Interiors | Orri Jonsson
写真家、オーリー・ヨンソンによる写真集。ある夏、アイスランド北部で廃農家を偶然見つけたことがきっかけで、12年間にわたりアイスランド各地の廃屋の内装を撮り続けた。1999年から2010年にかけての作品から厳選して収録。朽ちた床や壁、破れたカーテン、置き去りにされたボタンや新聞、湯たんぽなど、残された物たちがかつての住人の生の痕跡を物語る。大判アナログカメラで捉えた絵画的な色彩と厳格な構図が、喪失と時間の重みを伝える。
スクラップブック1932-1946 アンリ・カルティエ=ブレッソン写真帖
写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソンによる作品集。1932年から1946年にかけて撮影した写真を、ニューヨーク近代美術館での展覧会に向けて自身で焼き付け整理した約300枚のヴィンテージプリントをスクラップブック形式で収録する。都市の路地や市場、人々の表情や動きが克明に写し出され、未公開の構成を再現した貴重な資料となっている。マルティーヌ・フランク、アニェス・シール、ミシェル・フリゾによる解説を収録。
black sun | Søren Solkær
デンマークの写真家、ソーレン・ソルケアによる作品集。故郷である南デンマーク近くのワッデン海で見られる、ムクドリの大群の飛翔をとらえたシリーズを収録している。空を埋める鳥たちは、ときに波のように、ときに筆で描いた線のように姿を変えながら、刻々と表情を変えていく。イタリア、オランダ、イングランド、カタルーニャへと渡る群れを追って撮影された写真からは、自然が生み出すかたちの不思議さと美しさが伝わってくる。
starling | Søren Solkær
デンマークの写真家、ソーレン・ソルケアによる写真集。前作『Black Sun』に続き、南デンマークの原風景を起点に、ムクドリの渡りと群れの動きを3年にわたって追ったシリーズを収録している。アイルランドからデンマーク、オランダ、さらにサルディーニャやローマへと移動する群れは、ひとつの有機体のように空をうねり、波や数式のようなかたちを描き出す。顕微鏡で撮影した羽根のシリーズもあわせて収められ、鳥という存在の細部にまで目を向けた構成となっている。
Punk | 沖潤子
国内外で活躍する刺繍アーティスト、沖潤子の初作品集。過去十数年間に制作した作品を厳選し、オールカラーで収録している。巻末には本人による作品解説も掲載。おびただしい針目が積み重なる作品の表面は、ページをめくるたびに圧倒的な密度で迫る。タイトルの「パンク」は表面的なポーズではなく、何食わぬ顔で社会生活を送りながらも、これだけは曲げられないという矜持を指す。
Tout va Bien | J. H. Engstrom
スウェーデン出身の写真家、J.H.エングストロームによる写真集。森と湖に囲まれた土地での家族との生活を背景に、写真を自身の「避難所」として捉える内面的な視線が貫かれている。家族や友人のポートレート、静かな自然風景、出産の瞬間などを捉えた生々しいイメージが、モノクロとカラーを交錯させながら並置され、感情の大きな振幅を生み出す。自伝的でありながら詩的な比喩に満ちた1冊。
Sketch of Paris | JH Engstrom
スウェーデンの写真家、JH・エングストロームによる作品集。1991年から2012年にかけて撮影されたパリの風景を、叙情的で私的な視点から捉えたもの。幼少期に初めて訪れて以来「第二の故郷」として過ごしてきたパリでの体験を軸に、街での出会い、恋愛、孤独といった心の動きを、率直で親密なまなざしで描き出す。セルフポートレート、ヌード、恋人・友人・見知らぬ人々の姿、そして時折差し込まれる街角の風景など、多様なイメージを収録し、エングストロームが自身の表現を確立していく20年以上の軌跡をたどる一冊。
