デザインのぐう・ちょき・ぱぁー | 五十嵐威暢
グラフィックデザイン、インダストリアルデザイン、環境造形など広い分野にわたる五十嵐威暢の作品集。タイトルの「ぐう・ちょき・ぱぁー」はジャンケンになぞらえた氏独自のデザイン論で、グー=コンセプト、チョキ=イメージの開拓、パー=経験・伝統からの影響を指す。この三項の関係を軸に、ポスター、プロダクト、立体造形など分野をまたぐ多様な仕事が整理・収録されており、氏がデザインに向き合う思想と方法論を具体的につかむことができる。
田中一光回顧展 われらデザインの時代 ソフトカバー版
2003年から2004年にかけて全国を巡回した「田中一光回顧展―われらデザインの時代」にあわせて刊行された図録のソフトカバー版。ポスター、ロゴマーク、パッケージなど幅広い領域にわたる代表作に加え、未発表作を含む計564点を掲載している。グラフィックデザインの可能性を拡張し続けた田中一光の活動を総覧でき、造本は勝井三雄が手掛けている。
フィリップ・ワイズベッカー作品集
フランスのアーティスト、フィリップ・ワイズベッカーの作品集。独特のパースで描かれた鉛筆ドローイングを中心に、2000年以降の作品約700点を12のカテゴリーに分けて収録する。立体作品も含め、半世紀にわたる創作活動を幅広くたどることができる。パリのアトリエ取材や、ワイズベッカーのインスピレーションの源となるコレクションの紹介、ロングインタビューも掲載。アートディレクションは、日本での初個展以来の友人でもある葛西薫が手がけている。
GREEN GREEN | てんてん
写真家・てんてんによる作品集。広告写真の分野で活動する一方、日常のなかで自然に撮影された写真を紡ぎ合わせて構成している。桜の舞う瞬間や緑の草原、木漏れ日の光、亀の亡骸といったモチーフが、生から死へとつながる有限の時間を示している。明確なテーマを設けず、日常の中で出会う風景をやさしくとらえ、静かなまなざしで時間の移ろいを描き出している。
Synthetic Flightlog | 具嶋成保
写真家・具嶋成保による作品集。世界各国の空港に発着する航空機を被写体に、フィンエアー、デルタ航空、エアフランスなど各地を代表する機体のほか、滑走路に佇む機体、機内から見下ろした夜景、雪の積もる街並みなどを収録する。観光地でも名所でもなく、通過点としての空港とその周辺にカメラを向け、移動の途中にしか存在しない時間と光をとらえている。
Apricot Poodle | Laura Leal
写真家・ローラ・レアルによる作品集。経済的背景の異なる複数の家族が、同じ犬種・同じ毛色のアプリコット色のプードルを選ぶという事実に着目し、各家庭のペットをめぐる暮らしの断面を記録。犬の毛並みの整え方、住む街区、飼い主の佇まいはそれぞれ異なるが、同じ「象徴」を共有することで、かえって階層や分断が浮かび上がる。似たものを持つことが均質化ではなく差異の表明になるという逆説を、淡々としたまなざしで掬い上げている。
TASTY REGGAE | Kenya Hanley
アメリカのアーティスト、ケニア・ハンリーによる作品集。チーズバーガー、フライドポテト、ドーナツ、レッドベルベットケーキといったアメリカの大衆フードと、バニー・ウェイラー、ピーター・トッシュ、ボブ・マーリーらレゲエの名アーティストの顔が、リズムよく繰り返す画面に並ぶ。食べ物と音楽へのふたつの愛着が等価に扱われ、どこかユーモラスで親しみやすい世界をつくっている。
奥村靫正作品集 Graphic Works of Yukimasa Okumura
グラフィックデザイナー、奥村靫正による作品集。YMO、細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏、チェッカーズらのジャケットデザインで日本のポップカルチャーの視覚表現を牽引してきた奥村による、半世紀にわたるビジュアルワークを収録。ジャケットデザインを中心に、ポスター・広告・ブックデザインまでを網羅。音楽と同期しながら進化してきたそのグラフィックは、時代のムードを記録している。
Campeggi
