時代を変えたミニの女王 マリー・クワント
2022年にBunkamura ザ・ミュージアムで開催された展覧会にあわせて刊行されたカタログ。ロンドンからファッションに革命を起こしたマリー・クワントの軌跡を辿っている。新規撮り下ろしによるファッションアイテムの写真に加え、初公開となるスナップやスケッチなど貴重な資料を多数収録。豊富な図版と解説を通して、ミニスカートの代名詞となったデザイナーの革新性と、その影響が現代まで続くことを示している。
CHANEL | Danièle Bott
「CHANEL」の世界観を伝統と現代の視点からひも解くビジュアルブック。1920年に誕生したモチーフや装飾を再解釈し、ファッション、ジュエリー、ビューティーといった領域に息づくシャネルの美学を紹介している。未公開のアーカイブ資料やカール・ラガーフェルドによる写真、デッサンも収録され、ブランドの創造性と歴史を立体的に浮かび上がらせている。シャネルを象徴する香水「N°5」に呼応するように、5つのテーマで構成され、ブランドの哲学と進化を視覚的に示している。
シャネルの生涯とその時代 普及版 | エドモンド シャルル・ルー
普及版として刊行された、ココ・シャネルの生涯とその時代を紹介する一冊。孤児院での幼少期から売り子時代、手作りの帽子や服の制作、ショートヘアの流行、コルセットからの解放といった出来事をたどりながら、彼女がどのように新しい女性像を体現し、時代の先端を切り開いていったかを示している。200点を超える写真を収録し、ファッションを超えて文化と社会に刻まれたシャネルの軌跡を鮮やかに伝えている。
タイポグラフィスケッチブック | スティーヴン・ヘラー、リタ・タラリコ
世界各地で活動するタイポグラファーやデザイナーたちの制作過程を紹介する一冊。100名を超える書体デザイナー、アートディレクター、アーティスト、イラストレーターが手がけたスケッチやドローイングを収録し、文字の組み立てや造形のアイデアがどのように生まれるかを示している。完成品だけでは見えにくい思考のプロセスを豊富な図版とともに伝え、タイポグラフィの創造性と多様なアプローチを明らかにしている。
たべるトンちゃん | 初山滋
童画作家・初山滋による異色の絵本『たべるトンちゃん』の復刻版。しゃぼんだまの水を飲み、ゴミをあさり、お団子を食べる――いつもお腹を空かせて食べものを探し回るブタのトンちゃんの日常を、ユーモラスでありながら詩情豊かに描き出している。女の子との対話やトンちゃん自身のモノローグによって物語が展開し、予想を超える結末へと導かれていく。戦前から戦後にかけて活躍した初山滋の独自の感性を今に伝える一冊。
松永真のデザイン展 | セゾン美術館
日本を代表するデザイナー、松永真が1997年にセゾン美術館で開催した展覧会の図録。装丁やパッケージ、ポスターなど多彩な仕事をカラー図版で多数紹介している。女性誌『non-no』『MORE』のロゴデザインを手がけたことでも知られ、広告から出版、プロダクトにまで及ぶ幅広い活動を通じて独自の造形感覚を築いてきた。図録はその歩みを辿るとともに、日本のグラフィックデザイン史における松永真の位置づけを示している。
燐寸図案 北原照久コレクション
昭和初期、広告媒体として広く普及したマッチラベルを収録したコレクション集。1933年から1935年にかけて制作された作品を中心に、小さなポスターとも呼べる精緻なデザインを紹介している。ホテルや百貨店、音楽喫茶、宝塚、戦時広告、ミッキー&ベティ、菓子、紳士用品など、当時の時代性や風俗を反映した多彩な図版を掲載。グラフィックデザイン史の一側面としての資料価値を備え、昭和モダン文化の広がりを伝えている。
G1: Subj.; Contemp.Design, Graphic | ネヴィル・ブロディ
1990年代に世界的な影響を与えたデザイナーたちの仕事をまとめたデザイン資料集。パッケージデザイン、ポスター、レコードジャケット、ブックデザイン、タイポグラフィなど、多岐にわたる分野の作品を収録している。特徴的なのは、あえてデザイナー名を伏せて作品のみを紹介している点で、純粋に造形表現そのものに焦点を当てていることにある。460点に及ぶ図版と解説から、90年代デザインの多様な潮流が浮かび上がってくる。
Spitzmaus Mummy in a Coffin and Other Treasures | Wes Anderson & Juman Malouf
