草木染 木綿・麻の色 | 荻野彰久
木綿70種類、麻30種類、計100色の草木染の布地を実物見本として貼り込んで収録した資料集。巻頭には草木染の技法をモノクロ図版とともに掲載し、伝統的な染色文化の背景や方法を理解する手がかりを与えている。1000部限定で刊行された貴重な内容で、布地の質感と色彩を直接確認できる資料として高い価値を備えている。
Allied Works Architecture | Brad Cloepfil
アメリカの建築家ブラッド・クロップフィルと、彼が率いる建築事務所「アライド・ワークス・アーキテクチャー」の活動を網羅した初のモノグラフ。シアトル美術館、ニューヨークのミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザイン、ミシガン大学美術館、クリフォード・スティル美術館など、代表的なプロジェクトを写真、図面、模型資料とともに紹介している。さらにクロップフィルと各分野の専門家による対談記事も収録し、その思想と建築的アプローチを多角的に示している。
Piero Lissoni: Recent Architecture | ピエロ・リッソーニ
イタリアの建築家ピエロ・リッソーニの活動を紹介する作品集。2000年代を中心に手がけたホテル、住宅、店舗など多様な建築プロジェクトを、大判のカラー図版で豊富に収録。洗練された造形と機能性を兼ね備えたリッソーニの建築アプローチを視覚的に伝える構成となっており、巻末には図面資料も掲載。デザインプロセスと完成形をあわせて参照できる内容となっている。
没後20年 ルーシー・リー展
20世紀を代表する陶芸家ルーシー・リーの没後20年を機に開催された展覧会の図録。優雅で緊張感のあるフォルムや温かみのある色調によって独自の造形世界を築き上げた彼女の歩みを、初期から晩年までの約200点の作品を通して紹介している。各作品には解説が添えられ、リーの創作の深化と陶芸史における位置づけを浮かび上がらせている。
Drift volume 4: Stockholm
コーヒーと人々、そして都市をテーマにしたマガジン『Drift(ドリフト)』の第4号。舞台はスウェーデン・ストックホルム。地元のカフェオーナーやロースター、常連客、作家、写真家らの視点を通して、ストックホルムでコーヒーを飲むことの意味を探っている。「フィーカ(fika)」と呼ばれるスウェーデン独自のコーヒー文化をはじめ、街に息づく多様な物語を記事と写真で豊富に収録し、都市とコーヒー文化の関係性を浮かび上がらせている。
MUJI BOOK
無印良品を展開する良品計画の設立30周年を記念して刊行されたアーカイブブック。30年の歩みを振り返りながら、過去の広告や製品の記録、商品開発のエピソードを紹介している。さらにデザイナーやディレクターによるエッセイも収録され、ジャスパー・モリソン、ジョン・C・ジェイ、ブルース・マウらが寄稿。ブランドの理念と実践を多角的に捉え、MUJIのデザイン哲学を明らかにしている。
German Design Glossary
ドイツ・デザインの思想や人物、代表的なプロダクトを、美しいビジュアルとともに簡潔に紹介する用語集形式の入門書。ヴィトラ・デザイン・ミュージアム、ノイエ・ザンムルング、ポルシェ博物館、フランクフルト応用美術館の所蔵品を通じて、1950年代から現代に至るまでの歩みをたどっている。さらにフォルクスワーゲングループのチーフデザイナー、マイケル・マウアーと文化界の重鎮マルティン・ロートによる対談も収録し、ドイツ・デザインの歴史をより個人的な視点から照らし出している。
Fifties Furniture with Values | Leslie A. Piña
1950年代のモダン家具を紹介する作品資料集。チャールズ&レイ・イームズ、ジョージ・ネルソン、イサム・ノグチらによる名作をはじめ、ハーマンミラー、ノール、ヘイウッド=ウェイクフィールドなど企業が生み出した家具をカラーとモノクロ図版で多数収録。さらに時計などのアクセサリーや建築素材の事例、70名のデザイナー略歴、企業史、参考文献、索引も掲載。戦後モダン家具の展開を多角的に示し、資料性の高さを備えている。
Herman Miller Office | ハーマン・ミラー社
アメリカン・モダンデザインを代表する家具メーカー、ハーマン・ミラー社のオフィス家具に焦点を当てた写真資料集。ギルバート・ロード、チャールズ&レイ・イームズ、ジョージ・ネルソンら名だたるデザイナーが手がけた多様なデスクやチェアを紹介している。カラーを中心に一部モノクロも含む図版と解説を収録し、オフィス家具の進化とともにモダンデザインの理念を体現したハーマン・ミラーの仕事を示している。