イタリアの家具ブランド、カンペッジ(Campeggi)によるカタログ。折りたたみや変形が可能なソファベッドや椅子を中心に収録し、豊富な図版でバリエーション・サイズ・形態の変化を伝える。「OSPITE」「ARA」をはじめとする各製品は、素材技術と人間工学を組み合わせ、限られた空間での快適な暮らしを追求している。
アレック・ソス Gathered Leaves
2022年、神奈川県立近代美術館 葉山で開催された展覧会の図録。マグナム・フォトに所属する写真家アレック・ソスの作品を紹介する。『Sleeping by the Mississippi』、『NIAGARA』、『Broken Manual』、『Songbook』といった代表的シリーズや、新作『A Pound of Pictures』から選出された作品を掲載。各作品には詳細な解説が添えられ、ソスの多面的な視点とアメリカの社会風景を深く理解できる内容となっている。
1960年代 現代美術の転換期
1981年に東京国立近代美術館で開催された展示の図録。ポップ・アート、オプ・アート、プライマリー・ストラクチュア、ミニマル・アート、キネティック・アートなど、1960年代以降に登場した顕著な動向のいくつかを取り上げるとともに、その後の美術との関連を検討している。72名の作家による作品とあわせて、当時の日本の社会変化や国際的美術動向と結びついた現代美術の展開を示す貴重な資料。
FLOWERS | 河合正人、大川直人
フラワーコーディネーター・河合正人と写真家・大川直人による作品集。コダックのアナログポジフィルムを用い、1年をかけて四季折々の花を記録。撮影では花に寄り添うように構え、光を受けた花が新たな生命を宿すかのように変化する瞬間を捉えている。つぼみから満開、そして朽ちていくまでの儚い表情を通して、神秘的な花の姿を映し出している。
ATMOS | 畠山直哉
写真家・畠山直哉による作品集。フランス・アルル近郊のカマルグ湿原地帯で撮影されたシリーズを収録。観音開きの造本をとり、片面には工場から吹き上がる激しい蒸気の雲を、もう片面には周囲に広がる雄大な湿原の風景を配している。工業と自然という対極の光景をひとつの本の中に収めることで、それぞれの迫力が際立ち、両者の間に横たわる緊張が伝わってくる。
みたての正月 Mitate 1/1
京都・紫竹の町家に店を構える、和花を中心に扱う花屋「みたて」による写真集。日本の美意識や季節の感覚を大切に受け継ぎながら制作される「正月飾り」に焦点を当てている。松や竹、紙や縄など、素材の組み合わせやしつらいに込められた時間、自然、信仰へのまなざしを丁寧に写し出す。美しい写真とともに、巻末には素材や飾りの解説を収録。
Pattern Mini | Orla Kiely
アイルランド出身のデザイナー、オーラ・カイリーによる著作。独自のパターン言語とグラフィカルなデザイン感覚で知られるカイリーが、自身の仕事と創作の背景を語る。バッグやウィメンズウェア、アクセサリー、インテリア用品まで幅広い製品に展開されてきたパターンを題材に、スケールとプロポーション、リズムと質感、そして色彩が生み出す効果を実例とともに論じる。自身の作品と、そのスタイルを形作ってきたインスピレーション源となるイメージを多数収録。
箱の本 | エドワード・デニソン、リチャード・コースレイ
エドワード・デニソン、リチャード・コースレイによるパッケージデザイン集。箱の形状に特化した内容で、前半ではパッケージデザインの歴史・基本・環境との関係・素材・名品などを代表的な事例とともに解説する。外観デザインの紹介にとどまらず、構造・閉じ方・素材・用途といったテクニカルな細部にまで踏み込んでいる点が実用的。後半は多様な箱の形状について無地の完成写真と展開図をセットで掲載し、素材・接合方法・用途などをアイコン化してわかりやすく解説する。ロイヤリティーフリーのEPS展開図データを収録したCD-ROM付属。
CLOSURES 蓋の本 | アン &ヘンリー エンブレム
アン&ヘンリー・エンブレムによる、蓋やキャップ、栓といったクロージャーに焦点を当てたパッケージデザイン資料集。スポーツドリンクのボトルやスプレー容器、チューブ型歯磨き粉など、日常の製品に使われる多様な蓋の構造と仕組みを、写真や詳細な図面、キャプション付きで紹介している。CD-ROM付属。
佐賀町エキジビット・スペース 1983-2000 現代美術の定点観測