映画監督ウェス・アンダーソンと、作家・衣装デザイナーのジュマン・マルーフが、ウィーン美術史美術館の膨大なコレクションからキュレーションした展覧会カタログ。1891年に創設された同館に所蔵される約450万点の中から、初公開を含む430点を独自の基準で選び出している。色や大きさなど従来の美術史の枠を超えた分類によって展示された作品群は、5000年にわたる文化の広がりを新鮮な視点で示している。アンダーソンとマルーフ自身のエッセイに加え、展示風景の豊富な記録も収録されている。
Still Life | Irving Penn
アメリカの写真家アーヴィング・ペンによる静物写真を集成した作品集。1930年代から2000年代にかけて撮影された図版を収録し、長いキャリアの軌跡をたどることができる。『VOGUE』のために撮影された花のシリーズをはじめ、リップスティックやハイヒール、食べ物など、身近な題材を精緻にとらえ、独自の美学によって構成している。ファッション写真やポートレートで知られるペンのもうひとつの重要な領域を示す内容となっている。
Henri Matisse Jazz
フランス近代美術を代表する画家アンリ・マティスが70歳を過ぎてから始めた切り紙絵を収めた版画集。1947年に270部のみ限定刊行され、その後1500部限定で復刻された。筆の代わりに鋏を用い、直感的に色紙を切り抜き、即興的に形を構成する手法は、リズムに導かれるジャズの演奏にたとえられている。鮮烈な色彩と軽やかなフォルムが舞うように展開し、動物や神話、舞踏など多彩なモチーフが表現されている。老境に至ってなお新たな表現を探り続けた姿勢は、絵画の枠を超えた造形実験として高く評価され、20世紀美術史における革新性を示す資料となっている。
Henri Matisse: The Cut-Outs ペーパーバック版
20世紀を代表する芸術家アンリ・マティスによる切り絵作品を収めたペーパーバック版作品集。1940年代初頭から晩年の1954年までに制作された大胆なフォルムと鮮烈な色彩による作品群を紹介している。豊富な図版に加え、アトリエでの制作風景をとらえた当時の写真も収録し、創作の過程やその革新性を示す構成となっている。マティスが晩年に到達した表現のひとつの頂点を描き出している。
Guy Bourdin: A Message for You | ギイ・ブルダン
1970年代に『ヴォーグ』やシャルル・ジョルダンのキャンペーンで活躍したファッション写真家ギイ・ブルダンによる2巻組の作品集。第1巻にはお気に入りのモデル、ニコル・メイヤーを撮影した作品を収録し、第2巻にはポラロイド、スケッチ、コンタクトシートなど未公開資料を多数掲載している。洗練されたファッション写真と制作過程を示すドキュメントを併せて構成し、ブルダンの創作の舞台裏と時代の感覚を浮かび上がらせている。
Between Maple and Chestnut | Terri Weifenbach テリ・ワイフェンバック
アメリカ出身の写真家テリ・ワイフェンバックによる作品集。2005年から2007年にかけて撮影された牧歌的なアメリカの風景を収録している。鮮やかな色彩や浅い被写界深度、選択的なフォーカスといった直感的な手法が特徴で、画面には草花や木々、庭先の情景が柔らかな光とともに浮かび上がる。現実の風景を写しながらも、写真が絵画のように幻想的な印象をまとい、日常の風景が夢幻的な世界へと変容する様子を示している。自然の中に潜む美しさと、見る者の感覚を揺さぶる表現が重なり合い、写真表現の新たな可能性を描き出している。
鹿渡り | 白石ちえこ
写真家・白石ちえこが冬の北海道・道東を舞台に撮影した写真集。夕暮れの凍った湖を一列に渡るエゾジカの群れをはじめ、森や空、動物たちが静かに連なる情景をとらえている。限られた光のなかで浮かび上がる風景は、自然と生命とのつながりを深く感じさせるもの。厳しい冬に潜む静謐さと温もりが交錯する瞬間を映し出している。
New York New York | Marie Tomanova
チェコ出身でニューヨークを拠点に活動する写真家マリー・トマノヴァが、2019年の『Young American』に続いて手がけたポートレート集。2000年代生まれの若者たちが街角でカメラを真っすぐに見つめ、多様なルーツやジェンダー・アイデンティティを背景に個の存在を鮮烈に示している。都市に生きる彼らの姿は、現代アメリカ社会の変容と時代の空気を象徴的に映し出す。親密なまなざしを通じて、新しい世代の肖像が浮かび上がる。序文はソニック・ユースのキム・ゴードン。
