TOO MUCH Magazine Issue 8
東京発のインディペンデント・マガジン『TOO MUCH Magazine』第8号は、建築や都市をテーマに特集を展開。本号のテーマは「シェルター」で、アーティストのアン・ハーディによる作品群、ノースフェイス開発チームによるジオデシックドームの再現、坂茂の紙の家など、多彩な事例を独自の視点で紹介する。洗練されたヴィジュアルとともに、多様なシェルターのあり方を探る内容。英語表記。日本語訳冊子付属。
Cookbook of Possibilities | Welling School and HATO
ウェリング・スクールの生徒と、ロンドンのデザインスタジオHATOによる共同制作のZINE。2015年に行われた3週間のワークショップを通じて、生徒たちはタイポグラフィの発想から編集・制作までを体験した。パン生地で文字をつくり焼き上げる「パン文字」の実験など、素材を通して文字表現を学ぶ試みが特徴。学校ギャラリーでの展示とあわせて発表され、デザイン教育の実践と創造的プロセスを伝えている。
現象体
紙の専門商社・竹尾と、デザイナーの三澤遥(日本デザインセンター 三澤デザイン研究室)による、紙と印刷表現の可能性を探る作品集。2017年に竹尾見本帖本店で開催された展覧会「現象体 無版×ファインペーパー」の内容をまとめている。デジタル印刷や箔押し、レーザーカットなどの技術を用い、版を使わない印刷によって生まれた多様な表現を紹介。紙の質感や厚み、色の重なりを生かした作品から、印刷と紙の新しい見方が伝わってくる。制作プロセスの解説も収録された、実験的な一冊。
Originale | Thomas Mullenbach
スイス出身のアーティスト、トーマス・ミュレンバッハによるシリーズをまとめた作品集。2005年から2013年にかけて、日々届く展覧会の案内状をもとに制作された水彩画を収録している。デューラーからアンディ・ウォーホール、アンリ・マティス、ピート・モンドリアンまで、幅広い芸術家の作品が参照され、図像としての既視性と手仕事による解釈が重ね合わされている。
Bacon’s Eye: Works on Paper Attributed to Francis Bacon from the Barry Joule Archive
20世紀を代表する画家、フランシス・ベーコンの制作の裏側に迫る資料集。生前は下絵を用いず直接描くと語っていたベーコンだが、没後、友人バリー・ジュールのもとから多数の紙作品が発見され、その制作方法が改めて注目されることとなった。本書には、1950〜60年代の作品に関連する油彩スケッチ約70点と、雑誌や新聞の図版に描き加えられた900点以上の作業資料を収録。真贋をめぐる議論を含みつつ、完成作とは異なる視点から、ベーコンの思考や執着を読み解く内容となっている。ロンドンのバービカン・ギャラリーでの展覧会とあわせて刊行されたもの。
アイデア No.374 よりみち 伊丹十三と13の映画作品
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.374(2017年)。巻頭では、映画監督にとどまらず、俳優、エッセイ、デザイン、料理まで横断した伊丹十三の活動を、翻訳という視点から再考する。伊丹映画のポスターや関連制作物を手がけてきた佐村憲一へのインタビューを通じ、協働のプロセスに宿るデザイン的思考を読み解く。さらに世界各国のデザイナーが伊丹映画のポスターを制作し、表現の「翻訳」がもたらす多義性を提示。そのほか「ランス・ワイマンと1968年メキシコ・オリンピック」「ストリートの思想とデザイン」「クリティカル・デザイン・スクール グラフィック篇」などを収録。
アイデア typography-ex. pt.01
デザイン誌『アイデア』No.274として刊行された「タイポグラフィ-ex」特集の第1弾を、新装版としてまとめたスペシャルエディション。ダダやバウハウスに源流を持つ前衛的なデザインから、マックス・フーバー、ミルトン・グレイサー、仲條正義らが手がけたタイポグラフィ主体のグラフィックワークまで、多彩な資料を収録。20世紀初頭の未来派から1980〜90年代のデジタル・タイポグラフィ黎明期までを取り上げ、その発展の道筋を立体的にたどっている。タイポグラフィ史の流れを視覚的に学べる一冊。
かたちのみかた | 立花文穂
グラフィックデザイナーでありアーティストの立花文穂によるデザイン指南書。美術大学での授業を題材とし、「みる」「考える」「つくる」というデザイン以前の基本的な行為を出発点に据えている。単なる制作技法の解説ではなく、観察から思考、そして表現へと至るプロセスを立花独自の感性と視点で整理している点が特徴。豊富な図版や事例を交えながら、デザインを学ぶ者が自らの思考を形にしていく過程を導く構成となっており、創造の原点を探る視点となっている。