京の町家 | 藤本四八、中村昌生
京都の商人や職人の住まいである「町家」を取り上げた写真集。窓や格子といった表構えから、店の間、居間、庭に至るまでをカラーとモノクロで収録。暮らしと商いが交錯する生活空間の中に、建築構造や道具類のデザインが息づいていることを示しており、町家の美と機能を多角的にとらえている。写真は藤本四八、解説は建築史家・中村昌生が担当し、資料性の高い内容となっている。
ルート・ブリュック 蝶の軌跡
2019年に東京ステーションギャラリーで開催された「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」展の図録。北欧フィンランドを代表するセラミック・アーティスト、ルート・ブリュックの活動を紹介する。繊細でスピリチュアルな作風で知られる彼女の作品を、1940年代から1980年代にかけて制作された約200点の図版と論考によって収録。独自の表現世界とその芸術的意義を浮かび上がらせている。
Design of Doujunkai 蘇る都市の生活と記憶 同潤会アパートメント写真集
関東大震災の復興支援を目的に設立された財団法人・同潤会によるアパートメントを紹介する写真集。大正末期から昭和初期にかけて東京や横浜に建設された鉄筋コンクリート造の集合住宅〈同潤会アパート〉の内外観や什器を、豊富なカラー図版で収録している。当時としては先進的な設計思想と、そこに営まれた生活の記録を通して、日本の都市住宅史の一断面を浮かび上がらせている。
遷宮 | 宮澤正明
写真家宮澤正明が2005年から2013年にかけて撮影した「第六十二回神宮式年遷宮」の記録をまとめた写真集。20年に一度社殿を建て替え、御装束や神宝を新調して大御神を遷す「式年遷宮」は、1300年にわたり受け継がれてきた伊勢神宮最大の祭儀である。30に及ぶ行事を9年間にわたり追い続け、約6万枚の撮影記録から作家自身が厳選した写真を収録し、伝統行事の荘厳な姿を可視化している。
David Chipperfield | Giovanni Leoni
英国の建築家デイヴィッド・チッパーフィールドの活動をまとめた作品集。1984年にロンドンで自身の事務所を設立し、1980年代後半にはイギリスや日本での仕事を通じて注目を集めた。その後もロンドン、ベルリン、ミラノ、上海に拠点を広げ、国際的に活躍を続けている。本書ではこれまでに手がけた建築作品やプロジェクトを、写真や平面図など豊富な資料とともに紹介し、チッパーフィールド建築の展開を伝えている。
生誕110年 芹沢銈介展
2005年に生誕110周年を記念して開催された「芹沢銈介展」の図録。暖簾や着物、掛け軸、額装、装丁本など多彩な作品をカラー図版で多数収録している。伝統的な技法を踏まえつつ、時代に応じた新しい表現を生み出し続けた芹沢銈介の芸術と歩みを紹介し、その創作の広がりと魅力を浮かび上がらせている。
TRANSIT THE PORTRAITS
トラベルカルチャーマガジン『TRANSIT』がこれまでに記録してきた世界の旅を、人々の姿に焦点を当ててまとめた写真集〈ポートレート篇〉。2008年から2019年までの44号から、アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカで出会った多様な民族のポートレートを収録している。日常や文化を通して地球に生きる「隣人」とのつながりを感じさせる構成。撮影地MAPや8名のフォトグラファーによるエッセイに加え、人類史や人口分布を整理したデータブックも併載し、人間の営みの広がりを伝えている。
TRANSIT THE LANDSCAPES
トラベルカルチャーマガジン『TRANSIT』がこれまでに紹介してきた世界の風景をまとめた写真集〈ランドスケープ篇〉。2008年の創刊号から2019年までの全44号の旅の記録から、美しい風景写真を厳選している。アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカに広がる氷河、熱帯雨林、砂漠など、地球が見せる多彩な表情を収録。撮影地MAPや8名のフォトグラファーによるエッセイ、地球の歴史や気候区分に関するデータブックも併載し、地球をめぐる視覚的な旅の記録を明らかにしている。
ヨーロッパの伝統木工具 | 竹中大工道具館
