地球がまわる音を聴く パンデミック以降のウェルビーイング | 森美術館
2022年に森美術館で開催された「地球がまわる音を聴く パンデミック以降のウェルビーイング」展の公式図録。パンデミックを契機に変化した社会や価値観を背景に、ウェルビーイングをテーマとして現代アートの視点から問い直す構成となっている。国内外16名のアーティストによる絵画、映像、インスタレーションなど約140点を収録。身体性やコミュニティ、自然環境との関わりといった多様な観点から、人間の生き方を探る試み。グローバルな危機を契機に生まれた思索と表現の交差点を照らし出している。
Ansel Adams: The National Park Service Photographs | アンセル・アダムス
0世紀アメリカを代表する風景写真家アンセル・アダムスによる国立公園の写真を収めた作品集。キングスキャニオン、カールズバッド洞窟群、イエローストーンをはじめとする雄大な自然景観をモノクロームでとらえている。緻密な構図と豊かな階調によって描き出されたイメージは、写真芸術としての完成度とともに環境保護の思想とも結びついている。アメリカの自然を文化的遺産として捉え直す資料的価値を提示している。
N・S・ハルシャ展 チャーミングな旅 | 森美術館
2017年に森美術館で開催された「N・S・ハルシャ展 チャーミングな旅」の公式図録。インドを代表する現代アーティスト、N・S・ハルシャによる1995年から近年までの主要作品約70点を収録している。南インドの伝統文化や自然環境に根ざしつつ、社会的な不条理や政治的状況を織り込み、具象と抽象のあわいを行き来する独自の表現を展開。繰り返されるモチーフや群像的な構成によって、個人と共同体の関係性を問い直す視座を提示している。
Mr.&Mrs. | おおくぼひさこ
写真家おおくぼひさこが、夫・仲井戸麗市(チャボ)を撮影した作品集。プールや海辺、街角や室内など多様な場面でとらえられた姿は、無邪気でユニーク、ときに無防備な表情を見せている。アーティストや忌野清志郎をはじめとする音楽家を撮り続けてきたおおくぼの視点が、被写体との親密な関係を通じて独自の親和性を帯びる構成。
本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語 | 東京都写真美術館 ほか
2023年から2024年にかけて東京都写真美術館と田川市美術館で開催された展覧会の公式図録。日本の写真家・本橋成一と、フランスの写真家・ロベール・ドアノーという二人の活動を併せて紹介している。市井の人々の慎ましくも豊かな営みを、ユーモアと温かさをもって写し取った作品群を多数収録。時代も文化も異なる両者のまなざしが交差することで、人間の暮らしが持つ普遍的な価値を浮かび上がらせている。
Opening | Jungjin Lee
ニューヨークを拠点に活動する写真家ジョンジン・リーの作品集。アリゾナ、ニューメキシコ、カナダなどで撮影された砂漠や山の風景を収録し、大地や石、樹木、空といった存在との静謐な対話を写し出している。蛇腹折りの造本によって広げると全長3メートルを超え、両面にパノラマ写真が展開される構成となっている。風景を物理的な実在として捉えながら、観る者を自然との深い対話に誘う作品世界を提示している。
Message | 佐内正史
写真家・佐内正史による作品集。懐かしさと現在が交錯する日常の街並みを、大判のカラー図版で多数収録している。平凡な風景のなかに潜む時間の層や記憶の気配を写し取り、言葉ではなく写真によって「メッセージ」を伝える構成となっている。鮮やかな色彩と独自の視点によって、ありふれた光景に新たな意味を見出し、都市と個人の関係を照らし出している。
Milton Avery
アメリカの画家ミルトン・エイブリーを紹介する展覧会図録。2017年にロンドンで開催された展覧会にあわせて出版されたもので、代表的な作品を収録している。アメリカ印象派と抽象表現主義という20世紀を代表する二つの美術動向のあいだに位置し、その橋渡し的存在として評価されるエイブリーの活動を包括的に示している。簡素化されたフォルムと大胆な色彩を特徴とする作品群を通じて、モダンアートにおけるエイブリーの重要性を明らかにしている。
内藤礼 1985–2015 祝福
美術家・内藤礼のおよそ30年にわたる活動を包括した作品集。1986年の初個展から刊行当時の最新作までを対象とし、〈Apocalypse Palace〉〈地上にひとつの場所を〉〈母型〉(豊島美術館)〈このことを〉(家プロジェクト「きんざ」)など、国内外で発表された主要作品を多数収録している。光や空間、自然と人間の存在を静謐に問いかける作品群を通じて、内藤の芸術の核心を明らかにしている。
