写真は、素材の質感や光の変化を映し出し、建築が持つ空間的な深みを視覚的に伝えている。建築家の思想と写真家の眼差しが交わることで、作品の新たな解釈を提示している。
Architektur von Herzog & de Meuron
スイスの建築家ユニット、ジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムロンの建築作品を、写真を通じて探る作品集。第5回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展にあわせて刊行されたもので、バルタザール・ブルカールトをはじめ、マルゲリータ・クリシャニッツ、ハンナ・ヴィリガー、トーマス・ルフらによる撮影を収録。写真表現を通じて建築の「独自の現実性」を提示し、絵画や彫刻と同等の芸術性をもつものとして建築を捉え直す構成となっている。
Design and Architecture | Marcel Breuer
2003年にヴィトラ・デザイン・ミュージアムで開催された展覧会の公式図録。モダニズムを代表する建築家マルセル・ブロイヤーの活動を、家具デザインと建築の双方から紹介している。カンチレバー椅子などの代表的な家具作品から、国際的に評価された建築プロジェクトまでを豊富な図版で収録。加えて専門的論文を併載し、バウハウス出身のブロイヤーが20世紀デザイン史と建築史に果たした役割を明らかにしている。
Dieter Rams: Ten Principles for Good Design ペーパーバック版
ドイツを代表するインダストリアルデザイナー、ディーター・ラムスの作品集。ブラウン社で手がけた計算機、ラジオ、オーディオ/ヴィジュアル機器をはじめ、ヴィツゥ社の家具に至るまで、機能性と美しさを兼ね備えた代表作を収録している。クレジット付きのカラー図版によって作品のディテールが明快に示され、ラムスが提唱した「よいデザインの10の原則」が実際のプロダクトにどのように反映されているかを理解できる構成。モダンデザイン史における彼の役割を明らかにしている。
小笠原流 結ぶ 折る・包む | 小笠原清忠
武家の礼法や弓術を伝承する小笠原流第31世宗家・小笠原清忠による著作。伝統的な「結ぶ・折る・包む」の作法を体系的にまとめている。「武具飾りの結び」「婚礼式の結び」など儀礼に関わる結びから、「熨斗三方」「基本の折り方・包み方」に至るまで、具体的な技法を図版とともに解説。歴史的背景と実践的知識をあわせて収録し、日本文化に根ざした形式美と礼法の精神を明らかにしている。
Japan: The Cookbook | Nancy Singleton Hachisu
日本の農家に嫁ぎ、日本食研究家として活動するナンシー・シングルトン・八須による海外向けの日本料理レシピ集。出汁のとり方をはじめ、揚げ物、焼き物、麺類、御飯、漬物、甘味に至るまで、400点以上のレシピを美しい写真とともに紹介している。料理の手順だけでなく、うつわの選び方や盛り付けの工夫も盛り込み、日本の食文化の奥行きを伝えている。
The Family Meal: Home Cooking with Ferran Adria | Ferran Adria
スペインの名店エル・ブジで料理長を務め、「世界最高のシェフ」と称されたフェラン・アドリアによる料理書。エル・ブジのスタッフが日常的に食べていたまかない料理をヒントに、家庭で手軽につくれる約100のレシピを収録している。複雑な技巧を凝らした高級料理ではなく、日々の食卓に寄り添う実用的で美味しい料理を紹介している点が特徴。料理を通して、アドリアの食への哲学と創造性の幅広さを具体的に示している。
Richard Sapper
ドイツ出身でミラノを拠点に活動した工業デザイナー、リチャード・サッパーの仕事を紹介する作品集。サッパーのデザイン哲学とその背景を掘り下げながら、自動車や電化製品、家具など多岐にわたる分野の代表作を収録している。さらにIBM、FIAT、Kartell、Knollといった国際的企業との協働も幅広く取り上げ、図版に加えてインタビュー、写真エッセイ、解説を収録。プロダクトデザインにおけるサッパーの革新性と国際的な影響を明らかにしている。
13 nach Memphis Design Zwischen Askese und Sinnlichkeit
1995年にフランクフルト工芸博物館での展覧会にあわせて刊行された写真資料集。1981年に結成され、国際的なデザイン界に革新をもたらしたグループ「メンフィス」の影響を踏まえ、「メンフィス以後」の13人のデザイナーを紹介している。家具やインテリアを中心に、多数の図版を通じて彼らの造形的アプローチを提示。アスケーシス(禁欲)とセンシュアリティ(感覚的享受)のあいだで揺れ動くデザインの可能性を照らし出している。
日本の鉄 | 杉村恒
写真家、杉村恒による写真を通して、日本の歴史における「鉄」を多角的に捉えた大型写真集。具足、灯籠、仏像、鉄器、鎌、城門扉、刀剣といった多様な鉄製品をカラー、モノクロで収録。「庶民」「武家」「信仰」といった視点を通じて、日 […]
TASAKI: Balance
1950年代初頭に創業した日本を代表するジュエラー、TASAKIの歩みを振り返る初の作品集。アコヤ真珠の主要生産者として世界に名を広め、70年以上にわたり革新的なデザインを発表してきた歴史を網羅している。ブランドを象徴する、真珠とダイヤモンドを貴金属のバーに並べたセッティングや、リングからタイムピースまで展開される洗練されたコレクションを詳細に収録。アイコニックな「Danger」シリーズや、タサキ・アトリエによる特別制作のハイジュエリーも紹介している。
Le Paris Russe de CHANEL
フランスを代表するラグジュアリーブランド、シャネルがハイジュエリーコレクション「ル パリ リュス ドゥ シャネル」のカタログ。創業者ガブリエル・シャネルが憧れを抱き、その創作活動に大きな影響を与えたロシアをテーマとしている。ディレクター、パトリス・ルゲローによって制作された本コレクションには、双頭の鷲を中心に、ルバシカの刺繍、ココシュニック、スカーフ、民族衣装のプリントなど多彩な装飾モチーフが取り入れられている。全69点におよぶジュエリーは、ロシア文化へのオマージュであると同時に、シャネル独自の洗練を体現している。ケース入り水彩絵の具付属。