上野リチ ウェーンからきたデザイン・ファンタジー
2021年から2022年にかけて開催された巡回展のカタログ。ヨーゼフ・ホフマンに学びウィーン工房の一員として活動し、京都移住後は上野伊三郎と結婚し、テキスタイルデザインを中心に活動した上野リチ(フェリーツェ・リックス)の作品を紹介。上野リチによる花やキャンディ、貝殻などの美しく華やかな色彩のテキスタイルデザインや、ヨーゼフ・ホフマン、コロマン・モーザー、ブルーノ・タウトほか、同時代に生きたデザイナーたちの作品、解説も併せて収録。
アール・ヌーヴォーの館 旧松本健次郎邸 | 増田彰久
アール・ヌーヴォーの館 旧松本健次郎邸/九州の実業家、松本健次郎がかつて暮らしていた洋館・旧松本家住宅を詳細に記録した写真集。日本におけるアール・ヌーヴォーの歴史的な展開、その資料も併せて多数収録。装丁は杉浦康平。
丘の上の修道院 ル・コルビュジェ 最後の風景 | 范毅舜
20世紀を代表する建築家、ル・コルビュジエが手がけたリヨン郊外の丘の上に佇む宗教建築、ラ・トゥーレット修道院の謎を解き明かす写真資料集。無神論者を公言していたコルビュジエによって設計された、宗教的なシンボルは一切ない、自由で極端な建築スタイルのラ・トゥーレット修道院。そこに隠されていた多くの物語を、キリスト教徒であり写真家の范毅舜による写真、解説で紐解いていく。
メタボリズムの未来都市展 戦後日本・今甦る復興の夢とビジョン | 広瀬麻美、佐々木瞳 他
2011年から2012年にかけて森美術館にて開催された「メタボリズムの未来都市展」の図録。社会の変化に合わせ有機的に成長する都市や建築物を提案するメタボリズム建築運動を紹介する、世界初の展示会。運動の中心人物は建築家の丹下健三、大谷幸夫、大高正人、評論家の川添登、グラフィックデザイナーの粟津潔など。500点以上の展示物によって、約80のプロジェクトを掲載。
Julius Shulman: Architecture and its Photography | ジュリアス・シュルマン
アメリカの建築写真家、ジュリアス・シュルマンの作品集。20世紀のカリフォルニアを中心とした、世界各地の近代建築の60年にわたる記録。チャールズ・イームズ邸やリチャード・ノイトラ、フランク・ロイド・ライトらによる建築作品を収録。 英語表記。
日本の色 | 牧直視
写真家、牧直視の写真集。建築や寺、工芸、陶器、仏像など、日本の伝統的なものに宿る鮮やかで重厚な色彩を大胆かつ細部に着目して切り取った写真を大型図版で収録。巻末にテキストや解説も合わせて収録。限定600部刊行。
日経回廊 全10冊揃 | 日本経済新聞社
日本経済新聞社が購読者向けに発行していた非売品の雑誌『日経回廊』の全巻10冊揃え。毎号魅力的なテーマを新鮮な切り口で特集する。
Leaked Recipes: The Cookbook | Demetria Glace
過去15年間に漏洩した電子メールから料理にまつわるものをピックアップし、まとめたユニークなレシピブック。朝食、ディップ、メインディッシュ、サイドディッシュ、デザートなど、50以上のレシピを紹介。ヒラリー・クリントンからエマニュエル・マクロンまで様々な情報源から流出したメールを様々な側面から考察し、ルポルタージュと料理本の要素を兼ね備えた1冊。 英語表記。
また、あうものたち | 白石和弘
アカツキプレスから出版された、写真家・白石和弘による待望の処女作品集。収められているのは10年にわたり撮りためられた、“ふるいものたち”のポートレート81点。
Paper Is a Leaf That Will Destroy Us in Its Fall | Sarah van Lamsweerde、Kris Dittel
ブリュッセルとアムステルダムと拠点に活動するアーティスト、サラ・ヴァン・ラムスヴェールデのアートブック。コンゴ民主共和国のレガ族に受け継がれる風習「ムタンガ」をテーマにしたプロジェクトをまとめたもの。様々な物品を紐に吊るし、ことわざを視覚化する「ムタンガ」を通し、物質とコミュニケーションの作用を探る。 英語表記。
