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The Bollocks: A Photo Essay of the Sex Pistols
2025年11月20日
写真家デニス・モリスが、1977年のセックス・ピストルズを間近で追いかけたフォト・ドキュメント。ステージ上の激情、移動中の素顔、バックステージの緊張と緩和、当時のロンドンの空気まで、パンク黎明期の“生”をそのまま封じ込める。ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの撮影で知られるモリスが捉えた未公開含む106点の写真は、「オン・ザ・ロード」「サウンドチェック」「ライヴ」「バックステージ」「ポートレート」「ザ・シーン」の6章構成で展開。破壊衝動と創造の爆発が同時に燃え上がった瞬間を、鮮烈に伝える一冊。
Bay/Sky | Joel Meyerowitz
2025年11月20日
ジョエル・マイヤーウィッツが1980年代から90年代にかけて撮影した湾岸の水平線を収めた作品集。海と空が出会う境界のわずかな変化に焦点を当て、光、色、空気、風といった自然の要素が刻々と表情を変える瞬間を丁寧に追いかけている。日の出から黄昏、さらには光が消えていく時間帯まで、47点のカラー写真が連なり、観察と探求を重ねた16年に及ぶ視覚的思考の結晶を示す。マイヤーウィッツは水平線そのもの、あるいはその消失を視覚的軸として扱い、フォーマリズムと自然主義を往還する独自の構図を形成。撮影地点はほぼ同じでありながら、潮位、天候、光の変化が水面と雲の質感に微妙な違いを与え、画面に静かな多様性をもたらしている。
Knokke Le Zoute Interiors: Living by the Sea
2025年11月20日
ベルギー屈指の高級リゾート地として知られるクノッケ・ル・ズートの住宅インテリアを紹介する写真集。モダンな邸宅から白亜のヴィラ、アートを随所に配した改装アパートまで、多様な住空間を丁寧に取材し、海辺の暮らしが育む美意識とこだわりを映し出している。住人たちが長年探し求めた一点物のアートや偶然の出会いによる家具がそれぞれの物語を語り、ギャラリーオーナーや写真家など多彩なオーナー像を通して、この土地特有の文化的厚みが立体的に伝わる構成。
Japan: The Vegetarian Cookbook
2025年11月20日
日本の家庭料理をベジタリアンの視点から紹介するレシピ集。和え物、煮物、蒸し物、焼き物、揚げ物、漬物、甘味まで幅広い調理法を軸に分類し、250品以上の料理を写真とともに収録している。四季の素材を生かした品々は、植物性中心でありながら豊かな旨味と繊細な味わいを備え、日本の食文化が持つ多層性を感じさせる構成。著者ナンシー・シングルトン・八洲の解説では、食材の扱い方や調理技法の背景にある風土や歴史にも触れられ、家庭料理の奥行きを丁寧に伝えている。
jicca | 木寺紀雄
2025年11月20日
写真家・木寺紀雄が横須賀にある実家を撮り下ろした作品集。手作りのドアノブカバーや編まれた座布団、黒電話、掃除機、床の間や仏壇といった生活道具が静かな光の中で佇み、かつて当たり前だった日本の家庭の風景が丁寧に記録されている。生まれ育った場所から一定の距離を置くことで見えてくる “家” の時間や記憶が、何気ない室内の一瞬にそっと宿り、懐かしさと親密さが柔らかく伝わる構成。2000年に撮影され長く温められてきた写真群は、忘れていた感覚を呼び覚まし、個人の記憶と暮らしの風景を結び直す視覚的記録となっている。皆川明、岡本仁、リサ・ラーソン、ソニア・パークらが寄稿。
Kate ペーパーバック版
2025年11月20日
スーパーモデル、ケイト・モスの初期キャリアを記録した写真集。幼少期のプライベートショットから、デビュー当時のスナップ、ファッション誌の撮影現場をとらえたヴィジュアルまで、1990年代前半に形づくられた彼女の存在感を多角的に収めている。アーサー・エルゴート、ピーター・リンドバーグ、ニック・ナイトら名写真家によるポートレートをはじめ、モス自身が選んだ100点の写真を通して、モデルとしての表現力がどのように培われたのかが明らかになる構成。広告キャンペーンの舞台裏や撮影の背景に触れるコメントも収録され、時代を象徴するアイコンが形成されていく過程を丁寧に伝えている。