Even the Birds were Afraid to Fly | Al Brydon
イギリスの写真家アル・ブライドンによる作品集。幼少期に耳にしたカラスの鳴き声の記憶を手がかりに、「なぜ写真を撮るのか」という根源的な問いに迫っている。収録された写真には、霧に包まれた森や鳥の群れ、動物の亡骸といった不穏なモチーフが並び、そこに画面を横切るように現れる白い線が繰り返し挿入される。その線は個人的な記憶と社会的分断の双方を象徴し、単なる風景写真を超えた視覚的メタファーとなっている点が特徴。静謐な自然の中に刻まれた境界の意識を通して、個人史とイギリス社会の現在を重ね合わせる視点を浮かび上がらせている。
Oiseaux | Jochen Gerner
フランスを拠点に活動するイラストレーター、ジョシェン・ギャルネールの作品集。子ども用ノートをキャンバスに、フェルトペンで描かれた鳥のドローイング約200点を収録している。単純化されたフォルムと鮮やかな色彩が織りなすイメージは、愛らしさと同時に図形的な規則性をも備えており、視覚実験としての性格を強く持つ。ページに敷かれたグリッドや線と色の関係性を探る試みは、絵画やデザインの領域とも交差し、装飾性と理知的な構造を併せもつ独自の表現へと展開している。日常的なモチーフから抽象的な可能性を引き出す実験的な一冊となっている。
Camouflaged Cars of Tokyo | Alice Ishiguro
ロンドン出身で日本にルーツをもつデザイナー、石黒トージーアリスによる作品集。東京の街に駐車された車と、その背景となる建物や看板、壁面などの色彩の組み合わせに注目し、「調和」は意図的な選択か偶然の産物かを問いかけるプロジェクトをまとめている。街中で目にする日常的な風景をフレーミングすることで、車体の色と環境との関係性がユーモラスかつ鮮やかに浮かび上がり、都市の景観を再発見させる内容となっている。日本社会やデザイン文化に潜む「調和」の概念を、遊び心あふれる視点で提示している。
The Granny Alphabet | Tim Walker ティム・ウォーカー
ロンドンを拠点に活動するファッションフォトグラファー、ティム・ウォーカーによる写真集2冊組。第1巻では、ウォーカーが撮影したおしゃれを楽しむおばあさんたちの姿をアルファベット順に構成し、生き生きとした表情や個性的な装いをユーモラスに切り取っている。第2巻にはファッションイラストレーター、ローレンス・マイノットによる挿絵を収録し、写真とイラストの対比を通じて独自の世界観を描き出す構成となっている。世代やスタイルを超えて広がるファッションの楽しみを多角的に示し、ウォーカーらしい遊び心とヴィジュアルセンスが存分に発揮された内容となっている。
悪魔の遊び場 | ナン・ゴールディン
アメリカの写真家ナン・ゴールディンの活動を総覧する作品集。『Still on Earth』『57 Days』『Elements』の各シリーズに加え、テーマごとに構成された写真群を収録している。被写体に寄り添いながら日常と親密さをとらえ続けてきた作風は、写真表現を通じて愛や痛み、依存や喪失といった人間の根源的な感情を描き出してきた。大判の図版により作品の強度を体感できるほか、作家やアーティストによる詩や歌詞も添えられ、多層的にゴールディンの世界を構成している。長年にわたる軌跡をまとめた内容は、彼女の写真表現の広がりと深みを改めて示している。
PARIS | AMI SIOUX
写真家アミ・スーによるパリを舞台とした作品集。緯度経度をタイトルに冠し、都市の位置を明確に刻むことで、街そのものを被写体として提示している。表紙に配されたエッフェル塔の影のイメージを象徴に、街路や広場、建築や人々の営みを多角的に写し出す構成。パリという都市の輪郭を、記号と記憶の重なりとしてとらえた視覚的マッピングの試みとなっている。フランス語、英語表記。
Hannah Hoch: Album | ハンナ・ヘッヒ
ベルリン・ダダ運動の主要メンバーであったハンナ・ヘッヒが残したアルバムを再現した作品集。ヘッヒが日常的に切り抜き、貼り集めた400点以上の写真を114ページにわたって収録している。自然、テクノロジー、スポーツ、ダンス、新しい女性像、映画、民族学など多様なテーマが混在し、20世紀初頭の文化的潮流や彼女自身の関心領域を映し出す構成となっている。断片的なイメージの集積は、フォトモンタージュの先駆者としての実践と響き合い、個人的な視覚日記であると同時に、時代精神を体現する貴重な資料でもある。アヴァンギャルド芸術の歴史において独自の位置を占める作家の思考と審美眼を探ることができる内容となっている。