Haunts | JH Engstrom
スウェーデンのフォトグラファー、JH・エングストロームの作品集。アーティストブックプロジェクト『Trying to Dance』に続く三部作の第二作で、彼が抱き続ける「存在」への疑念や問いが、前作よりもいっそう深く追究されている。視線は公共空間やストリートへと向かい、終わりなく続く“いま”の時間の中に身を置く感覚が、全体のイメージを貫いている。「今」と記憶がぶつかる瞬間をとらえようとする姿勢は、感情と客観性を切り離すことなく受け止めようとするもので、その重なりが写真に独特の緊張と親密さを与えている。
日本タイポグラフィ年鑑 1985 | ヘルミュート・シュミット
エディトリアル、グラフィック、シンボルマーク、立体、映像など多岐にわたるジャンルのタイポグラフィ作品を日本タイポグラフィ協会が選出した1985年度の年鑑。タイポグラフィ関連作品に加え、オランダのグラフィックデザイナーで書体デザイナーの、ウィム・クロウエルらによる寄稿文も併せて掲載。装丁はヘルムート・シュミット。
Naoshima Nature, Art, Architecture | Naoya Hatakeyama、Osamu Watanabe
日本の瀬戸内海に浮かぶ島、直島。本書は直島に点在するアートや建築、街の眺めを写真家の畠山直哉と渡邉修が記録した写真集。SANAA/妹島和世+西沢立衞によるフェリー乗り場、安藤忠雄が設計した地中美術館には、ウォルター・デ・マリアやジェームズ・タレル、クロード・モネによる作品が収められ、島を歩くと杉本博司、草間彌生、蔡國強らによる作品と出会うことができる、直島の特別な景色の数々を掲載。英語、日本語表記。
妹島和世+西沢立衛/SANAA 金沢21世紀美術館 | ウォルター・ニーダーマイヤー ほか
2005年に金沢21世紀美術館で開催された「妹島和世+西沢立衛/SANAA」展の図録。金沢21世紀美術館の設計者であり、世界で注目を集める妹島和世と西沢立衛による共同設計事務所「SANAA」の話題作を、世界的に活躍する3人のフォトグラファー、ホンマタカシ、ルイザ・ランブリ、ウォルター・ニーダマイヤーが撮影。SANAAが書き下ろした詳細な施工図面も合わせて収録。
この星の光の地図を写す | 石川直樹
2016〜2019年に東京オペラシティアートギャラリーほか全国各地で開催された展示の図録。写真家・石川直樹が北極・南極・ヒマラヤの8000m峰・富士山・日本列島の島々・ポリネシアの環礁や洞窟壁画など、世界各地で撮影した風景と人々の暮らしを大判写真で収録。海抜0mから標高8848mにわたる多様な環境における光の変化や影の落ち方が写し出され、撮影地や旅の道具に関する情報も添えられる。地上のあらゆる場所を歩き続けてきた石川の旅の軌跡を、視覚的にたどることができる。
クアトロ・ラガッツィ 桃山の夢とまぼろし 杉本博司と天正少年使節が見たヨーロッパ
2018年から2019年にかけて長崎県美術館で開催された展覧会の図録。現代美術家・杉本博司が天正少年使節の足跡をたどり、ヨーロッパ各地で撮影した新作シリーズを中心に構成。南蛮美術やキリシタン文化に関する史料、関連する美術作品などもあわせて収録し、16世紀末にヨーロッパを訪れた少年使節の歴史を紹介。杉本博司の「海景」をはじめとする作品と歴史資料の対話を通して、桃山時代の文化交流とその記憶をたどる。
日本の民具 全4冊揃 | 薗部澄、遠藤武 ほか