竹中大工道具館が所蔵するヨーロッパの伝統木工具を紹介した作品集。17世紀から19世紀にかけて木の文化の中で育まれた多様な工具を、カラー図版と解説を交えて収録している。鉋や鋸をはじめとする道具類の造形や機能を通して、当時の木工技術の水準と文化的背景を明らかにしている。
William Morris by Himself
「モダンデザインの父」と称されるウィリアム・モリスの生涯と仕事を包括的に紹介した一冊。アート、デザイン、詩に至るまで多方面で活躍したモリスの歩みを、豊富な図版とともにたどっている。社会思想と美術工芸を結びつけたその活動を通して、19世紀の文化とモダンデザインの源流を照らし出している。
東と西の出会い 生誕125年 バーナード・リーチ展
2012年に開催された「東と西の出会い 生誕125年 バーナード・リーチ展」の図録。幼少期を日本で過ごし、柳宗悦や富本憲吉らとともに日本の民藝運動を率いたのち、日本、そしてイギリスにおいて陶芸が進みべき道を示したリーチ。陶芸への歩みをはじめ、約100点にわたる陶芸作品の紹介、そして版画・デッサンなども多数収録し、氏の芸術の全貌を明らかにする。
Timo Sarpaneva Collection | ティモ・サルパネヴァ
フィンランドを代表するデザイナー、ティモ・サルパネヴァの仕事を紹介する作品集。ヘルシンキのデザイン・ミュージアムが所蔵するコレクションを収録し、代表作のガラス製品をはじめ、鋳鉄製の鍋〈キャセロール〉やテキスタイルデザインなど、多岐にわたる活動を示している。豊富なカラー図版と解説を通して、素材への探究心と造形の幅広さを伝える内容となっている。
Book of Houses
実験的かつ革新的なアプローチを提案する新進気鋭の住宅建築の事例を紹介する作品集。仕上げの洗練、レイアウトの抑制、周囲環境との綿密な調和など、設計における重要な要素が随所に反映されており、いずれのプロジェクトにおいても、建築家たちは家族構成の多様性に配慮し、単なるデザイン性の追求にとどまらない実用性とのバランスを意識した設計がなされている。
Fran enris till flossa: En bok om handvavda mattor i Sverige
スウェーデンに伝わるフロッサ織り、ローカラン織り、裂き織り、リヤ織りなど、多様な技法による手織りの敷物を紹介する作品集。各技法の特色を活かした深みのある織物をカラー・モノクロ図版で収録。北欧に息づく織物文化を視覚的に伝えるとともに、実践的な資料としても活用できる内容となっている。
Venezia Aperto Vetro: International New Glass 1998
1998年から1999年にかけて開催された第2回ヴェネツィア国際現代ガラス・ビエンナーレ「Venezia Aperto Vetro」にあわせて刊行されたカタログ。世界各国のアーティストによる作品を通じて、ヴェネツィアガラスが持つ豊かな技術的言語を照射している。オーストラリア・キャンベラ美術学校の学生作品や、建築家/デザイナーの巨匠ガエターノ・ペッシェへのオマージュも収録し、現代ガラス表現の国際的な広がりを浮かび上がらせている。
陶芸の現在的造形 Dialogue with Clay
1998年に宮城県のリアス・アーク美術館で開催された展覧会の図録。現代日本における陶芸の造形表現に焦点を当て、素材と技術の関係性から新たな可能性を探る20人の作家を紹介している。各作品には解説が添えられ、土と炎が生み出す独自の表現を多角的に捉えている。現代陶芸の動向を示す資料としても価値ある内容となっている。
KAZARI 日本美の情熱
2008年にサントリー美術館ほか各地で開催された展覧会の図録。縄文から近代にいたるまで、日本文化の源流を形づくってきた「かざり」の特質を探っている。神仏への荘厳な奉納の飾り、武将の甲冑や装束、能・狂言や歌舞伎の華麗な舞台衣装など、絵画や工芸、芸能を横断する多彩な資料を収録。豊富な図版と解説を通して、日本美を支えてきた「かざり」の多面的な世界を示している。
花日記 | 白洲正子
随筆家・白洲正子によるフォトエッセイ集。春夏秋冬の四季に合わせた生け花と骨董の器を、美しい写真とともに紹介し、それらにまつわる随筆33篇を収録する。花の姿や器の趣を通じて、季節の移ろいと日本的な美意識を描き出す構成となっており、写真と文章が響き合いながら、白洲正子の感性と美学を鮮やかに伝えている。
Radios Redux: Listening in Style