家具のデザイン | ゼンバッハ、ロイトホイザー、ゲッセル
19世紀から20世紀の家具デザインを集めた写真資料集。ヨーゼフ・ホフマン、アルヴァ・アールト、ル・コルビュジエ、チャールズ・イームズら、デザイナーや建築家の作品写真、図版、テキストによる解説を収録。ドレッサーや椅子、建築と家具など、時代の移り変わりとともに変化してきたデザインを探る。
Hullen Fullen: Verpackungsdesign Zwischen Bedarf und Verfuhrung
1994年にスイスのチューリッヒデザイン美術館で開催された展示の際に刊行されたもの。1800年代後半から1900年代のパッケージデザインをテーマに紹介。缶詰、レトルト食品、お菓子、歯磨き粉、タバコ、などあらゆるパッケージデザインを、カラー・モノクロ含む豊富な図版、テキストにて収録。 ドイツ語表記。
繡 | 中井菜央
写真家、中井菜央による作品集。人、動植物、物、風景といった多様な存在を、ポートレートとして捉えたカラー写真73点を収録。無数の存在が関わり合い、結び目のようにつながって世界を形づくっているという感覚を、静かで緊張感のある写真によって編み上げた一冊。
Grain of Light | 瀧本幹也
広告写真や映画の分野でも知られる写真家、瀧本幹也による作品集。原初的なモチーフとしての「海」に向き合い、光と水、そして時間の関係を静かに見つめている。砕ける波や陽光を反射する水面、荒々しくうねる潮の動きなど、自然が一瞬ごとに見せる表情を、緻密な構図と繊細な階調で捉えた写真を収録。
アレクセイと泉 | 本橋成一
写真家、本橋成一のライフワークといえる「チェルノブイリ三部作」の最後となる写真集。チェルノブイリ原発事故の被災により、600人いた住人が55人の高齢者と青年アレクセイだけとなったベラルーシ共和国にある小さな村・ブジシチェ。村の中心に湧き出る、放射能が検出されない泉と、そこで暮らす人々の生きる姿や営みをモノクロで力強く写し出す。
おそろし山 | アイナール・トゥルコウスキィ
ドイツ出身の絵本作家、アイナール・トゥルコウスキィによる絵本。だれも登ったことがなく、これからも登りそうにない「おそろし山」を舞台に、前人未踏の道を行く者だけが知る孤独と愉悦を描いたもの。静けさと不穏さが同居する画面のなかで、想像力は読者自身の内側へと深く分け入っていく。
書字法・装飾法・文字造形 | エドワード・ジョンストン
イギリスの工芸家・タイポグラファー・カリグラファーであるエドワード・ジョンストンによる技術書。アーツ・アンド・クラフツ運動の精神を背景に、文字造形の原理と実践的技法を体系的に示した名著として知られている。「書字法と装飾法」「文字造形」の2部構成で、書字の基本から装飾的な応用、さらには文字の形態に至るまでを多くの図版とともに解説。文字を芸術として捉える姿勢と、実践的手引きを兼ね備え、カリグラフィの発展に大きな影響を与えた一冊であり、今日に至るまで広く参照されている。
文字と絵の小宇宙 国立西洋美術館 内藤コレクション写本リーフ作品選
国立西洋美術館に所蔵される内藤コレクションの彩飾写本を紹介する作品集。印刷技術がまだ存在しなかった中世ヨーロッパにおいて、人々の信仰や知識の伝達を担った写本の中から、特に華麗な装飾が施された30点を精選して収録している。繊細な装飾文字や細密な挿絵が織りなす小宇宙を通じて、祈りと学びが結びついた当時の文化的背景をたどっている。
ISSUE 和田誠のたね
イラストレーターでありグラフィックデザイナーの和田誠の少年時代に光を当てた特集号。世界史を描いた8コマ漫画や、本・映画・アメリカ文化との出会いなど、創作の芽が育まれた幼少期から18歳までの作品や資料を紹介している。生前の証言やインタビューを軸に、後年の多彩な仕事へとつながる思考や関心の原点をたどる構成。谷川俊太郎による寄稿も収録。
永井一正ポスター展 Life
2013年にギンザ・グラフィック・ギャラリーなどで開催された展覧会の図録。グラフィックデザイナー、永井一正が、1980年代後半からライフワークとして制作してきた「LIFE」シリーズを中心に紹介している。抽象表現から大きく転じ、動物や植物をモチーフに据えたポスター作品を多数収録。DNP文化振興財団に寄贈された約4,000点のアーカイブから、生命をテーマとするポスター139点を厳選し、自然や命へのまなざし、あふれる色彩と造形の力を伝えている。