DRIVE | 森本美絵
2025年11月20日
東京を拠点に制作活動を行う写真家・森本美絵の作品集。さまざまな車のハンドルを握る手元やアスファルト、室内の床面、雪道の足元といった視界の断片が淡々と連なり、その合間に流れていく風景や、雨に濡れたフロントガラスの光景が差し挟まれる。日常の移ろいを拾い上げるように重ねられたイメージが、時間のリズムとささやかな感情の起伏を静かに描き出す。限定300部。
実験室からの眺め | 森山大道
2025年11月20日
写真の発明者ニセフォール・ニエプスが1827年に撮影した《ル・グラの窓からの眺め》──世界で最初の写真として知られるその一点をめぐり、森山大道がニエプスの実験室が残る“サン・ルゥ”を訪ね、186年前の光景に向き合う過程を収めた作品集。現地に立ち、当時の夏の日に射し込んだ光と影の気配を追いながら、写真というメディアが誕生した瞬間の残響を、現在の風景の中に探り当てようとする試みが軸になっている。装丁は町口覚。
Border Theories | Elian Somers
2025年11月20日
オランダのビジュアルアーティスト、エリアン・ソマーズが、ロシアの周縁に位置する3都市――ビロビジャン、カリーニングラード、ユジノサハリンスクを題材に、建築と政治、歴史が交錯する都市の成り立ちを読み解いた作品集。ソビエト期の理念に基づき計画・再編されたそれぞれの街を、風景写真、都市構造の記録、歴史資料を組み合わせて考察している。ユートピア的都市像が与えた影響と、その枠組みでは捉えきれない土地固有の時間を照らし出し、都市計画が抱える理想と現実のずれを浮かび上がらせる。
Jan Tschichold Master Typographer: His Life, Work & Legacy
2025年11月20日
20世紀を代表するタイポグラファー、ヤン・チヒョルトの生涯と業績を総合的に紹介する作品集。初期の前衛ポスターから、ペンギン・ブックスでの革新的なブックデザイン、さらに古典的タイポグラフィーの再評価に至るまで、多岐にわたる活動を豊富な図版と論考で辿っている。時代背景と文化的文脈を踏まえながら、書体設計やレイアウトにおける思想と実践を多角的に検証し、代表作「Sabon」をはじめとするチヒョルトの影響力の幅を示す構成。Cees W. de Jongほか複数の研究者によるエッセイも収録し、モダンタイポグラフィーの発展を支えたその造形理念と歴史的意義を明快に伝えている。
宇野亞喜良 ファンタジー挿絵の世界
2025年11月20日
グラフィックデザイナー、イラストレーターとして活躍する宇野亞喜良が手がけた、可憐で幻想的な挿絵を収めた作品集。猫や花、リボンやお姫様など長く愛されてきたモチーフが、細密な線描と淡い色彩によって物語性を帯びた情景へと変わり、絵本や装丁を彩ってきた独自の世界観が堪能できる。初期から近作までを「ファンタジー」というテーマで編むことで、子どもの頃に抱いたきらめきが柔らかく呼び起こされ、夢と現実のあわいに広がる宇野の表現が静かに響く一冊。多彩な挿絵が宇野亞喜良の創造性を鮮やかに伝えている。
Type Cosmique 2冊揃 ケース欠
2025年11月20日
組版工学研究会が編集した欧文書体の見本帳、第1巻と第2巻の揃いセット。第1巻では文字の始点・終点部分に飾りを持つセリフ体を収録し、第2巻では装飾を持たないサンセリフ体を多数紹介している。各フォントの特徴を示す見本に加え、デジタルフォントの変遷についても解説が加えられており、タイポグラフィ研究や実務に役立つ資料性の高い内容となっている。
41頭の象 | 和田誠
2025年11月20日
イラストレーター・和田誠による作品集。ライトパブリシティ入社当時、会議中の落書きとして描いた象の漫画が社長の目に留まり、1960年に非売品「21頭の象」として刊行。2011年の復刻時に原画ノートが見つかり、未発表の「20頭の象」を加えた増補版「41頭の象」としてトムズボックスより限定刊行されたもの。丘の上に咲く花の香りを楽しむ象、車に乗る象、空気入れで自らを膨らます象など、シンプルなテーマから広がるユーモアと多彩な表現が魅力の一冊。限定1000部。