日本の生活道具を集成した写真資料集。第一巻「町」は看板や商売道具、第二巻「農村」は農具や生活用品、第三巻「山・漁村」は漁具、第四巻「周囲民族」は樺太・台湾の道具を収録。写真は薗部澄、解説は遠藤武、宮本常一、磯貝勇、桜田勝徳。装丁は多川精一。民俗学者で、大蔵大臣なども務めた渋沢敬三の追悼記念として出版されたもの。
四代 田辺竹雲斎
竹工芸家、四代田辺竹雲斎による作品集。2017年の四代目襲名を記念して刊行され、初代から四代にわたる田辺家の歴史を踏まえながら、現代の竹工芸作品を収録する。花籃や立体造形を中心に、素材の選定・編みの技法・形状の工夫が図版から具体的に読み取れる。各作品に寸法・用途・制作年を添え、伝統的手法と個々の創造性の結びつきをたどりながら、竹工芸の技術と精神が現代にいかに展開されているかを伝える。
益子の窯と佐久間藤太郎 限定65部 | 塚田泰三
益子の陶芸の歴史と、陶芸家・佐久間藤太郎の人生を記録した伝記的な1冊。限定65部発行。内箱は手染紙製、本体は陶板嵌込、総クロス装、天金。扉・見返絵はバーナード・リーチ、表紙の陶板・巻頭絵は佐久間藤太郎、内箱の手染紙は芹沢銈介によるもの。
燈籠 | 川勝政太郎
日本国内に残る灯籠の名品約500基のうち、約170基を収録した写真資料集。神社や庭園に置かれた石灯籠を中心に、カラーとモノクロ図版によってその姿を丁寧に紹介。形状の違い、鑑賞の要点、時代ごとの鑑別、文様や意匠にいたるまで幅広い解説を収録している。写真は岩宮武二が担当し、限定1100部発行。
GAS BOOK Illdozer
『GASBOOK』シリーズ第6号。デザイン集団、ILLDOZERによる作品集。1990年代から2000年代初頭に手がけたポスター・印刷物・CDジャケット・雑誌ビジュアル・ファッション関連プロジェクトを収録する。『シーガル・スクリーミング・キス・ハー・キス・ハー』のCDや雑誌『SPECTATOR』のカバーなども並び、文字と画像のレイアウト、色彩の扱い、構築的なデザイン手法がページごとに読み取れる。ILLDOZERの造形感覚と批評的な姿勢の両面を概観できる。
GAS BOOK TOMATO
『GASBOOK』シリーズ第5号。1991年にロンドンで設立されたデザイン集団、トマトによる作品集。ジョン・ワーウィッカーを中心に、グラフィック・映像・コラージュなど多様な手法で国内外の案件を手がけてきた彼らの仕事を収録する。ポスター・スケッチ・広告デザイン・書籍装丁など幅広いビジュアル作品が並び、コラージュの構造やタイポグラフィの扱い、色彩のリズムがページごとに展開する。映画『トレインスポッティング』をはじめとするプロジェクトへの関与でも知られるトマトの造形感覚を概観できる。
Les Roses バラ図譜 | ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ
ベルギー出身の植物画家、ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテによるバラ図譜の復刻版。18〜19世紀に制作された銅版画169点を収録し、花弁の色彩と陰影、品種ごとの形態の違いを克明に描き出す。植物学的な正確さと美術表現を融合させたルドゥーテの筆致は、花の構造と表情を細部まで丁寧に捉えており、原本に忠実な印刷で色彩の豊かさと質感を再現する。
フローラの神殿 | ロバート・ジョン・ソーントン、荒俣宏
イギリスの植物学者ロバート・ジョン・ソーントンが手がけた植物図鑑『フローラの神殿』を、荒俣宏が編纂・解説。リンネの植物分類をもとに描かれた花々は、単なる博物図版を超えて、劇的な風景や寓意的モチーフと共に表現されている。谷間に咲くユリや夜に開花する大輪など、ロマンティックで荘厳な構図が魅力で、西欧の博物図鑑でも屈指の美しさを誇る一冊。図版とともに、分類学の背景やソーントンの生涯についての解説も収録。装丁は鈴木一誌。