Exactitudes | Ari Versluis, Ellie Uyttenbroek
写真家アリ・フェルスルイスとスタイリスト、エリー・イッテンブロークによる共同プロジェクトをまとめた作品集。タイトルは「正確さ(exact)」と「態度(attitude)」を掛け合わせた造語で、世界各都市のストリートで見かける社会集団の装いを同一の背景と構図で撮影している。個性を主張するかのようなファッションが、同時に均質な「型」に収まることを示す構成となっている。
Carla Klein
オランダのアーティスト、カーラ・クラインの作品を収録したモノグラフ。1994年から2000年の間に制作された絵画36点を収めている。写真を基に描かれる大画面の油彩は、空港や道路、病院など無機質な風景をモチーフとし、青を基調とする色調で現実と夢のあわいを描き出している。
Japan: A Love Story | Michael Kenna
写真家マイケル・ケンナによる日本の風景を収めた作品集。2024年に東京、ロサンゼルス、ロンドンで開催された巡回展にあわせて刊行された。湖上に立つ鳥居や霧に包まれた森、荘厳な山々などを題材に、静謐で神秘的なイメージをモノクロームで写し出している点が特徴。長時間露光によって捉えられた光と影の階調は、日常の風景に永遠性を与え、日本の自然観や精神性を映し出している。
Milton Avery | ミルトン・エイブリー
アメリカの画家ミルトン・エイブリーの作品を紹介する図録。1982年にニューヨークのホイットニー美術館で開催された展覧会にあわせて刊行されたもの。1919年から1963年にかけて制作された作品を収録し、簡素化されたフォルムと色面によるシンプルな表現を特徴としている。モノクロと一部カラーを含む147点の図版を掲載し、同時代の画家マーク・ロスコによるエッセイや解説も収録。
【新刊書籍】蓮のうてな | 津田直
写真家・津田直による作品集。宗祖弘法大師(空海)誕生1250年を記念して刊行されたもので、2020年に高野山・金剛峯寺へ奉納された日本画家・千住博による障屏画〈瀧図〉〈断崖図〉と、高野山の風景を撮影した写真群を収録している。荘厳な自然と絵画作品を重ね合わせることで、信仰の場に息づく精神性を可視化する構成となっている。全長12メートル78センチに及ぶ蛇腹折り装丁が特徴的で、写真と造本が一体となった美しい一冊。
Sigmar Polke: History of Everything, Paintings and Drawings, 1998–2003
ドイツ出身のアーティスト、ジグマー・ポルケの作品集。1998年から2003年にかけて制作された絵画とドローイングを収録している。アメリカやヨーロッパの新聞や雑誌を引用し、メディアが生み出すイメージと人々の認識の関係を探る構成。アフガニスタンや中東の紛争、アメリカの銃社会といった時事的テーマを取り込み、社会や政治、そして視覚文化の在り方を鋭く照らし出している。
Marks of Distinction | Karen Knorr
写真家カレン・ノールによる作品集。〈ベルグラヴィア〉〈ジェントルメン〉〈カントリー・ライフ〉〈コノサーズ(目利きたち)〉の4つのシリーズで構成されている。英国社会に根付く空間、階級、趣味の慣習を忠実に映し出すかのように構成されているが、そこにはユーモアと風刺的な視点が交錯している点が特徴。形式的な美しさと批評性を併せ持つ作品群を通じて、英国文化の階層性とその表象のあり方を浮かび上がらせている。
Signs | Lee Friedlander リー・フリードランダー
アメリカの写真家リー・フリードランダーによる作品集。2019年にサンフランシスコのフランケル・ギャラリーで開催された展覧会にあわせて刊行されたもので、代表的モチーフのひとつ〈サイン〉に焦点を当てている。コカ・コーラやペプシの看板、ネオン、道路標識、店舗のガラスに貼られた広告やTシャツの文字など、アメリカ各地で撮影された144点を収録。日常に氾濫する文字や記号を通じて、都市の表情と視覚文化の断片を浮かび上がらせている。
絵画の歴史 洞窟壁画からiPadまで | デイヴィッド・ホックニー、マーティン・ゲイフォード