マリメッコ展 デザイン、ファブリック、ライフスタイル | フィンランド・デザイン・ミュージアム、朝日新聞社
巡回展「マリメッコ展 デザイン、ファブリック、ライフスタイル」の図録。フィンランドの伝統的なモチーフや自然に着想を得つつ、大胆・カラフル・抽象的な柄で世界中を魅了するマリメッコ。ファブリックをはじめ、ヴィンテージドレス、スケッチなどを収録しながら、デザイナーたちの仕事とマリメッコが歩んできた60年の歴史を紹介する。
東京国立博物館創立150年記念 特別展 国宝 東京国立博物館のすべて | 毎日新聞社
2022年に東京国立博物館で開催された展示の図録。「東京国立博物館の国宝」、「東京国立博物館の150年」の2部構成で紹介。絵画、書跡、東洋絵画、法隆寺献納宝物、考古、刀剣や博物館の誕生や皇室から引き継がれた名品なを収録。
空海と高野山 弘法大師入唐1200年記念 | 京都国立博物館 ほか
2003年より京都国立博物館などで開催された展示の図録。平安時代に弘法大師空海により創建され、現在も真言密教の総本山であり続ける高野山が所蔵する文化財を一挙に紹介。唐からの請来品、高野山で想像された密教美術品、皇族・武家などから寄進された品々などを図版とともに収録。
デイヴィッド・ホックニー 僕の視点 芸術そして人生
デイヴィッド・ホックニー 僕の視点 芸術そして人生/イギリスの現代美術界を代表するアーティスト、デイヴィッド・ホックニーの自叙伝。様々な体験と試みに満ちたこれまでの20年を振り返りながら、自身の生き方や作品について率直かつ丁寧に語った一冊。また365点の作品図版を併せて収録し、氏の芸術家としての歩みを作品とともに辿ることができる。
Tomoko Kawai: Intimacy of Paradise | 河合智子
ベルリンを拠点に活動する日本の写真家、河合智子の作品集。動物園の内部や植物を撮影した写真を鮮明なカラー図版で多数収録。人間と動物、自然界の対比を可視化させたかのような独自の視点が印象的な一冊。 英語表記。
Geraldo de Barros: Sobras | ジェラルド・デ・バロス
画家、写真家でありながら、彫刻、グラフィックアート、工業デザインでも活躍し、ブラジルの具象芸術運動を率いたジェラルド・デ・バロスの作品集。脳卒中を患ったのち1990年末頃に写真作品へと回帰し、自身の写真を用いたコラージュ作品「Sobras」シリーズを収録。スキー場の雪山を中心としたモノクロによるコラージュは最も個人的なシリーズとなった。 フランス語、英語表記。
Harry Callahan: Color, 1941-1980 | ハリー・キャラハン
アメリカの写真家、ハリー・キャラハンの大判作品集。1941年から1980年までのおよそ40年間に撮影された写真をまとめたもので、シカゴやニューヨーク、パリ、デトロイトなど各地の町並みやそこで暮らす人々、建築、自然などがキャラハンの視点で切り取られている。 英語表記。
Casper Sejersen: Belongs to Joe | キャスパー・セイェルセン
デンマーク出身のフォトグラファー、キャスパー・セイェルセンの作品集。ラース・フォン・トリアー監督の映画『ニンフォマニアック』の脚本の解説をまとめたフォトエッセイであり、教会の歴史、サディズム、ファシズム、植物学など、複雑な連想の連鎖の中に織り込まれた脚本の幾重もの層を解きほぐしていく一冊。 英語表記。
Henrik Lundell: Tenuta Borgia | Wavy
イタリア、パンテッレリーア島に位置するリゾート施設「テヌータ・ボルジア」の写真集。クリエイティブコンテンツのプロダクション「WAVY」が撮影、ディレクションを行う。ローザ・ボルジア男爵夫人が避暑地として使用し、現在誰でも滞在できるこの場所のインテリアや近くの農園、海などの景色を淡い記憶のように記録した一冊。 英語表記。
