Norman Parkinson: Always in Fashion
20世紀を代表する写真家ノーマン・パーキンソンの仕事を振り返る作品集。ポートレートやファッション写真を中心に、1950年代のパリのニュールックや1960年代のスウィンギング・ロンドンといった時代のルックを象徴するイメージを数多く残した。約60年に及ぶキャリアの中から厳選された作品を収録し、流行を視覚的にとらえるパーキンソンの眼差しと独自のスタイルを示している。
Fried Waters | Eduardo Del Valle & Mirta Gomez
キューバ出身の写真家エドゥアルド・デル・バリェとミルタ・ゴメスによる作品集。メキシコ・ユカタン半島に古代から存在する塩湖を撮影し、水が塩へと変化していく自然のプロセスを記録している。ピンク色に染まる水面や、浮かび上がる結晶、雪原のように広がる白い景観など、幻想的で変化に富んだ光景が展開される。写真は自然が織りなす時間と物質の変容を、静かにかつ詩的に映し出している。
Henrik Lundell: Tenuta Borgia | Wavy
イタリア・パンテッレリーア島にあるリゾート施設「テヌータ・ボルジア」を撮影した写真集。かつてローザ・ボルジア男爵夫人が避暑地として用い、現在は一般に開放されているこの場所を、クリエイティブプロダクション「WAVY」が撮影とディレクションを手がけている。インテリアや農園、海辺の景色が淡い記憶の断片のようにとらえられ、静謐な時間の流れを感じさせる構成となっている。写真を通して土地と建築、自然が織りなす独自の風景を映し出している。
Stargazing at Sokcho | Boomoon
韓国出身の写真家Boomoonによる作品集。故郷である北東部の港町・束草(ソクチョ)を舞台に、花崗岩の山々や深い森、澄み渡る冷たい空気のもとに広がる夜空をとらえ、燦然と輝く星々を写し出している。幻想的で静寂に満ちた風景は、自然と宇宙との連続性を感じさせ、詩的なまなざしで束草の地を記録。写真を通して、個人的な原風景が普遍的なスケールへと昇華される過程を明らかにしている。
Laszlo Moholy Nagy 60 Fotos
バウハウスで教鞭をとり、写真・デザイン・絵画を横断する実験的な実践で知られるハンガリー出身のアーティスト、モホリ=ナジ・ラースローの代表的写真集を扱った一冊。1930年に刊行された名作写真集『60 Fotos』をもとに、光と影の操作、フォトグラム、フォトモンタージュなど、多様な手法による視覚的探究がページ順に収録。写真表現の基礎と革新を同時に伝える資料として、モダンアートにおける重要な位置づけをあらためて感じさせる内容となっている。
Meckseper Radierungen 1956-1990
ドイツの画家フリードリヒ・メクセペルによる銅版画作品集。1956年から1990年にかけて制作された283点を収録している。細密な線描と陰影を駆使した表現は、幻想的でありながらどこかダークな世界観を漂わせているのが特徴である。制作年代順に展開される図版と解説を通じて、約35年にわたる創作の軌跡をたどることができる。
Picasso and His Time
ベルリン国立ベルクグリューン美術館が所蔵する作品を紹介する一冊。美術商ハインツ・ベルクグリューンのコレクションを基盤とし、パブロ・ピカソ、パウル・クレー、アンリ・マティスの3人を中心に構成されている。さらに、同時代のアルベルト・ジャコメッティやジョルジュ・ブラック、影響の源泉となったポール・セザンヌの作品も収録。絵画、デッサン、彫刻を大判図版とテキストで提示し、20世紀美術の展開を具体的に示している。
Rodchenko: The Complete Work