画家デイヴィッド・ホックニーと美術批評家マーティン・ゲイフォードによる美術評論。ホックニーの著作『秘密の知識』に続く一冊として、洞窟壁画から現代のiPadドローイングまで「画像」の歴史を読み解いている。三次元の世界を二次元の画面へと置き換える方法の多様性に注目し、映画、写真、絵画、素描のあいだに潜むつながりを探る構成。豊富な図版と対話形式のテキストを通じて、イメージ表現の過去と現在を照らし出している。
Architecture, Sculpture & Something | 落合多武
現代美術家・落合多武によるドローイング集。ミース・ファン・デル・ローエやアルヴァ・アアルトの建築、カール・アンドレやイサム・ノグチの彫刻作品などを題材とし、スケッチブックをそのまま一冊にまとめたような構成となっている。即興的で自由な線描は、建築や彫刻といった既存の造形物に新たな解釈を与えており、落合独自の視覚的思考を伝えている。限定250部刊行。
John Baldessari | ジョン・バルデッサリ
アメリカのアーティスト、ジョン・バルデッサリを紹介する図録。モノクロ写真の一部をカラーで塗りつぶすといった手法に代表される、独自のコンセプチュアルアート作品を多数収録している。言語とイメージの関係を探り、写真や絵画の意味を再構築する試みが一貫して展開されている点が特徴。展示風景や関連資料も併載され、バルデッサリの幅広い活動と批評的な視点を包括的に提示している。
語るピカソ | ブラッサイ
写真家ブラッサイが、親友であるパブロ・ピカソの83歳の誕生日に捧げた対話と写真の記録集。二人の交流は30年に及び、本書には創造の歓びや日常のやり取り、ピカソをめぐる芸術家仲間との交わりが記録されている。写真とテキストを通じて、巨匠の芸術活動と人間的な一面が立体的に描かれる構成となっている。芸術家同士の親密な視点から、ピカソの創作と生涯の歩みを浮かび上がらせている。
Color | Sheila Metzner
アメリカの写真家シーラ・メッツナーによる作品集。初期に撮影した子どもたちのポートレートをはじめ、ファッション写真、静物、風景など多様なモチーフを収録している。独自の淡い色調は、フレッソン・プリントの技法によって生み出されたものであり、メッツナー作品の大きな特徴となっている。柔らかな光と繊細な色彩をまとったイメージは、被写体に詩的な奥行きを与え、写真表現の新たな可能性を提示している。
Peekaboo | 五木田智央
2018年に東京オペラシティアートギャラリーで開催された展覧会にあわせて刊行された図録。モノクロームを基調とした独自の作風で知られる画家・五木田智央の作品を収録している。新作ペインティングに加え、レコードジャケットのために描かれたドローイングなど多様な作品を掲載。ポップカルチャーや日常のイメージを昇華させた表現を通じて、五木田智央の絵画世界の新たな展開を見せている。
Tomoko Kawai: Intimacy of Paradise | 河合智子
ベルリンを拠点に活動する写真家・河合智子による作品集。動物園の内部や植物を撮影した鮮明なカラー図版を多数収録している。人工的に管理された環境と自然界の生命との対比を通じて、人間と動物、自然との関係を可視化する独自の視点が特徴的。被写体に向けられるまなざしは動物や植物の存在感を浮かび上がらせるとともに、自然と人工が交錯する現代の在り方を探る視点となっている。
TOPコレクション 東京・TOKYO
2016年から2017年にかけて東京都写真美術館で開催された展覧会にあわせて刊行された図録。「東京」をテーマに、同館の所蔵作品から戦後から現代に至る写真を収録している。多層的で一面的に捉えることのできない都市を、写真家たちがそれぞれの視点とアプローチで切り取った構成となっている。都市の断片が重なり合うことで、変化を続ける東京の姿を多角的に見せている。
生誕100年 岡本太郎展
芸術家・岡本太郎の生誕100周年を記念して2011年に開催された展覧会の公式図録。「対決」をテーマに据え、岡本が立ち向かった相手を7つの章立てで提示し、絵画、彫刻、写真、デザインなど幅広い表現を収録している。前衛的で力強い造形と思想を通じて、岡本が生涯をかけて問い続けた芸術の根源に迫る内容となっている。多様な資料と図版によって、その挑戦的な創作の軌跡を明らかにしている。
彫刻家エル・アナツイのアフリカ