Marcy Robinson: half-frame | マーシー・ロビンソン
写真家、マーシー・ロビンソンの写真集。ニューヨークやカリフォルニア、メキシコなどで撮影されたストリートスナップをカラーで多数収録。記憶の断片を辿るようなフレームアウトした構図と、ノスタルジー漂う色彩の作品は、全てハーフサイズカメラで撮影されたもの。英語表記。
Ralph Gibson: Ex Libris | ラルフ・ギブソン
アメリカの写真家、ラルフ・ギブソンの作品集。古代ローマの石彫やグーテンベルク聖書の革命的な印刷など、文字と書物に対する憧憬、そしてギブソンのイメージの数々をモノクロ図版で断片的に収録した一冊。 英語表記。
Wolfgang Tillmans | ヴォルフガング・ティルマンス
ドイツ出身の写真家、ヴォルフガング・ティルマンスの作品や活動の広がりなどを紹介した一冊。氏の代表的な作品を掲載するほか、ピーター・ハリーによるインタビューや、評論家の松井みどりによる作品分析など、多彩なコンテンツを収録。英語表記。
Simryn Gill: Power Station シムリン・ギル 発電所と家
2004年に資生堂ギャラリーで開催されたシムリン・ギル展の図録。ギルの生まれ故郷であるマレーシアの小さな沿岸の町、ポート・ディクソンにある古い発電所の内部と、生まれ育った家の中を撮影した写真を対比させるように掲載。対称的でありながらもどこかで類似する空間と、その空気感がページをめくるごとに差し迫るような作品群。
Murakami: Versailles | 村上隆
2010年にヴェルサイユ宮殿で開催された村上隆の展示風景をおさめた写真集。豪華なバロック様式の装飾と現代的なポップアートによる創造的な対話を記録している。当時の新作7点を含む22点の作品の展示風景のほか、準備作業、スケッチ、スタジオ写真などの制作過程も収録。 英語表記。
Parcours Museologique Revisite | Robert Polidori ロバート・ポリドリ 写真集
カリフォルニアを拠点に活動する写真家、ロバート・ポリドリの作品集。世界最大級の宮殿であり、フランスの絶対王政の象徴でもあるヴェルサイユ宮殿の保存プロジェクトを記録したもの。25年の歳月をかけて撮影された写真は、修復の過程で発生した政治的、美学的な問題を見つめ、ヴェルサイユ宮の進化の過程を映し出している。 英語表記。
Park Hyunsung: Bathhouses in Seoul | 6699press
韓国の写真家、Park Hyunsungがソウルの銭湯を撮影した作品集。1967年に開業したソウルの銭湯や、廃業した銭湯など10ヶ所の浴場をカラー写真で収録。90年代には2000軒以上あった銭湯が半分以下に減少、衰退していくソウルの銭湯の現状を映し出す。 韓国語表記。
Frank Darius: Tunichtgut | フランク・ダリウス
ベルリンを拠点に活動する写真家、アーティスト、フランク・ダリウスによる作品集。パステルカラーのトラック、広大な平原、一列に並んだショッピングカート。自然や都市の風景と、エロティックなモチーフが織りなすどこか非日常のイメージの世界が広がる。 英語表記。
Maxime Guyon: Aircraft | マキシム・ギヨン
フランス出身のアーティスト、マキシム・ギヨンによる写真集。2017年から2020年にかけて航空機械の構成部品を撮影したもの。エンジン部分、緻密な回路、機内のシートなど、カラーによる70点の図版、解説を収録。コンセプチュアルな美学が凝縮された一冊。 英語表記。
Y字路 | 横尾忠則
世界のグラフィック・シーン、アート・シーンに新たな領野を切り拓いた横尾忠則の作品集。表題通り「Y字路」を題材にしたペインティング、またその実在するY字路の写真をカラーで多数掲載。
George Tice: Common Mementos | ジョージ・タイス