アシッド・ブルーム | 蜷川実花
写真家蜷川実花による作品集。被写体となるのは鮮烈な色彩と異彩を放つ存在感をもつ花々であり、花と自らの意識が溶け合うような境界の感覚を写真として定着させている。画面いっぱいに広がる色と形は、現実の花でありながら幻惑的で、見る者を強く引き込む。光や構図の操作を通じて、装飾的でありながらどこか不穏さを帯びた蜷川実花独自の世界が立ち上がる点が特徴。
The Journal | Ruth Asawa
アメリカの彫刻家ルース・アサワによる「アーティスト・ジャーナル」。日常の身近な対象から着想を得て創作の契機とすることを目的に構成されている。アーティスト・ジャーナルとは、単なる日記やスケッチブックではなく、アイデアや構想を記録し、創作の過程を支えるためのノートであり、持ち主の手によって完成していく道具でもある。本書には自由に書き込める白紙ページや、発想を促すパターン入りのページを収録。アサワが実践した「日々の観察から芸術を育む」という姿勢を反映し、内なる表現を喚起する手助けとなる内容を示している。
異端の奇才 ビアズリー展
2025年に開催された巡回展の会場限定版図録。イギリスで活躍し、25歳の若さで世を去った画家オーブリー・ビアズリーの作品を紹介している。『アーサー王の死』『サロメ』『モーパン嬢』といった挿絵や素描をはじめ、彩色ポスターや同時代の装飾品など約220点を収録。繊細で流麗な線描と大胆なデフォルメを融合させた表現は、19世紀末の欧米で熱狂的に受け入れられ、アール・ヌーヴォーや象徴主義といった潮流にも影響を与えた。図版と解説を通じて、その短くも鮮烈な軌跡を多角的に浮かび上がらせている。
De Paris Yearbook 2014
パリのスケートボードシーンを1年間にわたり記録した写真集。38名のフォトグラファーが参加し、街中で繰り広げられるダイナミックなアクションショットをはじめ、コンペティションの熱気やスケーターたちの何気ない日常までを多角的に捉えている。都市空間を自由に駆け抜ける身体表現は、スポーツであると同時にカルチャーとしてのスケートボードの魅力を伝えるものであり、街そのものを舞台とした創造的な活動として映し出されている。限定1000部の刊行で、現代のスケートシーンを記録した資料的価値をも備えた内容となっている。
SKIN 地球の肌 | 回里純子
2022年にKYOTOGRAPHIE京都国際写真祭のサテライトイベント「KG+」での展示にあわせて刊行された作品集。アーティスト回里純子が「触れる」というテーマを軸に制作したシリーズを収録している。水面の揺らぎに映る光、水に触れる女性の姿、岩肌の質感や森の木々など、自然と人の関わりを映し出す情景が重層的に展開される。トレーシングペーパーを用いたページ構成によって、イメージがレイヤーのように重なり合い、過去から現在、そして未来へとつながる時間の曖昧さを体感させる仕上がりとなっている。触覚と視覚の両面から人と自然の関係を探り、写真表現の新たな可能性を示す内容となっている。
江之浦奇譚 | 杉本博司
現代美術作家杉本博司が「遺作」と位置づける「江之浦測候所」を舞台に綴ったエッセイ集。神奈川県小田原市に設けられた江之浦測候所は、ギャラリーや石舞台、茶室、光学硝子舞台などを備え、自然・歴史・芸術が交差する総合的な文化施設。その場所に呼応するように生まれた因縁ばなし44題を収録。和歌や随筆、写真を交えた構成は、歴史の記憶と個人的体験が重なり合う独自の世界を浮かび上がらせる。ランドスケープとしての創作の到達点であり、杉本の風狂な半生をも映し出している。
Botanical Garden Volume I
世界の植物を網羅する全2巻構成の植物図鑑の第1巻。樹木や低木、つる植物を対象に、450を超える木本植物の属を紹介している。太古のシダ植物やイチョウ、針葉樹から始まり、モクレン、果樹、カエデ、ヤシ、竹に至るまで、進化の流れに沿って整理されている点が特徴。各属は精緻な写真と解説によって示され、形態や生態的特性に加え、自然環境との関係にも焦点を当てている。古代から現代までの多様な樹木を体系的に収め、植物学的資料としても園芸や自然観察の手引きとしても役立つ内容を描き出している。