装幀=菊地信義の本 1988-1996
2025年11月20日
装丁家・菊地信義による1988年から1996年までのブックデザインをまとめた作品集。澁澤龍彦、村松友視、俵万智などの著作をはじめ、文庫シリーズなど計150点をオールカラーで掲載している。時代とともに変化する装幀表現の中で、菊地が追求してきた本という媒体の美と構造を可視化。寄稿には粟津則雄、西谷修らが名を連ね、装幀の思想と造形の深層を照らし出している。自著自装、構成・レイアウトは芦澤泰偉、岩崎美紀。
Milton Glaser: Graphic Design ハードカバー版 | ミルトン・グレイサー
2025年11月20日
プッシュピン・スタジオの設立者としても知られるグラフィックデザイナー、ミルトン・グレイサーの代表作を集成したハードカバー版作品集。サイケデリックな色彩を用いたポスターや印象的なロゴデザインに加え、環境デザインやレコードのアートワークなど多岐にわたる仕事を紹介。300点以上に及ぶ図版を収録し、20世紀後半の視覚文化に大きな影響を与えたグレイサーの造形感覚とデザイン思想を示している。
柳原良平の装丁 Book Cover Designs: Ryohei Yanagihara
2025年11月20日
「アンクルトリス」で広く知られる柳原良平が、戦後日本文学の作家たちとともに手がけてきた装丁デザインを集成した作品集。山口瞳、開高健、遠藤周作、星新一、筒井康隆など、多彩な作家の書籍装丁を200点以上掲載し、クールでモダンな構成からユーモラスな切絵による表現まで、柳原の幅広い造形感覚を明らかにしている。インタビューや装丁本データも収録し、作家との協働が生んだデザインの背景に触れられる内容。
ロベール・ドアノー写真集 芸術家たちの肖像
2025年11月20日
1930年代から1970年代にかけて、ロベール・ドアノーがモンパルナスを巡り、数多くの芸術家を撮影したポートレートを収める作品集。アトリエでの制作風景や、作品に囲まれた静かな時間をとらえた写真には、著名・無名を問わず、作家たちの飾らない表情が刻まれている。柔らかな光と自然体の距離感によって、創造の場に息づく空気や思索のリズムが穏やかに伝わり、芸術家それぞれの個性が深く浮かび上がる構成。撮影メモも添えられ、当時のモンパルナスの文化的熱気を追体験できる視覚記録となっている。
DAIWA PRESS VIEWING ROOM vol.05 ライアン・ガンダー
2025年11月20日
日本を代表するアートコレクター・佐藤辰美が企画するビューイングルームの展覧会カタログ。第5号にあたる本書は、ライアン・ガンダーの個展にあわせて制作されたもの。会場構成を伝える写真に加え、美術批評家・松井みどりによる解説テキストを収録。作家のコンセプトと展示の臨場感を併せて伝える構成となっている。
アレクサンダー・カルダー展 Alexander Calder: Motion and Color
2025年11月20日
カラフルなモビールで知られる現代美術家アレクサンダー・カルダーの活動を紹介する展示図録。動く彫刻をはじめ、ドローイングやペインティング、金属を用いた立体造形など、多彩な作品を豊富なカラー図版で収録している。軽やかな造形と鮮烈な色彩が生み出す独創的な表現世界を視覚的に伝える構成で、作品の持つダイナミズムを体感できる仕上がりとなっている。アートディレクションは中島英樹が担当し、20世紀美術に大きな足跡を残した作家の魅力を引き立てている。
Tingaud: Interieurs | Jean Marc Tingaud
2025年11月20日
1985年から1990年にかけて、マラケシュ、ネパール、パリ、マレなど世界各地の住空間を撮影したジャン=マルク・タンゴーの作品集。鳥籠や電話機、宗教画、家族写真、生活の痕跡を示す小さなオブジェが静かに佇む室内を、90点のカラー写真で構成している。そこに暮らす人々の姿は直接写らないものの、壁の装飾や置かれた品々からは、記憶や習慣、価値観といった個々の物語がほのかに漂う。余白を活かした構図と柔らかい光が、日常の断片に独自の詩情を与え、匿名の空間に潜む親密さを浮かび上がらせている。