2011年に開催された展覧会の公式図録。ガーナ出身の彫刻家エル・アナツイの作品を、美術史と文化人類学の双方の視点から紹介している。伝統的な彫刻表現に加え、瓶キャップや金属片、廃材を素材とした大規模なインスタレーション、さらに絵画やドローイングまで幅広い活動を収録。リサイクル素材を用いた作品は、アフリカの植民地支配や交易の歴史と密接に結びつき、社会的・文化的な文脈を読み解く手がかりを与えている。豊富な図版と解説を通じて、エル・アナツイが示す現代アフリカ美術の多様性と革新性を浮かび上がらせている。
アンセル・アダムス作品集 クラシック・イメージ
20世紀アメリカを代表する風景写真家、アンセル・アダムスの作品を収めた写真集。1999年に日本橋三越本店ギャラリーほか全国各地で開催された展覧会「アンセル・アダムスの世界」を記念し、1995年に刊行された『Ansel Adams: Classic Images』を翻訳出版したものである。川や渓谷、植物や建築物などを題材に、アメリカ各地の自然と人々の営みをモノクロームで撮影した写真75点を収録。雄大な自然観と写真芸術の精緻な表現を伝達している。
Donald Judd Furniture Retrospective
アーティスト、ドナルド・ジャッドの家具作品に焦点を当てた作品集。1993年にロッテルダムのミュージアム・ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲンで開催された展覧会にあわせて刊行されたもの。ミニマリズムを提唱したジャッドが手がけたシンプルで精緻な造形の家具を多数収録し、芸術と機能のあいだを横断する活動を伝えている。木材や金属を用いた作品群は、彫刻的存在感を備えつつも実用性を保持し、ジャッド独自の美学を形づくっている。
バウハウスと茶の湯 | 山脇道子
茶の湯の世界に生まれた著者・山脇道子が、20歳で造形大学バウハウスに入学した体験を綴った回顧録。カンディンスキー、ミース・ファン・デル・ローエ、パウル・クレーらとの交流や、学生生活の記録が生き生きと描かれている。日本の伝統文化を背景に持つ著者が、モダンデザインの源流に身を置き、その思想や教育を直接体験した証言は、バウハウス研究において貴重な資料となっている。個人的な視点を通して、東西文化が交錯する学びの場を照らし出している。
Le Corbusier: RONCHAMP
建築家ル・コルビュジエによる代表作、フランスのロンシャン礼拝堂を収めた写真集。外観や内部空間から細部の意匠に至るまでを、大判のカラーおよびモノクロ図版で紹介している。さらにコルビュジエ自身によるスケッチや図面、イラスト、テキストも収録され、多角的な視点から建築の全貌を伝えている点が特徴。戦後建築史において特異な存在感を放つ礼拝堂の造形と思想を、豊富な資料を通して照らし出している。
琉球陶器 人間国宝 金城次郎
沖縄県で初の人間国宝に認定された陶芸家・金城次郎の大判作品集。魚や海老を大胆かつ伸びやかに描いた壺や瓶、食器など、多彩な陶芸作品を豊富に収録している。素朴で力強い造形と躍動感あふれる絵付けは、琉球陶器の魅力を端的に示している。本書には作品写真に加えて、琉球陶器の歴史を辿る解説や、柳宗理・柳宗悦によるテキストも収録され、工芸史的視点からも価値の高い内容となっている。限定1000部で刊行された希少性の高い一冊であり、沖縄陶芸の伝統と精神を伝えている。
Sou Fujimoto | 藤本壮介
建築家・藤本壮介による初の作品集。国内外で展開してきた数々のプロジェクトを収録し、建築写真や模型、図面を通じてその独自の思考をたどる内容となっている。自然と建築の境界を探りながら、人が心地よく過ごすための空間を実験的に構築してきた藤本壮介の活動は、同世代の建築家の中でも際立った存在感を放つ。豊富な図版とテキストによって、創造性と実験性に満ちた建築の世界を描き出している。
型染 添田敏子作品集
型染作家・添田敏子による作品集。着物や帯、裂地、屏風、額など130点に及ぶ型染作品を収録している。鮮やかな色彩と独創的な意匠によって知られる添田敏子の仕事は、伝統的な技法を継承しながらも独自の表現世界を切り開いてきた点に特徴がある。図版は細部まで丁寧に掲載され、型紙の精緻な美しさや染色の奥行きを堪能できる構成。日本の染織芸術における現代的展開を提示している。
Vlaanderen Nieuwe Architectuur / Flanders New Architecture
ベルギー・フランダース地方における新しい建築の動向を紹介する資料集。個人住宅から公共建築、都市計画に至るまで幅広いプロジェクトを収録し、地域性と国際的潮流が交錯する建築の姿を映し出している。写真を中心に図面やテキストを交え、1990年代以降に台頭した新世代の建築家たちの活動を紹介。素材の扱いや都市との関わりを通じて、フランダース建築の現在を多角的に示している。