Botanical Garden Volume II
世界の植物を網羅的に紹介する全2巻構成の植物図鑑の第2巻。草本植物を中心に550を超える属を取り上げ、一年草・二年草・多年草に加え、球根植物や水生植物まで幅広く収録している。コケやシダといった原始的な植物から、イネ科やカヤツリグサ科など現代の園芸に欠かせない草花までを精緻な写真と詳細な解説で紹介。分類学的な視点と実用的な園芸知識をあわせもち、観賞用から栽培まで幅広い利用に役立つ構成となっている。植物の多様性を体系的に示し、学術的資料としても園芸の手引きとしても価値を持つ内容となっている。
Handbuch der Pilze
代表的な食用・毒キノコ96種を取り上げ、その見分け方や特徴を詳しく解説した図鑑。キノコの外形や断面の構造、生育環境といった基本的な情報から、毒成分や中毒時の症状までを整理している。さらに料理レシピや保存方法も紹介されており、採集から調理まで実用的に役立つ内容となっている点が特徴。精密な図版や断面図を豊富に収録し、観察の際の手引きとしても有用である。科学的知識と生活の知恵を兼ね備え、キノコの多様な魅力を多角的に示している。
デ・ステイル 1917-1932 | セゾン美術館
1997年から1998年にかけてセゾン美術館をはじめ全国を巡回した「デ・ステイル 1917-1932展」の公式図録。20世紀初頭にオランダで誕生した芸術運動デ・ステイルは、幾何学的な形態と三原色を基調とした表現により、モダニズムの核心を形づくった。本書では絵画や彫刻、建築資料など約250点を収録し、運動の展開と影響を多角的に紹介している。デ・ステイルがバウハウスの機能主義デザインや1930年代以降の抽象芸術へ与えた影響を検証し、モダンデザインと抽象美術の発展における重要性を浮かび上がらせている。
Mario Testino Portraits ペーパーバック版
ペルー出身の写真家マリオ・テスティーノによるポートレート作品集。ナオミ・キャンベル、ケイト・モス、ジュード・ロウ、グウィネス・パルトローなど、ファッション界や映画界を代表するセレブリティの姿を収録する。被写体との自然な関係のなかで魅力を引き出すテスティーノの撮影によって、ポートレートは単なる人物写真にとどまらず、時代のイメージを象徴する視覚的アイコンへと昇華されている。
Sarah Illenberger | サラ・イレンベルガー
ベルリンを拠点に活動するアーティスト、サラ・イレンベルガーの作品をまとめた作品集。紙や食べ物、木材、植物、金属といった身近な素材を自在に組み合わせ、ユーモアと鋭い観察眼を備えたコンセプチュアルな造形へと昇華させている点が特徴。誌面や広告の依頼によるプロジェクトでは「Time Magazine」や「Nike」といった国際的なクライアントのために制作した作品を収録し、同時に個人的な試みや自由な実験も数多く含まれている。デザインとアートの領域を横断しながら展開される創造の軌跡を、多彩なビジュアルを通して浮かび上がらせている。
横尾忠則展 反反復復反復
2012年に「横尾忠則現代美術館」の開館を記念して開催された展覧会の公式図録。美術家横尾忠則の作品における重要な要素である「反復」の手法に焦点を当てている。「ピンクガールズ」や「Y字路」など代表的なシリーズを中心に、鮮やかな色彩と強烈なイメージが展開する作品をオールカラーで収録。横尾が時空を超えて繰り返し描き出すモチーフは、記憶や無意識と深く結びつき、独自の絵画世界を形成している。反復の技法が生み出す美学と思想を豊富な図版とともに示し、創作の核心に迫る内容となっている。
ROSAS XXV 1980-2005 ローザスとアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルの25年 ダンス、空間、そして音楽の軌跡
ベルギー出身の振付家・ダンサー、アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルと、彼女が率いるダンスカンパニー「ローザス」の25年の歩みに焦点を当てた展示カタログ。2005年に東京都写真美術館で開催された展覧会にあわせて刊行されたもので、舞台写真や映像作品の図版を豊富に収録している。1980年代の結成以来、音楽や建築、文学との緊密な関係を築きながら独自のダンス表現を探求し続けてきたケースマイケルの軌跡をたどり、ローザスの活動の全体像を示している。身体、空間、音楽が織りなす創造の歴史を視覚的に描き出している。