中塚大輔・広告の魂
2025年11月20日
アートディレクター中塚大輔による広告作品集。コカ・コーラ、松下電器、マリークヮント、東京ディズニーランド、ジャック・ダニエルなど、数々の企業キャンペーンを手がけた代表作を収録。大胆な構図と鋭いコピーが融合した表現は、日本の広告デザインに新たな感覚をもたらした。題字は横尾忠則、扉写真は森山大道によるもの。広告というメディアに宿る創造の情熱と精神を鮮烈に伝えている。
ハンガリー構成主義 1918-1936 | ワタリウム美術館
2025年11月20日
1994年にワタリウム美術館で開催された展覧会の公式図録。ラヨシュ・カッシャーク、モホリ=ナジ・ラースローらをはじめとする、ハンガリーにおける構成主義の主要な作家たちを紹介している。絵画、グラフィック、写真、出版活動など多岐にわたる作品や資料を通じて、第一次世界大戦後の激動期に芽生えた前衛芸術の動向とその展開を示し、国際的なモダニズム運動の中で果たした役割を明らかにする内容となっている。
トマシェフスキ展 世界を震わす詩学
2025年11月20日
ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催された「トマシェフスキ展 世界を震わす詩学」の図録。ポーランド・ポスターの巨匠として知られ、戦後のポーランド・グラフィックデザイン界を牽引したヘンリク・トマシェフスキの代表作を収録する。ポスター、ドローイング、スケッチなど多彩な作品を通して、ユーモアと詩情を融合させた独自の作風を紹介。矢萩喜従郎による解説評論を併載し、その創作の背景や思想にも迫る内容となっている。
Oscar Niemeyer | オスカー・ニーマイヤー
2025年11月20日
現代建築の巨匠の一人、オスカー・ニーマイヤーの作品集。ブラジリア、サンパウロ、ベロオリゾンテに点在する建築作品から、リオ・デ・ジャネイロにある自宅にいたるまで撮影。その数々作品のカラー図版と併せてインタビューを収録。コンクリートの造形美、創造の舞台裏を探る。英語表記。
東京 TOKYO | 隈研吾
2025年11月20日
建築家・隈研吾が東京で手がけた建築を集成した作品集。国立競技場や高輪ゲートウェイ駅、歌舞伎座、角川武蔵野ミュージアムなど、都市の各地に点在する23のプロジェクトを収録している。写真は新津保建秀が担当し、建築と都市、光と影、人の活動が織りなす姿を捉えている点が特徴。素材や構造の選択を通じて都市と調和しつつ、新たな風景を形づくる隈の建築を、多角的に記録する内容となっている。東京に息づく建築の現在を示している。
アイデア No.248 現代のグラフィックスに見る日本人の美意識
2025年11月20日
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.248(1995年1月号)は、特集「現代のグラフィックスに見る日本人の美意識」を通して、日本の視覚文化に根づく感性を幅広い事例から検証する一冊。佐藤晃一監修のもと、ポスタートリエンナーレトヤマ1994金賞のスタシス・エイドゥリゲヴィチウスとイェチェク・シェレゲイド、第16回ブルノ・ビエンナーレで評価を得た福田繁雄らの作品も紹介。
アイデア No.244 アンドレ・フランソワ
2025年11月20日
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.244(1994年5月号)は、巻頭でアンドレ・フランソワを大きく取り上げ、その多彩な創作領域を再検証する内容となっている。1930年代にパリでカッサンドルと学び、戦後はフランス、イギリス、アメリカの雑誌でユーモアあふれる表現が評価されたフランソワ。ポスターや絵本、美術舞台から彫刻、油彩、ニューヨーカー誌の表紙に至るまで、ジャンルを軽やかに横断する仕事を豊富な図版とともに紹介する。併録企画では「新時代を予感させるロバート・ナカタ」、「ロドニー・グリーンブラットのコンテンポラリー・ワンダーランド」、「内在する世界を描くグレッグ・スパレンカ」、200の独創的な作品を集めた「時間を彩る200のオリジナリティー」など、90年代デザインの潮流を象徴するトピックが並ぶ。