独創性と革新性にあふれたプロダクトデザインの時代に生み出された、ヴィンテージ・ラジオのコレクションを紹介する一冊。アール・デコからモダニズムに至る多様な意匠を反映したラジオの数々を収録し、当時のライフスタイルやデザイン思想を伝えている。造形的な美しさと機能性が融合したプロダクトを通じて、20世紀デザイン史の豊かな一断面を示している。
Phono-Graphics: The Visual Paraphernalia of the Talking Machine
「トーキング・マシン」と呼ばれた蓄音機とその関連製品を紹介するビジュアル資料集。レコード針缶、ホーン型蓄音機、レコードジャケット、広告、ポストカードなど、多彩なアイテムを豊富な図版とともに収録している。蓄音機文化が最盛期を迎えた時代の華やかで多様なデザインを辿り、その背後に広がる視覚文化の魅力を伝えている。
図 3 建築の図形表現
図研究会による〈図〉シリーズの第3弾。前作『図―建築表現の手法』『図2―建築模型の表現』に続き、建築の「かたち」と「図学」をわかりやすいビジュアルで解説している。内容は「建築の2次元図形」「建築の3次元図形」「建築のアナログ図学」「建築のデジタル図学」の4章構成。建築設計の基礎を体系的に理解し、実務に応用するための資料として有用な内容となっている。
図・建築表現の手法
図研究会による〈図〉シリーズの第1弾。平面図、配置図、断面図といった建築設計の基礎となる図面表現を取り上げ、図や写真を用いた多様な事例とともに解説している。建築教育の初歩に位置づけられる内容を体系的に整理し、図面を通じて建築を理解するための方法を明快に示している。
芹沢銈介の作品 | 静岡市立芹沢銈介美術館 1985年
静岡市立芹沢銈介美術館が刊行した、型絵染の人間国宝・芹沢銈介の作品集。暖簾や屏風、着物など多彩な作品をカラー図版で多数収録している。力強くも温かみのある造形と鮮やかな色彩は、日本の伝統工芸と近代的感覚が融合した芹沢芸術の特徴を示しており、その創造の広がりを視覚的に伝えている。
The Tiffany Archives | Henry Leutwyler ヘンリー・ルートワイラー
写真家ヘンリー・ルートワイラーが、ティファニーのアーカイブに眠る数百点のジュエリーや宝石、オブジェ、エフェメラを撮影した作品集。アール・デコ様式のダイヤモンド・ブレスレットや自由の女神像除幕式の招待状、128.54カラットのティファニー・ダイヤモンドをセットしたネックレスなど、これまで非公開だった秘蔵の品々を収録。未撮影のまま残されてきたコレクションをヴィジュアルで紹介し、ティファニーの歴史と美学を鮮やかに浮かび上がらせている。
Georgia O’Keeffe: Living Modern
20世紀アメリカを代表する画家ジョージア・オキーフのライフスタイルを、ファッションを軸に紹介する資料集。実際に着用された衣服を当時の写真とともに収録し、その装いが彼女の美意識と芸術観にどのように結びついていたかを示している。さらに晩年を過ごしたニューメキシコの自宅インテリア、数々のポートレート写真、代表的なペインティング作品も掲載。アーティストの創作と生活が一体となった姿を多角的に伝えている。
丸山景観 | 丸山敬太
ファッションブランド「KEITA MARUYAMA」とアートディレクター森本千絵によるコラボレーションブック。色彩と遊び心にあふれるコレクションで注目を集め、パリ・コレクションにも参加したデザイナー丸山敬太の20年にわたる活動を紹介している。コレクションのステージフォト、広告ビジュアル、アーティスト衣装など膨大な資料を、森本が独自の視点でコラージュ。浜崎あゆみやDREAMS COME TRUEの衣装、撮り下ろし写真も収録し、丸山の創作世界を多角的に浮かび上がらせている。
Dior for Ever | Catherine Ormen
クリスチャン・ディオールの創造世界に迫るビジュアルブック。ディオール自身の手描きスケッチや香水瓶のデザイン画、コレクションカタログなど、300点に及ぶ貴重な資料を解説とともに収録している。さらに封筒に挟まれたスケッチや香水瓶を模した仕掛けなど、遊び心あふれるブックデザインも特徴的。ブランドの美学と創造性を資料性とともに体感できる内容となっている。
Carouschka’s Tickets | Carouschka Streijffert