ロシア・アヴァンギャルドを代表する芸術家アレクサンドル・ロトチェンコの活動を網羅的に紹介する作品集。絵画、デザイン、立体、写真など多岐にわたる作品をカラーとモノクロで収録している。バイオグラフィや作品解説といった豊富なテキストをあわせて掲載し、その革新的な表現と社会的背景を立体的に示している点が特徴。20世紀美術の重要な潮流を担ったロトチェンコの全貌を具体的に浮かび上がらせている。
Sweet Water | Marie-Jose Jongerius
オランダの写真家マリー=ジョゼ・ヨンゲリウスによる作品集。カリフォルニア各地のアパートやモーテル、ホテルに付属する屋外プールを撮影したもの。資本主義社会の象徴ともいえる質素な集合住宅に備えられた平凡なプールと、陽光を浴びてきらめく水面の美しさが、対照的でありながら同一の風景に共存している点が際立っている。ありふれた場所を通して社会と日常を映し出し、平凡さに潜む矛盾や美を具体的に照らし出している。
Walker Evans at Work
アメリカの写真家ウォーカー・エヴァンスの創作過程を辿る作品集。747点に及ぶ作品群に加え、手紙やメモ、インタビューなどの資料を収録し、彼がいかにして写真表現を築き上げてきたかを示している。生涯にわたり技術的な探求と試行錯誤を重ねた軌跡が詳細に記録されており、20世紀写真史におけるエヴァンスの位置づけを理解するための重要な手がかりとなる。写真とテキストを通して、創作のプロセスと思想を具体的に浮かび上がらせている。
構成 Toranomon Towers | 上田義彦
写真家・上田義彦が虎ノ門に建てられたオフィス棟とレジデンス棟からなるツインタワー、虎ノ門タワーズを撮影した作品集。建築の持つシンプルな美しさを際立たせた写真に加え、アートディレクター葛西薫によるデザインを融合させることで、建築写真の枠を超える表現を実現している。写真、デザイン、建築という3つの要素が交差する構成となっており、都市に立ち現れる建築の存在感と造形美を多角的に映し出している。
VOID | 高橋恭司
写真家・高橋恭司による作品集。Leica M8で撮影された日常の断片を収録し、花や水面の揺らぎ、錆びた鉄格子、捨てられた白い靴など、ありふれたモチーフを静かに見つめている。各写真には詩的な言葉が添えられ、イメージと言葉が響き合う構成。アートディレクションはクリストフ・ブランケルが担当。写真と言葉が交差する、静謐で内省的な世界観を丁寧に編み上げた一冊。
ポラロイド・ブック ポラロイド社の写真コレクションより
ポラロイド社の創業者エドウィン・ランドと写真家アンセル・アダムスの協働によって始まったポラロイド・コレクションを紹介する写真集。ロバート・フランク、ルイジ・ギッリ、アンディ・ウォーホル、ロバート・メイプルソープなど203名のアーティストによる254点の作品を収録している。インスタント写真の実験性と即時性を生かした表現が並び、20世紀写真史におけるポラロイドの位置づけを具体的に浮かび上がらせている。
長谷川潔の全版画 | 魚津章夫
銅版画家・長谷川潔の全貌を紹介する作品集。版画作品に加え、挿画、装幀、カードなど650点に及ぶ仕事を網羅的に収録している。詳細な論考を含むテキストでは、修正の跡や制作の手順にも言及され、技法や表現の変遷を明らかにしている点が特徴。大正から昭和にかけてパリを拠点に活動した長谷川の歩みを総合的に示し、日本とフランス双方の美術史における位置づけを具体的に浮かび上がらせている。
銅版画家 長谷川潔 作品のひみつ
2006年に横浜美術館で開催された展覧会に際して刊行された図録。27歳で渡仏し、89歳でその生涯を閉じるまでフランスで制作を続けた銅版画家、長谷川潔。本図録では、代表的な銅版画作品に加え、パリのアトリエに遺されたデッサンや下図などの貴重な資料を収録。「裸婦とミューズ」「草花・静物」など、生涯にわたって追求された主題を軸に、制作過程やモチーフの変遷をたどりながら、作品に込められた静謐な美と創作の秘密に迫る。
ジャン・フォートリエ展