ピカビア展 1999-2000
1999年から2000年にかけて福島・東京・大阪で開催されたフランシス・ピカビアの回顧展にあわせて刊行された図録。ピカビアはフランス前衛美術を代表する画家で、印象派からキュビスム、ダダイスム、シュルレアリスムへと作風を変化させたことで知られる。本書には初期から晩年に至るまでの約100点の作品を収録し、横尾忠則によるエッセイも掲載。雑誌『391』縮刷版も付属。
Heiner Blum
ドイツ出身のコンセプチュアル・アーティスト、Heiner Blumの作品集。1989年にドイツ・クンストフェラインで開催された展覧会の際に刊行されたもの。写真、オブジェ、インスタレーション、グラフィックデザインなど、多様な表現手法によるプロジェクトの数々を紹介する。ドイツ語表記。
荒木経惟、写真に生きる。
写真家、荒木経惟が、自身の人生と写真について語った一冊。撮影した膨大な写真とともに、出会ってきた人々、写真と歩んできた時間、そして現在の心境を、12章にわたって綴っている。妻・陽子や愛猫チロ、女性、花、東京の街、日常の風景など、荒木の写真人生を形づくってきたモチーフが次々と現れ、写真がそのまま生の記録であったことが伝わってくる。巻頭には撮り下ろしによるグラビア、巻末には誕生から現在までを辿る詳細な年譜を収録。
STAR PIECE 倉俣史朗のイメージスケッチ
インテリアデザイナー、倉俣史朗によるイメージスケッチ集。建築やプロダクトのための構想段階のドローイングから、夢や私的な体験に基づく自由なスケッチまで、モノクロ・カラー図版を多数収録。デザイン集団メンフィスに関わった時期のスケッチも含まれ、造形以前のイメージがどのように育まれていたのかを伝える内容となっている。序文はエットレ・ソットサス、装丁は田中一光が担当。
Liaigre 12 Projects | Christian Liaigre
フランスのインテリアデザイナー、クリスチャン・リエーグルの代表的な空間表現をまとめた作品集。世界各地で手がけた12のプロジェクトを、600点以上の写真で紹介し、私邸から公共空間まで幅広い仕事を収録。土地の文化や素材への敬意、光と空間への繊細な感覚が、家具とインテリアを通して一貫した美意識として立ち現れ、時代に左右されないリエーグルのデザイン哲学を伝えている。
Chinati: The Vision of Donald Judd
アメリカの美術家、ドナルド・ジャッドが1980年代に設立した現代美術館〈チナティ・ファンデーション〉の構想とコレクションを包括的に紹介する作品集。テキサス州マーファの広大な土地に恒久設置されたインスタレーション作品を中心に、ジャッドの思想や美術館創設の経緯を詳述している。ジョン・チェンバレン、ダン・フレイヴィン、ロニ・ホーン、イリヤ・カバコフらによるコレクションを網羅し、アートと空間、時間の関係を探る場としての〈チナティ〉の理念を明らかにしている。
Swiss Photobooks from 1927 to the Present: A Different History of Photography
1927年から現在までのスイスの写真集を通史的に紹介する資料集。20世紀のスイス写真に大きな影響を与えた70冊の重要な写真集を取り上げ、豊富な図版と専門家による解説を通して読み解いている。1930年代のモダン・フォトブックの誕生から現代に至るまで、写真表現のスタイルや形式の変遷を新たな視点で捉える構成。各時代を概観する論考に加え、個別作品の分析、文献リストも収録。
パルコのアド・ワーク 1969-1979
1969年から1979年にかけて制作されたパルコの広告表現を集成した作品集。ポスター、新聞・雑誌広告、テレビCMなど、多様なメディアを横断した実験的なビジュアルを収録している。消費と文化がせめぎ合う70年代の都市空間において、広告がどのように新しい感性を生み出したのかを鮮やかに示す一冊。横尾忠則、榎本了壱、永井一正らによる論考が時代の熱量を浮かび上がらせている。
Alessi: Oggetti E Progetti
イタリアを代表するデザインブランド、アレッシィの歴史と思想をまとめた一冊。アートディレクションはイタロ・ルピが担当し、戦前から現在に至るまでの製品やプロジェクトを通して、イタリアンデザインの流れのなかでのアレッシィの位置づけを辿っている。「Bombe」のティー&コーヒーセットをはじめ、ベル・デザイン、反デザイン、近年のエクレクティックな展開までを紹介。監修のアレッサンドロ・メンディーニがアルベルト・アレッシィとともに選んだ将来構想のプロジェクトも収録。
Anybody Anyway | Chad Moore