円周の羊 | 望月通陽
造形・染色作家、望月通陽の表現世界を集成した作品集。ブロンズ、型染、紙版画、リトグラフなど151点を収録し、多様な技法を通じて生み出された作品を紹介している。一遍の詩から始まる構成は、素朴でありながら繊細な線の表現と響き合い、作品に深い抒情性を与えている。
白磁 Vessel | 具本昌
韓国を代表する写真家、具本昌(クー・ボンチャン)による『白磁』シリーズを収めた写真集。日本民藝館や大英博物館、韓国国立民俗博物館など、国内外の博物館・美術館に収蔵される白磁の器を、静謐な光の中で撮影。器の形や佇まいを通して、東洋の美意識やそこに流れる時間の深さを映し出している。
Josef + Anni Albers: Designs for Living
ジョセフ&アニ・アルバース夫妻の活動を紹介する展覧会図録。バウハウスで学び、後にアメリカへ渡った2人は、アーティストであると同時に教育者としても戦後美術・デザイン界に大きな影響を及ぼした。本書ではアニによるテキスタイルやジョセフの家具、さらにグラフィックデザインやプロダクトに至るまで、多岐にわたる仕事を網羅。芸術と生活を結びつける実践を通じて、モダンデザインの理念と教育のあり方を浮かび上がらせている。
手仕事の道具百科
ロンドンを拠点に活動する芸術家集団・ダイアグラム・グループが編纂した道具事典。製本、書道、版画、コラージュ、陶芸、家具づくりなど、多様な手仕事に関わる道具を網羅的に収録している。2,000点以上の道具を精緻なイラストと簡潔な解説で紹介し、その用途や特徴をわかりやすく示している点が特徴。伝統的な技法から現代的な実践まで幅広くカバーし、ものづくりの背景にある文化的文脈を照らし出している。
Powers of Ten: A Flipbook
建築家チャールズ&レイ・イームズによる映像作品『Powers of Ten』を基にしたフリップブック版。ページをめくるごとに視点が10倍ずつ拡大・縮小し、宇宙の彼方から人間の身体内部、細胞、DNA、さらには素粒子の世界へと降りていく構成となっている。1億光年のスケールからミクロの領域に至るまでを視覚的に体験でき、宇宙と人間の位置づけを直感的に理解させる仕掛けが魅力。科学的知見とデザイン的発想を融合させた、教育的かつ視覚的な旅を提示している。
Braun: 50 Jahre Produktinnovationen
ドイツの小型電気器具メーカー、ブラウン社による50年間の歩みを紹介するビジュアル資料集。オーディオ機器、時計、電卓、キッチン用品、シェーバーなど、1955年から2005年までに生み出された製品群を網羅している。ディーター・ラムスをはじめとするデザイナーが手がけた造形は、シンプルで合理的な機能美を体現し、インダストリアルデザイン史に大きな足跡を残した。約500点に及ぶ図版と解説を通して、ブラウンの革新性と美学を伝達している。
Shaker Design | June Sprigg
1986年から1987年にかけて開催された展覧会の図録。シェーカー教徒が生活の中で生み出した家具や籠、編み機などの道具類を紹介している。装飾を排し、機能性と実用性を重視したデザインは、同時に高い美的価値を備え、後世のモダンデザインにも大きな影響を与えた。豊富な図版を通じて、シンプルさの中に宿る造形美や、信仰と労働が結びついた生活文化の一端を明らかにしている。
フランク・ゲーリー 建築の話をしよう
建築家フランク・ゲーリーへのインタビューを収録した書籍。聞き手を務めるのはジャーナリストのバーバラ・アイゼンバーグで、幼少期の体験から日常の習慣、建築家として抱いた理想や成し遂げてきた成果に至るまで、多岐にわたるテーマが語られている。ビルバオ・グッゲンハイム美術館をはじめとする代表作に触れつつ、建築に向き合う姿勢や創作の背景を明らかにし、人物像を浮かび上がらせる構成となっている。
Institut du Monde ARABE | Hubert Tonka
建築家ジャン・ヌーヴェルが中心になって設計したパリのアラブ世界研究所を紹介する建築資料集。1987年に完成した同館は、アラブ文化圏の幾何学的パターンを応用した可動式スクリーンをファサードに採用し、光の調節と装飾性を融合させた革新的な建築として知られる。本書は写真家ジョルジュ・フェッシーによる図版とともに、ヌーヴェル本人や批評家ユベール・トンカのテキストを収録。建築の造形美と設計思想を多角的に提示している。