2014年に東京ステーションギャラリーほか各地で開催された展覧会の図録。戦後フランスを中心に台頭した美術動向「アンフォルメル」の先駆的存在として知られる画家、ジャン・フォートリエ。独自のマチエールを用いた表現、戦争の犠牲者を題材とする作品群、そして具象と抽象を往還する強い造形表現によって、従来の絵画概念に大きな衝撃を与えた。第二次世界大戦下に制作され、大きな反響を呼んだ代表作「人質」シリーズをはじめ、初期から晩年にいたるまでの主要作品を通して、フォートリエの芸術の全貌に迫る。
グルジアの放浪画家 ニコ・ピロスマニ展
グルジア(現ジョージア)の居酒屋や街角を舞台に、民衆の日常や素朴な暮らしを描き続けた孤高の画家として知られるニコ・ピロスマニの図録。1986年に西武美術館で開催された展示の際に発行されたもの。酒場の情景や人々の肖像などを豊富なカラー図版で収録し、その飾らない視線と表現の魅力を伝えている。装丁は田中一光によるもの。
ミツ バルテュスによる四十枚の絵
フランスの画家、バルテュスが少年時代に描いた、猫・ミツとの思い出を綴った40枚の絵を収録した作品集。寝床やキッチン、旅先、クリスマスなど、日常のささやかな場面を舞台に、少年と仔猫とのあたたかくも切ない交流が繊細に描き出されている。後の画業にも通じる詩情とまなざしが感じられる、バルテュス初期の貴重な記録。詩人のライナー・マリア・リルケが序文を寄せている。
Pomona Britannica: The Complete Plates | George Brookshaw
果物や花の精緻な図案で知られるジョージ・ブルックショーの作品集。1812年に刊行した名著の復刻版。イングランドで栽培された多彩な果物の豊かさを讃え、ブルックハムによる256種の果物を見事な挿画で紹介。本復刻版では、ジョージ3世の娘エリザベス王女が所有していた希少な限定手彩色版の使用許可を得て、美しい装丁とともに再現している。各章は一つの果物の科に焦点を当て、当時の栄養情報や文化・歴史的背景を解説。さらに19世紀のレシピも収録し、メロンアイスやイチジクのスープなど当時の味覚を楽しむことができる一冊。
The Illustrated Book of Food Plants | B. E. Nicolson
『オックスフォード食用植物図鑑』として刊行された内容をもとにした資料集。人類の食糧源となる植物を正確かつ美しいイラストとともに420種収録し、それぞれの起源、分布、生物学的特徴、栄養価について詳しく解説。穀物作物、砂糖作物、油脂作物、ナッツ、豆類、果物、香辛料、サラダ用植物、葉菜類、根菜類など、提供される食材の種類別に分類。また、食用植物の家畜化の歴史や、先史時代から歴史時代にかけての世界各地への拡散、栄養価に関する総論的な章も設けられており、植物学用語集と索引も付属した学術的にも実用的にも充実した内容。
A Passion for Plants | Shirley Sherwood
植物画(ボタニカルアート)の作品集。植物学者、シャーリー・シャーウッドが収集した世界有数のコレクションから、現代を代表する優れた作品を厳選して収録。各作品にはアーティストの制作背景や技法についての解説が付されており、細部にわたる図版を通して画家の独自の表現手法や特徴を深く理解することができる。200点以上の作品を掲載し、現代の植物画家たちの多様な個性と高度な技術を存分に堪能できる内容となっている。
井田照一 Ida Shoichi-Prints Surface is the Between 1974-1983
現代日本版画の展開を語る上で重要な位置を占める井田照一の作品集。1978年に制作が始まった連作「Descended Level(下降したレヴェル)」を中心に、カラーとモノクロの図版で収録している。素材と空間、視覚と構造の境界を繊細に探り続けた井田の表現を通じて、シリーズが持つ思想的背景と美学的意義を提示。1970年代から80年代にかけての国際的な同時代性の中で、井田の創作がどのように位置づけられるかを具体的に明らかにしている。