アイデア No.243 アラン・フレッシャー
2025年11月20日
グラフィックデザイン誌『アイデア』No.243(1994年3月号)は、フォーチュン誌やコンテナー社、IBMの仕事で知られるアラン・フレッチャーを特集し、そのキャリアと造形哲学を多面的にたどる内容となっている。RCAとイェール大学で学び、ニューヨークで活動を開始したのち、ロンドンでフレッチャー/フォーブス/ギルを設立。さらに1972年にはペンタグラム創設メンバーとして国際的なデザイン・プログラムを牽引したフレッチャーの実践を、豊富な図版とテキストで紹介する。さらに田中一光による「東京イラストレーターズ・ソサエティ LA展」や、福田繁雄が取り上げるベルギーのポスター作家ジュリアン・キー、ラファル・オルビンスキの風刺的イラストレーション、上田義彦と葛西薫による写真表現の考察など、時代の幅広いビジュアル文化を捉える企画が並ぶ。
画家のおもちゃ箱 | 猪熊弦一郎
2025年11月19日
フランスでアンリ・マティスに師事し、生涯にわたり独自の色彩世界を育んだ猪熊弦一郎が、世界各地で集めてきた蒐集物への思いを綴った一冊。文化出版局『ミセス』での連載を中心に構成され、切手、パイプ、玩具、旅先で出会った小さな日用品など、多彩な品々にまつわるエッセイとともに、大倉舜二が撮影した写真が添えられている。蒐集という行為を通して作家が何を見つめ、どのような記憶と経験を蓄積してきたのかが、軽やかな語り口とともに浮かび上がる内容となっている。
Frei Otto: Thinking by Modeling
2025年11月19日
ドイツの建築家、フライ・オットーの作品集。2016年に開催されたカールスルーエ・アート・アンド・メディア・センターとヴュステンロート財団の共催による過去最大規模の展覧会にあわせて刊行されたもの。1950年代にテント構造で注目を集め、1972年ミュンヘンオリンピックではベーニッシュ&パートナーと共に屋根景観を創出した。建築、技術、芸術、科学、社会を横断する学際的思考に基づく彼の革新的なデザインは、自然を模範とし、それを建築や土木工学、未来のために活用する試みとして展開された。フライ・オットー・アーカイブに収められた多数の実験模型を初めて印刷物で紹介するとともに、彼の思想やプロセスを多角的に理解できる内容となっている。
Fruhauf Danach | Laurenz Berges
2025年11月19日
ドイツの写真家ローレンツ・バージェスによる作品集。放置されたアパートや空き家、手入れの行き届かない庭など、都市の隙間に潜むあいまいな領域を静かにとらえた写真を収録している。彼は、公益と荒廃、過去と未来が交差する“無人地帯”に足を踏み入れ、その場に残された痕跡を詩情と記録性の双方で描き出す。色彩を抑えた画面構成は一見するとミニマルだが、緻密に組み立てられたフレーミングの内部には、かつての営みの気配が複層的に息づく。これらの写真は、物質の質感や空間の沈黙を手がかりに、都市が抱える時間の堆積を掘り起こす試みでもあり、視覚的なアルテ・ポーヴェラとも呼べる表現へとつながっている。
Superkul: Rain Gravity Heat Cold
2025年11月19日
トロントを拠点とする建築スタジオ、superkülの創立10周年を記念して刊行された作品集。同じくトロントのデザイン事務所Blok Designによる紙質や印刷技法、銀色仕上げなどにこだわった実験的なデザインを通して、同スタジオの空間構成や設計哲学を表現している。タイトルの「雨・重力・熱・寒さ」が示すように、自然や素材の要素と建築空間との関係性に着目し、写真、図面、インタビューを通して作品のプロセスや思想を可視化。単なる作品集を超え、手に取ることで設計理念を直感的に体感できる構成となっている。
Eva Hesse: Sculpture
2025年11月19日