2020年に群馬県立近代美術館で開催された展示の際に刊行されたもの。1980年代から2000年代にかけて、佐賀町エキジビット・スペースにて開催された展覧会の様子、出展作品を紹介。杉本博司、安藤忠雄、川久保玲、シェラ・キーリー、野又穫、剣持和夫ら、25名の作家による作品図版、展示風景、解説を収録。
婆娑羅 | 矢後直規
気鋭のアートディレクター・グラフィックデザイナー、矢後直規の初作品集。ラフォーレ原宿をはじめとする広告のアートディレクション、RADWIMPS、THE YELLOW MONKEY、菅田将暉、矢野顕子らのCDジャケット、篠山紀信、奥山由之、瀧本幹也の写真集のブックデザインなど、多方面にわたる仕事を収録する。篠山紀信、椹木野衣、エクスペリメンタル・ジェットセットとの対談も掲載。
アイデア No.383 YELLOW PAGES 東アジア グラフィックデザインプロジェクトの現在地
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.383(2018年10月号)。誌面連載「YELLOW PAGES」を再構成し、東アジアで活動する7組のデザイナーを現地取材をもとに紹介している。各々の実践や思考、協働のあり方をたどりながら、連載から展示、そして再び誌面へと展開したプロジェクトの流れを収録。社会や文化の背景がデザインに与える影響にも目を向け、東アジアにおけるグラフィックデザインの現在の状況を読み解いている。
アイデア No.376 グラフィックデザイナーと展覧会
デザイン誌『アイデア』第376号(2017年1月号)。巻頭特集「グラフィックデザイナーと展覧会」では、グラフィックデザインを〈展示〉という形式から捉え直し、その役割や可能性を探っている。半世紀以上の歴史をもつブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレを軸に、欧米や韓国での具体的な取り組みを紹介。デザイナー自身が展覧会を表現や批評の場として用いる動向を通じて、制作と発表、デザインと社会の関係を考察。あわせて日本の現状にも触れながら、展覧会という場がもつ意味をわかりやすく問い直している。
Instant Future: Visions of the Osaka Expo 1970 | 都築響一
写真家・編集者の都築響一による写真集。1970年3月から9月にかけて千里丘陵で開催された大阪万博の光景を、豊富なカラー写真で記録する。太陽の塔をはじめ、各国・企業のパビリオンのインテリア、コンパニオンのミニスカートドレス、スタッフのユニフォームまで、当時の最先端技術と夢が結集した場の熱量を余すところなく捉えている。
沖縄の工藝 | 岡本吉右衛門
沖縄の工芸を記録した資料集。染色・陶芸をはじめ、日常の器や染物など生活に根ざした品々を取り上げ、それぞれの技法と意匠を詳細に記録している。中国・日本・東南アジアの文化が交差する沖縄で育まれた手仕事の造形は、装飾的な美しさだけでなく、人々の暮らしや信仰と深く結びついており、工藝を通じて沖縄の文化の多層性が伝わってくる。
Baseline Magazine no.22
イギリスのブラッドボーン・パブリッシングが刊行する、タイポグラフィとグラフィックデザインの国際専門誌『Baseline』第22号。ラルフ・ベイヤーの書体論、アーノルド・シュワルツマンによるソール・バス論、スイスのブックデザインやオズ・クーパーの仕事を取り上げた論考に加え、紙メーカーGFスミスとストラスモアに関する考察など、多彩な内容を収録している。
Baseline Magazine no.23
イギリスのブラッドボーン・パブリッシングが刊行する、タイポグラフィとグラフィックデザインの国際専門誌『Baseline』第23号。セオ・ロイトホルドによるフルロン(活字装飾)を起点にした書体実験、ペネロペ・ジョーダンによるファッションとタイポグラフィの交差、ポール・バーンズによるジョナサン・ホーフラー論をはじめ、タイポグラフィ史や非アルファベット文字の研究など多彩な論考を収録している。
Baseline Magazine no.24