7 Reece Mews: Francis Bacon's Studio | John Edwards、Perry Ogden
20世紀を代表する画家フランシス・ベーコンが晩年の約30年間を過ごしたロンドンの住居兼アトリエを記録した写真集。ドアや壁には無数の色が塗り重ねられ、床には画材や資料写真が散乱し、巨大なキャンバスが立てかけられている。キッチンやベッドルームまで含め、日常と創作の場が混ざり合った空間が詳細に撮影されており、ベーコンの美意識やインスピレーションの源泉が具体的に浮かび上がっている。
Iconic: A Photographic Tribute to Apple Innovation | Jonathan Zufi
1976年の創業から、歴代のデスクトップやポータブル機器、周辺機器、iPad・iPod・iPhoneといった製品群、さらにはパッケージデザインまで、Appleの革新の軌跡を豊富な写真でたどるビジュアルブック。「機能性と美の融合」という理念のもと、数々のアイコニックなプロダクトを生み出してきたAppleの歩みを、エンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャー、そしてビジョナリーたちへの敬意とともに記録した、トリビュート的な一冊。
Scandinavian Modern Houses: The Spirit of Nordic Light
北欧の光を主題に据え、20世紀に建てられたスカンジナビアの住宅建築を紹介する資料集。日照時間の短い冬を前提に、光を最大限に取り込む工夫が凝らされた空間設計は、北欧建築の大きな特徴とされる。本書では1930年代から現代に至るまでに建てられた多様な住宅を豊富な写真で収録し、その美学と生活文化を探る視点を提示している。光と建築の関係性を通して、北欧モダニズムの精神を理解する手がかりとなる一冊。
David Rowland: 40/4 Chair | Erwin Rowland、Laura Schenone
アメリカのデザイナー、デヴィッド・ローランドによる作品集。代表作でもある「40/4 Chair」の60周年を記念して刊行されたもの。「40/4 Chair」スケッチや図面、資料写真をはじめとする豊富な資料とともデザイン活動を紹介。カラー図版250点と併せて解説を収録。
Studio O+A: Twelve True Tales of Workplace Design
サンフランシスコを拠点とする建築設計事務所、Studio O+Aによるモノグラフ。オフィスデザインをテーマに、AOL、Facebook、Uberなどを含む12のプロジェクトを通して、同事務所の理念と実践をたどっている。創設から現在に至るまでの歴史を振り返りつつ、働く環境に対する新たな価値観や空間のあり方を探るエッセイを収録。豊富な写真と図版により、現代のワークプレイスを形づくるプロセスとその背景が具体的に示されている。
平成の縞帳 明治の縞帳「縞割早見」復刻版
明治30年に刊行された縞帳「縞割早見」をもとに、草木染と手織りで丁寧に復元した資料集。草木染織二人工房を主宰する中島武司・中島和子が、配色設計や染色技法、織りの構成に込められた美意識と知恵を解説している。豆汁処理や天然染料を用いた染色など伝統的手法によって再現された48種類の復元見本地を収録。明治期の縞模様を現代に蘇らせ、その歴史的価値と造形性を具体的に提示している。
遊びの百科全書 全10巻揃
文化や歴史に通じた多彩な執筆陣が参加した事典シリーズ「遊びの百科全書」全10巻揃。各巻の編集を種村季弘、巖谷國士、澁澤龍彦、寺山修司、岡本太郎らが担当し、遊びをめぐる知識と想像力を幅広い視点から探っている。伝統的な遊戯から現代的な文化表現にいたるまでを扱い、大人も楽しめる知的な読み物として構成。