資生堂宣伝史 歴史/現代/花椿抄 全三冊揃
1979年までの資生堂の宣伝活動を網羅的にまとめた資料集。広告の歩みをたどる「歴史」、同時代の取り組みを示す「現代」、企業文化誌『花椿』に焦点を当てた「花椿抄」の三冊で構成されている。CI(コーポレート・アイデンティティ)、パッケージデザイン、広告グラフィック、テレビCMなど、多岐にわたる表現を収録。化粧品産業のみならず、日本の広告デザイン史を考察するうえで欠かせない資料となっている。
Die Skizzenbucher, Zeichnungen, Objekte aus dem Woodstock-Hotel New York 1973-1979 | Paul Nizon、Hans Falk
スイスの作家ポール・ニゾンと、画家ハンス・ファルクによる作品集。1973年から1979年にかけてニューヨークのウッドストックホテルで制作されたスケッチブック、ドローイング、オブジェ作品を収録。線描や色彩表現、立体作品の写真が並び、即興的な制作の積み重ねと造形観の変遷を追うことができる。テキストではニゾンがファルクの制作環境や日常の記録に触れ、作品の背景を補う。
グッドバイ ピカソ
20世紀を代表する芸術家、パブロ・ピカソの創作と日常を記録した写真集。報道写真家デヴィッド・ダグラス・ダンカンが17年にわたり密着し、アトリエでの制作風景から家族や友人との親密な時間までをとらえる。絵画や彫刻などの作品図版に加え、ピカソの人間像を伝えるエッセイも収録。カメラを通して描かれたもう一つの「ピカソの自画像」ともいえる内容で、画家の創造の源泉とその生の息づかいを鮮やかに映し出している。
藤田嗣治 絵画と写真展
2025〜2026年に東京ステーションギャラリーほか全国各地で開催された展示の図録。藤田嗣治の絵画と写真の関係に焦点を当て、制作の背景を探る。パリや南米、日本で撮影されたスナップ写真や写真原版、当時の雑誌掲載イメージを主要作品の図版と併置し、画面構成や写真からの引用がどのように絵画へ移し替えられたかを具体的に追うことができる。創作における視覚資料の役割という切り口から、藤田嗣治の制作過程を新たな角度で検証する。
Time after Time / Time for Time 歩みゆく時間 時間のための時間 | 富山義則、熊谷聖司
写真家、富山義則と熊谷聖司による共同作品集。製造終了したポラロイドフィルム809を用いて撮影した作品を収める。富山は取り壊しが決定された30年以上住み慣れた自室を、熊谷は高円寺の路地裏を被写体に選ぶ。はっきりと、あるいはぼんやりと滲みながら、空気感ごと定着した日常の風景が幻想的な像として浮かび上がる。
Hockney Posters | David Hockney
ポップ・アートの旗手として現代美術に多大な影響を与えたデイヴィッド・ホックニーによるポスター作品集。展覧会や舞台芸術など、さまざまなテーマをもとに制作されたポスター128点を大判で掲載する。色彩と構成の妙に加え、ペインティングを基調としたビジュアル表現を通して、ホックニーの多面的な魅力を堪能できる内容となっている。英語表記。
古陶の譜 中世のやきもの 六古窯とその周辺
2010〜2011年にMIHO MUSEUMほか各地で開催された展示の図録。日本の六古窯、瀬戸・常滑・越前・信楽・丹波・備前の中世陶磁器を中心に収録する。壺・甕・瓶子などの日常用陶器を窯ごとに並べ、土や焼成の違い、文様や造形の変化を図版で確認できる。発掘資料や窯跡調査の成果も盛り込まれ、各地の中世陶業の実像と技術的特色を研究解説とともに伝える。
古美術随想 骨董流轉 | 安東次男