わたしの時間旅行 | 山本容子
銅版画家山本容子が「旅」をテーマに制作したアートワークと散文をまとめた作品集。ルイ・ヴィトン表参道ビルの工事仮囲いを活用した1年間のプロジェクトをはじめ、自身の旅の記録を377点の図版とテキストで収録している。19世紀半ばから1960年代のパリを舞台に、ピカソやクレー、フロイト、マン・レイといった芸術家や知識人の姿、当時の街並みや空気感を交えながら、時代を超えた「時間旅行」を描き出している。視覚表現と散文が重なり合い、旅と芸術をめぐる多層的な世界を伝えている。
秘められたスペイン展 クリスティナ・ガルシア・ロデロの世界
1994年に三鷹市美術ギャラリーで開催された「秘められたスペイン展」の公式カタログ。スペイン出身の写真家クリスティナ・ガルシア・ロデロが、1973年から約15年にわたり各地で撮影を続けた作品群を収録している。祭りや宗教的儀式、地域に根ざした風習や日常の営みがユーモアと神秘性を交えた視点で捉えられ、スペイン文化の多層的な姿を伝えている点が特徴。伝統を記録するだけでなく、人々の感情や共同体の精神を映し出す写真は、ドキュメンタリーと芸術表現の境界を探るものとして評価されている。独自の視線を通じて文化の奥行きを描き出している。
アウトサイダー・アートの作家たち
ボーダレス・アートミュージアムNO-MAの理念に寄り添い、写真家大西暢夫が日本各地のアウトサイダー・アート作家17名を取材した記録をまとめた一冊。自室や工房、施設といったそれぞれの場で生み出される表現は、優しく、清らかでありながら激しさも秘め、創作へのエネルギーがほとばしっている。絵画や立体、文字作品のほか、制作の様子や日常の風景を撮影した写真を収録し、作家たちの生き方と創作の根源に迫っている。障害や健常、福祉やアートといった境界を越え、表現の純粋な力を浮かび上がらせている。
大辻清司アーカイブフィルムコレクション 1
写真家大辻清司による「フィルムコレクション」シリーズ第1弾は「舞台芸術」をテーマとする。1950年代後半に撮影されたネガフィルムから、文学座や俳優座といった劇団の公演や稽古、さらに前衛舞台の記録を収録している。舞台上の一場面だけでなく、稽古に臨む俳優たちの繊細な表情やダイナミックな動き、光と影の陰影を静謐かつ鮮烈に写し取った写真群は、当時の演劇表現の熱気をよく伝えている。図版と解説を通じて、戦後日本の舞台芸術の姿を後世に伝えている。
大辻清司アーカイブフィルムコレクション 3
写真家大辻清司による「フィルムコレクション」シリーズ第3弾は「アトリエ訪問」をテーマとする。1950年代、雑誌記事のために撮影された原弘、山口薫、剣持勇、猪熊弦一郎ら70名を超える作家とその制作現場を収録している。制作に集中する姿からデッサンや画材に至るまで、大辻が独自の視点でとらえた写真群は、当時の芸術家たちの活動を生き生きと伝えている。さらに未掲載の写真を加え、作品図版と解説を通じて、戦後日本の芸術家たちの制作環境と創造の息吹を提示している。
大辻清司アーカイブフィルムコレクション 4
写真家大辻清司による「フィルムコレクション」シリーズ第4弾は、創作活動の転機となった1975年を特集する一冊。自身の実験的な取り組みに焦点を当て、『アサヒカメラ』で連載された「大清司実験室」の未公開カットやコンタクトプリントを多数収録している。写真家が作品を選び抜き、形を与えていく過程を具体的に示す構成となっており、制作の裏側を追体験できる点が特徴。シュルレアリスムや前衛芸術と関わりながら歩んだ大辻の活動の中で、重要な節目を記録する資料的価値の高い内容であり、1970年代の写真表現の動向を浮かび上がらせている。
大辻清司アーカイブフィルムコレクション 5
写真家大辻清司による「フィルムコレクション」シリーズ第5弾は、戦後日本を代表する前衛美術グループ「具体美術協会(具体)」をテーマとする。東京での公開制作や展覧会、舞台公演の記録を中心に、嶋本昭三、白髪一雄、田中敦子、村上三郎ら主要メンバーの活動を撮影した貴重なフィルムを収録している。絵具を投げつける動作やダイナミックな身体表現など、実験的なパフォーマンスの数々を鮮やかにとらえ、戦後美術のエネルギーを伝えている点が特徴。当時未掲載だった初公開カットも加わり、図版と解説を併せて、具体の初期活動を多角的に描き出している。