The Herman Miller Collection The 1955/1956 Catalog
アメリカの家具メーカー、ハーマンミラーによる1955年から1956年の製品カタログを復刻した資料集。イームズ夫妻やジョージ・ネルソンらが手がけた椅子や収納家具をはじめとするモダンデザインの数々を収録している。製品画像や構造図、素材の解説がモノクロ図版で掲載され、当時のデザイン思想と生産背景をうかがうことができる構成となっている。
オキーフの家 | クリスティン・テイラー・パッテン
20世紀アメリカを代表する画家ジョージア・オキーフが晩年を過ごしたニューメキシコ、アビキューとゴースト・ランチの2つの家を記録した写真集。石や骨などの収集品、四季折々に表情を変える庭の風景をとらえ、住まいであり創造の場でもあった空間の姿を示している。モノクロ写真79点により、98歳で亡くなるまでの40年間を過ごした生活の軌跡が静かに刻まれている。翻訳は江國香織が担当し、オキーフの暮らしと芸術の結びつきを浮かび上がらせている。
Living in Chinese Style
中国の木製アンティーク家具を紹介する写真資料集。椅子、キャビネット、テーブルなど、直線的な造形美を特徴とする伝統家具を中心に収録している。時を経てもなお色調や風合いを保つ家具の数々をモノクロ図版で多数掲載し、その意匠や構造を明らかにしている。家具を通して中国の住まいの美意識や生活文化を探る視点を提示している。
日本人の道具 | 清永安雄
江戸時代末期から昭和初期にかけて、日本人の暮らしの中で使われていた身近な道具の数々を記録した写真集。農具や生活道具など、素朴なかたちの中に知恵と手仕事の美が息づき、機能性と造形性が融合した姿をとらえている点が特徴である。近代化とともに失われつつある生活文化を、写真を通して後世に伝える資料的価値を備え、道具をめぐる日本人の営みを静かに浮かび上がらせている。
ひとりよがりのものさし | 坂田和實
古道具坂田の店主・坂田和實による「芸術新潮」の連載をまとめた書籍。白洲正子が晩年に魅了された骨董界のカリスマが、美意識の尺度で選び抜いた品々をオールカラーで収録している。「ボロ布」「ドゴン族の柱と扉」「ポルトガル人形と陶板像」など、多様な対象を取り上げ、その美の本質を語る内容となっている。別冊付録として、建築家・中村好文との対談「ものが美しく見える場所 美術館 as it isができるまで」を収録し、美の受け止め方を探る視点となっている。
Textiles Africans | Michele Coquet
サハラ以南のアフリカにおけるテキスタイルデザインを紹介する写真資料集。遺跡調査で発見された古代の布から、北アフリカを経由して伝わったイスラム文化の影響を受けた意匠まで、多様なデザインを収録している。170点に及ぶ図版を掲載し、素材や技法の違いを鮮やかに示している点が特徴。地域に根ざした布の造形美を通して、アフリカの文化的多様性を浮かび上がらせている。
丸石拾遺集 | 米田拓朗
写真家・米田拓朗による作品集。山梨県に多く存在する、丸い石を祀った石造物「丸石神」を探訪し、650基以上を撮影した記録の中から、とくに濃密に分布する笛吹川流域を中心に100基を紹介している。収録形式はポストカード100枚で構成され、付属のテキストでは丸石神の由来や信仰の背景を解説。さらに分布地図をまとめたシートも収められ、民間信仰としての丸石神の姿を視覚的かつ資料的に提示している。
起源 | 増浦行仁
写真家・増浦行仁による作品集。題材は「神宿る島」として知られる沖ノ島と、宗像大社を中心とした宗像一族ゆかりの古墳群である。古来より限られた人々しか立ち入ることを許されなかった沖ノ島は、島全体が宗像大社の神領とされ、自然の中に点在する社や神聖な儀式が今なお受け継がれている。本書では、島の荒々しい岩場や深い森、社殿や祭祀跡をモノクロとカラーの写真で捉え、信仰と自然が交錯する独特の風景を映し出している。