2006年にニューアーク美術館で開催された展覧会の際に刊行されたもの。ニュージャージー出身の写真家、ジョージ・タイスによる1990年代の都市風景を撮影したシリーズの未発表の作品。落書きが描かれたアパート、電線に絡まるように立つ給水塔、手書きの看板のピザ屋など、当時の景色をモノクロの写真で映し出す。 英語表記。
Hibernation | Sander Van Wettum
オランダを拠点に活動する写真家、サンダー・ヴァン・ウェットタムの作品集。南ヨーロッパの海岸線に点在する観光地をオフシーズンに巡り撮影したもの。観光客のいないホテル、バー、レストランなどを、Hibernation=冬眠状態の超現実的な空間として新たな視点で捉えている。 英語表記。
福田繁雄展 福田美蘭展 2冊セット
2001年に世田谷美術館で開催された展覧会の図録2冊セット。グラフィック界の巨匠、福田繁雄のポスターをはじめ、立体造形、オブジェほか、現代美術家、福田美蘭による新作絵画を中心とした99年代以降の作品を掲載。
周囲 | 松本康男
写真家、松本康男の作品集。東京や埼玉、ロンドン、サハリンなどの各地で撮影された「周囲」の景色。生い茂る緑、水辺の自然、地面に雪が残る冬の木々、季節を超えて森の中を歩いているような、すぐ側に存在する自然の風景が収められている。
実験工房と瀧口修造 第11回オマージュ瀧口修造展
1991年に佐谷画廊で開催された展示の際に刊行された図録。瀧口修造が主宰した芸術家集団・実験工房の活動、駒井哲郎、大辻清司、武満徹、湯浅譲二ら、作家たちによる作品、記録写真ほか、瀧口修造による実験の精神を再録。 日本語、英語表記。
Inujima Note 犬島ノート
瀬戸内の犬島アートプロジェクトの全容を紹介した一冊。三島由紀夫をモチーフとした「ヒーロー乾電池」や、「家プロジェクト」のインスタレーションなど様々な作品を多数の写真とテキストで解説。明治・大正期に10年間操業し、廃墟となった銅の精錬所跡を舞台に出現した巨大なインスタレーション作品に込められたメッセージを、「美術史」「日本近代と産業遺産」といったキーワードから読み解いていく。
熊谷守一画文集 ひとりたのしむ
画家、熊谷守一の画文集。 油彩、書、デッサン、写真家・藤森武による未発表写真などの作品とともに熊谷守一による思い出や数々の遺された言葉が収録されている。 カバーに少ヤケ、少スレ、少汚れあり。本文の状態は並。
遠い楽園の記憶 小野田維画集 | 求龍堂
画家、小野田維の画集。中世ヨーロッパの油彩・テンペラ混合技法を用いて描かれた、遥か遠い記憶のなかに眠る楽園。人類の根源に訴えかける、美しくファンタジックな作品の数々を収録。
ミレー<晩鐘>の悲劇的神話「パラノイア的=批判的」解釈 | サルバドール・ダリ
シュルレアリスムの代表的作家、サルバトール・ダリの絵画観をまとめた理論書。ダリに脅迫的イメージとして影響力を与えた、ジャン=フランソワ・ミレーによる<晩鐘>の考察、シュルレアリスムと精神分析についてなど新資料を交え、図版と併せて紐解いていく。
ワンダー植草・甚一ランド | 植草甚一
音楽、映画、読書、芸術など多岐に渡る執筆で知られる評論家、植草甚一のエッセイ集。著者作品のなかでも扱っているトピックが一段と幅広く、植草甚一の博識と好奇心の魅力がふんだんに詰まった一冊。装画は自身によるもの。
水の音が走る夕刻 | 金田実生
画家、金田実生が2018年に府中市美術館で公開制作した作品をまとめた一冊。制作は4月から7月に行われ、府中の公園などの周囲の環境が、初夏から夏へと移ろいで行く気配、纏う空気、その変化の姿を描く。
妖精たちの森 | 野中ユリ、澁澤龍彦
多くの版画美術を手掛ける野中ユリの作品集。澁澤龍彦のエッセイと共に、透明感のある静謐なコラージュが綴られた美しい一冊。新装版ではなく、講談社からの初版。
川上澄生硝子絵集 | 川上澄生
硝子絵集/画家、川上澄生の作品集。日本女性、聖母子、南蛮船などを油彩で描いたガラス絵をカラーで収録。すべて額装した作品図版となっており、氏が自ら制作した額縁も使用されている。寄稿には福永武彦ら。