評論家・随筆家の安東次男による随想集。陶磁器・工芸品・文房具など幅広い古美術・骨董品を取り上げ、それぞれの品にまつわる歴史や収集の経緯、自身の体験を易しい語り口で綴る。形や質感、使用痕や装飾の細部を写した図版が添えられ、文章と相まって鑑賞の視点を具体的に伝える。品物の背後にある文化や時代の息吹を読み解きながら、古美術と生活・文化の関係を丁寧に掘り下げる。
東京二〇二〇、二〇二一。| 初沢亜利
写真家・初沢亜利による写真集。2020年から2021年にかけて東京を歩き、コロナ禍とオリンピック開催が重なった時期の都市を記録する。人通りの消えた繁華街、マスクで覆われた顔、営業自粛に揺れる店舗、路上で過ごす人々、無人に近い公園、夜に残る光などが連続して並ぶことで、日常の変化と時間の経過が浮かび上がる。特別な出来事を正面から撮るのではなく、街と人の表面に刻まれた痕跡を丹念に拾い上げた記録。
時代の空気。副田高行がつくった新聞広告100選。
グラフィックデザイナー、副田高行による作品集。1980年代から2022年までに手がけた新聞広告100点を年代順に収録する。サントリー・シャープ・JR九州・トヨタ・アースミュージック&エコロジーなど多様な企業の広告を網羅し、各作品にはコピーの工夫やレイアウトの意図、制作背景とエピソードが添えられる。新聞という媒体における言葉とデザインの関係を軸に、広告表現の変遷を通して時代の空気を伝える。
ジャン=ポール・グード In Goude we trust!
2018年にシャネル・ネクサス・ホールで開催されたジャン=ポール・グードの個展図録。フォトグラファー・イラストレーター・映像作家として多岐にわたる分野で活躍してきたグードの代表的な仕事を、シャネルとのコラボレーションと個人的な創作活動の2部構成で紹介する。前半ではフレグランス「エゴイスト」「ココ」「チャンス オー ヴィーヴ」のCM映像やキャンペーン作品を収録。後半ではドローイング・スケッチのプリントに加え、グレース・ジョーンズのアートディレクション作品も収める。
イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル
2023年に国立新美術館で開催された大回顧展の公式図録。ファッションデザイナー、イヴ・サンローランの40年にわたる創作の歩みを紹介する。ディオールでのデビューから自身のブランド設立後の活動までを、伝説的なルック110体をはじめ、アクセサリー、写真、ドローイングなど262点の図版とともに収録。サファリ・ルックやパンツスーツなどの革新的なデザイン、芸術や舞台、日本文化からの影響にも触れながら、サンローランのスタイルの展開をたどる。
紋黄蝶 2010 SS | mina perhonen ミナ・ペルホネン
ファッションブランド、ミナ・ペルホネンによる2010年春夏コレクションのシーズンブック。シャツ・ワンピース・軽やかな生地のパンツなどを写真で展開し、刺繍や織りによる模様、色の重なりが誌面に広がる。柄の配置や色の組み合わせ、身体の動きに沿うシルエットが連続するカットで確認でき、素材の質感と着用時の印象を視覚的に伝える。
意中の建築 上巻 | 中村好文
建築家・中村好文による建築エッセイ集。世界各地を訪ね歩き、自らの感覚で選び取った約25件の建築を収録する。ストックホルム市立図書館やジャンタル・マンタル、韓国の集落、日本の歴史的建築などを取り上げ、外観だけでなく室内の光・動線・素材の質感まで丁寧に記録。写真と手描きイラストを併用し、空間の広がりや細部の納まりを具体的に伝える。見学のポイントや訪問の手引きも添えられ、実際にその場に立つことを前提とした視点が全篇を貫く。
意中の建築 下巻 | 中村好文