WORKSIGHT 2011-2021: Way of Work, Spaces for Work | 山下正太郎
ワークスタイル戦略情報メディア「WORKSIGHT」の成果をまとめた記録集。2011年から2021年にかけて取材した世界各国のオフィス空間を紹介しており、グローバル企業からベンチャーまで幅広い事例を収録する。マクドナルド、キックスターター、Slack、マイクロソフトなど33の事例を大判の図版と解説で提示し、働き方の変化に呼応する空間デザインの実際を探ることができる。未来のオフィス像を考えるうえでの重要な手がかりを照らし出している。
Emerging Japanese Architects
戦後日本建築の第4世代として1985年以降に登場した新進の建築家6組を紹介する作品集。北川敦志、清志・タケヤマ/AMORPHE、丹紀彦、若林浩之、WORKSHOP、原久志らが手がけた商業施設を中心とする建築をモノクロ図版で収録している。実用性と美学を兼ね備えた作品を通じて、各建築家の設計思想を読み解く内容となっている。1990年代初頭の日本建築の動向を国際的な視点から具体的に描き出している。
フンデルトヴァッサー建築
オーストリアの芸術家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーによる建築を紹介する作品集。直線を極力排し、自然との調和を志向した独自のスタイルは、おとぎ話のような世界観を生み出している。本書では建築家としての活動にとどまらず、思想家・芸術家としての側面に焦点を当て、宣言文やスピーチ、著作を通じて建築思想との結びつきを示している。さらに、模型や図面などの資料から構想のプロセスを可視化し、ウィーンのフンデルトヴァッサー・ハウスをはじめとする代表的プロジェクトを豊富な図版で提示している。
2G No.2 Toyo Ito Seccion 1997
スペイン発の建築雑誌『2G Magazine』第2号は、建築家・伊東豊雄を特集している。長岡リリックホール、養護老人ホーム八代市立保寿寮、八代広域消防本部庁舎など、代表的なプロジェクトを豊富な写真や図版とともに紹介。建築の造形や空間構成に加え、社会性と機能性の両立を探る試みが読み取れる内容となっている。巻末には伊東豊雄自身によるエッセイを収録し、作品の背景にある思想を直接的に提示している。
清ら布 沖縄の風を織る光を染める
沖縄本土復帰30周年を記念して開催された「清ら布展」にあわせて刊行された作品集。染色から織りにいたるまで多くの工程が手作業で行われ、受け継がれてきた染織の伝統を紹介している。布に込められた技と心を示す作品が多数収録され、鮮やかな色彩や独自の文様が沖縄の自然や風土と深く結びついていることを伝えている。写真と解説を通じて、地域に根ざした染織工芸の歩みとその精神性を具体的に映し出している。
ヴァレリオ・オルジアティ
2011年から2012年にかけて東京国立近代美術館で開催された、スイスの建築家ヴァレリオ・オルジアティの展覧会にあわせて刊行された図録。世界各地での巡回展の展示風景や会場図面を収録し、さらにオルジアティが設計した建築作品をカラー図版で紹介している。巻末には本人へのインタビューを収め、思想と実作の双方を探る内容となっている。展示記録と作品資料を通して、現代建築におけるオルジアティの独自の立ち位置を浮かび上がらせている。
柳宗悦展 暮らしへの眼差し
2011年に東京、横浜、大阪、広島を巡回した「柳宗悦展 暮らしへの眼差し」にあわせて刊行された図録。民藝運動を主導した思想家・柳宗悦の人物像と活動を紹介するとともに、蒐集した多彩なコレクションを解説している。さらに、息子である柳宗理へと受け継がれた「手」と「目」に注目し、両者が館長を務めた日本民藝館の歩みを通して、民藝の理念とその継承を探る内容。民藝運動の思想と実践の広がりを具体的に浮かび上がらせている。