ドイツの彫刻家・画家・現代美術家、エヴァ・ヘスの作品集。1960年代アメリカ美術を代表する彼女のラテックスやファイバーグラスによる大規模彫刻に焦点を当て、その革新的な表現を多角的に読み解いていく。1968年の個展「チェーン・ポリマーズ」での躍進を軸に、未公開の家族の日記や写真を通して、亡命生活や戦後アメリカでの経験が作品に与えた影響を探る。さらに、当時の美学思想との関連や、1969~70年の吊り下げ彫刻の重要性など、専門家による論考も収録。豊富なカラー図版と詳細な年譜を備え、ヘスの芸術的到達点を包括的に伝える一冊となっている。
Joseph Beuys: Plakate/Posters ペーパーバック版
2025年11月19日
ドイツの芸術家ヨーゼフ・ボイス(1921–1986)が手がけたポスター作品を体系的に収録した作品資料集。1960年代から没年までに制作された280点以上のポスターを網羅し、展覧会の告知から政治的キャンペーンまで、その活動の広がりを示している。緑の党の設立にも関わったボイスにとって、ポスターは単なる告知媒体ではなく、芸術と社会を結ぶメディアであり思想の実践の場でもあった。タイポグラフィや写真を駆使した大胆な構成の数々から、彼の「すべての人は芸術家である」という理念と、表現と行動が一体化した芸術観が浮かび上がる。
Tadao Ando: Light and Water
2025年11月19日
建築家・安藤忠雄の作品集。光や水、風といった自然の力を巧みに受けとめ、静けさと緊張感を両立させる空間づくりの軌跡を多様なプロジェクトを通して紹介する。大阪の住宅や「光の教会」「水の教会」をはじめ、プルツァー芸術財団、フォートワース現代美術館などの国内外の美術館や文化施設にいたるまで、30を超えるプロジェクトを紹介。幾何学的にシンプルながらも豊かに表現された空間は、日本建築の静謐さと明快さを受け継ぎ、自然と人の心をつなぐ建築の魅力を伝えている。
David Kimball Anderson: Works 1969–2017 | Radius Books
2025年11月19日
アメリカのアーティスト、デイヴィッド・キンボール・アンダーソンの約50年におよぶ創作活動をまとめた作品集。1969年から2017年までの彫刻や立体作品を収録し、スチール、ファイバーグラス、ブロンズ、アルミニウム、木材など多様な素材を駆使した造形を紹介している。硬質な素材に繊細な感性を宿すその表現は、重厚さと静謐さをあわせ持ち、独自の彫刻的世界を築いてきた。豊富な作品図版とあわせて解説も収められ、作家の半世紀にわたる歩みを俯瞰できる内容となっている。英語表記。
On the Table | Ai Weiwei
2025年11月19日
中国の現代美術を代表するアーティスト、アイ・ウェイウェイの活動を総覧する作品集。バルセロナのLa Virreina Centre de la Imatgeで開催された展覧会カタログであり、写真、映像、彫刻、インスタレーション、デザイン、音楽に至るまで、多領域にまたがる42点の作品を240点以上の図版とともに収録している。1980年代のニューヨークでの初期活動から、社会批評を鋭く孕んだ現在の制作に至るまでの歩みを一冊に凝縮。観光名所に中指を掲げるシリーズや、ひまわりの種のインスタレーションなど象徴的な作品が並び、既成概念を撹乱する彼の表現の広がりが示される。
Synecdotheque | Martin La Roche、Jacqueline Machado de Souza
2025年11月19日
アーティスト、ジャクリーン・マシャード・デ・ソウザとマーティン・ラ・ロシュによる作品集。2018年、オランダ・マーストリヒトのドミニカン教会内書店(Boekhandel Dominicanen)で開催された展示をもとにまとめられたもので、2人の日常的な制作活動から生まれた写真、ドローイング、版画、書籍、映像などを用い、書棚用に特別設計された構造物に展示した内容を収録している。インスタレーションの記録であると同時に、共同実践を具現化したものであり、アーティストの創造プロセスやアーカイブ的視点を体感できるデザインとなっている。
The Barbara Hepworth Sculpture Garden