建築家・中村好文による建築エッセイ集の下巻。住宅・ホテル・公共建築など多様な作例を収録し、外壁の素材や窓の高さ、階段の踏面といった細部の寸法感覚を写真と手描きスケッチに書き留める。室内では光の入り方や家具の配置、人の動きに沿った空間のつながりが丁寧に観察され、各章には滞在時の体験や使われ方の記録が織り込まれる。建築を歩きながら理解していく感覚に近い視点で、用途や地域による差異を追いながら造形言語を読み解く。
Jane Hornby: Simple & Classic
料理研究家、ジェーン・ホーンビーによるレシピブック。「なにを作ろうかな&どうやって作るの」など、ベストセラーとなった3冊のホーンビーの著書の中からベストレシピを集めたもの。 子羊の香草焼き、エッグベネディクト、ベリークランブルアイスクリーム、さくらんぼ入りチョコレートムースなど、世界で人気のレシピを料理の過程の写真とともにわかりやすく紹介。 英語表記。
朱塗「根来」中世に咲いた華
MIHO MUSEUMで2013年に開催された展覧会の図録。約900年の歴史を持つ漆器、根来塗の起源と美の系譜を、中世の作品を中心に辿る。瓶子、丸盆、湯桶、茶器、琵琶など多様な器種を章立てで紹介し、400点を超える作品を詳細な解説とともに収録。東大寺所蔵の重要文化財「二月堂練行衆盤」全11枚や映画監督・黒澤明旧蔵の輪花盆など、本邦初収録の名品を多数含む。
古唐津 開館50周年記念 大いなるやきものの時代
2017年に出光美術館で開催された展示の図録。開館50周年を記念し、桃山時代を中心とする古唐津(こがらつ)の作品を通して、その成立と広がりをたどる。茶碗や水指、徳利、皿などが収録され、鉄絵で描かれた草花文や幾何文、灰釉の流れや焼成による歪みが画面に現れる。土肌の粗さや釉のかかり具合の違いから、窯ごとの作風や制作背景も読み取れる。
向付 茶の湯を彩る食の器
2009年に五島美術館で開催された展示の図録。茶の湯の懐石に用いられた向付を中心に、桃山時代末期から江戸時代中期の陶磁器を幅広く収録する。中国製古染付・祥瑞・赤絵など多様な作例を形・文様・釉薬の質感まで詳細な図版で示し、懐石における器の使い方や配膳の工夫を読み取ることができる。巻末の「茶会記に見る会席の陶磁器一覧」と解説文が当時の作法や流行を理解する手がかりとなり、向付の造形と使用法を通して茶の湯の美意識と食文化の関係をたどる。
上野焼展 国焼茶陶 初期から現代まで 開窯400年記念
2002年に小倉井筒屋パステルホールで開催された、上野焼開窯400年を記念する展示の図録。初期の釜ノ口窯・菜園場窯に代表される茶碗や水指から、江戸期の緑青釉・鉄釉による発色の展開、近代以降の日用品・花器への広がり、現代作家による釉薬の重なりや大胆な造形まで、各時代の器を図版で並置する。技法と意匠の変化を時代順に追いながら、400年にわたる上野焼の表現の変遷をたどる。
ソール・ライターのすべて
写真家ソール・ライターの創作を網羅した作品集。1950年代ニューヨークのストリートフォトを中心に、色彩豊かなカラー作品、静かなモノクロ写真、ファッションフォトやペインティングまで約200点超を収録している。アトリエの記録写真や愛用品、本人の言葉も交えながら、写真とともに歩んだライターの人生観や美意識を多角的に紹介。浮世絵にも通じる構図や色彩感覚など、日本人の感性を惹きつけてきたその魅力を丁寧に伝えている。
香りの器 高砂コレクション
パナソニック汐留美術館で2021年に開催された展覧会の図録。高砂香料工業が長年にわたり収集してきたコレクションから約240点を精選。古代オリエントの香油壺に始まり、アール・デコ期の香水瓶、香道に用いられる香炉・香合、漆工芸品まで、時代と地域を横断した多彩な作品を収録する。香りの器が生活文化やデザインの歴史といかに深く結びついてきたかを、造形の変遷を軸にたどる。