イギリスのブラッドボーン・パブリッシングが刊行する、タイポグラフィとグラフィックデザインに特化した国際的専門誌『Baseline』第24号。イアン・テーが漢字の魅力を探求し、デビ・アニが組版の心理的効果を考察する。またデイヴィッド・ドライバーによる『Eagle』コミックの造形美を分析、キース・ゴダードの展示デザイン、ローズマリー・サスーンの子ども向け書体、南アフリカ『I-Jusi』誌の政治的デザインなど、多彩なテーマと人物の論考を掲載。
Irving Penn: Centennial
20世紀を代表する写真家、アーヴィング・ペンの作品集。約70年にわたる活動を通して築かれた、シンプルで精緻なスタジオ写真の表現を、初期から晩年まで幅広く収録している。ポートレート、ファッション、ヌード、静物、各地の人々をとらえたシリーズなど、多様な主題に向き合いながら、構図や細部への徹底した意識によって独自の画面を生み出してきた軌跡をたどる。
Settlements | David Spero
イギリスの写真家、デイヴィッド・スペロによる作品集。2004年から2015年にかけて撮影された、セルフビルドによる住居とそこに暮らす人々の生活を記録している。資本主義社会の中で自然との共生や持続可能な生き方を模索する小さなコミュニティに焦点を当て、土地と人との関係を静かに見つめる。ユルト円形型移動テント)を設置して生活するエジプト人アーティスト、ギル・バロンによるドローイングがカバー下に描かれ、共同体の理念と芸術的実践が交差する構成となっている。人と自然の共存をめぐる現代の価値観を照らし出している。
ANDO Complete Works
日本を代表する建築家、安藤忠雄の大判作品集。住宅や教会、美術館、文化施設など、日本国内外で手がけた主要プロジェクトを豊富な図版とともに紹介している。コンクリートを基調に、光、水、空間を緻密に組み合わせた建築によって、独自の表現を築いてきた歩みをたどる。日本の伝統とモダニズムを往還する思考のもとで展開される空間のあり方を通して、安藤建築の広がりと特徴を読み取ることができる。
Textiles: The Art of Mankind
人類の歴史とともに発展してきたテキスタイルを紹介するビジュアルブック。研究と実践をもとに、人類文明のあらゆる時代における織物の役割を体系的に紹介。幾何学的、抽象的、自然モチーフや絵画的表現や、素材の多様性、加工・表面装飾の手法を、1000点を超える図版とともに詳細な解説を500ページを超える大ボリュームで収録。世界各地の博物館やテキスタイル関連団体の情報をまとめた資料も掲載。
Max Huber ペーパーバック版
戦後のイタリアで活躍したグラフィック・デザイナー、マックス・フーバーの作品集。スイスでの初期活動から、戦後ミラノで展開した成熟期までを視野に収め、ポスター、書籍、レコードジャケット、企業ロゴなど300点を超える作品をテーマ別に収録。マックス・ビルやモホイ=ナジら初期モダニズムの理念を踏まえつつ、鮮烈な色彩、大胆なタイポグラフィー、躍動感のある構成によって商業デザインに新たな語法をもたらしたフーバーの仕事が一望できる。
構成的ポスターの研究 バウハウスからスイス派の巨匠へ
多摩美術大学ポスター共同研究会による、構成的ポスターをテーマとした研究書。バウハウスからスイス派に至る合理的デザインの系譜を軸に、ポスターがどのような造形要素と思考によって美と意味を成立させているのかを整理している。さらに竹尾のポスターコレクションから多数の図版を収録し、マックス・ビルやヨーゼフ・ミュラー=ブロックマンらの代表作を紹介。理論と実作を往復しながら、構成的ポスターの全体像を示している。
SO 大竹伸朗の仕事 1955-91
現代美術家・大竹伸朗の活動を、1991年時点まで体系的に編んだ大冊の作品集。小学校時代のスケッチやデザインにはじまり、初期の油彩、旅の記憶を重ねたコラージュ、ノートブック、立体作品まで、制作の軌跡を約800点の図版とともにたどることができる。さらに文筆活動も大きく扱われ、主要な文章作品に加え、書き下ろしを含む大量の原稿を収録。
Lee Ufan