ライアン・マッギンレーのアシスタントを務めたアメリカ出身の写真家、チャド・ムーアによる写真集。コロナ前後の世界を映し出し、さまざまな人々のポートレートや親密な触れ合い、母子の姿を捉えるほか、隔離期には同居人のサーシャや夜空をテーマにした作品を展開。旅行や人混み、他者との触れ合いなど、普段は当たり前に思われがちな日常を再考させる一冊。限定100部。
Sophie Taeuber-Arp: Living Abstraction
スイスの芸術家、画家、彫刻家、テキスタイルデザイナーであるゾフィー・トイバー=アルプの回顧的作品集。アメリカで約40年ぶりに開催された大規模回顧展にあわせて刊行され、テキスタイルやビーズ細工、マリオネット、建築・インテリアデザイン、ステンドグラス、紙作品、絵画、レリーフ彫刻など約400点を収録している。応用芸術やダンス、チューリヒ・ダダとの関わりを背景に、美術と工芸、デザインの境界を横断して展開された抽象表現の広がりを紹介。
Ryan McGinley: Way Far
現代写真を代表する写真家、ライアン・マッギンレーの作品集。アメリカ各地を巡るロードトリップのなかで撮影された近年の写真を中心に収録している。広大な自然のなかで過ごす若者たちの姿を、明るくのびやかな視線で捉えた写真が特徴。山や湖、草原といった風景の中での無邪気な瞬間が、自由や高揚感を素直に伝えてくる。現代的でありながら、どこか普遍的な空気をまとったマッギンレーの世界を、気負わずに味わえる一冊。
Wanderlust | 尾身沙紀
写真家、尾身沙紀による作品集。ファッションの分野で活動する一方、10年以上にわたり世界各地の都市を巡って撮影してきた個人的な旅の記録をまとめている。フランクフルト、シカゴ、ニューヨーク、韓国、日本、トビリシ、パリ、シドニーなど、多様な都市の断片が収められている。メランコリックで深みのある色彩、光と影が交差する瞬間が丁寧に編まれ、都市の記憶を静かにすくい取っている。
Miro the Sculptor: Elements of Nature
スペインを代表する芸術家、ジョアン・ミロの彫刻作品に焦点を当てた展覧会カタログ。第二次世界大戦後、本格的に彫刻へ取り組み始めたミロが、自然物や拾得物を起点に制作したブロンズ彫刻23点を中心に構成されている。石や木片、根や岩といった要素を自由に組み合わせ、自然と見分けがつかない存在を目指した造形は、生命感と詩情に満ちたもの。カタルーニャのモンロッチやマヨルカ島の風景と結びつけながら、自然との深い関係のなかで育まれたミロ彫刻の世界を、わかりやすく伝えている。
Small Town / Kleinstadt | Ute Mahler, Werner Mahler
ドイツの写真家デュオ、ウーテ・マーラーとヴェルナー・マーラーによる作品集。人口5,000〜20,000人規模の「小さな町」をテーマに、2012年以降ドイツ各地を巡って撮影されたモノクロ作品で構成されている。人影の少ない広場、閉ざされた商店、静かに老いていく風景などを、大判カメラを用いて時間が止まったかのような町の空気や佇まいを丁寧に写し取っている。若者が去り、存続の岐路に立つ地方都市の現在を、感傷に流れることなく見つめた一冊。
Alexey Brodovitch ハードカバー版
ハーパース・バザー誌のアートディレクターとして、後世のファッション写真やエディトリアルデザインに大きな影響を与えたアレクセイ・ブロドヴィッチの仕事を網羅するハードカバー版作品集。代表作「Ballet」「Day of Paris」「Saloon Society」をはじめ、初期の希少なブックカバーやポスター、ハーパース・バザーのカバーなど300点以上を収録。さらに詳細なバイオグラフィーや作品解説も掲載。
Archeology of Consequent Forms | Orlando Brunner
スイスの独立系タイプファウンドリー、Maxitypeによる書体プロジェクトをまとめた一冊。デザイナーのオルランド・ブルンナーが、人工知能の「パターンや傾向を学習する力」に着目し、それをタイプデザインのプロセスにどう取り込めるのかを検証している。AIによって生成された形態の中から、ノイズや未完成の断片、そして完成に至った書体までをあえて並置し、人間が選別し、解釈し、かたちを与える役割を浮かび上がらせる構成。歴史的な書体の蓄積を新たな視点で捉え直しつつ、これからの書体デザインが向かう可能性を静かに示唆している。
New Typefaces: Positions and Perspectives