2025年11月19日
イギリスのセント・アイヴスにある「バーバラ・ヘップワース彫刻庭園」を記録した写真資料集。四季の移ろいのなかで、植物と彫刻が響き合う庭園の姿を丁寧に写し取り、ヘップワースの造形と思索が自然のフォルムとどのように呼応していたかを探る一冊。アトリエを併設したこの庭は、制作の場であると同時に彫刻の展示空間であり、彼女が愛した植物が作品と共鳴する独自の風景をつくり出す。ヘッドガーデナーによる植物解説や新たに撮り下ろされた写真を交え、彫刻と庭の関係性を立体的に読み解ける構成となっている。
藤本壮介 建築作品集 | ナオミ・ポロック
2025年11月19日
建築家・藤本壮介と、日本建築を長年研究してきた建築家ナオミ・ポロックによる対話を軸に構成された作品集。藤本の建築を読み解くため、形態や思考に通底する抽象的なテーマを二つずつのキーワードとして設定し、時系列ではなく概念的なカテゴリーに沿って作品を紹介。「House N」「House NA」「サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン」など主要プロジェクトを、写真、図面、テキストとともに収録し、空間生成のプロセスを多角的に示す。九州から北海道まで、実際に藤本建築を訪ね歩いてきた著者ならではの観察が随所に息づき、建築家の思想と実作の関係を立体的に捉え直している。藤本壮介の表現原理に迫り、その創造性の広がりを丁寧に描き出す一冊。
Gus Van Sant: Icons
2025年11月19日
アメリカの映画監督ガス・ヴァン・サントの創作活動を総覧するモノグラフ。2016年にパリのフランス・シネマテークで開催された展覧会にあわせて刊行されたもので、『ドラッグストア・カウボーイ』『グッド・ウィル・ハンティング』『マイ・プライベート・アイダホ』など、代表作の映画制作を軸に、写真、絵画、音楽など幅広い表現活動を紹介する。未発表インタビューでは、ウィリアム・バロウズやエド・ルシェといった影響源に触れながら、創作の背景と映画哲学を語っている。
ドアノーの贈りもの 田舎の結婚式
2025年11月19日
フランスの写真家ロベール・ドアノーが、1951年にサン・ソヴァン村で撮影した結婚式の一日を収めた写真集。18歳の花嫁と24歳の花婿を中心に、支度の時間、村役場での儀式、家族や友人が集う祝宴、夜更けまで続くダンス、そして新婚旅行へ向かう早朝の風景へと物語が静かに連なっていく。戦後間もない農村の素朴な表情、祝福に満ちた空気、村人たちの仕草やまなざしが、ドアノー特有の温かな視線によって丁寧に写し取られている。撮影当時に残されたドアノー自身のノートをもとにした解説も収録。
森羅万象を刻む デューラーから柄澤齊へ
2025年11月19日
2016年に町田市立国際版画美術館で開催された展覧会の図録。アルブレヒト・デューラーをはじめとする西洋版画の巨匠から、柄沢齊ら日本の版画家まで、エングレーヴィング(直刻銅版画)と木口木版画の系譜を約200点で辿る内容となっている。紙幣にも用いられるビュランによる精緻な線は、太細の変化や曲線・点線の組み合わせだけで人物や風景を立ち上げ、1ミリに10本以上を刻む超絶技巧が質感や量感を生み出した。直刻技法が切り拓いてきた表現の広がりを、作品図版と解説を通して丹念に示している。
Eikoh Hosoe Photographs
2025年11月19日
1990年にニューメキシコ州サンタフェのAndrew Smith Galleryで開催された、細江英公の展覧会カタログ。代表作「薔薇刑」「鎌鼬」「おとこと女」など主要シリーズから12点を精選し、細江の核となる視覚世界を凝縮している。暗く劇的なイメージ、身体の動きや造形をめぐる緊張感、映像的な構成力が一枚ごとに際立ち、戦後日本の精神風土を映す独自の表現が浮かび上がる。とりわけ三島由紀夫や舞踏家・土方巽との協働によって生まれた作品群は、パフォーマンスと写真が交錯する稀有な実験であり、細江の創作姿勢を象徴するシリーズとして再確認できる構成。
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