スウェーデン出身の建築家・デザイナー、カロシュカ・ストレイフェルトが世界中から蒐集したチケットをまとめた作品集。30年にわたり収集した航空チケットや手荷物引換証、鉄道の切符など、多様な紙片を紹介している。大判で掲載された1600点以上のカラー図版からは、それぞれの国や時代を映す質感や色彩が伝わり、日常的なデザインに潜む魅力を可視化している。資料性と造形美を兼ね備えたユニークなアーカイブ。
Typography, Advertising, Book Design | Max Bill
スイスのデザイナー、マックス・ビルの代表的な仕事をまとめた作品集。「バウハウス最後の巨匠」とも称されるビルが手がけたタイポグラフィ、広告、ブックデザインを包括的に紹介している。幾何学的な構成と明快な造形理論に裏打ちされたデザインは、モダニズムの精神を体現し、20世紀のグラフィックデザイン史に大きな足跡を残した。豊富な図版とともに、デザイン思想の広がりと実践を示している。
Graphis Diagrams | Walter Herdeg
スイスのデザイン誌『Graphis』の別冊として刊行されたダイアグラム特集号。路線図や地図、医学書の図解から天体マップまで、多様なダイアグラムを約400点収録している。ミルトン・グレイサー、ソール・バス、勝井三雄、ヘルベルト・バイヤー、オトル・アイヒャー、長新太、ウィム・クロウエル、中垣信夫、アラン・フレッチャー、田中一光、カール・ゲルストナーら国内外の著名デザイナーが参加。機能性と造形性を兼ね備えたビジュアル表現を体系的に紹介している。
Graphis Ephemera | Walter Herdeg
スイスのデザイン誌『Graphis』に掲載されたパンフレットやダイレクトメールなどの“エフェメラ”を集めたデザイン資料集。ソール・スタインバーグ、トミ・ウンゲラー、福田繁雄、サヴィニャックら著名デザイナーによる展覧会招待状やグリーティングカード、広告媒体など622点を収録。日常の中で消費される印刷物に宿る造形性を可視化し、グラフィックデザイン史におけるもうひとつの側面を伝えている。
Colors: A Book about a Magazine about the Rest of the World | Tibor Kalman
1991年にティボール・カルマンとリヴィエロ・トスカーニの手で創刊され、ベネトンがスポンサーを務めた雑誌『Colors』を紹介する書籍。人種差別やエイズといった社会問題から人々の興味関心に至るまでをテーマに、ビジュアル表現を駆使して社会に変革を促そうとした誌面を取り上げている。各号の内容を紙面で振り返るとともに、言葉を一切使わずに構成された最終号第13号をファクシミリとして全ページ収録し、雑誌の革新的な試みを伝えている。
Mark Gowing: Inside The Oblong | マーク・ゴーイング
グラフィックデザイナー、マーク・ゴーイングの20年にわたる活動をまとめた作品集。ポスターを中心に、商業、展覧会、映画、音楽、実践の5つのカテゴリーに分類して収録している。シドニー・オペラハウスやヴェネチア・ビエンナーレ、オーストラリア戦争記念館のために制作されたポスターのほか、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレで金賞を受賞した作品も掲載。豊富な図版を通して、ゴーイングの造形言語と視覚表現の広がりを示している。
Adrian Frutiger: Typefaces. Complete Works | アドリアン・フルティガー
スイスの書体デザイナー/グラフィックデザイナー、アドリアン・フルティガーの全仕事を体系化した資料集。ユニバース、アベニールをはじめ50種超の書体について、設計段階のスケッチや試作、字種・ウエイト展開、組版見本、運用とマーケティングまでを図示する。豊富な図版と分析により、設計思想や技術的特徴、関連書体との関係を明らかにし、近代欧文書体史の流れを示している。
Josef Muller-Brockmann: Pioneer of Swiss Graphic Design
スイスを代表するタイポグラファー/グラフィックデザイナー、ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンの作品をまとめた書籍。1950年代から1980年代にかけて制作されたポスターを中心に、豊富なカラー図版で紹介している。緊張感ある構図と明快なタイポグラフィによって視覚コミュニケーションの原理を体現したブロックマンの仕事は、タイポグラフィ研究やグラフィックデザインの実践においても重要な手がかりを与えている。