現代のタイプデザインの動向を、言葉とビジュアルの両面から紹介する一冊。1970年代には限られた数しか存在しなかった新書体が、いまや膨大に生み出されている状況を背景に、技術、表現、社会的な視点がどのように書体に反映されているのかを読み解いている。70以上の書体デザインを例に、実験的なディスプレイ書体から、出版や商業デザインに用いられる書体までを幅広く収録。グーテンベルク博物館で開催された展覧会「Call for Type」にあわせて選ばれた20書体については、デザイナーへのインタビューも掲載。
The Webster | David Adjaye
イギリスを拠点に活動する建築家、デイヴィッド・アジャイが手がけた、ロサンゼルスのセレクトショップ「The Webster」の旗艦店を紹介する建築資料集。ビバリー・センターに隣接する8階建ての巨大な商業建築に対し、彫刻的で体験性の高い建築として設計された姿を捉えている。カリフォルニアの強い自然光を受けて際立つピンク色のコンクリート外装や、既存建築のブルータリズムを参照しつつ再解釈した造形が特徴。都市環境のなかで存在感を放つ、アジャイの建築的アプローチをわかりやすく伝えている。
Big-Game Everyday Objects: Industrial Design Works
スイス・ローザンヌを拠点とするデザインスタジオ、Big-Gameの約15年にわたる工業デザインの仕事をまとめた一冊。日用品を主題に、スーパーマーケット向けのワインボトル、航空会社のカトラリー、日本の陶工との協働、イケアの家具まで、身近なプロジェクトを通して思考と実践を辿っている。創設者へのインタビューを軸に、アイデアの発端や制作の背景を約200点の図版とともに紹介。
’t Spectrum | Jojanneke Clarijs
1941年から2002年までの活動を総覧する、オランダの家具メーカー「’t Spectrum」のモノグラフ。カタログ形式で家具作品を網羅し、デザイナー一覧、文献、索引を付録として収録している。写真や図版はカラーとモノクロで掲載され、家具のディテールや制作背景を多角的に紹介。同社に関わったデザイナーの活動も示され、戦後オランダにおけるモダンデザインの展開を伝えている。
Dictionnaire de la mode au XXe siecle
20世紀のファッションを横断的に整理した、辞典形式のリファレンスブック。約2,500項目にわたり、服飾デザイン、テキスタイル、ブランド、デザイナー、アクセサリー、写真家、雑誌まで、ファッションを構成する要素を幅広く網羅している。歴史や地域差、技術革新、市場の国際化といった文脈を踏まえながら、文化・経済・表現の動きを立体的に把握できる構成。モノクロ・カラー図版も豊富で、資料としての実用性と読み物としての面白さを兼ね備えた一冊。
Otto Treumann: Grafisch ontwerpen in Nederland
オランダのグラフィックデザインの近代化を牽引した先駆者、オットー・トロイマン(1919–2001)の仕事を紹介する作品集。スイス・タイポグラフィやバウハウスの影響を基盤に、読みやすさと大胆な色使いを併せ持つデザインで知られている。本書では、経済と文化の接点において常に高い完成度と革新性を追求してきたトロイマンの姿勢と、その実践の広がりをたどることができる。
Wien Monochrome 70’s | 田中長徳
写真家、田中長徳による作品集。1973年から約7年間、ウィーンに滞在した時期に、古いライカを手に街を歩きながら撮影したモノクロ写真を収録している。路面電車の走る街並み、犬を連れて歩く親子、映画館の入口や公園の彫刻、雪に覆われた街角など、観光名所ではない日常の断片が静かなリズムで写し取られる。70年代ウィーンの空気と、人々の営みを淡々と見つめたライフワークとしての一冊。
Today Tokyo | 田中長徳
写真家・田中長徳が1960〜70年代の東京で撮影した街角や日常を収めた作品集。東京オリンピック前後の都市風景や暮らしの断片、光と影が交錯する街の様子を、ストリート・フォトの視点で鮮烈に切り取る。約115点の作品を通して当時の東京の空気や社会の変化を生き生きと伝え、都市の記憶としての価値を残す。写真表現を通じて、東京の過去と変貌、都市の躍動と人々の暮らしを改めて味わえる一冊。
国東半島 | 石川直樹
人類学や民俗学に関心を持ち、辺境から都市までさまざまな場所を旅しながら作品を発表し続けている写真家であり登山家、石川直樹の作品集。大分県の北東部に位置する国東半島、その地に足を運び撮影する。巨大な石の彫刻磨崖仏、伝統行事、狩猟の様子、盆踊り。日常と非日常を併せ持つ、国東半島のありのままの姿を映し出す。