現代美術家・李禹煥(リ・ウファン)による作品集。ドイツで初めて開催された大規模回顧展にあわせて刊行され、約半世紀にわたる活動からおよそ50点の作品を収録。ベルリン絵画館所蔵のレンブラント「帽子をかぶった自画像」と、自身のインスタレーション「関係項―鏡の道」を並置し、東アジアの美術と西洋の古典が交差する場をつくり出している。展示風景や図版とともに、もの派や韓国の単色画との関係にも触れながら、リ・ウファンの思考と表現の広がりをたどる。
Plumtree Court | Juergen Teller
ドイツ出身の写真家ユルゲン・テラーが、ロンドン中心部に建設されたゴールドマン・サックス本社「Plumtree Court」の工事現場を5年間にわたり追いかけた作品集。積み上がる鉄骨、コンクリートの壁、クレーンや重機、雪に覆われた作業現場など、建設が進む過程をさまざまな角度から記録している。完成へと向かう巨大建築の風景に、人形や花、鳥、コラージュ写真といった異質なイメージを挿入することで、秩序と混沌、都市と建設現場のあいだに漂う独特のリズムが生まれている。
Gerhard Richter: Landscape
ドイツを代表する現代アーティスト、ゲルハルト・リヒターが60年以上探究し続けてきたテーマ「風景」に焦点を当てた作品集。海景から田園、都市の周縁まで、多様な風景を描いた絵画を収録し、写真と抽象を行き来するリヒター独自の絵画表現を読み解くことができる内容となっている。自身が撮影した写真をもとに、柔らかな筆致やスキージによる引きの動作で輪郭を曖昧にし、被写体を“ぼかす”ように表現する手法は、時間や記憶が揺らぐような視覚体験をもたらす。
Juke Joint | Birney Imes
アメリカの写真家、バーニー・アイムズによる写真集。ミシシッピ・デルタにかつて存在したアフリカ系アメリカ人たちの集いの場、ジューク・ジョイントを、1983年から1989年にかけて撮影したカラー写真約60点を収録している。店内の壁、照明、テーブル、音楽の気配、人の動きまでも写し取り、土地に根ざした文化の空気を濃密に伝える。すでに失われた場所も多く含まれており、ミシシッピ・デルタの生活とブルース文化をたどるうえでも貴重な記録となっている。
Course of the Empire | Ken Light
アメリカの写真家、ケン・ライトの作品集。10年前に分断が深まる祖国の実像を捉えるため、アメリカ全土を巡り撮影した作品群を収録。ウォール街から地方の小さな町まで、人種・階級・政治的立場を越えて人々の姿を記録し、国がどのように道を逸していったのかを視覚的に描き出している。旅の途中、抗議運動の拡大、政治の混迷、気候変動による災害、トランプ政権の台頭とその影響など、激動する時代の断片が次々とカメラに刻まれた。アメリカ社会の痛みと緊張を鮮烈に映し出し、複雑な時代を生きる人々を記録している。
Die Stadt der Frauen | Miroslav Tichy
チェコ共和国出身の写真家、ミロスラフ・ティッシーの作品集。これまで未発表だった写真や資料を多数収録し、その特異な創作の全貌に迫る。社会主義体制下の故郷で、女性たちを密やかに撮り続けた作品群を通して、独自の美意識と表現の軌跡をたどる。独特の撮影方法による質感と、偶然性を含んだ揺らぎのある像によって、既存の写真表現の枠を越えたティッシーの創造の魅力を浮かび上がらせる一冊。
Storytelling | Achim Lippoth
ドイツの写真家、アヒム・リポットによる作品集。子どもを中心に据えた写真で知られるリポットの活動を、キャリア全体にわたって紹介。画面の主役として描かれる子どもたちは、鮮やかな色彩のなかで物語の一場面のように配置され、大人は背景へと退く。演出とドキュメントのあいだを行き来する手法によって、日常のなかに潜む緊張や違和感を引き出し、写真を通して物語を編み上げている。
Typographie: A Manual of Design | Emil Ruder
スイス・スタイルを代表するタイポグラファー、エミール・ルーダーによる名著。非対称レイアウトやグリッドの活用、サンセリフ書体、左揃え右不揃いの組版といった特徴を体系化し、グラフィックデザインとタイポグラフィにおける基本原則を示している。具体的な比例や構成を示す実践的な例に加え、哲学的な思考を内包した内容で、出版から半世紀を経た現在も広く参照され続けている。国際的に評価された教育的遺産としての意義を伝えている。